DST-iトラック・バス用ソフト 日野車用 の インス …˜体でダイアグコードの読取・消去、作業サポートなどの 基本機能を使用するためのソフト(トラック・バス用)を
日野自動車株式会 大型トラック・プロフィア用エン...
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日野自動車株式会
大型トラック・プロフィア用エンジン後処理システム
通称 名 車両型 式 適用時期
日町'プロフイアQPG/QKG/QDG -FR FS FQ FN
GN FW FH SH SS 2014.4 ~
出典資料
新型車解説書 D 10010. D14010 取扱説明書 A14010 整備解説書 故障診断編 H14040
1 概要
14Model' Year (以下 14MYと略称する)プロフイアは,燃費向上を図ると共に,エンジン及び後処理装置
の改良によりポスト新長期排ガス規制値より NOx及びPM排出量を 10%低減かつ85%の車型でH27燃費基
準を +5%で達成した。
以降この 14MYプロフィアのエンジン,後処理装置について説明を行う。
排出ガス識別記号 例)QPG l桁目
Q
2桁目
P
3桁目
G
l桁目 2桁目 3桁目
排出ガス 識別 燃料平成27年度燃費基準
識別 識別
規制年低排出ガス認定
記号 の別達成又は適用状況
記号用途 重量条件など
記号(ハイブリッドの有無)
未達成又はC
無し L 不適用(有) 軽自動車 D
未達成又はD
不適用(無)低排出ガス
M 車両総重量が
E 50%低減 達成(有) 貨物 1.7t以下
平成21年軽油
規制低排出ガス 達成(無) K 乗合 車両総重量が
75%低減R
1.7t超. 3.5t以下F
+5%達成(有) N
低排出ガスQ
車両総重量がG
10%低減 +5%達成(無) P 3.5t超
ウー
丹、
u-ai
--亙・2 構造・機能・作動
1) 構成部品の配置従来モデル(図ー 1)
後処理システムの主な構成部品の配置を示す。
-部品構成は,従来モデルと同等。(変更点は後述)
・従来モデルで,ポスト新長期規制クリアにあたり,排出ガスの後処理装置として,それ以前(平成 17年新
長期規制)より採用 されていた PM浄化装置(DPRシステム)に加え NOxを浄化する尿素SCRシステムを
採用した。
d54-「ー-Lゴ議悼装豆こyj尿素水作ジケータ 轟
冷却水遮断弁
DOC
DPRシステム部+尿素SCRシステム部
尿素 SCR・DCU 度温水
サ素ン
kl尿
セ
尿素水タンク
図-1 構成部品の配置
-138 -
-亘E彊・
2) 後処理システム
(1) 主な変更点(図ー 2,3)
②制御変更 ③故障診断改善
図-2 主な変更点①
. 14MYプロフイア後処理システムの主な変更点を示す。変更内容は以下の通り 。
①ハード変更は,従来モデルに対して,燃料添加弁を追加し, DPR再生時燃費の改善を盛り込んだ。
②制御変更は,燃料添加弁追加により, DPR再生時の制御を変更。ポスト噴射量を大幅に削減した。
また,エンジンからのNOx排出量を ECUで計算し尿素水噴射量を決める制御へ変更した。
③尿素水品質エラーの判定を改善した。
図-3 主な変更点②
-139
--週・(2) 後処理システム図(図-4)
'14MYプロフイアの後処理システム図及び従来モデルからの変更点詳細を示す0
・従来モデルからの変更点は,図 -4の①~③である。以下に内容を述べる。
① ATC(アフタ・ターボ・キャタリスト)の位置変更
②燃料遮断弁の追加
③燃料添加弁の追加
④DOC(前段酸化触媒)前温度センサの追加
①DOC(前段酸化触媒)の仕様変更(低温活性化盛り込み)
⑥SCR前側NOxセンサの廃止
⑦尿素水センサの追加
③エンジンECU及びDCU(SCRシステム ECU)の制御内容変更
インジェクタ冷却用
エンジンからの排出ガスの流れは,以下の通りである。
トエンジン 排気 ATC
|出口 → |コントロール・バルブ' (アフタ・ターボ・キャタリスト)
図-4 後処理システム図
-140 -
→ 排出
圃 圃 圃 園 田 :尿素水
.......... .電気回路
冷却水_____1ー...ー電磁信号
--亙・(3) 後処理系クーリング・システム(図一 5)
-後処理系のクー リング・システムを以下に示す。
-従来システムに対し 燃料添加弁行き水経路を追加。
ヘッダ・タンク ラジヱータ・キャップ
クーラント・ポンフ。
c:::J: 2014年モデルから追加
| 冷却水遮断弁 i吟~吟
図-5 後処理系クーリング・システム
- 141 -
--亙・(4) DPRシステム部(図一 6)
(イ) 図-6にDPRシステム部のコントロール・ブロック図を示す。
-燃料添加弁を新規採用し, DPR再生時, ポスト噴射を大幅に減らすことでオイルの燃料による希釈を低減し
信頼性を向上すると共に燃費の改善を図った。
-システム保護と して, FCV (Fuel . Cut . Valve :燃料遮断弁)を新規設定0
・燃料添加弁の制御用に, DOC(前段酸化触媒)前温度センサを追加。
エンジンECU
エンジン本体系制御信号
主回転センサ 一・~ 【DPR関連制御】
冷却水温センサ PM堆積量計算
ディーゼル・スロットル・センサ_..
昇温・再生制御
EGRバルブ開度センサ ダイアグ判定
車両系制御信号
キー ON信号 』
車速信号 .......
アクセル・センサ h
クラッチ・センサ ー・.
ニュー トラル・スイッチ 一-"掴
ブレーキ・スイッチ ..... PTO入力信号
キャフ明IJ信号
排出ガス浄化装置スイッチ
温度センサ
ATC後温度センサ
DOC前温度センサ
DOC後温度センサ
DPR後温度センサ
差圧センサ ..
エンジン本体系(DPR再生)
|噴射系噴射量指示
I EGR系部品
|ターボ系部品
|デ、イーゼル スロットル
1燃料添加弁
I FCV(燃料遮断弁)
LJ添加弁上流)
排気コントロール・バルブ
マグネチック・バルブ
|マルチ インフォメーション
排出ガス浄化装置スイッチ
排出ガス浄化装置
インジケータ・ランプ
|チェックエンジン ランプ
Eコ:2014年
図-6 DPRシステム・コントロール・ブロック図
-142 -
--週・(ロ) 燃料添加弁(図-7)
-燃料添加弁は, DPR再生時に必要な燃料を供給し,DPRで捕集したスス燃焼を行う 。
-排気温度,エンジン回転・不可などを各センサで検出,エンジン ECUの演算結果に基づき必要な燃料を排
出ガス中へ添加する。
-燃料は,サプライ・ポンプよりフィード・ポンプの燃料吐出圧にて供給される。
図-7 燃料添加弁
い) FCV (Fuel . Cut . Valve :燃料遮断弁)(図-8)
-燃料添加弁が万が一故障した際のシステム保護として, FCVを設定0
・FCVは,サプライ・ポンプと燃料添加弁を結ぶ配管上に設定され,作動時は燃料供給を遮断してシステム
を保護する。
・作動は,燃料添加弁の異常を電気的に検知した場合にFCVへの供給電流を遮断し, FCVに内蔵されている
電磁弁が自動的に作動 して燃料供給を遮断する。
図-8 FCV
(ニ) DOC(前段酸化触媒)前温度センサ
-ほかの排気温度センサ同様,サーミスタ式の温度センサで, DPR&SCRのマフラ・ユニット入口に設定さ
れており,マフラ・ユニット入口の排出ガス温度を検知し, DPR再生制御時の燃料添加弁による軽油添加
- 143 -
--彊・開始判定を行っている。
(5) 尿素SCRシステム部
(イ) NOx 浄化概念図(図-9)
尿素SCR触媒 ¥ NH3 Slip触媒
NO+N02 +2NH3→ 2N2+3H20 '¥. 4NH3+302→ 2N2+6H20 r-----..-.-------......-----・...-,...._......._......・--_......_-.........----_..ー・・・・・・・ー,
尿素水の加水分解
(NH2)2CO+H20→ 2NH3+C02
図-9 NOx浄化概念図
-144 -
-耳E週・
(ロ)尿素SCRシステム系統図(図-10)
・エンジン ECUのソフ ト改善による NOx値の計算精度向上及び尿素水質センサを新規設定に伴い, SCR上流
NOxセンサを廃止。
.SCR上流NOxセンサ廃止に伴い,従来NOxの浄化率により判定していた尿素水の品質を,尿素水質センサ
で直に尿素タンク内の尿素水濃度を測定し,品質を判定する仕様に変更。
DCU作動制御
|外気温度センサ [""
卜外気温度の取得 I
|尿素水タンク 7セジサ | |尿素水温度センサ |
ト尿素水温度の取得 ト
ー一一=pアフタ・ラン制御 「
片円尿問凍制御
DCU
レベル・センサ故障判定
遮断弁故障判定
回kCAN
|スタータ・!スイ yチ
」・キー ON判定
J.キー OFF判定
|尿素水位センサ | 卜残量レベルの取得 卜 EESF ド111 E]:悪事:|尿素水ポンプ | |ポンプ温度センサ
トポンプ温度の取得 | |ポンプ圧力センサ |
トポンプ圧力の取得 「
円い戻し弁 | リパーテイング・バルブ |
|水流の変流 民引
| 累積尿素水使用量演算 ドニ
||lr:T7IM-iE4プモータ ト刊11M化率 一|斗い | 故障判定 I 1 1 1
1
111
!?出 1- I!日二一ιdlJ閃Uヤ叶;
|尿素水インジエクタ
|・添加弁の開閉
図-10 尿素SCRシステム系統図
- 145 -
-冷却水温度の取得
.車速の取得
・大気圧力の取得
.排出ガス流量
・尿素水残量検算エンジン排出NOx
値の算出
--週・い) 尿素水質センサ(図-11)
-従来の尿素水位センサ及び尿素水温度センサに加え,尿
素水の濃度測定のための尿素水質センサを追加。
-尿素水ゼンサは超音波を用いている。超音波の送信側か
ら受信側までの反射時間を測定し, CAN通信によりエ
ンジン ECU及び尿素SCR.DCUへ送られ濃度に換算し
ている。
3 点検・整備のポイント
1) 尿素水質判定について (図ー 12,13)
尿素水質センサ
図-11 尿素水質センサ
-従来は, DPR&SCRのマフラ・ユニットに上流,下流二つ設定されていた NOxセンサを用いてNOx浄化
率による尿素水質判定を行っていたが, 14MYプロフイアより上流NOxセンサを廃止し尿素水質センサ
を新設定したことで 尿素水質判定方法が変更となった。
-尿素水質異常(P207F)を検出した場合の車両挙動は,法規に定めらているため,従来同様,
O異常発生から走行300km未満:メータからの警報
0異常発生から走行300km以上:メータからの警報+チェック・エンジン・ランプ+(キー OFF後)エンジ
ン再始動不可
〈インジケータ・ランフ。〉
〔チェック・エンジン・ランプ〕
図-12 尿素水質異常時の表示
-図-12 尿素水質異常時の表示にある通り,正常な尿素水に入れ替える際は,キー ONにて実施のこと。
(DCUが,尿素水の入れ替えを認識できないため)
-上記手順で実施すれば即時に尿素水質の再判定に入札正常判定されれば,再始動可能となる。
-尿素水センサは,すべての液体に対して正常な尿素水と判別できるものではないため,尿素水質異常が検知
された場合,尿素水タンク内の液体色も確認のこと。
-尿素水は,無色透明。(尿素水タンクの水位ゲージでも確認可)(図-13参照)
・異常な液体混入の場合は,尿素水タンク内だけでなく配
管及び尿素水インジェクタの洗浄又は交換を実施のこと。
-146 -
水位ゲージ
図-13 尿素水タンクと水位ゲージ
--彊・2) アフタ・ランの変更について
-従来は,キー OFF後,尿素水配管のタンク内への吸い戻 し(アフタ・ラン)を行う際, DCUの制御により排
気温度が一定の温度まで下がるのを待ってから,実施していたが, 14MYプロフイアでは,キー OFF後,
即時実行へ変更された。現在では,この制御は従来車へも制御プログラムの書き換えに より盛り込まれてい
る。
3) 後処理システム関連ダイアグ・コード一覧
-このダイアグ・コードは メータの多重表示で確認することができる。
区分 DTC 故障名称 多重表示
P200C DPR異常高温 運行後エンジン点検
D P2463 DPRSW操作不良
P P244B DPR差圧過剰DPR点検
R (割り込み表示)
連関P2458 DPR手動再生不良
P24A2 DPR燃料添加過剰 運行後エンジン点検
P2428 ATC異常高温
P0545 排気温度lセンサ故障ATC下
P0546 排気温度1センサ故障ATC下
P2032 排気温度2センサ故障DOC前
P2033 排気温度2センサ故障DOC前
セP242C 排気温度3センサ故障DOC後
ン P242D 排気温度3センサ故障DOC後エンジン系統故障
サ (割り込み表示)
連関P2470 排気温度4センサ故障DPF後
P2471 排気温度4センサ故障DPF後
P1427 差圧センサ故障Low
P1428 差圧センサ故障High
U02A2 尿素水品質センサCAN通信途絶
P206A 尿素水品質センサ故障 運行後エンジン点検
P20CD 燃料添加弁故障Low
燃料添加弁
P20CE 燃料添加弁故障High
P20CF 燃料添加弁特性異常 運行後エンジン点検
P0006 燃料遮断弁故障GND'short
P0007 燃料遮断弁故障OPEN
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