前回の質問事項 - YCU 横浜市立大学shiojiri/PhysiolAnthropol/... · 2016-10-11 · Lab....

Lab. Exerc. & Sports Sci., YCU

前回の質問事項● 快・不快の測定は具体的に何のために行うのか● その他のストレスとの要因として、災害・戦争が挙げられていたが、これらの要因は生活上のストレスになぜ分類されないのか

● 電車の揺れが心地よく寝てしまうということがあるが、これは何か理由があるのか。ゆりかごと同じ原理なのか

● 「ストレスと神経内分泌系の応答」のスライドをもう一度説明してほしい

● 視床下部と大脳辺縁系で快・不快を判断しているのか

● ストレスの測定法として脳波の周波数解析があったが、逆に装置から電気刺激を与えて特定の周波を流すことは可能か


ストレスと神経内分泌系の応答

ストレス時の情動（覚醒・警戒・不安）

糖新生免疫系抑制


前回の質問事項● 快適性を生理的に評価する際、採血などの方法は被験者にストレスを与えてしまうということだったが、採血を行う一瞬のうちに、血液中の代謝物の割合は正当な評価ができなくなるほどに急激に変化するのか

● ストレスは適度にあるくらいがちょうどよいということを学んだが、それは正刺激、負刺激に当てはめて考えられるのか

● 脳死の患者は快・不快を感じることはないのか。大脳辺縁系や視床下部が生きていれば感じることができるのか

● ストレスにも不安などマイナスな感情からくるものと興奮などプラスな感情からくるものがあるが、これらのストレスには性質的に違いがあるのか


快感ー快適ー不快の関係

←主観的

？　←生理的→

ストレス増大→


脳死判定

日本臓器移植ネットワーク　http://www.jotnw.or.jp/studying/4-3.html


前回の質問事項● 不快に感じていなくても脳ではストレス（不快さ）を感じているときはあるのか。また、逆はあるのか

● 緊張すると汗をかく人がいるが、それはストレスになっているからか

● 眠れない時にα波の音楽を聴くといいと聞くが、音楽で脳波をコントロールできるのか

● ipodのスクロール音は人が心地よく感じる音を研究して設定されているという話を聞いたことがあるがどのくらいの人数からデータを集めればそうであると言って良いのか

● ストレスが人間の脳に与える影響で麻薬物質のようなものが排出されているということだが、それは興奮させて気を紛らわす効果があるのか、気を鎮めるものなのか、物質によって違いがあるのか


前回の授業評価


生理人類学特講(人間の快適性を科学する)

第3回

快適性の測定

(主観的評価)


官能評価とは

人の感覚により物の特性を評価すること(官能検査)

＋物の好き嫌いという嗜好の評価


官能検査の特徴

順序効果

2個の刺激を比較するとき，最初の提示刺激の方，または後の提示刺激の方を過大評価する傾向．　・最初の刺激を過大評価：正の順序効果　・後の刺激を過大評価：負の順序効果

聴覚，味覚，嗅覚では定常的に生じる

→シェッフェの一対比較法，逆の提示を同数回

（物や人の特性を，ヒトの感覚により測定する方法）



対比効果

2個の刺激を同時に，または続けて与えるときに，片方の刺激の存在が他方の刺激の反対の性質を強める現象．　・2個の刺激を同時に与える：同時対比　・2個の刺激を相次いで与える：継時対比ex.　重さ，味覚，色覚

→シェッフェの一対比較法(組合せ効果)，　バランスドデータ



色相対比

黄色は赤の心理補色の青緑に重なるため、緑色寄りに見える

黄色は緑の心理補色の赤色に重なるため、赤色寄りに見える。


色相・補色

補色


明度対比

明度の差が大きいと明るい色はより明るく...

※中心は同色


明度


彩度対比

※中心は同色

彩度の高い方が鮮やかに...


彩度



初期効果（慎重さによる誤差)

数個以上の刺激を連続して判断するとき，最初の段階では検査員の判断基準がまだ確立していないために，判断に自身が持てず比較的当たり障りのない判断をする．

→テスト前の練習，　提示資料の確率化




期待効果

検査員が刺激に対して何らかの先入観を持っているとき，そのことが判断に影響する．

→テスト前に無用な情報を与えない，　ブラインドデータ，ダブルブラインドデータ




疲労と順応

精神的・身体的疲労が注意力や意欲の減退，判断能力に悪影響を与える．また，感覚器が同じ刺激を続けて受けると，これと同種の刺激に対する感受性が低下する(順応)

嗅覚の順応はもっとも起こりやすい



官能検査の手法● 1点試験法– 資料を1個ずつ提示して判断

● 1点識別法：「Aであるか否か」，「AであるかBであるか」

● 1点嗜好法：「好きか嫌いか」

● 2点比較法– AとB2種類の資料を比較して，質問事項に該当する方を選ばせる● 2点識別法● 2点嗜好法


官能検査の手法● 3点比較法– 3資料（2個は同じ）から1個の違う資料を選ばせる●3点識別法●3点嗜好法：1個を選び出した後，好き嫌いを判断

● 1：2点比較法– 標準資料と同じ資料を1組の資料(同じ，違う)から選ばせる，検査員の識別能力


官能検査の手法

● 配偶法（マッチングテスト）– 互いに相異なるt個の盲資料の組を2組与え，1

組の資料1個に対して，これと同じ種類の資料を他の組から選んで組み合わせる，検査員の識別能力

● ふりわけ法– m個の資料Aとn個の資料Bの盲資料からAとBの2群に分けさせる，検査員の識別能力


官能検査の手法● ひきぬき法– m個の資料Aとn個の資料Bの盲資料から，Aをt個

選ぶ，検査員の識別能力

● 選択法（択一法）– 資料A，B，C，…を与えて，もっとも好ましいものを選ばせる，上位から何個か選ばせる

● 順位法– 資料に順位をつける．同順位（可・否）


官能検査の手法● 一対比較法– 資料A，B，C，…を，2個ずつ組み合わせて比較するもの● 好ましい方を選ぶ，尺度を用いて判断

● 格づけ法（絶対判断法）– 資料A，B，C，…を順に与えて，カテゴリーに分類する，「1級，2級，3級…」



● 採点法（絶対判断法）– 資料A，B，C，…を順に与えて，数値尺度を用いて採

点

● SD法（Semantic Differential法）– 感情やイメージの測定，嗜好型官能検査の手法


官能評価の具体的問題

● 検査員（パネル）– 健康であること，生理的な欠陥がないこと，意欲をもっていること，安定した性格であること，できれば経験があること

● 評価用語– 評価結果は言葉により表現，素人には理解しにくい用語もある


官能評価の具体的問題● 検査環境– 検査環境条件は検査に影響する感覚の種類や

対象物により異なる– 騒音，振動，室温，湿度，照明，色彩，臭気などに

配慮

● 感覚（視覚・触覚・味覚・嗅覚・聴覚）の相互作用– 単一の感覚による評価特性であると考えられる特性が，他の感覚の影響を受ける



● 心理的ストレス反応尺度ー50項目改定版（PSRS-50R）

● State-Trait Anxiety Inventory（STAI）● Center for Epidemiologic Studies

Depression Scale （CES-D）● Self-rating Depression Scale (SDS)● POMS (Profile of Mood States)

心理的ストレス反応のスケール


授業資料のダウンロードページ

● http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/　~shiojiri/PhysiolAnthropol/index.html

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