一般国道44号 根室道路...1 1.事業の概要 (1)目的...

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一般国道44号 根室 道路 再評価原案準備書説明資料 平成20年度 北海道開発局 資料 2-8

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一般国道44号

根室ね む ろ

道路

再評価原案準備書説明資料

平成20年度

北海道開発局

資料 2-8

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目 次

1.事業の概要 ................................................ 1

(1)目的··················································· 1

(2)計画の概要 ············································· 3

(3)経緯··················································· 4

(4)事業化以降の周辺環境の変化 ····························· 5

2.事業の必要性等 ............................................ 6

(1)客観的評価指標「一般国道(二次改築)」 ·················· 6

(2)事業の投資効果 ········································ 20

3.事業の進捗の見込み ....................................... 22

4.コスト縮減及び代替案立案等の可能性 ....................... 23

5.関係する地方公共団体等の意見 ............................. 26

6.対応方針(案) ........................................... 27

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1.事業の概要

(1)目的

一般国道44号は、釧路市を起点に根室市へ至る延長約124

kmの主要幹線道路です。

このうち根室道路は、北海道横断自動車道と接続して、道央圏

と釧路・根室圏を結ぶ高速交通ネットワークを形成するとともに、

国土・地域ネットワークの構築、地吹雪や地震・気象災害等によ

る自然災害の解消、物流の効率化等を支援することを目的とした

延長7.1kmの高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専

用道路です。

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■位置図

■事業概要図

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(2)計画の概要

① 起点 ‥‥北ほっ

海かい

道どう

根室ね む ろ

市温おん

根ね

沼とう

終点 ‥‥北ほっ

海かい

道どう

根室ね む ろ

市穂ほ

香におい

② 計画延長 ‥‥7.1km

③ 幅員 ‥‥23.5m

④ 構造規格 ‥‥1種2級

⑤ 設計速度 ‥‥100km/h

⑥ 車線 ‥‥4車線

⑦ 事業主体 ‥‥北海道開発局

■横断図

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(3)経緯

平成10年度 環境影響評価手続完了

着工準備

平成11年度 事業化

平成12年度 用地補償着手

平成17年度 工事着手

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(4)事業化以降の周辺環境の変化

当該事業周辺では、平成11年度の事業化以降、平成17年3

月に北海道横断自動車道の本別~釧路間が着工し、新直轄方式に

よる建設が進められています。

また、平成12年4月に、道の駅「スワン44ねむろ」が整備

され、平成17年11月には、根室管内の観光名所のひとつであ

る「風蓮湖・春国岱」がラムサール条約湿地に登録されました。

写真出典:根室市役所HP

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(3)事業の進捗状況

当該事業は、平成20年度末で、用地進捗率80%、事業進捗

率30%です。

測量・地質調査 95%

設計 75%

用地進捗率 80%

事業進捗率 30%

※用地進捗率は用地補償費投入ベース 平成20年度末

※事業進捗率は事業費投入ベース 凡例:数字は進捗率

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2.事業の必要性等

(1)客観的評価指標「一般国道(二次改築)」

政策目標 指 標 資料ページ

○ 現道等の年間渋滞損失時間(人・時間)および削減率

□ 現道等における混雑時旅行速度が20km/h未満である区間の旅行速度の改善状況

□ 現道又は並行区間等における踏切道の除去もしくは交通改善の状況

■ 当該路線の整備によるバス路線の利便性向上の状況 13

□ 新幹線駅もしくは特急停車駅へのアクセス向上の状況

円滑なモビリティの確保

■ 空港法による空港もしくは供用飛行場へのアクセス向上の状況 14

□ 重要港湾もしくは特定重要港湾へのアクセス向上の状況

■ 農林水産業を主体とする地域において農林水産品の流通の利便性向上の状況 9

物流効率化の支援

□ 現道等における、総重量25tの車両もしくはISO規格背高海上コンテナ輸送車が通行できない区間が解消

□ 都市再生プロジェクトの支援に関する効果

□ 広域道路整備基本計画に位置づけのある環状道路が形成(又は一部形成)されたことによる効果

□ 市街地再開発、区画整理等の沿道まちづくりとの連携に関する効果

□ 中心市街地内で行われたことによる効果

□ 幹線都市計画道路網密度が1.5km/km2以下である市街地内での事業である

□ DID区域内の都市計画道路整備であり、市街地の都市計画道路網密度が向上

都市の再生

□ 対象区間が事業実施前に連絡道路がなかった住宅宅地開発(300戸以上又は16ha以上、大都市においては100戸以上又は5ha以上)への連絡道路となった

■ 高速自動車国道と並行する自専道(A'路線)の位置づけあり 11

□ 地域高規格道路の位置づけあり

■ 当該路線が新たに拠点都市間を高規格幹線道路で連絡するルートを構成する(A'路線としての位置づけがある場合) 11

■ 当該路線が隣接した日常生活圏中心都市間を 短時間で連絡する路線を構成する 12

□ 現道等における交通不能区間が解消

□ 現道等における大型車のすれ違い困難区間が解消

国土・地域ネットワークの構築

□ 日常活動圏の中心都市へのアクセス向上の状況

□ 鉄道や河川等により一体的発展が阻害されていた地区の一体的発展への寄与の状況

□ 拠点開発プロジェクト、地域連携プロジェクト、大規模イベントの支援に関する効果

■ 主要な観光地へのアクセス向上による効果 15

個性ある地域の形成

□ 新規整備の公共公益施設と直結されたことに関する効果

□ 自転車利用空間が整備されたことによる当該区間の歩行者・自転車の通行の快適・安全性向上の状況 歩行者・自転車のための生活空間の形成 □ 交通バリアフリー法に基づく重点整備地区における特定経路を形成する区間が新たにバリアフリー化された

□ 対象区間が電線類地中化5ヶ年計画に位置づけあり 無電柱化による美しい町並みの形成 □ 市街地又は歴史景観地区(歴史的風土特別保存区域および重要伝統的建造物保存地区)の幹線道路において新たに

無電柱化を達成

し 安全で安心できるくらしの確保 ■ 三次医療施設へのアクセス向上の状況 10

□ 現道等における交通量の減少、歩道の設置又は線形不良区間の解消等による安全性向上の状況 安全な生活環境の確保 □ 歩道が無い又は狭小な区間に歩道が設置されたことによる安全性向上の状況

□ 近隣市へのルートが1つしかなく、災害による1〜2箇所の道路寸断で孤立化する集落が解消

■ 対象区間が、都道府県地域防災計画、緊急輸送道路ネットワーク計画又は地震対策緊急整備事業計画に位置づけがある、又は地震防災緊急事業五ヶ年計画に位置づけのある路線(以下「緊急輸送道路」という)として位置づけあり

16

□ 緊急輸送道路が通行止になった場合に大幅な迂回を強いられる区間の代替路線を形成

□ 並行する高速ネットワークの代替路線として機能(A'路線としての位置づけがある場合)

□ 現道等の防災点検又は震災点検要対策箇所もしくは架替の必要のある老朽橋梁における通行規制等が解消

災害への備え

■ 現道等の事前通行規制区間、特殊通行規制区間又は冬期交通障害区間が解消 8

地球環境の保全 ● 対象道路の整備により、削減される自動車からのCO2排出量 17

○ 現道等における自動車からのNO2排出削減率

○ 現道等における自動車からのSPM排出削減率

□ 現道等における騒音レベルが夜間要請限度を超過していた区間の騒音レベルの改善の状況

生活環境の改善・保全

□ その他、環境や景観上の効果

□ 関連する大規模道路事業との一体的整備の必要性または一体的整備による効果 他のプロジェクトとの関係 □ 他機関との連携プログラムに関する効果

5 そ の 他 その他 ■ その他、対象地域や事業に固有の事情等、以上の項目に属さない効果 18~19

注:●は定量的に評価を行う指標

■は効果のある指標

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客観的評価指標①

「並行区間等の事前通行規制区間、特殊通行規制区間又は冬期交

通障害区間の代替路線を形成する」

根室道路の並行路線である一般国道44号は、根室市と釧根地

域の主要都市を結ぶ重要な幹線道路となっていますが、地吹雪等

による視程障害により通行止めが生じ、周辺の道道も通行止めと

なることから根室市街地の孤立化が発生しています。

当該路線の整備により、並行区間の通行規制時の代替路を形成

し、地域住民の生活機能の確保に寄与します。

■吹雪視程障害による通行止めの状況(H20.4.1)

29.5

17.3

0.0 0.0

27.0

6.05.0

1回

2回

2回

1回1回

0

10

20

30

40

H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

孤立化時間

(時間)

0

1

2

3

孤立化(回数)

孤立化時間 孤立化回数

資料:釧路開発建設部調べ

※平成 20 年度は 9 月末までの半年間のデータ

●通行止めによって商品の搬入がストップし

てしまいました。【根室市内・コンビニ店】

●通行止めの影響でバスが全便運休となりま

した。【根室市内・バス会社】

●通行止めによってガソリンの入荷がストップし、

営業ができませんでした。【根室市内・ガソリン

スタンド】

●通行止めにより、生乳の集荷ができなくなり、100

万円以上の損害となりました。【根室市農協】

【H20.4.1 視程障害の様子】

【H20.4.1 視程障害による事故の様子】

【根室半島の孤立化状況】

H20.4.1 に 27 時間もの間根室半島が陸の孤島に!

■吹雪視程障害による通行止めの状況

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客観的評価指標②

「農林水産業を主体とする地域から大都市圏への農林水産品の

流通の利便性向上が見込まれる」

根室市の水揚額は全道一位の約238億円(H18)であり、

特にさんまは、根室市だけで全国の約4分の1を水揚げています。

根室市のさんまは生鮮食用向けが多く、トラックによって釧路

港や苫小牧港などを経由して道央圏や道外に出荷されています。

当該路線の整備により、水産物の消費地市場等への輸送時間が

短縮され、水産物の流通の利便性向上が見込まれます。

資料:水産物流通統計年報(H18)

資料:北海道水産現勢(H18)

【根室産さんまの用途別出荷割合(H18)】

【道内の水揚額上位5位(H18)】

■根室産さんまの輸送ルート

238.4

212.3

137.1

124.3

123.3

0 100 200 300

根室市

函館市

羅臼町

釧路市

稚内市(億円)

その他,27.1%

厚岸港,11.0%

釧路港,11.9%

気仙沼港(宮城),12.3%

根室港,23.6%

女川港(宮城),14.0%

【国内のサンマ水揚量上位5港(H18)】

道外大型小売店14%

その他地域等19%

京浜市場22%

中京市場21%

京阪神市場14%

道内10%

資料:水産物流通統計年報(H17)

●水産品は鮮度が命であるため、輸送のスピードアップが図られることは、漁業者にはもちろんのこと、根室地域全体の経済効果に与える影響は大きいと期待しています。【根室漁協ヒアリングより】

●車両が揺らされることで、魚のエラなどから出血が多くなり、魚の鮮度が落ちてしまうため、高規格道路の整備は、このような事態を回避できます。【根室市内の水産加工業者ヒアリングより】

全国の約

1/4 が根

室産!

【道内の水揚量上位5位(H18)】

資料:北海道水産現勢(H18)

年間約1万トン

もの生鮮サン

マを輸送!

115,701

108,521

101,014

61,704

52,418

0 50,000 100,000 150,000

釧路市

根室市

稚内市

函館市

紋別市(トン)

全体

23.8 万 t

【根室産生鮮向けさんまの出荷先割合(H17)】

【根室市の水揚量比率(H18)】

タコ類4%

その他13%

サケ・マス14%

タラ類16%

サンマ53%

全体

10.9 万 t

資料:北海道水産現勢(H18)

資料:水産物流通統計年報(H18)

生鮮向け,23.0%

加工向け,49.0%

非食用向け,28.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

用途別内訳

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客観的評価指標③

「三次医療施設へのアクセス向上が見込まれる」

現在、根室市における三次救急医療は、救命救急センターであ

る市立釧路総合病院に依存しています。

根室市唯一の総合病院である市立根室病院では、医師数や専門

科が急激に減少し、市外への救急搬送件数も急増しています。ま

た、根室市内の医療施設で緊急時に利用される血液も釧路市内か

ら当該路線を利用して輸送されており、冬期間における搬送の安

全性の確保が課題となっています。

当該路線の整備により、救急搬送時における迅速性の向上、安

定性・安全性の向上が期待されます。

■根室市から釧路市内への搬送ルート

98 120153

206258

0

50

100

150

200

250

300

H15 H16 H17 H18 H19

(件

■市立根室病院の医師数の推移

19

1718

12

6

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

H15 H16 H17 H18 H19

(人)

■根室市から釧路市への救急搬送件数の推移

資料:根室市役所ヒアリング

●産婦人科は平成 18 年より入院・分娩を中止しています。市内では妊産婦の緊急事態に備え、消防本部との連携のもと助産師が 24 時間体制で待機をしていますが、冬場の交通事情を考えると不安が残ります。【市立根室病院ヒアリングより】

●各医療機関から要請があった血液製剤の輸送は、国道を利用した輸送が中心です。緊急時の要請に対応するためにも、早急な根室道路の整備が期待されます。

【北海道釧路赤十字血液センターヒアリングより】

市立釧路総合病院

H18.4 ・消化器内科派遣中止・外科 2名減員 ・産婦人科非常勤化・脳神経外科派遣中止H18.10 ・皮膚科非常勤化 ・循環器内科 1名減員H19.4 ・循環器内科派遣中止・外科派遣中止 ・整形外科派遣中止

2.6 倍

市立根室病院

※釧路市内及び帯広出張所への供給量は除く

※血液製剤には赤血球製剤、血漿製剤血小板製剤という 3 つの種類があり、それぞれの種類で輸送ロットが違っている。このため輸送量を比較するにあたり、すべての製剤を 小単位である1単位(200ml)に換算して算出している。

【釧路センターから釧根地域各市町村への血液製剤輸送状況】

中標津町22.1%

根室市37.8%

その他21.3%

別海町14.4%

釧路町4.4%

平成18年度血液供給量6,732単位

(200mL換算)

資料:北海道赤十字血液センター調べ(H18)

資料/根室市役所(各年4月1日現在)

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客観的評価指標④

「高速自動車国道と並行する自専道の位置づけあり」

客観的評価指標⑤

「当該路線が新たに拠点都市間を高規格幹線道路で連絡するル

ートを構成する」

根室道路は、黒松内町を起点とする北海道横断自動車道の一部

を形成し、地方生活圏の中心都市である釧路市、根室市を高規格

幹線道路で連絡するルートを構成します。

【釧路市~根室市間の所要時間の変化】

■北海道の高規格幹線道路網の計画

資料: 北海道開発局

資料:「北海道市町村勢要覧」北海道(H19)

「全国大型小売店舗総覧 2007」東洋経済新報社(H18)

【中心都市データ】 人口:国勢調査(H17) 公共施設数:(H18.3) 学校数:(H18.5) 医療施設数:(H17.10) 社会福祉施設数:(H17.10) 大規模小売店舗数:(H18.4)

・人 口:190,478 人 ・公共施設:5 箇所

・学 校:105 校 ・医療施設:211 施設

・大規模小売店舗:38 店

・社会福祉施設:100 箇所

釧路地方生活圏の中心都市

・人 口:31,202 人 ・公共施設:6 箇所

・学 校:25 校 ・医療施設:28 施設

・大規模小売店舗:4 店

・社会福祉施設:26 箇所

根室地方生活圏の中心都市

【大型商業施設】 【市立釧路総合病院】 【釧路公立大学】

現状

根室道路整備後

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客観的評価指標⑥

「当該路線が隣接した日常活動圏中心都市間を 短時間で連絡

する路線を構成する」

根室市民は、医療や買い物など生活行動の一部を釧路市に依存

しています。特に、医療においては市民の2割近くが釧路市まで

通院しています。また、当該路線の整備により、日常活動圏中心

都市である根室市と釧路市を 短時間で連絡することが可能に

なり、冬期間における通院行動の支援などが期待されます。

中標津町7%

その他1%

釧路市16%

釧路町18%

根室市58%

資料:「平成 18年 5月 患者受療動向調査」 北海道保健福祉部

●根室市内の住民でも、専門的な診療を受けたいというニーズが高く、釧路に通院する患者が多くなっています。通院患者の多くは自動車かバスを利用しています。【根室保健所ヒアリングより】

●根室市から釧路市内への通院は、移動時間だけで往復5時間もかかり、治療の内容によっては宿泊も必要になります。今後の地域住民の高齢化を考えると、移動時間の短縮や安全な通院移動のためにも根室道路は是非とも必要です。【市立根室病院ヒアリングより】

●品揃えの豊富さなどもあり、釧路方面に車で買い物によく行きます。根室市厚床から湖南にかけての地域で地吹雪時に視界が悪くなることがあります。【根室市民アンケートより】

■根室市民の通院先

鉄道6%

バイク1%

バス10%

自動車(他人に同乗)

24%

自動車(自分で運転)

59%

■釧路への通院時の交通手段(根室市民)

資料:平成 17年度根室市民アンケート(北海道開発局調べ)

■買回り品の購入先(根室市民)

資料:平成 17年度根室市民アンケート(北海道開発局調べ)

根室市83%

2%

その他3%釧路市

18%

平成18年5月根室市

9,977人/月

■根室市から釧路市への通院ルート

約2割が釧

路に通院

9割以上が

道路を利用

N=71 N=228

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客観的評価指標⑦

「当該路線の整備によるバス路線の利便性向上が期待できる」

当該路線の並行区間には、都市間を結ぶ高速路線バスが、札幌-根室間(オーロラ号)で1日2往復(札幌直行便と中標津経由便)、釧路-根室間(ねむろ号)で1日4往復、中標津空港への連絡バスで1日4~5往復が運行されています。 当該路線の整備により、釧路・根室圏の高速交通体系の強化

および時間短縮に寄与し、都市間バスの利便性の向上が期待されます。

■並行区間を利用する都市間バス等の運行状況

●現在、根室市と札幌市や釧路市を結ぶ都市間バスは、一般国道 44 号を利用して運行しています。根室道路の整備により、運行時間の短縮が図られ、バス利用者の利便性向上することに期待しています。【主要バス会社ヒアリングより】

【釧路市~根室市間の所要時間の変化】

便 数:4~5往復/日

中標津空港線

便 数:1往復/日

オーロラ号(札幌直行便)

便 数:4往復/日

ねむろ号(釧路線)

便 数:1往復/日

オーロラ号(中標津経由便)

■路線毎の利用者数

資料/数字でみる北海道の運輸

(平成19年版)

■都市間バスの利用者数推移

資料/数字でみる北海道の運輸

(平成19年版)

0

0

5

10

15

20

25

30

35

40

H14 H15 H16 H17 H18

(千人)

釧路~根室便 札幌~根室便

9.4

21.1

23.4

23.6

0.0 10.0 20.0 30.0

釧路線

札幌線(直行便)

中標津空港線

札幌線(中標津経由便)

(千人)

現状

根室道路整備後

※所要時間は道路交通センサス(H17)に基づき算出

※根室道路整備後=根室道路(S=100km/h)で算出

資料:道路交通センサス(H17)

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客観的評価指標⑧

「空港法による空港もしくは共用飛行場へのアクセス向上が見

込まれる」

釧路空港及び中標津空港は、道東観光等の玄関口として年間約

112万人が利用しています。

釧路空港は、平成12年度からは大型ジェット機の就航が可能

となり、また中標津空港は地域に密着した空港として人流や物流

における拠点性が高まっています。

当該路線の整備により、根室市からの各空港へのアクセス向上

が図られることが期待されています。

根室市22%

その他11%

羅臼町4%

斜里町等5%

別海町13%

中標津町等45%

208.5225.3

207.7 213.2 223.1

388 391313 290 280

0

100

200

300

H14 H15 H16 H17 H18

(千人)

0

200

400

600

800

1000

(トン)

乗降客 貨物取扱量

948.6 909.7952.2923.7979.0

77118127

71566852

6133

0

500

1000

1500

H14 H15 H16 H17 H18

(千人)

0

2000

4000

6000

8000

10000

(トン)

乗降客 貨物取扱量

資料:空港管理状況調書

資料:航空旅客流動動態調査(H17)

●根室市内から国道 44 号を利用して釧路空港まで生ウニを毎日3~4

台輸送しています。生ウニは、1日でも出荷が遅延すれば商品価値は

ゼロになってしまう非常に厳しい商品です。出荷当日の航空便の出発

に間に合うように、とにかく時間短縮で速く走ることが求められま

す。【輸送会社ヒアリングより】

■釧路空港の利用動向 ■中標津空港の利用動向 ■中標津空港利用者の目的地

※具体的な目的地の回答があったサンプルのみを集計

■釧路空港発貨物の荷送り地その他

5%

根室市16%

釧路市79%

資料:航空貨物流動動態調査(H17)

利用客の

約 2 割が

根室市

資料:空港管理状況調書

N=232

全体=11,073kg

Page 17: 一般国道44号 根室道路...1 1.事業の概要 (1)目的 一般国道44号は、釧路市を起点に根室市へ至る延長約124 kmの主要幹線道路です。 このうち根室道路は、北海道横断自動車道と接続して、道央圏

15

客観的評価指標⑨

「主要な観光地へのアクセス向上が期待される」

根室道路が位置する根室市には、野付風連道立自然公園が位置

し、平成17年11月にラムサール条約湿地に登録された「風蓮

湖・春国岱」や日本 東端の納沙布岬など、自然豊かな観光資源

を有しており、年間約40万人の観光客が訪れています。

当該路線の整備により、沿線にある観光資源と道東地域の主要

な観光地が連結され、新たな広域周辺観光形成の可能性が高まる

など、地域の観光産業活性化を支援します。

■当該道路周辺の主な観光地

資料:北海道観光入込客数調査(H19)

【根室管内の宿泊延人数の市町村別シェア】

●今後、高速道路及び高規格道路等の高速ネットワークが整備され、各都市間の所要時間が短縮され

ることにより、地域の潜在的な観光資源を引き出し、魅力ある観光商品を開発することも可能とな

ります。例えば、納沙布岬や風蓮湖、阿寒湖などの道東観光地の日帰りツアーが可能となれば、そ

の需要はさらに伸びると期待しています。【札幌市の観光エージェント会社ヒアリングより】

延宿泊客数(全体29.9万人)

別海町5%

標津町5%

中標津町18%

羅臼町39%

根室市33%

【根室市の観光入込客数】

540.3

499.1

580.8

450.4

516.8543.4

511.1491.0

469.3

403.3 411.7

0

100

200

300

400

500

600

700

H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19

(千人

資料:北海道観光入込客数調査

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客観的評価指標⑩

「対象区間が、都道府県地域防災計画、緊急輸送道路ネットワー

ク計画又は地震対策緊急整備事業計画に位置づけがある、又は

地震防災緊急事業五ヶ年計画に位置づけのある路線(以下「緊

急輸送道路」という)として位置づけあり」

根室道路に並行区間する一般国道44号は、緊急輸送道路ネッ

トワーク計画において「緊急輸送道路」に位置づけられています。

当該事業の整備により、幹線道路ネットワークが多重化し、防

災対策や危機管理の充実に寄与します。

■緊急輸送道路および防災拠点

※図は緊急輸送道路のうち、高速道路、国道、主要道道のみを示しています。

※緊急輸送道路により連絡する防災拠点施設のうち地方公共団体、指定地方行政機関、自衛隊、災害医療拠点を示

しています。

資料:北海道緊急輸送道路ネットワーク計画等策定協議会「北海道緊急輸送道路ネットワーク計画書(H17 年度版)」

※緊急輸送道路ネットワーク計画:災害対策基本法、及び地震防災対策特別措置法に基づき策定

● 第一次緊急輸送道路とは、県庁所在地、地方中心都市および重要港湾、空港、総合病院、自衛隊、警察、消防等を連絡する道路

● 第二次緊急輸送道路とは、一次緊急輸送道路と市町村役場、主要な防災拠点(行政機関、公共機関、主要駅、港湾、ヘリポート、災害医療拠点、備蓄集積拠点、広域避難地等)を連絡する道路

● 第三次緊急輸送道路とは、その他道路(第一・二次緊急輸送道路と防災拠点を相互に連絡する道路)

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客観的評価指標⑪

「対象道路の整備により削減される自動車からのCO2排出量」

CO2排出量は、整備無しでは、772,287(t‐CO2/

年)ですが、当該事業の整備により、770,894(t‐CO

2/年)となり、整備されない場合に比べ、1,393(t‐C

O2/年)の削減が見込まれます。

※対象地域:釧路・根室生活圏

※平成42年将来交通量推計を基に算出

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客観的評価指標⑫

「その他、対象地域や事業に固有の事情等、以上の項目に属さな

い効果が期待される」

<住民の生活を支える物資輸送の支援>

根室市で消費される灯油類やガソリンの多くは、釧路港から陸

路を利用して輸送されています。

釧路港に陸揚げされた石油製品は、国道44号を利用して、根

室市へ約5,700トン/月輸送され、根室市の産業・生活基盤

を支えています。

当該路線の整備により、釧路港とのアクセス向上が図られると

ともに、地域の産業・生活基盤を支える石油製品の特に冬期にお

ける輸送時の安全性・安定性が向上することが期待されます。

■釧路港から根室市への貨物輸送

●道東地域に供給する石油製品は、釧路港の油槽所に陸揚げされたものを、国道等を利用して輸送して

います。国道44号根室道路の整備により、油槽所から根室市までの輸送時間短縮が図られ、輸送時

の安全性・安定性が向上するものと期待しています。

【釧路市内の石油輸送会社ヒアリングより】

資料:港湾統計(陸上貨物出入調査)H16

※根室市への搬出入は平成16年10月 1ヶ月分のデータ

【釧路港から根室市へ

の石油製品の輸送量】釧路港の石油製品 年間取扱量 約 180 万 t(H16) 月間取扱量 約 14 万 t(H16.10)

5,687t/月

20t タンクローリー換

算で月あたり約 284 台

分もの石油製品が輸送

されています。

■釧路港から根室市への石油製品輸送ルート

その他7%

石油製品93%

H16.10搬入搬出の計

6,085t/月

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<国境貿易の支援>

根室市には多くのウニ加工事業者が集積しています。特に、

根室港(花咲港区)は道内の生ウニ輸入の7割を占め、北方4

島地域からの新鮮な生ウニの輸入拠点ともなっています。

生ウニは、鮮度保持が非常に重要であり、迅速な輸送が必要

です。

当該路線の整備により、根室で加工された生ウニの輸送安定

化に貢献することが期待されます。

資料:北海道貿易統計(北海道経済部)

●根室で輸入された水産物を航空便で輸送しています。ウニは 11~12 月のお歳暮、正月などがピークである。航空便は時間との勝負であるため、少しでも時間短縮ができればと思っています。

【トラック事業者ヒアリングより】

■根室港(花咲港区)の生ウニ輸入量の推移 ■根室港(花咲港区)の貿易額の推移

■北海道の生ウニ輸入港(H18)

資料:北海道貿易統計(北海道経済部)

資料:北海道貿易統計(北海道経済部)

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18

(トン)

■根室港からの輸入ウニの出荷ルート

花咲港 貿易額

579422668 371341 296 284 375 487 216

3,823 4,016

4,799

5,391

6,412

7,096

8,676 8,0458,217

8,306

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17

(百万円)

輸入

輸出

全道のウニ水揚量の総数(殻付 き 換 算 で5,435t※)の約2倍に相当!

※H18 年度の実

績(北海道水産

現勢より)

(全体=1.6万トン)

その他,2.8%網走港,

4.4%稚内港,

7.8%

小樽港,15.6%

根室港,69.4%

根室港

(花咲港区)

69.4%

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(2)事業の投資効果

費用便益分析の結果(事業全体)

計画交通量

(台/日) 車 線 数

3,400 4

①費用

事 業 費 維持管理費 合 計

基 準 年 平成20年

単 純 合 計 209億円 54億円 264億円

基準年における

現在価値(C) 197億円 16億円 214億円

②便益

走行時間

短縮便益

走行経費

減少便益

交通事故

減少便益 合 計

基 準 年 平成20年

単 年 便 益

(初年度便益) 11億円 2.0億円 0.97億円 14億円

基準年における

現在価値(B) 152億円 28億円 13億円 193億円

③結果

費用便益分析(B/C) 0.9

注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。

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費用便益分析の結果(残事業)

①費用

事 業 費 維持管理費 合 計

基 準 年 平成20年

単 純 合 計 147億円 54億円 201億円

基準年における

現在価値(C) 126億円 16億円 142億円

②便益

走行時間

短縮便益

走行経費

減少便益

交通事故

減少便益 合 計

基 準 年 平成20年

単 年 便 益

(初年度便益) 11億円 2.0億円 0.97億円 14億円

基準年における

現在価値(B) 152億円 28億円 13億円 193億円

③結果

費用便益分析(B/C) 1.4

注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。

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3.事業の進捗の見込み

1) 整備の現状

根室道路は、平成11年度に事業化し、平成12年度に用地

補償、平成17年度に工事に着手しています。平成20年度末

の事業進捗率は30%となっています。

2)進捗の見込み

今後の見込みについては、引き続き事業が順調に進んだ場合、

平成20年代後半の事業完了を予定しています。

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4.コスト縮減及び代替案立案等の可能性

(1)現在の計画

当該事業は、道路構造令に基づく1種2級(車線数4車、設計

速度100キロ、総幅員23.5mの道路として計画されていま

す。また、ルート選定にあたっては、土工バランスや構造物比率

の低減等による経済性、施工性、周辺環境への配慮及び地吹雪等

による自然災害解消の視点からルートを選定しています。

(2)事業規模見直しの可能性について

1)事業区間等見直し整備による代替の可能性

① 一般国道44号の沿道には、住宅等が立地しており、

現道利用による規格の高い道路の整備はできないも

のと考えられます。

② 一般国道44号の地吹雪は、現計画と並行した区間の

ほぼ全線で発生しているため、事業延長の見直しによ

る整備効果は期待できません。

以上の理由で、事業区間の見直しはできないと考えられます。

【地吹雪多発箇所】

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2)道路構造の見直しによる整備の可能性

抜本的なコスト縮減を図るため、4車線から2車線への

道路構造の変更による整備が考えられます。

① 費用(コスト)の検証

4車線整備に比べて、2車線整備では、幅員等が大幅に

縮小されることから、事業費内訳のうち土工、舗装が大幅に

減額可能となります。なお、地吹雪対策は計画通り実施する

ものとします。

■ 総費用の比較

② 費用対効果(B/C)の検証

2車線整備の費用対効果について、検証しました。

2車線整備では、総便益は4車線整備に比べて下がります

が、総費用が大幅に下がることから、費用対効果は1.0を

超えております。

■費用対効果(B/C)の検証

総事業費

(億円)

総費用(C)

(億円)

総便益(B)

(億円) B/C

交通量

(台/日)

4車線 242 214 193 0.9 3,400

2車線 172 159 183 1.2 3,000

単位 数量 金額(億円) 単位 数量 金額(億円)

土工 m3 1,940,000 74 m3 850,000 35 39

舗装 m2 404,700 60 m2 255,600 38 22

橋梁・函渠工 ヶ所 10 15 ヶ所 10 13 2

道路付属物 式 1 35 式 1 33 2

防雪対策 式 1 15 式 1 10 5

用地・補償 式 1 17 式 1 17 0

測量・設計 式 1 26 式 1 26 0

合計 242 172 70

事業進捗見込み 平成20年後半 平成20年中頃

縮減額(億円)

工種4車線 2車線

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(参考図)

2車線整備

4車線整備

土工量(当初比56%減)、舗装(当初比37%減)

など大幅なコスト縮減が可能となります。

総幅員W=10.0m縮小

2.50 2.5023.54.50

4車線

防雪柵

CL

3.50 3.50 3.50 3.50

2.50 2.503.50 3.5013.50

2車線

1.50

防雪林帯

CL

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5.関係する地方公共団体等の意見

根室地方総合開発期成会など、地方自治体等で構成する期成会

が、事業促進の要望を行っています。

期成会等名称 会長 主な構成メンバー 要望内容

根室地方

総合開発期成会 根室市長

根室市、別海町、中

標津町、標津町、羅

臼町の首長

【要望内容】

住民生活の利便性の拡大、

産業振興、観光開発の推進な

ど地域の活性化のため各都

市・空港・港湾の連携を強化

するとともに、災害時の代替

性を確保するネットワーク

(北海道横断自動車道:根室

道路)の整備要望あり。

(平成 20 年)

釧根トライアングル

整備構想連絡会議 根室市長

根室市、釧路市、中

標津町、釧路町、厚

岸町、浜中町、標茶

町、弟子屈町、鶴居

村、白糠町、別海町、

標津町、羅臼町、北

見市、網走市、美幌

町、女満別町、端野

町の首長

【要望内容】

根室港からの水産物輸送

の高速性・定時制及び安全性

を確保するとともに、地域社

会の交流基盤となる高速交

通体系(北海道横断自動車

道:根室道路)の整備要望あ

り。

(平成 20 年)

北海道釧路地方総

合開発促進期成会 釧路市長

釧路市、厚岸町、中

標津町、釧路町、羅

臼町、浜中町、標茶

町、弟子屈町、白糠

町、鶴居村、別海町、

標津町の首長

【要望内容】

北海道の主要な地域生活

経済圏相互のアクセスを強

化し、経済、社会、文化にお

ける広域的連携・交流を促進

する北海道横断自動車道(釧

路~根室間)の効率的整備に

関する要望あり。

(平成 20 年)

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6.対応方針(案)

一般国道44号根室道路は、以上のことを勘案すれば、「事業

の必要性等」「事業の進捗の見込み」「コスト縮減及び代替案立

案等の可能性」の視点及び「関係地方公共団体等の意見」を踏ま

え、以下の通りの対応方針(案)を決定します。

(1) 路線の状況

一般国道44号は、釧路市を起点に根室市へ至る延長約1

24kmの主要幹線道路です。このうち根室道路は、北海道

横断自動車道と接続して、道央圏と釧路・根室圏を結ぶ高速

交通ネットワークを形成するとともに、国土・地域ネットワ

ークの構築、地吹雪や地震・気象災害等による自然災害の解

消、物流の効率化等を支援することを目的とした延長7.1

kmの高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路

です。

(2) コスト縮減及び代替案立案等の視点から見た評価

事業規模の見直しによる検討を行った結果、現計画ルート

での4車線整備から2車線整備への計画変更により、

早期に整備効果が発揮され、費用対効果(B/C)は1.0

以上の効果が発現します。

(3) 対応方針

このことから、一般国道44号根室道路については、地吹

雪対策等による自然災害の解消、物流の効率化支援等及び費

用対効果が見込まれる、2車線整備へ整備計画を変更して事

業を進めることとします。

なお、事業実施にあたっては、さらなるコスト縮減を図る

とともに早期完成に向けた事業管理に努めることとします。

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(4)事業の投資効果(構造見直し後)

費用便益分析の結果(事業全体)

計画交通量

(台/日) 車 線 数

3,000 2

①費用

事 業 費 維持管理費 合 計

基 準 年 平成20年

単 純 合 計 142億円 44億円 186億円

基準年における

現在価値(C) 142億円 16億円 159億円

②便益

走行時間

短縮便益

走行経費

減少便益

交通事故

減少便益 合 計

基 準 年 平成20年

単 年 便 益

(初年度便益) 8.3億円 1.8億円 0.76億円 11億円

基準年における

現在価値(B) 140億円 30億円 13億円 183億円

③結果

費用便益分析(B/C) 1.2

注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。

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費用便益分析の結果(残事業)

①費用

事 業 費 維持管理費 合 計

基 準 年 平成20年

単 純 合 計 80億円 44億円 124億円

基準年における

現在価値(C) 71億円 16億円 87億円

②便益

走行時間

短縮便益

走行経費

減少便益

交通事故

減少便益 合 計

基 準 年 平成20年

単 年 便 益

(初年度便益) 8.3億円 1.8億円 0.76億円 11億円

基準年における

現在価値(B) 140億円 30億円 13億円 183億円

③結果

費用便益分析(B/C) 2.1

注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。