臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因...

13
15 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 原著 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 17, No. 1, PP 15-27, 2013 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 ─6年目以上看護師との比較から─ Confidence of nurses with two to three years’ clinical experience with regard to being shift leaders Comparison with nurses having six or more years’ experience 横田ひろみ 1)*  齋藤久美子 1) Hiromi Yokota 1) Kumiko Saito 1) Key words : shift leaders, the nurses with two to three years’ experience, confidence キーワード:勤務帯リーダー,臨床経験2・3年目看護師,自信 Abstract Purpose: To clarify the factors that affect the confidence of nurses with two to three years’ clinical expe- rience with regard to being shift leaders in order to examine how such leaders should be supported and trained. Method: A questionnaire survey was conducted of 58 nurses with two to three years of clinical experi- ence and 116 nurses with six or more years of clinical experience who work at hospitals affiliated with the faculties of medicine of Japanese national universities. The questionnaire covered the following: (1) attributes such as the number of years of clinical and shift leader experience, (2) 46 items on confidence with regard to being shift leaders, (3) self-efficacy scale. Results: Factor analysis of the 46 items on confidence with regard to being shift leaders provided three factors: nursing ability, ability as leadership, and work performance. These three factors were used to compare confidence with regard to being shift leaders between nurses with two to three years’ experi- ence and those having six or more years’ experience. The nurses with two to three years of experience had a significantly lower average score for each factor than those with six or more years’ experience. Conclusion: When the average scores for the three factors were compared between the nurses with two or three years’ experience and those with six or more years’ experience, the nurses with two to three years’ experience had a lower average score for all the factors. It suggested that clinical experience greatly affects nurses’ confidence as shift leader. To build nurses’ confidence with regard to being ward shift leaders, it is advisable for the staff and the manager to understand what nurses in the shift leader role with two to three years’ experience think and how to support them. 要 旨 臨床経験2・3年目看護師の勤務帯リーダーの役割に対する自信の状況を6年目以上看護師 と比較し,自信に影響を及ぼす要因を明らかにし,勤務帯リーダーのサポート方法,育成方法 を検討することを目的とした.対象は,全国の国立大学医学部附属病院のうち10施設に勤務す る看護師501名(臨床経験2・3年目看護師218名,6年目以上看護師283名)とし,方法は無 記名自記式質問紙法にて行った.調査内容は,個人属性,組織要因,自作した3因子(看護実 践能力,リーダーシップ能力,対人関係等の能力)46項目からなる勤務帯リーダーに求められ る能力に対する自信尺度,特性的自己効力感尺度,とした.有効回答数は174名(2・3年目 受付日:2012年3月16日  受理日:2013年4月13日 1) 弘前大学大学院保健学研究科 Hirosaki University Graduate School of Health Sciences *責任著者 Corresponding author: e-mail [email protected]

Transcript of 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因...

Page 1: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

15日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

原著

The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 17, No. 1, PP 15-27, 2013

臨床経験2・3年目看護師の勤務帯リーダーの自信につながる要因─6年目以上看護師との比較から─

Confidence of nurses with two to three years’ clinical experience with regard to being shift leaders

Comparison with nurses having six or more years’ experience

横田ひろみ 1)* 齋藤久美子 1)Hiromi Yokota1)* Kumiko Saito1)

Key words : shift leaders, the nurses with two to three years’ experience, confidence

キーワード:勤務帯リーダー,臨床経験2・3年目看護師,自信

AbstractPurpose: To clarify the factors that affect the confidence of nurses with two to three years’ clinical expe-rience with regard to being shift leaders in order to examine how such leaders should be supported and trained.Method: A questionnaire survey was conducted of 58 nurses with two to three years of clinical experi-ence and 116 nurses with six or more years of clinical experience who work at hospitals affiliated with the faculties of medicine of Japanese national universities. The questionnaire covered the following: (1) attributes such as the number of years of clinical and shift leader experience, (2) 46 items on confidence with regard to being shift leaders, (3) self-efficacy scale.Results: Factor analysis of the 46 items on confidence with regard to being shift leaders provided three factors: nursing ability, ability as leadership, and work performance. These three factors were used to compare confidence with regard to being shift leaders between nurses with two to three years’ experi-ence and those having six or more years’ experience. The nurses with two to three years of experience had a significantly lower average score for each factor than those with six or more years’ experience.Conclusion: When the average scores for the three factors were compared between the nurses with two or three years’ experience and those with six or more years’ experience, the nurses with two to three years’ experience had a lower average score for all the factors. It suggested that clinical experience greatly affects nurses’ confidence as shift leader. To build nurses’ confidence with regard to being ward shift leaders, it is advisable for the staff and the manager to understand what nurses in the shift leader role with two to three years’ experience think and how to support them.

要 旨 臨床経験2・3年目看護師の勤務帯リーダーの役割に対する自信の状況を6年目以上看護師と比較し,自信に影響を及ぼす要因を明らかにし,勤務帯リーダーのサポート方法,育成方法を検討することを目的とした.対象は,全国の国立大学医学部附属病院のうち10施設に勤務する看護師501名(臨床経験2・3年目看護師218名,6年目以上看護師283名)とし,方法は無記名自記式質問紙法にて行った.調査内容は,個人属性,組織要因,自作した3因子(看護実践能力,リーダーシップ能力,対人関係等の能力)46項目からなる勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度,特性的自己効力感尺度,とした.有効回答数は174名(2・3年目

受付日:2012年3月16日  受理日:2013年4月13日1) 弘前大学大学院保健学研究科 Hirosaki University Graduate School of Health Sciences*責任著者 Corresponding author: e-mail [email protected]

Page 2: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

16 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

Ⅰ 緒 言

 P. Benner によれば,臨床経験2・3年目看護師は,意図的に立てた長期の目標や計画を踏まえて自分の看護実践を捉え始める時期であるとしている(P. Benner 1984,井部2005).この時期は,指導体制が整った環境下で臨床実践を1年間経験した後,ほぼ一人前とみなされ,病棟における日々の業務に加え,プリセプターや勤務帯リーダーなどといった新たな役割が課せられる.しかし,新たな役割が課せられることで負担やストレスを感じ,やがて離職願望をもたらすことも報告されている(瀬川,2010;松田,2009;真壁,2006).このうち,勤務帯リーダーに関する報告に限ると,2・3年目看護師は,リーダー役割に対し自信がなく否定的であるとされている(岡田,2004).しかし,自信がないとしている内容や要因を具体的に報告しているものは少ない.勤務帯リーダーが責任を担う場面は,患者の入退院や急変などにより状況が刻々と変化する.さらに,勤務メンバーも交替制であるため常に流動的である.つまり,臨床経験2・3年目看護師が勤務帯リーダーを担う際には,状況の変化が激しい中,経験や看護実践能力が十分ではない上に,自分より熟練した先輩やフォローが必要な後輩,新人といった様々なメンバーを統括しなければならない.そのような背景から,勤務帯リーダーの役割に対し,自信がなく否定的であると考える. 臨床経験2・3年目看護師は,勤務帯リーダーを経て,将来的に中堅・達人看護師へと成長し,より広範なリーダーシップ能力を発揮する事が求められる.その第一段階である勤務帯リーダーの役割に対し,自信を持つように支援することは,看護師のリーダーシップ能力の基盤を構築していく上で重要である.よって,臨床経験2・3年目看護師が勤務帯リーダーの何に対して自信が持てないのか明確にし,自信への影響要因を把握する必要があると考え

た. 勤務帯リーダーについての先行研究は,勤務帯リーダーの行動の解明や(山品ら,2006)リーダーの業務量(高橋ら,2007),リーダー業務に伴うストレスやリーダーの業務遂行における役割認識(西田ら,2009;後藤ら,2007;荒木ら,1998),リーダーの開始時期の検討(乾,2008)であり,勤務帯リーダーの業務全般に対して求められる能力の具体的な項目を明確にしている文献は見当たらなかった.そこで,看護分野における「リーダー」および「リーダーシップ」に関する文献を検討したところ,病棟師長などの管理者としての「リーダー」については多く検討されていた(手塚ら,2009;松原ら,2007;岡嶋ら,1998).これらの文献は,経営学の分野におけるリーダーシップの考えを受けていると考えられた.その中から,リーダーに求められる能力とは何か具体的に挙げられているものとし,L. Katz は,一般にリーダーに求められる能力は専門的能力(Technical skill),対人的能力(Human skill),概念化能力(Conceptual skill)の少なくとも3つであるとしている(Robert. L. Katz, 1995).専門的能力は,特定の活動,手法,プロセス,手順,あるいはテクニックと関わり合う活動を理解し,それに熟達していることを意味する.対人的能力では,チームの一員として手際よく仕事をし,自分の率いるチーム内で力を合わせて努力をする場を作り上げる能力である.概念化能力とは,組織を総合的に捉えることのできる能力である.これら3つの能力は,組織階層を昇るにつれて,専門的能力の必要性は減る傾向にあり,相対的に概念化能力の必要性は増し,対人的能力はすべての階層において同等に必要な能力としている.中西(2002)は,病院の看護部では,看護部長は概念化能力,病棟師長は概念化能力と専門的能力,病棟のリーダーは専門的能力が要求されるとしている.以上より,勤務帯リーダーに求められる能力はこれら3つ能力を元に項目

看護師58名,6年目以上看護師116名)であった.勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信では,3因子全てにおいて2・3年目看護師の方が6年目以上看護師に比べて低く,臨床経験が大きく影響していることが示唆された.病棟で勤務帯リーダーの役割に対する自信を育むために,スタッフや病棟師長などの管理者は,2・3年目の勤務帯リーダーを担う看護師の自信の程度を理解し,支援していくことが望ましいと考える.

Page 3: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

17日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評価する尺度を作成し,その上で2・3年目看護師の勤務帯リーダーの自信とその影響要因,さらには育成方法,サポート方法を検討することにした. 臨床経験2・3年目と6年目以上の看護師を比較する意義として,勤務帯リーダーの役割は,病院の規模や所属する看護師の構成により異なるが,大抵の病院では臨床経験2・3年目の看護師からその役割を担い始める.その背景は,P. Benner の技能習得に関するドレファスモデルの看護への適用に起因する(P. Benner 1984,井部 2005).Benner は,看護師の臨床実践能力を第1段階初心者(Novice),第2段階新人(Advanced Beginner),第3段階一人前(Competent),第4段階中堅(Proficient),第5段階達人(Expert)と5段階に分類している.臨床経験2・3年目の看護師は一人前に分類され,ある技能レベルに達しているという自信と臨床での不測の事態に対応し管理する能力をもつとされている.6年目以上看護師は,中堅,達人レベルに達していると述べている.よって,今回は一人前レベルである2・3年目看護師と6年目以上看護師の勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の得点,自信に及ぼす影響要因を比較し,2・3年目看護師の自信の状況を明らかにすることにした.

Ⅱ 目 的

1. 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度を作成する.

2. 臨床経験2・3年目看護師の勤務帯リーダーの役割に対する自信の得点を6年目以上看護師と比較し,勤務帯リーダーの自信に影響を及ぼす要因を明らかにする.

3. 2・3年目看護師の勤務帯リーダーのサポート方法,リーダーの育成方法を検討する.

Ⅲ 方 法

1.用語の定義勤務帯リーダー:日勤,夜勤等の各勤務帯で,所属病棟においてリーダー役割を担う看護師

メンバー:同一勤務帯で共に働く看護師免許を持つスタッフで,先輩看護師,後輩看護師,新人看護師のすべてを含む

2. 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度の作成

1) 勤務帯リーダーに求められる能力の調査項目の作成

 上記の L. Katz のリーダーに求められる能力を参考に,3つの各々の能力を勤務帯リーダーの能力に置き換えて考えた.専門的能力は,看護師としての基本的な知識を持ち,対象者に安全な看護を提供することができる能力,つまり看護実践能力と考えた.対人的能力は,勤務帯リーダーが主に関わるその日の勤務帯で共に働く,先輩看護師や後輩看護師,新人看護師を含むメンバー,さらに,主な関わりを持つ医師やコメディカルスタッフ,患者とその家族に対する関係の能力とした.概念化能力は,組織の一員として所属病棟や,病院全体の管理面,組織面において目を向ける能力とした.調査項目は,これら3つの能力を基盤とし,リーダー業務(西田ら,2009;後藤ら,2007;荒木ら,1998),看護実践能力(辻ら,2007;松山ら,2007;南家ら,2005),中堅看護師の役割負担(瀬川ら,2010;佐野ら,2006,中武,1999)臨床経験2・3年目看護師の状況(加藤ら,2010;石井ら,2007;倉田ら,2008;筑後ら,2001)に関する文献を参考に抽出し,類似する表現,概念をまとめ3カテゴリー83項目とした.その後,勤務帯リーダーの経験がある大学院生2名,現在病院に勤務しており勤務帯リーダーを経験している看護師4名(臨床経験4年から13年)に,質問項目の妥当性,表現の明確さについて検討してもらい,修正を重ね最終的に項目数を60項目とした.2)調査項目の評価方法の検討 項目の評価方法は,池田,古川(2005)らの研究を参考にした.池田らは,リーダーの自信とは,“リーダーとして必要とされる役割行動を確実に実行できると考えている度合”とし,リーダーの自律的な学習や自己成長を促進する上では「行動を行える(できる)」度合いで評価することが望ましいとしている.これを受け,本研究においても勤務帯リーダーの役割行動を確実に行えるかどうかを自己

Page 4: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

18 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

評価することで,自信を測定することにした.各項目の回答は,池田らにならい「確実にできる(5点)」~「できていない(1点)」までの5段階評定で尋ねた.

3.予備調査1)対象者 X県内の病床数100床以上の総合病院4施設に勤務し,所属する病棟で勤務帯リーダーの役割を担っている看護師で,A群:臨床経験2・3年目,B群:A群と同病棟に勤務する臨床経験6年目以上の看護師とした.予備調査は平成22年6月~7月に実施した.2)調査内容 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度60項目と,属性として年齢,臨床経験年数,勤務帯リーダー経験年数を尋ねた.3)分析方法 全項目について単純集計を行い,勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度60項目は,因子分析を施行し構成概念妥当性を確認した.また,内的整合性を確認するため,項目全体および各下位尺度の信頼係数αを算出した.4)予備調査結果 質問紙を151部配布した結果,104部回収され(回収率68.9%),そのうち84部が有効回答であり分析対象とした.(1)対象者の背景 対象者はA群31名,B群53名であった.平均年齢はA群25.7±3.0歳,B群36.1±7.6歳であった.臨床経験年数はA群3.1±0.6年,B群14.5±7.5年であり,勤務帯リーダー経験年数は,A群1.5±0.9年,B群3.7±3.0年であった.(2)因子分析の結果(表1) 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度60項目の平均得点,標準偏差を算出し,天井効果およびフロア効果を確認したところ,該当する項目はみられなかった. 次に主因子法・プロマックス回転による因子分析を施行し,3因子構造が妥当であると考えた.各下位尺度に対する因子負荷量は0.39以上とした.その結果46項目となった. 第1因子は22項目で構成され「客観的なデータや

身体上の変化を観察し,判断できる」「患者の病態について治療や処置の根拠を理解している」などの看護師としての基本的な実践能力を示していた.因子名は“看護実践能力”とした. 第2因子は16項目で構成され,「メンバーの抱いた疑問や分からないことに対し,指導者・助言者となれる」「チーム内のトラブルに対して,適切に対処できる」などリーダーシップに関する能力を示していた.因子名は“リーダーシップ能力”とした. 第3因子は8項目で構成され,「メンバーに対して,感情をコントロールすることができる」など対人関係等についての能力を示していた.因子名は“対人関係等の能力”とした.信頼係数αは,項目全体では0.97で,第1因子は0.96,第2因子は0.95,第3因子は0.90と十分な値が得られた.事前に想定した3つの能力は,看護実践能力,対人関係等の能力,概念化能力であったが,因子分析の過程において,概念化の項目が少なく収束した.この理由として,中西(2002)は,組織の階層を上るに連れ,概念化能力は増し,看護部長,病棟師長レベルで必要とされる能力であるとしていることから,勤務帯リーダーでは特に意識的に取り組む能力と認識されていないため,これらの項目が削除され,以下の3因子にまとまったと考える.以上予備調査にて構成概念妥当性,内的整合性は得られた質問項目を作成後,これを用いて本調査を行った.

4.本調査1)調査対象者 対象者は,全国の国立大学附属病院に勤務し,所属する病棟で勤務帯リーダーの役割を担っている看護師で,A群:臨床経験2・3年目,B群:A群と同病棟に勤務する臨床経験6年目以上の看護師とした.対象施設の選定方法は,全国の国立大学附属病院45施設に研究協力の依頼を行い,そのうち研究協力が得られた10施設を対象とした.2)本研究の概念枠組み及び調査内容 本研究における概念枠組みは図1の通りである.勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信は,勤務帯リーダーの責任を担う場面・状況変化,メンバーの入れ替わり,様々な能力のメンバーの統括,個人的要因,組織的要因,特性的自己効力感が関連すると考えられた.今回は多数の病院を対象とした

Page 5: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

19日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

表1 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信60項目の因子分析

因子名 項  目  構  成因子負荷量

第1因子 第2因子 第3因子

客観的なデータや身体上の変化を観察し,判断できる .819 .161 -.156患者の病態について治療や処置の根拠を理解している .787 -.064 -.018患者の状態に合わせて看護ケアを応用することができる .774 .106 -.146患者に予定されている処置に必要な物品等を過不足なく手配することができる .749 -.146 .166医療機器を正しく取り扱うことができる .747 -.009 -.086医師の指示が適切か判断できる .731 .014 .020患者の多様なニーズや要求を調整し,それらに応えることできる(優先順位の設定) .716 .010 .062医療事故が起こるリスクを想定し,回避のための行動ができる .708 .128 -.084患者の症状・状態の変化,悪化を早期に察知することができる .698 -.021 .109医師の指示実施後,患者の反応を医師にフィードバックすることができる .691 -.067 .055看護計画は治療計画と調整して立てることができる .680 -.043 .209看護計画は予測される患者の変化を含めて立てることができる .664 -.006 .197緊急時・急変時に適切な処置を行うことができる .658 .322 -.274患者自身の決定や希望をケアに取り入れることができる .645 -.062 .066看護ケアの規則・手順を遵守して行うことができる .636 -.021 .186死にゆく患者の精神的ニーズを把握し,満たすことができる .532 .173 -.040事前に患者に看護行為を説明することができる .516 -.077 .308看護ケアの結果を評価することができる .505 .004 .316患者及び家族の看護計画を立てるとき,社会資源を活用することができる .497 .279 .017死にゆく患者の家族の精神面を支援することができる .494 .151 -.077患者及び家族のニーズを統合して看護計画を立てることができる .488 .158 .112患者が自分の病気をどう解釈しているのか理解することができる .483 .044 .222

メンバーの抱いた疑問や分からないことに対し,指導者・助言者となれる -.003 .936 -.096チーム内のトラブルに対して,適切に対処できる -.085 .925 -.037メンバーに対して,看護実践の役割モデルとなることができる -.007 .903 -.118メンバーの不足している知識・技術の学習機会を時期を逃さず提供できる .175 .736 -.179メンバーの心理状態を考えた働きかけができる .041 .728 .009メンバーの行ったケアに対する責任をとることができる -.011 .708 .089メンバーの意見を聞き,必要時活用することができる -.237 .685 .324メンバーの行った業務に漏れがないか確認することができる .060 .666 .079緊急時・急変時にメンバー間の応援体制を調整できる .074 .644 .007所属部署における業務上の問題解決のための方策を考えることができる -.178 .618 .346メンバーの行っている看護ケアを適切に評価し,適切なタイミングで援助できる .264 .536 -.070緊急時・急変時に機器等の資源の供給を素早く手配することができる .241 .535 -.001勤務帯での作業負担の過剰を予測し,人員を調整できる .228 .507 -.067医師・コメディカルスタッフと協力・調整を積極的に図ることができる .064 .479 .224自分の課題・目標に対し,計画的・具体的に行動できる .123 .476 .217病院・病棟の経済的側面に関心を持つことができる .064 .398 .307

対人関係等の能力

メンバーに対して,感情をコントロールすることができる -.195 .024 .960医師・コメディカルスタッフに対し,感情をコントロールすることができる -.007 -.032 .802患者・家族に対して,感情をコントロールすることができる .085 -.060 .799自分の仕事に責任を持つことができる .118 -.043 .737自分が間違っている時,認めることができる .229 -.117 .591仕事に前向きに取り組むことができる .034 .194 .469所属部署の特徴,看護システム,ルールについて説明できる -.029 .373 .465医師・コメディカルスタッフに対し,患者の立場で発言することができる .263 .179 .400

因子間相関 第1因子 第2因子 第3因子

第1因子 1.000 .681 .614第2因子 1.000 .558第3因子 1.000寄与率(%) 45.507 6.420 5.637累積寄与率(%) 45.507 51.927 57.565

Page 6: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

20 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

アンケート調査のため,入院患者の入れ替わりや,メンバーの入れ替わり,急変・緊急入院などの要因は測定が困難であると考え,その他に挙げた要因からリーダーの自信への影響を測定することにした.具体的な調査内容として以下の項目を設定した.(1) 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信

尺度:予備調査を経て作成した3因子46項目からなる尺度

(2)特性的自己効力感尺度 先行研究において自己効力感はリーダーの役割に対し影響を与えることが明らかになっている(小谷野,1999).よって本研究では,勤務帯リーダーの役割に対する自信にも自己効力感は影響を与えるのではないかと考え測定することとした.そこで,本研究では,勤務帯リーダーの役割を測定する上で,その対象者の個人的な自信の状況がどのくらいあるのかということを明確にするために,成田ら(1995)の特性的自己効力感尺度を使用した.成田らの自己効力感尺度は,特定の課題や状況に依存しないものであり,個人の人格特性的な認知傾向を扱っている.この尺度は全23項目からなり,回答は「そう思う(5点)~そう思わない(1点)」の5段階評定である.(3)対象者の背景1)個人的要因: 個人的要因として教育背景,所属病棟,リーダー研修への参加の有無,役割経験の有無(プリセプター,院内の委員会活動,臨床実習指導者)を尋ねた.役割経験の有無を尋ねた理由は,役割経験が仕事の意欲に影響を与えること(倉田ら,2008),プリセプターや臨床指導者などの役割経験はリーダー

としての責務に対する自己意識を高める要因になっているとの報告(岡田,2004)があったことから設定した.また,プリセプターに関しては,勤務帯リーダーと同時期に開始されることも鑑み影響因子とした.2)組織的要因 組織的要因として,上司や同僚からのフィードバックの有無,リーダーとして尊敬する人の有無を尋ねた.上司の支援はストレスを軽減すると報告されており(柏倉ら,2004:吉田,2011),相談者,良い影響者,看護モデルの存在は,自己成長に関与する(岡田,2004)との報告から,勤務帯リーダーの自信に関してもこれらが影響すると考えた.3)属性 属性として年齢,性別,臨床経験年数,勤務帯リーダー経験年数,所属病棟を尋ねた.4)分析方法 統計解析ソフトは PASW Statistics18を使用した.分析の手順は,得られたデータより基礎集計を施行し,勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度46項目は,内的整合性を確認するために項目全体と各下位尺度の信頼係数α係数を算出した. A群とB群の勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度の各因子の平均得点を対応のない t検定で比較した.また,A群B群毎に,因子の平均得点を分散分析を用いて因子間の平均得点を比較した.さらに,個人的要因,組織的要因に基づき作成した項目間,特性的自己効力感尺度の得点と各因子の平均得点をA群,B群別に対応のない t検定,一元配置分散分析(その後の検定はTukey の検定)を用いて比較した.有意水準は5%未満とした.

図1 概念枠組み

〈場面・状況〉・入院患者の入れ替わり・患者の急変・緊急入院〈勤務メンバーの変動・状況〉・勤務帯ごとのメンバーの入れ替わり・後輩・新人看護師のフォロー,能力の高い先輩看護師の統括

〈個人的要因〉・教育背景・所属病棟・役割経験・リーダー研修への参加

〈組織的要因〉・上司や同僚からのフィードバックの有無・勤務帯リーダーとして尊敬する人の有無

勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信

特性的自己効力感

Page 7: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

21日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

(4)倫理的配慮 本研究を施行するにあたり,対象者が研究に参加するか否かは自由意思によるものであること,無記名で行うので投函後は撤回できないこと,調査途中および終了後に何らかのトラブルが生じた場合,研究者にクレームすることは自由であることを説明した.また,質問紙の保管とデータの厳重管理,研究終了後速やかに裁断して破棄すること,成果の公表においては対象施設,及び対象者が特定されないように十分配慮すること,データは,厳重に管理するという旨を看護師への調査協力依頼文書に記載した.なお,本研究は平成22年4月8日弘前大学大学院医学研究科倫理委員会の承認を得た.本調査は平成22年9月~11月に実施した.

Ⅳ 結 果

 質問紙501部を配布した結果,203部回収された(回収率40.5%).そのうち,有効回答であった174部を分析対象とした.

1.対象者の属性1)対象者の属性・個人的要因 対象者はA群58人,B群116人であった. A群の平均年齢は25.1±2.6歳,B群は35.7±8.0歳であった.勤務帯リーダーの経験年数はA群0.8±0.7年,B群9.5±7.3年であった.役割経験では,プリ

セプター経験ありとした人はA群13名(22.4%),B群83名(71.6%)であった.院内の委員会活動経験ありとした人は,A群3名(5.2%),B群41名(35.3%)であった.2)組織的要因 勤務帯リーダーの役割について上司や同僚からフィードバックしてもらう機会があるとした人はA群42名(72.4%),B群68名(58.6%)であった. 勤務帯リーダーとして尊敬する人がいるとした人はA群52名(89.7%),B群93名(80.2%)であった.

2.特性的自己効力感(以下SEと表記) A群,B群の群別に SEの平均得点を比較したところ,A群70.6±8.7点,B群73.3±9.0点であり有意差はなかった.対象者全体の平均得点は72.4±9.0点であった.以下対象者全体の平均得点より高い人をSE高群,低い人を SE低群とした.

3. 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の項目分析の結果

 信頼係数αは尺度全体では0.97,第1因子は0.95,第2因子は0.95,第3因子は0.82であり,いずれも高い値が得られた.

4. A群とB群の勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の比較

 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信尺度の下位尺度得点を用いてA群とB群の比較を行っ

表2 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信のA群とB群の平均得点の比較

A群(n=58) B群(n=116)p値

平均±SD 平均± SD

第1因子 看護実践能力 3.33±0.42 3.85±0.40 ***

第2因子 リーダーシップ能力 2.85±0.60 3.65±0.42 ***

第3因子 対人関係等の能力 3.76±0.47 3.96±0.43 **

***p < 0.001  **p < 0.01対応のない t 検定

表3 各群別の勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の平均得点の比較

A群(n=58) p値 B群(n=116) p値

第1因子 看護実践能力 3.33±0.42***

3.85±0.40***

第2因子 リーダーシップ能力 2.85±0.60 *** 3.65±0.42

第3因子 対人関係等の能力 3.76±0.47***

3.96±0.43***

***p < 0.001反復測定による分散分析

Page 8: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

22 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

たところ,3因子全てにおいてA群はB群に比べ有意に平均得点が低かった(看護実践能力・リーダーシップ能力 p < 0.001,対人関係等の能力 p < 0.01)(表2). また,3因子の項目の平均得点を比較したところ,A群は対人関係等の能力,看護実践能力,リーダーシップ能力の順に有意に平均得点が高かった(p < 0.001).B群は,対人関係等の能力と看護実践能力の平均得点に有意差はなかった.看護実践能力とリーダーシップ能力,対人関係等の能力とリーダーシップ能力では有意にリーダーシップ能力の平均得点が低かった(看護実践能力・リーダーシップ能力,対人関係などの能力・リーダーシップ能力p < 0.001)(表3).

5.影響要因と各3因子の平均得点の比較(表4)1)個人的要因と各3因子の平均得点の比較 個人的要因に挙げた各項目と勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の3因子の平均得点を各群別に比較した. A群では,院内の委員会活動の経験ありとした人は,ない人に比べてリーダーシップ能力の平均得点が有意に高かった(p < 0.01). 一方B群では,院内の委員会活動の経験ありとした人は,3因子全てにおいてない人に比べて平均得点が有意に高かった(看護実践能力 p < 0.05,リーダーシップ能力 p < 0.01,対人関係等の能力p < 0.001).また,臨床実習指導者の役割経験ありとした人は,ない人に比べて,看護実践能力,リーダーシップ能力が有意に平均得点が高かった(看護実践能力・リーダーシップ能力 p < 0.05).対人関係等の能力では有意差はなかった. 両群ともにプリセプター経験やリーダーシップ研修参加の有無では3因子の平均得点に有意差はみられなかった.2) 組織的要因と勤務帯リーダーの各因子の平均得

点の比較 A群では,上司からのフィードバックがあるとした人は,ない人に比べ対人関係等の能力において有意に平均得点が低かった(p < 0.05).B群では,上司からのフィードバックの有無と3因子の平均得点に有意差はなかった.また,勤務帯,リーダーとして尊敬する人の有無では,両群ともに平均得点に有

意差はなかった.3)特性的自己効力感と勤務帯リーダーの自信 A群では3因子のいずれも SE高群の方が低群に比べて平均得点が有意に高かった(看護実践能力・リーダーシップ能力 p < 0.01,対人関係等の能力p < 0.05).B群では,看護実践能力,対人関係等の能力において SE高群の方が低群に比べて平均得点が有意に高かった(看護実践能力 p < 0.01,対人関係等の能力 p < 0.001).リーダーシップ能力では有意差はなかった.

Ⅴ 考 察

1. 臨床経験2・3年目と6年目以上看護師の勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の状況

 2・3年目看護師は,6年目以上看護師に比べ,看護実践能力,リーダーシップ能力,対人関係等の能力の3因子全てにおいて有意に平均得点が低かった.これは,勤務帯リーダーに求められる能力は,臨床経験が大きく影響していると考えられる.また,各群の下位尺度の平均得点の比較では,2・3年目看護師は対人関係等の能力,看護実践能力,リーダーシップ能力の順に平均得点が高かった.上野ら(2002)は,年齢に関わらず変化しない臨床実践能力の構成要素として,人間関係・職場の活性化を促す能力,新しいものを取り入れる能力,看護という仕事のコミットメントとしており,これらの構成要素はもともとその人が持つ特性で,年齢には左右されないとしている.このことから,本研究でも2・3年目看護師の対人関係等の能力は,臨床経験よりも個人が持っている特性に影響され,他の2要因に比べて高かったと考える.一方6年目以上看護師では,対人関係等の能力と看護実践能力では平均得点に有意差はなく,リーダーシップ能力では上記の2因子に比べ有意に平均得点が低かった.増原ら(2007)は,看護実践能力は臨床経験の積み重ねにより高まるとしている.このことから,臨床経験を経るにつれ看護実践における多くの事を経験し,能力不足を克服することで自信につながると考える.リーダーシップ能力は,2・3年目看護師,6年目以上看護師の双方にとって,対人関係等の能力,看

Page 9: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

23日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

表4 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の下位尺度の平均得点とA群・B群の群別影響要因での比較

A群:2・3年目看護師

B群:6年目以上看護師

カテゴリー

n=58

第1因子

看護実践能力

第2因子

リーダーシップ能力

第3因子

対人関係等の能力

n=116

第1因子

看護実践能力

第2因子

リーダーシップ能力

第3因子

対人関係等の能力

【個人的要因】

基礎教育機関 a

大学

35

3.36±0.46

2.85±0.61

3.76±0.53

20

3.85±0.31

3.65±0.45

3.95±0.37

短期大学

53.40±0.24

2.73±0.66

3.78±0.29

39

3.92±0.39

3.68±0.40

3.95±0.44

専門学校

15

3.22±0.37

2.88±0.63

3.78±0.44

55

3.79±0.43

3.64±0.44

3.98±0.46

高等学校専攻科・その他

33.30±0.39

2.98±0.24

3.50±0.33

23.91±0.26

3.47±0.13

3.75±0.71

所属病棟 a

外科系

15

3.45±0.32

2.87±0.60

3.75±0.41

28

3.93±0.27

3.63±0.34

3.99±0.39

内科系

13

3.36±0.51

2.95±0.59

3.79±0.45

18

3.99±0.29

3.84±0.42

4.13±0.35

外科系・内科系混合

11

3.10±0.41

2.66±0.55

3.74±0.49

26

3.91±0.41

3.68±0.32

4.01±0.38

産婦人科

63.32±0.45

2.69±0.71

3.71±0.51

53.74±0.40

3.73±0.38

3.73±0.50

小児(科)

33.73±0.42

3.21±0.57

4.33±0.38

10

3.62±0.36

3.52±0.41

3.52±0.41

ハイケアユニット

33.15±0.41

2.85±0.86

3.33±0.83

12

3.75±0.32

3.56±0.40

3.56±0.40

精神科

33.12±0.17

2.85±0.76

3.63±0.22

53.76±0.26

3.89±0.18

3.89±0.18

混合

33.32±0.40

3.12±0.56

3.54±0.40

63.51±0.40

3.21±0.56

3.52±0.45

プリセプター b

あり

18

3.39±0.49

3.05±0.54

3.80±0.45

83

3.84±0.41

3.62±0.44

3.94±0.44

なし

40

3.30±0.38

2.77±0.61

3.74±0.49

33

3.86±0.38

3.72±0.37

4.00±0.43

院内委員会活動 b

あり

13

3.47±0.39

3.24±0.36

**

3.76±0.36

85

3.90±0.35

*3.72±0.38

**

4.05±0.37

***

なし

45

3.28±0.42

2.74±0.61

3.76±0.51

31

3.69±0.49

3.47±0.48

3.71±0.52

臨床実習指導者 b

あり

33.30±0.14

2.46±0.13

4.04±0.59

41

3.96±0.37

*3.77±0.39

*4.00±0.40

なし

55

3.33±0.43

2.88±0.60

3.74±0.47

75

3.78±0.40

3.59±0.43

3.93±0.46

リーダー研修の

参加 b

あり

18

3.34±0.50

2.92±0.64

3.67±0.50

98

3.86±0.41

3.67±0.44

3.98±0.45

なし

39

3.33±0.39

2.84±0.59

3.80±0.47

18

3.77±0.32

3.54±0.33

3.83±0.35

【組織的要因】

フィードバックが

ある b

はい

42

3.28±0.42

2.85±0.63

3.66±0.49

*68

3.85±0.37

3.65±0.40

3.99±0.41

いいえ

16

3.44±0.39

2.87±0.50

4.00±0.32

48

3.84±0.44

3.66±0.46

3.91±0.48

勤務帯リーダーとして

尊敬する人がいる b

はい

52

3.33±0.42

2.85±0.62

3.76±0.49

93

3.81±0.42

3.62±0.43

3.94±0.43

いいえ

63.32±0.44

2.86±0.31

3.75±0.40

22

3.98±0.27

3.78±0.38

4.02±0.49

【特性的自己効力感】

SE b

高群

21

3.52±0.34

**

3.13±0.49

**

3.93±0.36

*62

3.93±0.33

**

3.71±0.38

4.11±0.38

***

低群

36

3.12±0.42

2.68±0.59

3.63±0.48

52

3.76±0.37

3.60±0.39

3.81±0.40

***p<0.001  **p<0.01  *p<0.05

a:一元配置分散分析(Tukeyの検定) b:対応のないt検定

Page 10: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

24 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

護実践能力に比べ求められる能力が高く,自信を持って行うことが困難であると考える. 松山ら(1997)は,リーダーシップは経験を積むごとに高くなるとしている.よって,2・3年目の看護師は,臨床経験を積み重ね,対人関係等の看護実践能力の基本を高めていく過程において,リーダーシップ能力が次第に身につくと考える.リーダーシップ能力はその能力単体で自信を高めていくことは難しく,看護実践における広範で高度な能力を行う過程で身につくと推察される.

2.個人的要因と勤務帯リーダーの自信の関連 2・3年目の看護師では,院内の委員会活動の経験ありとした人は,ない人に比べリーダーシップ能力の平均得点が高かった.院内の委員会活動などの役割を担うことで責任感が生まれ,リーダーシップ能力が高かったと考える.また,6年目以上看護師では,院内の委員会活動の経験ありとした人は,ない人に比べ,看護実践能力,リーダーシップ能力,対人関係等の能力の3因子全てにおいて平均得点が高かった.岡田(2004)は,プリセプターや臨床指導者などの経験は,リーダーとしての責務に対する自己意識を高める要因にもつながるとしている.また,水野,三上(2000)によると役割付与は組織から与えられた目に見える評価・報酬であり仕事に対する意欲や自信につながるとしている.本研究でも,委員会活動を行っている人では同様の結果となり,役割経験は看護実践の自信につながり,その結果,勤務帯リーダーへの自信にもつながっているのではないかと考える.しかし,一方で,リーダーシップ能力がもともと高い者が,その能力を管理者から認められ,役割についていることが関連しているということも考えられる.また,臨床実習指導者では,2・3年目の看護師では各因子の平均得点に有意差はなかった.これは,2・3年目看護師で,臨床実習指導者の役割を担っている人が3名と対象者が少なかったことが要因と考える.一方,6年目以上看護師では,臨床実習指導者を担っている人の方が,看護実践能力,リーダーシップ能力が高かったことから,臨床実習指導者の経験を行うことにより,リーダーに求められる能力に対する自信に影響を及ぼすと考える. プリセプターでは,2・3年目,6年目以上看護

師の双方で,いずれの因子でも平均得点に有意差はなかった.これは,臨床経験2・3年目でプリセプターを担う看護師は,その役割に対し,不安な思いを抱いているとの報告から(宮島,2005),プリセプターも勤務帯リーダーと同様に,看護実践能力における基礎的な能力が十分ではない上に,後輩の指導的役割を担う状況にある.よって,勤務帯リーダーとの背景が類似していることが要因と考える.また,プリセプターは経験2~5年目で担う場合が多い(倉田,2004:筑後ら,2001).6年目以上看護師では,今回の調査においてプリセプターを現段階で担っている人と限らなかったので,過去に経験し,今現在では行っていない人も含まれたことが要因ではないかと考える.

3.組織的影響要因について 2・3年目看護師では,勤務帯リーダーの役割について,上司や同僚からフィードバックしてもらう機会がある人は,なしとした人に比べ,対人関係等の能力において平均得点が低かった.これは上司や同僚との良好な関係がフィードバックを促し,対人関係などにおける能力の自信が高いものと考えたが,フィードバックを受けることがネガティブに捉えている可能性が考えられる.上野ら(2002)によれば,25歳以下の看護師の臨床実践能力の向上には,ポジティブなフィードバックにより達成感が実感でき,今後の方向性の見通しが持てる支援が重要としている.よって,上司や同僚などからのポジティブなフィードバックは,対人関係等の能力を高める上で有効と考える.しかし,看護実践能力,リーダーシップ能力では有意差はなかった.これは,リーダーの経験期間の平均が0.7±0.8年であり,臨床経験2・3年目の看護師にとっては,勤務帯リーダーの役割を担い始めている段階にある.よって,これらの能力においてはまだそれほど個人差が生じていないため,上司や同僚からのフィードバックの有無では有意差が生じなかったのではないかと考える. また,勤務帯リーダーとして尊敬する人の有無において,各3因子で有意差はみられなかった.これは,勤務帯リーダーとして尊敬する人がいるとした割合は,2・3年目では約9割,6年目以上看護師でも8割と人数に偏りがあったためと考える.今後

Page 11: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

25日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

人数の偏りを調整するなどして再検討していく課題である.モデルとしての先輩の存在は,理想自己の形成へとつながり,成長動機を促進する働きを持ちロールモデルの存在が職業継続意欲に影響しているといわれている.よって,勤務帯リーダーとして尊敬する人の存在は,勤務帯リーダーの役割を遂行していく上で,成長し自信をつけていく過程においても重要な要素と考える.

4.勤務リーダーの役割に対する自信と自己効力感 2・3年目看護師では,SE高群は,SE低群に比べ,3因子全てにおいて平均得点が高かった.一方6年目以上看護師では,看護実践能力,対人関係等の能力では SE高群では低群に比べ有意に得点が高かったが,リーダーシップ能力では有意差はみられなかった.羽田野ら(2003)は,看護活動における体験に限らず,日常生活での様々な成功体験は,自己効力感を高めるとともに,仕事に対する意義や価値に関する認識は満足度の高さに強く影響するとしている.このことから,2・3年目看護師の勤務帯リーダーの役割に対する自信を高めるためには,勤務帯リーダーの業務場面だけではなく,日常の様々な場面で成功体験を積み重ね,自己効力感を高めることも必要である.また,病棟師長などの管理者は2・3年目看護師が,職場においても自己効力が発揮できるように,環境を整えていくことが求められる.しかし,6年目以上看護師は,周囲から求められるリーダーシップ能力は高く,個人の自己効力感だけでは,自信につながることが難しいと推察される.

5. 2・3年目看護師の勤務帯リーダーのサポート方法・育成方法の検討

 調査結果から,リーダーのサポート方法,育成方法を考える.まず,サポート方法において,倉田ら(2008)は,身近に感じる人からサポートを受けていると感じることは仕事意欲の向上につながるとしている.本研究では,勤務帯リーダーの役割について上司や同僚からフィードバックしてもらう機会がある人の方が,なしとした人に比べ,対人関係等の能力において平均得点が低い結果であった.このことから,2・3年目看護師に対しポジティブなフィードバックを行い,日々の看護実践や,役割経

験を積み重ね,勤務帯リーダーの役割を発揮していくとともに,上司や先輩,同僚にその能力を認められることにより,自信を向上させていけると考える.また,病棟師長などの管理者は,勤務帯のメンバー設定を行う際には,2・3年目の看護師の思いや不安を考慮することも必要であると考える.2・3年目看護師が勤務帯リーダーを担う際には,メンバーの構成と看護実践の能力を配慮することもひとつである.よって,病棟管理者やスタッフは,2・3年目看護師の勤務帯リーダーに対する自信の状況を理解し,病棟全体として,2・3年目看護師のリーダーシップに対する自信を育てていけるように支援していく必要がある. 次に,育成方法について述べる.2・3年目看護師は,6年目以上看護師に比べて勤務帯リーダーの役割に対する自信の3因子ともに平均得点が低かった.山品ら(2006)は,臨床経験年数が浅く,知識や経験の量が少なく,技術の熟達度が低い看護師が勤務帯リーダーの役割を担った時,大きなストレスとなるが,メンバーへの学習機会提供とともに,メンバーから指導を受けて良いことを念頭に置き行動することにより,経験の浅い看護師が勤務帯リーダーの役割を円滑に遂行できる可能性が高いとしている.よって,2・3年目の看護師は,勤務帯リーダー役割に対し,能力的にも未熟な部分があってはならないという思考ではなく,勤務メンバーとともに成長し,業務を円滑に進めることを目的とするように,支援していく必要がある.また,自信のない看護場面に遭った時には,周囲のスタッフに積極的に支援を求めるように話すことが,育成方法の一つであると考える.

Ⅵ 結 論

1) 勤務帯リーダーに求められる能力に対する自信の質問項目を因子分析した結果,「看護実践能力」「リーダーシップの能力」「対人関係等の能力」という3因子の構造が得られた.

2) 3因子を用いて,勤務帯リーダーに対する自信の状況を2・3年目看護師と6年目以上看護師で比較したところ,各因子とも2・3年目看護師の方が平均得点が有意に低く,勤務帯リー

Page 12: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

26 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

ダーの自信には,臨床経験年数が大きく影響しているということが示唆された.

3) 2・3年目の看護師の中でも,院内の委員会活動を行っている人は,リーダーシップ能力の平均得点が高いという傾向から,役割を担うことは,仕事に対する責任感が生まれ,勤務帯リーダーとしての自信にも影響を与えるということが示唆された.

4) 病棟師長やスタッフは,2・3年目看護師の勤務帯リーダーに対する自信の状況を理解し,病棟全体として,2・3年目看護師のリーダーシップに対する自信を育てていけるように支援していく必要がある.

本研究の限界:予備調査の尺度の作成段階にあたり,対象とした人数が84名と少ない人数からの結果であったことが本研究の限界である.また,本調査においても,全国の国立大学医学部附属病院に勤務する看護師を対象に調査を行ったが,対象者が2・3年目看護師58名,6年目以上看護師116名と少なく,この範囲での一般化では不十分である. 今後は対象者数を増やして,尺度の精選を継続して行っていく必要があると考える. また対象者を2・3年目と6年目以上看護師の比較としたが,2・3年目看護師が継続してこの尺度を使用し,自己評価することで,リーダーとしての成長課程の把握につながると考える.

謝辞:本研究にあたり,ご協力頂きました研究参加施設の皆様に深く感謝いたします. 本研究は平成22年度,弘前大学大学院保健学研究科修士論文を加筆,一部修正したものである.また,平成23年度の第15回日本看護管理学会にて一部を発表した.

■引用文献荒木みゆき,有本孝子,上山恵子,他(1998)リーダーナースにおけるストレスについての実態調査:三田市民病院誌,10,19-45.

Benner. P(1984)/井部俊子監訳(2005)べナー看護論 新訳版 初心者から達人へ:医学書院,東京.

後藤久美,津嘉山みどり,伊禮博子,他(2007)リーダー業務におけるストレス要因の分析:第38回看護管理,360-362.

羽田野花美,酒井淳子,矢野紀子,他(2003)女性看護師の職

務満足度と職業継続意思および特性的自己効力感との関連:愛知県立医療技術短期大学紀要,16,1-8.

池田浩 , 古川久敬(2005)リーダーの自信に関する研究─自信測定尺度の開発およびマネジメント志向性との関連─:実験社会心理学研究,44(2),145-156.

石井裕美(2007)卒後3年目看護師が自己認識と評価の力を獲得していく影響要因について:看護教育研究集録,32,153-160.

乾美奈子(2008)日々リーダー業務開始時期の一考察 クリニカルラダーの導入を試みて:葦,39,167-170.

加藤栄子,尾崎フサ子(2010)経験4年以下の看護職に対する職業継続支援の検討:群馬県立県民健康科学大学紀要,5,19-28.

柏倉栄子,石田真知子(2004)部署勤続年数別にみた看護師のソーシャル・サポート─2病院の比較から─:東北大医保健学科紀要,13(2),165-172.

倉田静香,岩崎仁美,金野佳枝,他(2008)3年目看護師の役割認知・人的支援・仕事意欲に関する調査:第28回東京医科大学病院看護研究集録,63-66.

小谷野康子(1999)看護婦の自己効力の特性とその関連因子;聖路加看護学会誌,3(3),78-84.

真壁幸子,木下香織,古城幸子,他(2006)職業経験5年以内の看護師の早期離職願望と仕事への行き詰まり感:新見公立短期大学紀要,27,79-89.

松原敏浩,水野智,高井次郎(1994)看護職員のモラールに影響を及ぼす婦長のリーダーシップおよび社会的勢力の効果について;経営行動科学,9(1):13-25.

松田玲蘭,小松智恵,岡添智香,他(2009)中堅看護師の職務満足度と職業継続意志および特性的自己効力感との関連:臨床看護研究集録,191-195.

松山洋子,山口瑞穂子,込山和子(1997)卒業生の臨床看護実践能力─自己評価と他者評価の比較から─:順天堂短期大学紀要,8,1-12.

南家貴美代,宇佐美しおり,有松操,他(2005)看護ケアの質と看護実践能力との関連:熊本大学医学部保健学科紀要,1,39-46.

宮島さゆり(2005)プリセプターの指導時期における心理状況の変化:第36回看護管理,95-97.

水野暢子,三上れつ(2000)臨床看護婦のキャリア発達過程に関する研究:日本看護管理学会誌,4(1),13-22.

中西睦子(2002)看護サービス管理:第2版,医学書院,東京.中武美智代(1999)中堅看護婦の役割認識と寄せられる役割期待に関する調査:看護教育研究集録,24,300-305.

成田健一,下仲順子,中里克治,他(1995)特性的自己効力感尺度の検討─生涯発達的利用の可能性を探る─:教育心理学研究,43(3),306-314.

西田比良,高橋美保子,石橋淳子,他(2009)日勤業務リーダーの継続年数による業務遂行の役割認識および自己評価の相違:日本看護学会抄録集看護総合,40,328.

岡田里美(2004)チームリーダーの経験と自己教育力との関連;看護教育研究集録,29.146-153.

岡嶋良枝,上見幸司(2007)大学病院の看護管理者のマネジメントの態度─公立大学病院の看護師長・主任の談話の分析から─:常盤研究紀要,1:7-36.

Robert L. Katz (1995): Skill of an effective Administrator, 6-60, Harvard Business Press, Boston Massachusetts.

佐野明美,平井さよ子,山口桂子(2006)中堅看護師の仕事意欲に関する調査─役割ストレス認知及びその他の関連要因との分析─:日本看護研究学会誌,29(2),81-93.

瀬川有紀子,石井京子(2010)中堅看護師の離職意図の要因分析─役割ストレスと役割 業務負担感の関連から─:大阪

Page 13: 臨床経験2・3年目看護師の 勤務帯リーダーの自信につながる要因 …janap.umin.ac.jp/mokuji/J1701/10000002.pdf · 日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013 17 を設定し,勤務帯リーダーの役割に対する自信を評

27日看管会誌 Vol. 17, No. 1, 2013

市立大学看護学雑誌,6,1-18.高橋文子,矢島浩美,岡崎弘美,他(2007)リーダー業務量調

査結果:長岡赤十字病院医学雑誌,20,95-101.手塚とみ江,佐藤みつ子(2007)看護師長のリーダーシップに対する自己評価と看護師による評価:Yamanashi Nursing Journal,6(1),33-38.

筑後幸恵,長吉孝子,渡邉竹美(2001)卒後3~5年目看護職のキャリア形成における課題:第32回看護管理,27-29.

辻ちえ,小笠原知枝,竹田千佐子,他(2007)中堅看護師の看護実践能力の発達過程におけるプラトー現象とその要因:日本看護研究学会誌,30(5)31-38.

上野貴子,内藤理恵,出口昌子,他(2002)経験3年目以上看護婦・看護士の臨床実践能力の特徴第2報─年齢階級別にみた臨床実践能力の比較─:日本看護管理学会誌,5(2),64-70.

山品晴美,舟島なをみ(2006):病院においてリーダー役割を担う看護師の行動の解明─勤務帯リーダーに焦点を当てて─:看護教育学研究,15(1),48-61.

吉田えり,山田和子,森岡郁晴(2011)卒後2~5年目の看護師における自己効力感とストレス反応との関連:日本看護研究学会,34(4),65-72.