佐賀県ファシリティマネジメント基本方針 ~佐賀県 …...佐賀県ファシリティマネジメント基本方針~佐賀県公共施設等総合管理計画~
佐賀市の水路網...明治時代の中頃の佐賀市中心部の地図。江戸時代の初めにつくられた水路は、...
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佐賀市の水路網~人がつくった魚たちの楽園~
佐賀県立高志館高等学校 環境クラブ俣野太護 山口修史 村岡興一 松尾佑介
ニッポンバラタナゴ撮影:秦 康之
治水の神様 成富兵庫茂安
江戸時代の佐賀藩士成富兵庫茂安は、堤防、井樋、用水路、ため池など100数カ所の事業に携わり、利水開発や洪水防止の事業を進め、治水の神様と呼ばれました。
茂安が築造した施設の中で、日本最古の取水施設とされているのが「石井樋」です。
石井樋から取水された水は多布施川となり、佐賀城下を潤しました
明治時代の中頃の佐賀市中心部の地図。江戸時代の初めにつくられた水路は、地域の人々によって今も環境が守られている。
多布施川
株式会社ミゾタ(2000)佐賀市民の川 多布施川 より
撮影:佐賀市
絶滅危惧ⅠA類
ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
絶滅危惧ⅠB類
ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧Ⅱ類
絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧
現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
環境省レッドリストのランク分けとその意味
環境省HP(https://www.env.go.jp/press/106383.html)より
10月20日、住宅地を流れる水路で現地調査。
住宅地を流れる水路で捕れた淡水魚 11種類
カワムツ
アリアケスジシマドジョウ カマツカ
ムギツク
カゼトゲタナゴ
オイカワ
イトモロコ
トウヨシノボリ
ヌマムツカネヒラ
最も多かったのは・・・
アブラボテ
10月20日、田んぼの中を流れる農業用水路で現地調査。
ヌマムツ
ニッポンバラタナゴ
イトモロコ
アリアケスジシマドジョウ
カゼトゲタナゴ
ツチフキ
モツゴ
ギンブナドンコ
農業用水路で捕れた淡水魚 10種類
最も多かったのは・・・
ミナミメダカ
科 名 種 名 環境省レッドリスト 住宅地の水路 農業用水路 特記事項
メダカ科 ミナミメダカ 絶滅危惧Ⅱ類 52
ドジョウ科 アリアケスジシマドジョウ 絶滅危惧ⅠB類 2 15地球上で,佐賀,福岡,熊本の有明海沿岸のみに分布
コイ科
ギンブナ 2
アブラボテ 準絶滅危惧 103
カネヒラ 1
ニッポンバラタナゴ 絶滅危惧ⅠA類 3
カゼトゲタナゴ 絶滅危惧ⅠB類 1 18国内では九州北部のみに分布。
オイカワ 28
カワムツ 8
ヌマムツ 2 1
モツゴ 1
ムギツク 7
イトモロコ 4 10
カマツカ 6
ツチフキ 絶滅危惧ⅠB類 1
ドンコ科 ドンコ 4
ハゼ科 トウヨシノボリ 2
表1 住宅地の水路と農業用水路 魚類比較
全部で17種の生息が確認され、このうち6種が環境省レッドリスト掲載種だった。環境が違うと、生息する種や個体数が違うことも分かった。
2018年6月、佐賀市の住宅地の中のクリークでの調査(顧問の先生による)
ニッポンバラタナゴ
婚姻色
絶滅危惧ⅠB類
絶滅危惧ⅠA類
絶滅危惧Ⅱ類
佐賀市は希少淡水魚のホットスポット
ニッポンバラタナゴ
アリアケスジシマドジョウ
カゼトゲタナゴ ツチフキ
ミナミメダカ
=イリオモテヤマネコ
=アマミノクロウサギ
=タンチョウヅル
イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ、タンチョウヅルの画像は環境省HP(https://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/index.html)より
まとめ・佐賀市に広がる人が作った水路網は、絶滅危惧種を含むたくさんの魚が生息している「魚たちの楽園」で、佐賀市は「屋根のない水族館」と言える。
・環境の違いにより生息する魚の種類や数が大きく異なる。
・佐賀市の豊かな淡水魚は、農業の多面的機能の一つである。
・豊かな淡水魚を地域資源として活用するエコツーリズムやグリーンツーリズムを始めれば、農村や佐賀市の活性化につながる可能性がある。