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お問合せ 09-12 連絡先/クボタ機械サービス株式会社 北海道事務所 〒061-1274 北広島市大曲工業団地3丁目1番地 TEL.011-376-4434 発行/株式会社クボタ 編集責任/木股 昌俊 夢農業 夢農業 夢農業 クボタからのご提案 北海道版 No.20 クボタからのご提案 北海道版 No.20 多くの製品が、課題解決に 向けた提案として説明された 国産最大馬力、135PSを筆頭とするクボタトラクタの最上位機種、 グランダムαシリーズ。その高出力、高性能は、多様な作業、様々な局面 で体感していただけます。さらにパワクロ仕様なら、低踏圧で土に優しく、 強いけん引力や登坂力も魅力。畑で、水田で、牧草地で威力を発揮しま す(グランダムαパワクロについては、本誌P19 ~ 20もご覧下さい)。 特集 クボタの最新機械が大集合!! いま りたい いま たい 10月、11月の2 ヶ月をかけて、全道6会場を設定し、 『2009クボタ 新車・新機種発表展示会』を大々的に開催しました。 今回、特に力を入れたのが、 「お客さまの課題解決」を掲げたソ リューション機種説明。会場に設けられた各ブースでは、クボタの最 新鋭機械がどのようにお客さまの抱える課題を解決するのか、実演・ 試乗も交えながら、個別具体的に製品導入のメリットが解説されまし た。さらに、これら機械化提案と合わせて行ったのが、熱血点検実演。 お客さまに日々快適に作業を行っていただくために、点検作業の重 要性を訴えるとともに、クボタ の持つ点検・整備に関する技術 力の高さを、大いにPRしました。 展示・実演・試乗のすべてにお いて、提案型の内容を心がけた 今回、参加者の方々にも好評で、 全道6会場で約6000名のお客 さまに来場をいただきました。 多数の製品と、それぞれに応じ た提案によって、お客さまにク ボタの元氣、クボタの底力を伝 えることができたと思います。 輸入飼料価格の高騰を受けて、飼料の自給率向上が、今大きな課 題となっています。そこで、脚光を浴びているのが飼料イネ。飼料イ ネは、通常の水稲同様に栽培でき、刈り取る際に子実と茎・葉をまと めてロール状に梱包、ラッピングして発酵させることで、稲発酵粗飼 料(ホールクロップサイレージ)として牛に給餌することが可能。飼料 自給率の向上に大きく貢献する作物です。 10月5日、各機関の協力もと、飼料イネの収穫機であるホールクロッ プ収穫機の実演を、むかわ町生田のお客さまの圃場をお借りして行い ました。ホールクロップ収穫機は、自脱型コンバインと自走ロールベー ラが合体した形状。刈り取った飼料イネを細断、穂先と株元を均一に 混合し、高密度に梱包することで、乳酸発酵を促進し、高品質なサイ レージに調製することができます。 当日は約30名のお客さまが来場 され、飼料イネ、ホールクロップサイ レージに対する関心の高さがうかが われました。むかわ町では今後、飼 料イネの試験栽培が計画される等、 飼料自給率向上に向けた取組みが 増加すると予想されます。今回ご紹 介したホールクロップ収穫機が、そ うした取組みの一役を担えることを 期待します。 全道6会場に6000名が来場! 『提案』で魅せる工夫が、 お客さまに大好評! ㈱北海道クボタ ㈱北海中央クボタ 鵡川支店 ▲クボタの熱血点検を 実演方式でPR ▲『おすすめ物産コーナー』で 地産地消の取組みを支援 ▲凹凸の乗り越えで、パワクロの 乗り心地が体感できる試乗コース 直径100㎝、長さ100㎝のロールが でき上がる 飼料自給率の向上に向けて 収穫機実演で 収穫機実演で 飼料イネ栽培を提案 飼料イネ栽培を提案 収穫機実演で 飼料イネ栽培を提案 自走ラップマシーンで ラッピング 飼料イネの刈取りから 梱包までを行うホール クロップ収穫機

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Page 1: 夢農業夢夢農業農業 - 農業ソリューション製品サイト...〒061-1274 北広島市大曲工業団地3丁目1番地 TEL.011-376-4434 発行/株式会社クボタ 編集責任/木股

お問合せ

09-12

連絡先/クボタ機械サービス株式会社 北海道事務所〒061-1274 北広島市大曲工業団地3丁目1番地 TEL.011-376-4434

発行/株式会社クボタ編集責任/木股 昌俊

夢農業夢農業夢農業クボタからのご提案

北海道版 No.20

クボタからのご提案

北海道版 No.20

多くの製品が、課題解決に向けた提案として説明された

国産最大馬力、135PSを筆頭とするクボタトラクタの最上位機種、グランダムαシリーズ。その高出力、高性能は、多様な作業、様々な局面で体感していただけます。さらにパワクロ仕様なら、低踏圧で土に優しく、強いけん引力や登坂力も魅力。畑で、水田で、牧草地で威力を発揮します(グランダムαパワクロについては、本誌P19~20もご覧下さい)。

特集

持続可能な農業を目指して

持続可能な農業を目指して

北海道の

クリーン農業 戦略“

北海道の

クリーン農業 戦略“

クボタの最新機械が大集合!!いま乗りたい

!いま見たい!

 10月、11月の2ヶ月をかけて、全道6会場を設定し、『2009クボタ

新車・新機種発表展示会』を大々的に開催しました。

 今回、特に力を入れたのが、「お客さまの課題解決」を掲げたソ

リューション機種説明。会場に設けられた各ブースでは、クボタの最

新鋭機械がどのようにお客さまの抱える課題を解決するのか、実演・

試乗も交えながら、個別具体的に製品導入のメリットが解説されまし

た。さらに、これら機械化提案と合わせて行ったのが、熱血点検実演。

お客さまに日々快適に作業を行っていただくために、点検作業の重

要性を訴えるとともに、クボタ

の持つ点検・整備に関する技術

力の高さを、大いにPRしました。

 展示・実演・試乗のすべてにお

いて、提案型の内容を心がけた

今回、参加者の方々にも好評で、

全道6会場で約6000名のお客

さまに来場をいただきました。

多数の製品と、それぞれに応じ

た提案によって、お客さまにク

ボタの元氣、クボタの底力を伝

えることができたと思います。

 輸入飼料価格の高騰を受けて、飼料の自給率向上が、今大きな課

題となっています。そこで、脚光を浴びているのが飼料イネ。飼料イ

ネは、通常の水稲同様に栽培でき、刈り取る際に子実と茎・葉をまと

めてロール状に梱包、ラッピングして発酵させることで、稲発酵粗飼

料(ホールクロップサイレージ)として牛に給餌することが可能。飼料

自給率の向上に大きく貢献する作物です。

 10月5日、各機関の協力もと、飼料イネの収穫機であるホールクロッ

プ収穫機の実演を、むかわ町生田のお客さまの圃場をお借りして行い

ました。ホールクロップ収穫機は、自脱型コンバインと自走ロールベー

ラが合体した形状。刈り取った飼料イネを細断、穂先と株元を均一に

混合し、高密度に梱包することで、乳酸発酵を促進し、高品質なサイ

レージに調製することができます。

 当日は約30名のお客さまが来場

され、飼料イネ、ホールクロップサイ

レージに対する関心の高さがうかが

われました。むかわ町では今後、飼

料イネの試験栽培が計画される等、

飼料自給率向上に向けた取組みが

増加すると予想されます。今回ご紹

介したホールクロップ収穫機が、そ

うした取組みの一役を担えることを

期待します。

全道6会場に6000名が来場!

『提案』で魅せる工夫が、お客さまに大好評!

㈱北海道クボタ ㈱北海中央クボタ鵡川支店

▲クボタの熱血点検を 実演方式でPR

▲『おすすめ物産コーナー』で 地産地消の取組みを支援

▲凹凸の乗り越えで、パワクロの 乗り心地が体感できる試乗コース

直径100㎝、長さ100㎝のロールができ上がる

飼料自給率の向上に向けて

収穫機実演で収穫機実演で飼料イネ栽培を提案飼料イネ栽培を提案収穫機実演で飼料イネ栽培を提案

自走ラップマシーンでラッピング

飼料イネの刈取りから梱包までを行うホールクロップ収穫機

▲▲

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●タイトル(題字)「 U (ユー ) 」

ユーティリティ、ユースフルといった「役に立つ、有用」の意味からユニット、ユナイテッドなど構成単位や結束する意味を持つほか、ユートピア(理想郷)を目指す理念が込められ、農業者を勇気付ける意図を持っています。

夢農業夢農業夢農業ク ボ タ か ら の ご 提 案

北海道版 No.20

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P22

 

そもそも府県に比べれば化学肥料、農薬

ともに使用量が少なく、以前から比較的ク

リーンな農業が行われてきた北海道。化学

肥料の使用量は府県のおよそ7割、農薬は

約半分という水準にあって、さらにそれら

の低減を行おうとするクリーン農業を推進

していくに当たっては、その意義について、

一貫して確固たる指針が示されてきました。

それが「

将来に向けて持続可能な農業」

、「

供の代、孫の代まで続けていける農業」

です。

 

化学肥料や農薬を過度に使用し続けた場

合、土壌や水質、生態系に与える影響、蓄積

は小さなものでありません。比較の上では

クリーンな農業を行ってきた北海道もその

例外ではなく、平成3年の時点ですでに、土

の硬化により透排水性が悪くなる、作土深

が浅くなる等、土壌の物理性をはじめ、生物

性、化学性にも変化が見られる状況にあり

ました。「

このままでは現在の農業を将来に

伝えていくことができない」

という危機感

を持ち、未来の北海道農業まで見据えて、よ

り積極的に農業環境の保全を図っていこう

とするのが「

将来に向けて持続可能な農業」

の姿であり、それを実現させる方法がク

リーン農業なのです。

クボタからのご提案環境に優しく、コスト低減にも貢献する作業機が続々登場!

■ 特集

北海道の“クリーン農業”戦略

 

環境への配慮、エコ意識の社会的な高ま

りを受けて、農業分野においても、土や水、

人間を含む生物への影響を考慮し、化学肥

料や農薬の使用を抑える等、環境への負荷

を可能な限り小さくした作物の栽培、いわ

ゆる環境保全型農業に、以前にも増して大

きな注目が集まりつつあります。

 

北海道ではいち早く平成3年から、化学

肥料や農薬に頼り過ぎない農業を目指す

べく、クリーン農業への取組みをスタート

させ、今日まで継続が図られてきました。

それは、環境への配慮を通じ、より安全・

安心

な農産物の生産・

提供、より人に優しい農業

を全道に広げていくことで、北海道農業全

体を「

将来に向けて持続可能な農業」

として、

維持・

発展させることを目的としています。

 

今回は、この北海道のクリーン農業に

ついて、道農政部の食品政策課に取材し

ました。

クリーン農業実践のための

技術開発とネットワークづくり

クリーン農業が目指す

持続可能な農業」

とは?

■図1 クリーン農業の概念

 

クリーン農業が持続可能な農業を目指す

ものである以上、それは単に化学肥料、農薬

を減らした栽培のみを意味するものではあ

りません。化学肥料や農薬の低減を図る一

方で、一定の収量、一定の品質を維持し、日

本の食糧基地としての北海道を維持してこ

そ、未来につながる農業といえます。

 

化学肥料、農薬の使用は抑えながら、収量・

品質の低下を招くことなく栽培に取り組む

ためには、有効な土づくりの方法や、少ない

防除回数で効果を得る方法等、相応の技術

が必要となります。そこで道では、生産者

の方々に安心してクリーン農業に取り組ん

でいただくために、取組み当初から道立農

業試験場、普及センターによる栽培技術の

開発と普及に努めてきました(

表1)

。 

れら栽培技術の導入、堆肥や有機物の施用

による土づくりの徹底等によって、減化学

肥料、減農薬栽培であっても収量・

品質の維

持が可能であることが徐々に浸透し、ク

リーン農業に取り組む生産者も着実に増加。

それは、環境にも、人にも、作物にも優しい

農業が、将来のために重要であるという認

識が広く共有されてきた結果でもあります。

 

またクリーン農業においては、生産者側の

意欲的な取組みが必要となる一方、その生産

物を受け取る側、流通業者や消費者の理解も

重要になります。道では、クリーン農業の立

ち上げと同時に、北海道クリーン農業推進協

クリーン農業を目に見える形へ

「YES!clean」

制度の導入

議会を設置し、農業団体のみならず、流通団

体、消費者団体、行政関係者もメンバーに加

え、定期的にシンポジウムを開催する等、広

く情報を発信し、クリーン農業に対する理解

を深める努力も行ってきました。

 

このように、栽培技術開発による直接的

なサポートが行われる一方、流通業者、消費

者をも巻き込んだネットワークが構築され

ることで、クリーン農業は生産者のみにと

どまらない、より広がりのある運動へと深

化・

拡大してきたのです。

 

クリーン農業に対する一定の理解、技術

的な成果が得られてきた平成12年、消費者

により分かりやすい形で取組みや生産物を

提示し、さらなる信頼を勝ち得ていくため

に、一定基準を満たした農産物にマークと

栽培情報を表示する、「

YES!clean表

示制度(

北のクリーン農産物表示制度)」が開

始されました(

図1)

北海道の“クリーン農業”戦略持続可能な農業を目指して

■表1 クリーン農業技術開発の成果数(平成3年以降の成績より) (平成21年3月現在)技術開発体系 成果数

化学肥料の使用量を減らすための技術

農薬の使用量を減らすための技術

品質評価・向上技術

環境負荷抑制技術

家畜ふん尿の低コスト処理・利用技術総合経済評価

開発技術

生態系を活用した技術

開発技術

農薬代替技術

生態系を活用した技術

支援技術除草技術

品質評価

品質向上流通技術

施肥法の改善施用有機物の評価技術土壌生物特性・活性化技術の開発減農薬栽培の実態調査効率的防除法の開発要防除水準の設定簡易モニタリングシステムの開発化学合成農薬以外による防除技術生物的防除耕種的防除農薬散布量の減量化高能率除草機の開発・改良農産物の品質評価法の開発簡易分析法の開発栽培技術の開発高品質貯蔵・保鮮技術農耕地の養分フロー把握と負荷軽減技術の開発農耕地におけるガス発生抑制技術の開発低コストふん尿処理・利用技術の開発クリーン農業の経営経済的評価

47265726131126161866142262

25

8137

304合     計

Ⅰ Ⅱ Ⅲ

クリーン農業

YES clean農産物

特別栽培農産物

有機農業

有機JAS

化学肥料や農薬の使用を一定の基準を満たして生産

化学肥料や化学農薬を原則使用しない

化学肥料や化学農薬の使用を5割以上低減して生産

北海道の農業

■ 夢農業

継続は力!YES!clean基準に則ったクリーン米づくり江別市東野幌 JA道央野幌ほたる米クラブ

■ ザ・ふれあい

雑草イタドリを名産品に!力強く、明るい女性のパワーで地域が活性化天塩郡豊富町農村生活文化伝承活動をすすめる会

■ ザ・ふれあい

効率作業は適切な機械化がキーポイント深川市深川町 栄久営農集団

農商工の緊密連携で地域を活性化大豆の新品種タマフクラを地域ブランドに!

■ 全国農業コンクール・ クボタ賞受賞者に見る農業経営

地域から厚い信頼を得る『農家の財産を守る』農業宮城県栗原市 白鳥農場

■ 夢農業

土を、人を、地域を育てる大規模有機農業中川郡幕別町 トカプチ有限会社

■ 夢農業

努力の末に築き上げた全面有機栽培広尾郡大樹町 十勝野菜村

■ 役立つ製品情報

● 田植機 ウエルスターロイヤルビップ/     ウエルスターマックスプラス● トラクタ グランダムαパワクロ● 汎用野菜半自動移植機

■ 村からのひとり言

「ブーム」と「流行」 山下 惣一

■ クボタサービス あ・ら・か・る・と

セールスとサービスの緊密な連携で、営業所一体となった活動を展開㈱北海道クボタ旭川支社 東神楽営業所!

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クボタからの

ご提案

今、北海道では、農家の方をはじめ、多くの関係者の努力により、クリーン農業等、

人と環境に優しい、より安全・安心な農業が推進されています。

今回は、こうした環境に優しい農業に貢献するうね内施肥機と車速連動の

ブームスプレーヤ、ワイドスプレッダーを紹介させていただきます。

環境に優しく、コスト低減にも貢献する作業機が続々登場!

 グランダムα、ニューシナジー、グランドキングウェルの各クボタトラクタは、トラクタの車速を電子信号として取り出す「車速信号カプラ」を標準装備。ワイヤー 1本で車速連動インプルと接続すれば、インプルが車速を読み取り、車速が変わっても散布量が均一になるよう自動制御します。

 また、トラクタが停止すると散布も自動停止。「農薬・肥料の使用量を抑え、環境に優しく『安全・安心』な作物づくり」や、「経費の削減=『低コスト』農業」の両面で北海道農業に貢献します。

 うね内施肥機は、従来のように圃場全面に肥料を散布するのではなく、「うねの中だけ」、あるいは、「うねの中でも、作物の根の付近のみ」に施肥する作業機です。 作物の生育に必要な部分にだけ施肥されますので、肥料の無駄がなく(20%以上の減肥★が可能)、コストの低減は

もちろん、北海道が推進するクリーン農業にも大きく貢献します。

うね内施肥機

車速連動ブームスプレーヤ、ワイドスプレッダー

※特に、車速連動肥料散布機と組み合わせていただきますと、トラクタの車速に応じて肥料の繰り出しが自動的に調節されますので、より均一なうね内施肥が行えます。

スーパー3畦施肥成形機(ロータリ&成形機&施肥機)●KLトラクタ用(20~35PS)

単条うね3畦局所施肥純正ロータリ&平高成形機&グランドソワー●KLトラクタ用(20~28PS)

平高うね全面施肥

車速連動ブームスプレーヤBSM-1550L-A

<㈱丸山製作所>●タンク容量:1500L ●最大散布幅(片側):21.6m

車速連動ワイドスプレッダーROXL1500ED

<㈱ビコンジャパン>●ホッパ容量:1500L●最大散布幅:45m

うね内全層施肥

うねの中だけ施肥

減肥効果

均一散布

作物の根の付近のみ施肥

うね内局所施肥

★条件によって効果は異なります

これからのクリーン農業

平成18年の有機農業推進法の成立を受け

て、北海道でも平成20年3月に「北海道有

機農業推進計画」が策定され、有機農業を行

う農家同士のネットワークづくりや、先進

農家の取組みが積極的に紹介される等、新

たな動きが活発化してきました。現在、北

海道における有機JASの認定を受けてい

る農家は約300戸。これを平成25年まで

に1300戸にまで増やしていく計画で、さ

らに意欲的な取組みが期待されています。

化学肥料の使用量や化学

合成農薬の使用回数が数

値化され、それぞれ慣行レ

ベルとの比較が出来るよ

うになっています。

高収地帯

中間地帯

低収地帯

露地

ハウス

露地

露地

露地

露地

ハウス

露地

■表3 農産物別YES clean登録状況

 

YES!cleanが定める数々の栽培基準

の内、特に注目すべきは、作物ごとに化学肥

料の使用量が制限されているのみならず、

総窒素使用量」

として、堆肥や有機質肥料を

含めた窒素使用量の上限値も定めているこ

と。これは、堆肥や有機質肥料であっても、

必要以上の投入は認めないことを意味しま

す。堆肥や有機質肥料を必要以上に入れると、

場合によっては水質の悪化をもたらし、持続

可能な農業を妨げる可能性があるとして、全

国でもYES!cleanのみが定めている厳

格な基準です(

表2)

 

こうした厳しい栽培基準を満たし、YES!

cleanの登録を受けた生産集団の栽培し

た農産物には、YES!cleanマークとと

もに、集団名やその連絡先が表示され、ト

レーサビリティの確保が図られているのは

もちろん、化学肥料の使用量、化学合成農薬

の成分使用回数、それぞれ慣行レベルとの比

較(

低減の割合)

も明記し、安全・安心な農作

北海道の“クリーン農業”戦略

物を消費者に提供(

図2)

。北海道のクリー

ン農業を広く知らしめる媒体としても機能

しています。

 

YES!clean農産物については、現在

53品目、357集団の登録があり、栽培総面

積は約13000haに達しています(

グラフ

1・

表3)

。また流通の面でも、道内を中心に

300店を超える小売店が定番商品として

取り扱っており、さらなる広がりが期待

されています。今後目指されるのは、

YES!clean基準に適合した農産物が

北海道におけるスタンダードとなること。

北海道クリーン農業のスタートから18年、

YES!cleanのスタンダード化に向け、

新たな取組みが始まろうとしています。

■表2 肥料及び化学肥料の使用基準(例)

■グラフ1 YES clean登録生産集団の推移

■図2 北海道安心ラベル

(単位:㎏/10a)

水稲

ばれいしょ

トマト

かぼちゃ

たまねぎ

にんじん

メロン

りんご

作型作物名

使用基準

総窒素使用量

化学肥料使用量

慣行レベル(化学肥料使用量)

9.5

8.5

7.5

12

35

14

18

15

13

16

7

8

7

6

9

24

8

13

10

8

8

5

10

10

10

11

26

13

20

16

14

13

7

※「化学肥料使用量」、「総窒素使用量」は地域や土壌の違いなどにより 変動する場合があります。

北海道クリー

ン農業推進協

議会

http://www

.agri-clean

.gf.jp/yesc

lean

:□□□□□

□□□□□□

□□□□□

:□□ □□□

:□□□□□

□□□□□□

□□□□□

:(□□□□□

) □□-□□□

:第□□□□

□-□□号

化学肥料使用

量(窒素成分/1

0a)

 慣行レベル

との比較

化学合成農薬

成分使用回数

 慣行レベル

との比較

○㎏以下

○割以上減

○回以下

○割以上減

生産者集団名

代 表 者 名

連 絡先 住

連絡先電話番

登 録 番 号

集団URL等(

任意)

慣行レベル:北海道で慣行的に行われている化学肥料の使用量及び化学合成農薬の使用回数

集団数

400

300

200

100

0

年 産H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

1144

101

177 200244

279311

345 357

有機農業にも新たな広がり有機農業にも新たな広がり有機農業にも新たな広がり

類 別類 別 作物名 作物名

水稲

麦類

豆類

その他

畑作物

果菜類

葉茎菜類

葉茎菜類

根菜類

果実的野菜

洋菜類

果樹

水稲

秋播き小麦

春播き小麦

大豆

小豆

菜豆

ばれいしょ

そば

てんさい

ひまわり

トマト

ミニトマト

きゅうり

なす

かぼちゃ

えだまめ

スイートコーン

さやいんげん

さやえんどう

ししとう

とうがらし

たまねぎ

ねぎ

小ねぎ

はくさい

キャベツ

ほうれんそう

チコリ

サンチュ

モロヘイヤ

にんにく

みつば

しゅんぎく

集団数

67

2

7

3

1

29

5

24

12

5

24

1

1

1

2

1

23

11

3

6

10

10

1

1

3

面積(ha)

7,904

235

167

82

14

1,567

115

231

21

4

521

10

46

0

2

2

559

76

9

40

344

123

1

2

13

面積(ha)

8

16

17

3

1

4

276

294

30

9

3

2

43

133

10

22

40

8

3

4

101

25

182

34

41

38

31

5

13,469

集団数

2

3

3

1

1

1

6

12

6

3

1

1

2

13

2

10

7

3

1

1

5

6

5

2

2

2

2

1

357

みずな

こまつな

チンゲンサイ

ターサイ

あさつき

にら

食用ゆり

だいこん

にんじん

ごぼう

かぶ

はつかだいこん

ながいも

ヤーコン

すいか

メロン

まくわうり

いちご

ピーマン

レタス

リーフレタス

サラダナ

セルリー

ブロッコリー

アスパラガス

カリフラワー

りんご

なし

ぶどう

おうとう

プルーン

ハスカップ

ブルーベリー

※面積は登録時における作付計画に基づく値 計 66品目

!!

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雑草イタドリを名産品に!

天塩郡豊富町

農村生活文化伝承活動をすすめる会

代表

太田アサ子さん

ザ・ふれあい

地域に根ざした活動を展開

好評を得て、

加工施設で増産へ

楽しむことが一番!

これからも皆で手を携えて

身近にあった宝の山

イタドリを加工して目玉商品に

 

なだらかな起伏をなす牧草地が広がり、

あちらこちらに草を食む乳牛の姿。北海道

の最北、稚内にも程近い天塩郡豊富町は酪

農の町です。

 

同町の酪農家の母さん方を中心に、14名の

メンバーからなる『農村生活文化伝承活動を

すすめる会』は、今でこそ幅広い年齢層で構

成されていますが、そもそもは地域で受け継

がれてきた郷土料理、あるいは注連縄やワラ

細工等の民芸品を手づくりし、年1回の『町

民文化祭』に出品する等の活動を継続してき

た高齢者グループを母体としています。現

在も同会の重要な活動の場となっているこ

の町民文化祭は、毎年10月に開催され、地元

を中心に多くの方々が訪れる一大イベント。

「文化祭では、会のメンバーが自家栽培の野

菜や手芸品を持ち寄って販売する他、牛乳や

お汁粉、おにぎりをふるまうといったことも

行ってきました」というのは、同会の現代表

を務める太田アサ子さんです。地域の人々

同士のふれあいの場として機能してきた文

化祭は、会のメンバーにとっても特に大切な

行事。毎年参加を重ねる内、「せっかくの機

会でもあるし、何かもっと他に、面白いこと

はできないだろうか」と思うようになってい

ったといいます。

 「他所にはあまりないような、

人目を引くものを出せないか

と思ったんですよ」という太田

さん。そこで目をつけたのが、

ありふれた雑草であるイタド

リでした。「仲間の1人から、イ

タドリは塩漬けにすれば食べ

られるという話を聞いたんですね。それに

してもイタドリなんて、それこそどこにで

もあるような雑草でしょう?最初は、『え、

あのイタドリをそんな風にして食べる

の?』と驚きましたよね」という太田さんは

しかし、同時に「それができれば面白いか

も」と、強く興味を引かれたといいます。そ

こで早速、会のメンバーで協力し、イタドリ

の塩漬けづくりへの挑戦を開始したのです。

ところが、いざ始めてみると、これがなかな

か難しいものであったといいます。「イタド

リを刈り取る時期や場所、加工の方法、手順

によって、塩漬けの仕上がりが全然違うん

です。大きくなり過ぎてしまうと固くて食

べられません。程よく、丁度よくというの

が難しいんですよ」。そこでメンバーは、

様々な場所、様々な時期のイタドリを集め

て作り比べる等、試行錯誤を繰り返しまし

た。「メンバー皆で、ああでもない、こうでも

ないと色々と工夫しましたね」。メンバー

が一致協力し、経験を積み重ねることで、次

第にそのコツや要領を掴んでいったのです。

 

こうして苦労の末に形になったイタドリ

の塩漬けは、その年の町民文化祭でふるま

われるや、大きな評判を呼びます。「やはり

最初は物珍しさもあったと思うんですが、

それ以上に、あのイタドリが食べてみると

美味しいということで、『もっともらえな

い?』とか、『販売はしないの?』とか、たく

さんの方から言っていただいたんですよ」

と顔をほころばせる太田さん。この予想以

上の好評に背を押され、会の熱意も大いに

増す中、次に会として取り組んだのが、加工

施設の建設でした。「丁度、町の持ち物で空

いている施設あったので、そこを払い下げ

てもらい、自分たちの手で加工施設に改装

したんです」。建物自体は既存のものとは

いえ、床や壁の張替えから、機材の持ち込み・

設置、保健所の認可を取り付けるところま

でメンバーの手でこなしていくのは、決し

て容易ではありません。「皆、酪農の仕事の

合間を縫って取り組む訳ですから、すごく

大変でしたね」という太田さんですが、時に

農村生活文化伝承活動をすすめる会の代表 太田アサ子さん

は旦那さんたち、普及センターの協力も得

ることで、平成14年、現在も稼動する加工施

設『さろべつ工房』が無事完成。町の支援で

資材購入に至り、イタドリの真空パックも

できるようになりました。

 

こうして、それまで以上に安定して生産

されるようになったイタドリ塩漬けは、先

の町民文化祭だけでなく、道内の各種イベ

ントに招待され、参加・出品することもし

ばしば。各地で好評を得ています。また、

商品ひとつひとつに食べ方のレシピを付け

ることで、ファンも着実に増えていく中、

「お金を貯めて、全員元気で旅行に行こう

ね」を合言葉に、会のメンバーは日々の努力

を怠りません。

「大変なこともありますけど、皆でワイワイ

言いながら一つのことをやるのは、やっぱ

りすごく楽しいんですよ」。グループ活動

を長く続ける秘訣は、ずばり「楽しさ」だと

いう太田さん。「これからも皆で仲良く、新

しいことにもどんどん挑戦していきたいで

すね。目下の課題は新商品の開発です」と、

ますます今後に意欲を燃やす太田さんです。

力強く、明るい女性のパワーで地域が活性化

雑草イタドリを名産品に!

雑草イタドリを名産品に!

▲刈り取られたイタドリは、節が抜かれ、適度な長さに切断された後、 湯くぐり、塩蔵される

▲加工施設『さろべつ工房』は メンバーの手で改装された

▲塩抜きした後、キムチと和えたり、 中華風の味付けにすることで、 より美味しく食べられる

▲イタドリ塩漬け『大地くん』

▲40代から70代まで幅広い年齢層からなる会のメンバー

会では地域の人達を集めた料理教室等、交流活動にも力を入れている。子供達にも人気

① ②

③ ④

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合言葉は、地域全体の活性化――地元企業が中心となって、生産者や

 

合言葉は、地域全体の活性化――地元企業が中心となって、生産者や

ザ・ふれあい

 

栄久営農集団は、機械の共同利用、メンバー相互の協力

により、効率的な作業、安定した経営を行うべく、昭和50年

に設立されました。以来34年、代替わりを経た現在も、地

域の農家5軒11名で構成される同集団は、米麦を中心に、

刈取り以前の工程はメンバー個々で行う一方、刈取り以降、

乾燥・調製、出荷までを集団で一括して行うことで、効率

的な作業の実践に努めています。

 

栄久営農集団として刈取作業を行っている面積は、水稲

のみに限っても40ha弱に及びます。「忙しい時には、1日に

4、5haは刈りますね」というのは、現集団長を努める鈴

木さん。圃場条件に恵まれているとはいえ、大面積を

一気にこなすためには、相応の作業スピードが要求さ

れるところ。そこで活躍しているのが、クボタの6

条刈コンバインです。同集団では、このコンバイン

を2台使用することで、適期を逃すことなく、高能

率な稲刈りを行っているのです。また、刈取後の

籾の乾燥・調製工程には、集団所有のライスセン

ターがフル稼働で対応。「2年前に10台の乾燥機を

遠赤外線のものに総入れ替えしました。これにより、

より短い時間で指定した水分量に調整できるように

なり、作業がさらにはかどるようになりました」という

鈴木さん。これら効果的な機械化と、メンバー間におけ

る適切な役割分担によって、効率作業、生産物の品質安定

という集団の目的は見事に達成されています。

㈱北海道クボタ 札幌支社

北斗営業所 山田 浩孝さん

深川市深川町メム

栄久営農集団

集団長鈴木 秀通さん

 

こうした栄久営農集団の取組みに対し、先のコ

ンバインや乾燥機の導入等、機械面でサポートし

ているのが、㈱北海中央クボタ深川東支店です。

「うちは集団結成の時からクボタですから、もう30

年以上になりますね」と鈴木さん。常日頃からの

付き合いはもちろん、展示会等に足を運ぶことも

しばしばだという鈴木さんは、「場所が近いのも

あって、作業中にトラブルがあっても、対応が早い

ので助かっています」と、その迅速な対応に太鼓判。

「我々のことをよく分かってくれていますし、信頼

していますよ」と笑顔を見せます。栄久営農集団

と北海中央クボタ深川東支店のパートナーシップ

は、これからも長く続いていきそうです。

地域活性化のモデルケースに

なってもらいたいですね

今回の取組みは企業さんが主体ということで、

脱莢機、莢むき機等の機械を、だるま食品さん

に納入させていただきました。実際機械を使

用する農家さんは、必要に応じて同社さんから

レンタルする方式で、初期投資が抑えられる分、

農家さんにもメリットがあると思います。今後、

反別が増えてくれば、機械を個人導入したいと

いう農家さんもいらっしゃいますし、我々がサ

ポートさせていただける部分も増えてくると思

います。地域を盛り上げる意味でも、こうした

取組みが他でも増えていって欲しいですね。

㈱だるま食品本舗

代表取締役社長 小島 節弥さん

試験販売、イベントでの

評判も上々です

地域ブランドを確立していくために必

要なのは、『物語』です。タマフクラに

対して、我々企業や、生産者をはじめと

する地域が、どのように関わっていくか、

どのような物語を育んでいくかが重要

になります。我々としては、タマフクラ

の名前、その美味しさを広く知ってもら

うこと、そのための商品開発が目下の

課題です。道南ブランドとして、大事に

育てて生きたいと思っています。

㈲六輪村代表 東寺 百合子さん

地元の人に

食べてもらえるのが嬉しい

今回のように、地元の企業さんが私達の

作ったものを、目に見える形で商品にして

くれると、励みになりますし、「良いものを

つくろう」という気持ちも強くなります。

栽培のプロである私たちですが、つくるだ

けでなく、流通や販売等、その先まで見え

るのはとても楽しいですし、これから農業

をやっていきたいという若い人達にも夢を

与えられると思います。これからも、良い

ものを安定してつくっていけるように努力

していきたいですね。 ▲2台のコンバインも北海中央クボタ深川東支店から導入

集団所有のライスセンター

栄久営農集団の集団長、鈴木秀通さん(右)と㈱北海中央クボタ深川東支店の岩田支店長

農商工の緊密連携で地域を活性化

大豆の新品種タマフクラを

地域ブランドに!

 

合言葉は、地域全体の活性化――地元企業が中心となって、生産者や

研究機関、大学とも手を結び、農商工連携の強力なスクラムで、地域ブ

ランドの確立に挑む取組みが、今、大きな注目を浴びています。

 

舞台は道南。ブランド化に向けて大きな期待がかけられているのは、

極大粒で甘み豊かな大豆の新品種『タマフクラ』です。

 

函館市の食品製造会社、㈱だるま食品本舗の主力商品は、豆腐や納豆

等の大豆加工食品。以前から、地産地消に力を注いできたという同社が、

3年前タマフクラに出会い、「この美味しい大豆を道南で生産、加工、商

品化することで、地域を大いに盛り上げたい」と、中小企業支援事業を

活用し、企業主導の取組みを開始したのがすべての始まりでした。同

社の熱意と求めに応じて生産面を担うのは、北斗市、森町の5軒の農家。

いずれも、ブランド化に耐える高品質大豆の生産に意欲的な農業者ば

かりです。さらに、渡島農業改良普及センター、道立工業技術センター、

公立はこだて未来大学等からも積極的なサポートを得て、今やこの地

域ブランド実現に向けた取組みは、「地域自身の力で地域を盛り上げ

る」大きなムーブメントに成長しつつあります。

 

生産基盤の整備が図られる一方で、だるま食品本舗による商品開発

も、現在急ピッチで進行中。タマフクラを使用した納豆、豆腐をはじめ、

水煮や冷凍枝豆、大豆パウダーやペーストに至るまで、ブランド化を念

頭にバラエティに富んだ商品構成が目指されています。

 

来年度、タマフクラの生産、商品化はさらに本格化していく予定。こ

の道南発のニューブランドが、地元道南に留まらず、さらに広く市場を

席巻する日は、そう遠いことではなさそうです。

効率作業は適切な機械化が

キーポイント

▼ライスセンター内には、10台の遠赤乾燥機がずらり

(タマフクラ栽培農家)

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宮城県栗原市 白鳥農場

白鳥 一彦さん・益子さん

   一徳さん

白鳥一彦さんは、毎日新聞社の主催する平成21年度第58回全国農業コンクールの種芸部門において、優秀賞とクボタ賞を受賞されました。

 

白鳥一彦さんの経営面積

は60ha。そのうちのほとん

ど(56ha)は借地です。栽培

作物と作付面積は水稲30

ha、大豆30haで、白鳥さんと

奥さんの益子さん、長男の

一徳さんの3名が中心と

なって作業を行ない、平均で

1.5名を常時雇用しています。

白鳥さんの経営理念は『農

家の財産を守る』借地農業

を実践することです。「田んぼを荒らさない。

畦畔を荒らさない。農地の景観は地主さん

の財産ですから、その価値を落とさないよう

に心がけています。これは借地経営の基本

だと思います」と白鳥さんは持論を語ります。

転作田を復田して返す時もレーザーレベ

ラーを掛け、借りた時以上に均平にして返

すという白鳥さんの姿勢が地域から厚い信

頼を得て借地拡大へと繋がっています。

 

白鳥さんの経営の特徴のひとつは米の直

接販売です。平成に入り生産者が直接消費

者へ米を販売できる特別栽培米制度ができ

たことを受け、平成3年に地域の仲間たち

3人と『宮城米米サービス』を立ち上げ米の

直販をスタートさせました。白鳥さんは「経

営はみんな別々ですが、1人でやるよりは

4人でやった方が情報も入りやすいし勉強

もできます。資材を購入するにしてもグ

農をきっかけに本格的に取り組みました。

白鳥さんの作る大豆の10a当りの収量は約

200㎏。地域の平均を大きく上回ってい

ます。しかも作業効率を優先してほとんど

の圃場を固定化して作っているといいます

から驚きです。その秘訣は白鳥さんのこだ

わりの土づくりにありました。「連作障害を

回避するためにプラウによる深耕と土壌診

断による適正な施肥を併せて実施していま

す。それにこの地域の多くの圃場は暗きょ

が入っていないので溝掘機で額縁明きょを

作り、弾丸暗きょを2m間隔で斜めに引くな

ど徹底した排水対策を行っています」と白鳥

さんは説明します。また播種が梅雨時と重

なるためアップカットロータリによる耕う

ん同時うね立て播種を行い、湿害による発芽

不良を防いでいます。白鳥さんは、この大豆

づくりと併せて自宅敷地内に大豆の乾燥・

調製施設を完備し、地域の160ha分の乾燥

調製作業を受託。この作業を加えることに

よって12月から2月までの冬期の

仕事を確保。水稲と大豆だけで周

年作業を作り出しています。

 

白鳥さんは拡大する受託作業を

家族の限られた労力の中で効率よ

く作業するために、圃場の大区画

化と機械の有効活用を図っていま

す。「地主さんの了解を得て昨年か

●全国農業コンクール●

農業経営クボタ賞受賞者に見るル

ープとしてのメリットが活かせるだろう

と考えたのです」と当時を振り返ります。

当初50a分の米から始めた直販は、翌年新

品種としてデビューしたひとめぼれを地域

でいち早く栽培、販売したことをマスコミ

で取り上げられ注文が殺到。平成5年の米

不作を機に全量直販に切り替えていきまし

た。現在、白鳥さんは収穫した米の半分は

玄米で卸業者へ、残り半分を精米し約

300軒の個人のお客さまへ直接販売して

います。また白鳥さんは、消費者が求める

食の安全・安心を目指して平成19年にはエ

コファーマーの認定も取得。慣行栽培より

農薬・化学肥料を50%削減する減農薬・減

化学肥料栽培を実践しています。

 

経営のもうひとつの柱である転作大豆の

生産には、平成15年の後継者・一徳さんの就

『農家の財産を守る』農業

らレーザーレベラーを導入し、高低差30㎝く

らいの範囲の圃場の畔をはずして区画整備

しています。一部1ha区画も作りました」と

白鳥さん。トラクタやコンバインなどの作

業時間の短縮はもちろん水管理が特に楽に

なると言います。また機械化の面では1台

で移植・薬剤散布・側条施肥ができる田植機

を導入。「田植え同時作業による薬剤散布は

コスト面でも省力化の面でも効果が大き

かったですよ」とうれしそうに白鳥さんは

話します。この他にもけん引力の強いパワ

クロでの作業や作業効率を上げるスタブル

カルチなどの最新の機械や作業機を駆使し、

効率良く作業をこなしています。

 「息子が就農しなければここまで規模は

拡大しませんでした」と語る白鳥さん。白

農地の景観は

農家の財産

という考え

いかに地域と結びついて

農業を存続させるか

『宮城米米サービス』を立ち上げ

直販開始

機械の有効利用で

効率の良い作業を展開

徹底した土づくりで高品質・

高収量な大豆を生産

地域から厚い信頼を得る

鳥さんの一家

は、家族3人

で休日や給与

などの家族経

営協定を結び、

将来の法人化

に備えていま

す。白鳥さん

は「農地を守っ

ていく役目を

担っていると

いうことで、頼まれれば地域全体のまとめ

役も引き受けざるを得ません。農村の存

続も担っているんです。それが仕事にも

結びついているのだと思っています」とい

かに地域と結びついて農業を守っていく

かが一番大切なことだと語ります。この

考えは白鳥さんが父親の一正さんから教

わってきた精神です。そしてこの考えは

一徳さんの時代になってもしっかり受け

継がれていくに違いありません。

▼写真左から白鳥益子さん、一彦さん、一徳さん

▲白鳥さんの低コストへの取組みにぴったりだった 除草剤散布機こまきちゃん・箱施用剤散布機箱まきちゃん

▼自宅敷地内に整備された乾燥・調製施設

▲白鳥一彦さん

大区画化する圃場の均

平をとるレーザーレベ

ラー(写真右)。土づく

りに欠かせないプラウ

▲「学生の頃から就農することを決めていた」と言う一徳さん。地域で無人ヘリのオペレータとしても活躍

▲大豆収穫に 活躍する ARH380

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農業

十勝の無限の可能性!

畜産農家から仕入れた牛糞に微生物資材を

加え、完熟に仕上げた堆肥は、年間使用量

にして3000㎥。さらに、スプレーヤに

よる微生物散布、半不耕起での栽培等、土

の持つ力を活かし、高めることに努め、あ

くまで自然に寄り添う形での栽培を心がけ

ています。「土の養分を逃がさず、地力の維

持を図る。それを続けていけば、目に見え

て土は変わってきます」と森さん。常に土

の状態を見ながら、「3年先、5年先を見据

えた土づくり」を心がけているという森さ

んは、法人化により、新たに有機栽培を始

めた圃場でも、手間と時間をかけて、この

「土を変えていく」努力を続けているのです。

 

こうした森さん率いるトカプチ㈲の農業

において、大きな威力を発揮しているのが

パワクロです。「新たに入手した土地は、

元々酪農家さんの持ち物というところも

あって、傾斜地が多いんです。そういうと

ころでは、パワクロの大きなけん引力が活

きてきますね」

という森さん。

特に重粘土圃

場でのプラウ

による反転耕

では、けん引

力の差が大き

な違いとなっ

て表れてくる

のだとか。

125馬力2

台、75馬力1台、

土づくりにも通じる人づくり

傾斜地、けん引作業に

パワクロが活躍!

 

大豆43ha、麦18ha、小豆18ha、金時15ha、

ごぼう2ha、長いも2ha等々、実に約

115haの大面積で全面有機栽培を行っ

ているトカプチ有限会社。平成18年発足の

まだ若い会社ながら、同社の代表を務める

森さんは、個人農家として25年間有機農業

に取り組んできた実績を持ちます。「日本

の食料基地である十勝という土地、環境で

なら、大面積での有機農業にも可能性があ

ると考えました」という森さん。折しも、十

勝で有機農業を行っている農家同士の

ネットワーク構築に向けた機運が盛り上

がり、また、有機農産物に付加価値を認め、

取引を一手に引き受ける地元企業の後押

しもあって、地元幕別の他、近隣の更別、清

水でも土地を集め、組織の立ち上げに踏み

切ったのです。「食べて美味しく、体に優し

い。アレルギーを持っている人であっても、

当たり前に食べられるものをつくりたい」。

規模が大きくなりこそすれ、森さんの有機

栽培にかける想いは今も昔も変わらない

といいます。

 

有機農業の基本であり、要とも言える土

づくり。そこには、長年培ってきた森さん

の経験と技術が活かされています。地域の

計3台のパワクロを所有し、使い分けてい

るトカプチ㈲では、その能力を十分に活用

しています。

 

現在、森さん含め4名の社員で構成され

ているトカプチ㈲ですが、森さん以外の3

名は皆、非農家出身の方々です。「トラクタ

に乗るのも初めて、というところからス

タートしました」と笑う森さんですが、「農

業自体は初めてでも、有機をやりたくて来

た人ばかりですから、とにかく熱心です」

とその意欲に応え、農業の基本を一から伝

授したといいます。「人づくりは土づくり

と同じ。時間はかかりますが、それだけ重

要なこと」と考える森さんの熱意もあって、

会社設立3年目となる現在は、社員1人1

人が担当地域を持ち、各人がそれぞれの役

割をしっかりと果すまでに。そこに至るま

での助けとなったのが、地域の力でした。

「元の地主さんであるとか地域の人が、ア

ドバイスをくれたり、色々と手助けしてく

れるんです。私も圃場のすべてを見て回る

訳にはいきませんから、これには助けられ

ています」。自身、地域を大切にしたいとい

う気持ちが強いという森さん。「トカプチ

という組織を考えた時に、自分のことだけ、

会社のことだけを考えるような、システム

にはまったものにはしたくないんです。自

分達の仕事を通じて、地域を元気にしてい

けるような、常に組織の外も意識した考え

をしていきたいと思っています」と森さん。

その上で、今後森さんが目指す農業とは?

「やっぱり、楽しい農業。やりがいを感じら

れて、若い人が夢を見られるようなね」。

来年以降、さらなる規模拡大も視野に入れ

ているという森さん。「多品目化の要望に

も応えていきたいですし、ゆくゆくは2次

加工、3次加工等、加工にも取り組んでみ

たいです」と、まだまだ十勝での有機農業

に大きな可能性を見ています。

100ha超!

大規模有機栽培を実践

▲大規模有機栽培に取り組むトカプチ有限会社の森社長

傾斜地もなんのその。大きなけん引力を誇るパワクロの出番は多い

▲頻繁に行う除草は、可能な限り機械で行う

▼土づくりの命は堆肥

▲麦の播種がされた半不耕起の圃場

▲刈取間近の小豆▲

中川郡幕別町 トカプチ有限会社社長 森 茂樹さん

ワンポイント

アドバイス

アドバイスアドバイス 軽油が凍るってホント?!

軽油は、夏冬とも燃料の流動性が同様の条件になるように、夏は粘性を高く、冬用は粘性を低くしてあります。この性質の違いにより、夏用の軽油は寒くなると凍り、逆に冬用のものは暑くなるとサラサラし過ぎて燃費が悪くなってしまうのです。どちらも大きなトラブルの原因にもなりかねませんので、是非、忘れずに使い分けを行って下さい。

ホントです!夏用の軽油は、寒くなると凍ります!(白く固まる)

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16 15

農業

土にも人にも優しい農業広尾郡大樹町

十勝野菜村

遠藤

内査勝さん・明子さん

た有機栽培

は、それこそ

苦難の連続

であったと

いいます。

特に大変な

のが草取り

で、「取って

も、取っても、

草ばかり目

立ってね。

見た目には一体何を育てている畑か分から

ないくらいでしたよ」というようなことも。

それでも、そうした状況に挫けることなく、

遠藤さんが手をかけ、力を尽くしてきたの

が、地力向上のための土づくり。堆肥にこ

だわって、独自の配合を様々に工夫したと

いいます。「土の健康を保ち、虫や微生物が

元気に生きていける環境をつくる。いわば、

本来土がそうあるべき、当たり前の状態に

さえしておけば、作物はきちんと育ってく

れるものです」というのは、これまで遠藤

さんと二人三脚で有機農業に取り組んでき

た奥さんの明子さん。「人間はただ、ちゃん

と土が働ける状態をつくり、土ができない

ことだけをお手伝いすればいいんですよ」。

土の健康を想い、試行錯誤の末にたどり着

いたという遠藤さんの堆肥は、自家で飼養

する90頭の和牛から排泄される糞尿をベー

スに、フスマや米ぬか、トウモロコシ、珍し

いところでは魚の内臓や雲丹ガラ等をミッ

クスした上で完熟させた特製品。これを各

安全・安心を求める声が追い風

広がる十勝野菜村の有機野菜

一念発起!

有機栽培の世界に飛び込む

できるのは土のお手伝い

健康な土が良い作物を育む

 『50年間、化学肥料、農薬を使い続けた圃

場の土は疲弊し、それを回復させるために

は、土を傷め続けた時間のおよそ倍、

100年以上の年月がかかる』…たまたま

手にした雑誌の記事に、遠藤さんが大きな

衝撃を受けたのは、昭和57年頃。「畑を、自

然を汚すということは、回り回って人間を

汚すということ。このままで良いはずがな

い」と強く思ったという遠藤さんは、これ

を契機として、それまで行っていた酪農主

体の経営から一転、化学肥料・化学合成農

薬を一切使わない完全有機栽培の畑作へと

大きく舵を切りました。まだ有機農業とい

う言葉すら一般的でなく、前例も手本もな

い中での一大決心でした。

 「周囲からは無謀

だと言われましたし、

実際、最初の5、6

年は収量が上がらな

いどころか、収穫す

らままならないこ

ともありました」と、

当時を振り返る遠藤

さん。2haほどのか

ぼちゃ栽培から始め

圃場に10a当たり約2tの割合で投入する

ことを今も続けています。また、草取りに

ついても、機械除草に手作業も加え、手間

暇を惜しむことなく対応。それでも、遠藤

さんが有機栽培でも十分にやっていけると

いう手応えを掴むまでには、およそ10年も

の歳月が必要でした。そうした苦労を経て、

今ではにんじん(約6ha)、かぼちゃ(約10

ha)、ばれいしょ(約80a)

、大豆・麦(それ

ぞれ約4ha)等を全面有機で栽培するまで

に。「この10年、同じ圃場でにんじんを作り

続けていますが、連作障害等は見られませ

ん。これも長年の土づくりの賜物だと思い

ます」という遠藤さん。その地道でひた向

きな努力が、ここ十勝で大きく実を結んで

います。

 

食の安全・安心が取り沙汰され、今でこ

そ、広く認められるようにもなってきた有

機栽培という『価値』。しかし、遠藤さんが

取組みを始めた当時は、まだまだ世間一般

の理解を得るというには程遠い状況でした。

そのため、栽培を継続することにも増して

大変だったのが、販路の確保です。「最初は

市場にも持って行ったんですけどね、苦労

して有機でつくっても、全然価格に反映さ

れない。その頃は、有機も一般の野菜も大

して変わらないという理解だったんです

ね」。遠藤さんは栽培に力を入れる一方で、

▲無農薬に徹しているため、 機械除草は必須

ま  

さ  

かつ

売り先探しにも奔走します。そうした中で

縁を結んだのが、今も取引を続ける自然農

法販売協同機構。もう20年の付き合いにな

ります。「当時から、有機栽培に対して非常

に理解があった」という同社を通じ、現在

は主にイオン系列の量販店、生協等へと、

遠藤さんの野菜は出荷されています。「そ

こからの縁で、消費者さんと直接交流を図

ることもできるようになりました。『すご

く美味しかった』とか『普通の野菜とは全然

違う。野菜嫌いな子供も食べてくれた』と

いうような話を聞くと、本当に嬉しくなり

ますね」と遠藤さん。努力が報われる瞬間

であるといいます。

 

有機栽培に取り組んで25年以上、遠藤さ

んの次なる目標は「野菜の周年栽培」。その

ために現在、ガスプラントの建設を計画中

です。一方、奥さんの明子さんは「次の世代

の人が抵抗なく有機農業に入れるように、

お手本というのでもないですけど、やれば

できるというところを、若い人に見ていた

だけたら嬉しいですね」とニッコリ。遠藤

さんの下で、有機農業の未来は明るく拓け

ていきそうです。

平成12年にはJAS認証も取得している

▲完全有機で育てられ 収穫を待つにんじん畑

▲独自にブレンドされた堆肥は、徹底した温度管理の下、理想の状態に 仕上げられる。ミネラルを多く含み、それが野菜の甘みにつながる

▲思い通りの堆肥をつくるため、自家で飼養する 和牛の糞尿を活用している

遠藤さんご夫妻。有機栽培にかけては25年以上のキャリアを持つ

努力の末に築き上げた全面有機栽培全面有機栽培

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役 立 つ 製 品 情 報

18 17

step 1

step 2

●植付爪が止まる●植付部が上がる●マーカを収納●安心マスコットが 点灯から点滅へ

●植付部が下がる●マーカが出る●植付爪が動き出す●安心マスコットが 点滅から点灯へ

ハンドルを切る

ハンドルを戻す

step 1

step 2

ノーブレーキで隣接合わせ簡単!

植え揃え操作不要

切 入

移動

微調整

あぜいっぱいまで安心して移動できます。

任意の位置で植付部を微調整。

楽・得・安心の省エネ田植え!

(北海道ロータ仕様)

NSU67CY24-R-SP2<6条植>NSD8CY32-R<8条植>

2010年春発売予定

※補助車輪は別売りです。※補助車輪は別売りです。

省力化・低コスト化を実現! 簡単操作で安心感のある作業が可能!使いやすい作業性能で効率アップ!

旋回時、ハンドル操作に合わせて植付部が自動でアップ&ダウ

ン。ハンドル操作だけで、今まで以上に旋回が簡単にできるよ

うになりました。また、植え始めのラインが揃うので補植作業

が減ります。さらに、施肥ムラも低減されるので、肥料代の節

約にも貢献し、省力化・低コスト化につながります。

旋回後、植付爪が動き出すと

ライトが点灯。植え始めた

ことがわかり、安心です。

2段ポンパレバー植付部を途中で止めて高さが調整できるので、

あぜにぶつける等の心配がなく安心です。

植付クラッチに連動してロータが

自動昇降し、整地位置にセットさ

れます。うっかりミスによる泥押

しがなく安心です。

安心植付

植付深さを変えると、ロータ高さは自動で変更

されるので、ロータ高さを都度調節する必要が

ありません。

植付深さ連動

ほ場条件に合わせて高さの微調整が、

座席に座ったまま簡単にできます。

補助者の労力を軽減!

田植え同時作業でさらに高能率!

回転式予備苗台枕地をならしながらキレイに植付

枕地ならしの手間がなくなり、補助者の

作業がラクになります。

32枚※の苗を載せることができるの

で苗補給の回数が減り、効率的に作

業ができます。また、360°回転する

ので、苗載せ台への補給もラクです。

従来別々に行っていた除草剤、箱施用剤の散布が田

植えと同時に行えます。機械散布なので手散布のよ

うにムラがなく、均一な散布が可能。過剰散布の心配

もないので経済的です。

ハンドル操作だけのカンタン旋回 スーパーゆう優ターン 植え始め、植え終わりを

ライトでお知らせ

植付部の昇降を微調整できる

安心マスコットゆう優ロータ苗補給が効率的&ラク楽

※NSD8。NSU67は24枚

写真はウェルスターロイヤルビップ

写真はウェルスターマックスプラス写真はウェルスターマックスプラス

写真はウェルスターマックスプラス

植付クラッチ連動簡単調整

簡単設定

ロータ高さワンタッチ調整

大好評!

作業前

作業後

●箱まきちゃん 箱施用剤散布

●こまきちゃん 除草剤散布

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役 立 つ 製 品 情 報

20 19

400㎜ 1540㎜

株間:22~80(49段階)条間:50,55,60,65(4段階)

KP-200W〈仮称〉

条間

北海道農業を支える Grandomα パワクロ!

北海道農業の新しいスタイルを拓いてきたパワクロが、さらに進化。

クローラの耐久性が向上し、作業をタフにこなします。

さまざまな圃場条件や不安定な天候での作業の遅れ、

飛び地や大規模圃場での移動時間の短縮・・・。

今まであきらめていた課題もパワクロで解決します。

M110A-HPC(110PS)M125A-HPC(125PS)M135A-HPC(135PS)

圃場を荒らさない高いグリップ力クローラが面として圃場に密着するため、グリップ力が高

く、土を押し出したり圃場を荒らす心配がありません。

約34km/h※の高速走行!

遠い圃場への移動やトレーラのけん

引がスピーディに行え、作業の効率

化に貢献します。

圃場に張り付くような追随性を発揮!パワクロサスペンション第一・第二転輪及び第三・第四転輪が

独立して上下に揺動。圃場に張り付

くような追随性を発揮。乗り心地が

向上し、クローラへの局所的な面圧も

低減されます。

土や草を踏み固めない低接地圧接地面の広いクローラは、踏圧が低

く土や草を踏み固めません。大

型の作業機を使用しても耕

盤をつぶすことなく作業

が可能。作物にやさし

い作業、草を傷めな

い牧草作業がで

きます。

軟弱地でも安定した作業性能強湿田や雨上がりでぬかるんだ圃場

でも力強く走破。天候や圃場条件に

関わらず日程どおりに作業をすすめ

ることができます。

汎用野菜半自動移植機

北海道仕様

KP-200W(標準仕様)〈仮称〉KP-200WL(大径車輪仕様)〈仮称〉

1うね2条植えの各種野菜の植付けができます。

最小90㎝(88㎝)

最大140㎝(148㎝)

トレッド調節

( )内はKP-200WL

( )内はKP-200WL

植付部のスイング機構により、50~65cmまで広い範囲で条間の設定が行えます。また、株間は22~80cmと広範囲に調節でき、ピッチは1~2cmごとに細かく設定できます。

▲うねの高さに合わせて機体の高さを油圧で自動制御。 うね高さは0~30(5~35)cmまで対応

低いうね高いうね

アルファ

北海道農業を支える Grandomα パワクロ!

アルファ

※M135A-HPC

※写真はイメージです

クローラ揺動

4つの揺動転輪

2条同時植えで高能率!

より多様な栽培方法に対応!

平高うね(2条千鳥植え) 小うね2条(2条千鳥植え)株間:22~80(49段階)条間:50,55,60,65(4段階)

条間

株間

[ ]内は200WL [ ]内は200WL輪距:90~140[88~148]

条間・株間・トレッド幅が広く細かく設定できる

株間調節はワンタッチ。条間・植付深さの調節も簡単

ワンテーブル式苗供給部の採用で1人でも作業ができる

▲ダイヤルの組み合わせで株間が調節できる

▲ワンテーブル式の苗供給部

油圧式自動昇降機構で植付深さが安定

透・排水性の良い圃場

干ばつ→透水性(毛細管現象)

透・排水性の良い圃場

湿害→透・排水性★土を踏み固めないので、土中酸素や排水性を確保し、より良好な状態に圃場を保つ効果が期待できます。

広い接地面積

■適応うね形状と寸法(㎝) ■適応うね形状と寸法(㎝)

株間

輪距:90~140[88~148]

0~30[5~35]

0~30[5~35]

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22 21

株式会社北海道クボタ旭川支社東神楽営業所

北海道クボタ旭川支社東神楽営業所の担当地域

上川郡東神楽町南1条東2丁目

ERVICEクボタサービスクボタサービス

セールスとサービスの緊密な連携で、

営業所一体となった活動を展開 セールススタッフ4名、サービススタッフ4名、事務員1名から

なる東神楽営業所は、東神楽町の他、隣接する東川町、旭川市

東旭川町、同町旭正までを、その活動範囲としています。一帯

は、稲作を主体とした比較的規模の大きな農家が多く、そのた

め同営業所が取り扱う機械も、トラクタなら70~100馬力クラ

ス、田植機では成苗8条植え、コンバインであれば5~6条刈と、

大型で高能率を誇る製品が中心。同営業所では、これら大規

模農家の方々から寄せられる要望に的確に応じるため、訪問

活動に力を注いでいます。「やはり、大切なのはお客さまとの信

頼関係です。日頃から、お客さまのところに足繁く通うこと、

それが第一ですね」というのは東神楽営業所長の橋場さん。「ご

主人はもちろん、奥さんに声をかけさせてもらうことも度 で々す

し、この辺りは後継者にも恵まれていますから、息子さん方とも

できるだけ話をさせてもらうようにしています。何事も、まずお

客さまのところに顔を出し、話

をすることから始まりますから」。

その上で、「自社の機械に惚れ

込んで、自信を持ってお客さま

におすすめできなければいけません」と、あくまで厳しい姿勢を

崩さない橋場所長。各セールスが担当するお客さまは、それぞ

れ約200軒と決して少なくはない中で、こうした日々の積み重ね

を大事にしていくことこそが、お客さまと営業所との信頼の基

礎になるといいます。

 さらに、「販売後のアフターフォローも非常に重要です」と橋

場所長は続けます。「特に緊急の修理対応の場合、お客さまか

ら連絡があれば、5分でも10分でも早く現場に駆けつけること

を心がけています」。ここで重要になるのが、営業所内におけ

るセールススタッフとサービススタッフとの連携です。「セールス

とサービスがお互いにしっかりと情報を共有することで、より

確実で、スピーディな対応が可能になるんですよ」という橋場所

長。農繁期の修理対応のみならず、作業前・作業後の点検・整

備においても、セールス、サービス共に、お客さまのこと、機械

の状態等を可能な限り理解した上で、各作業を進めていくよう

努めているのです。

 「これからも、『やっぱりクボタ』とお客さまに納得していただ

けるサービスを提供していきたいですね」という橋場所長のも

と、東神楽営業所では、お客さまの要望に応じた迅速・確実な

対応を実践するべく、日々の活動から全力を尽くしていきます。

▲大規模稲作農家が多い土地柄から、 大型機械が主力

▲東神楽営業所のスタッフ。前列左から菅原竜太、佐藤整、山口賢司、坂本和則、 後列左から谷公博、橋場隆則所長、末永幸男、石山裕二、鈴木洋子

▲営業所内の一角に設けられた、管理機、草刈機、 小物商品の展示スペース

営業所併設の整備工場では、迅

速・丁寧な点検・整備、修理が

行われる

▲▲

山下惣一さんプロフィール昭和11年佐賀県唐津市の農家生まれ。中学卒業と同時に農業に従事するかたわら、文筆活動を続ける。現在、水田、みかん、野菜を栽培する。日本農民文学会会員、第13回農民文学賞受賞、第27回地上文学賞受賞、著書「タマネギ畑で涙して」「ざまぁ見ろ農は永遠なり」ほか多数。

文:山下惣一

 

世は「農業ブーム」だそうですな。その中味はさまざまで

農業への自由参入を目論む経済界から脱サラ新規就農、農

業法人への就職、週末農業、市民農園、園芸セラピーからプラ

ンターまで、それこそ千差万別で図らずも農業のもつ間口の

広さ、奥行きの深さを示しているようですな。

 「ブーム」と関係がありそうな書籍を集めてみました。い

ま手元にあるのは「農で起業する脱サラ農業のススメ」(築地

書館)「奇跡のリンゴ」(幻冬舎)「農民になりたい」(文春新書)

「農業やろうぜ」(別冊宝島)「いまこそ農業をはじめる」(イカ

ロス出版)「農業がニッポンを救う」(週刊ダイヤモンド)「成功

する農業入門」(同)「Agrizm・アグリズム・創刊号・二号」

(農業技術通信社)「ギャル農業」(中公新書)など。全部読み

ましたよ。

 

いやいや驚きますな。この国の農業・農民は過去50年間た

った一度も褒められたことはなく、つい先年までボロクソにい

われていたのに変われば変わる世の中ですわい。せっかくで

すから、そのころのフレーズと「対」にして「ブーム」本の宣伝

文旬を並べてみましょうかな。

 「貿易摩擦の元凶は農業である。わが国における農業過保

護はひどい」「自由化で潰れる農業なら仕方ない」「農業は東

南アジアへ移せ。農家を遊ばせてもその方が得である」

 

これが20年前。

「地に足をつけるってこういうことなのか」「こんなおもしろい

商売(ビジネス)はない」「楽しみながらもうける」これがいま。

農業は「かっこいい」「稼げる」「感動がある」の新3K職場なん

だそうですよ。ところで「ブーム」は日本流にいえば「流行」で、

これは「はやり・すたり」といって「廃る」とセットになった言

葉であることをゆめ忘れてはなりませぬぞ。

すた

「ブームブーム」と「流行」「流行」「ブーム」と「流行」