一般国道276号 - 北海道開発局...1 1.事業の概要 (1)目的...

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一般国道276号 岩内 いわない 共和 きょうわ 道路 再評価原案準備書説明資料 平成25年度 北海道開発局 資料 3-8(1)

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一般国道276号

岩内いわない

共和きょうわ

道路

再評価原案準備書説明資料

平成25年度

北海道開発局

資料 3-8(1)

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目 次

1.事業の概要 ······································· 1

2.事業の必要性等 ··································· 5

(1)事業を巡る社会情勢等の変化

(2)事業の投資効果

(3)事業の整備効果

3.事業進捗の見込み ································ 31

4.関係する地方公共団体等の意見 ···················· 32

5.対応方針(案) ·································· 33

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1.事業の概要

(1)目的

一般国道276号は、江差町を起点とし、苫小牧市に至る

延長約110kmの幹線道路です。

このうち岩内共和道路は、交通混雑や交通事故の低減を図

り、岩内港等への物流効率化及び、泊原子力発電所の緊急時

に避難路として寄与することを目的とした、岩内郡共和町梨

野舞納から国富に至る延長7.6kmの事業です。

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■位置図

■事業概要図

N

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(2)計画の概要

① 起点 ‥‥北海道ほっかいどう

岩内いわない

郡共和きょうわ

町梨野舞納り や む な い

終点 ‥‥北海道ほっかいどう

岩内いわない

郡共和きょうわ

町国富くにとみ

② 計画延長 ‥‥7.6km

③ 幅員 ‥‥14.0m

④ 構造規格 ‥‥3種2級

⑤ 設計速度 ‥‥60km/h

⑥ 車線 ‥‥2車線

⑦ 事業主体 ‥‥北海道開発局

■横断図

(単位:m)

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(3)経緯

平成14年度 事業化

平成17年度 用地補償着手

工事着手

平成22年度 事業再評価

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2.事業の必要性等

(1)事業を巡る社会情勢等の変化 [高速交通ネットワークの整備]

・平成21年11月 黒松内新道

黒松内ジャンクション~黒松内インターチェンジ開通

[周辺道路の整備状況]

・平成20年 9月 一般国道393号 赤井川道路開通

[その他]

・平成17年 4月 海洋深層水の取水が本格稼働

・平成21年12月 事業区間に近接する泊原子力発電所

において3号機が稼働。

・平成25年 1月 地域防災計画(原子力防災計画編)に

より、原子力防災対策を重点的に行うべき地域が従来の

10km圏から、30km圏に拡大され、対象自治体が

周辺4町村(岩内町、共和町、泊村、神恵内村)から、9

町村(寿都町、蘭越町、ニセコ町、倶知安町、赤井川村、

積丹町、古平町、仁木町、余市町)を加えた13町村に拡

赤井川道路L=16.4km

黒松内新道

L=5.1km

岩内共和道路

L=7.6km

泊発電所平成 17 年4月 海洋深層水 地場産業サポートセンター本格稼働

平成 21 年 12 月 泊原子力発電所3号機稼働

平成 21 年 11 月 黒松内新道 黒松内 JCT~黒松内 IC 開通

平成 25 年 1 月 原子力防災対策を行うべき対象自治体が4町村から、13町村に拡大

平成 20 年9月 一般国道 393 号 赤井川道路開通

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(2)事業の投資効果

1)全体事業費の変更

平成22年度の再評価以降、現時点において、事業費の変

更を要する新たな事象が確認されておらず、全体事業費に変

更はありません。

引き続きコスト縮減に取り組んでいきます。 全体事業費

(H22再評価)

全体事業費

(H25再評価) 増減額

130億円 130億円 0億円

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2)費用便益分析

費用便益分析の結果 (事業全体)

全体事業費 計画交通量

(台/日) 車線数

130億円 9,100

~10,300 2

①費用

事 業 費 維持管理費 合 計

基 準 年 平成25年度

単 純 合 計 124億円 63億円 188億円

基準年における

現在価値(C) 135億円 26億円 161億円

注)事業費の単純合計値は全体事業費から消費税相当額等を控除した値である。 ②便益

走行時間

短縮便益

走行経費

減少便益

交通事故

減少便益 合 計

基 準 年 平成25年度

単 年 便 益

(初年度便益) 12億円 1. 1億円 0. 08億円 13億円

基準年における

現在価値(B) 219億円 21億円 1.6億円 242億円

③結果

費用便益比(B/C) 1.5

注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。

④感度分析

変動要因 基準値 変動ケース 費用便益比(B/C)

交通量 9,100

~10,300 ±10% 1. 3~1. 7

事業費 124億円 ±10% 1. 5~1. 5

事業期間 13年 ±0年 1. 5~1. 5

※便益の算定については、「将来交通需要推計手法の改善について【中間とりまとめ】」に示された

第二段階の改善を反映している。

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費用便益分析の結果 (残事業)

①費用

事 業 費 維持管理費 合 計

基 準 年 平成25年度

単 純 合 計 12億円 63億円 75億円

基準年における

現在価値(C) 11億円 26億円 38億円

②便益

走行時間

短縮便益

走行経費

減少便益

交通事故

減少便益 合 計

基 準 年 平成25年度

単 年 便 益

(初年度便益) 12億円 1. 1億円 0. 08億円 13億円

基準年における

現在価値(B) 219億円 21億円 1.6億円 242億円

③結果

費用便益比(B/C) 6.4

注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。

④感度分析(残事業を対象)

変動要因 基準値 変動ケース 費用便益比(B/C)

交通量 9,100

~10,300 ±10% 5.7~7.2

事業費 12億円 ±10% 6.2~6.6

事業期間 1年 ±0年 6.4~6.4

※便益の算定については、「将来交通需要推計手法の改善について【中間とりまとめ】」に示された

第二段階の改善を反映している。

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3)地域の特殊性を考慮した便益の検討

北海道開発局事業審議委員会(平成21年6月開催)では、

「道路事業の事業評価において、3便益以外に地域の特殊性

等を考慮した多様な便益についても適切に反映できるよう検

討し、事業評価を充実されたい。」とのご意見をいただいてい

るところです。

今回、試算としてではありますが、現段階での知見に基づ

き便益算出の検討を行いました。

岩内町など救急医療は、小樽市の医療施設へも搬送されて

おり、道路整備による救急医療へのアクセス向上効果につい

て試算しております。

また、道路の整備により移動時の所要時間の変動(ばらつ

き)が減少し、時間に遅れないために見込む余裕時間の短縮

効果、冬期の交通状況を考慮した便益に加え、道路整備によ

って視程障害が解消され、走行速度が改善される効果につい

ても試算しております。

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・救急医療改善効果 ①効果算定の考え方

生死に係る患者の傷病発生から手当てが施されるまでの

経過時間が生存率に大きく影響します。道路整備によって

救急医療へのアクセスが向上することで、生死に係る傷病

の発生から救命処置が施されるまでの経過時間が短縮し、

救命数が増加するものと考えられます。

そこで、「九州地方を対象とした救急医療改善効果の研究

成果」を参考とし、救われる人命価値を道路整備による効

果として試算しました。

疾患別の搬送時間と生存率の関係

資料:「道路整備による救急医療便益」(交通工学 Vol.45 No5 2010)

道路整備による搬送時間短縮・生存率の向上によって

道路整備による便益※新たに算定する便益

整備なし 整備あり

救われる人命価値(円)

【概念図】 医療施設へのアクセス向上と生存率の増加、道路整備による改善効果の関係

【例】脳梗塞では、

◎道路整備により、搬送時間が15分短

縮すると、救急患者の生存率が7.2%

向上します。

※Y:生存率、x:搬送時間(分)

→ 72.2 - (7.4+10.9) = 53.9分

→216.9 - (7.3+11.9) =197.7分

→ 95.5 - (7.7+10.7) = 77.1分

→ 77.4 - (7.5+15.4) = 54.5分

→y(生存率)=0の場合のX(分)

覚知~現場発時間 を控除

効果算定範囲

※Y:生存率、x:搬送時間(分)

→ 72.2 - (7.4+10.9) = 53.9分

→216.9 - (7.3+11.9) =197.7分

→ 95.5 - (7.7+10.7) = 77.1分

→ 77.4 - (7.5+15.4) = 54.5分

→y(生存率)=0の場合のX(分)

覚知~現場発時間 を控除

効果算定範囲

覚知~現場発時間控除 算定対象

搬送時間

救急現場(自宅など)

入電

病院(高次医療施設)

消防署

救急車 救急車

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②改善効果算定のフローと算定式

改善効果は、道路の整備による搬送時間短縮に伴う生存

者増加数の貨幣評価値より試算しました。

◎救急医療改善効果(円/年)(搬送時間短縮により救命される人命数の貨幣評価値(円/年))

= Σ P× Ai× Bi× C× Di× E

P :改善効果対象地域・地区の受益人口(万人)

Ai :疾患別の搬送患者発生率(人/万人)

Bi :疾患別の収容施設への搬送率(%)

C :地区と収容施設間の搬送短縮時間(分)

Di :疾患別の搬送短縮時間1分あたりの救命率

E :人命価値(2.26 億円/人)

i :疾患別(疾患:急性心筋梗塞、脳梗塞、多発外傷、大動脈乖離)

効果の計測対象の設定

疾患別の急性期対応病院への搬送患者数

搬送時間短縮による救急患者の生存者増加数の算出

削減される社会的損失の算出(救命する人命価値)

(1)対象とする地域・人口の設定

(2)疾患別の搬送患者発生率

(3)疾患別の急性期対応病院への搬送率

(4)疾患別の搬送時間短縮1分あたりの救命率

(5)人命価値

搬送時間の設定

各市町村役場と急性期対応病院間

の最短経路を設定

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③改善効果の算定

当該事業において試算した救急医療改善効果は、現段階

での知見に基づき、傷病発生から救急車が現場に到着し病

院へ搬送し救命措置が施されるケースについて、搬送時間

短縮に伴う生存者増加数に着目し試算を行った結果です。

a)改善効果試算の設定、条件等 項目 設定等 備考

改善効果算定対象

地域・地区区分

当該区間の整備により最寄りの高

次施設(急性期対応病院)への搬送

時間が短縮する市町村

総務省統計局「H22 国勢調査」

収容施設

小樽市内の急性期病院

①急性心筋梗塞:血管外科を併設する循

環器急性期医療機関、循環器科のある

救急医療機関

②脳梗塞:脳卒中急性期医療機関

③多発性外傷:救命救急センター、上記

①かつ②と同じ

④大動脈乖離:上記①と同じ

「傷病者の搬送及び受入れの

実施に関する基準」

北海道(H23,3施行)より

収容施設へ

の搬送率

急性心筋梗塞

3次メッシュ(1kmメッシュ)の

各ゾーンから、最短時間でアクセス

可能な急性期病院へ搬送

- 脳梗塞

多発外傷

大動脈乖離

搬送患者発

生率

急性心筋梗塞 2.62 人/万人

「道路整備による救急医療便

益」交通工学 Vol45 No5 2010

脳梗塞 11.98 人/万人

多発外傷 0.56 人/万人

大動脈乖離 1.95 人/万人

搬送時間

覚知~現場発(各市町村)までの時

「道路整備による救急医療便

益」交通工学 Vol45 No5 2010

各市町村から最寄りの急性期病院

までの所要時間。

3次メッシュの各ゾーンから

最寄りの急性期病院までの所

要時間を交通量推計結果に基

づく走行速度から算出し、ゾ

ーンの人口加重により市町村

の平均所要時間を算出

搬送時間短

縮 1 分あた

りの救命率

急性心筋梗塞 0.0160/分

「道路整備による救急医療便

益」交通工学 Vol45 No5 2010

脳梗塞 0.0048/分

多発外傷 0.0119/分

大動脈乖離 0.0112/分

人命の価値 2.26 億円/人

資料「公共事業評価の費用便

益分析に関する技術指針(共

通編)平成 20 年 6 月」

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b)改善効果の試算結果

Ⅰ.救急医療改善効果(脳梗塞)

救命する人命数

救急医療改善効果

(億円/年)

岩内共和道路 事業全体 0.5500 1.2429

残事業 0.5500 1.2429

Ⅱ.効果表 基準年 平成25年度

事業全体 残事業

単年効果 1.24 億円 1.24 億円

基準年における現在価値※ 25.67 億円 25.67 億円

※は、供用後50年間の効果額として試算した値(参考値)

岩内共和道路の整備により、岩内町や共和町周辺地域の

住民にとって小樽市内の急性期病院へのアクセスが、最大

で約3分短縮し、年間0.6人の患者が救命され、約26

億円の効果が発現すると試算されました。

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・余裕時間の短縮による効果 ①便益算定の考え方

道路整備により、平均的な所要時間が短縮するだけでな

く、所要時間の変動(ばらつき)が減少し、到着予定時刻

に遅刻しないために見込む余裕時間も短縮すると考えられ

ます。余裕時間が短縮すると、道路利用者は出発時刻を以

前より遅くすることができ、遅くした時間は他の有効な活

動に利用できることから、この出発時刻を遅らせることが

できる効果を余裕時間の短縮による走行時間短縮便益とし

て試算することとしました。

※ 所要時間は参考値

【概念図】 余裕時間の短縮による走行時間短縮便益の概念

ある確率で約束時間内に

到着するために見込む所要時間

平均所要時間

30分 20分

整備前

整備後

今回の試算対象20分 15分

平均時間短縮:10分

余裕時間短縮: 5分

従来の時間短縮便益

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②便益算定のフローと算定式

余裕時間の短縮による便益は、以下の手順及び算定式より

試算しました。

余裕時間の短縮による走行時間短縮便益 : BTR = BTRo-BTRw

余裕時間の短縮を考慮した走行時間費用 : BTRi = Σ(βj×BTRijr)

ここで、 BTRi : 整備 i の場合の走行時間費用

BTRijr : 整備 i、車種 j の余裕時間費用(円/年)

また、時間費用は次式で表される。

BTRijr = γj×Σ(Qijl×TRijl×αj)×365

Qijl : 整備 i の場合のリンク l における車種 j の交通量(台/日)

TRijl : 整備 i の場合のリンク l における車種 j の余裕時間(分)

αj : 車種 j の時間価値原単位(円/分・台)

βj : 車種 j の余裕時間短縮による便益を享受する移動者の割合

γj : トリップ長分布を考慮して総余裕時間を算定する換算係数

i: 整備有の場合 W 、なしの場合 O 、j: 車種、l: リンク

① 道路区間毎に余裕時間を算出

する。

② 対象道路網の総余裕時間を算

出する。

③ 車種別時間価値、余裕時間の

短縮による便益を享受する交

通量割合より、対象道路網の

余裕時間短縮による走行時間

費用を算定する。

④ ①~③の算定を整備前後で行

い、その差が「余裕時間の短

縮による走行時間短縮便益」

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③便益の算定例

余裕時間が同じように短縮しても、移動目的や例えば物流

事業者のような時間指定の有無等の移動者の特性によって

余裕時間の短縮による走行時間短縮便益は異なります。

当該事業において算定した余裕時間の短縮効果は、「①到

着時刻の指定があり」、かつ指定時刻に早く着いてしまった

場合に「②指定の時刻まで待機した移動者」のみを対象に

算定した結果であり、「③到着時刻の指定がない移動者」や、

指定時刻に早く着いてしまった場合に「④早めに目的の活

動を始める、または別の活動をして時間を有効活用した移

動者」は、便益算定の対象とはしていません。

a)便益算定の設定、条件等 Ⅰ.日平均旅行速度と非遅刻確率余裕時間の関係

実測データ(プローブカー調査)及びアンケート調査により設定

条件:所要時間の確率分布は、狭義には旅行時間の日々の変動を観測して得られる結果(出発時刻を

固定し、1台の車両が同一の路線を複数日走行して得られる観測結果)であるが、本試算においては、

既存調査結果※を用いたことから、所要時間の日々の変動を現したものではない。

※は札幌開発建設部管内における道路交通実測データ(プローブカー)による調査結果。

非遅刻確率余裕時間(単位:分/km)

自動車専用道路平均旅行速度 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h 60km/h 65km/h 70km/h 75km/h 80km/h 85km/h 90km/h 95km/h

乗用車類 1.679 1.210 0.872 0.628 0.453 0.326 0.235 0.169 0.122 0.088 0.063 0.046貨物車類 1.640 1.182 0.852 0.614 0.442 0.319 0.230 0.165 0.119 0.086 0.062 0.045

一般道2車線平均旅行速度 5km/h 10km/h 15km/h 20km/h 25km/h 30km/h 35km/h 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h

乗用車類 5.614 3.817 2.595 1.764 1.199 0.815 0.554 0.377 0.256 0.174 0.118貨物車類 5.483 3.727 2.534 1.723 1.171 0.796 0.541 0.368 0.250 0.170 0.116

一般道多車線、DID外平均旅行速度 5km/h 10km/h 15km/h 20km/h 25km/h 30km/h 35km/h 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h

乗用車類 8.431 5.947 4.195 2.959 2.087 1.472 1.038 0.732 0.517 0.364 0.257貨物車類 8.233 5.807 4.096 2.889 2.038 1.438 1.014 0.715 0.505 0.356 0.251

一般道多車線、DID内平均旅行速度 5km/h 10km/h 15km/h 20km/h 25km/h 30km/h 35km/h 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h

乗用車類 10.152 7.194 5.098 3.613 2.560 1.814 1.286 0.911 0.646 0.458 0.324貨物車類 9.914 7.026 4.979 3.528 2.500 1.772 1.256 0.890 0.631 0.447 0.317

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Ⅱ.トリップ長分布を考慮して総余裕時間を算定するための換算係数(γ)

実測データ(プローブカー調査)により設定

表 重み付け平均換算係数(γ)

乗用車類 小型貨物 普通貨物 自動車専用道路 0.608 0.698 0.536

一般道路 0.631 0.787 0.566 Ⅲ.余裕時間短縮による便益を享受する交通量割合(β)

アンケート調査により設定

表 余裕時間短縮による便益享受交通量割合

車種 β 乗用車類 10.4% 小型貨物 27.6% 普通貨物 27.6%

Ⅳ.車種別の時間価値原単位(α)

費用便益分析マニュアルより

表 車種別時間時間価値原単位

車種 α 乗用車類 45.78 小型貨物 47.91 普通貨物 64.18

単位:円/分・台(平成20年価格)

b)便益の試算結果 Ⅰ.余裕時間の短縮による走行時間短縮便益(H42)

走行時間費用(余裕時間) (億円/年) 余裕時間短縮便益

(億円/年) ①整備あり ②整備なし

岩内共和道路 事業全体 1,396.84 1,397.92 1.08

残事業 1,396.84 1,397.92 1.08

Ⅱ.便益表

基準年 平成25年度 事業全体 残事業

単年便益 1.08 億円 1.08 億円

基準年における現在価値※ 22.19 億円 22.19 億円

※は、供用後50年間の便益額として試算した値(参考値)

当該事業の整備により、所要時間の変動(ばらつき)が減

少し、到着予定時刻に遅刻しないために見込む余裕時間が短

縮する効果として、約22億円の便益が試算されました。

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・冬期の視程障害解消による走行性向上効果 ①便益算定の考え方

積雪寒冷地では冬期間の路面条件等の悪化により走行速

度が低下します。さらに一部の地域では地吹雪による視程

障害が発生し、走行速度が大きく低下しています。

冬期の交通状況を考慮した便益に加え、道路整備によっ

て視程障害が解消され、走行速度が改善される効果を便益

として算定することとしました。

■冬期間・視程障害時の速度低下と道路整備による便益の関係(イメージ図)

■道路整備による冬期の視程障害解消のイメージ

費用便益分析マニュアル(H20.11)にて考慮

現道

速度

整備後

【通常時】 【冬期間】 【視程障害時】

冬期間よりも大きな便益が発現

低下

さらに低下

低下

現道 整備後 現道 整備後

整備後は視程障害の影響は少

現道(国道 276 号) : 防雪林なし 岩内共和道路 : 防雪林あり

便益

通常時=○○日

冬期間=○○日

視程障害時=○○日

365日

通常時の便益

冬期の交通状況を考慮した便益(通常時への加算分)

視程障害時の便益※新たに算定する便益

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②便益算定のフローと算定式

1年間を通常時、冬期間、視程障害時に区分してそれぞ

れの便益を算定し、年間の便益を算定しました。

◎冬期の視程障害解消による走行性向上を考慮した便益(円/年)

= 通常時便益(円/年)+冬期間便益(円/年)+視程障害時便益(円/年)

○通常時便益(円/年) ※従来と同様の便益計算

= (整備なしの場合の総費用(円/日)-整備ありの場合の総費用(円/日)) ×通常時日数(日)

○冬期間便益(円/年) ※冬期速度の低減率、冬期間日数は設定値を適用

= (整備なしの場合の総費用(円/日)-整備ありの場合の総費用(円/日)) ×冬期間日数(日)

○視程障害時便益(円/年) ※走行速度、視程障害発生日数は設定値を適用

= (整備なしの場合の総費用(円/日)-整備ありの場合の総費用(円/日)) ×視程障害時日数(日)

○通常時日数+冬期間日数+視程障害時日数=365日

(1)吹雪シミュレーションの実施

(5)冬期視程障害日数の設定

視程距離の算定

冬期の視程障害時を考慮した便益の算定

当該地域のアメダスデータ

前提条件の整理

(2)走行速度比の設定

(4)視程障害時の走行速度の設定

(3)冬期間の速度低減

視程距離と走行速度比の関係

交通量推計(通常時、冬期間)

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■積雪期における視程距離と走行速度比の関係

【シミュレーション結果】 【走行速度比率】

1)風速 6m 以上 9m 未満かつ 0℃以下

・現道(防雪林なし)の視程距離

= 50~100m

・岩内共和道路(防雪林あり)の視程距離

=150~200m

2)風速 9m 以上かつ 0℃以下

・現道(防雪林なし)の視程距離

= 50~100m

・岩内共和道路(防雪林あり)の視程距離

=150~200m

・視程距離と走行速度の関係についての 既存研究成果を基に設定

○積雪期の平均走行速度に対する走行速度比

■気象庁の気象統計情報に基づく冬期間における視程障害発生日数の設定

※条件は右図 地吹雪発生限界風速より設定

出典:武知洋太、伊藤靖彦、松澤勝、加治屋安彦(寒地土木研究所), 冬期道路環境が走行速度に及ぼす影響に関する研究,寒地土木研究所月報 No.658 2008 年 6 月

冬期の走行速度 に対する比率

視程距離 100~200m 0.89

視程距離 100m 未満 0.80

凡例

風速6m/s以上9m/s未満かつ0℃以下かつ24時間以内降雪ありかつ雪堤0.8m以上の割合風速9m/s以上かつ0℃以下かつ24時間以内降雪ありの割合

14.2%14.7%7.7% 17.1% 22.7% 16.5% 14.8% 9.0% 13.8% 10.8% 14.4%

5.8%7.6%

2.9%

5.6%5.4%

2.4%9.9% 6.3% 7.0%

3.7%7.4%

20.0%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 平均

吹雪

発生

率(%)

平均合計

出典:道路吹雪対策マニュアル 平成15年7月

国土交通省北海道開発局 資料1 吹雪に関する基礎知識

P1-7-3

図 地吹雪発生限界風速

図 冬期間の地吹雪発生率(12 月~3 月までの121 日に対する発生率)

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③便益の算定

便益試算の設定、条件等 項目 設定等 備考

便益算定の日区分と日数

通常時 :244日 気象庁の気象統計情報より設定視程障害時 1):風速 6m/s 以上9m/s 未満かつ 0℃以下 視程障害時 2):風速 9m/s 以上かつ0℃以下

冬期間 : 95日

視程障害時 1): 17日

視程障害時 2): 7日

速度低減

通常時 現道・バイパス

通常時×1.00 通常時の走行速度に対する冬期間の走行速度は、道路交通センサスおよびトラフィックカウンタデータを基に設定

冬期間 通常時×0.90

視程障害時 1) 現道 冬期間×0.80

冬期間の走行速度に対する視程障害時の走行速度は、吹雪シミュレーション等に基づき設定

バイパス 冬期間×0.89

視程障害時 2) 現道 冬期間×0.80

バイパス 冬期間×0.89

交通量推計と便益算出

通常時 ・通常時QV式を用いて通常時として推計 ・交通量推計結果の速度データを基に算出

冬期間 ・通常時のQV式に冬期の低減率を乗じた冬期QV式を用いて冬

期間として推計 ・交通量推計結果の速度データを基に算出

視 程 障 害 時1)、2)

・冬期間の交通量推計結果を使用 ・交通量推計結果の速度データのうち、現道部とバイパス部の速

度データにそれぞれの視程障害時の低減率を乗じた速度として便益を算出

便益の算定結果

Ⅰ.冬期の視程障害解消による走行性向上の便益 通常の便益

(A) 冬期の視程障害を考慮した便益

(B) (C)=(B)-(A)

11.570 億円/年 11.81 億円/年 0.24 億円/年

単年便益(供用初年)

Ⅱ.便益表 基準年 平成25年度 単年便益 0.24 億円/年 基準年における現在価値(※) 5.12 億円

※は、供用後50年間の便益額として試算した値(参考値)

防雪林による視程障害解消効果により、現道に比較し、整備

後では走行速度が1割程度向上し、約5.1億円の便益が算定

されました。

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(3)事業の整備効果

当該事業区間に並行する国道276号は、急勾配(2箇所)

と、急カーブ(2箇所)が存在し、沿道の生活交通と通過交通

の輻輳により、追突や出合頭の事故を主とした交通死傷事故が

4年間(H20-23年)で33件発生しています。

また、死傷事故率100件/億台キロ以上の交差点が2箇所存

在し、区間全体が「事故ゼロプラン」に基づく事故危険区間に

指定されています。

当該道路の整備により、急勾配、急カーブが回避することが

出来るため、通過する交通の当該道路への転換が見込まれ、道

路交通の安全性向上が期待されます。

資料:ITARDA データ

【並行現道の死傷事故

季節別構成割合(H20~H23 年)】

岩内市街地

夏期事故発生状況

■地域の声(H25.6 共和町役場、教育委員会職員)

・岩内共和道路の整備により、特に冬期に危険な交差点や坂を回避でき、

大型車等の通過交通の転換が図られれば、追突や出合い頭事故が削減

し、スクールバスや歩行者の安全性向上が期待できます。

道路交通の安全性向上が期待されます。

縦断勾配

0 1 2 3 4 5 6 7 8

死傷

事故率

キロ程

(件/億台キロ)

資料:道路台帳、ITARDAデータ、北海道開発局調べ

岩内共和道路 L=7.6km

176.9

至 神恵内

寿都

札幌

1174877

資料:小樽開発建設部資料:小樽開発建設部

交差点単路

死傷事故率

4年間で33件の死傷事故発生、事故危険区間に指定されている。

夏期 冬期 事故類型

人対車両

正面衝突

追突

出合頭

すれ違い時

右左折時

相互その他

工作物衝突

【事故類型(H20~H23 年)】■並行現道区間(国道 276 号)の死傷事故発生状況(H20~H23)

冬期事故発生状況

i=5.98%

i=5.44% ~5.62%

R=145m

R=107m

176.9 件/億台キロ

176.9 件/億台キロ

H20~H23死傷事故件数

33件

夏18件55%

冬15件45%

人対車両2件(6%)

追突17件(52%)

出合頭7件(21%)

正面衝突3件(9%)すれ違い時

1件(3%)

右左折時1件(3%)

相互その他1件(3%)

工作物衝突1件(3%)

死傷事故件数33件

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当該事業の周辺地域は、日本海からの強風により、冬期は地

吹雪が頻繁に発生し、特に激しい風雪や地吹雪が発生すると視

程障害となります。

当該事業区間に並行する国道276号では、急勾配箇所や急

カーブ箇所に加え、視程100m未満の視程障害が過去10年

間で242日発生しています。また、周辺道道においても吹雪

による通行止めが発生しています。

当該道路の整備により、冬期視程障害が緩和され、冬期走行

環境の安全性向上が期待されます。

■地吹雪で視程が悪化する日数※

※共和町のアメダスデータのうち、1時間毎の値を用いて視程が悪化する気象条件となる年間の総時間を日数換算

年度

視程が悪化する気象条件等

合計 ・風速 6m/S以上 9m/S未満 ・気温 0℃以下 ・24h以内に降雪 ・雪堤が 0.8m 以上

・風速 9m/S以上 ・気温 0℃以下 ・24h以内に降雪

15 9日 4日 13日

16 21日 7日 28日

17 27日 7日 34日

18 20日 3日 23日

19 18日 12日 30日

20 11日 8日 19日

21 17日 8日 25日

22 13日 4日 17日

23 17日 9日 26日

24 18日 9日 27日

合計 171日 71日 242日

吹雪・地吹雪

周辺道路:防雪林なし

当該道路:防雪林あり

吹雪・地吹雪

■地域の声(H25.7 地域住民) ・現況の国道 276 号は、岩内町から共和町幌似にかけ、道路のアップダウンもかなりあり、冬期においては地吹雪時に起きる、ホワイトアウトがすごい恐怖となっています。

・共和町前田地区は、立木が処理された事による地吹雪・吹きさらしが強くなったと思います。

■道路整備による冬期の視程障害解消のイメージ

防雪林は、吹雪による吹き

だまり防止機能、風速を弱

めることによる視界不良緩

和効果、地域景観の形成等

に寄与します。

《冬期視程障害発生状況》

冬期走行環境の安全性向上が期待されます。

資料:小樽開発建設部

資料:北海道

229

5

276

国道 276 号岩内国富間

線形不良:R<150(2 箇所),I>5.0(2 箇所)

冬期視程 100m未満:242 日(10 年間)

道道老古美小沢停車場線 吹雪で通行止め 382h(H15-H24)

■周辺道道と事業区間の状況

道道蕨岱国富停車場線 吹雪で通行止め 98h(H15-H24)

岩内共和道路

防雪対策がないため、地吹雪が発生

防雪対策により視程障害が解消

共和町

岩内町

泊村

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<水産品の流通利便性向上>

岩内町は、身欠きニシンの生産が盛んであり、22社の水産

加工業者が立地しています。

原料のニシンはアメリカ、ロシア、オランダ等から、石狩湾

新港、苫小牧港を通じて年間約3,350t輸入され、輸送ルー

トとなる国道276号を利用して岩内町へ輸送されます。

岩内町で加工された身欠きニシンの一部は、札幌市中央卸売

市場に輸送されています。

身欠きニシンは年間を通じて集出荷されており、冬期間も含

めた安定した輸送ルートの確保が求められています。

当該道路の整備により、冬期視程障害が緩和されるなど、身

欠きニシン原料の仕入、札幌市中央卸売市場への水産品(身欠

きニシン約200t/年)輸送における流通利便性の向上が期

待されます。

道外90%

札幌中央卸売市場

10%

加工後の身欠きニシン

出荷先

岩内港付近には、22 社の水産加工業者が集積 約 2,000t/年の身欠きニシンを生産

札幌市中央

卸売市場

岩内の身欠きニシンの約1割

(約 200t/年)が札幌市中央卸

売市場へ出荷される。

年間約 850tのニシンを輸入。

苫小牧港から岩内へ。

年間約 2,500tのニシンを輸入。

石狩湾新港から岩内へ。 ■水産加工物の流れ

資料:岩内海産商組合ヒアリング

函館港から道外へ

札幌へ

岩内の身欠きニシンの約9割

が道外へ。東京築地や京都

へ出荷される。

物流の利便性向上が期待されます。

【身欠きニシンの出荷先H23年】

■地域の声(H25.7 岩内海産商組合職員) ・岩内の身欠きニシンは全国有数の生産量です。岩内共和道路は、身欠きニシン原料の仕入で、石狩湾新港、苫小牧港方面の両方からの輸送ルートとして利用すると思います。製品の出荷に関しても、道内(札幌方面)への出荷に際しては利用する可能性が高い。身欠きニシンは通年出荷であり、冬期の視程障害解消など、安全性の向上に期待します。

岩内共和道路

L=7.6km

資料:岩内海産商組合ヒアリング

ニシン原料

身欠きニシン

国道 276 号岩内国富間

線形不良:R<150(2 箇所),I>5.0(2 箇所)

冬期視程 100m未満:242 日(10 年間)

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<食料品雑貨等の流通利便性向上>

岩内町は清涼飲料水の生産が盛んで、生産量で道内第2位の

企業が立地しており、道内で消費される清涼飲料水の内、約2

割を生産しています。

国道276号は、清涼飲料水の集出荷、材料の仕入で1日当

たり200台の大型トラックが行き交う重要な輸送ルートとな

っていますが、急勾配、急カーブが存在することなどにより、

清涼飲料水輸送中のペットボトルや梱包の破損が年間600件

以上発生しており、安定性の高い輸送ルートの確保が課題とな

っています。

当該道路の整備により、急勾配、急カーブの回避が可能とな

り、食品雑貨等の流通利便性の向上が期待されます。

《岩内港・新港地区》

2倉庫

■清涼飲料水の集出荷状況

国富倉庫

16tトラックが 200 台/日走行

岩内共和道路

至札幌市

本社工場で生産された後、本社、国富、岩内港

新港地区倉庫へ運ばれ、品質検査を実施。その

後大手飲料メーカーの工場・集出荷場が集積す

る札幌市、千歳市へ出荷される。

資料:岩内町大手清涼飲料水製造企業ヒアリング

《本社工場》

至千歳市

【北海道で消費される清涼飲料の生産シェア】

岩内町の生産量は、道内消費量の2割

道内で飲ま

れているペ

ットボトル

の内、5本に

1本が岩内

で生産され

ています。

整備後利用

■地域の声(H25.7 製罐会社職員) ・国道 276 号は大型車が多く混雑しており、線形隘路があるため走行しづらく、荷が崩れないように相当気を使います。

・冬場は前が見えないくらい吹雪くことが多く、冬の事故で通行止めになるケースもあり、迂回路がなければ、トレーラーの横転事故等で長時間通行止めになり、輸送に支障をきたします。

・岩内工業団地の企業にとって市街地を通らずにすむ岩内共和道路は、非常に便利であり、岩内共和道路は物流、国道は生活道路として分散できれば、より安全に走行できるようになります。

全道へ

岩内共和道路

L=7.6km

【清涼飲料水道内生産量順位

(ペットボトル換算)】

3.62.9 2.9

5.0

0

2

4

6

道内大手

企業①

岩内町

大手企業

道内大手

企業②

道内その他

企業合計

(億本)

岩内→札幌約3分短縮

岩内→千歳 約3分短縮

国道 276 号岩内国富間

線形不良:R<150(2 箇所)、 I>5.0(2 箇所)

冬期視程 100m未満:242 日(10 年間)

清涼飲料水18億本

その他道内生産量10億8千万本

60%

道外からの移入3億6千万本

20%

岩内大手企業3億6千万本

20%

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当該事業周辺地域は、平成23年3月に発生した東京電力福

島第1原発事故を受け、泊発電所を中心として半径5Km圏が

即時避難区域、半径30km圏が緊急時防護措置準備区域に位

置づけられました。

岩内町、共和町、泊村の避難路として当該事業区間に並行す

る国道276号及び周辺道道が指定されていますが、国道27

6号は線形不良や冬期視程障害の発生、周辺道道では吹雪によ

る通行止めが発生しており、災害時の安定した迅速な避難ルー

トの確保が課題となっています。

当該道路の整備により、泊村から小樽市への所要時間が夏期

で5分(冬期は6分)、岩内町から小樽市への所要時間が夏期で

2分(冬期は1分)短縮し、冬期視程障害区間等を回避するこ

とで、緊急時の迅速な避難、救急搬送や救援物資等の輸送の確

実性が向上します。

岩内共和道路

L=7.6km

8883

9892

60

80

100

120

整備前

国道276号

利用

整備後

岩内共和道路

利用

整備前

国道276号

利用

整備後

岩内共和道路

利用

(分)

災害時の緊急輸送ルートが強化されます。

■泊原子力発電所の位置及び防災対策の重点地域

400 以上300 - 400200 - 300100 - 200100 未満

H22 総人口

災害等対応の緊急車両

は、緊急輸送道路に位置

づけられる岩内共和道路

を利用する可能性が高い

資料:H22 道路交通センサス、H17 道路交通センサス(秋期,冬期)

災害対策本部

緊急輸送機関

消防本部

災害拠点病院

災害対策本部

緊急輸送機関

消防本部

災害拠点病院

緊急支援ルート緊急支援ルート

資料:北海道地域防災計画(原子力防災計画編)、H22 国勢調査 注:泊発電所の30km圏内の13町村は、岩内町、共和町、泊村、神恵内村、寿都町、蘭越町、ニセコ町、倶知安町、赤井川村、

積丹町、古平町、仁木町、余市町

【泊-小樽所要時間比較】

5分短縮 6分短縮

夏期 冬期

■泊発電所有事の際の泊・

共和・岩内の避難経路

即時避難区域5km圏

資料:共和町ヒアリング

岩内共和道路

L=7.6km

5km圏から離脱する避

難路が追加され、緊急輸送

道路網が強化される

泊村は札幌北部へ避難

岩内町は札幌南部へ避難 共和町は留寿都、洞爺方面へ避難

後志管内 13 町村の約9割の住人

(78 千人)が 30Km 圏域内に在住

78 76

86 85

60

80

100

120

整備前

国道276号

利用

整備後

岩内共和道路

利用

整備前

国道276号

利用

整備後

岩内共和道路

利用

(分)【岩内-小樽所要時間較】

2分短縮

夏期 冬期

1分短縮

道道老古美小沢停車場線 吹雪で通行止め 382h(H15-H24)

道道蕨岱国富停車場線 吹雪で通行止め 98h(H15-H24)

国道 276 号岩内国富間 冬期視程 100m未満 :242 日(10 年間) 線形不良:R<150(2 箇所),

I>5.0(2 箇所)

■地域の声(H25.6 共和町役場職員) ・共和町には集落や農家が点在しており、岩内共和道路の整備により、避難路として活用できるルートが増えることは望ましく、札幌や倶知安の自衛隊が、救助・支援活動を行うため泊村へ向かう際にも、岩内共和道路は活用されると思います。

泊の避難経路

岩内の避難経路共和の避難経路

泊原子力発電所

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資料:気象統計情報(気象庁)を基に作成

当該事業周辺地域では、二次救急医療施設のある岩内町や、

脳疾患、循環器官系の診療科目を持つ高次医療施設のある小樽

市・札幌市・倶知安町へ救急搬送されており、平成24年度の

搬送件数は1次・2次搬送の合計で、年間292件となってい

ます。

搬送ルートとなる国道276号は、急勾配、急カーブや、冬

期では地吹雪による視程障害により救急搬送の支障や搬送患者

に負担をあたえています。

当該道路の整備により、急勾配、急カーブを回避することが

可能となり、岩内町から小樽市への搬送時間が通常期で2分(冬

期は1分)短縮し、救急搬送の安定性向上が期待されます。

78 76

86 85

60

80

100

整備前

国道276号利用

整備後

岩内共和道路利用

整備前

国道276号利用

整備後

岩内共和道路利用

(分)■並行現道区間(国道 276 号)

の岩内消防署救急搬送状況

(H24 年)

救急搬送の安定性向上が期待されます。

■地域の声(H25.7 岩内・寿都地方消防組合岩内消防署職員) ・国道 276 号は冬期の轍、地吹雪等が救急搬送にとって危険と感じています。 ・岩内・寿都地方消防組合(約 1000 件/年の搬送)の 100~200 件程は、脳外科を中心に小樽や札幌への転院搬送となり、岩内共和道路により現道隘路を回避できれば患者の負担軽減となります。

手稲渓仁会病院

札幌医科大学附属病院

市立札幌病院

国立病院機構北海道医療センター

資料:岩内消防署ヒアリング

●岩内協会病院

診療科 :9科

(内科・循環器内科・小児科・

外科・整形外科・心臓血管外科・

神経精神科・泌尿器科・眼科・

耳鼻咽喉科(休診))

病床数 :240 病床

指定 :

小樽・後志第二次救急指定病院

労災保険指定医療機関

生活保護法指定医療機関

救急告示病院

資料:岩内協会病院 HP 写真:小樽開発建設部

1 次・2次搬送

あわせて

年間 292 件

【国道 276 号を利用 岩内消防署

方面別救急搬送状況(H24 年)】

資料:岩内消防署ヒアリング

国道 276 号岩内国富間

線形不良:R<150(2 箇所),I>5.0(2 箇所)

冬期視程 100m未満:242 日(10 年間)

【岩内-小樽所要時間較】

2分短縮

通常期 冬期

1分短縮

資料:H22道路交通センサス H17道路交通センサス(秋期,冬期)

小樽市73件25%

札幌市63件22%

岩内町112件38%

倶知安町42件14%

その他2件1%

1次・2次搬送

292件

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当該事業周辺の沿線には、共和中学校、西陵小学校等の教育

施設が立地しており、約300人の児童・生徒が通学し、4本

のスクールバス路線が当該事業区間に並行する国道276号を

利用しています。

当該路線は、通学時間帯の大型車混入率が23%と高く、大

型車に係わる死傷事故率の高い箇所(300件/億台キロ以上

2箇所、100件/億台キロ以上1箇所)が存在し、通学する

児童・生徒やスクールバスの安全性の確保が課題となっていま

す。

当該道路の整備により、通過する大型車等の当該道路への転

換が見込まれ、通学児童・生徒等、歩行者の安全性向上が期待

されます。

歩行者の安全性向上が期待されます。

■地域の声(H25.6 共和町教育委員会) ・岩内共和道路の整備により、大型車等の通過交通の転換が図られれば、国道 276 号における追突や出合頭事故の削減や、スクールバス、歩行者の安全性向上が期待できます。

■歩道の状況

共和中学校

資料:北海道教育委員会学校一覧(H24 年度)、共和町教育委員会、給食センターヒアリング ITARDA データ(H20-H23年)、H22 道路交通センサス

【大型車混入率の比較】

共和中学校 学級数:7 生徒数:177 人

西陵小学校 学級数:6 児童数:81人

半径 2km が 徒歩通学圏 スクールゾーン

半径 2km が徒歩通学圏スクールゾーン

資料:小樽開発建設部

資料:平成 24年7月6日(金) AM8:00~AM9:00調査結果

注:全道国道は H22 道路交通センサス集計結果整理票の一般国道計数値

19.2%23.3%

0%

10%

20%

30%

全道国道計 当該路線

大型車死傷事故率

317.2 件/億台キロ

大型車死傷事故率

139.4 件/億台キロ

大型車死傷事故率

300.4 件/億台キロ

岩内共和道路

L=7.6km

道立共和高等学校 学級数:3 生徒数:48人

事故危険区間に指定

児童の自転車走行状況 歩行者の状況

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岩内町では、岩内沖300m以深の極めて低温で栄養に富む

清浄な水「日本海固有水」を「日本海岩内海洋深層水」と銘打

ち、様々な活用方策を検討・実現しています。

函館方面から札幌方面への活イカ(25,000杯/年)の

輸送には、岩内町の低温清浄な海洋深層水が使用されています。

その際、輸送業者は当該事業区間に並行する国道276号を使

い岩内町を経由して函館方面へ向かっていますが、輸送ルート

となる国道276号には急勾配、急カーブが存在するため、安

定性の高い輸送ルートの確保が求められています。

当該道路の整備により、急勾配、急カーブの回避が可能とな

り、安定性の高い輸送ルートが確保され、岩内町から札幌市へ

の輸送時間が夏期で3分(冬期は4分)短縮し、貴重な地域資

源である海洋深層水(約1,550t/年)を活用した水産品の

流通利便性向上が期待されます。

112 109

124 120

60

90

120

150

整備前国道276号

利用

整備後岩内共和道路

利用

整備前国道276号

利用

整備後岩内共和道路

利用

(分)

4.45.0 4.7

5.4 5.46.1 5.9 5.9

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24

(千kl)

(年度)

札幌市中央卸売市場

札幌(カラの水槽)→岩内(深層水充填)→函館(活イカを水槽に)→札幌

②岩内:深層水を充填

④札幌:活イカを札幌に

札幌・石狩方面へ深層水を出荷

札幌市中央卸売市場へ

■深層水の利用状況(活イカの輸送)

①札幌:カラの水槽

【深層水の出荷量推移】

資料:岩内町地場産業サポートセンター、水産物加工会社ヒアリング

地域資源の有効活用を支援します。

■地域の声(H25.7 岩内地場産業サポートセンター職員) ・札幌や小樽方面への行き来については、岩内共和道路が利用されると思います。 ・R276 は一般車両、岩内共和道路は大型トラックの輸送に利用されれば、機能分担と安全性の向上が期待されます。また、冬期の地吹雪・視程障害の解消も期待しています。

岩内共和道路

L=7.6km

【深層水の用途内訳

(H24 年度)】

③活イカを水槽に搬入至函館

【岩内町地場産業サポートセンター-札幌中央卸売市場所要時間】

夏期 冬期

資料:H22 道路交通センサス、

H17 道路交通センサス(秋期,冬期)

3分短縮 4分短縮

岩内町地場産業 サポートセンター

資料:岩内町地場産業サポートセンター

国道 276 号岩内国富間

線形不良:R<150(2 箇所)

I>5.0(2 箇所)

深層水出荷量5,851kl

その他28%

町内水産加工・

漁業46%

町外活魚トラック輸送

23%町外

水産加工3%

2割以上を占める 化粧品(音更) 水産加工(岩内)飲料水(岩内)

【深層水の主な利用製品】

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CO2排出量は、整備無しでは1,925,630(t-CO2

/年)ですが、当該事業の整備により、1,924,593(t

-CO2/年)となり、整備されない場合に比べ、1,037(t

-CO2/年)の削減が見込まれます。

自動車からのCO2排出量の削減が見込まれます。

※対象地域:後志総合振興局、石狩総合振興局 ※平成42年将来交通量推計を基に算出

※森林のCO2吸収量は10.6t-CO2/ha・年として試算

資料:「土地利用、土地利用変化及び林業に関するグッド・プラクティス・ガイダンス(優良手法指針)」

※札幌ドーム面積は建築面積5.5haを使用し換算

CO2削減量

1,037t-CO2/年

森林換算

約98ha

(札幌ドーム約17.8個分に相当)

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3.事業進捗の見込み

当該事業は平成14年度に事業化、平成17年度に工事着手

し、平成25年度末見込みで、用地進捗率99%、事業進捗率

90%となっています。

引き続き、早期開通に向けて事業を進めます。

用地進捗率 99%

事業進捗率 90%

※用地進捗率は用地補償費投入ベース 平成25年度末見込

※事業進捗率は事業費投入ベース

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4.関係する地方公共団体等の意見

地方自治体やそれらで構成する団体が、事業促進の要望を行

っています。 期成会名称 会 長 主な構成メンバー 要望内容

後志総合開発

期成会

蘭越町長

管内20市町村長

および、管内20市町村

議会議長

「港湾・漁港と連動した道路網の整備

促進」

一般国道276号「岩内共和道路」

の早期完成

小樽国道協議

小樽市長 管内20市町村長 「港湾結節及び地域間交通網の整

備」

一般国道276号「岩内共和道路」

の整備促進

一般国道27

6号「岩内共

和道路」整備

促進期成会

岩内町長

岩内町長、共和町長、泊

村長、神恵内村長

4町村議会議長

4町村商工観光会等

一般国道276号「岩内共和道路」

の早期完成

岩内共和道路は、地方港湾岩内港を

擁する後志西部地域の主要な幹線道路

であり、原子力災害等の発生時におけ

る避難路の確保や現道における冬期間

の視程障害解消など、交通安全対策上、

急務であるほか、当地域と北海道にお

ける大消費地である札幌圏との時間や

距離を短縮させ、物流面に極めて大き

な効果をもたらすとともに、住民の日

常生活における利便性向上等、地域の

振興発展を図る上で、極めて重要であ

る。

北海道市長会 石狩市長 北海道の市の市長 「高規格道路網をはじめとする道路

整備の促進について」

一般国道の整備促進

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5.対応方針(案)

岩内共和道路は、交通混雑や交通事故の低減、岩内港等への

物流の効率化及び、泊発電所の緊急時の避難路など、道路交通

の安全性、利便性等の向上に寄与する事業と考えられる。

以上のことを勘案すれば、事業の必要性、重要性は変化なく、

費用対効果等の投資効果も確保されているため、事業継続とす

る。

項目 細目 内容

事業全体 残事業

費用便益比(B/C)

3便益によるB/C

・走行時間短縮

・走行経費減少

・交通事故減少

B/C=1.5 B/C=6.4

地域の特殊性を

考慮した便益の検討

救急医療の改善効果 B=26億円(※) B=26億円(※)

余裕時間の短縮による効果 B=22億円(※) B=22億円(※)

冬期視程障害解消による走行性向上効果 B=5.1億円(※) B=5.1億円(※)

便益試算値を考慮したB/C B/C=1.8(※) B/C=7.8(※)

活力

物流の利便性向上

<水産品の流通利便性向上>

・冬期視程障害が緩和されるなど、身欠きニシン原料の仕入、札幌市中央卸売市場

への水産品(身欠きニシン約200t/年)輸送における流通利便性の向上が期待さ

れる。

<食料品雑貨等の流通利便性向上>

・急勾配、急カーブの回避が可能となり、食品雑貨等の流通利便性の向上が期待さ

れる。

地域資源の有効活用を支援

・急勾配、急カーブの回避が可能となり、岩内町から札幌市への輸送時間が短縮し、

貴重な地域資源である海洋深層水(約1,550t/年)を活用した水産品の流通利便

性向上が期待される。

暮らし

救急搬送の安定性向上 ・急勾配、急カーブを回避することが可能となり、岩内町から小樽市への搬送時間が

通常期で2分(冬期は1分)短縮し、救急搬送の安定性向上が期待される。

歩行者の安全性向上 ・通過する大型車等の当該道路への転換が見込まれ、通学児童・生徒等、歩行者の

安全性向上が期待される。

安全

道路交通の安全性向上 ・急勾配、急カーブが回避することが出来るため、通過する交通の当該道路への転

換が見込まれ、道路交通の安全性向上が期待される。

冬期走行環境の安全性向上 ・冬期視程障害が緩和され、冬期走行環境の安全性向上が期待される。

災害時の緊急輸送ルートの強化

・泊村から小樽市への所要時間が夏期で5分(冬期は6分)、岩内町から小樽市への

所要時間が夏期で2分(冬期は1分)短縮し、冬期視程障害区間等を回避すること

で、緊急時の迅速な避難、救急搬送や救援物資等の輸送の確実性向上が期待さ

れる。

環境 CO2 排出量の削減 ・自動車からの CO2 排出量1,037(t-CO2/年)の削減が期待される。

事業進捗の見込み 事業の進捗状況 ・平成25年度末見込みで、用地進捗率99%、事業進捗率90%。

(※)は、供用後50年間の便益額として試算した参考値。