自分自身の限界は自分で決めるもんなんでLABEL : Cross The Limit GENRE : LOUDROCK...

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LABEL : Cross The Limit GENRE : LOUDROCK FOR FANS OF : Pay money To my Pain, Supe, NICKELBACK, coldrain LOKA QUATTRO NOW ON SALE!! 前作『EnFLAME』はKihiro(Vo)とKEN'ICHI(Dr)のユニットで作 り上げたものだったが、この2ndアルバムはバンド体制で初めて作り 上げた音源である。メンバーも気持ち的には“1stアルバム”と位置づ けている通り、現4人編成の色合いがアルバムに遠慮なく投影されて いる。ラウド&エレクトロを根幹に拳を握りしめてシンガロングしたく なるものから、ラップが入ったクラブ・ミュージック寄りの作風、アコ ギを用いた壮大なバラードまで、LOKAというバンドの懐の深さを示 した1枚だ。1曲1曲独立した個性を放ちつつ、作品トータルの流れも 重視し、暴れてよし、聴いてよしの欲張りなアルバムだ。めくるめく展 開で聴かせる「TSUBASA TRIGGER」も好きだが、歌心に溢れたラ スト曲「MAYBE」も感動的だ。 荒金 良介 たミクスチャーのようなサウンドですね。そのバンドが終わってから何もしてなくて、2 年前に黒夢のMVでギター弾かせてもらって、それをアピール・ポイントとして見せたけ ど、“あまり映ってなかったからわかんねえよ(笑)”、と言われて。 -そうでしたか。前作と今作ではまったく違うバンドと言っていいと思います。自分た ちではどこが1番変化したと感じます? Kihiro:テーマはズレてないと思うけど、4人それぞれの色が入ったから、アルバム1枚 通して音楽性は幅広くなりましたね。 SIN:4人それぞれバックグラウンドが違うので、同じものをやってもどこかしら違って くる。そういう意味で幅は広くなったんじゃないかな。 Kihiro:お互いに得意とする分野がわかってきました。こいつはこういうフレーズを弾 ける、こういうフレーズを叩ける、それを含めて足し算引き算がうまくできるようになっ た。今回は1stアルバムという気持ちですね。 -お互いの持ち味というのは言葉にできます? 全員:……ははははは。 -なぜ笑うんですか? Kihiro:いや、そういう褒め合いは俺らあまりしないから。 SIN:意地でもいわない4人だからね(笑)。 勝己:“あいつ、今日良かったよね”とか絶対言わない。 -そうなんですか(笑)? SIN:他のメンバーに負けたくないじゃないですか。思っても言わないでおこうと。多分、 負けず嫌いの4人なんですよ。 -そのバンドの空気感も面白いですね。 Kihiro:何も言わなかったら、良かったのかなって。良くなかったら、絶対に言ってくる から(笑)。 -悪いときだけダメ出しすると。それでよくバンドが続きますね(笑)。 SIN:言われても、みんな負けん気が強いから、次は直そうって感じになる。ある種こ の雰囲気がいいのかもしれない。 Kihiro:話を戻すと、得意とするところがわかってきたというのは、通ってきた音楽性 の部分ですね。例えばこのBPMでこれが弾けるのはメタルを知ってないとできないと か、自分たちが出すアイデアに付いて来れるから。 -お互いの得意なところもわかりつつ、ノリやグルーヴ感という意味で共通点も見出せ るようになってきました? Kihiro (Vo) SIN (Gt) 勝己 (Ba) インタビュアー:荒金 良介 -前作から約2年空きましたけど、この期間はどんな時間でした? Kihiro:この2年はバンドになる期間でした。前作は僕とドラム(KEN'ICHI)しかいな かったから。 -前作は元UZUMAKIのメンバーを含めて、サポート・メンバーでしたもんね。 Kihiro:そうですね。バンドというより、ユニット状態でしたからね。前作から1年後に 今のメンバー2人(SIN、勝己)を見つけることができて、LOKAとしてスタートを切る ことができました。 -正式メンバーでバンドを固めたい、という気持ちは最初からありました? Kihiro:そうっすね。サポートでツアーをしたときに、何もかもふたりでやらなきゃい けないのがキツくて。ライヴの見せかたもバンドというより、ヴォーカルとドラムの中心 線だけになるから。SINと勝己が加入したあとは、バンド感を強めるために全国ツアー や海外ツアーもやりましたからね。前作発表後の最初の1年はメンバーを探す時間、次 の1年がバンドを強化するための時間でした。 -改めてSINさん、勝己さんが加入した経緯は? SIN:LOKAでヴォーカル・レコーディングをやってるエンジニアのかたと知り合いで、 僕が前にやっていたバンドが解散するときに“LOKAがギター探しているから、1度 会ってみれば”と言われたのがきっかけです。それでKihiroさんから“正式にやってみ ない?”と言われて加入しました。 -前にやっていたバンドは? SIN:Wizardというヴィジュアル系バンドをやってたんですよ。ジャンルは全然違うけ ど、もともとメタルとか激しい音楽が好きだったし、違和感は全然なかったです。前の バンドも楽しかったけど、このバンドも楽しいですね。 -勝己さんは? 勝己:俺は共通の友達がいて……ずっとバンドをやってなかった時期が長かったけど、 BACK-ONのラップやってる奴(TEEDA)から“英語も喋れるし、海外ツアーも回っ てるすげえヴォーカルがいるんだよ”と聞かされて。じゃあ、会わせてよと言って、すぐ サポートでライヴをやって今に至る感じですね。 -勝己さんがやっていた音楽性は? 勝己:第1世代のミクスチャーみたいな音楽でした。初期RIZEとか、ラップが入り出し て言えるから。何でもできるのがミュージシャンだと思うから。ロックしかできないの は、あまりかっこいいとは思わない。ミュージシャンである以上、何でもできた方が かっこいいなと。 -バンドとしては“Sexy,Bad&Heavy、ライヴハウスの枠を超え、クラブ・シーンの客 層をも巻き込むインダストリアル/メタル・サウンド”というテーマを掲げてますが、こ の考えは今も変わりませんか? Kihiro:今も全然ありますよ。そのテーマを作る曲まで引っ張ると、制限されるので、 そこまで気にしてないけど。ライヴやパフォーマンスは、そのテーマでやってます。艶 やかで、ワルくて、重くて、という雰囲気は大事にしたくて。必ずしもそういう曲ばかり じゃないけど、ライヴで表現する際には“Sexy,Bad&Heavy”はテーマですね。 -その考えはどこから来てるんですか? Kihiro:最初にKEN'ICHIと話していたのは、MOTLEY CRUE、GUNS N' ROSES、 ああいう西海岸のハードロック・バンドのイメージですね。酒、女の子、ワル、不良みた いな雰囲気のバンドって、最近あまりいないし、俺はそういう雰囲気が好きだから。 -LAメタルの華やかなムードに惹かれるんですね。 Kihiro:LAメタルのバンドもチャラいハード・ロックもあれば、バラードもやるじゃな いですか。ギャップ萌えさせたいっす(笑)。 -ギャップ萌え、ですか? Kihiro:見せかたはチャラくて、艶やかだけど、いざ曲を聴いて歌詞を読むと、こんな ことを言ってたんだって。 -なるほど。音的な話をすると、やはりヘヴィとエレクトロの融合という部分が核にあ ると思いますが。 Kihiro:俺らのライヴはモッシュが起きたり、咲いたりしてますからね。女子には“咲 け!”と言ってます。暴れたい人はモッシュ、V系の人は咲いてるし、お客も幅広いんで すよ。それが楽しいですね。それが“Sexy,Bad&Heavy”のテーマにも合ってる気が して。Sexyの部分は女子が咲いてる、Badの部分は男子のモッシュが起きるから。 -今作の振れ幅の広さもそうですが、フロアもそれだけいろんなお客さんが入り乱れ ていると、このバンドの本意はどこにあるんだろう、と混乱を招くことはないですか? Kihiro:そこは自分たちがどんな考えで発信しているか、ちゃんと伝えなきゃいけない なと。初見の人にどう伝わるのか、そこは難しいかもしれないけど、何でもありなんだ よ、ということを伝えたいんですよ。僕らは全部OKなんだよ、と言うことをライヴの雰 囲気やMCでも伝えるので。その結果、どうなるかはわからないですけどね。 -1人でも多くの人たちを巻き込んでいきたい? Kihiro:どんなファン層の人も巻き込んでいきたい。常にどの扉も開いてる雰囲気は作 りたいですね。 勝己:ツアーでアイドルと対バンしたしね。いろんなドアを開けまくってますから。ヴィ ジュアル系、アイドル……。 Kihiro:ラウド系もいるしね。 -では、最後に今作のレコ発ツアーに向けて意気込みを? Kihiro:40本くらいあるのですが自分たちの限界を超えたいです。自分自身の限界は 自分で決めるもんなんで。ぜひ遊び来てください! -今作の曲がライヴでどうなるのか、楽しみですね。 勝己:ライヴはスーパー全力でやるし、いろんな人たちに聴いてもらいたい。一緒に楽 しめるライヴをやりたいですね。 SIN:LOKAに入って、初めてのCDなので、いろんな人に聴いてもらいたい。どんなジャ ンルが好きな人でも楽しめるライヴをやっているので、それを全国で見せたいですね。 Kihiro:俺らのライヴを通じて、友達を増やしてほしいですね。暴れる男子もいれ ば、咲く女子もいるし、僕らの会場の中ではその人たちが友達になったりするんですよ。 ファン同士が仲良くなってくれるから、それが嬉しいですね。そういう場所をお客さん と一緒に作っていきたい。 Kihiro:ライヴ中にそれを感じますね。ハマッたな思う瞬間は多々あるし、普段は……。 勝己:一緒にいないからね。ツアーでもバラけますからね。 SIN:ツアー中にオフ日があったけど、誰ひとり一緒にいなかったですからね。 勝己:はははは、そうだね。飯食うときぐらいじゃない?交わるのは。 SIN:ある意味信頼し切ってるから、そうなるのかなと。 -わかりました。今年6月から7月にかけて、10カ国16公演に渡るヨーロッパ・ツアーを 行いましたけど、今回やられていかがでした? Kihiro:去年も行ったんですけど、動員が前より増えたことを実感できらから、それが 1番嬉しかったですね。 勝己:去年来てくれた人がまた観に来てくれて、リピーターがいたのは嬉しいですね。 SIN:その人たちがまた噂を広めてくれて、また新しいお客さんが増えましたからね。 Kihiro:スタンダードなバンドのスタイルですよね。1度ライヴして、次にまたライヴを したら、お客さんが増えてる。あとは全部地獄だったから、何もいえないなあ。 勝己:そうだね(笑)。 -ライヴ以外はかなりキツかった? Kihiro:お店が空いてないのがキツイっすね。 勝己:パンばかり食べてました。パンはもういいやって(笑)。 SIN:文化が違うから、普通に生活しているだけでストレスが溜まりますからね。最初 の1週間はフワフワしてたけど。 Kihiro:1カ月いると、なかなかキツくなってきますね。でもそれぐらいでキャーキャー 言っても仕方がないし。 -特に印象的だった土地はありますか? Kihiro:チェコとポーランドは凄かったですね。 勝己:ステージであんなに触られるなんてね(笑)。 Kihiro:身に付けてるものを奪い取ろうとするから。 SIN:チェコで弾いてたら、その手からピックを持って行きますからね。あれは焦りまし た。あと、膝をずっと掴んでるお客さんもいて、ちょっとちょっとって。 -アグレッシヴですねえ。 Kihiro:そうですね。あと、リオンで船の中でライヴをやりました。みんながジャンプ すると、船も揺れるんですよ。 -えっ、船の中でやることもあるんですか? Kihiro:船の中にライヴハウスがあるんですよ。あれは面白かったですね。 -海外ツアーを経て、バンドの結束力も高まりました? Kihiro:結束というか、ひとりケガをしたし、1本1本こなすので必至でした。5本目のド イツで(KEN'ICHIが)骨折しちゃって、残り11本はギブスをはめてやりましたからね。 奴のケアをしながらだったので、頭の中はいっぱいいっぱいでした。まあ、ヨーロッパ もそうだし、日本に帰って来てからも、みんな応援してくれるからお客さんには感謝し てます。ファンの力をすごく感じたし、もっと楽しませなきゃいけないなと。 -そんな気持ちも今作に繋がってます? Kihiro:今回はこれがLOKAだよ、という名刺代わりの1枚ですね。映画っぽくしたい し、4人の個性を集めつつ、ひとつにまとまった作品かなと。 勝己:あと、テンポにこだわったよね。そのテンポで曲を作りたいといって、それぞれに 振って、みんなどんなリズムなら乗れるかなって。 Kihiro:うん、BPMは幅広くしました。縦ノリもあれば、横ノリもあるし、頭を振れる ようなスピーディーな曲もあれば、踊れるような四つ打ちもある。それはすごく意識し ました。エレクトリック・ダンス・メタル、EDMのMをメタルに変えたジャンルを掲げて て、どの曲も踊れることは大前提ですね。 -なぜそれだけ振れ幅を広げようと? Kihiro:1人1人の個性をちゃんと出した結果、自然とそうなったというか。個を大事に したら、振れ幅が広がりました。自分のパートしか編曲してないもんね。ひとりひとり が作ったものを合わせた感じです。 -映画のサウンドトラックみたいなムードもありますね。 Kihiro:物語っぽくはしたかったですね。今はCDが売れないと言われてるじゃないで すか。シングルっぽい曲も作るのもいいけど、アルバムは最初から最後まで聴いてもら いたいから。 -曲を作りながら、足りない要素を補っていったんですか? Kihiro:そうですね。ラップの曲を入れたいね、シンセが多い曲を作ろうよ、アコース ティックが入ったやつがあってもいいんじゃないって。同じ曲は2ついらねえしなって。 -大げさにいえば、1曲1曲違うバンドが演奏してるぐらいカラーは違いますね。 Kihiro:その方がいいっすよね。ライヴでも対応力が付くから。ゴリゴリのメタルコアと も一緒にやれるし、ちょっとパーティーっぽい曲やってよ!と言われても、できますよっ 自分自身の限界は自分で決めるもんなんで 初のバンド体制で作り上げた渾身の2ndアルバム! GEKIROCK.COM >> インタビューの続きは 激ロックウェブサイトをチェック!!

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  • LABEL : Cross The LimitGENRE : LOUDROCKFOR FANS OF : Pay money To my Pain, Supe, NICKELBACK, coldrain

    LOKAQUATTRONOW ON SALE!!

    前作『EnFLAME』はKihiro(Vo)とKEN'ICHI(Dr)のユニットで作り上げたものだったが、この2ndアルバムはバンド体制で初めて作り上げた音源である。メンバーも気持ち的には“1stアルバム”と位置づけている通り、現4人編成の色合いがアルバムに遠慮なく投影されている。ラウド&エレクトロを根幹に拳を握りしめてシンガロングしたくなるものから、ラップが入ったクラブ・ミュージック寄りの作風、アコギを用いた壮大なバラードまで、LOKAというバンドの懐の深さを示した1枚だ。1曲1曲独立した個性を放ちつつ、作品トータルの流れも重視し、暴れてよし、聴いてよしの欲張りなアルバムだ。めくるめく展開で聴かせる「TSUBASA TRIGGER」も好きだが、歌心に溢れたラスト曲「MAYBE」も感動的だ。 荒金 良介

    たミクスチャーのようなサウンドですね。そのバンドが終わってから何もしてなくて、2年前に黒夢のMVでギター弾かせてもらって、それをアピール・ポイントとして見せたけど、“あまり映ってなかったからわかんねえよ(笑)”、と言われて。

    -そうでしたか。前作と今作ではまったく違うバンドと言っていいと思います。自分たちではどこが1番変化したと感じます?

    Kihiro:テーマはズレてないと思うけど、4人それぞれの色が入ったから、アルバム1枚通して音楽性は幅広くなりましたね。SIN:4人それぞれバックグラウンドが違うので、同じものをやってもどこかしら違ってくる。そういう意味で幅は広くなったんじゃないかな。Kihiro:お互いに得意とする分野がわかってきました。こいつはこういうフレーズを弾ける、こういうフレーズを叩ける、それを含めて足し算引き算がうまくできるようになった。今回は1stアルバムという気持ちですね。

    -お互いの持ち味というのは言葉にできます?

    全員:……ははははは。

    -なぜ笑うんですか?

    Kihiro:いや、そういう褒め合いは俺らあまりしないから。SIN:意地でもいわない4人だからね(笑)。勝己:“あいつ、今日良かったよね”とか絶対言わない。

    -そうなんですか(笑)?

    SIN:他のメンバーに負けたくないじゃないですか。思っても言わないでおこうと。多分、負けず嫌いの4人なんですよ。

    -そのバンドの空気感も面白いですね。

    Kihiro:何も言わなかったら、良かったのかなって。良くなかったら、絶対に言ってくるから(笑)。

    -悪いときだけダメ出しすると。それでよくバンドが続きますね(笑)。

    SIN:言われても、みんな負けん気が強いから、次は直そうって感じになる。ある種この雰囲気がいいのかもしれない。Kihiro:話を戻すと、得意とするところがわかってきたというのは、通ってきた音楽性の部分ですね。例えばこのBPMでこれが弾けるのはメタルを知ってないとできないとか、自分たちが出すアイデアに付いて来れるから。

    -お互いの得意なところもわかりつつ、ノリやグルーヴ感という意味で共通点も見出せるようになってきました?

    Kihiro (Vo) SIN (Gt) 勝己 (Ba)インタビュアー:荒金 良介

    -前作から約2年空きましたけど、この期間はどんな時間でした?

    Kihiro:この2年はバンドになる期間でした。前作は僕とドラム(KEN'ICHI)しかいなかったから。

    -前作は元UZUMAKIのメンバーを含めて、サポート・メンバーでしたもんね。

    Kihiro:そうですね。バンドというより、ユニット状態でしたからね。前作から1年後に今のメンバー2人(SIN、勝己)を見つけることができて、LOKAとしてスタートを切ることができました。

    -正式メンバーでバンドを固めたい、という気持ちは最初からありました?

    Kihiro:そうっすね。サポートでツアーをしたときに、何もかもふたりでやらなきゃいけないのがキツくて。ライヴの見せかたもバンドというより、ヴォーカルとドラムの中心線だけになるから。SINと勝己が加入したあとは、バンド感を強めるために全国ツアーや海外ツアーもやりましたからね。前作発表後の最初の1年はメンバーを探す時間、次の1年がバンドを強化するための時間でした。

    -改めてSINさん、勝己さんが加入した経緯は?

    SIN:LOKAでヴォーカル・レコーディングをやってるエンジニアのかたと知り合いで、僕が前にやっていたバンドが解散するときに“LOKAがギター探しているから、1度会ってみれば”と言われたのがきっかけです。それでKihiroさんから“正式にやってみない?”と言われて加入しました。

    -前にやっていたバンドは?

    SIN:Wizardというヴィジュアル系バンドをやってたんですよ。ジャンルは全然違うけど、もともとメタルとか激しい音楽が好きだったし、違和感は全然なかったです。前のバンドも楽しかったけど、このバンドも楽しいですね。

    -勝己さんは?

    勝己:俺は共通の友達がいて……ずっとバンドをやってなかった時期が長かったけど、BACK-ONのラップやってる奴(TEEDA)から“英語も喋れるし、海外ツアーも回ってるすげえヴォーカルがいるんだよ”と聞かされて。じゃあ、会わせてよと言って、すぐサポートでライヴをやって今に至る感じですね。

    -勝己さんがやっていた音楽性は?

    勝己:第1世代のミクスチャーみたいな音楽でした。初期RIZEとか、ラップが入り出し

    て言えるから。何でもできるのがミュージシャンだと思うから。ロックしかできないのは、あまりかっこいいとは思わない。ミュージシャンである以上、何でもできた方がかっこいいなと。

    -バンドとしては“Sexy,Bad&Heavy、ライヴハウスの枠を超え、クラブ・シーンの客層をも巻き込むインダストリアル/メタル・サウンド”というテーマを掲げてますが、この考えは今も変わりませんか?

    Kihiro:今も全然ありますよ。そのテーマを作る曲まで引っ張ると、制限されるので、そこまで気にしてないけど。ライヴやパフォーマンスは、そのテーマでやってます。艶やかで、ワルくて、重くて、という雰囲気は大事にしたくて。必ずしもそういう曲ばかりじゃないけど、ライヴで表現する際には“Sexy,Bad&Heavy”はテーマですね。

    -その考えはどこから来てるんですか?

    Kihiro:最初にKEN'ICHIと話していたのは、MOTLEY CRUE、GUNS N' ROSES、ああいう西海岸のハードロック・バンドのイメージですね。酒、女の子、ワル、不良みたいな雰囲気のバンドって、最近あまりいないし、俺はそういう雰囲気が好きだから。

    -LAメタルの華やかなムードに惹かれるんですね。

    Kihiro:LAメタルのバンドもチャラいハード・ロックもあれば、バラードもやるじゃないですか。ギャップ萌えさせたいっす(笑)。

    -ギャップ萌え、ですか?

    Kihiro:見せかたはチャラくて、艶やかだけど、いざ曲を聴いて歌詞を読むと、こんなことを言ってたんだって。

    -なるほど。音的な話をすると、やはりヘヴィとエレクトロの融合という部分が核にあると思いますが。

    Kihiro:俺らのライヴはモッシュが起きたり、咲いたりしてますからね。女子には“咲け!”と言ってます。暴れたい人はモッシュ、V系の人は咲いてるし、お客も幅広いんですよ。それが楽しいですね。それが“Sexy,Bad&Heavy”のテーマにも合ってる気がして。Sexyの部分は女子が咲いてる、Badの部分は男子のモッシュが起きるから。

    -今作の振れ幅の広さもそうですが、フロアもそれだけいろんなお客さんが入り乱れていると、このバンドの本意はどこにあるんだろう、と混乱を招くことはないですか?

    Kihiro:そこは自分たちがどんな考えで発信しているか、ちゃんと伝えなきゃいけないなと。初見の人にどう伝わるのか、そこは難しいかもしれないけど、何でもありなんだよ、ということを伝えたいんですよ。僕らは全部OKなんだよ、と言うことをライヴの雰囲気やMCでも伝えるので。その結果、どうなるかはわからないですけどね。

    -1人でも多くの人たちを巻き込んでいきたい?

    Kihiro:どんなファン層の人も巻き込んでいきたい。常にどの扉も開いてる雰囲気は作りたいですね。勝己:ツアーでアイドルと対バンしたしね。いろんなドアを開けまくってますから。ヴィジュアル系、アイドル……。Kihiro:ラウド系もいるしね。

    -では、最後に今作のレコ発ツアーに向けて意気込みを?

    Kihiro:40本くらいあるのですが自分たちの限界を超えたいです。自分自身の限界は自分で決めるもんなんで。ぜひ遊び来てください!

    -今作の曲がライヴでどうなるのか、楽しみですね。

    勝己:ライヴはスーパー全力でやるし、いろんな人たちに聴いてもらいたい。一緒に楽しめるライヴをやりたいですね。SIN:LOKAに入って、初めてのCDなので、いろんな人に聴いてもらいたい。どんなジャンルが好きな人でも楽しめるライヴをやっているので、それを全国で見せたいですね。Kihiro:俺らのライヴを通じて、友達を増やしてほしいですね。暴れる男子もいれば、咲く女子もいるし、僕らの会場の中ではその人たちが友達になったりするんですよ。ファン同士が仲良くなってくれるから、それが嬉しいですね。そういう場所をお客さんと一緒に作っていきたい。

    Kihiro:ライヴ中にそれを感じますね。ハマッたな思う瞬間は多々あるし、普段は……。勝己:一緒にいないからね。ツアーでもバラけますからね。SIN:ツアー中にオフ日があったけど、誰ひとり一緒にいなかったですからね。勝己:はははは、そうだね。飯食うときぐらいじゃない?交わるのは。SIN:ある意味信頼し切ってるから、そうなるのかなと。

    -わかりました。今年6月から7月にかけて、10カ国16公演に渡るヨーロッパ・ツアーを行いましたけど、今回やられていかがでした?

    Kihiro:去年も行ったんですけど、動員が前より増えたことを実感できらから、それが1番嬉しかったですね。勝己:去年来てくれた人がまた観に来てくれて、リピーターがいたのは嬉しいですね。SIN:その人たちがまた噂を広めてくれて、また新しいお客さんが増えましたからね。Kihiro:スタンダードなバンドのスタイルですよね。1度ライヴして、次にまたライヴをしたら、お客さんが増えてる。あとは全部地獄だったから、何もいえないなあ。勝己:そうだね(笑)。

    -ライヴ以外はかなりキツかった?

    Kihiro:お店が空いてないのがキツイっすね。勝己:パンばかり食べてました。パンはもういいやって(笑)。SIN:文化が違うから、普通に生活しているだけでストレスが溜まりますからね。最初の1週間はフワフワしてたけど。Kihiro:1カ月いると、なかなかキツくなってきますね。でもそれぐらいでキャーキャー言っても仕方がないし。

    -特に印象的だった土地はありますか?

    Kihiro:チェコとポーランドは凄かったですね。勝己:ステージであんなに触られるなんてね(笑)。Kihiro:身に付けてるものを奪い取ろうとするから。SIN:チェコで弾いてたら、その手からピックを持って行きますからね。あれは焦りました。あと、膝をずっと掴んでるお客さんもいて、ちょっとちょっとって。

    -アグレッシヴですねえ。

    Kihiro:そうですね。あと、リオンで船の中でライヴをやりました。みんながジャンプすると、船も揺れるんですよ。

    -えっ、船の中でやることもあるんですか?

    Kihiro:船の中にライヴハウスがあるんですよ。あれは面白かったですね。

    -海外ツアーを経て、バンドの結束力も高まりました?

    Kihiro:結束というか、ひとりケガをしたし、1本1本こなすので必至でした。5本目のドイツで(KEN'ICHIが)骨折しちゃって、残り11本はギブスをはめてやりましたからね。奴のケアをしながらだったので、頭の中はいっぱいいっぱいでした。まあ、ヨーロッパもそうだし、日本に帰って来てからも、みんな応援してくれるからお客さんには感謝してます。ファンの力をすごく感じたし、もっと楽しませなきゃいけないなと。

    -そんな気持ちも今作に繋がってます?

    Kihiro:今回はこれがLOKAだよ、という名刺代わりの1枚ですね。映画っぽくしたいし、4人の個性を集めつつ、ひとつにまとまった作品かなと。勝己:あと、テンポにこだわったよね。そのテンポで曲を作りたいといって、それぞれに振って、みんなどんなリズムなら乗れるかなって。Kihiro:うん、BPMは幅広くしました。縦ノリもあれば、横ノリもあるし、頭を振れるようなスピーディーな曲もあれば、踊れるような四つ打ちもある。それはすごく意識しました。エレクトリック・ダンス・メタル、EDMのMをメタルに変えたジャンルを掲げてて、どの曲も踊れることは大前提ですね。

    -なぜそれだけ振れ幅を広げようと?

    Kihiro:1人1人の個性をちゃんと出した結果、自然とそうなったというか。個を大事にしたら、振れ幅が広がりました。自分のパートしか編曲してないもんね。ひとりひとりが作ったものを合わせた感じです。

    -映画のサウンドトラックみたいなムードもありますね。

    Kihiro:物語っぽくはしたかったですね。今はCDが売れないと言われてるじゃないですか。シングルっぽい曲も作るのもいいけど、アルバムは最初から最後まで聴いてもらいたいから。

    -曲を作りながら、足りない要素を補っていったんですか?

    Kihiro:そうですね。ラップの曲を入れたいね、シンセが多い曲を作ろうよ、アコースティックが入ったやつがあってもいいんじゃないって。同じ曲は2ついらねえしなって。

    -大げさにいえば、1曲1曲違うバンドが演奏してるぐらいカラーは違いますね。

    Kihiro:その方がいいっすよね。ライヴでも対応力が付くから。ゴリゴリのメタルコアとも一緒にやれるし、ちょっとパーティーっぽい曲やってよ!と言われても、できますよっ

    自分自身の限界は自分で決めるもんなんで

    初のバンド体制で作り上げた渾身の2ndアルバム!

    GEKIROCK.COM>>インタビューの続きは激ロックウェブサイトをチェック!!