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基 本 評 価 項

愛 媛 県 福 祉 サ ー ビ ス 第 三 者 評 価 基 準

「 評 価 の 着 眼 点 、 評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の

留 意 点 」

【老人保健施設版】

平 成 27年 2 月 22日 改 定

愛 媛 県 保 健 福 祉 部 保 健 福 祉 課

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Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針

Ⅰ-1-(1) 理念、基本方針が確立・周知されている。

Ⅰ- 1 -( 1 )-①  理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【判断基準】

a)法人(施設)の理念、基本方針が適切に明文化されており、職員、利用者等への周知が図られている。

b)法人(施設)の理念、基本方針が明文化されているが、内容や周知が十分ではない。

c)法人(施設)の理念、基本方針が明文化されていない。

評価の着眼点□理念、基本方針が文書(事業計画等の法人(施設・事業所)内の文書や広報誌、パンフレット、ホームページ等)に記載されている。

□理念は、法人(施設)が実施する福祉サービスの内容や特性を踏まえた法人(施設)の使命や目指す方向、考え方を読み取ることができる。

□基本方針は、法人の理念との整合性が確保されているとともに、職員の行動規範となるよう具体的な内容となっている。

□理念や基本方針は、会議や研修会での説明、会議での協議等をもって、職員への周知が図られている。

□理念や基本方針は、わかりやすく説明した資料を作成するなどの工夫がなされ、利用者や家族への周知が図られている。

□理念や基本方針を、利用者による自治会ないし利用者の会や家族会等で資料をもとに説明している

□理念や基本方針を施設内の誰もが見やすい個所に掲示している。□理念や基本方針の周知状況を確認し、継続的な取組を行っている。□理念から、個人の尊厳の保持を旨とし、社会的役割を果たすという考え方を読み取ることができる。

□認知障害を持つ高齢者に対する周知の方法に工夫や配慮をしている。

評価基準の考え方と評価の留意点( 1 ) 目 的

○本 評 価 基 準 で は 、 法 人 ( 施 設 ) の 使 命 や 役割 を 反 映 し た 理 念 、 こ れ に も と づ く 福 祉サ ー ビ ス 提 供 に 関 す る 基 本 方 針 が 適 切 に 明文 化 さ れ て お り 、 職 員 、 利 用 者 等 へ の 周 知が 十 分 に 図 ら れ て い る こ と を 評 価 し ま す 。

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本 評 価 基 準 で は 、 こ れ に 加 え て 、 介 護 保 険制 度 の 「 利 用 者 本 位 」 「 高 齢 者 の 自 立 支援 」 「 利 用 者 に よ る 選 択 ( 自 己 決 定 ) 」 とい っ た 基 本 理 念 や 、 老 人 福 祉 法 の 掲 げ る 理念 等 を 踏 ま え た 法 人 の 理 念 が 具 体 的 に 示 され て い る か ど う か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  【 理 念 と 基 本 方 針 】

○福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 や 経 営 の 前 提 と し て 、施 設 ( 法 人 ) の 目 的 や 存 在 意 義 、 使 命 や 役割 等 を 明 確 に し た 理 念 が 必 要 で す 。 特 に 、福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す る 施 設 ( 法 人 ) の 理念 に お い て 、 利 用 者 の 人 権 の 尊 重 や 個 人 の尊 厳 に 関 わ る 姿 勢 が 明 確 に さ れ て い る こ とが 重 要 で す 。

  ○ 理 念 は 、 施 設 ( 法 人 ) に お け る 事 業 経 営や 福 祉 サ ー ビ ス 提 供 の 拠 り 所 で あ り 、 基 本の 考 え と な り ま す 。 ま た 、 施 設 ( 法 人 ) のめ ざ す べ き 方 向 性 を 内 外 に 示 す も の で も あり ま す 。 よ っ て 、 理 念 は 、 実 施 す る 福 祉サ ー ビ ス の 内 容 や 特 性 を 踏 ま え た 具 体 的 な内 容 が 示 さ れ て い る こ と が 適 当 で す 。

  ○ 基 本 方 針 は 、 理 念 に 基 づ い て 施 設 の 利 用者 に 対 す る 姿 勢 や 地 域 と の 関 わ り 方 、 あ るい は 組 織 が 持 つ 機 能 等 を 具 体 的 に 示 す 重 要な も の で す 。 ま た 、 理 念 を 職 員 等 の 行 動 基準 ( 行 動 規 範 ) と し て よ り 具 体 的 な 指 針 とす る た め は 、 理 念 に も と づ く 基 本 方 針 を 定め る こ と が 必 要 で す 。

○基 本 方 針 が 明 確 に さ れ て い る こ と に よ っ て 、職 員 は 自 ら の 業 務 に 対 す る 意 識 づ け や 利 用者 へ の 接 し 方 、 福 祉 サ ー ビ ス へ の 具 体 的 な取 組 を 合 目 的 的 に 行 う こ と が で き る よ う にな り ま す 。 ま た 、 対 外 的 に も 、 実 施 す る 福祉 サ ー ビ ス に 対 す る 基 本 的 な 考 え 方 や 姿 勢を 示 す も の と な り 、 組 織 に 対 す る 安 心 感 や信 頼 に も つ な が り ま す 。

○理 念 や 基 本 方 針 は 、 職 員 の 理 解 は も と よ り 、利 用 者 や 家 族 、 さ ら に は 地 域 社 会 に 対 し て示 し て い く こ と を 前 提 と し て 、 明 文 化 さ れて い る こ と が 求 め ら れ ま す 。

  ○ 理 念 や 基 本 方 針 は 、 中 ・ 長 期 計 画 や 単 年度 の 事 業 計 画 を 策 定 す る 際 の 基 本 と も な りま す 。

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○本 評 価 基 準 は 、 各 評 価 基 準 に も と づ く 評 価を 行 っ て い く 際 の 基 礎 と な る も の で す 。 各評 価 基 準 は そ れ ぞ れ の 具 体 的 な 取 組 状 況 を評 価 す る も の と な っ て い ま す が 、 施 設 ( 法人 ) の 理 念 や 基 本 方 針 を 達 成 す る 観 点 か ら 、取 組 や 内 容 等 が 十 分 で あ る か な ど の 視 点 から 評 価 し ま す 。

  【 職 員 の 理 解 】○理 念 や 基 本 方 針 は 、 組 織 の 福 祉 サ ー ビ ス に対 す る 考 え 方 や 姿 勢 を 示 し 、 職 員 の 行 動 規範 と な る も の で す か ら 、 職 員 に は 十 分 な 周知 と 理 解 を 促 す こ と が 重 要 と な り ま す 。

  【 利 用 者 や 家 族 等 へ の 周 知 】○理 念 や 基 本 方 針 は 、 組 織 の 福 祉 サ ー ビ ス に対 す る 考 え 方 や 姿 勢 を 示 す も の で す 。 よ って 、 職 員 に 限 ら ず 、 利 用 者 や 家 族 等 、 さ らに は 地 域 住 民 や 関 係 機 関 に も 広 く 周 知 す るこ と が 必 要 と な り ま す 。 ま た 、 利 用 者 や 家族 等 に 対 し て 理 念 や 基 本 方 針 を 周 知 す る こと に よ っ て 、 実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス に 対 する 安 心 感 や 信 頼 を 高 め る こ と に も つ な が るた め 、 十 分 な 取 組 が 求 め ら れ る こ と と な りま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○複 数 の 施 設 ・ 事 業 を 経 営 す る 法 人 の 場 合 には 、 法 人 の 理 念 に も と づ き 、 各 施 設 の 実 情に 応 じ て 施 設 ご と に 理 念 を 掲 げ て い て も 構い ま せ ん 。

○公 立 施 設 に つ い て は 、 管 理 者 に 与 え ら れ た職 掌 の 範 囲 内 を 考 慮 し た う え で 、 本 評 価 基準 の 基 本 的 考 え 方 に そ っ た 具 体 的 な 取 組 を評 価 し ま す 。

○施 設 に よ っ て は 「 基 本 方 針 」 を 単 年 度 の 事業 計 画 に お け る 「 重 点 事 項 」 と し て い る 場合 も あ り ま す が 、 本 評 価 基 準 で は 、 「 重 点事 項 」 の 前 提 と な る 、 よ り 基 本 的 な 考 え 方や 姿 勢 を 明 示 し た も の と し て 「 基 本 方 針 」を 位 置 づ け て い ま す 。

○職 員 へ の 周 知 に つ い て は 、 訪 問 調 査 に お いて 組 織 と し て 職 員 へ の 周 知 に 向 け て ど の よう な 取 組 を 行 っ て い る か を 聴 取 し た う え で 、職 員 へ の 聴 取 ・ 確 認 を 行 う こ と に よ っ て その 周 知 の 状 況 を あ わ せ て 把 握 す る こ と に なり ま す 。

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○利 用 者 や 家 族 等 へ の 周 知 に つ い て は 、 訪 問調 査 に お い て 利 用 者 や 家 族 等 へ の 周 知 に 向け て ど の よ う な 取 組 を 行 っ て い る か を 聴 取し ま す 。 ま た 、 作 成 さ れ た 印 刷 物 等 の 内 容が わ か り や す い か ど う か 、 周 知 の 方 法 に 配慮 し て い る か ど う か に つ い て も 評 価 の 対 象と な り ま す 。 特 に 認 知 障 害 を 持 つ 高 齢 者 や障 害 の あ る 利 用 者 に 対 し て は 、 職 員 に 対 する 方 法 と は 違 っ た 工 夫 も 求 め ら れ ま す 。

○理 念 、 基 本 方 針 の い ず れ も 適 切 に 明 文 化 され て い る 場 合 で あ っ て も 、 職 員 、 利 用 者 等へ の 周 知 が 不 十 分 で あ る 場 合 は 「 b 」 評 価と し ま す 。

○理 念 、 基 本 方 針 の い ず れ も 明 文 化 さ れ て いる 場 合 で あ っ て も 、 い ず れ か の 内 容 が 不 十分 で あ る 場 合 や 利 用 者 へ の 周 知 が 不 十 分 であ る 場 合 は 「 b 」 評 価 と し ま す 。

○理 念 、 基 本 方 針 の い ず れ か が 明 文 化 さ れ てい な い 場 合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。

○理 念 、 基 本 方 針 の い ず れ も 明 文 化 さ れ て いる 場 合 で あ っ て も 、 職 員 へ の 周 知 が 不 十 分で あ る 場 合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅰ-2 経営状況の把握

Ⅰ-2-(1) 経営環境の変化等に適切に対応している。

Ⅰ- 2 -( 1 )-①  事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【判断基準】

a)事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

b)事業経営をとりまく環境と経営状況が把握されているが、分析が十分ではない。

c)事業経営をとりまく環境と経営状況が把握されていない。

評価の着眼点□社会福祉事業全体の動向について、具体的に把握し分析している。□地域の各種福祉計画の策定動向と内容を把握し分析している。□利用者数・利用者像等、福祉サービスのニーズ、潜在的利用者に関するデータを収集するなど、法人(施設)が位置する地域での特徴・変化等の経営環境や課題を把握し分析している。

□定期的に福祉サービスのコスト分析や福祉サービス利用者の推移、利用率等の分析を行っている。

評価基準の考え方と評価の留意点( 1 ) 目 的

○本 評 価 基 準 で は 、 事 業 経 営 の 基 本 と し て 、事 業 経 営 を と り ま く 環 境 と 法 人 ( 施 設 ) の経 営 環 境 が 適 切 に 把 握 ・ 分 析 さ れ て い る かを 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 施 設 に お い て は 、 事 業 の 将 来 性 や 継 続 性

を 見 通 し な が ら 、 利 用 者 に 良 質 か つ 安 心 ・安 全 な 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 に 努 め る こ と が求 め ら れ ま す 。

  ○ 社 会 福 祉 事 業 全 体 の 動 向 、 施 設 が 位 置 する 地 域 で の 福 祉 に 対 す る 需 要 の 動 向 、 利 用者 数 ・ 利 用 者 像 の 変 化 、 福 祉 サ ー ビ ス のニ ー ズ 、 潜 在 的 利 用 者 に 関 す る デ ー タ 等 は 、事 業 経 営 を 長 期 的 視 野 に 立 っ て 進 め て い くた め に は 欠 か す こ と の で き な い 情 報 と な りま す 。

  ○ 施 設 の 経 営 状 況 に つ い て 定 期 的 に 分 析 して お く こ と も 、 事 業 経 営 の 安 定 性 や 将 来 展望 を 描 く う え で も 欠 か せ ま せ ん 。 実 施 す る

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福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 や 、 組 織 体 制 や 設 備 の整 備 、 職 員 体 制 、 人 材 育 成 、 財 務 状 況 等 の現 状 分 析 を 適 切 に 行 う こ と が 求 め ら れ ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 外 的 な 動 向を 把 握 す る た め の 方 策 ・ 取 組 と 実 際 に 把 握し て い る 状 況 、 ま た 施 設 に お け る 経 営 状 況の 分 析 状 況 に つ い て 、 具 体 的 な 資 料 等 を 確認 し ま す 。

○公 立 施 設 に つ い て は 、 管 理 者 に 与 え ら れ た職 掌 の 範 囲 内 を 考 慮 し た う え で 、 本 評 価 基準 の 基 本 的 考 え 方 に そ っ た 具 体 的 な 取 組 を評 価 し ま す 。

○事 業 経 営 を と り ま く 環 境 と 経 営 状 況 を 把 握す る 目 的 は 、 環 境 変 化 に 適 切 に 対 応 し た 事業 経 営 の 維 持 や 改 善 に あ り ま す 。 そ こ で 、把 握 さ れ た 情 報 や デ ー タ が 、 中 ・ 長 期 計 画や 各 年 度 の 事 業 計 画 に 反 映 さ れ て い る こ とが 必 要 で す 。 各 計 画 に 情 報 や デ ー タ が 反 映さ れ な け れ ば 、 そ の 目 的 は 達 成 さ れ ま せ ん 。こ れ ら に つ い て は 、 「 Ⅰ - 3 -(1 )-①   中 ・ 長期 的 な ビ ジ ョ ン を 明 確 に し た 計 画 が 策 定 され て い る 。 」 で 評 価 し ま す 。

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Ⅰ- 2 -( 1 )-②  経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【判断基準】

a)経営環境と経営状況の把握・分析にもとづき経営課題を明確にし、具体的な取組を進めている。

b)経営環境と経営状況の把握・分析にもとづき、取組を進めているが十分でない。

c)経営環境と経営状況の把握・分析にもとづく取組が行われていない。

評価の着眼点□経営環境や実施する福祉サービスの内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の現状分析にもとづき、具体的な課題や問題点を明らかにしている。

□経営状況や改善すべき課題について、役員(理事・監事等)間での共有がなされている。

□経営状況や改善すべき課題について、職員に周知している。□経営課題の解決・改善に向けて具体的な取組が進められている。

評価基準の考え方と評価の留意点( 1 ) 目 的

○本 評 価 基 準 で は 、 事 業 経 営 を と り ま く 環 境と 経 営 状 況 の 把 握 ・ 分 析 に も と づ き 、 経 営課 題 を 明 確 に し 、 具 体 的 な 取 組 が 行 わ れ てい る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○Ⅰ- 2 -(1 )-① 事 業 経 営 を と り ま く 環 境 と 経 営 状況 の 把 握 ・ 分 析 に も と づ き 、 経 営 課 題 を 明確 に し 、 改 善 等 に 向 け た 具 体 的 な 取 組 が 必要 で す 。

○経 営 状 況 の 把 握 ・ 分 析 は 、 組 織 と し て 確 立さ れ た う え で 実 施 さ れ る 必 要 が あ り ま す 。経 営 者 や 管 理 者 が 個 人 的 に 行 っ て い る だ けで は 、 組 織 と し て の 取 組 と し て 位 置 づ け るこ と は で き ま せ ん 。

○経 営 状 況 や 経 営 課 題 に つ い て は 、 役 員 ( 理事 ・ 監 事 等 ) 間 で の 共 有 が な さ れ て い る こと は も と よ り 、 職 員 に 周 知 さ れ て い る こ とが 、 経 営 課 題 の 解 決 や 改 善 等 に 向 け て の 前提 条 件 と な り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○経 営 上 の 課 題 を 解 決 し て い く た め に は 、 職員 の 意 見 を 聞 い た り 、 職 員 同 士 の 検 討 の 場

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を 設 定 し た り す る な ど 、 組 織 的 な 取 組 が 必要 で あ る と い う 観 点 で 評 価 を 行 い ま す 。

○公 立 施 設 に つ い て は 、 管 理 者 に 与 え ら れ た職 掌 の 範 囲 内 を 考 慮 し た う え で 、 本 評 価 基準 の 基 本 的 考 え 方 に そ っ た 具 体 的 な 取 組 を評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 担 当 者 や 担 当 部 署 等 の 有 無 、把 握 ・ 分 析 を 実 施 す る 時 期 や 頻 度 、 役 員 間で の 共 有 や 職 員 へ の 周 知 の 方 法 、 改 善 へ 向け て の 仕 組 み な ど 、 具 体 的 な 内 容 に つ い て聴 取 を 行 い ま す 。

○経 営 環 境 ・ 状 況 が 適 切 に 把 握 ・ 分 析 さ れ てい な い 場 合 ( Ⅰ - 2 -(1 )-①が 「 c 」 評 価 の 場合 ) は 、 「 c 」 評 価 と し ま す 。

○経 営 課 題 の 解 決 ・ 改 善 に 向 け た 取 組 の 計 画化 に つ い て は 、 Ⅰ - 3 -(1 )-①で 評 価 し ま す 。

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Ⅰ-3 事業計画の策定

Ⅰ-3-(1) 中・長期的なビジョンと計画が明確にされている。

Ⅰ- 3 -( 1 )-①  中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【判断基準】

a)経営や実施する福祉サービスに関する、中・長期の事業計画及び中・長期の収支計画を策定している。

b)経営や実施する福祉サービスに関する、中・長期の事業計画または中・長期の収支計画のどちらかを策定していない。

c)経営や実施する福祉サービスに関する、中・長期の事業計画も中・長期の収支計画のどちらも策定していない。

評価の着眼点□中 ・ 長 期 計 画 に お い て 、 理 念 や 基 本 方 針 の 実現 に 向 け た 目 標 ( ビ ジ ョ ン ) を 明 確 に し て いる 。□中 ・ 長 期 計 画 は 、 経 営 課 題 や 問 題 点 の 解 決 ・改 善 に 向 け た 具 体 的 な 内 容 に な っ て い る 。□中 ・ 長 期 計 画 は 、 数 値 目 標 や 具 体 的 な 成 果 等を 設 定 す る こ と な ど に よ り 、 実 施 状 況 の 評 価を 行 え る 内 容 と な っ て い る 。

□中 ・ 長 期 計 画 は 必 要 に 応 じ て 見 直 し を 行 っ てい る 。

評価基準の考え方と評価の留意点( 1 ) 目 的

○本 評 価 基 準 で は 、 理 念 ・ 基 本 方 針 に も と づき 、 経 営 状 況 ・ 環 境 の 把 握 ・ 分 析 等 を 踏 まえ た 中 ・ 長 期 計 画 ( 中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 と中 ・ 長 期 の 収 支 計 画 ) の 策 定 状 況 を 評 価 しま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 「 中 ・ 長 期 計 画 」 と は 「 中 ・ 長 期 の 事 業

計 画 」 と 「 中 ・ 長 期 の 収 支 計 画 」 を い い ます 。 こ こ で の 「 中 ・ 長 期 」 と は 3 ~ 5 年 を指 す も の と し て い ま す 。

○中 ・ 長 期 計 画 の 策 定 に お い て 反 映 す る 経 営環 境 等 の 把 握 ・ 分 析 は 、 理 念 や 基 本 方 針 を具 体 化 す る 事 業 や 福 祉 サ ー ビ ス を 効 果 的 に

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実 施 す る 観 点 か ら 活 用 さ れ て い る こ と が 必要 で す 。 経 営 環 境 等 を 理 由 と し て 、 理 念 や基 本 方 針 の 具 現 化 が 図 ら れ な い こ と が な いよ う に し ま す 。【 中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 】○「 中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 」 と は 、 理 念 や 基 本方 針 の 実 現 に 向 け た 具 体 的 な 取 組 を 示 す もの で す 。 実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス の 更 な る 充実 、 課 題 の 解 決 等 の ほ か 、 地 域 ニ ー ズ に もと づ い た 新 た な 福 祉 サ ー ビ ス の 実 施 と い った こ と も 含 め た 目 標 ( ビ ジ ョ ン ) を 明 確 にし 、 そ の 目 標 ( ビ ジ ョ ン ) を 実 現 す る た めに 、 組 織 体 制 や 設 備 の 整 備 、 職 員 体 制 、 人材 育 成 等 に 関 す る 具 体 的 な 計 画 と な っ て いる 必 要 が あ り ま す 。

○中 ・ 長 期 計 画 に つ い て は 、 以 下 を 期 待 し てい ま す 。

ⅰ ) 理 念 や 基 本 方 針 の 実 現 に 向 け た 目 標( ビ ジ ョ ン ) を 明 確 に す る 。

ⅱ ) 明 確 に し た 目 標 ( ビ ジ ョ ン ) に 対 し て 、実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 、 組 織 体 制や 設 備 の 整 備 、 職 員 体 制 、 人 材 育 成 等 の現 状 分 析 を 行 い 、 課 題 や 問 題 点 を 明 ら かに す る 。

ⅲ ) 明 ら か に な っ た 課 題 や 問 題 点 を 解 決 し 、目 標 ( ビ ジ ョ ン ) を 達 成 す る た め の 具 体的 な 中 ・ 長 期 計 画 を 策 定 す る 。

ⅳ) 計 画 の 実 行 と 評 価 ・ 見 直 し を 行 う 。【 中 ・ 長 期 の 収 支 計 画 】○中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 を 実 現 す る た め に は 財務 面 で の 裏 付 け も 不 可 欠 と い え ま す 。 そ のた め 、 中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 に し た が っ て「 中 ・ 長 期 の 収 支 計 画 」 を 策 定 す る こ と が必 要 で す 。

○収 支 計 画 の 策 定 に あ た っ て は 、 利 用 者 の 増減 、 人 件 費 の 増 減 等 を 把 握 ・ 整 理 す る と とも に 、 施 設 の 増 改 築 、 建 替 え な ど に と も なう 支 出 に つ い て 積 立 て る な ど の 、 資 金 使 途を 明 確 に す る こ と も 必 要 で す 。 適 切 な 財 務分 析 及 び 、 資 金 ( 内 部 留 保 等 ) 使 途 の 明 確化 が な さ れ て い る こ と も 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○本 評 価 基 準 で 対 象 と し て い る 課 題 や 問 題 点と は 、 経 営 環 境 等 の 把 握 ・ 分 析 等 を 踏 ま えた 組 織 と し て 取 り 組 む べ き 体 制 や 設 備 と

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い っ た 全 体 的 な 課 題 で す 。 個 々 の 利 用 者 に関 す る 課 題 は 対 象 で は あ り ま せ ん 。 「 Ⅰ - 2 経 営 状 況 の 把 握 」 を 踏 ま え た 内 容 と な っ てい る か な ど を 確 認 し ま す 。

○中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 と 中 ・ 長 期 の 収 支 計 画の い ず れ か が 策 定 さ れ て い な い 場 合 は「 b 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅰ- 3 -( 1 )-②  中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【判断基準】

a)単年度の計画は、中・長期計画を反映して具体的に策定されている。

b)単年度の計画は、中・長期計画を反映しているが、内容が十分ではない。

c)単年度の計画は、中・長期計画を反映しておらず、内容も十分ではない。

評 価 の 着 眼 点

□単年度の計画には、中・長期計画の内容を反映した単年度における事業内容が具体的に示されている。

□単年度の事業計画は、実行可能な具体的な内容となっている。□単年度の事業計画は、年度における目標が反映されたものとなっており、単なる「行事計画」になっていない。

□単年度の事業計画は、数値目標や具体的な成果等を設定することなどにより、実施状況の評価を行える内容となっている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 ① 中 ・ 長 期 計 画 ( 中 ・ 長

期 の 事 業 計 画 と 中 ・ 長 期 の 収 支 計 画 ) の 内容 が 、 単 年 度 の 計 画 ( 単 年 度 の 事 業 計 画 と単 年 度 の 収 支 計 画 ) に 反 映 さ れ て い る こ と 、② 単 年 度 に お け る 事 業 内 容 が 具 体 的 に 示 され 、 さ ら に 実 行 可 能 な 計 画 で あ る こ と を 評価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 単 年 度 の 計 画 ( 単 年 度 の 事 業 計 画 と 単 年

度 の 収 支 計 画 ) は 、 当 該 年 度 に お け る 具 体的 な 事 業 、 福 祉 サ ー ビ ス 提 供 等 に 関 わ る 内容 が 具 体 化 さ れ て い る こ と 、 中 ・ 長 期 計 画を 反 映 し こ の 計 画 を 着 実 に 実 現 す る 内 容 であ る こ と が 必 要 で す 。 ま た 、 そ れ ら の 内 容が 実 現 可 能 で あ る こ と が 不 可 欠 で す 。

  ○ 単 年 度 の 事 業 計 画 は 、 年 度 の 終 了 時 に 実施 状 況 に つ い て の 評 価 を 行 う た め 、 内 容 につ い て は 、 実 施 状 況 の 評 価 が 可 能 で あ る こと が 必 要 で す 。 数 値 化 等 で き る 限 り 定 量 的な 分 析 が 可 能 で あ る こ と が 求 め ら れ ま す 。

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  ○ 単 年 度 の 計 画 に お い て も 、 中 ・ 長 期 計 画と 同 様 に 、 事 業 計 画 を 実 現 可 能 と す る 収 支計 画 が 適 切 に 策 定 さ れ て い る こ と が 要 件 とな り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○評 価 方 法 は 、 事 業 計 画 の 内 容 を 書 面 で 確 認す る と と も に 、 取 組 状 況 に つ い て 管 理 者 から 聴 取 し て 確 認 し ま す 。

○中 ・ 長 期 計 画 が 反 映 さ れ て い て も 、 内 容 が十 分 で は な い 場 合 は 「 b 」 評 価 と し ま す 。

○中 ・ 長 期 の 事 業 計 画 ま た は 中 長 期 の 収 支 計・画 の い ず れ か の み 反 映 し て い る 場 合 は「 b 」 評 価 と し ま す 。

○中 ・ 長 期 計 画 が 策 定 さ れ て い な い 場 合 ( Ⅰ -3 -(1 )-①が 「 c 評 価 」 の 場 合 ) は 、 「 c 」 評価 と し ま す 。

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Ⅰ-3-(2) 事業計画が適切に策定されている。

Ⅰ- 3 -( 2 )-①  事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員 が理解している。

【判断基準】

a)事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

b)事業計画が職員等の参画のもとで策定されているが、実施状況の把握や評価・見直し、または、職員の理解が十分ではない。

c)事業計画が、職員等の参画のもとで策定されていない。

評価の着眼点□事業計画が、職員等の参画や意見の集約・反映のもとで策定されている。□計画期間中において、事業計画の実施状況が、あらかじめ定められた時期、手順にもとづいて把握されている。

□事業計画が、あらかじめ定められた時期、手順にもとづいて評価されている。□評価の結果にもとづいて事業計画の見直しを行っている。□事業計画が、職員に周知(会議や研修会における説明等が)されており、理解を促すための取組を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 事 業 計 画 ( 中 ・ 長 期 計 画 と

単 年 度 計 画 ) の 策 定 に あ た り 、 職 員 等 の 参画 や 意 見 の 集 約 ・ 反 映 の 仕 組 み が 組 織 と して 定 め ら れ て お り 、 事 業 計 画 の 評 価 と 見 直し が 組 織 的 に 行 わ れ て い る か 、 ま た 、 事 業計 画 を 職 員 が 理 解 し て い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 事 業 計 画 ( 中 ・ 長 期 計 画 と 単 年 度 計 画 )

は 、 策 定 や 評 価 に つ い て 体 制 を 定 め 、 職 員の 参 画 ・ 理 解 の も と に 組 織 的 な 取 組 を 進 める こ と が 重 要 で す 。 ま た 、 事 業 計 画 に つ いて は 、 職 員 が 十 分 に 理 解 し て い る こ と が 必要 で す 。

  ○ 事 業 計 画 の 策 定 に つ い て は 、 関 係 職 員 の参 画 や 意 見 の 集 約 ・ 反 映 の 仕 組 み が 組 織 とし て 定 め ら れ て お り 、 機 能 し て い る 必 要 があ り ま す 。 ま た 、 内 容 に よ っ て は 利 用 者 等

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の 意 見 を 集 約 し て 各 計 画 に 反 映 し て い く こと も 求 め ら れ ま す 。 あ わ せ て 、 各 計 画 の 実施 状 況 に つ い て 、 評 価 ・ 見 直 し の 時 期 、 関係 職 員 や 利 用 者 等 の 意 見 を 取 り 込 め る よ うな 手 順 が 組 織 と し て 定 め ら れ 、 実 施 さ れ てい る か と い う 点 も 重 要 で す 。

○事 業 計 画 の 評 価 は 、 設 定 し た 目 標 や 経 営 課題 の 解 決 ・ 改 善 の 状 況 や 効 果 を 確 認 す る とと も に 、 社 会 の 動 向 、 組 織 の 状 況 、 利 用 者や 地 域 の ニ ー ズ 等 の 変 化 に 対 応 す る た め に実 施 し ま す 。 単 年 度 計 画 の 評 価 は 、 次 年 度へ の ス テ ッ プ と な る だ け で は な く 、 中 ・ 長期 計 画 の 妥 当 性 や 有 効 性 に つ い て の 見 直 しの 根 拠 と も な り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○事 業 計 画 を 職 員 が よ く 理 解 す る こ と は 、 計画 達 成 の た め に 欠 か す こ と が で き な い 要 件で す 。 本 評 価 基 準 で は 、 職 員 に 対 す る 周 知で は 各 計 画 を 文 書 に し て 配 布 す る こ と は 基本 的 な 取 組 と 位 置 づ け 、 よ り 理 解 を 促 進 する た め に ど の よ う な 取 組 が 行 わ れ て い る かを 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 職 員 へ の 周知 に 向 け て ど の よ う な 取 組 を 行 っ て い る かを 聴 取 し た う え で 、 職 員 へ の 聴 取 ・ 確 認 を行 う こ と に よ っ て そ の 周 知 の 状 況 を あ わ せて 把 握 す る こ と に な り ま す 。

○事 業 計 画 の 策 定 過 程 の 記 録 、 計 画 の 評 価 ・見 直 し の 記 録 等 に よ り 実 施 状 況 を 確 認 し ます 。 ま た 、 事 業 計 画 の 評 価 結 果 が 、 次 年 度( 次 期 ) の 事 業 計 画 に 反 映 さ れ て い る か につ い て は 、 継 続 し た 事 業 計 画 を 比 較 す る など の 方 法 で 確 認 し ま す 。

○職 員 の 参 画 に つ い て は 、 事 業 計 画 の 策 定 や評 価 に お い て 、 た と え ば 、 中 ・ 長 期 計 画 に関 し て は 幹 部 職 員 等 が 参 画 し 、 単 年 度 の 事業 計 画 に 関 し て は 幹 部 職 員 以 外 に 中 堅 職 員等 が 加 わ る な ど 、 計 画 の 性 質 や 内 容 に 応 じて 、 参 画 す る 職 員 が 違 う 場 合 も 考 え ら れ ます 。

  ○ 中 ・ 長 期 の 計 画 を 策 定 し て い な い 場 合 には 、 単 年 度 の 計 画 の 策 定 状 況 を 踏 ま え 評 価し ま す 。 中 ・ 長 期 の 計 画 と 単 年 度 の 計 画 をい ず れ も 策 定 し て い る 場 合 に は 、 総 合 的 に評 価 し ま す 。

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○事 業 計 画 を 職 員 が 理 解 し て い る 場 合 で あ って も 、 職 員 等 の 参 画 の も と で 策 定 さ れ て いな い 場 合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅰ- 3 -( 2 )-②  事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【判断基準】

a)事業計画を利用者等に周知するとともに、内容の理解を促すための取組を行っている。

b)事業計画を利用者等に周知しているが、内容の理解を促すための取組が十分ではない。

c)事業計画を利用者等に周知していない。

評価の着眼点□事業計画の主な内容が、利用者や家族等に周知(配布、掲示、説明等)されている。□事業計画の主な内容を利用者会や家族会等で説明している。□事業計画の主な内容を分かりやすく説明した資料を作成するなどの方法によって、利用者等、特に認知障害を持つ利用者がより理解しやすいような工夫を行っている。

□事業計画については、利用者等の参加を促す観点から周知、説明の工夫を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的  ○ 本 評 価 基 準 は 、 事 業 計 画 が 、 利 用 者 等 に

周 知 さ れ る と と も に 、 理 解 を 促 す た め の 取組 を 行 っ て い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 事 業 計 画 は 、 利 用 者 へ の 福 祉 サ ー ビ ス の

提 供 に 関 わ る 事 項 で も あ り 、 事 業 計 画 の 主な 内 容 に つ い て は 、 利 用 者 や 家 族 等 に 周 知し 、 理 解 を 促 す た め の 取 組 を 行 う こ と が 必要 で す 。

  ○ 事 業 計 画 の 主 な 内 容 と は 、 福 祉 サ ー ビ スの 提 供 、 施 設 ・ 設 備 を 含 む 居 住 環 境 の 整 備等 の 利 用 者 の 生 活 に 密 接 に か か わ る 事 項 をい い ま す 。

  ○ 利 用 者 や 家 族 等 へ の 説 明 に あ た っ て は 、理 解 し や す い 工 夫 を 行 う な ど の 配 慮 が 必 要で す 。

  ○ ま た 、 単 年 度 の 事 業 計 画 に も と づ く 行 事計 画 等 に つ い て は 、 利 用 者 の 参 加 を 促 す 観点 か ら 周 知 、 説 明 を 行 う こ と が 求 め ら れ ます 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点

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  ○ 評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 利 用 者 等へ の 周 知 に 向 け て ど の よ う な 取 組 を 行 っ てい る か を 聴 取 し た う え で 、 利 用 者 や 家 族 等に 聴 取 ・ 確 認 を 行 う こ と に よ っ て そ の 周 知の 状 況 を あ わ せ て 把 握 し ま す 。

○利 用 者 等 、 特 に 認 知 障 害 を 持 つ 利 用 者 へ の周 知 に つ い て は 、 作 成 さ れ た 印 刷 物 等 が わか り や す い か ど う か 、 そ の 内 容 や 方 法 へ の配 慮 に つ い て も 評 価 の 対 象 と な り ま す 。 必ず し も 計 画 そ の も の を 配 布 す る 必 要 は な く 、事 業 計 画 の 主 な 内 容 を 簡 潔 に ま と め た も ので も 構 い ま せ ん 。 意 図 が 共 に 理 解 さ れ る こと が 重 要 で す 。

○高 齢 者 や 障 害 の あ る 利 用 者 等 に 対 し て は 、利 用 者 の 家 族 に 対 し て 説 明 す る こ と も 求 めら れ ま す 。

○「 行 事 計 画 」 の み を 周 知 ・ 説 明 し 、 事 業 計画 の 主 な 内 容 の 周 知 ・ 説 明 が な さ れ て い ない 場 合 に は 、 「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

Ⅰ-4-(1) 質の向上に向けた取組が組織的・計画的に行われている。

Ⅰ- 4 -( 1 )-①  福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【判断基準】

a)福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

b)福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われているが、十分に機能していない。

c)福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われていない。

評価の着眼点□組織的にPDCAサイクルにもとづく福祉サービスの質の向上に関する取組を実施している。

□福祉サービスの内容について組織的に評価(C:Check)を行う体制が整備されている。

□定められた評価基準にもとづいて、年に1回以上自己評価を行うとともに、第三者評価等を定期的に受審している。

□評価結果を分析・検討する場が、組織として位置づけられ実行されている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に向 け た 体 制 整 備 が な さ れ 、 機 能 し て い る かを 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 は 、 日 々 の 取 組 とと も に 、 自 己 評 価 の 実 施 や 第 三 者 評 価 の 受審 、 苦 情 相 談 内 容 に も と づ く 改 善 活 動 等 が総 合 的 、 継 続 的 に 実 施 さ れ る 必 要 が あ り ます 。 そ の た め 、 施 設 が 自 ら 質 の 向 上 に 努 める 組 織 づ く り を す す め て い る こ と が 重 要 です 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 は 、 P ( Plan ・ 計 画策 定 ) → D ( Do ・ 実 行 ) → C ( Check ・ 評価 ) → A ( Act ・ 見 直 し ) の サ イ ク ル を 継 続し て 実 施 す る こ と に よ っ て 、 恒 常 的 な 取 組と し て 機 能 し て い き ま す 。 こ れ を 具 体 的 に示 す と 、 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 関 す る計 画 策 定 → 計 画 実 施 → 実 施 状 況 の 評 価 → 計

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画 の 見 直 し → 必 要 が あ れ ば 計 画 の 変 更 、 とな り ま す 。

○施 設 に お い て は 、 計 画 策 定 ( P ) → 実 行( D ) に と ど ま り 、 評 価 ( C ) が 十 分 に なさ れ て い な い こ と が 課 題 と さ れ て い ま す 。福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 関 す る 組 織 的 な評 価 の 方 法 の 一 つ と し て 第 三 者 評 価 や 第 三者 評 価 基 準 に も と づ く 自 己 評 価 を 活 用 す るこ と が 考 え ら れ ま す 。

○自 己 評 価 、 第 三 者 評 価 な ど の 計 画 的 な 実 施 、評 価 を 行 っ た 後 の 結 果 分 析 、 分 析 内 容 に つい て の 検 討 ま で の 仕 組 み が 、 組 織 と し て 定め ら れ 、 組 織 的 に P D C A サ イ ク ル に も とづ く 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 関 す る 取 組が 実 施 さ れ る 体 制 を 整 備 す る こ と が 求 め られ ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 に つ い て 評 価 し 、 質 の向 上 を 進 め る う え で は 、 担 当 者 や 複 数 職 員に よ る 担 当 制 等 を 定 め 、 組 織 と し て の 体 制を 整 備 す る 必 要 が あ り ま す 。 ま た 、 そ の 実施 プ ロ セ ス に お い て は よ り 多 く の 職 員 の 理解 と 参 画 を 得 る こ と が 、 取 組 の 効 果 を 高 める た め に 必 要 で す 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に お い て 、 自 己 評価 と 第 三 者 評 価 は 一 つ の 方 法 で あ り 、 こ の後 の 各 評 価 基 準 で 示 し た 事 項 が 総 合 的 、 継続 的 に 実 施 さ れ る こ と を 通 じ て 実 現 さ れ るも の で す 。

○本 評 価 基 準 は 、 自 己 評 価 や 第 三 者 評 価 の 受審 や そ の プ ロ セ ス 、 ま た 、 結 果 を も と に して 組 織 的 ・ 継 続 的 に 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向上 に 取 組 む こ と の 基 礎 と な る 体 制 を 評 価 しま す 。 自 己 評 価 等 を 通 じ た 日 常 的 な 質 の 向上 の た め の 取 組 や 各 評 価 基 準 に お い て 明 らか に な る 必 要 と さ れ る 取 組 等 を 具 体 的 に 進め る 前 提 と な る も の で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○日 常 的 な 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 向 け た具 体 的 な 取 組 の 有 無 と と も に 、 自 己 評 価 、第 三 者 評 価 の 計 画 的 な 実 施 、 結 果 の 分 析 、分 析 内 容 に つ い て の 検 討 ま で の 仕 組 み が 、組 織 と し て 定 め ら れ お り 、 組 織 的 に P D CA サ イ ク ル に も と づ く 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の向 上 に 関 す る 取 組 が 実 施 さ れ て い る か 総 合的 に 評 価 し ま す 。

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○例 え ば 、 自 己 評 価 や 第 三 者 評 価 等 、 ま た 、日 常 的 な 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 向 け た取 組 が 一 部 の 役 職 員 の み で 実 施 さ れ て い るよ う な 場 合 に は 、 組 織 的 な 取 組 と は い え ませ ん 。

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Ⅰ- 4 -( 1 )-②  評価結果にもとづき組織として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善 策を実施している。

【判断基準】

a)評価結果を分析し、明確になった組織として取組むべき課題について、改善策や改善実施計画を立て実施している。

b)評価結果を分析し、組織として取組むべき課題を明確にしているが、改善策や改善実施計画を立て実施するまでには至っていない。

c)評価結果を分析し、組織として取組むべき課題を明確にしていない。

評価の着眼点□評価結果を分析した結果やそれにもとづく課題が文書化されている。□職員間で課題の共有化が図られている。□評価結果から明確になった課題について、職員の参画のもとで改善策や改善計画を策定する仕組みがある。

□評価結果にもとづく改善の取組を計画的に行っている。□改善策や改善の実施状況の評価を実施するとともに、必要に応じて改善計画の見直しを行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 実 施 し た 自 己 評 価 、 第 三 者評 価 等 の 結 果 を 組 織 が ど の よ う に 活 用 し てい る か を 、 改 善 の 課 題 の 明 確 化 と い う 観 点か ら 評 価 す る と と も に 、 評 価 結 果 か ら 明 確に な っ た 課 題 に 対 し て 、 改 善 策 や 改 善 実 施計 画 を 検 討 し 定 め て い る か 、 ま た 、 定 め た改 善 策 ・ 改 善 実 施 計 画 を 実 行 し て い る か どう か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 自 己 評 価 、 第 三 者 評 価 等 の 結 果 に つ い て

は 、 改 善 の 課 題 を 明 確 に し 、 こ の 解 決 ・ 改善 に 計 画 的 に 取 組 む こ と が 必 要 で す 。 そ のた め 、 評 価 結 果 を 分 析 し た 結 果 や そ れ に もと づ く 課 題 が 文 書 化 さ れ 、 職 員 間 で 課 題 の共 有 化 が 図 ら れ る こ と が 求 め ら れ ま す 。

  ○ 改 善 課 題 に つ い て は 、 職 員 の 参 画 の も とで 改 善 策 や 改 善 計 画 を 策 定 し 、 改 善 の た めの 取 組 を 計 画 的 に 行 う こ と が 必 要 で す 。 また 、 計 画 に つ い て は 、 実 施 状 況 の 評 価 を 実

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施 す る と と も に 、 必 要 に 応 じ て 改 善 計 画 の見 直 し を 行 う こ と が 求 め ら れ ま す 。

  ○ 課 題 の 中 に は 、 設 備 の 改 善 や 人 員 配 置 、予 算 的 な 課 題 等 、 単 年 度 で は 解 決 で き な いも の も 想 定 さ れ ま す 。 こ れ ら に つ い て は 、必 要 に 応 じ て 目 標 や 中 ・ 長 期 計 画 の 中 で 、段 階 的 に 解 決 へ 向 か っ て 取 組 ん で い く こ とが 求 め ら れ ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点  ○ 改 善 の 課 題 の 明 確 化 に つ い て は 、 訪 問 調

査 時 に 、 評 価 結 果 の 分 析 結 果 や そ れ に も とづ く 課 題 等 を 、 検 討 過 程 の 記 録 等 も 含 め て確 認 し ま す 。

○課 題 の 改 善 策 や 計 画 に つ い て は 、 訪 問 調 査に お い て 、 改 善 の 課 題 に つ い て の 評 価 結 果に も と づ い た 改 善 策 、 改 善 実 施 計 画 等 の 書面 確 認 及 び 実 施 さ れ た 改 善 策 に つ い て 聴 取し て 確 認 し ま す 。

○中 ・ 長 期 的 な 検 討 ・ 取 組 が 必 要 な 改 善 課 題に つ い て は 、 中 ・ 長 期 計 画 に 反 映 さ れ て いる か 確 認 し ま す 。

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Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

Ⅱ-1-(1) 管理者の責任が明確にされている。

Ⅱ- 1 -( 1 )-①  管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【判断基準】

a)管理者は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、理解されるよう積極的に取り組んでいる。

b)管理者は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、理解されるよう取り組んでいるが、十分ではない。

c)管理者は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにしていない。

評価の着眼点□管理者は、自らの施設の経営・管理に関する方針と取組を明確にしている。□管理者は、自らの役割と責任について、組織内の広報誌等に掲載し表明している。□管理者は、自らの役割と責任を含む職務分掌等について、文書化するとともに、会議や研修において表明し周知が図られている。

□平常時のみならず、有事(災害、事故等)における管理者の役割と責任について、不在時の権限委任等を含め明確化されている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 管 理 者 が 施 設 の 経 営 ・ 管 理を リ ー ド す る 立 場 と し て 、 職 員 に 対 し て 自ら の 役 割 と 責 任 を 明 ら か に し て い る か を 評価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○管 理 者 は 、 施 設 の 経 営 ・ 管 理 に お い て 、 理念 や 基 本 方 針 等 を 踏 ま え た 取 組 を 具 体 化 し 、質 の 高 い 福 祉 サ ー ビ ス の 実 現 に 役 割 と 責 任を 果 た す こ と が 求 め ら れ ま す 。

○管 理 者 が 、 施 設 を リ ー ド す る 立 場 と し て 、職 員 に 対 し て 自 ら の 役 割 と 責 任 を 明 ら か にす る こ と は 、 職 員 の 信 頼 関 係 を 築 く た め に欠 か す こ と が で き な い こ と で す 。 質 の 高 い福 祉 サ ー ビ ス の 実 施 や 、 効 果 的 な 経 営 管 理は 、 管 理 者 だ け の 力 で 実 現 で き る も の で はな く 、 組 織 内 で の 信 頼 関 係 の も と に リ ー

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ダ ー シ ッ プ を 発 揮 す る こ と が 必 要 で あ り 、管 理 者 の 要 件 と い え ま す 。

○施 設 の 事 業 経 営 に お け る 責 任 者 と し て 、 自ら の 役 割 と 責 任 を 含 む 職 務 分 掌 等 に つ い て 、文 書 化 す る と と も に 、 会 議 や 研 修 に お い て表 明 し 職 員 に 周 知 が 図 ら れ て い る こ と が 必要 で す 。 そ の 際 、 平 常 時 の み な ら ず 、 有 事( 災 害 、 事 故 等 ) に お け る 管 理 者 の 役 割 と責 任 に つ い て 、 不 在 時 の 権 限 委 任 等 を 含 め明 確 化 し て い る こ と も 重 要 で す 。

○「 管 理 者 」 と は 、 施 設 を 実 質 的 に 管 理 ・ 運営 す る 責 任 者 ( 施 設 長 等 ) を 指 し ま す が 、法 人 の 経 営 者 に 対 し て も 、 同 様 の 姿 勢 が 求め ら れ ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点  ○ 管 理 者 の 具 体 的 な 取 組 に つ い て は 、 文 書

化 さ れ て い る こ と 、 ま た 、 会 議 や 研 修 に おい て 表 明 す る な ど 、 組 織 内 に 十 分 に 伝 え 、理 解 を 得 る こ と が で き る 方 法 で 行 わ れ て いる か を 評 価 し ま す 。

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Ⅱ- 1 -( 1 )-②  遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【判断基準】

a)管理者は、遵守すべき法令等を正しく理解するために積極的な取組を行っている。

b)管理者は、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っているが、十分ではない。

c)管理者は、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組は行っていない。

評価の着眼点□管理者は、遵守すべき法令等を十分に理解しており、利害関係者(取引事業者、行政関係者等)との適正な関係を保持している。

□管理者は、法令遵守の観点での経営に関する研修や勉強会に参加している。□管理者は、環境への配慮等も含む幅広い分野について遵守すべき法令等を把握し、取組を行っている。

□管理者は、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取組を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 に つ い て は 、 管 理 者 が 、 自 ら 遵

守 す べ き 法 令 等 に 関 す る 正 し い 理 解 に 向 けた 取 組 を 行 っ て い る こ と 、 ま た 、 職 員 等 の法 令 等 の 遵 守 に 関 す る 具 体 的 な 取 組 を 行 って い る こ と の 双 方 を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 施 設 ( 法 人 ) は 、 福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す

る 組 織 と し て 、 法 令 等 を 遵 守 し た 事 業 経 営= コ ン プ ラ イ ア ン ス ( 法 令 遵 守 ) の 徹 底 が求 め ら れ ま す 。 こ こ で の 法 令 等 と は 、 社 会福 祉 関 係 法 令 は も と よ り 、 施 設 の 理 念 ・ 基本 方 針 や 諸 規 程 、 さ ら に は 、 社 会 的 ル ー ルや 倫 理 を 含 む も の で す 。

  ○ 管 理 者 は 、 自 ら が そ れ ら の 法 令 や 倫 理 を正 し く 理 解 し 、 組 織 全 体 を リ ー ド し て い く責 務 を 負 っ て い ま す 。 そ の た め 、 遵 守 す べき 法 令 等 を 十 分 に 理 解 し 、 利 害 関 係 者 ( 取引 事 業 者 、 行 政 関 係 者 等 ) と の 適 正 な 関 係を 保 持 す る こ と が 必 要 で す 。

  ○ ま た 、 施 設 に お け る 法 令 遵 守 の 体 制 づ くり 、 教 育 ・ 研 修 等 を 実 施 し 、 職 員 に 対 し て

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遵 守 す べ き 法 令 等 を 周 知 し 、 遵 守 す る た めの 具 体 的 な 取 組 を 行 う こ と が 求 め ら れ ま す 。

  ○ 施 設 ( 法 人 ) に お い て 、 コ ン プ ラ イ ア ンス ( 法 令 遵 守 ) 規 程 の 策 定 、 担 当 者 ・ 担 当部 署 の 設 置 、 公 益 通 報 相 談 窓 口 の 設 置 等 、倫 理 や 法 令 遵 守 の 徹 底 に 向 け た 規 程 の 整 備や 体 制 の 構 築 を 図 る こ と も よ り 積 極 的 な 取組 と し て 考 え ら れ ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○管 理 者 の 、 遵 守 す べ き 法 令 等 に 関 す る 正 しい 理 解 に 向 け た 取 組 と と も に 、 施 設 の 責 任者 と し て 、 職 員 等 が 遵 守 す る た め の 具 体 的な 取 組 を 実 施 し て い る こ と の 双 方 を 総 合 的に 評 価 し ま す 。

  ○ 施 設 と し て 遵 守 し な け れ ば な ら な い 基 本的 な 関 連 法 令 に つ い て 、 リ ス ト 化 す る 等 の方 法 で 正 し く 把 握 ・ 認 識 さ れ て い る か ど うか 、 ま た 最 新 の 内 容 が 把 握 さ れ て い る か どう か を 確 認 し ま す 。

○遵 守 の 対 象 と な る 法 令 と し て は 、 福 祉 分 野に 限 ら ず 、 消 費 者 保 護 関 連 法 令 、 さ ら に は雇 用 ・ 労 働 や 防 災 、 環 境 へ の 配 慮 に 関 す るも の に つ い て 含 ん で い る こ と が 必 要 で す 。

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Ⅱ-1-(2) 管理者のリーダーシップが発揮されている。

Ⅱ- 1 -( 2 )-①  福祉サービスの質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【判断基準】

a)管理者は、実施する福祉サービスの質の向上に意欲をもち、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。

b)管理者は、実施する福祉サービスの質の向上に意欲をもち 組織としての取組に指導、力を発揮しているが、十分ではない。

c)管理者は、実施する福祉サービスの質の向上に関する組織の取組について指導力を発揮していない。

評価の着眼点□管理者は、実施する福祉サービスの質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行っている。

□管理者は、福祉サービスの質に関する課題を把握し、改善のための具体的な取組を明示して指導力を発揮している。

□管理者は、福祉サービスの質の向上について組織内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画している。

□管理者は、福祉サービスの質の向上について、職員の意見を反映するための具体的な取組を行っている。

□管理者は、福祉サービスの質の向上について、職員の教育・研修の充実を図っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 管 理 者 が 福 祉 サ ー ビ ス の 質の 向 上 に 関 す る 施 設 の 課 題 を 正 し く 理 解 した う え で 、 組 織 に 対 し て ど の よ う に 指 導 力を 発 揮 し て い る か を 具 体 的 な 取 組 に よ っ て評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 施 設 に お け る 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に

お い て 、 管 理 者 の 責 任 と 役 割 が 重 要 で す 。個 々 の 職 員 の 継 続 的 な 努 力 に よ り 取 組 ま れる 実 践 を 、 組 織 的 な 取 組 と す る こ と や 体 制づ く り に つ な げ る な ど 、 指 導 力 の 発 揮 が 求め ら れ ま す 。

  ○ 社 会 福 祉 法 第 78 条 に お い て は 、 「 社 会 福祉 事 業 の 経 営 者 は 、 自 ら そ の 提 供 す る 福 祉サ ー ビ ス の 質 の 評 価 を 行 う こ と そ の 他 の 措

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置 を 講 ず る こ と に よ り 、 常 に 福 祉 サ ー ビ スを 受 け る 者 の 立 場 に 立 っ て 良 質 か つ 適 切 な福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す る よ う 努 め な け れ ばな ら な い 」 と さ れ て い ま す 。

  ○ 管 理 者 は 、 理 念 や 基 本 方 針 を 具 体 化 す る観 点 か ら 、 施 設 に お け る 福 祉 サ ー ビ ス の 質に 関 す る 課 題 を 把 握 し 、 そ の 課 題 と 改 善 に向 け た 取 組 を 組 織 全 体 に 明 ら か に し て 取 組を 進 め る 必 要 が あ り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点  ○ 管 理 者 が 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 関 わ

る 課 題 を 理 解 ・ 分 析 し た う え で 、 組 織 に 対し て ど の よ う に 指 導 力 を 発 揮 し て い る か を具 体 的 な 取 組 に よ っ て 評 価 し ま す 。

○訪 問 調 査 で 聴 取 し 可 能 な も の に つ い て は 書面 で の 確 認 を 行 い ま す 。

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Ⅱ- 1 -( 2 )-②  経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【判断基準】

a)管理者は、経営の改善や業務の実効性を高める取組に十分な指導力を発揮している。

b)管理者は、経営の改善や業務の実効性を高める取組に指導力を発揮しているが、十分ではない。

c)管理者は、経営の改善や業務の実効性を高める取組について指導力を発揮していない。

評価の着眼点□管理者は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、人事、労務、財務等を踏まえ分析を行っている。

□管理者は、組織の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等、具体的に取り組んでいる。

□管理者は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、組織内に同様の意識を形成するための取組を行っている。

□管理者は、経営の改善や業務の実効性を高めるために組織内に具体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 管 理 者 が 経 営 の 改 善 や 業 務の 実 効 性 を 高 め る 取 組 を 自 ら 実 行 す る と とも に 、 組 織 内 に 同 様 の 意 識 を 形 成 し 、 職 員全 体 で 効 果 的 な 事 業 運 営 を 目 指 す た め に 指導 力 を 発 揮 し て い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 管 理 者 は 、 経 営 資 源 を 有 効 に 活 用 し て 、

施 設 ( 法 人 ) の 理 念 ・ 基 本 方 針 を 具 現 化 した 質 の 高 い 福 祉 サ ー ビ ス の 実 現 を 図 る 必 要が あ り ま す 。

○理 念 ・ 基 本 方 針 の 実 現 に 向 け て 、 人 事 、 労務 、 財 務 等 、 そ れ ぞ れ の 視 点 か ら 常 に 検 証を 行 い 、 経 営 や 単 純 な コ ス ト 削 減 で は な い効 果 的 な 業 務 の 実 現 を 目 指 す 改 善 に 向 け た具 体 的 な 取 組 が 必 要 で す 。

○経 営 状 況 や コ ス ト バ ラ ン ス の 分 析 に 基 づ いて 、 経 営 や 業 務 の 効 果 を 高 め る と と も に 、そ の 効 果 を さ ら な る 改 善 に 向 け て い く と

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い っ た 継 続 的 な 取 組 が 安 定 的 か つ 良 質 な 福祉 サ ー ビ ス の 実 施 に は 不 可 欠 と な り ま す 。

○管 理 者 は 、 施 設 の 将 来 性 や 継 続 性 や 経 営 資源 の 有 効 活 用 と い う 基 本 的 な 課 題 を 常 に 視野 に 入 れ て 組 織 を 運 営 し て い く こ と が 求 めら れ ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点  ○ 管 理 者 の 自 ら の 取 組 と と も に 、 組 織 内 に

同 様 の 意 識 を 形 成 し 、 職 員 全 体 で 効 果 的 な事 業 運 営 を 目 指 す た め の 指 導 力 の 発 揮 に 関わ る 取 組 の 双 方 を 、 具 体 的 な 取 組 に よ っ て総 合 的 に 評 価 し ま す 。

○訪 問 調 査 で 聴 取 し 可 能 な も の に つ い て は 書面 で の 確 認 を 行 い ま す 。

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Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保・育成計画、人事管理の体制が整備されている。

Ⅱ- 2 -( 1 )-①  必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実 施されている。

【判断基準】

a)組織が目標とする福祉サービスの質を確保するため、必要な福祉人材や人員体制に関する具体的な計画が確立しており、それにもとづいた取組が実施されている。

b)組織が目標とする福祉サービスの質を確保するため、必要な福祉人材や人員体制に関する具体的な計画が確立しているが、それにもとづいた取組が十分ではない。

c)組織が目標とする福祉サービスの質を確保するため、必要な福祉人材や人員体制に関する具体的な計画が確立していない。

評価の着眼点□必要な福祉人材や人員体制に関する基本的な考え方や、福祉人材の確保と育成に関する方針が確立している。

□福祉サービスの提供に関わる専門職(有資格の職員)の配置等、必要な福祉人材や人員体制について具体的な計画がある。

□計画にもとづいた人材の確保や育成が実施されている。□法人(施設)として、効果的な福祉人材確保(採用活動等)を実施している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 理 念 ・ 基 本 方 針 や 事 業 計画 を 実 現 す る た め に 必 要 な 福 祉 人 材 や 人 員体 制 に つ い て 、 組 織 と し て 具 体 的 な 計 画 をも っ て 、 取 組 ん で い る か ど う か を 評 価 し ます 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 理 念 ・ 基 本 方 針 や 事 業 計 画 を 実 現 し 、 質

の 高 い 福 祉 サ ー ビ ス を 実 現 す る た め に は 、必 要 な 福 祉 人 材 や 人 員 体 制 に 関 す る 基 本 的な 考 え 方 や 、 人 材 の 確 保 と 育 成 に 関 す る 方針 を 明 確 に し た 計 画 が 求 め ら れ ま す 。

○計 画 は 、 単 に 「 質 の 高 い 福 祉 人 材 の 確 保 」と い う 抽 象 的 な 表 現 に と ど ま る も の で は なく 、 組 織 の 理 念 ・ 基 本 方 針 や 事 業 計 画 に沿 っ て 、 組 織 を 適 切 に 機 能 さ せ る た め に 必要 な 人 数 や 、 体 制 、 あ る い は 常 勤 職 員 と 非

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常 勤 職 員 の 比 率 の ほ か 、 障 害 者 雇 用 へ の 対応 と い っ た こ と も 含 め て 立 案 さ れ る 必 要 があ り ま す 。

○ま た 、 社 会 福 祉 士 、 精 神 保 健 福 祉 士 、 介 護支 援 専 門 員 、 介 護 福 祉 士 、 医 師 、 看 護 師 、理 学 療 法 士 、 作 業 療 法 士 、 臨 床 心 理 士 等 の福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 に 関 わ る 専 門 職 ( 有 資格 職 員 ) で あ る 福 祉 人 材 の 配 置 や 確 保 等 につ い て 具 体 的 な 計 画 と な っ て い る こ と が 重要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○本 評 価 基 準 で は 、 具 体 的 な 考 え 方 や 計 画 の

有 無 と と も に 、 計 画 ど お り の 人 員 体 制 が 取ら れ て い な い 場 合 で も 、 そ の 目 標 の 実 現 に向 か っ て 計 画 的 に 人 材 の 確 保 ・ 育 成 が 行 われ て い る か ど う か を 、 具 体 的 な 取 組 や 経 過等 か ら 評 価 し ま す 。

○採 用 や 人 事 管 理 に つ い て は 、 法 人 で 一 括 して 所 管 し て い る 場 合 も あ り ま す が 、 そ の 場合 に も 本 評 価 基 準 に 照 ら し 合 わ せ て 、 当 該組 織 に 関 す る 具 体 的 な 考 え 方 や 取 組 を 評 価し ま す 。

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Ⅱ- 2 -( 1 )-②  総合的な人事管理が行われている。

【判断基準】

a)総合的な人事管理を実施している。

b)総合的な人事管理に関する取組が十分ではない。

c)総合的な人事管理を実施していない。

評価の着眼点□法人(施設)の理念・基本方針にもとづき「期待する職員像等」を明確にしている。□人事基準(採用、配置、異動、昇進・昇格等に関する基準)が明確に定められ、職員等に周知されている。

□一定の人事基準にもとづき、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等を評価している。

□職員処遇の水準について、処遇改善の必要性等を評価・分析するための取組を行っている。

□把握した職員の意向・意見や評価・分析等にもとづき、改善策を検討・実施している。□職員が、自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組みづくりができている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 総 合 的 な 人 事 管 理 が 実 施 され て い る か 評 価 し ま す 。( 2 ) 趣 旨 ・ 目 的  ○ 施 設 ( 法 人 ) に お け る 人 事 管 理 は 、 理

念 ・ 基 本 方 針 に も と づ く 「 期 待 す る 職 員 像等 」 を 明 確 に し た う え で 、 能 力 開 発 ( 育成 ) 、 活 用 ( 採 用 ・ 配 置 ) 、 処 遇 ( 報 酬等 ) 、 評 価 等 が 総 合 的 に 実 施 さ れ る こ と 、い わ ゆ る 「 ト ー タ ル 人 事 ( 人 材 ) マ ネ ジ メン ト 」 の 考 え 方 に よ り 実 施 さ れ る こ と が 望ま し い と 考 え ら れ て い ま す 。

  ○ 総 合 的 な 人 事 管 理 に お い て は 、 主 に 以 下の 仕 組 み な ど が 一 体 的 に 運 営 さ れ る こ と が適 切 で あ る と さ れ て い ま す 。・ 法 人 ( 施 設 ) の 理 念 と 基 本 方 針 を 踏 ま え

た 「 期 待 す る 職 員 像 等 」 の 明 確化・ 人 事 理 念 や 人 事 基 準 の 明 確 化 と 基 準 に も

と づ く 運 用

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・ 能 力 開 発 ( 育 成 ) … 目 標 管 理 制 度 、 教育 ・ 研 修 制 度 ( OJT等 を 含 む )

・ 活 用 … キ ャ リ ア パ ス 、 職 員 配 置 、 ロ ーテ ー シ ョ ン 、 異 動 に 関 す る 基 準 等 の 明 確 化 等

・ 処 遇 ( 報 酬 等 ) … 昇 任 ・ 昇 格 基 準 、 給 与基 準 、 福 利 厚 生 等 そ の 他 の 労 働 条 件 の 整 備

・ 評 価 … 人 事 考 課 制 度 等  ○ 職 員 処 遇 の 水 準 ( 賃 金 水 準 、 有 給 取 得 率 、

時 間 外 労 働 時 間 数 等 ) に つ い て は 、 地 域 性 、施 設 ( 法 人 ) の 特 性 等 を 踏 ま え な が ら も 、同 地 域 、 同 施 設 ・ 事 業 種 別 間 で 比 較 ・ 検 討を 行 う な ど 、 指 標 化 し な が ら 管 理 ・ 改 善 する こ と も 必 要 で す 。

○職 員 等 が 、 自 ら 将 来 を 描 く こ と が で き る よう な 仕 組 み づ く り = キ ャ リ ア パ ス ( 昇 進 ・昇 格 の 基 準 、 賃 金 の 水 準 、 必 要 と な る ス キル の 水 準 、 必 要 と な る ス キ ル を 獲 得 す る ため の 機 会 ( 研 修 等 ) 等 ) の 明 確 化 や 職 員 の意 向 ・ 希 望 を 確 認 す る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンも 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点  ○ 評 価 方 法 は 、 総 合 的 な 人 事 管 理 に 関 す る

仕 組 み 、 取 組 を 具 体 的 に 聴 取 し て 確 認 し ます 。 ま た 、 人 事 管 理 に 関 わ る 規 程 ( 基 準 )等 に つ い て は 、 書 面 で 確 認 し ま す 。

  ○ 小 規 模 な 施 設 に つ い て は 、 施 設 の 規 模 や職 員 体 制 等 を 勘 案 し 、 そ の 実 施 状 況 を 評 価し ま す 。 ま た 、 大 規 模 法 人 ( 複 数 施 設 を 経営 す る 法 人 ) に お け る 総 合 的 な 人 事 管 理 制度 や 人 事 管 理 モ デ ル を 一 様 に 当 て は め て 、小 規 模 な 施 設 を 評 価 す る も の で は あ り ま せん 。

  ○ 能 力 開 発 ( 育 成 ) に お け る 、 目 標 管 理 制度 に つ い て は Ⅱ - 2 -( 3 )-① 、 教 育 ・ 研 修 制 度に つ い て は Ⅱ - 2 -( 3 )-② 、 ③ で 評 価 し ま す 。

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Ⅱ-2-(2) 職員の就業状況に配慮がなされている。

Ⅱ- 2 -( 2 )-①  職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取組んでいる。

【判断基準】

a)職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善する仕組みが構築され、働きやすい職場づくりに積極的に取組んでいる。

b)職員の就業状況や意向を定期的に把握する仕組みはあるが、改善する仕組みの構築が十分ではない。

c)職員の就業状況や意向を把握する仕組みがない。

評価の着眼点□職員の就業状況や意向の把握等にもとづく労務管理に関する責任体制を明確にしている。

□職員の有給休暇の取得状況や時間外労働のデータを定期的に確認するなど、職員の就業状況を把握している。

□職員の心身の健康と安全の確保に努め、その内容を職員に周知している。□定期的に職員との個別面談の機会を設ける、職員の悩み相談窓口を組織内に設置するなど、職員が相談しやすいような組織内の工夫をしている。

□職員の希望の聴取等をもとに、総合的な福利厚生を実施している。□ワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を行っている。□改善策については、福祉人材や人員体制に関する具体的な計画に反映し実行している。□福祉人材の確保、定着の観点から、組織の魅力を高める取組や働きやすい職場づくりに関する取組を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 職 員 の 就 業 状 況 や 意 向 を 定

期 的 に 把 握 し 、 働 き や す い 職 場 づ く り に 取組 ん で い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○サ ー ビ ス の 内 容 を 充 実 さ せ る た め に は 、 組織 と し て 、 職 員 が 常 に 仕 事 に 対 し て 意 欲 的に の ぞ め る よ う な 環 境 を 整 え る こ と = 働 きや す い 職 場 づ く り に 取 組 む こ と が 求 め ら れま す 。

○「 働 き や す い 職 場 」 と は 、 ① 職 員 の 心 身 の健 康 と 安 全 の 確 保 、 ② ワ ー ク ラ イ フ バ ラ ンス ( 仕 事 と 生 活 の 両 立 ) に 配 慮 し た 職 場 環境 づ く り 、 が な さ れ て い る 職 場 を い い ま す 。

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○職 員 の 心 身 の 健 康 と 安 全 の 確 保 に つ い て は 、労 働 災 害 防 止 策 ( メ ン タ ル ヘ ル ス 、 ケ ガ ・腰 痛 防 止 策 、 そ の 他 労 働 災 害 へ の 対 応 ) 、セ ク シ ャ ル ハ ラ ス メ ン ト や パ ワ ー ハ ラ ス メン ト の 防 止 策 と 対 応 策 、 希 望 が あ れ ば 職 員が 相 談 で き る よ う に 、 カ ウ ン セ ラ ー や 専 門家 を 確 保 す る 等 の 取 組 が あ り ま す 。 ま た 、健 康 維 持 の 取 組 と し て は 、 た と え ば 、 よ り充 実 し た 健 康 診 断 を 実 施 す る 、 全 職 員 に 予防 接 種 を 励 行 す る 、 健 康 上 の 相 談 窓 口 を 設置 す る 、 悩 み 相 談 の 窓 口 を 設 置 す る な ど が挙 げ ら れ ま す 。

○福 利 厚 生 の 取 組 と し て は 、 職 員 の 余 暇 活 動や 日 常 生 活 に 対 す る 支 援 な ど が あ り ま す 。

○ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス ( 仕 事 と 生 活 の両 立 ) に 配 慮 し た 職 場 環 境 の 配 慮 に つ い ては 、 休 暇 取 得 の 促 進 、 短 時 間 労 働 の 導 入 、時 間 外 労 働 の 削 減 等 の 取 組 が あ り ま す 。 また 、 次 世 代 育 成 支 援 対 策 推 進 法 に も と づ く事 業 主 行 動 計 画 の 策 定 や 、 改 正 育 児 休 業 法へ の 適 切 な 対 応 、 定 期 的 な 個 別 面 接 や 聴 取等 が 制 度 と し て 確 立 し て い る こ と が 望 ま れま す 。

○働 き や す い 職 場 づ く り に 向 け て 、 労 務 管 理に 関 す る 責 任 体 制 を 明 確 に す る こ と は も とよ り 、 職 員 の 就 業 状 況 や 意 向 ・ 意 見 を 把 握す る こ と が 必 要 で す 。 ま た 、 そ の 結 果 を 分析 ・ 検 討 し 、 改 善 に 向 け た 取 組 を 福 祉 人 材や 人 員 体 制 に 関 す る 具 体 的 な 計 画 に 反 映 した う え で 進 め て い く と い っ た 仕 組 み が 必 要と な り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○把 握 さ れ た 意 向 ・ 意 見 に つ い て 分 析 ・ 検 討す る 仕 組 み の 有 無 、 サ ポ ー ト す る 必 要 が ある と 認 め ら れ る 職 員 に 対 し て の 対 応 等 、 把握 し た 職 員 の 状 況 に 対 し て 組 織 的 に ど の よう に 取 り 組 ん で い る の か と い う 点 も 評 価 しま す 。

○相 談 の 窓 口 設 置 に つ い て は 、 単 に 「 困 っ たこ と が あ れ ば 管 理 者 に 相 談 す る 」 と い っ た運 営 で は な く 、 相 談 し や す い 工 夫 を 行 っ てい る か 、 相 談 を 受 け 付 け た 後 に 解 決 を 図 る体 制 が 整 備 さ れ て い る か な ど 、 組 織 的 に 取り 組 ん で い る か ど う か を 評 価 し ま す 。 相 談窓 口 は 組 織 内 部 の み な ら ず 、 外 部 に も 設 置

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す る こ と が 望 ま し い と い え ま す が 、 組 織 内部 に 設 置 し て い れ ば 評 価 の 対 象 と し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 職 員 の 就 業状 況 や 意 向 ・ 意 見 等 の 記 録 、 把 握 し た 結 果に つ い て の 対 応 の 記 録 等 の 確 認 と 聴 取 によ っ て 行 い ま す 。

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Ⅱ-2-(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている。

Ⅱ- 2 -( 3 )-①  職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【判断基準】

a)職員一人ひとりの育成に向けた目標管理等が、適切に行われている。

b)職員一人ひとりの育成に向けた目標管理等が行われているが、十分ではない。

c)職員一人ひとりの育成に向けた目標管理等が行われていない。

評価の着眼点□組織として「期待する職員像」を明確にし、職員一人ひとりの目標管理のための仕組みが構築されている。

□個別面接を行う等組織の目標や方針を徹底し、コミュニケーションのもとで職員一人ひとりの目標が設定されている。

□職員一人ひとりの目標の設定は、目標項目、目標水準、目標期限が明確にされた適切なものとなっている。

□職員一人ひとりが設定した目標について、中間面接を行うなど、適切に進捗状況の確認が行われている。

□職員一人ひとりが設定した目標について、年度当初・年度末(期末)面接を行うなど、目標達成度の確認を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 職 員 一 人 ひ と り の 育 成 に向 け 、 組 織 の 目 標 や 方 針 を 徹 底 し 、 職 員 一人 ひ と り の 目 標 の 設 定 等 が 適 切 に 行 わ れ てい る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○目 標 管 理 制 度 は 、 施 設 ( 法 人 ) の 理 念 ・ 基本 方 針 を は じ め と す る 施 設 の 全 体 目 標 や 部門 ( チ ー ム ) 、 さ ら に は 、 職 員 一 人 ひ と りの 目 標 の 統 合 を 目 指 す 仕 組 み で す 。

○職 員 一 人 ひ と り の 知 識 ・ 経 験 等 に 応 じ て 具体 的 な 目 標 を 設 定 し な が ら 、 福 祉 サ ー ビ スの 実 施 を 行 う も の で す 。 職 員 の 教 育 ・ 研 修機 能 を 有 す る の み な ら ず 、 モ チ ベ ー シ ョ ンを 高 め る た め の 取 組 で も あ り ま す 。

○目 標 管 理 で は 、 前 提 と し て 「 期 待 す る 職 員像 」 ( 施 設 ( 法 人 ) の 理 念 ・ 基 本 方 針 、 福祉 サ ー ビ ス の 目 標 等 の 実 現 を 目 指 す 人 材 像

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の 定 義 ) や 理 念 ・ 基 本 方 針 等 を 踏 ま え た 、施 設 の 全 体 目 標 が 明 確 に さ れ て い る 必 要 があ り ま す 。 そ の う え で 、 部 門 ( チ ー ム ) 、職 員 一 人 ひ と り の 目 標 を 設 定 す る こ と に なり ま す 。

○設 定 す る 目 標 に つ い て は 、 目 標 項 目 、 目 標水 準 、 目 標 期 限 が 明 確 に さ れ 、 ま た 、 到 達可 能 な 水 準 で あ る こ と が 必 要 で す 。

○目 標 の 設 定 に あ た っ て は 、 一 人 ひ と り の 職員 と の 面 接 を 通 じ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が重 要 で す 。 職 員 が 設 定 す る 目 標 に つ い て は 、施 設 や 部 門 ( チ ー ム ) の 目 標 と 整 合 性 を 保つ と と も に 、 当 該 職 員 に 期 待 す る レ ベ ル 、内 容 に ふ さ わ し い も の で あ る 必 要 が あ り ます 。

○目 標 の 達 成 に 向 け て 、 職 員 一 人 ひ と り が 取組 を 行 い ま す が 、 管 理 者 等 は 、 支 持 的 ・ 援助 的 な 姿 勢 で 日 常 的 に 適 切 な 助 言 や 支 援 を行 い ま す 。

○中 間 段 階 や 期 末 に は 、 目 標 達 成 と 取 組 状 況を 確 認 す る た め 、 面 接 を 行 い 評 価 と 振 り 返り を 行 い ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点  ○ 職 員 一 人 ひ と り の 目 標 が 適 切 に 設 定 さ れ

る と と も に 、 進 捗 状 況 の 確 認 、 目 標 達 成 度の 確 認 等 が 行 わ れ て い る こ と が 必 要 で す 。

  ○ 評 価 方 法 は 、 目 標 管 理 に 関 す る 仕 組 み 、取 組 を 具 体 的 に 聴 取 し て 確 認 し ま す 。 ま た 、目 標 管 理 制 度 に 関 わ る 規 程 ( 基 準 ) 等 を 書面 で 確 認 す る と と も に 、 個 々 の 職 員 の 目 標管 理 シ ー ト を 抽 出 し て 確 認 し ま す 。

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Ⅱ- 2 -( 3 )-②  職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施 されている。

【判断基準】

a)組織として職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

b)組織として職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定されているが、内容や教育・研修の実施が十分ではない。

c)組織として職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定されていない。

評価の着眼点□組織が目指す福祉サービスを実施するために、基本方針や計画の中に、「期待する職員像」を明示している。

□現在実施している福祉サービスの内容や目標を踏まえて、基本方針や計画の中に、組織が職員に必要とされる専門技術や専門資格を明示している。

□策定された教育・研修計画にもとづき、教育・研修が実施されている。□定期的に計画の評価と見直しを行っている。□定期的に研修内容やカリキュラムの評価と見直しを行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 求 め ら れ る 職 員 の あ り 方を 、 具 体 的 な 知 識 ・ 技 術 水 準 や 専 門 資 格 の取 得 と い っ た 点 か ら 明 確 に し た 職 員 の 教育 ・ 研 修 に 関 す る 組 織 の 基 本 姿 勢 を 、 基 本方 針 や 計 画 と し て 策 定 し 、 こ れ ら に も と づく 教 育 ・ 研 修 が 適 切 に 実 施 さ れ て い る こ とを 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○教 育 ・ 研 修 は 、 基 本 的 考 え 方 等 を 明 確 に し 、計 画 的 に 実 施 さ れ る 必 要 が あ り ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 の た め に 組 織 が 定め た 目 標 と そ の 目 標 達 成 に 向 け た 事 業 計 画と 職 員 の 研 修 計 画 が 整 合 し て い る こ と が 必要 で す 。

○職 員 の 教 育 ・ 研 修 に 関 す る 基 本 方 針 や 計 画は 、 概 略 的 な も の で は な く 、 具 体 的 な 知 識 、技 術 の 内 容 ・ 水 準 や 専 門 資 格 の 取 得 と い った 点 か ら 明 確 に し た も の で あ る こ と を 求 めて い ま す 。

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○基 本 方 針 や 計 画 に も と づ い て 、 教 育 ・ 研 修が 適 切 に 実 施 さ れ て い る こ と が 必 要 で す 。

○ま た 、 教 育 ・ 研 修 成 果 の 評 価 ・ 分 析 を 行 い 、そ の 結 果 を 踏 ま え て 次 の 教 育 ・ 研 修 計 画 を策 定 に 反 映 す る こ と が 必 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○組 織 が 必 要 と す る 職 員 の 知 識 ・ 技 術 や 専 門資 格 に つ い て 、 具 体 的 な 目 標 が 明 記 さ れ 、そ れ と の 整 合 性 が 確 保 さ れ た 体 系 的 な 計 画が 明 文 化 さ れ て い る か 確 認 し ま す 。

○年 度 ご と に 関 連 性 ・ 継 続 性 の な い 研 修 の 開催 や 外 部 研 修 へ の 参 加 、 あ る い は 職 員 の 希望 だ け を 尊 重 し た 研 修 計 画 は 、 福 祉 サ ー ビス の 質 の 向 上 に 対 す る 取 組 の 一 環 と 位 置 づけ る こ と は で き ま せ ん 。 組 織 と し て 目 的 を明 確 に し 、 体 系 化 さ れ た 研 修 計 画 が 策 定 され る 必 要 が あ り ま す 。

○組 織 が 実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス 全 体 の 質 の 向上 に 対 す る 取 組 を 評 価 す る 項 目 で す の で 、正 規 職 員 の 他 、 派 遣 契 約 職 員 や 臨 時 職 員 等 、す べ て の 職 員 に つ い て の 教 育 ・ 研 修 を 対 象と し ま す 。

○法 人 が 一 括 し て 所 管 し て い る 場 合 で あ っ ても 、 本 評 価 基 準 の 趣 旨 に 照 ら し て 施 設 の 取組 を 評 価 し ま す 。

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Ⅱ- 2 -( 3 )-③  職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【判断基準】

a)職員一人ひとりについて、教育・研修の機会が確保され、適切に教育・研修が実施されている。

b)職員一人ひとりについて、教育・研修の機会が確保されているが、参加等が十分でない。

c)職員一人ひとりについて、研修機会が確保されていない。

評価の着眼点□個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況等を把握している。□新任職員をはじめ職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTが適切に行われている。

□階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会を確保し、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修を実施している。

□外部研修に関する情報提供を適切に行うとともに、参加を勧奨している。□職員一人ひとりが、教育・研修の場に参加できるよう配慮している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 職 員 の 教 育 ・ 研 修 に 関 する 計 画 に も と づ き 、 職 員 一 人 ひ と り に つ いて 、 教 育 ・ 研 修 の 機 会 が 確 保 さ れ る と と もに 、 教 育 ・ 研 修 の 場 に 参 加 し 適 切 に 教 育 ・研 修 が 実 施 さ れ て い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 職 員 の 教 育 ・ 研 修 に 関 す る 計 画 が 実 施 さ

れ て い る こ と は も と よ り 、 職 員 一 人 ひ と りが 実 際 に 必 要 な 教 育 ・ 研 修 を 受 け る こ と がで き て い る か と い う こ と が 重 要 で す 。

  ○ 教 育 ・ 研 修 の 計 画 的 な 実 施 と あ わ せ て 、職 員 一 人 ひ と り の 知 識 、 技 術 水 準 、 専 門 資格 の 取 得 状 況 等 を 把 握 す る こ と が 必 要 で す 。

 ○教育・研修の内容については、新任職員をはじめ職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTが適切に行われていること、また、階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会を確保し、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修を実施されることなどが必要です。

○福 祉 サ ー ビ ス に 関 わ る ニ ー ズ の 複 雑 化 や 支援 の 困 難 化 等 に よ り 、 専 門 性 が 一 層 求 め られ る こ と か ら 、 内 部 ・ 外 部 研 修 等 の 研 修 の

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方 法 や テ ー マ ・ 種 類 等 を 整 理 し 、 ま た 職 員間 で 学 び あ う 機 会 と 体 制 づ く り も 求 め ら れま す 。

 ○必要に応じて、たとえば介護技術向上のための介護福祉士資格の取得、相談員の面接技術向上のための国家資格の取得、栄養士の管理栄養士資格の取得等も重要な教育・研修の取組となります。

○施設(法人)において、研修を実施することはもとより、外部研修に関する情報提供を適切に行うとともに、参加を勧奨すること、教育・研修の場に参加できるように配慮することが必要であることはいうまでもありません。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○研 修 成 果 の 評 価 ・ 分 析 が 行 わ れ て い る か どう か を 評 価 し ま す 。 研 修 参 加 者 の 報 告 レポ ー ト や 、 評 価 ・ 分 析 が 記 載 さ れ た 文 書( 職 員 別 研 修 履 歴 等 ) で 確 認 を 行 い ま す 。

○研 修 成 果 の 評 価 ・ 分 析 が 、 次 の 研 修 計 画 に反 映 さ れ て い る か ど う か を 、 継 続 し た 記 録等 の 資 料 で 確 認 し ま す 。

  ○ 「 階 層 別 研 修 、 職 種 別 研 修 、 テ ー マ 別 研修 等 の 機 会 」 の 確 保 に つ い て は 、 施 設 ( 法人 ) に お い て 企 画 ・ 実 施 す る 場 合 は も と より 、 外 部 研 修 へ の 参 加 を 含 め 評 価 し ま す 。

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Ⅱ-2-(4) 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成が適切に行われている。

Ⅱ- 2 -( 4 )-①  実習生等の福祉サービスに関わる専門職の教育・育成について体制を整備 し、積極的な取組をしている。

【判断基準】

a)実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、効果的なプログラムを用意する等、積極的な取組を実施している。

b)実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備してはいるが、効果的な育成プログラムが用意されていないなど、積極的な取組には至っていない。

c)実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備しておらず、教育・研修が行われていない。

評価の着眼点□実習生等の福祉サービスに関わる専門職の教育・育成に関する基本姿勢を明文化している。

□実習生等の福祉サービスの専門職の教育・育成についてのマニュアルが整備されている。

□専門職種の特性に配慮したプログラムを用意している。□指導者に対する研修を実施している。□実習生については、学校側と、実習内容について連携してプログラムを整備するとともに、実習期間中においても継続的な連携を維持していくための工夫を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 実 習 生 等 の 福 祉 サ ー ビ ス に関 わ る 専 門 職 の 研 修 ・ 育 成 に つ い て 基 本 的な 姿 勢 を 明 確 に し た 体 制 を 整 備 し 、 効 果 的な プ ロ グ ラ ム を 用 意 す る な ど 、 積 極 的 な 取組 を 実 施 し て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○福 祉 の 人 材 を 育 成 す る こ と 、 ま た 、 福 祉サ ー ビ ス に 関 わ る 専 門 職 の 研 修 ・ 育 成 へ の協 力 は 、 施 設 の 社 会 的 責 務 の 一 つ で す 。 地域 の 特 性 や 事 業 所 の 種 別 、 規 模 等 、 状 況 によ っ て 異 な り ま す が 、 組 織 と し て の 姿 勢 が明 確 に さ れ て い る と と も に 、 そ の 体 制 が 整備 さ れ 、 効 果 的 な 研 修 ・ 育 成 や 受 入 が 行 われ て い る 必 要 が あ り ま す 。

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○実 習 生 等 は 、 受 入 れ の 時 期 や 期 間 、 受 入 れ人 数 な ど が 一 定 で は あ り ま せ ん 。 し た が って 、 よ り き め 細 や か な 利 用 者 へ の 配 慮 が 求め ら れ ま す 。 「 実 習 生 等 」 と は 、 社 会 福 祉士 、 精 神 保 健 福 祉 士 、 介 護 福 祉 士 、 保 育 士 、ホ ー ム ヘ ル パ ー 等 、 社 会 福 祉 に 関 す る 資 格取 得 の た め に 受 け 入 れ る 実 習 生 、 看 護 師 や保 健 師 等 の 福 祉 サ ー ビ ス 関 わ る 専 門 職 、 学生 等 の イ ン タ ー ン 研 修 、 教 員 養 成 、 司 法 関係 の 教 育 研 修 等 の 幅 広 い 人 材 を い い ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○受 入 れ 体 制 の 整 備 に つ い て は 、 受 入 れ に 関す る マ ニ ュ ア ル の 作 成 が 求 め ら れ ま す 。 マニ ュ ア ル に は 、 受 入 れ に つ い て の 連 絡 窓 口 、利 用 者 や 家 族 等 へ の 事 前 説 明 、 職 員 へ の 事前 説 明 、 実 習 生 等 に 対 す る オ リ エ ン テ ーシ ョ ン の 実 施 方 法 等 の 項 目 が 記 載 さ れ て いる 必 要 が あ り ま す 。

○実 習 生 等 の 受 入 れ に つ い て 、 組 織 と し て 具体 的 に ど の よ う な 取 組 を 行 っ て い る か に つい て 評 価 し ま す 。 事 前 説 明 の 方 法 や 、 実 習生 等 を 忌 避 す る 利 用 者 へ の 配 慮 等 に つ い て聴 取 し ま す 。

○さ ら に 効 果 的 な 研 修 ・ 育 成 の た め の 工 夫 がな さ れ て い る か 確 認 し ま す 。 具 体 的 に は 、① 実 習 ( 教 育 ・ 研 修 ) 内 容 全 般 を 計 画 的 に学 べ る よ う な プ ロ グ ラ ム を 策 定 す る 、 ② 実施 状 況 に 関 す る 連 絡 等 に つ い て の 学 校 等( 教 育 ・ 研 修 の 実 施 主 体 ・ 派 遣 機 関 等 ) との 連 携 を 強 め る た め の 取 組 を 行 う 、 ③ 実 習生 等 の 目 的 や 職 種 等 に 考 慮 し た プ ロ グ ラ ムを 用 意 す る 、 ④ こ れ ら が 職 員 に 周 知 さ れ 共有 さ れ て い る こ と 、 な ど が 考 え ら れ ま す 。

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Ⅱ-3 運営の透明性の確保

Ⅱ-3-(1) 運営の透明性を確保するための取組が行われている。

Ⅱ- 3 -( 1 )-①  運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【判断基準】

a)施設の事業や財務等に関する情報について、適切に公開している。

b)施設の事業や財務等に関する情報を公表しているが、方法や内容が十分ではない。

c)施設の事業や財務等に関する情報を公表していない。

評価の着眼点□ホームページ等の活用により、法人、施設の理念や基本方針、提供する福祉サービスの内容、事業計画、事業報告、予算、決算情報が適切に公開されている。

□施設における地域の福祉向上のための取組の実施状況、第三者評価の受審、苦情・相談の体制や内容について公表している。

□第三者評価の受審結果、苦情・相談の体制や内容にもとづく改善・対応の状況について公表している。

□法人(施設)の理念、基本方針やビジョン等について、社会・地域に対して明示・説明し、法人(施設)の存在意義や役割を明確にするように努めている。

□地域へ向けて、理念や基本方針、事業所で行っている活動等を説明した印刷物や広報誌等を配布している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 施 設 の 事 業 や 財 務 等 に 関 する 情 報 に つ い て 、 適 切 に 公 開 し 、 運 営 の 透明 性 を 確 保 す る た め の 取 組 を 行 っ て い る こと を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 施 設 に お い て は 、 実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス

を 必 要 と す る 利 用 者 や 家 族 等 が そ の 内 容 を知 る た め の 情 報 を 適 切 に 公 開 、 発 信 す る 必要 が あ り ま す 。

○社 会 福 祉 法 第 75 条 に は 、 「 社 会 福 祉 事 業 の経 営 者 は 、 福 祉 サ ー ビ ス を 利 用 し よ う と する 者 が 、 適 切 か つ 円 滑 に こ れ を 利 用 す る こと が で き る よ う に 、 そ の 経 営 す る 社 会 福 祉

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事 業 に 関 し 情 報 の 提 供 を 行 う よ う 努 め な けれ ば な ら な い 」 と 定 め ら れ て い ま す 。

○施 設 の 事 業 や 財 務 等 に 関 す る 情 報 を 公 開 する こ と は 、 公 費 に よ る 福 祉 サ ー ビ ス を 実 施す る 主 体 と し て の 説 明 責 任 を 果 た し 、 経 営の 透 明 性 を 図 る 取 組 で も あ り ま す 。

  ○ 福 祉 サ ー ビ ス を 実 施 す る 施 設 に 対 す る 、利 用 者 や 家 族 等 、 そ し て 地 域 の 理 解 を 深 めて い く た め に は 、 第 三 者 評 価 の 受 審 や 苦情 ・ 相 談 内 容 の 公 表 な ど の 福 祉 サ ー ビ ス の質 の 向 上 に 関 わ る 取 組 を は じ め 、 各 法 人 の特 色 あ る 実 践 ・ 活 動 を 主 体 的 に 提 示 し て いく こ と が 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点 ○評価方法は、施設のホームページ、広報誌やパンフレット等により確認します。 ○「地域の福祉向上のための取組の実施状況」については、Ⅱ‐4-(3)「地域の福祉向上のための取組を行っている。」で評価する事項が適切に公表されているか確認します。

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Ⅱ- 3 -( 1 )-②   公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている 。

【判断基準】

a)公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

b)公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われているが、十分ではない。

c)公正かつ透明性の高い適正な運営・経営のための取組が行われていない。

評価の着眼点□施 設 に お け る 事 務 、 経 理 、 取 引 等 に 関 す る

ル ー ル が 明 確 に さ れ 、 職 員 等 に 周 知 し て い る 。□施 設 に お け る 事 務 、 経 理 、 取 引 等 に 関 す る 職務 分 掌 と 権 限 ・ 責 任 が 明 確 に さ れ 、 職 員 等 に周 知 し て い る 。

□施 設 に お け る 事 務 、 経 理 、 取 引 等 に つ い て 、必 要 に 応 じ て 外 部 の 専 門 家 に 相 談 し 、 助 言 を得 て い る 。

□施 設 に お け る 事 務 、 経 理 、 取 引 等 に つ い て 内部 監 査 を 実 施 す る な ど 、 定 期 的 に 確 認 さ れ てい る 。

□外 部 監 査 の 活 用 等 に よ り 、 事 業 、 財 務 に 関 する 外 部 の 専 門 家 に よ る チ ェ ッ ク を 行 っ て い る 。□外 部 監 査 の 結 果 や 公 認 会 計 士 等 に よ る 指 導 や指 摘 事 項 に も と づ い て 、 経 営 改 善 を 実 施 し てい る 。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 公 正 か つ 透 明 性 の 高 い 適

正 な 経 営 ・ 運 営 の た め の 取 組 が 行 わ れ て いる か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○福 祉 サ ー ビ ス に 関 わ る 施 設 に お い て は 、 質の 高 い 福 祉 サ ー ビ ス を 実 施 す る 基 盤 と な る経 営 ・ 運 営 が 、 公 正 か つ 透 明 性 の 高 い 適 正な も の で あ る 必 要 が あ り あ ま す 。 こ れ は 、福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す る 主 体 と し て の 信 頼性 に 関 わ る 重 要 な 取 組 で す 。

○施 設 の 経 営 ・ 運 営 は 、 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供及 び 、 業 務 執 行 に 関 わ る 「 内 部 統 制 」 = 事

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業 経 営 ・ 運 営 に お け る チ ェ ッ ク 体 制 を 確 立し 社 会 的 な 責 任 を 意 識 し た も の で あ る こ とが 重 要 で す 。

○具 体 的 に は 、 施 設 内 に お け る 各 種 規 程 にそ っ た 業 務 の 実 施 、 意 思 決 定 の 手 続 き や 財務 管 理 ( 会 計 処 理 ) 、 ま た 、 取 引 ・ 契 約 関係 等 、 ど の 業 務 や 過 程 に 課 題 や 問 題 が 発 生し や す い か 施 設 の 実 情 に 応 じ て 検 討 す る 必要 が あ り ま す 。 さ ら に 、 そ の 発 生 を 防 ぐ ため の 仕 組 み ・ 体 制 を 構 築 す る こ と が 求 め られ ま す 。

○施 設 に お け る 事 務 、 経 理 、 取 引 等 に つ い て 、必 要 に 応 じ て 外 部 の 専 門 家 に 相 談 し 、 助 言を 得 る こ と や 、 内 部 監 査 を 実 施 す る な ど で定 期 的 に 確 認 す る な ど 事 業 経 営 ・ 運 営 の 適正 性 を 確 保 す る 取 組 も 有 効 で す 。

○ま た 、 特 に 公 益 性 の 高 い 社 会 福 祉 法 人 に つい て は 、 公 正 性 と 透 明 性 を 確 保 し 、 説 明 責任 を 果 た す 観 点 か ら 、 外 部 監 査 を 活 用 す るこ と も 有 効 で す 。

○公 認 会 計 士 等 の 専 門 家 に よ る 指 摘 事 項 、 アド バ イ ス 等 は 、 経 営 ・ 財 務 の 改 善 課 題 の 発見 と そ の 解 決 の た め の 客 観 的 な 情 報 と 位 置づ け る こ と が で き ま す 。 ま た 、 そ の 結 果 を経 営 改 善 に 活 用 す る こ と が 必 要 で す 。

○社 会 福 祉 法 人 審 査 基 準 で は 、 外 部 監 査 の 頻度 に つ い て 「 資 産 額 が 100億 円 以 上 若 し く は負 債 額 が 50 億 円 以 上 又 は 収 支 決 算 額 が 10 億円 以 上 の 法 人 に つ い て は 、 そ の 事 業 規 模 に鑑 み 、 2 年 に 1 度 程 度 の 外 部 監 査 の 活 用 を 行う こ と が 望 ま し い も の で あ る こ と 。 こ れ らに 該 当 し な い 法 人 に つ い て も 、 5 年 に 1 回 程度 の 外 部 監 査 を 行 う な ど 法 人 運 営 の 透 明 性の 確 保 の た め に 取 組 を 行 う こ と が 望 ま しい 」 と し て い ま す 。

○こ こ で い う 外 部 監 査 と は 法 人 等 の 財 務 管 理 、事 業 の 経 営 管 理 、 組 織 運 営 ・ 事 業 等 に 関 する 外 部 の 専 門 家 の 指 導 ・ 助 言 を 指 し ま す 。な お 、 財 務 管 理 、 経 営 管 理 等 は 「 公 認 会 計士 等 、 税 理 士 そ の 他 の 会 計 に 関 す る 専 門家 」 ( 以 下 「 外 部 監 査 の 考 え 方 」 3 . 外 部 監査 の 実 施 者 を 参 照 ) に よ る こ と が 求 め ら れ ます 。

○外 部 監 査 の 考 え 方 は 、 以 下 の と お り で す 。1 . 外 部 監 査 の 趣 旨 に つ い て

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広 く 法 人 の 外 部 の 専 門 家 に よ る チ ェ ッ クを 通 じ て 法 人 運 営 の 透 明 性 の 確 保 に 資 する こ と を 目 的 と す る も の で あ る こ と 。2 . 外 部 監 査 の 範 囲 に つ い て

①公 認 会 計 士 法 に も と づ き 公 認 会 計 士 又 は監 査 法 人 ( 以 下 「 公 認 会 計 士 等 」 と いう 。 ) が 行 う 財 務 諸 表 の 監 査

②公 認 会 計 士 等 、 税 理 士 そ の 他 の 会 計 に 関す る 専 門 家 が 行 う 会 計 管 理 体 制 の 整 備 状況 の 点 検 等

③財 務 状 況 以 外 の 事 項 ( 法 人 の 組 織 運 営 ・事 業 等 ) の 監 査3 . 外 部 監 査 の 実 施 者 に つ い て外 部 監 査 は 、 法 人 の 財 務 管 理 、 事 業 の 経営 管 理 そ の 他 法 人 運 営 に 関 し 優 れ た 識 見を 有 す る 者 が 行 う こ と 。 具 体 的 に は 、 公認 会 計 士 等 、 税 理 士 そ の 他 の 会 計 に 関 する 専 門 家 や 、 社 会 福 祉 事 業 に つ い て 学 識経 験 を 有 す る 者 等 が こ れ に 該 当 す る こ と 。な お 、 当 該 法 人 の 役 職 員 等 や 、 当 該 法 人及 び そ の 役 員 等 と 親 族 等 の 特 殊 の 関 係 があ る 者 が 外 部 監 査 を 行 う こ と は 適 当 で ない こ と 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○公 正 か つ 透 明 性 の 高 い 適 正 な 経 営 ・ 運 営 のた め の 取 組 が 日 常 的 に 行 わ れ て い る か 、 さら に 、 必 要 に 応 じ て 外 部 の 専 門 家 に よ る 助言 を 得 て い る か を 評 価 し ま す 。

○ま た 、 施 設 ( 法 人 ) の 規 模 を 勘 案 し た う えで 、 外 部 監 査 等 を 活 用 し 事 業 、 財 務 等 に 関す る チ ェ ッ ク や 外 部 監 査 結 果 に も と づ く 経営 改 善 を 実 施 し て い る こ と を 評 価 し ま す 。

○小 規 模 な 施 設 に つ い て は 、 外 部 監 査 等 の 活用 や 結 果 に も と づ く 経 営 改 善 が 実 施 さ れ てい な い 場 合 も 想 定 さ れ ま す 。 施 設 に お け る事 務 、 経 理 、 取 引 等 に つ い て 、 ① 必 要 に 応じ て 外 部 の 専 門 家 と の 契 約 に も と づ き 、 相談 し 、 助 言 を 得 る こ と で 定 期 的 確 認 す る こと な ど に よ り 、 事 業 経 営 ・ 運 営 の 適 正 性 を確 保 す る 取 組 を 行 う こ と 、 ② 実 情 に そ く した 経 営 改 善 の 取 組 を 行 っ て い る こ と 、 をも っ て 総 合 的 に 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 、 書 面 で の確 認 と 聴 取 に よ り 行 い ま す 。 な お 、 行 政 によ る 監 査 は 対 象 で は あ り ま せ ん 。

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Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

Ⅱ-4-(1) 地域との関係が適切に確保されている。

Ⅱ- 4 -( 1 )-①  利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【判断基準】

a)利用者と地域との交流を広げるための地域への働きかけを積極的に行っている。

b)利用者と地域との交流を広げるための地域への働きかけを行っているが、十分ではない。

c)利用者と地域との交流を広げるための地域への働きかけを行っていない。

評価の着眼点□地域との関わり方について基本的な考え方を文書化している。□活用できる社会資源や地域の情報を収集し、掲示板の利用等で利用者に提供している。□利用者の個別的状況に配慮しつつ地域の行事や活動に参加する際、必要があれば職員やボランティアが支援を行う体制が整っている。

□施設や利用者への理解を得るために、地域の人々と利用者との交流の機会を定期的に設けている。

□利用者の買い物や通院等日常的な活動についても、定型的でなく個々の利用者のニーズに応じて、地域における社会資源を利用するよう推奨している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 利 用 者 の 地 域 と の 交 流 を広 げ る こ と を 目 的 と し た 組 織 の 取 組 に つ いて 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 が 地 域 の 人 々 と 交 流 を も ち 良 好 な 関

係 を 築 く こ と は 、 利 用 者 の 活 動 範 囲 を 広 げ 、QO L を 高 め る た め の 大 切 な プ ロ セ ス で す 。

○施 設 に お い て は 、 利 用 者 の 地 域 活 動 へ の 参加 を 推 奨 し 、 利 用 者 が 参 加 し や す く な る ため の 体 制 整 備 を 行 う こ と が 求 め ら れ ま す 。

○利 用 者 と 地 域 の 人 々 と の 交 流 は 、 地 域 と 事業 所 の 相 互 交 流 を 促 進 す る と い う 意 味 も あわ せ も っ て い ま す 。 事 業 所 が 、 地 域 社 会 の一 員 と し て の 社 会 的 役 割 を 果 た す た め に も 、利 用 者 の 地 域 へ の 参 加 は 大 き な 意 味 を 持 つと い え ま す 。

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  ○ 利 用 者 の 買 い 物 や 通 院 等 日 常 的 な 活 動 につ い て は 、 定 型 的 で な く 個 々 の 利 用 者 のニ ー ズ に 応 じ て 、 地 域 に お け る 社 会 資 源 を利 用 で き る よ う な 情 報 提 供 や 支 援 を 行 う こと も 必 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○本 評 価 基 準 で は 、 利 用 者 の 地 域 と の 交 流 を広 げ る こ と を 目 的 と し た 組 織 の 取 組 に つ いて 評 価 し ま す 。 利 用 者 が 地 域 へ 出 て 行 き やす い よ う な 支 援 と 同 時 に 、 地 域 に 対 し て 、事 業 所 や 利 用 者 へ の 理 解 を 深 め る た め の 取組 を 行 う こ と も 評 価 の 対 象 と な り ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 実 施 状 況 の聴 取 が 主 と な り 、 事 業 報 告 書 等 、 書 面 で も確 認 し ま す 。

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Ⅱ- 4 -( 1 )-②  ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している 。

【判断基準】

a)ボランティア等の受入れに対する基本姿勢が明示されており、受入れについての体制が整備されている。

b)ボランティア等の受入れに対する基本姿勢は明示されているが、受入れについての体制が十分に整備されていない。

c)ボランティア等の受入れに対する基本姿勢が明示されていない。

評価の着眼点□ボランティア受入れに関する基本姿勢を明文化している。□地域の学校教育等への協力について基本姿勢を明文化している。□ボランティア受入れについて、登録手続、ボランティアの配置、事前説明等に関する項目が記載されたマニュアルを整備している

□ボランティアに対して利用者との交流を図る視点等で必要な研修、支援を行っている。□学校教育への協力を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 地 域 、 学 校 等 の ボ ラ ン テ ィ

ア の 受 入 れ 、 地 域 の 学 校 教 育 施 設 ・ 体 験 教室 の 学 習 等 へ の 協 力 に つ い て 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 留 意 点  ○ 地 域 の 人 々 や 学 校 等 に お け る ボ ラ ン テ ィ

ア 活 動 は 、 地 域 社 会 と 施 設 を つ な ぐ 柱 の 一つ と し て 位 置 づ け る こ と が で き ま す 。 ま た 、施 設 は 、 社 会 福 祉 に 関 す る 知 識 と 専 門 性 を有 す る 地 域 の 社 会 資 源 と し て 、 地 域 の 学 校教 育 施 設 や 体 験 教 室 の 学 習 ( 小 学 校 の 職 場見 学 、 中 学 校 の 職 場 体 験 、 高 校 の イ ン タ ーン シ ッ プ ) 等 へ の 協 力 が そ の 役 割 の 一 つ とし て 考 え ら れ ま す 。

○施 設 の 特 性 や 地 域 の 実 情 等 に そ く し た 、 ボラ ン テ ィ ア の 受 入 や 学 習 等 へ の 協 力 を 検討 ・ 実 施 す る こ と が 求 め ら れ ま す 。

○多 く の 施 設 が 、 様 々 に ボ ラ ン テ ィ ア の 受 入や 学 習 等 へ の 協 力 等 を 実 施 し て い る も の と思 わ れ ま す 。 施 設 側 の 姿 勢 や 受 入 れ 方 針 や体 制 が 明 確 に な っ て い な い と 、 思 い が け ない ト ラ ブ ル や 事 故 を 誘 引 す る 場 合 も あ り ま

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す 。 特 に 利 用 者 と 直 接 接 す る 場 面 で は 、 十分 な 準 備 が 必 要 で あ り 、 見 知 ら ぬ 人 を 忌 避す る 利 用 者 へ の 配 慮 が 重 要 で す 。

○ボ ラ ン テ ィ ア 等 は 福 祉 の 専 門 職 で は な い ので 、 活 動 ・ 学 習 時 の 配 慮 や 注 意 事 項 等 の 十分 な 説 明 が 必 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○本 評 価 基 準 で は 、 ボ ラ ン テ ィ ア の 受 入 や 学習 へ の 教 育 等 へ の 協 力 に 関 す る 方 針 と マニ ュ ア ル の 作 成 を 求 め て い ま す 。

○マ ニ ュ ア ル に は 、 登 録 ・ 申 込 手 続 、 配 置( 活 動 や 学 習 の 場 ) 、 利 用 者 等 へ の 事 前 説明 、 ボ ラ ン テ ィ ア や 学 習 へ の 協 力 に 係 る 事前 説 明 、 職 員 へ の 事 前 説 明 、 実 施 状 況 の 記録 、 等 の 項 目 が 記 載 さ れ て い る 必 要 が あ りま す 。 ま た 、 ト ラ ブ ル や 事 故 を 防 ぐ た め のボ ラ ン テ ィ ア へ の 研 修 や 学 習 等 へ の 協 力 の受 入 時 の 説 明 の 実 施 が 必 要 で す 。

○原 則 と し て 、 ボ ラ ン テ ィ ア の 受 入 や 地 域 の学 校 教 育 施 設 ・ 体 験 教 室 等 の 学 習 等 へ の 協力 に 係 る 体 制 を 整 備 し て い る こ と を も っ て評 価 し ま す 。 た だ し 、 施 設 の 特 性 や 地 域 性を 鑑 み 、 ボ ラ ン テ ィ ア の 受 入 が 困 難 と 考 えら れ る 場 合 に は 、 ボ ラ ン テ ィ ア 等 の 受 入 を想 定 し た 体 制 整 備 の 状 況 、 ボ ラ ン テ ィ ア の養 成 教 育 や 地 域 の 学 校 教 育 施 設 ・ 体 験 教 室の 学 習 等 へ の 協 力 ( 職 員 の 派 遣 等 を 含 む )の 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 受 入 れ に あ た っ て の 手 順 や 流れ 、 利 用 者 等 へ の 事 前 説 明 の 仕 組 み 、 ボ ラン テ ィ ア 等 へ の 事 前 説 明 の 仕 組 み な ど 、 具体 的 な 方 法 を 書 面 と 聴 取 に よ っ て 行 い ま す 。

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Ⅱ-4-(2) 関係機関との連携が確保されている。

Ⅱ- 4 -( 2 )-①  施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行わ れている。

【判断基準】

a)利用者によりよい福祉サービスを提供するために必要となる、関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に把握し、その関係機関等との連携が適切に行われている。

b)利用者によりよい福祉サービスを提供するために必要となる、関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に把握しているが、その関係機関等との連携が十分ではない。

c)利用者によりよい福祉サービスを提供するために必要となる、関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示していない。

評価の着眼点

□当該地域の関係機関・団体について、個々の利用者の状況に対応できる社会資源を明示したリストや資料を作成している。

□職員会議で説明するなど、職員間で情報の共有化が図られている。□関係機関・団体と定期的な連絡会等を行っている。□地域の関係機関・団体の共通の問題に対して、解決に向けて協働して具体的な取組を行っている。

□地域に適当な関係機関・団体がない場合には、利用者のアフターケア等を含め、地域でのネットワーク化に取り組んでいる。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 施 設 と し て 、 利 用 者 に よ りよ い 福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す る た め に 必 要 とな る 、 関 係 機 関 ・ 団 体 の 機 能 や 連 絡 方 法 を体 系 的 に 把 握 し 、 そ の 関 係 機 関 等 と の 連 携が 適 切 に 行 わ れ て い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 利 用 者 に よ り よ い 福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す

る た め に は 、 地 域 の 様 々 な 機 関 や 団 体 と の連 携 が 必 要 と な り ま す 。

○こ こ で 言 う 「 必 要 な 社 会 資 源 」 と は 、 利 用者 へ の サ ー ビ ス の 質 の 向 上 の た め に 連 携 が必 要 な 機 関 や 団 体 を 指 し 、 具 体 的 に は 、 福

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祉 事 務 所 、 児 童 相 談 所 、 保 健 所 、 公 共 職 業安 定 所 、 病 院 、 学 校 、 地 域 内 の 他 の 事 業 所や ボ ラ ン テ ィ ア 団 体 、 各 種 自 助 組 織 等 が 挙げ ら れ ま す 。

○利 用 者 に 対 し て よ り 良 い サ ー ビ ス を 行 う とと も に 、 地 域 社 会 に お い て 役 割 を 果 た し てい く た め に は 、 関 係 機 関 ・ 団 体 と の ネ ッ トワ ー ク 化 が 必 要 不 可 欠 で す 。 そ の う え で 、問 題 解 決 に 向 け て ネ ッ ト ワ ー ク を 有 効 に 活用 す る こ と が 重 要 で す 。

○取 組 の 具 体 例 と し て は 、 関 係 機 関 ・ 団 体 等の 参 画 の も と で 定 期 的 に ケ ー ス 検 討 会 を 開催 し て い る 、 地 域 の 定 期 的 な 連 絡 協 議 会 に参 加 し て い る 、 地 域 内 の 他 組 織 と 定 期 的 に連 絡 会 を 開 催 し て い る 、 な ど が 挙 げ ら れ ます が 、 利 用 者 に 対 す る サ ー ビ ス の 一 環 と して 行 わ れ る 具 体 的 な 取 組 で な け れ ば 、 十 分と は 言 え ま せ ん 。〇 築 き 上 げ た ネ ッ ト ワ ー ク を 有 効 に 活 用 す るこ と が 重 要 で す 。 事 業 を 進 め て い く う え で 、地 域 全 体 で 課 題 と な っ て い る 点 に つ い て 、関 係 機 関 ・ 団 体 へ 積 極 的 に 問 題 提 起 し 、 解決 に 向 け て 協 働 し て 取 り 組 ん で い く 、 な どが 挙 げ ら れ ま す 。

○地 域 に 適 当 な 関 係 機 関 ・ 団 体 が な い 場 合 には 、 利 用 者 の ア フ タ ー ケ ア 等 を 含 め 、 地 域で の ネ ッ ト ワ ー ク 化 を 積 極 的 に 図 る こ と も福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す る 施 設 と し て 重 要 な役 割 と な り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○社 会 資 源 の 把 握 状 況 や 関 係 機 関 ・ 団 体 と の

連 携 に 関 す る 定 期 的 な 取 組 状 況 を 評 価 し ま す 。○職 員 間 で そ れ ら に 関 す る 情 報 の 共 有 化 が 図ら れ て い る か ど う か の 評 価 も 行 い ま す 。 関係 機 関 ・ 団 体 の 機 能 や 、 連 絡 方 法 を 記 載 した 資 料 の 保 管 場 所 や 内 容 等 が 、 必 要 に 応 じて 職 員 が 活 用 で き る よ う に な っ て い る か どう か 、 会 議 で 説 明 を 行 う 等 職 員 に 周 知 さ れて い る か ど う か に つ い て も 、 訪 問 調 査 で 確認 を 行 い ま す 。

○評 価 方 法 は 、 い く つ か の 関 係 機 関 ・ 団 体 との 具 体 的 な 取 組 を 聴 取 し 、 書 面 で も 確 認 しま す 。

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Ⅱ-4-(3) 地域の福祉向上のための取組を行っている。

Ⅱ- 4 -( 3 )-①  施設が有する機能を地域に還元している。

【判断基準】

a)施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。

b)施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を行っているが、十分ではない。

c)施設が有する機能を、地域に開放・提供する取組を行っていない。

評価の着眼点□施設のスペースを活用して地域住民との交流を意図した取組を行っている。□施設の専門性や特性を活かし、地域住民の生活に役立つ講演会や研修会等を開催して、地域へ参加を呼びかけている。

□施設の専門性や特性を活かした相談支援事業、支援を必要とする地域住民のためのサークル活動等、地域ニーズに応じ住民が自由に参加できる多様な支援活動を行っている。

□災害時の地域における役割等について確認がなされている。□多様な機関等と連携して、社会福祉分野に限らず地域の活性化やまちづくりに貢献している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 施 設 が 有 す る 機 能 を 、 地 域に 開 放 ・ 提 供 す る 取 組 を 積 極 的 に 行 っ て いる か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○地 域 と の 関 わ り を 深 め る 方 法 と し て 、 施 設の 専 門 的 な 知 識 ・ 技 術 や 情 報 を 地 域 に 提 供す る こ と が 挙 げ ら れ ま す 。 こ の よ う な 取 組を 積 極 的 に 行 う こ と は 、 地 域 の 人 々 の 理 解を 得 る こ と や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 活 発 にす る こ と に つ な が っ て い き ま す 。

○具 体 的 に は 、 介 護 、 保 育 、 障 害 者 ( 児 ) 、生 活 困 窮 者 等 の 理 解 を 深 め る た め の 講 習 会や 研 修 会 ・ 講 演 会 等 の 開 催 、 福 祉 に 関 す る相 談 窓 口 の 設 置 等 が 挙 げ ら れ ま す 。

○ま た 、 施 設 は 、 災 害 時 に 福 祉 避 難 所 と し て指 定 さ れ て い る 場 合 や 避 難 所 と な る 場 合 も想 定 さ れ る た め 、 日 頃 か ら 災 害 時 の 行 政 や

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地 域 と の 連 携 ・ 協 力 に 関 す る 事 項 を 決 定 ・確 認 し て お く こ と が 求 め ら れ ま す 。

○施 設 が そ の 機 能 を 活 か し 、 災 害 時 に ど の よう な 役 割 を 果 た す か に つ い て 、 自 治 体 や 地域 住 民 と あ ら か じ め 定 め て お く こ と も 重 要な 取 組 と い え ま す 。

○事 業 所 の こ の よ う な 活 動 を 地 域 へ 知 ら せ るた め の 取 組 も 必 要 で す 。( 3 ) 評 価 の 留 意 点

○事 業 所 の 種 別 や 規 模 に よ っ て 、 具 体 的 な 取組 は 様 々 だ と 思 わ れ ま す が 、 本 評 価 基 準 の趣 旨 に そ っ て 、 個 々 の 取 組 に つ い て 評 価 を行 い ま す 。

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Ⅱ- 4 -( 3 )-②  地域の福祉ニーズにもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【判断基準】

a)地域の具体的な福祉ニーズを把握し、これにもとづく公益的な事業・活動を積極的に行っている。

b)地域の具体的な福祉ニーズを把握しているが、これにもとづく公益的な事業・活動が十分ではない。

c)地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を行っていない。

評価の着眼点□施設の機能を地域に還元することなどを通じて、地域の福祉ニーズの把握に努めている。

□民生委員・児童委員等と定期的な会議を開催するなどによって、具体的な福祉ニーズの把握に努めている。

□地域住民に対する相談事業を実施するなどを通じて、多様な相談に応じる機能を有している。

□関係機関・団体との連携にもとづき、具体的な福祉ニーズの把握に努めている。□把握した福祉ニーズにもとづいて、法で定められた社会福祉事業にとどまらない地域貢献に関わる事業・活動を実施している。

□把握した福祉ニーズにもとづいた具体的な事業・活動を、計画等で明示している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 施 設 が 地 域 社 会 に お け る福 祉 向 上 に 役 割 を 果 た す た め に 、 地 域 の 具体 的 な 福 祉 ニ ー ズ を 把 握 し 、 こ れ に も と づく 施 設 独 自 の 公 益 的 な 事 業 ・ 活 動 を 積 極 的に 行 っ て い る か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 施 設 は 、 社 会 福 祉 に 関 す る 知 識 と 専 門 性

と と も に 福 祉 サ ー ビ ス を 実 施 す る と い う 公益 性 を 有 す る 組 織 と し て 、 地 域 社 会 に お ける 役 割 や 機 能 を 発 揮 す る た め に 、 地 域 の 具体 的 な 福 祉 ニ ー ズ を 把 握 す る た め の 取 組 を積 極 的 に 行 う こ と が 必 要 で す 。

○地 域 住 民 か ら の 意 見 や 要 望 を 把 握 す る 場 合は 、 た と え ば 、 相 談 事 業 を 活 発 化 さ せ て その 中 で ニ ー ズ を 把 握 す る 、 地 域 交 流 の イ ベン ト 時 に ア ン ケ ー ト を 実 施 す る 、 な ど 主 体的 に 動 く こ と が 重 要 で す 。

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○日 常 的 な 福 祉 サ ー ビ ス の 実 施 を 通 じ て 、 当該 福 祉 サ ー ビ ス で は 対 応 で き な い 利 用 者 等の ニ ー ズ を 把 握 す る こ と も 必 要 で す 。

○ま た 、 把 握 し た 福 祉 ニ ー ズ に も と づ き 、 これ ら を 解 決 ・ 改 善 す る た め の 施 設 の 公 益 的な 事 業 ・ 活 動 を 行 う こ と も 必 要 で す 。 特 に 、社 会 福 祉 法 人 に つ い て は 、 既 存 制 度 で は 対応 し き れ な い 生 活 困 窮 問 題 等 の 支 援 な ど 、地 域 社 会 で の 貢 献 活 動 を 主 体 的 、 積 極 的 に進 め て い く こ と が 重 要 で す 。

○地 域 社 会 で は 、 地 域 経 済 や 生 活 環 境 の 変 化等 ( 雇 用 環 境 の 変 化 、 単 身 高 齢 者 世 帯 や 高齢 者 の み の 世 帯 の 増 加 、 大 規 模 団 地 等 の 集合 住 宅 の 課 題 等 ) に よ り 、 従 来 の 社 会 福 祉事 業 が 対 象 と す る 範 囲 以 外 の 生 活 課 題 ・ 福祉 課 題 等 が 顕 著 化 し て い ま す 。 ま た 、 地 域に お け る 生 活 課 題 ・ 福 祉 課 題 の 解 決 ・ 緩 和に お い て は 、 施 設 に よ る 専 門 的 な 地 域 へ の支 援 の み な ら ず 、 地 域 住 民 の 主 体 的 な 活 動 、協 力 の 促 進 も 重 要 で す 。

○施 設 に お い て は 、 そ の 有 す る 機 能 を も っ て地 域 の 生 活 課 題 ・ 福 祉 課 題 を 解 決 ・ 緩 和 する 活 動 ・ 事 業 の 実 施 主 体 と な る こ と 、 あ るい は 、 地 域 住 民 の 主 体 的 な 活 動 を 促 進 ・ 支援 す る こ と な ど の 取 組 が 求 め ら れ ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○施 設 ・ 事 業 者 が 、 法 定 の 社 会 福 祉 事 業 及 び自 治 体 の 補 助 事 業 以 外 に 独 自 に 行 う 取 組 を評 価 し ま す 。 行 政 か ら の 依 頼 に よ り サ ー ビス ・ 事 業 を 新 規 受 託 す る こ と は 、 評 価 の 対象 と し ま せ ん が 、 い ま ま で 地 域 の 福 祉 ニ ーズ に も と づ い て 先 駆 的 に 施 設 ・ 事 業 者 が 独自 に 実 施 し て い た 事 業 ・ 活 動 を 発 展 さ せ 公的 に 位 置 づ け 、 行 政 側 か ら 委 託 を 受 け た 場合 に は 評 価 の 対 象 と し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 具 体 的 な 取組 を 聴 取 し 、 書 面 で も 確 認 し ま す 。

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Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス

Ⅲ-1-(1) 利用者を尊重する姿勢が明示されている。

Ⅲ- 1 -( 1 )-①  利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組 を行っている。

【判断基準】

a)利用者を尊重した福祉サービス提供についての基本姿勢が明示され、組織内で共通の理解をもつための取組が行われている。

b)利用者を尊重した福祉サービス提供についての基本姿勢は明示されているが、組織内で共通の理解をもつための取組は行っていない。

c)利用者を尊重した福祉サービス提供についての基本姿勢が明示されていない。

評価の着眼点□理念や基本方針に、利用者を尊重した福祉サービスの実施について明示し、職員が理解し実践するための取組を行っている。

□利用者を尊重した福祉サービスの提供に関する「倫理綱領」や規程等を策定し、職員が理解し実践するための取組を行っている。

□利用者を尊重した福祉サービス提供に関する基本姿勢が、個々の福祉サービスの標準的な実施方法等に反映されている。

□利用者の尊重や基本的人権への配慮について、組織で勉強会・研修を実施している。□利用者の尊重や基本的人権への配慮について、定期的に状況の把握・評価等を行い、必要な対応を図っている。

□身 体 拘 束 廃 止 や 虐 待 防 止 に つ い て 、 職 員 に 周知 徹 底 し て い る 。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 利 用 者 を 尊 重 し た 福 祉 サ ービ ス 提 供 に つ い て の 基 本 姿 勢 が 明 示 さ れ 、組 織 内 で 共 通 の 理 解 を も つ た め の 取 組 が 行わ れ て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○福 祉 サ ー ビ ス の 実 施 で は 、 利 用 者 の 意 向 を尊 重 す る こ と は 当 然 で す が 、 さ ら に 、 QO Lの 向 上 を 目 指 す 積 極 的 な 取 組 が 求 め ら れ てい ま す 。

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○組 織 内 で 共 通 の 理 解 を も つ た め の 取 組 の 具体 例 と し て は 、 倫 理 綱 領 の 策 定 等 、 利 用 者尊 重 や 基 本 的 人 権 へ の 配 慮 に 関 す る 組 織 内の 勉 強 会 ・ 研 修 や 、 実 施 す る 福 祉 サ ー ビ スの 標 準 的 な 実 施 方 法 へ の 反 映 、 身 体 拘 束 や虐 待 防 止 に つ い て の 周 知 徹 底 等 が 挙 げ ら れま す 。

○必 要 に 応 じ て 成 年 後 見 制 度 や 日 常 生 活 自 立支 援 事 業 の 活 用 等 に よ り 、 利 用 者 の 権 利 擁護 に 努 め て い る こ と も 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○通 所 、 入 所 等 の 違 い に よ っ て 、 利 用 者 尊 重の 具 体 的 な 留 意 点 は 異 な る の で 、 組 織 と して の 基 本 姿 勢 と 、 組 織 全 体 の 意 識 向 上 へ の取 組 を 中 心 に 評 価 を 行 い ま す 。 組 織 の 基 本姿 勢 は 、 理 念 や 基 本 方 針 に 明 示 さ れ て い るこ と を 前 提 と し ま す 。

○利 用 者 の 尊 重 に つ い て 、 組 織 内 で 共 通 の 理解 を も つ た め に ど の よ う な 努 力 が 行 わ れ てい る か 、 具 体 的 な 取 組 を も と に 評 価 し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 1 )-②  利用者のプライバシー保護等の権利擁護に配慮した福祉サービス提供が行 われている。

【判断基準】

a)利用者のプライバシー保護等の権利擁護に関する規程・マニュアル等を整備し、利用者のプライバシーと権利擁護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

b)利用者のプライバシー保護等の権利擁護に関する規程・マニュアル等を整備しているが、利用者のプライバシーと権利擁護に配慮した福祉サービスの提供が十分ではない。

c)利用者のプライバシー保護等の権利擁護に関する規程・マニュアル等を整備していない。

評価の着眼点□利用者のプライバシー保護について、規程・マニュアル等が整備され、職員の理解が図られている。

□利用者の虐待防止等の権利擁護について、規程・マニュアル等が整備され、職員の理解が図られている。

□利用者のプライバシー保護と虐待防止に関する知識、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務、利用者のプライバシー保護や権利擁護に関する規程・マニュアル等について、職員に研修を実施している。

□一人ひとりの利用者にとって、生活の場にふさわしい快適な環境を提供し、利用者のプライバシーを守れるよう設備等の工夫を行っている。

□利用者や家族にプライバシー保護と権利擁護に関する取組を周知している。□規程・マニュアル等にもとづいた福祉サービスが実施されている。□不適切な事案が発生した場合の対応方法等が明示されている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 利 用 者 の プ ラ イ バ シ ー 保 護を は じ め 、 虐 待 防 止 と い っ た 利 用 者 の 権 利擁 護 に 関 す る 規 程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 を 整 備 し 、職 員 に 周 知 す る た め の 取 組 を 行 う と と も に 、利 用 者 の プ ラ イ バ シ ー と 権 利 擁 護 に 配 慮 した 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 が 行 わ れ て い る か 評価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 の 日 常 生 活 に お け る プ ラ イ バ シ ー の保 護 は 、 利 用 者 を 尊 重 し た 福 祉 サ ー ビ ス の提 供 に お け る 重 要 事 項 で す 。 ま た 、 プ ラ イバ シ ー の 保 護 の み な ら ず 、 虐 待 防 止 と い っ

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た 利 用 者 の 権 利 擁 護 に 関 わ る 取 組 も 同 様 です 。

○こ こ で い う プ ラ イ バ シ ー と は 、 「 他 人 の 干渉 を 許 さ な い 、 各 個 人 の 私 生 活 上 の 自 由 」の こ と で す 。 利 用 者 の プ ラ イ バ シ ー 保 護 につ い て は 利 用 者 尊 重 の 基 本 で あ り 、 た と えば 、 利 用 者 が 他 人 か ら 見 ら れ た り 知 ら れ たり す る こ と を 拒 否 す る 自 由 は 保 護 さ れ な けれ ば な り ま せ ん 。 利 用 者 か ら の 信 頼 を 得 るた め に も 、 プ ラ イ バ シ ー 保 護 に 関 す る 具 体的 な 取 組 が 求 め ら れ ま す 。

○日 常 的 な 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 に お い て は 、施 設 の 利 用 者 や 福 祉 サ ー ビ ス の 特 性 と あ り方 等 を 踏 ま え つ つ 、 施 設 ・ 設 備 の 限 界 等 を加 味 し な が ら も 、 可 能 な 限 り 一 人 ひ と り の利 用 者 に と っ て 、 生 活 の 場 に ふ さ わ し い ここ ち よ い 環 境 を 提 供 し 、 利 用 者 の プ ラ イ バシ ー を 守 れ る よ う 設 備 等 の 工 夫 を 行 う こ とも 必 要 で す 。

○プ ラ イ バ シ ー 保 護 と 権 利 擁 護 に 関 す る 取 組が 、 規 程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 に も と づ き 実 施 され る こ と は も と よ り 、 取 組 を 利 用 者 や 家 族に 周 知 す る こ と も 求 め ら れ ま す 。 ま た 、 施設 に お い て 、 プ ラ イ バ シ ー 保 護 や 権 利 擁 護に 関 わ る 不 適 切 な 事 案 が 生 じ た 場 合 を 想 定し 、 対 応 方 法 等 を 明 確 に し て お く こ と も 必要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○利 用 者 の プ ラ イ バ シ ー と 権 利 擁 護 に 配 慮 した 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 の 前 提 と し て 、 職 員が 、 プ ラ イ バ シ ー 保 護 や 権 利 擁 護 に 関 す る基 本 的 な 知 識 や 社 会 福 祉 事 業 に 携 わ る 者 とし て の 姿 勢 ・ 意 識 を 十 分 に 理 解 す る こ と 、施 設 の 特 性 に 応 じ た 留 意 点 等 に 関 す る 規程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 を 作 成 し て 周 知 徹 底 す るこ と が 必 要 で す 。 よ っ て 、 職 員 に 規 程 ・ マニ ュ ア ル 等 を 配 布 し た だ け で は 取 組 は 不 十分 で あ り 、 「 b 」 評 価 と し ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 場 面 ご と に 作 成 さ れ て い るマ ニ ュ ア ル ・ 手 引 書 等 の 中 で 、 プ ラ イ バシ ー 保 護 に 関 す る 留 意 事 項 が 記 載 さ れ て いる 場 合 も 、 「 規 程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 」 に 含 みま す 。

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○入 所 施 設 の 場 合 、 通 信 、 面 会 に 関 す る プ ライ バ シ ー 保 護 や 、 入 浴 ・ 排 泄 時 等 生 活 場 面にお け る プ ラ イ バ シ ー 保 護 に つ い て 、 施 設 の利 用 者 や 福 祉 サ ー ビ ス の 特 性 と あ り 方 を 踏ま え つ つ 、 設 備 面 で の 配 慮 や 工 夫 も 含 め た組 織 と し て の 取 組 も 評 価 の 対 象 と な り ま す 。規 程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 の 整 備 と 周 知 へ の 取 組と あ わ せ て 総 合 的 に 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 規 程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 の 内 容 を確 認 す る と と も に 、 具 体 的 な 取 組 を 聴 取 し ま

す 。○個 人 情 報 保 護 は 本 評 価 基 準 に い う プ ラ イ バ

シ ー 保 護 に は 含 み ま せ ん 。 Ⅲ -2-(3)-② 「 利 用 者に 関 す る 記 録 の 管 理 体 制 が 確 立 し て いる 。 」 に お い て 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 規 程 ・ マ ニ ュ ア ル 等 の 内 容 を確 認 す る と と も に 、 具 体 的 な 取 組 を 聴 取 しま す 。

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Ⅲ-1-(2) 福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)が適切に行われている。

Ⅲ- 1 -( 2 )-①  利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供してい る。

【判断基準】

a)利用希望者が福祉サービスを選択するために必要な情報を積極的に提供している。

b)利用希望者が福祉サービスを選択するために必要な情報を提供しているが、十分ではない。

c)利用希望者が福祉サービスを選択するために必要な情報を提供していない。

評価の着眼点□理念や基本方針、実施する福祉サービスの内容や施設の特性等を紹介した資料を、公

共施設等の多くの人が入手できる場所に置いている。□組織を紹介する資料は、言葉遣いや写真・図・絵の使用等で誰にでもわかるような内容にしている。

□施設の利用希望者については、個別にていねいな説明を実施している。□見学、体験入所、一日利用等の希望に対応している。□利用希望者に対する情報提供について、適宜見直しを実施している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 福 祉 サ ー ビ ス の 利 用 希 望 者が 、 福 祉 サ ー ビ ス を 選 択 す る た め に 必 要 な情 報 提 供 が 積 極 的 に 行 わ れ て い る か を 評 価し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説  ○ 社 会 福 祉 法 第 75 条 に お い て 、 社 会 福 祉 事

業 の 経 営 者 は 、 利 用 者 が サ ー ビ ス 選 択 の 際に 参 考 と す る こ と が で き る 情 報 を 積 極 的 に提 供 す る こ と が 求 め ら れ て い ま す 。

○こ こ で 言 う 情 報 と は 、 契 約 締 結 時 の 重 要 事項 説 明 等 で は な く 、 複 数 の 施 設 の 福 祉 サ ービ ス の 中 か ら 利 用 者 が 自 分 の 希 望 に そ っ たも の を 選 択 す る た め の 資 料 と な る よ う な 、利 用 者 の 視 点 に 立 っ た 情 報 を 指 し ま す 。 この た め 、 資 料 は 、 言 葉 遣 い や 写 真 ・ 図 ・ 絵の 使 用 等 で 誰 に で も わ か る よ う な 内 容 と する こ と が 重 要 で す 。

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○施設の利用希望者については、個別にていねいな説明を実施すること、また、希望に応じて、見学、体験入所、一日利用等に対応することも必要な取組です。

○情報提供の方法、内容等については、配布・活用状況、利用者や家族等の意見等を必要に応じて聴取しながら、定期的な見直しを行い、より良い内容を目指すことも重要です。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○福 祉 サ ー ビ ス 内 容 が わ か り や す く 説 明 さ れた 印 刷 物 の 作 成 、 ホ ー ム ペ ー ジ の 作 成 、 公共 施 設 へ の パ ン フ レ ッ ト の 配 置 、 見 学 ・ 体験 希 望 者 へ の 対 応 等 、 利 用 者 が 情 報 を 簡 単に 入 手 で き る よ う な 取 組 、 利 用 者 に と っ てわ か り や す い 工 夫 が 必 要 で す 。

○実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 等 に つ い て 組織 が 積 極 的 に 情 報 提 供 を 行 う こ と を 求 め てい ま す 。 利 用 希 望 で 訪 れ た 人 に 対 し て 、 パン フ レ ッ ト を 渡 し た だ け 、 と い う よ う な 取組 の み の 場 合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 2 )-②  福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明してい る。

【判断基準】

a)福祉サービス開始・変更時の同意を得るにあたり、組織が定める様式にもとづき利用者や家族等にわかりやすく説明を行っている。

b)福祉サービス開始・変更時の同意を得るにあたり、組織が定める様式にもとづき利用者や家族等に説明を行っているが、十分ではない。

c)福祉サービス開始・変更時の同意を得るにあたり、組織が定める様式にもとづき利用者や家族等に説明を行っていない。

評価の着眼点□サービス開始・変更時の福祉サービスの内容に関する説明と同意にあたっては、利用者の自己決定を尊重している。

□サービス開始・変更時には、利用者がわかりやすいように工夫した資料を用いて説明している。

□説明にあたっては、利用者や家族等が理解しやすいような工夫や配慮を行っている。□サービス開始・変更時には、利用者や家族等の同意を得たうえでその内容を書面で残している。

□意思決定が困難な利用者への配慮についてルール化され、適正な説明、運用が図られている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 福 祉 サ ー ビ ス 開 始 及 び 変

更 時 に 、 利 用 者 や 家 族 等 に わ か り や す く 説明 を 行 い 、 同 意 を 得 て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○福 祉 サ ー ビ ス の 開 始 や 変 更 の 際 に は 、 利 用者 等 の 自 己 決 定 に 十 分 に 配 慮 し 、 福 祉 サ ービ ス の 具 体 的 な 内 容 や 日 常 生 活 に 関 す る 事項 、 そ の 他 留 意 事 項 等 を わ か り や す く 説 明す る こ と が 必 要 で す 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 開 始 や 変 更 時 に お け る 説 明は 、 福 祉 サ ー ビ ス の 利 用 契 約 が 必 要 な 施 設は も と よ り 、 利 用 契 約 で は な い 施 設 に お いて も 、 利 用 者 等 の 自 己 決 定 の 尊 重 や 権 利 擁護 等 の 観 点 か ら 必 要 な 取 組 で す 。

○説 明 に あ た っ て は 、 前 評 価 基 準 ( Ⅲ - 1 -(2 )-②) と 同 様 に 、 言 葉 遣 い や 写 真 ・ 図 ・ 絵 の 使

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用 等 で 誰 に で も わ か る よ う な 資 料 を 用 い るこ と が 求 め ら れ ま す 。 ま た 、 法 令 及 び 組 織が 定 め た 様 式 に 基 づ い て 、 同 じ 手 順 ・ 内 容で 行 わ れ る こ と が 必 要 で す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 内 容 や 料 金 等 が 具 体 的 に 記 載さ れ た 重 要 事 項 説 明 書 等 の 資 料 と と も に 、契 約 書 は 、 組 織 と 利 用 者 の 権 利 義 務 関 係 を明 確 に し 、 利 用 者 の 権 利 を 守 る と 同 時 に 、組 織 に と っ て も 不 必 要 な ト ラ ブ ル を 回 避 する た め の 重 要 な も の で す 。 各 種 モ デ ル 契 約書 の 内 容 に 照 ら し て 、 適 切 な 契 約 書 を 整 備す る こ と が 求 め ら れ て い ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○説 明 は 、 ど の 利 用 者 等 に 対 し て も 、 組 織 が定 め た 様 式 に 基 づ い て 、 同 じ 手 順 ・ 内 容 で行 わ れ る こ と を 前 提 と し て い ま す 。 ま た 、本 人 が 説 明 を 受 け る こ と が 困 難 な 利 用 者 に対 し て は 、 組 織 が ど の よ う な 援 助 の 方 法 をと っ て い る か を 確 認 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 、 説 明 の 様式 ・ 内 容 と 状 況 を 聴 取 し ま す 。 ま た 、 利 用者 や 家 族 等 へ の 説 明 内 容 が 具 体 的 に 記 録 され た 書 面 を 確 認 し ま す 。 書 面 で の 確 認 が でき な い 場 合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。

○説 明 に つ い て は 、 重 要 事 項 説 明 を 行 い 契 約を 締 結 す る 必 要 が あ り ま す 。 そ の 際 に は 、利 用 者 の 意 向 を 受 け た 個 別 の 福 祉 サ ー ビ ス内 容 を 明 確 に し て 説 明 し 、 同 意 を 得 る こ とが 求 め ら れ て い ま す 。 ま た 、 本 人 が 説 明 を受 け 、 契 約 を 締 結 す る こ と が 困 難 な 場 合 には 、 成 年 後 見 制 度 等 の 利 用 を 含 め 、 適 正 な方 法 が と ら れ て い る か 確 認 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 重 要 事 項 説明 や 契 約 書 等 、 契 約 に 必 要 な 書 面 を 確 認 する こ と と あ わ せ て 、 利 用 者 の 同 意 を 得 る まで の 過 程 の 記 録 、 苦 情 の 受 付 状 況 等 で 確 認し ま す 。 書 面 で の 確 認 が で き な い 場 合 は「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 2 )-③  施設の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対 応を行っている。

【判断基準】

a)福祉サービスの内容や施設の変更、地域・家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮している。

b)福祉サービスの内容や施設の変更、地域・家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮しているが、十分ではない。

c)福祉サービスの内容や施設の変更、地域・家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮していない。

評価の着眼点□福祉サービスの内容の変更にあたり、従前の内容から著しい変更や不利益が生じないように配慮されている。

□他の施設や地域・家庭への移行にあたり、福祉サービスの継続性に配慮した手順と引継ぎ文書を定めている。

□福祉サービスの利用が終了した後も、組織として利用者や家族等が相談できるように担当者や窓口を設置している。

□福祉サービスの利用が終了した時に、利用者や家族等に対し、その後の相談方法や担当者について説明を行い、その内容を記載した文書を渡している。

□退所に際しては、利用者や家族の同意を得て、居宅介護支援専門員に情報提供するほか、主治医やサービス提供事業者と密接に連携しながら進めている。

□地域生活への移行を目指し、家族への情報提供や帰宅中の利用者の家族への支援を日常的に行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 や 施 設の 変 更 、 地 域 ・ 家 庭 へ の 移 行 等 に あ た り 福祉 サ ー ビ ス の 継 続 性 に 配 慮 し て い る か 評 価し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 の 状 態 の 変 化 や 家 庭 環 境 の 変 化 等 で 、福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 や 施 設 の 変 更 、 地 域 ・家 庭 へ の 移 行 等 を 行 う 場 合 、 利 用 者 へ の 福祉 サ ー ビ ス の 継 続 性 を 損 な わ な い よ う な 配慮 の も と に 、 引 継 ぎ や 申 送 り の 手 順 、 文 書の 内 容 等 を 定 め て お く こ と が 必 要 で す 。

○地 域 ・ 家 庭 へ の 移 行 に あ た っ て は 、 利 用 者や 家 族 の 意 向 を 踏 ま え 、 他 の 施 設 や 行 政 を

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は じ め と す る 関 係 機 関 と の 連 携 が 十 分 に 図ら れ る 必 要 が あ り ま す 。

  ○ 他 の 施 設 へ の 情 報 提 供 が 必 要 な 場 合 に は 、利 用 者 ・ 家 族 等 の 同 意 の も と に 適 切 に 行 うこ と が 不 可 欠 で す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 終 了 後 も 利 用 者 や 家 族 等 が 相談 を 希 望 し た 場 合 の た め に 、 担 当 者 や 窓 口を 設 置 し 、 利 用 者 や 家 族 等 に 伝 え て お く こと も 福 祉 サ ー ビ ス の 継 続 性 を 確 保 す る た めの 対 応 策 で す 。 そ の 場 合 に は 、 口 頭 だ け でな く 、 書 面 等 で 伝 え る 必 要 が あ り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○施 設 の 変 更 、 地 域 ・ 家 庭 へ の 移 行 等 に 係 る

生 活 の 継 続 に 欠 か せ な い 福 祉 サ ー ビ ス の 提供 等 へ の 配 慮 を 具 体 的 に 評 価 し ま す 。

○必 要 に 応 じ て 、 行 政 や 関 係 機 関 、 他 の 施 設等 と 地 域 ・ 家 庭 で の 生 活 の 支 援 体 制 に つ いて の 協 議 や ネ ッ ト ワ ー ク ・ 体 制 の 構 築 に 関す る 取 組 も 評 価 し ま す 。

○地 域 生 活 に 移 行 し た 利 用 者 に 対 し て は 、 退所 者 の 会 の よ う な 支 援 組 織 を 事 業 所 が 積 極的 に 育 成 し 協 力 し て い く こ と も 、 利 用 者 への 支 援 継 続 の 取 組 の 一 つ で す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 関 連 す る 文書 や 、 実 際 の 対 応 記 録 等 の 確 認 を 行 い 評 価し ま す 。

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Ⅲ-1-(3) 利用者満足の向上に努めている。

Ⅲ- 1 -( 3 )-①  利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【判断基準】

a)利用者満足を把握する仕組みを整備し、利用者満足の結果を踏まえて、その向上に向けた取組を行っている。

b)利用者満足を把握する仕組みを整備し、利用者満足の結果を把握しているが、その向上に向けた取組が十分ではない。

c)利用者満足を把握するための仕組みが整備されていない。

評価の着眼点□利用者満足に関する調査が定期的に行われている。□利用者への個別の相談面接や聴取、利用者による自治会ないし利用者の会が、利用者満足を把握する目的で定期的に行われている。

□職員等が、利用者満足を把握する目的で、利用者会や家族会等に出席している。□利用者満足に関する調査の担当者等の設置や、把握した結果を分析・検討するために、利用者参画のもとで検討会議の設置等が行われている。

□分析・検討の結果にもとづいて具体的な改善を行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 利 用 者 満 足 を 把 握 す る 仕 組み を 整 備 し 、 利 用 者 満 足 の 結 果 を 踏 ま え て 、そ の 向 上 に 向 け た 取 組 を 行 っ て い る か 評 価し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 本 位 の 福 祉 サ ー ビ ス は 、 施 設 が 一 方的 に 判 断 で き る も の で は な く 、 利 用 者 が どれ だ け 満 足 し て い る か と い う 双 方 向 性 の 観点 が 重 要 で す 。 福 祉 サ ー ビ ス に お い て は 、専 門 的 な 相 談 ・ 支 援 を 適 切 に 実 施 す る 一 方 、利 用 者 満 足 を 組 織 的 に 調 査 ・ 把 握 し 、 こ れを 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 結 び つ け る 取組 が 必 要 で す 。

○利 用 者 満 足 に 関 す る 調 査 の 結 果 に つ い て は 、具 体 的 な サ ー ビ ス 改 善 に 結 び つ け る こ と 、そ の た め に 組 織 と し て 仕 組 み を 整 備 す る こと が 求 め ら れ ま す 。

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○実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス の 質 を 高 め る た め には 、 組 織 と し て 定 め ら れ た 仕 組 み に し たが っ て 、 継 続 し た 取 組 を 進 め る 必 要 が あ りま す 。 よ っ て 、 随 時 出 さ れ る 個 々 の 意 見 、要 望 等 に 対 応 す る と い う 方 法 の み で は 、 有効 な 改 善 対 応 と 言 う こ と は で き ま せ ん 。

○組 織 的 に 行 っ た 調 査 結 果 を 分 析 ・ 検 討 す る担 当 者 や 担 当 部 署 の 設 置 、 定 期 的 な 検 討 会議 開 催 等 の 仕 組 み が 求 め ら れ ま す 。

○こ の よ う な 仕 組 み が 機 能 す る こ と で 、 職 員の 利 用 者 満 足 に 対 す る 意 識 を 向 上 さ せ 、 組織 全 体 が 共 通 の 問 題 意 識 の も と に 改 善 へ の取 組 を 行 う こ と が で き る よ う に な り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○施 設 の 事 業 種 別 や 福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 の 違い に よ っ て 、 利 用 者 満 足 の 具 体 的 な 内 容 は異 な る の で 、 組 織 と し て 利 用 者 満 足 の 向 上に 向 け た 仕 組 み を 整 備 し て い る か 、 ま た 利用 者 満 足 に 関 す る 調 査 等 の 結 果 を 活 用 し 、組 織 的 に 福 祉 サ ー ビ ス の 改 善 に 向 け た 取 組が 行 わ れ て い る か を 評 価 し ま す 。

○具 体 的 に は 、 利 用 者 満 足 に 関 す る 調 査 、 利用 者 へ の 個 別 の 聴 取 、 利 用 者 懇 談 会 に お ける 聴 取 等 が あ り ま す 。 利 用 者 満 足 に 関 す る調 査 等 を 定 期 的 に 行 う こ と は 、 改 善 課 題 の発 見 や 、 改 善 課 題 へ の 対 応 策 の 評 価 ・ 見 直し の 検 討 材 料 と な り ま す 。

○評 価 方 法 は 、 調 査 結 果 に 関 す る 分 析 や 検 討内 容 の 記 録 、 改 善 策 の 実 施 に 関 す る 記 録 等の 書 面 や 、 訪 問 調 査 で の 具 体 的 な 取 組 の 聴取 等 に よ っ て 確 認 し ま す 。

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Ⅲ-1-(4) 利用者が意見等を述べやすい体制が確保されている。

Ⅲ- 1 -( 4 )-①  苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【判断基準】

a)苦情解決の仕組みが確立され利用者等に周知する取組が行われているとともに、苦情解決の仕組みが機能している。

b)苦情解決の仕組みが確立され利用者等に周知する取組が行われているが、十分に機能していない。

c)苦情解決の仕組みが確立していない。

評価の着眼点□苦情解決の体制(苦情解決責任者の設置、苦情受付担当者の設置、第三者委員の設

置)が整備されている。□苦情解決の仕組みをわかりやすく説明した掲示物が掲示され、資料を利用者等に配布し説明している。

□苦情記入カードの配布やアンケート(匿名)を実施するなど、利用者や家族が苦情を申し出しやすい工夫を行っている。

□苦情内容については、受付と解決を図った記録が適切に保管している。□苦情内容に関する検討内容や対応策については、利用者や家族等に必ずフィードバッ

クしている。□苦情内容及び解決結果等は、苦情を申し出た利用者や家族等に配慮したうえで、公表している。

□苦情相談内容にもとづき、福祉サービスの質の向上に関わる取組が行われている。

評価基準の考え方と評価の留意点(1)目的

○本評価基準は、苦情解決の仕組みが確立され利用者等に周知する取組が行われているとともに、苦情解決の仕組みが機能していることを評価します。

(2)趣旨・解説○社 会 福 祉 法 第 82 条 で は 、 社 会 福 祉 事 業 の 経営 者 は 、 利 用 者 等 か ら の 苦 情 の 適 切 な 解 決に 努 め る こ と が 求 め ら れ て い ま す 。 ま た 、施 設 の 各 最 低 基 準 ・ 指 定 基 準 に お い て は 、利 用 者 等 か ら の 苦 情 へ の 対 応 が 規 定 さ れ てい ま す 。

○苦 情 解 決 の 体 制 に つ い て は 、 ① 苦 情 解 決 責任 者 の 設 置 ( 管 理 者 、 理 事 長 等 ) 、 ② 苦 情受 付 担 当 者 の 設 置 、 ③ 第 三 者 委 員 の 設 置 が求 め ら れ て い ま す 。 第 三 者 委 員 は 、 苦 情 解決 に つ い て の 密 室 性 の 排 除 と 社 会 性 ・ 客 観

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性 の 確 保 、 利 用 者 の 立 場 に 立 っ た 苦 情 解 決の 援 助 の た め に 設 置 さ れ る も の で 、 人 数 は複 数 が 望 ま し い と さ れ て い ま す 。

○法 令 で 求 め ら れ る 苦 情 解 決 の 仕 組 み が 組 織の 中 で 確 立 さ れ て い る こ と を 前 提 と し て 、こ の 仕 組 み が 機 能 し て い る か ど う か 、 ま た組 織 が 苦 情 解 決 に つ い て 、 提 供 す る 福 祉サ ー ビ ス 内 容 に 関 す る 妥 当 性 の 評 価 や 改 善課 題 を 探 る た め の 有 効 な 手 段 と 位 置 づ け てい る か 、 つ ま り 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 のた め の 仕 組 み と な っ て い る か が 重 要 で す 。

○施 設 に お い て は 、 法 令 で 求 め ら れ る 苦 情 解決 の 仕 組 み を 構 築 す る こ と は も と よ り 、 苦情 解 決 や 苦 情 内 容 へ の 対 応 を 通 じ て 福 祉サ ー ビ ス の 質 の 向 上 を 図 る 必 要 が あ り ま す 。

(3)評価の留意点○苦 情 解 決 の 仕 組 み に つ い て は 、 利 用 者 等 への 周 知 と 理 解 の 促 進 、 苦 情 を 申 出 や す い 配慮 や 工 夫 、 苦 情 受 付 に 係 る 正 確 な 記 録 と 苦情 解 決 責 任 者 へ の 報 告 、 解 決 へ 向 け て の 話し 合 い の 内 容 や 解 決 策 等 に つ い て 経 過 と 結果 の 記 録 、 苦 情 を 申 出 た 利 用 者 等 へ の 経 過や 結 果 の 説 明 、 申 出 た 利 用 者 等 に 不 利 に なら な い 配 慮 を し た う え で の 公 表 、 な ど の 状況 を 総 合 的 に 勘 案 し 、 仕 組 み が 機 能 し て いる か ど う か を 評 価 し ま す 。

○ま た 、 施 設 と し て 、 苦 情 解 決 の 取 組 を 、 利用 者 保 護 の 視 点 と 同 時 に 、 福 祉 サ ー ビ ス の質 の 向 上 に 向 け た 取 組 の 一 環 と し て 積 極 的に 捉 え て い る か ど う か を 、 体 制 の 整 備 や 解決 手 順 ・ 結 果 公 表 等 の 具 体 的 な 取 組 に よ って 評 価 し ま す 。

○第 三 者 委 員 が 設 置 さ れ て い な い 場 合 、 連 絡方 法 が 明 示 さ れ て い な い 場 合 、 解 決 に 係 る話 し 合 い の 手 順 等 が 定 め ら れ て い な 場 合 、苦 情 解 決 状 況 の 公 表 を 行 っ て い な い 場 合 は 、「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 4 )-②  利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している 。

【判断基準】

a)利用者が相談したり意見を述べたい時に方法や相手を選択できる環境が整備され、そのことを利用者に伝えるための取組が行われている。

b)利用者が相談したり意見を述べたい時に方法や相手を選択できる環境が整備されているが、そのことを利用者に伝えるための取組が十分ではない。

c)利用者が相談したり意見を述べたい時に、方法や相手を選択できない。

評価の着眼点□利用者が相談したり意見を述べたりする際に、複数の方法や相手を自由に選べることをわかりやすく説明した文書を作成している。

□利用者や家族等に、その文章の配布やわかりやすい場所に掲示する等の取組を行っている。

□相談をしやすい、意見を述べやすいスペースの確保等の環境に配慮している。□意思の疎通が困難な利用者に対して、手話、筆記や成年後見制度の利用が用意されている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 で は 、 利 用 者 が 相 談 し た い 時 や意 見 を 述 べ た い 時 に 方 法 や 相 手 を 選 択 で きる 環 境 が 組 織 と し て 整 備 さ れ て い る か 、 また 、 そ の 内 容 を 利 用 者 に 伝 え る た め の 取 組が 行 わ れ て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 が 必 要 に 応 じ て 相 談 が で き 、 ま た 、意 見 が 述 べ ら れ る 環 境 づ く り は 、 利 用 者 本位 の 福 祉 サ ー ビ ス に お い て 不 可 欠 で あ る こと は 言 う ま で も あ り ま せ ん 。 施 設 と し て 、相 談 し や す く 、 意 見 が 述 べ や す い 体 制 や 方法 を ど の よ う に 構 築 し て い る か 、 ま た 具 体的 に ど の よ う に 取 組 が 進 め ら れ て い る か が重 要 で す 。

  ○ 相 談 や 意 見 に つ い て 、 方 法 や 相 手 を 選 択で き る 環 境 と は 、 相 談 に お い て は 、 日 常 的に 接 す る 職 員 以 外 に 、 相 談 窓 口 を 設 置 す るな ど 、 専 門 的 な 相 談 、 あ る い は 施 設 に お いて 直 接 相 談 し に く い 内 容 の 相 談 等 、 相 談 内

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容 に よ っ て 複 数 の 相 談 方 法 や 相 談 相 手 が 用意 さ れ て い る よ う な 取 組 を 指 し ま す 。

○意 見 に つ い て は 、 利 用 者 、 家 族 等 と の 話 し合 い の 機 会 を も つ な ど の 日 常 的 な 取 組 、 意見 箱 の 設 置 、 ア ン ケ ー ト の 実 施 、 第 三 者 委員 に よ る 聞 き 取 り 等 の 複 数 の 方 法 や 相 手 が用 意 さ れ て い る こ と を 指 し ま す

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○利 用 者 の 相 談 、 意 見 に 関 す る 取 組 に つ い ては 、 利 用 者 や 家 族 等 に 十 分 に 周 知 さ れ て いる 必 要 が あ り ま す 。 ま た 、 利 用 開 始 時 に 説明 を 行 う だ け で な く 、 日 常 的 に 相 談 窓 口 を明 確 に し た う え で 、 そ の 内 容 を わ か り や すい 場 所 に 掲 示 す る 、 日 常 的 な 言 葉 か け を 積極 的 に 行 う 等 の 取 組 も 評 価 の 対 象 と な り ます 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 施 設 と し ての 取 組 を 聴 取 し 、 書 面 の 確 認 及 び 施 設 内 の見 学 等 で 確 認 し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 4 )-③  利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【判断基準】

a)利用者からの相談や意見を積極的に把握し、組織的かつ迅速に対応している。

b)利用者からの意見や意見を把握しているが、組織的かつ迅速に対応していない。

c)利用者からの相談や意見の把握、対応が十分ではない。

評価の着眼点□相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について定めたマ

ニュアル等を整備している。□対応マニュアル等の定期的な見直しを行っている。□職 員 は 、 日 々 の 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 に お い て 、利 用 者 が 相 談 し や す く 意 見 を 述 べ や す い よ うに 配 慮 し 、 適 切 な 相 談 対 応 と 意 見 の 傾 聴 に 努め て い る 。

□意見箱の設置、アンケートの実施等、利用者の意見を積極的に把握する取組を行っている。

□職員は、把握した相談や意見について、検討に時間がかかる場合に状況を速やかに説明することを含め迅速な対応を行っている。

□意見等にもとづき、福祉サービスの質の向上に関わる取組が行われている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 苦 情 に 限 定 す る も の で な く 、利 用 者 か ら の 意 見 や 要 望 、 提 案 へ の 組 織 的か つ 迅 速 な 対 応 に つ い て 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○苦 情 に 関 わ ら ず 、 福 祉 サ ー ビ ス の 内 容 や 生

活 環 境 の 改 善 等 に 関 す る 利 用 者 か ら の 意 見や 要 望 、 提 案 等 に 積 極 的 に 対 応 す る こ と が必 要 で す 。 施 設 に お い て は 、 利 用 者 か ら の苦 情 の み な ら ず 、 意 見 や 提 案 か ら 改 善 課 題を 明 ら か に し 、 福 祉 サ ー ビ ス の 質 を 向 上 させ て い く 姿 勢 が 求 め ら れ ま す 。

○苦 情 に つ い て 迅 速 な 対 応 を 行 う こ と は も とよ り 、 利 用 者 の 意 見 や 要 望 、 提 案 等 に つ いて も 可 能 な 限 り 迅 速 に 対 応 す る 体 制 を 整 える こ と が 、 福 祉 サ ー ビ ス の 質 と 利 用 者 か らの 信 頼 を 高 め る た め に 有 効 で す 。

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○苦 情 解 決 同 様 に 、 利 用 者 か ら の 意 見 や 要 望 、提 案 等 へ の 対 応 に つ い て も 仕 組 み を 確 立 する こ と が 重 要 で あ り 、 対 応 マ ニ ュ ア ル 等 の策 定 が 必 要 で す 。

○意 見 等 に 対 す る 施 設 の 方 針 を 伝 え 、 理 解 いた だ く こ と 取 組 も 含 ま れ ま す 。

○対 応 マ ニ ュ ア ル 等 に お い て は 、 利 用 者 の 意見 や 要 望 、 提 案 等 に も と づ く 福 祉 サ ー ビ スの 質 の 向 上 に 関 す る 姿 勢 を は じ め 、 苦 情 解決 の 仕 組 み 同 様 に 、 意 見 や 要 望 、 提 案 等 を受 け た 後 の 手 順 、 具 体 的 な 検 討 ・ 対 応 方 法 、記 録 方 法 、 利 用 者 へ の 経 過 と 結 果 の 説 明 、公 表 の 方 法 等 が そ の 内 容 別 に 具 体 的 に 記 載さ れ て い る こ と が 必 要 で す 。 ま た 、 仕 組 みを 効 果 的 な も の と す る 観 点 か ら マ ニ ュ ア ル等 に つ い て は 、 適 宜 見 直 し を 行 う こ と が 必要 と な り ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○意 見 や 要 望 、 提 案 等 へ の 対 応 マ ニ ュ ア ル の整 備 の ほ か 具 体 的 に 福 祉 サ ー ビ ス の 改 善 につ な げ て い る 取 組 も 含 め て 評 価 し ま す 。

○苦 情 解 決 の 仕 組 と 一 体 的 に 構 築 、 運 用 し てい る 施 設 の 場 合 に は 、 苦 情 解 決 の み な ら ず 、本 評 価 基 準 で い う 利 用 者 の 意 見 や 要 望 、 提案 等 へ の 対 応 が 実 際 に 行 わ れ て い る か 確 認し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 施 設 と し ての 取 組 を 聴 取 し 、 書 面 等 で 確 認 し ま す 。

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Ⅲ-1-(5) 安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組が行われている。

Ⅲ- 1 -( 5 )-①  安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制 が構築されている。

【判断基準】

a)リスクマネジメント体制を構築し、利用者の安心と安全を脅かす事例の収集と要因分析と対応策の検討・実施が適切に行われている。

b)リスクマネジメント体制を構築しているが、利用者の安心と安全を脅かす事例の収集や要因分析と対応策の検討・実施が十分ではない。

c)リスクマネジメント体制が構築されておらず、利用者の安心と安全を脅かす事例を組織として収集していない。

評価の着眼点□リスクマネジメントに関する責任者の明確化(リスクマネジャーの選任・配置)、リスクマネジメントに関する委員会を設置するなどの体制を整備している。

□事故発生時の対応と安全確保について責任、手順(マニュアル)等を明確にし、職員に周知している。

□利用者の安心と安全を脅かす事例の収集が積極的に行われている。□収集した事例をもとに、職員の参画のもとで発生要因を分析し、改善策・再発防止策を検討・実施する等の取組が行われている。

□職員に対して、安全確保・事故防止に関する研修を行っている。□事故防止策等の安全確保策の実施状況や実効性について、定期的に評価・見直しを行っている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 利 用 者 の 安 心 と 安 全 を 確 保し 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 を 図 る 観 点 か らリ ス ク マ ネ ジ メ ン ト 体 制 を 構 築 す る と と もに 、 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 報 告 や 事 故 報 告 等 の 事 例の 収 集 を 積 極 的 に 実 施 し 、 そ の 収 集 し た 事例 に つ い て 要 因 分 析 の 実 施 と 対 応 策 が 適 切に 講 じ ら れ て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○施 設 に お け る リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト の 目 的 は 、福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に あ り ま す 。 具 体的 な 取 組 と し て は 、 責 任 者 の 設 置 又 は 明 確化 、 リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 会 議 等( 体 制 づ く り 全 般 を は じ め 、 事 故 要 因 の 分

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析 、 改 善 策 ・ 再 発 防 止 策 等 を 検 討 す る 場 )の 設 置 、 事 故 発 生 時 の 対 応 に お け る 責 任 と手 順 等 の 明 確 化 、 ヒ ヤ リ ハ ッ ト ・ 事 故 報 告の 収 集 、 こ れ ら 報 告 に も と づ く 要 因 分 析 と改 善 策 ・ 再 発 防 止 等 の 実 施 が 基 本 的 な 事 項と な り ま す 。

○ま た 、 こ れ ら を リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト 規 程 等と し て 定 め て お く こ と 、 研 修 の 実 施 や 個 々の 取 組 に つ い て 定 期 的 な 見 直 し と 改 善 を 図る こ と は 、 体 制 の 構 築 と 施 設 の 実 態 に そ くし た 効 果 的 な 取 組 の た め に 有 効 で す 。

○ヒ ヤ リ ハ ッ ト ・ 事 故 報 告 や 事 例 等 の 収 集 は 、福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 の 観 点 か ら 、 職 員間 の 情 報 共 有 を は じ め 、 要 因 分 析 の 実 施 や改 善 策 ・ 再 発 防 止 策 を 講 じ る た め に 行 う もの で す 。 ま た 、 取 組 を 通 じ て 、 職 員 の 「 危険 へ の 気 づ き 」 を 促 す 効 果 も 生 ま れ ま す 。よ っ て 、 職 員 個 人 の 反 省 を 促 し た り 、 責 任を 追 及 し た り す る た め の も の で は な い と いう こ と に 留 意 が 必 要 で す 。

○福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 に 関 わ る 設 備 ・ 機 器 類の 日 頃 か ら の 安 全 確 認 や 定 期 的 な メ ン テ ナン ス も 、 日 常 的 に 利 用 者 の 安 心 ・ 安 全 に 配慮 し た 福 祉 サ ー ビ ス の 前 提 と し て 重 要 で す 。ま た 、 外 部 か ら の 侵 入 者 へ の 対 応 等 に つ いて も 、 施 設 の 特 性 に 応 じ て 検 討 ・ 対 応 し ます 。

○リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト の 体 制 整 備 の 面 で は 管理 者 の リ ー ダ ー シ ッ プ が 欠 か せ ま せ ん 。 また 、 具 体 的 な 対 策 を 講 じ る 際 に は 福 祉 サ ービ ス を 提 供 す る 現 場 に お け る 知 恵 と 工 夫 を活 用 し た 取 組 が 最 も 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○事 故 発 生 時 の 適 切 な 対 応 と 利 用 者 の 安 全 確保 が な さ れ て い る こ と を 前 提 と し 、 リ ス クマ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 責 任 者 の 設 置 又 は 明確 化 、 リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 会 議 等の 設 置 ・ 開 催 状 況 の み な ら ず 、 ヒ ヤ リ ハ ット 報 告 ・ 事 故 報 告 が 収 集 さ れ 、 要 因 分 析 と改 善 策 ・ 再 発 防 止 策 の 検 討 ・ 実 施 が な さ れて い る か 評 価 し ま す 。

○ヒ ヤ リ ハ ッ ト 報 告 ・ 事 故 報 告 の 分 類 や 一 覧表 の 作 成 等 に 留 ま ら ず 、 組 織 的 ・ 継 続 的 な要 因 分 析 と 改 善 策 ・ 再 発 防 止 策 の 検 討 ・ 実施 に 結 び つ い て い る こ と が 必 要 で す 。

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○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 具 体 的 な 取組 を 書 面 と 聴 取 に よ っ て 確 認 し ま す 。 書 面が な く 、 職 員 会 議 等 で 事 故 防 止 に 向 け た 意識 啓 発 を し て い る と い う よ う な 取 組 の み の場 合 に は 、 「 c 」 評 価 と し ま す 。

○感 染 症 に 関 す る リ ス ク ( 対 策 ) に つ い て は 、次 項 「 Ⅲ - 1 - ( 5 ) -② 」 で 評 価 し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 5 )-②  感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、 取組を行っている。

【判断基準】

a)感染症の予防策が講じられ、発生時等の緊急時の利用者の安全確保について組織として体制を整備し、取組を行っている。

b)感染症の予防策が講じられ、発生時等の緊急時の利用者の安全確保について組織として体制を整備しているが、取組が十分ではない。

c)感染症の予防策が講じられていない。

評価の着眼点□感染症対策について、責任と役割を明確にした管理体制が整備されている。□感染症の予防と発生時等の対応マニュアル等を作成し、職員に周知徹底している。□担当者等を中心にして、定期的に感染症の予防や安全確保に関する勉強会等を開催している。

□感染症の予防策が適切に講じられている。□感染症の発生した場合には対応が適切に行われている。□感染症の予防と発生時等の対応マニュアル等を定期的に見直している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 感 染 症 の 予 防 策 が 適 切 に 講

じ ら れ て い る と と も に 、 発 生 時 等 の 緊 急 時の 利 用 者 の 安 全 確 保 に つ い て 組 織 と し て 体制 を 整 備 し 、 取 組 を 行 っ て い る こ と を 評 価し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 の 生 命 と 健 康 に と っ て 感 染 症 の 予 防と 感 染 症 発 生 時 の 適 切 な 対 応 は 非 常 に 重 要な 取 組 と い え ま す 。

○感 染 症 の 予 防 ・ 対 応 に つ い て も 、 福 祉 サ ービ ス の 質 の 向 上 を 目 的 と す る リ ス ク マ ネ ジメ ン ト と 同 様 に 、 マ ニ ュ ア ル 等 を 整 備 し たう え で 、 施 設 内 の 体 制 を 確 立 し 実 行 し て いく こ と が 必 要 で す 。 具 体 的 に は 、 ① 責 任 を明 確 に し た 安 全 確 保 の た め の 体 制 の 確 立( 緊 急 時 の 対 応 体 制 を 含 む ) 、 ② 担 当 者 ・担 当 部 署 の 設 置 、 ③ 定 期 的 な 検 討 の 場 の 設置 、 ④ 感 染 症 予 防 策 等 の 定 期 的 な 評 価 ・ 見直 し の 実 施 等 が 挙 げ ら れ ま す 。

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○感 染 症 に つ い て は 、 季 節 、 福 祉 サ ー ビ ス の提 供 場 面 に 応 じ た 適 切 な 対 応 が 必 要 で あ り 、感 染 症 の 予 防 と 発 生 時 等 の 対 応 マ ニ ュ ア ル等 を 作 成 し た う え で 、 職 員 が 十 分 に 理 解 し 、日 頃 か ら 取 組 を 進 め る こ と が 必 要 で す 。

○対 応 マ ニ ュ ア ル 等 に つ い て は 、 保 健 医 療 の専 門 職 の 適 切 な 助 言 ・ 指 導 の も と に 作 成 され て い る こ と も 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 具 体 的 な 取組 を 書 面 と 聴 取 に よ っ て 確 認 し ま す 。 書 面が な く 職 員 会 議 等 で 感 染 症 予 防 に 向 け た 意識 啓 発 を し て い る と い う よ う な 取 組 の み の場 合 に は 、 「 c 」 評 価 と し ま す 。

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Ⅲ- 1 -( 5 )-③  災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【判断基準】

a)地震、津波、豪雨、大雪等の災害に対して、利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

b)地震、津波、豪雨、大雪等の災害に対して、利用者の安全確保のための取組を行っているが、十分ではない。

c)地震、津波、豪雨、大雪等の災害に対して、利用者の安全確保のための取組を行っていない。

評価の着眼点□施設防災計画を策定するなど、災害時の対応体制が決められている。□立地条件等から災害の影響を把握し、事業継続計画を策定するなど建物・設備類、福祉サービス提供を継続するために必要な対策を講じている。

□利用者及び職員の安否確認の方法が決められ、すべての職員に周知されている。□食料や備品類等の備蓄リストを作成し、管理者を決めて備蓄を整備している。□防災計画等整備し、地元の行政をはじめ、消防署、警察、自治会、福祉関係団体等と

連携するなど、体制をもって訓練を実施している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 地 震 、 津 波 、 豪 雨 、 大 雪 等の 災 害 に 対 し て 、 利 用 者 の 安 全 確 保 の た めの 取 組 を 積 極 的 に 行 っ て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 の 安 全 を 確 保 す る た め に は 、 福 祉サ ー ビ ス 上 の リ ス ク や 感 染 症 対 策 の み な らず 、 災 害 時 に お け る 安 全 確 保 の た め の 対 策を 講 じ る 必 要 が あ り ま す 。

○そ の た め 施 設 に お い て は 、 施 設 防 災 計 画 とし て 災 害 時 の 対 応 体 制 ( 災 害 時 の 職 員 体 制 、災 害 時 の 避 難 先 、 避 難 方 法 、 ル ー ト の 確 認等 ) を あ ら か じ め 定 め て お く こ と が 求 め られ ま す 。

○訪 問 ・ 通 所 に よ る 福 祉 サ ー ビ ス を 提 供 す る施 設 で は 、 災 害 発 生 時 の 安 否 確 認 に つ い て 、他 の 施 設 や 自 治 体 等 と 連 携 し て 行 う 方 法 を決 定 ・ 確 認 し て お く 必 要 が あ り ま す 。 ま た 、通 所 施 設 に つ い て は 、 利 用 者 や 家 族 と 話 し

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合 う 、 家 族 へ の 引 継 ぎ の 方 策 な ど を 決 め てお く こ と な ど が 求 め ら れ ま す 。

○施 設 に お い て は 、 災 害 時 に お い て も 、 利 用者 の 安 全 を 確 保 す る と と も に 福 祉 サ ー ビ スを 継 続 す る こ と が 求 め ら れ ま す 。 「 事 業( 福 祉 サ ー ビ ス ) の 継 続 」 の 観 点 か ら 、 事業 継 続 計 画 の 策 定 な ど 災 害 等 に 備 え た 事 前準 備 ・ 事 前 対 策 を 講 じ る こ と が 重 要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○消 防 計 画 の 策 定 な ど 法 律 で 定 め ら れ た 事 項や 監 査 事 項 の 対 策 に と ど ま ら ず 、 実 効 性 の高 い 取 組 を 積 極 的 に 行 っ て い る か ど う か を確 認 し ま す 。 た と え ば 、 ハ ー ド 面 で は 立 地条 件 か ら 災 害 の 影 響 を 把 握 す る 、 耐 震 診 断を 受 け て 必 要 な 耐 震 措 置 を 実 施 す る 、 設 備等 の 落 下 防 止 措 置 を 講 じ る 、 消 火 設 備 を 充実 さ せ る 、 食 料 や 備 品 な ど の 備 蓄 を 整 備 する な ど が 挙 げ ら れ ま す 。

○ソ フ ト 面 で は 、 施 設 防 災 計 画 の 策 定 な ど 災害 発 生 時 の 体 制 を 整 備 す る 、 利 用 者 及 び 職員 の 安 否 確 認 の 方 法 の 確 立 し 全 職 員 に 周 知す る 、 災 害 発 生 時 の 初 動 時 の 対 応 や 出 勤 基準 な ど を 示 し た 行 動 基 準 を 策 定 し 、 全 職 員に 周 知 を 図 る 、 定 期 的 に 訓 練 を 行 い 、 対 策の 問 題 点 の 把 握 や 見 直 し を 行 う な ど が 挙 げら れ ま す 。

○特 に 、 本 県 は 、 風 水 害 に よ る 被 害 が 多 い 地域 で あ り 、 ま た 、 南 海 地 震 等 の 発 生 に よ る被 害 が 懸 念 さ れ て い ま す 。

○通 所 施 設 で は 、 災 害 時 の 対 応 に つ い て 保 護者 等 と 話 し 合 う 、 保 護 者 等 へ の 引 継 ぎ の 方策 な ど を 決 め て お く こ と な ど が あ げ ら れ ます 。

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Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保

Ⅲ-2-(1) 提供する福祉サービスの標準的な実施方法が確立している。

Ⅲ- 2 -( 1 )-①  提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービ スが提供されている。

【判断基準】

a)提供する福祉サービスについて、標準的な実施方法が文書化され、それにもとづいた福祉サービスが実施されている。

b)提供する福祉サービスについて、標準的な実施方法が文書化されているが、それにもとづいた福祉サービスの実施が十分ではない。

c)提供する福祉サービスについて、標準的な実施方法が文書化されていない。

評価の着眼点□標準的な実施方法が適切に文書化されている。□標準的な実施方法には、利用者の尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関わる姿勢が明示されている。

□標準的な実施方法について、研修や個別の指導等によって職員に周知徹底するための方策を講じている。

□標準的な実施方法にもとづいて実施されているかどうかを確認する仕組みがある。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 施 設 に お け る 福 祉 サ ー ビ スの 標 準 的 な 実 施 方 法 が 文 書 化 さ れ 、 そ れ にも と づ い て 福 祉 サ ー ビ ス が 適 切 に 実 施 さ れて い る こ と を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○施 設 に お け る 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 ・ 実 践 は 、利 用 者 の 特 性 や 必 要 と す る 支 援 等 に 応 じ て柔 軟 に 行 わ れ る べ き も の で あ り 、 い わ ば 標準 化 で き る 内 容 と 個 別 的 に 提 供 ・ 実 践 す べき 内 容 の 組 合 せ で す 。

○標 準 化 と は 、 画 一 化 と は 異 な り 、 福 祉 サ ービ ス を 提 供 す る 職 員 誰 も が 必 ず 行 わ な く ては な ら な い 基 本 と な る 部 分 を 共 通 化 す る こと で あ り 、 個 別 的 な 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 と相 補 的 な 関 係 に あ る も の と い え ま す 。 す べて の 利 用 者 に 対 す る 画 一 的 な 福 祉 サ ー ビ ス

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実 施 を 目 的 と し た マ ニ ュ ア ル 化 を 求 め る もの で は あ り ま せ ん 。

○標 準 化 と は 、 各 施 設 に お け る 利 用 者 の 特 性等 を 踏 ま え た 標 準 的 な 実 施 方 法 等 を 定 め 、職 員 の 違 い 等 に よ る 福 祉 サ ー ビ ス の 水 準 や内 容 の 差 異 を 極 力 な く し 一 定 の 水 準 、 内 容を 常 に 実 現 す る こ と を 目 指 す も の で す 。 標準 的 な 実 施 方 法 を 定 め 、 一 定 の 水 準 、 内 容を 保 っ た う え で 、 そ れ ぞ れ の 利 用 者 の 個 別性 に 着 目 し た 対 応 を 行 う こ と が 必 要 で す 。

○標 準 的 な 実 施 方 法 は 、 文 書 化 さ れ 、 職 員 が十 分 に 理 解 し て い る こ と が 不 可 欠 で す 。 標準 的 な 実 施 方 法 に は 、 基 本 的 な 相 談 ・ 援 助技 術 に 関 す る も の だ け で な く 、 福 祉 サ ー ビス 実 施 時 の 留 意 点 や 利 用 者 の プ ラ イ バ シ ーへ の 配 慮 、 設 備 等 の 施 設 の 環 境 に 応 じ た 業務 手 順 等 も 含 ま れ 、 実 施 す る 福 祉 サ ー ビ ス全 般 に わ た っ て 定 め ら れ て い る こ と が 求 めら れ ま す 。

○ま た 、 標 準 的 な 実 施 方 法 に 基 づ い て 実 施 され て い る こ と を 組 織 と し て 確 認 す る た め の仕 組 み を 整 備 し 、 標 準 的 な 実 施 方 法 に そ ぐわ な い 福 祉 サ ー ビ ス が 提 供 さ れ て い る 場 合の 対 応 方 法 に つ い て も 定 め て お く こ と が 必要 で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○標 準 的 な 実 施 方 法 に つ い て は 、 文 書 化 さ れて い る こ と 、 ま た 、 こ れ に も と づ い た 福 祉サ ー ビ ス の 提 供 状 況 に つ い て 確 認 し ま す 。具 体 的 に は 、 標 準 的 な 実 施 方 法 ( 文 書 ) の活 用 状 況 と 職 員 の 理 解 を 図 る た め の 取 組 や工 夫 、 個 別 的 な 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 と の関 係 性 、 標 準 的 な 実 施 方 法 に そ っ た 福 祉サ ー ビ ス の 提 供 が な さ れ て い る か 確 認 す る仕 組 み の 有 無 等 に よ り 、 総 合 的 に 評 価 し ます 。

○標 準 的 な 実 施 方 法 を 記 載 し た 文 書 は 、 職 員が い つ で も 閲 覧 で き 、 日 常 的 に 活 用 し て いる 状 態 に あ る か 確 認 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 書 面 を 確 認す る と と も に 、 関 係 職 員 へ の 聴 取 等 に よ って 確 認 し ま す 。

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Ⅲ- 2 -( 1 )-②  標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【判断基準】

a)標準的な実施方法について定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定め、仕組みのもとに検証・見直しを行っている。

b)標準的な実施方法について定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよう仕組みを定めているが、検証・見直しが十分ではない。

c)標準的な実施方法について、組織的な検証・見直しの仕組みを定めず、定期的な検証をしていない。

評価の着眼点□福祉サービスの標準的な実施方法の検証・見直しに関する時期やその方法が組織で定められている。

□福祉サービスの標準的な実施方法の検証・見直しが定期的に実施されている。□検証・見直しにあたり、個別的な福祉サービス実施計画の内容が必要に応じて反映されている。

□検証・見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案が反映されるような仕組みになっている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 標 準 的 な 実 施 方 法 に つ い て 、定 期 的 に 現 状 を 検 証 し 、 必 要 な 見 直 し を 組織 的 に 行 う た め の 仕 組 み が 定 め ら れ て い るか 、 そ の 仕 組 み の も と に 見 直 し が 実 施 さ れて い る か ど う か を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○標 準 的 な 実 施 方 法 に つ い て は 、 利 用 者 が 必要 と す る 福 祉 サ ー ビ ス 内 容 の 変 化 や 新 た な知 識 ・ 技 術 等 の 導 入 を 踏 ま え 、 定 期 的 に 現状 を 検 証 し 、 必 要 な 見 直 し を 行 う こ と が 必要 で す 。 ま た 、 検 証 や 見 直 し に つ い て は 、施 設 と し て 方 法 や 仕 組 み を 定 め 、 こ れ の もと に 継 続 的 に 実 施 さ れ る こ と が 、 福 祉 サ ービ ス の 質 の 向 上 に と っ て 必 要 で す 。

○標 準 的 な 実 施 方 法 の 見 直 し は 、 職 員 や 利 用者 等 か ら の 意 見 や 提 案 に も と づ き 、 ま た 、個 別 的 な 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 状 況 を 踏ま え 行 わ れ な け れ ば な り ま せ ん 。

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○標 準 的 な 実 施 方 法 を 定 期 的 に 見 直 す こ と は 、福 祉 サ ー ビ ス の 質 に 関 す る 職 員 の 共 通 意 識を 育 て る と と も に 、 PDCAの サ イ ク ル に よ っ て 、質 に 関 す る 検 討 が 組 織 と し て 継 続 的 に 行 われ て い る と い う 意 味 を あ わ せ 持 っ て い ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 、 標 準 的 な実 施 方 法 ( 文 書 ) の 改 訂 記 録 や 検 討 会 議 の記 録 等 、 書 面 を も っ て 確 認 し ま す 。

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Ⅲ-2-(2) 適切なアセスメントにより福祉サービス実施計画が策定されている。

Ⅲ- 2 -( 2 )-①  アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定し ている。

【判断基準】

a)利用者一人ひとりの福祉サービス実施計画を策定するための体制が確立しており、取組を行っている。

b)利用者一人ひとりの福祉サービス実施計画を策定するための体制が確立しているが、取組が十分ではない。

c)利用者一人ひとりの福祉サービス実施計画を策定するための体制が確立していない。

評価の着眼点□福祉サービス実施計画策定の責任者を設置している。□アセスメント手法が確立され、適切なアセスメントが実施されている。□部門を横断したさまざまな職種の関係職員(種別によっては組織以外の関係者も)が

参加して、アセスメント等に関する協議を実施している。□福祉サービス実施計画には、利用者一人ひとりの具体的なニーズが明示されている。□福祉サービス実施計画を策定するための部門を横断したさまざまな職種による関係職員(種別によっては組織以外の関係者も)の合議、利用者の意向把握と同意を含んだ手順を定めて実施している。

□福祉サービス実施計画どおりに福祉サービスが行われていることを確認する仕組みが構築され、機能している。

□支援困難ケースへの対応について検討し、積極的かつ適切な福祉サービスの提供が行われている。

□サービス責任者は、利用者及び家族に面接を行い、適切な方法により、利用者の身体状況や、生活状況、行動の特徴、将来の生活についての希望等を、組織が定めた統一した様式によって把握し記録している。

□入所前に担当していた居宅介護支援専門員等から利用者の情報収集を行っている。□施設サービス計画作成の根拠となることを意識してアセスメントを行い、利用者は生

活者であり、自らの生活を決める主体であることを基本に、利用者の生活意欲を引き出すように働きかけている。

□心身の障害だけでなく、社会参加など生活の質(QOL)を高めるためのニーズの把握に努め、施設に入ることで充足されるニーズや施設に入ることで新たに発生するニーズを明確にしている。

□ニーズを正しく把握するための客観的な分析と、利用者の希望や家族の思いなどを尊重して課題を設定している。

□利用者のこれまでのライフスタイルや価値観を考慮し、その人がどういう生き方を望んでいるか、利用者本位の視点に立って考えている

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□利用者や家族・地域の社会資源が持っている「生活の力や介護の力」を把握して、どうすれば在宅復帰が可能か検討している。

□サービス実施計画には、一人ひとりの利用者について、日常生活全般を支援する観点に立った上での留意点などが具体的に記載されている。

□サービス実施計画は、利用者の居宅生活への復帰を目指したものとなっている。□サービス実施計画には、利用者の持つ残存能力を引き出し、利用者が意欲的な入所生

活を送れるような長期目標・短期目標が明確に記載されている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 策定 に 関 す る 体 制 が 確 立 し 、 ア セ ス メ ン ト にも と づ く 適 切 な 個 別 的 な 福 祉 サ ー ビ ス 実 施計 画 が 策 定 さ れ て い る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 の 特 性 や 状 態 、 必 要 な 支 援 等 の 内 容に 応 じ た 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 に お い て 、 利用 者 ニ ー ズ 等 の 適 切 な ア セ ス メ ン ト に も とづ く 「 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 」 、 つ ま り 個別 的 な 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 ( 利 用 者 一 人ひ と り に つ い て ニ ー ズ と 具 体 的 な サ ー ビ ス内 容 等 が 記 載 さ れ た 個 別 計 画 、 施 設 ケ ア プラ ン ) が 必 要 で す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 策 定 に あ た っ て は 、施 設 で の 体 制 が 確 立 し て い る こ と が 不 可 欠で す 。 具 体 的 に は 、 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画策 定 の 責 任 者 を 設 置 ・ 明 確 化 す る と と も に 、ア セ ス メ ン ト か ら 計 画 の 作 成 、 実 施 、 評価 ・ 見 直 し に 至 る プ ロ セ ス を 定 め る 必 要 があ り ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 策 定 の 責 任 者 に つ いて は 、 必 ず し も サ ー ビ ス 実 施 計 画 を 直 接 作成 す る 者 を 意 味 し て い ま せ ん 。 各 部 門 の 担当 者 の 意 見 を 、 集 約 ・ 調 整 す る 場 ( サ ー ビ ス担 当 者 会 議 ) を 設 定 し 、 そ の 場 に 参 画 し て福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 内 容 の 決 定 ま で を統 括 す る 、 ま た 家 族 へ の 連 絡 や 説 明 等 を 行う 、 等 が 責 任 者 に 求 め ら れ る 役 割 で す 。

○ア セ ス メ ン ト は 、 利 用 者 の 身 体 状 況 や 生 活状 況 等 を 把 握 す る と と も に 、 利 用 者 に ど のよ う な サ ー ビ ス 実 施 上 の ニ ー ズ が あ る か を明 ら か に す る こ と を 目 的 と し ま す 。 利 用 者の 状 況 を 正 確 に 把 握 し 、 ニ ー ズ を 明 ら か にす る こ と は 、 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 を 作 成

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す る 基 本 と な る 重 要 な プ ロ セ ス で す 。 身 体状 況 や 生 活 状 況 あ る い は ニ ー ズ を 組 織 が 定め た 手 順 と 様 式 に よ っ て 把 握 す る 必 要 が あり ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 開 始 直 後 に は 、 事 前 に 把 握 して い た 身 体 状 況 や 生 活 状 況 等 が 実 際 と 異な っ て い る 場 合 も あ る た め 、 そ の よ う な 状況 も 視 野 に 入 れ た ア セ ス メ ン ト が 行 わ れ る必 要 が あ り ま す 。

○ア セ ス メ ン ト に つ い て は 、 ① サ ー ビ ス 開 始前 後 に お け る ア セ ス メ ン ト に 関 す る 手 順 が組 織 と し て 定 め ら れ て い る こ と 、 ② 手 順 は正 確 な ア セ ス メ ン ト を 行 う た め に 計 画 的 なも の に な っ て い る こ と 、 ③ そ の 手 順 の も とに 実 施 さ れ て い る こ と 、 ④ ア セ ス メ ン ト によ っ て 、 利 用 者 全 員 に つ い て 、 個 別 に 具 体的 な ニ ー ズ が 明 示 さ れ て い る こ と が 求 め られ ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 は 、 医 療 や リ ハ ビ リ 、メ ン タ ル 面 で の 支 援 等 も 含 め た 総 合 的 な 視点 で 作 成 さ れ な け れ ば な ら な い こ と 、 実 施状 況 の 評 価 ・ 見 直 し に あ た っ て も 、 QO L を含 め 、 総 合 的 な 視 点 か ら 利 用 者 の よ り 良 い状 態 を 検 討 す る 必 要 が あ り ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 は 、 利 用 者 の 居 宅 生活 へ の 復 帰 を 目 指 し た も の と な っ て い る こと が 必 要 で す

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○利 用 者 一 人 ひ と り の 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画の 策 定 が 、 法 令 上 求 め ら れ る 施 設 に つ い ては 、 ア セ ス メ ン ト か ら 計 画 策 定 、 実 施 、 評価 ・ 見 直 し と い っ た 一 連 の プ ロ セ ス が 適 切に 行 わ れ て い る こ と を 基 本 と し ま す 。 ま た 、利 用 者 の 希 望 や ニ ー ズ を 適 切 に 反 映 し た 内容 と な っ て い る か 、 計 画 に も と づ く 福 祉サ ー ビ ス の 提 供 が な さ れ て い る か 、 福 祉サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 結 び つ く 活 用 が な され て い る か と い っ た 観 点 か ら 評 価 し ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 策 定 に お け る 責 任 者の 役 割 に つ い て 、 役 割 分 担 し て 実 施 し て いる 場 合 が あ り ま す 。 役 割 分 担 は 、 組 織 の 状況 に 応 じ て 異 な り ま す の で 、 組 織 と し て 福祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 策 定 方 法 が 定 ま っ てい る こ と 、 そ れ ぞ れ の 担 当 者 が そ の 定 め られ た 方 法 に お け る 役 割 を 果 た し て い る こ と 、

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そ し て 責 任 者 は 、 こ れ ら の 内 容 を 掌 握 し 必要 に 応 じ て 助 言 ・ 指 導 を 行 っ て い る こ と をも っ て 役 割 を 果 た し て い る と 評 価 し ま す 。

○ア セ ス メ ン ト 結 果 を 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画に 適 切 に 反 映 さ れ て い る か ど う か に つ い ては 、 ア セ ス メ ン ト 結 果 を 福 祉 サ ー ビ ス 実 施計 画 に 反 映 さ せ る 際 に 関 係 職 員 で 協 議 を 実施 し て い る か 、 ア セ ス メ ン ト 結 果 か ら 課 題解 決 の た め の 目 標 と 、 目 標 達 成 に 向 け た 具体 的 な 対 応 策 を 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 に 反映 し て い る か 等 を 記 録 等 か ら 判 断 し ま す 。

○利 用 者 の 意 向 の 反 映 に つ い て は 、 サ ー ビ ス実 施 計 画 に 利 用 者 の 意 向 が 明 示 さ れ て い るこ と に よ っ て 、 意 向 を 踏 ま え た 計 画 が 策 定さ れ て い る と 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 、 福 祉 サ ービ ス 実 施 計 画 の 策 定 ・ 実 施 の プ ロ セ ス 、 責任 及 び 役 割 分 担 体 制 の 実 態 が ど の よ う にな っ て い る か を 具 体 的 に 聴 取 し た う え で 、利 用 者 数 名 分 の 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 及 びア セ ス メ ン ト 票 等 を 抽 出 し て 、 書 面 の 確 認と 担 当 者 へ の 聴 取 を 行 い ま す 。

○ま た 、 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 が 日 常 的 な 福祉 サ ー ビ ス の 提 供 場 面 で ど の よ う に 実 施 され て い る か 、 記 録 と 職 員 か ら の 聴 取 に よ り確 認 し ま す 。

○組 織 と し て ア セ ス メ ン ト を ま っ た く 行 っ てい な い こ と は 想 定 し て い ま せ ん が 、 そ の 場合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。

○利 用 者 一 人 ひ と り の 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画が 作 成 さ れ て い な い こ と は 想 定 し て い ま せん が 、 そ の 場 合 は 「 c 」 評 価 と し ま す 。 福祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 策 定 が 法 令 上 求 め られ る の で 、 法 令 違 反 と な り ま す の で 、 早 急な 改 善 ・ 策 定 が 求 め ら れ る こ と は い う ま でも あ り ま せ ん 。

  * 介 護 保 険 施 設 等 の サ ー ビ ス 担 当 者老 人福 祉施 設

生 活 相 談 員 、 介 護 職 員 、 看 護 職員 、 栄 養 士 、 機 能 訓 練 指 導 員 、 医師   等

老 人保 健施 設

医 師 、 薬 剤 師 、 看 護 職 員 、 介 護 職員 、 支 援 相 談 員 、 理 学 療 法 士 、 作業 療 法 士 、 栄 養 士 、 調 理 員 、 事 務員 、 言 語 聴 覚 士 、 等

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Ⅲ- 2 -( 2 )-②  定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【判断基準】

a)福祉サービス実施計画について、実施状況の評価と実施計画の見直しに関する手順を組織として定めて実施している。

b)福祉サービス実施計画について、実施状況の評価と実施計画の見直しに関する手順を組織として定めて実施しているが、十分ではない。

c)福祉サービス実施計画について、実施状況の評価と実施計画の見直しに関する手順を組織として定めて実施していない。

評価の着眼点□福祉サービス実施計画の見直しについて、見直しを行う時期、検討会議の参加職員、利用者の意向把握と同意を得るための手順等、組織的な仕組みを定めて実施している。

□見直しによって変更した福祉サービス実施計画の内容を、関係職員に周知する手順を定めて実施している。

□福祉サービス実施計画を緊急に変更する場合の仕組みを整備している。□福祉サービス実施計画の評価・見直しにあたっては、標準的な実施方法に反映すべき事項、福祉サービスを十分に提供できていない内容(ニーズ)等、福祉サービスの質の向上に関わる課題等が明確にされている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 に つい て 、 実 施 状 況 の 評 価 と 実 施 計 画 の 見 直 しに 関 す る 手 順 を 組 織 と し て 定 め て 実 施 し てい る か 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 一 人 ひ と り に 対 す る 福 祉 サ ー ビ ス の

質 の 向 上 を 継 続 的 に 図 る た め に は 、 策 定 した 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 に つ い て 、 P D CA の サ イ ク ル を 継 続 し て 実 施 す る こ と によ っ て 、 恒 常 的 な 取 組 に し て い か な け れ ばな り ま せ ん 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 評 価 ・ 見 直 し に 関す る 組 織 と し て 決 定 さ れ た 手 順 が 定 め ら れ 、実 施 さ れ て い る 必 要 が あ り ま す 。 評 価 ・ 見直 し を 行 う 時 期 の 設 定 や 記 録 の 方 法 、 実 施計 画 変 更 の 手 順 と 関 係 職 員 へ の 周 知 の 方 法等 が 明 示 さ れ て い る こ と が 望 ま れ ま す 。

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○ま た 、 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 状 況 が 責 任 者 に 確実 に 伝 わ る 仕 組 み が 必 要 で す 。 実 施 記 録 での 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 状 況 の 確 認 や 、 担 当 者か ら の 報 告 ル ー ト 等 が 、 シ ス テ ム と し て 成立 し て お り 、 責 任 者 が 総 合 的 な 視 点 で 情 報を 管 理 し て い る 状 態 を 求 め て い ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 策 定 及 び 定 期 的 な見 直 し が 法 令 上 求 め ら れ る 施 設 は も と よ り 、そ れ 以 外 の 施 設 に つ い て も 、 適 切 な 期 間 ・方 法 で 計 画 の 見 直 し が 実 施 さ れ て い る か 、計 画 の 評 価 ・ 見 直 し に あ た っ て は 、 標 準 的な 実 施 方 法 に 反 映 す べ き 事 項 、 福 祉 サ ー ビス を 十 分 に 提 供 で き て い な い 内 容 ( ニ ーズ ) な ど 、 福 祉 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 関 わる 課 題 等 が 明 確 に さ れ て 、 福 祉 サ ー ビ ス の質 の 向 上 に 結 び つ く 積 極 的 な 取 組 が な さ れて い る か を 評 価 し ま す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 見 直 し で は 、 目 標

そ の も の の 妥 当 性 や 、 具 体 的 な 支 援 や 解 決方 法 の 有 効 性 等 に つ い て 検 証 す る と と も に 、変 更 に 関 す る 利 用 者 の 意 向 の 確 認 と 同 意 を得 ら れ て い る か が 留 意 点 で す 。

○定 期 的 な 評 価 結 果 に 基 づ い て 、 必 要 が あ れば サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 内 容 を 変 更 し て い るか ど う か を 、 記 録 等 と 実 施 計 画 等 の 書 面 によ っ て 評 価 し ま す 。

○福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 定 期 的 な 評 価 ・ 見直 し が 、 法 令 上 求 め ら れ る の で 、 取 り 組 みが な さ れ て い な い 場 合 に は 、 法 令 違 反 と なり ま す の で 、 早 急 な 改 善 ・ 策 定 が 求 め ら れる こ と は い う ま で も あ り ま せ ん 。

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Ⅲ-2-(3) 福祉サービス実施の記録が適切に行われている。

Ⅲ- 2 -( 3 )-①  利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共 有化さている。

【判断基準】

a)利用者一人ひとりの福祉サービス実施計画の実施状況が適切に記録され、職員間で共有化されている。

b)利用者一人ひとりの福祉サービス実施計画の実施状況が記録されているが、職員間での共有化が十分ではない。

c)利用者一人ひとりの福祉サービス実施計画の実施状況が記録されていない。

評価の着眼点□利用者の身体状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって把握し記録している。

□サービス実施計画にもとづくサービスが実施されていることを記録により確認することができる。

□記録する職員で記録内容や書き方に差異が生じないように、記録要領の作成や職員への指導等の工夫をしている。

□組織における情報の流れが明確にされ、情報の分別や必要な情報が的確に届くような仕組みが整備されている。

□情報共有を目的とした会議の定期的な開催等、部門横断での取組がなされている。□パソコンのネットワークシステムを利用や記録ファイルの回覧等を実施して、事業所内で情報を共有する仕組みが整備されている。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 利 用 者 一 人 ひ と り の 福 祉サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 実 施 状 況 が 適 切 に 記 録さ れ る と と も に 、 職 員 間 で 共 有 化 さ れ て いる こ と を 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 一 人 ひ と り に 対 す る 福 祉 サ ー ビ ス の実 施 状 況 は 、 組 織 の 規 定 に し た が っ て 統 一し た 方 法 で 記 録 さ れ る 必 要 が あ り ま す 。 記録 は 、 職 員 の 情 報 の 共 有 化 を 図 る と と も に 、福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 評 価 ・ 見 直 し を 行う 際 の 基 本 情 報 と な り ま す 。

○適 切 に 記 録 さ れ て い る と は 、 福 祉 サ ー ビ ス実 施 計 画 に そ っ て ど の よ う な サ ー ビ ス が 実

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施 さ れ た の か 、 そ の 結 果 と し て 利 用 者 の 状態 は ど の よ う に 推 移 し た か 、 に つ い て 具 体的 に 記 録 さ れ て い る こ と を 指 し ま す 。 な お 、サ ー ビ ス 記 録 の 様 式 は 、 「 施 設 介 護 支 援 経過 」 ( 第 7 表 ) や 援 助 目 標 の チ ェ ッ ク リ スト 等 に よ り 統 一 様 式 が 定 め ら れ て い る こ とが 必 要 で す 。

○ま た 、 記 録 の ほ か 、 利 用 者 の 状 況 等 に 関 する 情 報 の 流 れ や 共 通 化 に つ い て 、 組 織 と して の 取 組 を 評 価 し ま す 。

○利 用 者 の 状 況 等 に 関 す る 情 報 と は 、 利 用 者の 状 況 、 福 祉 サ ー ビ ス の 実 施 に あ た り 留 意す べ き 事 項 、 実 施 に 伴 う 状 況 の 変 化 、 ア セス メ ン ト や サ ー ビ ス 実 施 計 画 の 実 施 状 況 等 、利 用 者 に 関 わ る 日 々 の 情 報 す べ て を 指 し ます 。

○共 有 化 に つ い て は 、 知 っ て お く べ き 情 報 が職 員 に 正 確 に 伝 わ る 仕 組 み が 確 立 し て い るこ と が 必 要 で す 。 そ の 際 、 伝 え て は な ら ない 情 報 、 担 当 者 で 留 め て よ い 情 報 と 責 任 者等 へ 伝 え る べ き 情 報 、 他 部 門 へ の 伝 達 が 必要 な 情 報 、 速 や か に 伝 え る べ き 内 容 と 後 日整 理 し て 伝 え る べ き 内 容 等 が 的 確 に 分 別 され 、 決 め ら れ た 方 法 に よ っ て 伝 達 さ れ て いく こ と が 求 め ら れ ま す 。

○情 報 の 流 れ と 共 有 化 に つ い て 組 織 的 に 管 理す る こ と は 、 利 用 者 の 状 態 の 変 化 や 福 祉サ ー ビ ス 内 容 の 不 具 合 に 対 し て 、 速 や か な対 応 を 行 う た め に 欠 か せ な い も の で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○引 継 ぎ や 申 送 り 、 回 覧 等 は 当 然 に 行 わ れ てい る こ と と し て 捉 え 、 組 織 の 特 性 に 応 じ た共 有 化 へ の よ り 積 極 的 な 取 組 を 評 価 し ま す 。

○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 、 利 用 者 数名 の 福 祉 サ ー ビ ス 実 施 計 画 と 、 そ れ に 対 する 記 録 等 の 書 面 を 確 認 し ま す 。 ま た 、 利 用者 の 状 態 等 に 関 す る 情 報 に 関 す る 具 体 的 な取 組 を 聴 取 し 、 書 面 で も 確 認 し ま す 。

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Ⅲ- 2 -( 3 )-②  利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【判断基準】

a)利用者に関する記録の管理について規程が定められ、適切に管理が行われている。

b)利用者に関する記録の管理について規程が定められ管理が行われているが、十分ではない。

c)利用者に関する記録の管理について規程が定められていない。

評価の着眼点□個人情報保護規程等により、利用者の記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規定を定めている。

□個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応方法が規定されている。□記録管理の責任者が設置されている。□記録の管理について個人情報保護の観点から、職員に対し教育や研修が行われている。□職員は、個人情報保護規程等を理解し、遵守している。□個人情報の取扱いについて、利用者や家族に説明している。

評 価 基 準 の 考 え 方 と 評 価 の 留 意 点

( 1 ) 目 的○本 評 価 基 準 は 、 個 人 情 報 保 護 規 程 等 の 利 用者 の 記 録 の 管 理 に つ い て 規 定 が 定 め ら れ ると と も に 、 適 切 に 管 理 が 行 わ れ て い る こ とを 評 価 し ま す 。

( 2 ) 趣 旨 ・ 解 説○利 用 者 に 関 す る 記 録 の 管 理 に つ い て は 、 個人 情 報 保 護 と 情 報 開 示 の 2 つ の 観 点 か ら 管理 体 制 が 整 備 さ れ る 必 要 が あ り ま す 。

○施 設 が 保 有 す る 利 用 者 や 家 族 の 情 報 は 、 個人 的 な 情 報 で あ り 、 そ の 流 出 は 利 用 者 や 家族 に 大 き な 影 響 を 与 え る こ と か ら 、 情 報 が外 部 に 流 出 し な い 管 理 体 制 が 必 要 と な り ます 。 記 録 の 保 管 場 所 や 保 管 方 法 、 扱 い に 関す る 規 程 、 責 任 者 の 設 置 、 保 存 と 廃 棄 に 関す る 規 程 等 が 必 要 で す 。

○個 人 情 報 保 護 に つ い て は 「 個 人 情 報 の 保 護に 関 す る 法 律 ( 個 人 情 報 保 護 法 ) 」 と と もに 、 福 祉 ・ 介 護 分 野 に お け る 個 人 情 報 保 護に 関 す る ガ イ ド ラ イ ン 等 の 理 解 と 、 取 組 が求 め ら れ ま す 。

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  ○ 厚 生 労 働 省 は 、 「 福 祉 関 係 事 業 者 に お ける 個 人 情 報 の 適 正 な 取 扱 い の た め の ガ イ ドラ イ ン ( 平 成 16 年 11 月 30 日 通 達 ) 」 、 「 福祉 分 野 に お け る 個 人 情 報 保 護 に 関 す る ガ イド ラ イ ン ( 平 成 25 年 3 月 29 日 通 達 ) 」 、「 医 療 ・ 介 護 関 係 事 業 者 に お け る 個 人 情 報の 適 切 な 取 扱 い の た め の ガ イ ド ラ イ ン ( 平成 16 年 12 月 24 日 通 知 、 平 成 18 年 4 月 21 日 改正 、 平 成 22 年 9 月 17 日 改 正 ) を 示 し て い ます 。

○一 方 、 情 報 開 示 に つ い て は 、 利 用 者 や 家 族等 か ら 情 報 開 示 を 求 め ら れ た 際 の ル ー ル ・規 程 が 必 要 で す 。 情 報 開 示 の 基 本 姿 勢 、 情報 開 示 の 範 囲 、 利 用 者 へ の 配 慮 等 が 求 め られ ま す 。

○こ こ で い う 「 記 録 の 管 理 」 と は 、 書 面 に よる 管 理 に 加 え 電 子 デ ー タ に よ る 管 理 も 含 みま す 。 電 子 デ ー タ に つ い て は 、 取 扱 い や 情報 漏 え い 対 策 が 十 分 に な さ れ る こ と が 必 要で す 。

( 3 ) 評 価 の 留 意 点○評 価 方 法 は 、 訪 問 調 査 に お い て 規 程 等 の 確認 、 実 際 の 記 録 の 保 管 状 況 、 開 示 請 求 へ の対 応 、 保 存 と 廃 棄 の 確 認 等 を 行 い ま す 。

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