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顧客の視点にもとづくビジネスプロセスモデリング

東京工業大学・大学院 包捷

東京工業大学・大学院 飯島淳一

（株）アルゴ21 戸田保一

専修大学 小林隆

Kyungsung University Byun Daeho東京工業大学・大学院 Kim Hangook

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発表の流れ

n 研究の背景，問題意識，アプローチ

n ビジネスプロセスモデリング手法の提案

n 考察，結論，今後の課題

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ビジネスモデリング

経営ニーズ

経営目標

業務目標

ビジネスプロセスモデル

情報システムによる実現

ビジネスプロセスモデリング

情報システムモデリング

ビジネス目標モデリング

経営資源（ヒト，モノ，カネ）と顧客の視点

対応する業務が見えるまで

ブレークダウン

顧客の視点が必要

本研究の目的：

顧客の視点にもとづくビジネスプロセスモデリング手法の提案

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ビジネスプロセスモデリング手法の要件

n ビジネス目標モデリングで明らかになった，顧客に関連する業務目標を、設計したビジネスプロセスが、達成できるかどうかの判断ができる。

n 情報システムモデリングへ滑らかにつながる。

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事例：国際証券（現三菱証券）新基幹系システム構築

n 2000年4月，営業サイドの効率化，高付加価値化を中心とするIT戦略を打ち出した。

n 2000年9月に，インターネットによる「オンライントレード・サービス」及び電話による24時間365日営業の「テレホントレード・サービス」を開始した。n この時点で，3つの販売チャネルが十分連携されておらず，顧客が複数

のチャネルを利用する際，各々のチャネルで専用口座を開設し，別々に取引を行う必要があった。

n 2001年1月から2001年10月にかけて，基幹系システムの大幅刷新を行い，営業店，電話，インターネットの三つの販売チャンネル間のリアルタイム連携を実現した。

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経営ニーズ

経営目標

業務目標

リテールマーケット（個人投資家層）に軸足を置き、アセットマネージメント（法人投資家層）をも包含したフルラインの証券会社として，強固な経営基盤を持ち，世界に通用する金融サービス会社を目指す。

ケース：　国際証券（現三菱証券）新基幹系システム構築

個人顧客を増やす

預り資産を増やす

T+1をも配慮し，経営の効率化をはかる

顧客基盤を拡大する顧客

経営資源（ヒト，モノ、カネ）

業務プロセスを簡素化する

T+1の基盤を作る

経営情報システムを刷新する

フロントオフィス業務バックオフィス業務

営業プロセス

経営管理

いつでもどこでも

3チャネル1アカウント

ソリューション

フロントとバック業務の統合を図る

勧誘型から

相談・提案型へ

顧客の利便性を

向上させる

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3チャンネル1アカウント

営業店のサービス

テレホントレード・サービス

オンライントレード・サービス

営業店のサービス

テレホントレード・サービス

オンライントレード・サービス

1つの口座から

好きなチャネル

を利用

実現前 実現後

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「ひらめき」のエンジニアリング

n 業務目標を達成するソリューションの提案

n ソリューションは、Ad hocに（「ひらめき」で）　提案されることが多い

n ここでは、システマティックな方法論を確立したい

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本研究でのアプローチ

顧客の行動から出発して、顧客サイドとビジネスサイドの相互関係に注目したビジネスプロセスモデリング。

情報デザインにおける「ユーザの視点に立った情報の構造とユーザの想定行動（動線）を設計する手法」を適用。

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顧客の視点に立ったビジネスプロセスモデリングの手順

ビジネスプロセスユニットへの分割

顧客プロファイルの作成顧客プロファイルの作成

顧客行動シナリオの設計顧客行動シナリオの設計

顧客－ビジネスアクティビティ図の作成顧客－ビジネスアクティビティ図の作成

ビジネスプロセス図の作成ビジネスプロセス図の作成

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顧客プロファイルの例n 典型的なユーザの例

n 安定志向ビジネスマン：n 運用する金額はそれほど高くない。n 普段は投資相談を求めることが少ない。

n 安定した資金運用を志向。n 平日の昼間は，時間をとれない。n 営業店で口座を持つ。

n 富裕なシニア

n デイトレーダ　など

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顧客の視点に立ったビジネスプロセスモデリングの手順

ビジネスプロセスユニットへの分割

顧客プロファイルの作成顧客プロファイルの作成

顧客行動シナリオの設計顧客行動シナリオの設計

顧客－ビジネスアクティビティ図の作成顧客－ビジネスアクティビティ図の作成

ビジネスプロセス図の作成ビジネスプロセス図の作成

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顧客行動シナリオ（特定）の例ー安定志向ビジネスマンの場合ー As-Is

注文執行結果を確認 取引を決済

営業店で相談，投資方針を決定

営業店スタッフを介して注文

営業店スタッフからの情報提供・

提案を受け銘柄等を選定

営業時間内のみ利用可能

営業時間内のみ利用可能

営業時間内のみ利用可能

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顧客行動シナリオ（特定）の例ー安定志向ビジネスマンの場合ーTo-Be

注文執行結果を確

認

取引を決済

オンライントレードサービスで情報収集し，

銘柄選定

コールセンタを介して

注文

営業店スタッフからの情報提供・提案を

受け，銘柄選定

営業店で相談，投資方針を決定

深夜のサービス休止時間帯以外利用可能

営業時間内のみ利用可能

24h利用可能

営業時間内のみ利用可能

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顧客の視点に立ったビジネスプロセスモデリングの手順

ビジネスプロセスユニットへの分割

顧客プロファイルの作成顧客プロファイルの作成

顧客行動シナリオの設計顧客行動シナリオの設計

顧客－ビジネスアクティビティ図の作成顧客－ビジネスアクティビティ図の作成

ビジネスプロセス図の作成ビジネスプロセス図の作成

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顧客－ビジネスアクティビティ図

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顧客－ビジネスアクティビティ図

コールセンタを介して注文する部分

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顧客の視点に立ったビジネスプロセスモデリングの手順

ビジネスプロセスユニットへの分割

顧客プロファイルの作成顧客プロファイルの作成

顧客行動シナリオの設計顧客行動シナリオの設計

顧客－ビジネスアクティビティ図の作成顧客－ビジネスアクティビティ図の作成

ビジネスプロセス図の作成ビジネスプロセス図の作成

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株式情報

顧客

証券取引所

顧客注文

顧客口座情報

顧客データ

口座番号、パスワード等

確認結果

注文情報

注文情報，メモ（出来連絡の方法等）

注文情報

要望

要求，指示

預かり情報等

口座種別等

銘柄情報

前提手続きの完了状況

出来連絡の方法等

要求，指示

口座種別等

銘柄情報

前提手続きの完了状況

口座番号、パスワード等

注文情報

コールセンターにおける国内株式売買注文受付のビジネスプロセス

本人確認（認証）OK

最終確認OK

お客様意向での国内株買注文

その他その他 その他

電話受信

注文を受ける

注文を送信する

電話／を終了する

本人確認をする

（認証をする） 場中

注文情報を復唱し

最終確認をする

希望するサービスを確認する

その他

顧客要求，銘柄情報，口座情報を確認し，

注文をそのまま受付てよいかを

判断する。 そのまま注文を受付可能

その他注文をそのまま

受付できない理由，解決策等のの詳細を

確認し，顧客に提示する

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考察n 顧客に関連する業務目標が達成されるかどうかの判断

ができるか？n 対象とする複数のタイプの顧客からみて、望ましい行動シナリオ

を作成し，それにあわせて，ビジネスプロセスを設計する手法であるので、顧客に関連する業務目標に沿ったソリューションを提案できる。

n 情報システムモデリングへ滑らかにつながるか？n 最終的なビジネスプロセス図は、例えば、Eriksson-Penkerによ

る(UMLの)ビジネス拡張における図式で表せるので，情報システムモデリングにつながると考えられる。

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結論＆課題

n 顧客の視点にもとづくビジネスプロセスモデリング手法を提案した。

n 今後の課題n 特定シナリオを一般的なビジネスプロセス設

計に統合する方法の検討n 残りの3つの視点（ヒト、モノ、カネ）にもとづく

ビジネスプロセスモデリング方法の検討