博士課程のリアル講演内容 2 自己紹介、研究内容紹介...

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博士課程のリアル 阿部 博志 東北大学 大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 量子保全工学分野 サイエンスキャンパスホール 2019730日(火) 令和元年度 博士後期課程 進学説明会

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博士課程のリアル

阿部博志

東北大学大学院工学研究科

量子エネルギー工学専攻量子保全工学分野

サイエンスキャンパスホール

2019年7月30日(火)

令和元年度 博士後期課程進学説明会

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講演内容2

自己紹介、研究内容紹介

本講演の位置づけ、内容

修士とは?博士とは?

博士課程進学を志した経緯、博士課程在学時の経験

博士課程を検討する際に、よく聞かれる質問への回答

その他、私が大切だと思うこと

まとめ

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自己紹介-阿部博志3

【学歴】 1999年 栃木県立宇都宮高校 卒業 1999年 東北大学 工学部 機械・知能系 入学 2008年 東北大学 大学院工学研究科 博士後期課程 修了

博士論文「オーステナイト系低炭素ステンレス鋼溶接部の低温時効と応力腐食割れ特性に関する材料組織学的研究」

【職歴】 2007年 日本学術振興会 特別研究員(DC2) 2008年 日本学術振興会 特別研究員(PDへ資格変更) 2009年 東北大学 大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 助教 2017年 東北大学 大学院工学研究科 量子エネルギー工学専攻 講師

【研究キーワード】

機械工学(材料強度学・破壊力学)、腐食工学、材料工学

エネルギープラント(原子力、火力、化学)構造部材の耐久性・信頼性研究、経年劣化評価と保全

腐食、応力腐食割れ、脆化、クリープ、その他経年劣化

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研究内容-原子力安全の技術面を研究4

原子力発電プラントにおいて、機器や構造物の運用過程における損傷メカニズムの予測(壊れないために)、劣化対策の開発(長く使えるように)、保全技術の向上(安全を守るために)の3つを主要な研究テーマに掲げ、安全で安定したプラント運用の確保を目的としています。

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本講演の位置づけ、内容5

修士終了後は就職すべき?博士課程に進学すべき?

「よく知らないもの」に対してはネガティブに考えがち。

“保護者向け”説明会の意義は?

博士課程進学は、ごく一般的な選択肢の一つ。

私が博士課程進学を志した経緯、博士課程在学時の経験。

博士課程を検討する際に、よく聞かれる質問への回答。

その他、私が大切だと思うこと。

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東北大学工学研究科のディプロマ・ポリシー(修士に求められるもの)

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【博士課程前期2年の課程 】

東北大学工学研究科では、所定の期間在学し、工学研究科の教育目的及び教育目標に沿って設定された授業科目を履修して、所定の単位以上を修得し、高い倫理観と責任感、そして以下の知識と能力を身につけた上で、修士論文または特定の課題についての研究成果の審査及び最終試験に合格した学生に対して、修士(工学)の学位を授与する。

1.研究課題の本質を理解し探究できる幅広い基礎知識と基礎学力2.専門分野に関する深い知識3.専門分野に関連した学際的知識4.異なる専門分野の知識の統合によるシステム設計能力5.研究の課題設定と課題解決能力6.研究の高度な実践能力と応用展開能力7.研究の遂行に必要な語学力8.研究指導または技術指導のための基本的能力

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東北大学工学研究科のディプロマ・ポリシー(博士に求められるもの)

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【博士課程後期3年の課程 】

東北大学工学研究科では、所定の期間在学し、工学研究科の教育目的及び教育目標に沿って設定された授業科目を履修して、所定の単位以上を修得し、高い倫理観と責任感、そして以下の知識と能力を身につけた上で、博士論文の審査及び最終試験に合格した学生に対して、博士(工学)の学位を授与する。

1.社会的要請を踏まえた俯瞰的視野に立って研究課題を開拓し、研究を実践する能力

2.独自の発想による課題解決能力3.他分野に応用できる思考能力4.国際学会等で発表するに十分な語学力・論文執筆能力・ディベート力

・コミュニケーション能力5.研究指導を行う能力6.研究またはプロジェクトをマネジメントする基本的能力

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東北大学工学研究科のカリキュラム・ポリシー(修士/博士への教育方針)

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【博士課程前期2年の課程 】

【博士課程後期3年の課程 】

1. 研究課題の本質を理解し、研究を遂行、展開するために必要な幅広い基礎知識、高度な専門知識及び専門分野に関連した学際的知識を修得させる。

2. 研究課題に対する高度な実践能力、その研究課題を独自の発想によって展開できる能力を育成する。

3. 研究の遂行及び研究成果を発表するのに必要な語学力を育成する。

1. 社会的・国際的要請を踏まえた俯瞰的視野に立って研究課題を開拓し、研究を実践する能力、その研究課題を独自の発想によって展開し、国際水準の論文として纏めることができる能力、さらにこれらを通じて他分野にも応用展開できる思考能力を育成する。

2. 研究成果を国際学会等で発表かつ討論するに十分な語学力・ディベート力・コミ ュニケーション能力を育成する。

3. 専門分野において研究指導を行うことができる能力を育成する。

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博士課程進学を志した経緯9

そもそも大学院進学(修士課程)をすべきか、自分なりに悩み、考えた。

• 実力をつけてから社会に出たいと考え、修士課程進学を決断。

• 実際に卒業研究をやってみて、研究の楽しさを知る。

修士1年生の夏季インターンシップで得るものは大きかった。

• 自分の将来について具体的にイメージする、良い機会だった。

• 今の環境がどれだけ恵まれているかに気づけた。

「どちらの環境に身を置いた方が自分が成長できそうか」を考え、博士課

程への進学を決断。就職活動はせず。両親も私の選択を尊重。

• なるべく人と違う道を歩みたい、と考えていた。

• 「自分もこうなりたい」と思える存在が居るか。理想像はあるか。

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博士課程在学時の経験10

自由のありがたさ。自分で考え、決断し、実行することの責任。

思うように結果が出なくても、「自分で決めた道」であるから努力できた。

ちょっと背伸びしてみることが大切。徐々に実力も、度胸もついてくる。

良い研究が良い教育に繋がる(研究第一主義)。

「東北大学工学研究科の博士課程学生」が使えるリソース。

マネジメントの視点。後輩の面倒。研究室運営・研究費獲得など。

「物事を探求した」ことの経験。そこからの水平展開は比較的容易。

周囲のサポートへの感謝。

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博士課程を検討する際に、よく聞かれる質問への回答11

経済的にやっていけるか、就職先はあるか。選択肢が狭まるのでは。

• 解決済み。心配ご無用。選択肢が絞られるのはむしろ歓迎。

自分の専門分野以外では、活躍できないのでは?

• よくある誤解。説明済み。

皆がそうするから。家族(親)が言ったから。

• フォロワーになっても得られる物は少ない。

早く社会に出たい。安定したい。

• 窮地に陥ったときに、真価が試される。自信・実力をつけることに

注力すべき。

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私が大切だと思うこと12

伸びる学生の共通点

1. 素直・前向きであること

2. 誠実であること

3. 精神的に自立していること

周囲のノイズ(親、就活ビジネス)を気にしない。鈍感力。

• 形骸化している「就活ルール」の廃止

• 「新卒採用」「年功序列」「終身雇用」の見直し

• 親の役割は?いつまでが“保護者”?

• Malala’s Father: ‘I Did Not Clip Her Wings’

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まとめ13

まず研究に没頭する経験をして下さい。その上で研究が好きで

あれば、博士課程への進学を考えてみてください。

質の高い情報を参考にするとともに、批判的な視点を持って下さ

い。極力ロングスパンで考えて、将来選択をすることを勧めます。

博士課程進学を決めている方は、探究心を持って、困難を楽し

みながら、充実した時間を過ごして下さい。