農福連携アンケート調査結果 目次 農業者向けアン …農業者向け...
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農福連携アンケート調査結果 目次
1 農業者向けアンケート結果 ........................................................................................... 1 1.1 アンケートに回答した農業者の概要について .................................................................. 1 1.2 経営⾯積・売上等について ................................................................................................ 2 1.3 障がい者が担う作業 ........................................................................................................... 5 1.4 障がい者の受⼊れ形態 ....................................................................................................... 6 1.5 障がい者を直接雇⽤している農業者の調査結果 ............................................................... 7 1.6 福祉事業所に作業を委託している農業者の調査結果 ..................................................... 11
2 農業者向け課題抽出アンケート 結果取りまとめ .................................................... 14 2.1 障がい者を直接雇⽤している農業者が課題に感じること .............................................. 14 2.2 福祉事業所に作業を委託している農業者が課題に感じること ....................................... 22
3 福祉事業者向けアンケート結果 ................................................................................. 31 3.1 アンケートに回答した事業所の概要について ................................................................ 31 3.2 農業の取組について ......................................................................................................... 32 3.3 農福連携の効果について ................................................................................................. 34 3.4 ⾃ら農業に取組む事業所の調査結果 ............................................................................... 41 3.5 近隣農家から農作業を受託している事業所の調査結果 .................................................. 50
4 流通業者向けアンケート ............................................................................................ 57 4.1 農産物の調達先 ................................................................................................................ 58 4.2 それぞれの調達先と取引をする理由 ............................................................................... 60 4.3 農福連携について ............................................................................................................ 63 4.4 今後の調達先開拓で重要視すること ............................................................................... 65
5 消費者向けアンケート ................................................................................................ 66 5.1 回答者について ................................................................................................................ 66 5.2 オンラインショップをどのように知ったか .................................................................... 67 5.3 農福連携について ............................................................................................................ 68 5.4 今後の希望 ....................................................................................................................... 70
6 当事者向けアンケート ................................................................................................ 72 6.1 回答者について ................................................................................................................ 72 6.2 担当する仕事について ..................................................................................................... 74 6.3 農業の経験年数 ................................................................................................................ 76 6.4 仕事の捉え⽅について ..................................................................................................... 77 6.5 仕事の頻度 ....................................................................................................................... 78 6.6 以前と⽐べて良くなったこと .......................................................................................... 79 6.7 今までの仕事で苦労したこと・⼤変だったこと ............................................................. 80
農業者向け
全回答者対象
1
1農業者向けアンケート結果 本アンケート調査結果は、平成 30 年 11 ⽉に、障がい者を雇⽤⼜は福祉事業所等に農作業を委
託している農家等(以下「農福連携農家等」という。)350 客体を対象に往復郵送調査で実施し、
回答のあった 126 客体について取りまとめたものである。
1.1アンケートに回答した農家等の概要について 農福連携農家等の経営年数、代表者の年齢については以下のとおり。
農業経営年数(回答者数 124)
代表者の年齢(回答者数 126)
36
19
30
39
0 10 20 30 40 50
5年未満
6〜10年
11〜20年
21年以上
農業経営年数
10
29
29
38
19
1
0 5 10 15 20 25 30 35 40
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上
代表者の年齢
農業者向け
全回答者対象
2
1.2経営面積・売上等について 農地⾯積に関する質問については、113 客体の農福連携農家等から回答があり、平成 27 年から
平成 30 年にかけて回答者全体で農地⾯積が約 25%増加している。なお、耕地及び作物⾯積統計
(農林⽔産省統計部)によると、全国の耕地⾯積の合計は平成 27 年から平成 30 年にかけて約
2%減少しており、これから⾒ても、農福連携農家等の農地⾯積の増加は顕著であることがわか
る。
農地面積の推移(回答者数 113)
単位 1000 ㎡
H27 H28 H29 H30 11,488 12,430 13,112 14,387
11,488 12,430
13,112
14,387
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
H27 H28 H29 H30
農地⾯積の推移(千㎡)
農業者向け
全回答者対象
3
5年前と現在を⽐較した年間売上額についての質問では、回答のあった農福連携農家等の 78%
が、5年前に⽐べて「年間売上額が上がった」と回答している。
さらに、障がい者を受け⼊れることの収益性に対する効果についての質問では、「⼤きな効果あ
り」「効果あり」「どちらかと⾔えば効果あり」と回答した農福連携農家等が 83%あり、農福連携
に取組むことが売上の増加につながっていることがこの結果から推察される。
5年前と比較した年間売上額(回答者数 120)
障がい者を受け入れることによる収益性向上に対する効果(回答者数 105)
9478%
54%
2118%
5年前と⽐較した年間売上額
上がった 下がった 変わらない
⼤きな効果あり18
効果あり48
どちらかと⾔えばあり21
どちらかと⾔えばない9 効果なし
5分からない
4
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
障がい者を受け⼊れることによる収益性向上に対する効果
農業者向け
全回答者対象
4
次に、障がい者を受け⼊れることで具体的にどのような効果があったについて尋ねたところ、
「⼈材として貴重な戦⼒(76%)」「農作業の労働⼒確保によって営業等の時間が増えた(57%)」
「⼈員の確保が容易になった(22%)」等、障がい者が農業の現場で貴重な労働⼒となって、農業
経営の維持・拡⼤に寄与しているだけでなく、「作業の⾒直しによる効率向上(42%)」や「組織
体制の⾒直しによる組織⼒向上(17%)」等、障がい者を受け⼊れることによって、経営の⾒直し
につながるなどの副次的な効果をもたらしていることがわかる。
障がい者を受け入れることによる効果(回答者数 109、複数回答あり)
障がい者を受け⼊れることによる効果 回答者数 回答者に占める割合 ⼈材として貴重な戦⼒ 83 76%
農作業の労働⼒確保によって営業等の時間が増えた 62 57%
作業の⾒直しによる効率向上 46 42%
経営規模の拡⼤ 30 28%
適期作業による品質の向上 27 25%
⼈員の確保が容易になった 24 22%
新たな農作物の栽培にチャレンジできるように 20 18%
組織体制の⾒直しによる組織⼒向上 19 17%
継続して農産業を⾏っていく動機になった 19 17%
従業員の⼠気向上 17 16%
新たな販路開拓等につながった 12 11%
⼈⼿の増加による病気の早期発⾒、⿃獣害被害の防⽌ 7 6%
防除回数、防除にかかる経費の削減 6 6%
その他 12 11%
農業者向け
全回答者対象
5
1.3障がい者が担う作業 障がい者が担う作業内容についての質問では、83%が「ほ場や畜舎等における作業」と回答し
ており、また、ほ場や畜舎等での具体的作業内容については、「簡単な単純作業」や「体⼒を要す
る作業」等、労働⼒が必要とされる分野での作業の割合が⾼くなっているが、⼀⽅で「経験を要
する作業」や「機械の運転」等の作業も担っており、障がい者の能⼒に応じて作業が割り当てら
れていることがわかる。
障がい者が担う作業内容(回答者数 111)
ほ場や畜舎等での具体的作業内容(回答者数 101)
ほ場や畜舎等における作業内容 回答者数 回答者に占める割合 簡単な単純作業 75 74%
体⼒を要する作業 58 57%
経験を要する⼿作業 37 37%
機械の運転 27 27%
その他 11 11%
92
21
11
0
22
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
ほ場や畜舎等
農畜産加⼯
販売
経理
その他
障がい者が担う作業内容
農業者向け
全回答者対象
6
1.4障がい者の受入れ形態 障がい者の受け⼊れ形態については、以下のとおりであり、直接雇⽤より農作業の⼀部を障害
者に委託している割合が⾼くなっている。
障がい者の受入れ形態(回答者数 112、両⽅回答した8件は除く)
4036%
7264%
障がい者の受⼊れ形態
障がい者を直接雇⽤している 福祉事業所に作業を委託
農業者向け
直接雇用の回答者対象
7
1.5障がい者を直接雇用している農業者の調査結果 ① 障がい者の雇用年数
障がい者の雇⽤年数については、46 の農家等から回答があり、障がい者を雇⽤している農家等
のうち 61%が5年以上障がい者を雇⽤しており、農福連携といった⾔葉が使われる以前から、農
業の現場では障がい者を労働⼒として雇⽤していたことがわかる。
障がい者の雇用年数(回答者数 46)
9
9
14
10
4
0 2 4 6 8 10 12 14 16
〜3年
3〜5年
5〜10年
10〜20年
20年以上
障がい者の雇⽤年数
農業者向け
直接雇用の回答者対象
8
② 従業員数の推移 障がい者を雇⽤している農家等に対して、障がい者雇⽤開始時と現在の従業員数について尋ね
たところ、全体の従業員数が約 1.7 倍に増加しており、うち障がい者が占める割合も 22%から
31%へと増加している。
従業員数の推移(回答者数 40)
障がい者雇⽤開始時 現在 全従業員数 477 815
うち障がい者数 104 253
障がい者の割合 22% 31%
障がい種別内訳(回答者数 40) ⾝体 知的 精神
障がい者雇⽤開始時 12 48 44
現在 32 135 86
農業者向け
直接雇用の回答者対象
9
③ 障がい者の賃金 障がい者の⽉額賃⾦については、32 の農家等から回答があり、障がい者の⽉額の平均賃⾦は 10
万円前後が多い結果となっている。また、過去5年の障がい者の賃⾦の増減に対する質問では、
71%の農家等が「増えてきている」と回答している。
障がい者の月額賃金(回答者数 32)
過去5年の障がい者の賃金増減(回答者数 44)
4
13
13
2
0 2 4 6 8 10 12 14
〜5万円
5〜10万円
10〜15万円
15万円以上
障がい者の⽉額賃⾦
3171%
920%
12% 3
7%
過去5年の障がい者の賃⾦増減
増えてきている 変わらない 減ってきている 分からない
農業者向け
直接雇用の回答者対象
10
④ 農福連携の今後の取組意向 農福連携の今後の取組意向については、59%が直接雇⽤を「拡⼤したい」と回答し、さらに福
祉事業所への委託にも今後「取り組みたい」と回答した農家等が 59%あった。
福祉事業所への委託については、農作業の受委託について農業サイドと福祉サイドをマッチン
グする中間⽀援組織(共同受注窓⼝)が存在するところで、円滑に⾏われている事例が多くみら
れることから、こうした中間⽀援組織の整備が重要になると考えられる。
障がい者直接雇用の今後の意向(回答者数 46)
福祉事業所への委託 今後の意向(回答者数 41)
2759%
1737%
24%
障がい者直接雇⽤ 今後の意向
拡⼤したい 現状維持 縮⼩したい
2459%
1741%
福祉事業所への委託 今後の意向
取組みたい 取組むつもりはない
農業者向け
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
11
1.6福祉事業所に作業を委託している農業者の調査結果 ① 作業委託年数
直接障がい者を雇⽤している農家等の過半数が5年以上農福連携に取り組んでいるのに対し、
福祉事業所に作業を委託している農家等では、78%がここ6年間で福祉事業所への農作業の委託
に取組み始めたことがわかる。また、作業委託を始めたきっかけに関する質問では「⾏政からの
紹介」と回答した農家等が 35%と最も多く、農作業の受委託においては、⾏政が、農業サイドと
福祉サイドのマッチングに寄与していることが推察される。
福祉事業所への作業委託年数(回答者数 68)
作業委託を始めたきっかけ(回答者数 78、複数回答あり)
作業委託を始めたきっかけ 回答者数 回答者に占める割合 ⾏政からの紹介 27 35%
福祉事業所等から紹介 14 18%
障がい者⽀援機関から紹介 13 17%
地域の農業者等から紹介 7 9%
特別⽀援学校の職場実習受⼊ 1 1%
ハローワークを通じて 0 0%
セミナー等で知った 0 0%
その他 21 27%
36
17
8
1
4
2
0 5 10 15 20 25 30 35 40
〜3年
3〜6年
6〜9年
9〜12年
12〜15年
15年以上
福祉事業所への作業委託年数
農業者向け
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
12
② 年間の委託日数と委託している事業所の件数 年間作業委託⽇数については、3ヶ⽉未満の農家等が 64%となっており、農作業の繁忙期にの
み障がい者の労働⼒に頼っていることがわかる。また、委託している事業所の件数も1件未満の
農家等が⼤半を占めている。通年で農業の現場で障がい者に農作業委託を⾏い、障がい者の就労
を確保していくためには、複数の農業者からの農作業委託と、福祉サイドにおいてはそうした複
数の農業者からの委託に対応できるようなスキルアップが必要であるほか、農業サイドと福祉サ
イドのマッチングを調整するコーディネーターの存在が不可⽋である。
年間作業委託日数(回答者数 69)
委託している事業所の件数(回答者数 69)
*0件とは、かつて委託をしていたが、アンケート調査を実施した 11 ⽉現在では、2018 年の 委託件数が0件であったところ
22
22
8
11
6
0 5 10 15 20 25
〜30⽇
1〜3ヶ⽉
3〜6ヶ⽉
6〜9ヶ⽉
9ヶ⽉以上
年間作業委託⽇数
12
40
12
5
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45
0件
1件
2〜3件
4件以上
委託している事業所の件数
農業者向け
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
13
③ 農福連携の今後の取組意向 農福連携の今後の取組意向については、障がい者を直接雇⽤している農家等と同様に、「福祉事
業所への委託」「直接雇⽤」共に、「拡⼤したい」と回答した農家等が過半数を占めた。
福祉事業所への委託 今後の意向(回答者数 78)
直接雇用今後の意向(回答者数 72)
4963%
2836%
11%
福祉事業所への委託 今後の意向
拡⼤したい 現状維持 縮⼩したい
3954%
3346%
直接雇⽤ 今後の意向
取組みたい 取組むつもりはない
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
14
2農業者向け課題抽出アンケート 結果取りまとめ このアンケート調査結果は、1の農業者向けアンケートと併せて、障がい者を雇⽤⼜は福祉事
業所等に農作業を委託している農家等 350 客体に対して、農福連携における課題を把握するため
のアンケート調査を実施し、回答のあった 131 客体について取りまとめたものである。
2.1障がい者を直接雇用している農業者が課題に感じること ① 障がい者に通年で働いてもらうための工夫
障がい者に通年で働いてもらうための⼯夫について課題を感じているかについては、74%の農
家等が課題を感じているといった結果となった。⾃由記⼊の欄でも「⾬天時の仕事がなくなって
しまう」「冬場の作業確保がなければ安定雇⽤につながらない」等の回答が⾒られた。
次ページの図表は、農家等が課題に対して「重要であると考える対策」と、「実施している対策」
を取りまとめたものである。
障がい者に通年で働いてもらうための工夫に関する課題の有無(回答者数 35)
2674%
926%
障がい者に通年で働いてもらうための⼯夫に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
15
障がい者に通年で働いてもらうための工夫 対応策
障がい者に通年で働いてもらうための⼯夫 重要策 実施策 作業の⾒直し、障がい特性に合わせた作業の切り出し、作業⼯程の細分化 20 28
専属の農業指導者により、きめ細やかな指導をし技術向上を図る 15 9
栽培⾯積や施設栽培の拡⼤、栽培品⽬の増加、経営規模の拡⼤ 14 16
販売や加⼯等、6次産業化に取り組む 14 15
その他 2 2
N=31 N=38
「専属の農業指導者により、きめ細やかな指導をして、障がい者の技術向上を図る」必要性を
感じている農家等は多いものの、実践できている農家等は 24%にとどまった。農業普及指導員や
リタイアした農業者の活⽤など、地域ぐるみでの指導や、⾏政のサポートが重要になると考えら
れる。
20
15
14
14
2
28
9
16
15
2
0 10 20 30 40 50 60
作業の⾒直し、障がい特性に合わせた作業の切り出し、作業⼯程の細分化
専属の農業指導者により、きめ細やかな指導をし技術向上を図る
栽培⾯積や施設栽培の拡⼤、栽培品⽬の増加、経営規模の拡⼤
販売や加⼯等、6次産業化に取り組む
その他
障がい者に通年で働いてもらうための⼯夫
重要策 実施策
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
16
② 障がい者とのコミュニケーション 障がい者とのコミュニケーションついて課題があるとしている農家等は 63%を占め、課題に対
する対応策については以下のとおり。また、⾃由記⼊の欄で障がい者との接し⽅や障がいの程度
の理解の仕⽅等、「障がい者理解」に関して課題を感じる回答が多く⾒られ、農業者を対象にした
セミナーや講座が必要だという意⾒もあった。
障がい者とのコミュニケーションに関する課題の有無(回答者数 35)
2263%
1337%
障がい者とのコミュニケーションに関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
17
障がい者とのコミュニケーションに関する課題対応
障がい者とのコミュニケーションに関する課題対応 重要策 実施策 雇⽤前に関係者から情報を⼊⼿する 21 23
⽇々、障がい者と接する中で徐々に理解を深める 19 29
農福連携に取組む農家等に出向き接し⽅を学ぶ 4 4
その他 3 4
N=27 N=37
21
19
4
3
23
29
4
4
0 10 20 30 40 50 60
雇⽤前に関係者から情報を⼊⼿する
⽇々、障がい者と接する中で徐々に理解を深める
農福連携に取組む農家等に出向き接し⽅を学ぶ
その他
障がい者とのコミュニケーションに関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
18
③ 障がい者の農業技術習得 障がい者の農業技術習得に関する課題の有無、課題に対する対応策については以下のとおり。
⾃由記⼊の欄では、障がい者の農業技術取得に対して、「写真⼊りのマニュアルを作成する」「社
員とペアで作業をしてもらう」「リーダーをつけて作業をしてもらう」等の対応策があった。
障がい者の農業技術習得に関する課題の有無(回答者数 33)
2267%
1133%
障がい者の農業技術習得に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
19
障がい者の農業技術習得に関する課題対応
障がい者の農業技術習得に関する課題対応 重要策 実施策 ⾃ら障がい者に対して指導 19 33
お試しの作業期間を設け、農作業を覚えてもらう 18 16
農業に精通した指導者が指導 5 6
あらかじめ農業研修等を受けてもらう 5 2
その他 1 1
N =30 N=38
19
18
5
5
1
33
16
6
2
1
0 10 20 30 40 50 60
⾃ら障がい者に対して指導
お試しの作業期間を設け、農作業を覚えてもらう
農業に精通した指導者が指導
あらかじめ農業研修等を受けてもらう
その他
障がい者の農業技術取得に関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
20
④ トイレ等の設備の整備 トイレ等、設備の整備に関する課題の有無、課題に対する対応策については以下のとおり。
「農林⽔産省等の補助⾦を利⽤して設置する」ことを重要策だと考える農家等は多かったもの
の、実際に実施した農家等は2件にとどまった。また、トイレの確保が難しいため、現状は男性
のみを雇⽤しているという回答もあった。
トイレ等設備に関する課題の有無(回答者数 29)
1448% 15
52%
トイレ等設備に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
直接雇用の回答者対象
21
トイレ等の設備に関する課題対応
トイレ等の設備に関する課題対応 重要策 実施策 農林⽔産省等の補助⾦を利⽤してトイレや休憩所を設置 14 2
⾃費でトイレや休憩所を設置 10 26
圃場近くのスーパーや公衆トイレ等を利⽤する 5 7
その他 2 1
N=26 N=31
14
10
5
2
2
26
7
1
0 5 10 15 20 25 30 35 40
農⽔省等の補助⾦を利⽤してトイレや休憩所を設置
⾃費でトイレや休憩所を設置
圃場近くのスーパーや公衆トイレ等を利⽤する
その他
トイレ等の設備に関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
22
2.2福祉事業所に作業を委託している農業者が課題に感じること ① スケジュール調整、人手の確保
農作業の時間と福祉の時間が合わない、福祉サイドが急な仕事に対応できない、毎⽇働きに来
る障がい者の数が違う等、スケジュール調整、⼈⼿の確保に関して課題を感じている農家等は
67%を占めた。⾃由記⼊の欄でも、「夏の時期、⼀番暑い時間帯に作業をしてもらわなくてはなら
ず、健康⾯が⼼配」等の回答が多く⾒られた。
スケジュール調整、人手の確保に関する課題の有無(回答者数 67)
4567%
2233%
スケジュール調整、⼈⼿の確保に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
23
スケジュール調整、人手の確保に関する課題対応
スケジュール調整、⼈⼿の確保に関する課題対応 重要策 実施策 福祉事業所と直接相談し農作業スケジュールを調整 31 49
コーディネーターを介し事前にスケジュールを調整 18 15
いつでも作業してもらえる仕事を作る 13 21
対応できていない 2 2
その他 3 1
N=46 N=66
31
18
13
2
3
49
15
21
2
1
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
福祉事業所と直接相談し農作業スケジュールを調整
コーディネーターを介し事前にスケジュールを調整
いつでも作業してもらえる仕事を作る
対応できていない
その他
スケジュール調整、⼈⼿の確保に関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
24
② 障がい者とのコミュニケーション 障がい者とのコミュニケーションに関する課題の有無、課題に対する対応策については以下の
とおり。
障がい者とのコミュニケーションに関する課題の有無(回答者数 66)
障がい者とのコミュニケーションに関する課題対応
障がい者とのコミュニケーションに関する課題対応 重要策 実施策 福祉施設の職員等から接し⽅を聞く 33 42
⽇々、障がい者と接する中で徐々に理解を深める 22 34
委託前に関係者から情報を⼊⼿する 21 19
農福連携に取組む農家等に出向き接し⽅を学ぶ 10 5
その他 1 3
N=42 N=58
4061%
2639%
障がい者とのコミュニケーションに関する課題の有無
有 無
33
22
21
10
1
42
34
19
5
3
0 10 20 30 40 50 60 70 80
福祉施設の職員等から接し⽅を聞く
⽇々、障がい者と接する中で徐々に理解を深める
委託前に関係者から情報を⼊⼿する
農福連携に取組む農家等に出向き接し⽅を学ぶ
その他
障がい者とのコミュニケーションに関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
25
③ 障がい者の農業技術習得 障がい者の農業技術習得に関する課題の有無、課題に対する対応策については以下のとおり。
⾃由記⼊の欄では、「⼀年を通じて圃場での作業は種類が多い」「ルーティン作業を増やしたい
が毎⽇同じ作業はない」等、作業の効率化に難しさを感じている農家等も⾒られた。⾹川県など
農業サイドと福祉サイドで農作業の受委託の取り組みが進んでいる地域では、サポーターが障が
い者にその都度、作業を指導することで、障がい者による農作業の円滑化を図っており、地域に
おいてサポーターの確保をどのように進めていくかが課題と⾔える。
障がい者の農業技術に関する課題の有無(回答者数 65)
4671%
1929%
障がい者の農業技術に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
26
障がい者の農業技術習得に関する課題対応
障がい者の農業技術習得に関する課題対応 重要策 実施策 付き添いの福祉施設の職員に⼿順を教え、職員から指導 35 61
⾃ら障がい者に対して指導 24 32
お試しの作業期間を設け、農作業を覚えてもらう 10 13
農業に精通した指導者が指導 5 3
あらかじめ農業研修等を受けてもらう 2 2
その他 3 0
N=46 N=64
3524
105
23
6132
133
20
0 20 40 60 80 100 120
付添の福祉施設の職員に⼿順を教え、職員から指導⾃ら障がい者に対して指導
お試しの作業期間を設け、農作業を覚えてもらう農業に精通した指導者が指導
あらかじめ農業研修等を受けてもらうその他
障がい者の農業技術習得に関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
27
④ 委託金額の決め方 委託⾦額の決め⽅に関する課題の有無、課題に対する対応策については以下のとおり。
⾃由記⼊の欄では「個⼈によって労働量、能⼒が違うのに作業⼯賃が同じ」「初めての作業に対
して賃⾦計上の⾒込みが難しい」等の回答が⾒られた。
地域によっては、あらかじめ作業ごとの単価を⽰して委託⾦額の⾒える化を⾏っているところ、
コーディネーターが作業内容に応じて農家側に⾦額提⽰し調整を図っているところがあるなど、
農業サイドにとっても福祉サイドにとっても賃⾦の決め⽅を明確にしておくことが重要となっ
ている。
委託金額の決め方に関する課題の有無(回答者数 61)
3151%
3049%
委託⾦額の決め⽅に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
28
委託金額の決め方に関する課題対応
委託⾦額の決め⽅に関する課題対応 重要策 実施策 福祉事業所とその都度直接交渉 27 48
初めは暫定的な単価を設定し、定期的に⾒直し 14 14
コーディネーター等が間に⼊り交渉 13 14
JA 等の指標を⽬安に時給ではなく作業単価で決定 8 6
その他 1 1
N=40 N=64
27
14
13
8
1
48
14
14
6
1
0 10 20 30 40 50 60 70 80
福祉事業所とその都度直接交渉
初めは暫定的な単価を設定し、定期的に⾒直し
コーディネーター等が間に⼊り交渉
JA等の指標を⽬安に時給ではなく作業単価で決定
その他
委託⾦額の決め⽅に関する課題対応
重要策 実施策
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
29
⑤ トイレ等の設備の整備 トイレ等の設備の整備に関する課題の有無、課題に対する対応策については以下のとおり。
障がい者を直接雇⽤している農業者同様、「農林⽔産省等の補助⾦を利⽤して設置する」ことを
重要策だと考える農家等は多かったものの、実際に実施した農家等は 21 件中6件にとどまった。
このため、トイレの確保の重要性は感じているものの、補助制度の活⽤までには⾄らないのが
現状ではないかと考えられる。
トイレ等の設備に関する課題の有無(回答者数 66)
3655%
3045%
トイレ等の設備に関する課題の有無
有 無
農業者向け 課題
福祉事業所に作業を委託している回答者対象
30
トイレ等の設備に関する課題対応
トイレ等の設備に関する課題対応 重要策 実施策 農林⽔産省等の補助⾦を利⽤してトイレや休憩所を設置 21 6
⾃費でトイレや休憩所を設置 15 27
圃場近くのスーパーや公衆トイレ等を利⽤する 7 14
その他 4 6
N=41 N=50
21
15
7
4
6
27
14
6
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45
農⽔省等の補助⾦を利⽤してトイレや休憩所を設置
⾃費でトイレや休憩所を設置
圃場近くのスーパーや公衆トイレ等を利⽤する
その他
トイレ等の設備に関する課題対応
重要策 実施策
福祉事業者向け
全回答者対象
31
3福祉事業者向けアンケート結果 本アンケート調査結果は、平成 30 年 11 ⽉に、農福連携に取り組んでいる全国の 1,911 事業所
に対して往復郵送調査で⾏い、回答のあった 777 事業所について取りまとめたものである。
3.1アンケートに回答した事業所の概要について サービスの種類と運営主体
提供するサービスの種類 運営主体
*回答者数 776、複数回答あり *回答者数 769
662
204
169
131
110
0 200 400 600 800
B型
⽣活介護
就労移⾏
A型
その他
サービスの種類
45058%
18324%
679%
243% 45
6%
運営主体
社会福祉法⼈ NPO法⼈ 株式会社⼀般社団法⼈ その他
福祉向け・全回答者対象
32
3.2農業の取組について ① 農業活動年数
農業活動年数についてみると、この 10 年で農業活動を始めた事業所は 66%を占めており、農
業活動に取り組む事業所が、近年、増加傾向にあることがわかる。この背景としては、2011 年の
農地法改正でリース⽅式での農業参⼊が全⾯⾃由化され、社会福祉法⼈であっても農地を借りや
すくなったこと、農福連携という⾔葉に代表されるように、福祉サイドの農業への関⼼が⾼まっ
ていることなどがあると考えられ、これらに加えて、農村地域の⾼齢化により耕作放棄地が発⽣
し、農地を⼊⼿しやすくなったことも背景にあるのではないかと考えられる。
農業活動年数 (回答者数 723)
活動年数 回答者数 割合
0-5 260 36%
5-10 217 30%
10-15 109 15%
15-20 52 7%
20-25 26 4%
25-30 21 3%
30-35 16 2%
35-40 13 2%
40-45 6 1%
50-55 3 0%
福祉向け・全回答者対象
33
260
217
109
52
26
21
16
13
6
3
0 50 100 150 200 250 300
0-5
5-10
10-15
15-20
20-25
25-30
30-35
35-40
40-45
50-55
農業活動年数
(年)
(団体数)
福祉向け・全回答者対象
34
3.3農福連携の効果について 農業と福祉の連携の取組によるプラス⾯の効果があったかについての質問では 89%の事業所
が「効果があった」と回答している。
農業への取組によるプラスの効果(回答者数 699)
次ページの①〜③で、「⾝体⾯・健康⾯」「精神⾯・情緒⾯」「⽣活⾯・仕事への取組姿勢」へ、
具体的にどのような効果があったか、アンケートの結果をまとめた。
62489%
7511%
農業への取組みによるプラスの効果
あり なし
福祉向け・全回答者対象
35
① 身体面・健康面の効果 身体面・健康面の効果(回答者数 573、複数回答あり)
② 精神面・情緒面の効果
精神面・情緒面の効果(回答者数 606、複数回答あり)
453
265
212
170
78
48
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
体⼒がついた
体調を崩しにくくなった
よく眠れる
⾷欲が増した
肥満解消
投薬の量が減少
⾝体⾯・健康⾯の効果
378
370
344
293
134
41
0 50 100 150 200 250 300 350 400
表情が明るくなった
感情⾯の落ち着き
意欲の向上
成功体験と⾃信
⾃⽴⼼の⾼まり
投薬量の減少
精神⾯・情緒⾯の効果
福祉向け・全回答者対象
36
③ 生活面・仕事への取組姿勢への効果
生活面・仕事への取組姿勢への効果(回答者数 611、複数回答あり)
267
262
259
255
253
205
203
185
163
116
0 50 100 150 200 250 300
⽣活リズム改善
地域住⺠と交流できるように
コミュニケーション⼒向上
あいさつができるように
複数の作業に取り組めるように
⾃分で判断できるように
出勤率向上
他者への気配りができるように
理解⼒向上と作業スピードアップ
集中⼒の⾼まり
⽣活⾯・仕事への取組姿勢
福祉向け・全回答者対象
37
④ 障がい者の賃金・工賃について 障がい者の賃⾦・⼯賃については、回答のあったA型事業所の⽉額の平均賃⾦が 73,309 円で、
平成 28 年度の全国平均 70,720 円より 2,589 円⾼くなっている。
また、B型事業所等の⽉額の平均⼯賃は 16,429 円で、こちらも全国平均の 15,295 円より 1,134
円⾼い結果となった。
過去5年間の障がい者の賃⾦・⼯賃の増減についても、74%の事業所が「増えてきている」と
回答しており、農業参⼊が賃⾦・⼯賃の上昇につながっていることがわかる。
月額平均賃金(A型)(回答者数 79)
平均賃⾦(A型) 回答者数 回答者に占める割合 4 万円以下 1 1%
4 万円-6 万円 12 15%
6 万円-8 万円 45 57%
8 万円-10 万円 13 16%
10 万円-12 万円 6 8%
12 万円-14 万円 1 1%
14 万円以上 1 1%
*回答者の平均:73,309 円(平成 28 年度の全国平均は 70,720 円)
1
12
45
13
6
1
1
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
4万円以下
4万円-6万円
6万円-8万円
8万円-10万円
10万円-12万円
12万円-14万円
14万円以上
⽉額平均賃⾦(A型)
福祉向け・全回答者対象
38
月額平均工賃(B型・他)(回答者数 594)
平均⼯賃(B型・他) 回答者数 回答者に占める割合 0.5 万円以下 30 5%
0.5 万円-1 万円 105 18%
1 万円-1.5 万円 165 28%
1.5 万円-2 万円 118 20%
2 万円-2.5 万円 72 12%
2.5 万円-3 万円 47 8%
3 万円-3.5 万円 30 5%
3.5 万円-4 万円 13 2%
4 万円-4.5 万円 8 1%
4.5 万円-5 万円 5 1%
5 万円以上 1 0%
*回答者の平均は 16,429 円(平成 28 年度の全国平均は 15,295 円)
30
105
165
118
72
47
30
13
8
5
1
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
0.5万円以下
0.5万円-1万円
1万円-1.5万円
1.5万円-2万円
2万円-2.5万円
2.5万円-3万円
3万円-3.5万円
3.5万円-4万円
4万円-4.5万円
4.5万円-5万円
5万円以上
⽉額平均⼯賃(B型・他)
福祉向け・全回答者対象
39
過去5年間の賃金・工賃の増減(回答者数 696)
51374%
11216%
588%
132%
過去5年間の賃⾦・⼯賃の増減
増えてきている 変わらない 減ってきている 分からない
福祉向け・全回答者対象
40
⑤ 農業の主な取組形態 農業の主な取組形態としては、「事業所が⾃ら農業⽣産に取り組む、または、農産物加⼯に取り
組む」が 81%、「事業所が近隣農家から農作業を受託して実施」が 19%であった。
農業の主な取組形態
農業の主な取組形態 回答者数
事業所⾃ら取り組む 534
事業所が近隣農家から受託 124
(回答者数 658、両⽅選択した回答者 72 は除く)
53481%
12419%
農業の主な取組み形態
事業所⾃ら取り組む 事業所が近隣農家から受託
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
41
3.4自ら農業に取組む事業所の調査結果 ① 農地面積の推移と農地面積の増やし方
回答があった、⾃ら農業に取組む 354 事業所の農地⾯積の推移をみると、ここ5年間で約 1.7
倍に増加していることがわかる。
農地の増やし⽅については「知⼈からの紹介」や「⾼齢農家等からの依頼」により農地を借り
受けている事業所が多いことから、農業に取組む過程で地域の農家や住⺠との間で信頼関係が構
築され、地域の担い⼿⼜は農地継承者として、農地を託されている事業所が増えているものと推
察される。
農地面積の推移(回答者数 354)
単位 1000 ㎡
H26 H27 H28 H29 H30 3,220 3,646 4,187 4,917 5,530
3,220
3,646
4,187
4,917
5,530
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
H26 H27 H28 H29 H30
農業に取組む福祉事業所の農地⾯積推移(千㎡)
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
42
農地面積の増やし方 (回答者数 354、複数回答あり)
農地⾯積の増やし⽅ 回答者数 回答者に占める割合 農地を借り受け 279 79%
荒廃農地借り受け 112 32%
農地を購⼊ 37 10%
荒廃農地購⼊ 9 3%
279
112
37
9
0 50 100 150 200 250 300
農地を借り受け
荒廃農地借り受け
農地を購⼊
荒廃農地購⼊
農地⾯積の増やし⽅
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
43
どのように農地面積を増やしたか (回答者数 351、複数回答あり)
どのように農地を増やしたか 回答者数 回答者に占める割合 知⼈からの紹介 184 52%
⾼齢農家等からの依頼 134 38%
JA の仲介 16 5%
農地バンクを活⽤ 10 3%
その他 96 27%
184
134
16
10
96
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
知⼈から
⾼齢農家等から
JAの仲介
農地バンク活⽤
その他
どのように農地⾯積を増やしたか
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
44
② 農産物(加工品)の年間売上高について 農産物(加⼯品)の年間売上⾼について、5年前と⽐較した場合の売上⾼の増減を尋ねたとこ
ろ、58%の事業所が「売上が上がった」と回答した。農業活動年数が5年未満の事業所も多いの
で⼀概には⾔えないが、後述する「過去5年間の利⽤者の賃⾦・⼯賃の増減」においても、「上が
っている」と回答した事業所が全体の 7 割以上を占めていることから、農業に参⼊することが障
がい者の⼯賃向上の⼀助となっていることが伺える。
⼀⽅、「売上が下がった」と回答した事業所も 15%あったが、売上が下がった理由については、
ここ最近の異常気象等、天候不順をあげる回答が最も多く、次いで職員の不⾜や利⽤者の減少・
⾼齢化、販売価格の下落・受注数の減少をあげる回答が⾒られた。
販売価格の下落については、農産物価格そのものが作柄や天候に左右される商品であるため、
仕⽅ない⼀⾯もあるが、障がい者の⽅によって⽣産された農産物などが「ノウフク」ブランドと
して⼀定の地域を築き、その価値を消費者に認識してもらうことにより、市場での競争⼒を持た
せるようブランド価値向上に取組むことが重要だと考えられる。
売上増減5年前との比較(回答者数 556)
売上増減 回答者数 割合 上がった 323 58%
下がった 82 15%
変わらない 151 27%
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
45
32358% 82
15%
15127%
5年前と⽐較した売上増減
上がった 下がった 変わらない
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
46
売上増加の割合(回答者数 256) 売上減少の割合(回答者数 62)
売上減少の理由(回答者数 59、複数回答あり)
101
57 5723 18
0
50
100
150
〜3割 3〜5割 5〜10割 2〜3倍 3倍以上
売上増加の割合
18 16
27
10
10
20
30
〜3割 3〜5割 5〜10割 2倍以上
売上減少の割合
14
12
10
10
6
4
3
16
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
天候
職員の不⾜
利⽤者の減少(⾼齢化)
販売価格下落・受注数の減少
技術的問題
収量の減少
農地の確保
その他
売上減少の理由
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
47
③ 農業部門に関わる障がい者数の推移 農業開始時と現在の農業部⾨に関わる障がい者数については、開始時と⽐べて農業部⾨に関わ
る障がい者数が約 1.5 倍に増加していることがわかる。
障がい種別の推移については、開始時に⽐べて⾝体障がい者が約 1.5 倍、知的障がい者が約 1.4
倍、精神障がい者が約 1.7 倍と、すべての障がい種別で増加しているが、とりわけ農業に就労す
る精神障がい者が増加していることがわかる。
4,138
6,182
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
農業開始時 現在
農業に関わる障がい者数の推移
223 335
2,874
3,951
908
1,542
0 500
1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500
開始時 現在 開始時 現在 開始時 現在
⾝体 知的 精神
農業に関わる障がい者の推移(内訳)
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
48
④ 農業活動の今後の見通し 農業活動の今後の⾒通しについては、32%の事業所が「拡⼤する」と回答しており、地域の農
業の担い⼿となって⽣産規模の拡⼤とともに、農業分野での障がい者の更なる活躍も期待できる。
農業活動の今後の見通し(回答者数 578)
⑤ 地域の農家と連携している取組 ⾃ら農業に取組む多くの事業所では、何らかの形で地域の農家と連携しており、例えば、草刈
りや清掃、⽔路の泥上げ等の地域の活動において、障がい者が重要な役割を果たしていることが
わかる。また、半数近くの事業所が地域の農家により農業指導を受けている。
こうした連携は、事業所が地域の⼀員として、地域に根付いている証拠であり、⾼齢化や過疎
化が進む農村地域において、地域コミュニティの維持にも農福連携が貢献していることがわかる。
21738%
18432%
14024%
376%
農業活動の今後の⾒通し
変更なし 拡⼤する 未定 縮⼩する
福祉向け・事業所自ら農業に取り組む回答者対象
49
地域の農家と連携した取組(回答者数 545、複数回答あり)
農業指導者の種別(回答者数 560、複数回答あり)
178
108
83
75
25
19
92
205
0 50 100 150 200 250
草刈り、清掃、⽔路の泥上げ等
農家と連携し障害者の技術向上
農産物を仕⼊れて加⼯
マルシェ、共同販売
農家と連携して直売所運営
農産物を仕⼊れて飲⾷店運営
その他
特に連携なし
地域の農家と連携した取組
284
261
168
155
0 50 100 150 200 250 300
事務所職員
地域の農家
⾏政・JA等の指導員
その他
農業指導者の種別
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
50
3.5近隣農家から農作業を受託している事業所の調査結果 ① 受託農家数と年間作業日数
近隣農家から農作業を受託している事業所の開始時と現在を⽐較すると、受託農家数では、約
1.6 倍の増加、また、年間の作業⽇数では、約 1.3 倍に増加している。
受託農家数の推移(回答者数 173)
年間平均受託作業日数の推移(回答者数 173)
274
443
050
100150200250300350400450500
開始時受託農家数 現在受託農家数
受託農家数の推移
82.7
108.1
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
120.0
開始時年間作業⽇数 現在年間作業⽇数
年間平均受託作業⽇数
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
51
② 農作業受託の具体的内容 具体的な農作業受託の内容については、89%の事業所が「ほ場での農作業」を受託しており、
ほ場での具体的作業内容は、⾮常に多岐に渡っている。
農作業受託の具体的内容(回答者数 187)
作業内容 回答者数 回答者に占める割合 ほ場での農作業 167 89%
出荷・調整 63 34%
農産物の加⼯ 26 14%
販売 24 13%
その他 23 12%
167
63
26
24
23
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
ほ場での農作業
出荷・調整
農産物の加⼯
販売
その他
農作業受託の具体的内容
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
52
ほ場での具体的作業内容(回答者数 142、複数回答あり)
*「⼒作業」は「原⽊運び、⼟起こし、⽀柱の撤去、肥料散布」等、
「技術を要する作業」は「芽かき、摘果、袋掛け、機械の操作」等、
「収穫に付随する作業」は「仕分け・根切り」等、
「出荷作業」は「袋詰め、箱折り」等
76
67
37
25
22
20
16
13
11
9
16
0 10 20 30 40 50 60 70 80
草取り等圃場管理
収穫
定植
⼒作業
清掃等
全般
技術を要する作業
播種、菌打ち
収穫に付随する作業
出荷作業
その他
ほ場での具体的作業内容
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
53
③ 5年前と比較した農作業受託の作業量と農作業受託の料金の増減 農作業受託の作業量を5年前と⽐較すると、58%の事業所が「増加した」と回答している。
更に、「増えた」と回答した事業所のうち約半数は、作業量が5割以上増えていることが分かる。
また、農作業受託の料⾦についても 56%の事業所が「上がった」と回答している。⼀⽅、農作業
受託の料⾦の増加割合は作業量の増加割合ほどは⼤きくはなかった。
5年前と比較した農作業受託の作業量増減(回答者数 173)
農作業受託 増加割合(回答者数 69)
10158%21
12%
5130%
5年前と⽐較した農作業受託の作業量増減
上がった 下がった 変わらない
20
14
21
9
5
0 5 10 15 20 25
〜3割
3〜5割
5〜10割
2〜3倍
3倍以上
農作業受託増加割合
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
54
5年前と比較した農作業受託の料金の増減(回答者数 170)
農作業受託の料金 増減割合(回答者数 75)
9556%
116%
6438%
農作業受託の料⾦の増減
上がった 下がった 変わらない
34
13
15
8
5
0 5 10 15 20 25 30 35 40
〜3割
3〜5割
5〜10割
2〜3倍
3倍以上
農作業受託の料⾦ 増加割合
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
55
④ 農業部門に関わる障がい者数 農業開始時と現在の農業部⾨に関わる障がい者数の変化をみると、⾃ら農業に取組む事業所と
同様に増加傾向が⾒られ、開始時と⽐較して農業部⾨に関わる障がい者数が全体で約 1.5 倍に増
加している。
障がい種別の推移については、それぞれ⾝体障がい者が約 1.3 倍、知的障がい者が約 1.4 倍、
精神障がい者が約 1.5 倍に増加している。
農業部門に関わる障がい者数推移(回答者数 149)
農業部門に関わる障がい者推移 障がい種別内訳(回答者数 139)
1,052
1,547
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
1,800
農業開始時 現在
農業部⾨に関わる障がい者数推移
47 62
680
934
310
477
0100200300400500600700800900
1000
開始時 現在 開始時 現在 開始時 現在
⾝体 知的 精神
農業部⾨に関わる障がい者 内訳
福祉向け・近隣農家から農作業を受託している回答者対象
56
⑤ 農業活動の今後の見通し 農業活動の今後の⾒通しについても、⾃ら農業に取組む事業所同様、「拡⼤する」意向を持つ事
業所が 34%あった。⼀⽅、福祉事業所への農作業受託を拡⼤していくためには、作業を委託した
い農家の掘り起こしを⾏う必要があるが、事業所だけの努⼒では困難と考えられ、農業サイドと
福祉サイドをマッチングするコーディネーターの育成が重要になると考えられる。
農業活動の今後の見通し(回答者数 183)
6334%
5430%
5329%
137%
農業活動の今後の⾒通し
拡⼤する 変更なし 未定 縮⼩する
流通業者向けアンケート
57
4流通業者向けアンケート 本アンケート調査は全国の流通業者に対し、現状の流通業者の農産物の調達先の調査や今後の
農福連携産品の取り扱い拡⼤に向けた可能性を検証するために実施したものである。回答者数は
30 団体と少ないものの、全国の⼤⼿企業から地域の流通センターまで多様な団体から貴重な回答
が得られた。
流通業者向けアンケート
58
4.1農産物の調達先 農産物の調達先については、アンケートの回答者のすべてが「卸売市場(仲卸業者)」(100%)
から農産物を調達していた。また、「⽣産者より都度、直接調達」(70%)、「予め契約している栽
培農家から」(67%)調達しているとの回答があった。
農産物の調達先(回答者数 30、上位3つまで選択)
農産物の調達先 合計 回答者に占める割合 卸売市場 30 100%
都度⽣産者から 21 70%
契約栽培農家 20 67%
直売所 2 7%
その他 6 20%
30
21
20
2
6
0 5 10 15 20 25 30 35
卸売市場
都度⽣産者から
契約栽培農家
直売所
その他
農産物の調達先
流通業者向けアンケート
59
調達先別、調達量の割合は、80%以上を「卸売市場(仲卸業者)」から調達すると回答した事業
者が 73%あった。前述のとおり「⽣産者より都度、直接調達」「予め契約している栽培農家から」
調達していると回答した事業者が⼀定数あったものの、調達量は少量であることがわかった。
調達先別 調達量の割合(回答者数 30)
農産物の調達先 80-100% 60-80% 20-40% 1-20% 卸売市場 22 6 1 1
都度⽣産者から 1 20
契約栽培農家 4 16
直売所 2
その他 6
2273%
620%
14%
13%
卸売市場から調達する割合
80-100% 60-80% 20-40% 1-20%
流通業者向けアンケート
60
4.2それぞれの調達先と取引をする理由 ① 卸売市場(仲卸業者)から調達する理由
卸売市場(仲卸業者)と取引する理由については、「安定した調達が可能である(量)」(90%)
が最も多く、続いて「多様な農産物を取り揃えているから」(63%)、「安定した調達が可能である
(質)」(60%)となっている。
卸売市場から調達する理由(回答者数 30、上位3つまで選択)
卸売市場から調達する理由 回答者数 回答者に占める割合 安定した調達(量) 27 90%
多様な農産物を取り揃えている 19 63%
安定した調達(質) 18 60%
価格が適性 7 23%
取引期間が⻑く安⼼ 5 17%
豊富な専⾨知識がある 1 3%
その他 6 20%
2733%
1923%
1822%
78%
56%
11% 6, 7%
卸売市場から調達する理由
安定した調達(量) 多様な農産物を取り揃えている安定した調達(質) 価格が適性取引期間が⻑く安⼼ 豊富な専⾨知識がある
流通業者向けアンケート
61
② 生産者より都度、直接調達する理由 ⽣産者より都度、調達する理由については、品質や量の安定はさほど重視されず、「⽣産者がわ
かる安⼼感」(80%)、「鮮度が良いから」(72%)、「市場等では調達できないものだから」(44%)
が求められていることがわかる。
生産者より都度、調達する理由(回答者数 25、上位3つまで選択)
⽣産者より都度、調達する理由 回答者数 回答者に占める割合 ⽣産者がわかる安⼼感 20 80%
鮮度が良い 18 72%
市場等で調達できないもの 11 44%
安定した調達(質) 6 24%
価格が適正 4 16%
安定した調達(量) 3 12%
その他 3 12%
20
18
11
6
4
3
3
0 5 10 15 20 25
⽣産者が分かる安⼼感
鮮度が良い
市場等で調達できないもの
安定した調達(質)
価格が適正
安定した調達(量)
その他
⽣産者より都度、調達する理由
流通業者向けアンケート
62
③ 予め契約している栽培農家から調達する理由 契約栽培農家から調達する理由についても、⽣産者より都度、直接調達する理由と同様、安定
供給よりは「⽣産者がわかる安⼼感」(74%)、「季節や旬のものをより確実に調達したいから」
(57%)、「市場等では調達できないものだから」(57%)が求められていることがわかる。
農福連携に取組む事業者は⽐較的⼩規模で、安定した量を供給することは難しい事業者が多い
⼀⽅で、「季節や旬のものを確実に調達」「市場等では調達できないものだから」など、具体的に
どのような農産物が求められるのかバイヤーのニーズを把握することで販路拡⼤のチャンスが
あると考えられる。
予め契約している栽培農家から調達する理由(回答者数 23、上位3つまで選択)
契約栽培農家から調達する理由 回答者数 回答者に占める割合 ⽣産者が分かる安⼼感 17 74%
季節や旬のものを確実に調達 13 57%
市場等で調達できないもの 13 57%
安定した調達(質) 9 39%
価格が適正 5 22%
安定した調達(量) 1 4%
その他 3 13%
17
13
13
9
5
1
3
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
⽣産者が分かる安⼼感
季節や旬のものを確実に調達
市場等で調達できないもの
安定した調達(質)
価格が適正
安定した調達(量)
その他
予め契約している栽培農家から調達する理由
流通業者向けアンケート
63
4.3農福連携について アンケートの回答者のうち、ノウフク農産物「知っていた」と回答した事業者は 63%で、その
うち 56%がノウフク農産物を「今も調達している」と回答があった。
※「ノウフク農産物」とは、障がい者が⽣産に関わった農産物をいう。
ノウフク農産物を知っているか(回答者数 30)
ノウフク農産物を調達したことはあるか(回答者数 18)
1963%
1137%
ノウフク農産物を知っているか
知っている 知らない
1056%
211%
633%
ノウフク農産物を調達したことはあるか
今も調達している かつてしていたが今はしてない ない
流通業者向けアンケート
64
ノウフク農産物を調達する理由については「社会や地域への貢献のため」と回答した事業者が
79%と最も多くなった。今後、ノウフク農産物の「社会貢献」の側⾯がブランド⼒と市場での競
争⼒を⾼めていくために、下に⽰すとおりノウフク JAS の普及拡⼤が重要となる。また、「市場
等で調達できないもの」をノウフク農産物から調達している事業者もあり、流通業者のニーズを
把握した農産物の⽣産に取り組む⽣産者がいることも伺える。 ノウフク農産物を調達する理由(回答者数 14、上位3つまで選択)
ノウフク農産物を調達する理由 回答者数 回答者に占める割合 社会や地域への貢献のため 11 79%
市場等で調達できないもの 6 43%
価格が適正 4 29%
鮮度が良い 1 7%
取引期間が⻑く安⼼ 1 7%
安定した調達(質) 1 7%
安定した調達(量) 0 0%
その他 3 21%
ノウフク JAS 農産物を調達するメリットを感じるかを問う質問では、90%の事業者が「メリッ
トを感じる」との回答があった。
2019 年度に運⽤が開始されるノウフク JAS については、農福連携に取組む団体に取得を促す
対策や助成を講じること、また全国に点在する農福連携取組団体の情報を⼀括して管理し流通業
者と繋げる役割を果たす機能が重要になると考えられる。
ノウフク JAS 農産物を調達するメリット(回答者数 29)
2690%
310%
ノウフクJAS農産物を調達するメリットを感じるか
感じる 感じない
流通業者向けアンケート
65
4.4今後の調達先開拓で重要視すること 今後の調達先開拓で重要視することについては、「品質の良さ」を求める事業者が最も多く 73%
となった。また「市場等では調達できないもの」で希少価値の⾼い農産物や、「ニーズに応えた柔
軟な対応」としてカットした野菜の出荷等できることは、⼈⼿の確保が⽐較的しやすい農福連携
の取組団体が、競争⼒を持てる分野となる可能性も考えられる。
「有機栽培や減農薬等の農産品」については、今回のアンケートではそれほど重要視されてい
ないという結果になったが、消費者を対象にしたアンケートでは「有機栽培、無添加など」の付
加価値を求める回答者が多く⾒られたため、今後、「有機栽培・オーガニック」等に特化した流通
業者と関係を構築していくことが重要になると考えられる。
今後の調達先開拓で重要視すること(回答者数 30、上位3つまで選択)
今後調達先開拓で重要視すること 回答者数 回答者に占める割合 品質の良さ 22 73%
安定した調達(量) 20 67%
市場等で調達できないもの 15 50%
カット野菜等柔軟な対応 10 33%
有機栽培や減農薬等の農産品 8 27%
価格 8 27%
栽培履歴やトレーサビリティ 1 3%
消費者向けアンケート
66
5消費者向けアンケート 本アンケート調査は、「ノウフクオンラインショップ」を運営する株式会社⽇本総合園芸に協⼒
いただき、Web 上で消費者にアンケートを実施し、72 件の回答があった。
5.1回答者について 性別では回答者の 79%が⼥性で、年代別では 40〜50 代が約 70%を占めた。⽐較的社会貢献意
識が⾼いゾーンだと思われる。⼀⽅、今後、ノウフク商品の販路拡⼤を図るにあたっては、若い
世代への認知拡⼤を図っていくことも重要となる。
回答者の性別(回答者数 72)
回答者の年齢(回答者数 72)
5779%
1521%
回答者の性別
⼥性 男性
3
13
25
25
6
0 5 10 15 20 25 30
20代
30代
40代
50代
60代
回答者の年齢
消費者向けアンケート
67
5.2オンラインショップをどのように知ったか オンラインショップを知った経緯を⾒ると、「新聞・テレビ等メディアを通じて知った」が 43%、
「SNS を通じて知った」が 32%との回答であった。これは、アンケート実施中の 12 ⽉1⽇に、
⽇本農業新聞の⼀⾯でオンラインショップが紹介されたこと、⽇本農福連携協会やオンラインシ
ョップの運営会社の SNS 等での情報発信により、⼤きな効果があったと考えられる。
オンラインショップをどのように知ったか(回答者数 72)
3143%
2332%
68%
46%
23% 6
8%
オンラインショップをどのように知ったか
新聞・テレビ等メディアを通じて知った SNSを通じて知った⽇本農福連携協会HPから 福祉関係者から聞いた農業関係者から聞いた その他
消費者向けアンケート
68
5.3農福連携について ① 農福連携を知っていたか
農福連携を知っていたか(回答者数 72)
今回アンケートに回答した⼈のうち、もともと「農福連携を知っていた」と回答した⼈は 36%
にとどまった。
どのように農福連携を知ったか(回答者数 26)
前の質問で「農福連携を知っていた」と回答した⼈に「農福連携をどのように知ったか」を尋
ねたところ、上記のような回答が得られた。
2636%
4664%
農福連携を知っていたか
知っていた 知らなかった
831%
831%
415%
415%
28%
農福連携をどのように知ったか
新聞・テレビ等メディアを通じて知った 福祉関係者から聞いたSNSを通じて知った ⾏政関係者から聞いた農業関係者から聞いた
消費者向けアンケート
69
② 農福連携の印象について 農福連携の印象について尋ねたところ、「⼤変良い」と回答した⼈が 74%、「良い」と回答した
⼈が 25%という結果となった。
また、「ノウフク商品を買いたいか」という質問に対しては、「積極的に購⼊したい」と回答し
た⼈が 60%、「どちらかと⾔えば購⼊したい」と回答した⼈が 40%という結果となった。
商品を購入したい理由(回答者数 72)
ノウフク商品を購⼊したい理由については、「障がいのある⽅の⾃⽴を応援したい」(57%)、
「商品の購⼊が社会貢献につながる」(31%)と回答した⼈が合わせて 88%となり、社会貢献意
識が購⼊の動機の⼀因となり得ることがわかった。ただし、アンケートに回答した⼈のうち、実
際購⼊に⾄ったのは 72 名中7名のみで(2019 年2⽉現在)、マーケット拡⼤のためには消費者
が求める商品を拡充していく必要がある。
4157%
2231%
68%
34%
ノウフク商品を購⼊したい理由
障がいのある⽅の⾃⽴を応援したいと思うから 商品の購⼊が社会貢献につながると思うから
品質が良さそうだと思うから 安⼼・安全な商品だと思うから
消費者向けアンケート
70
5.4今後の希望 ① ノウフク商品に期待すること
「ノウフク商品に期待すること」を問う質問では、「有機栽培、無添加など品質の⾼い商品」と
回答した⼈が 36%、「⼿作り・⼿作業等、丁寧に作られた商品」と回答した⼈が 25%と、安⼼で
安全で⾼品質な商品が期待されていることがわかる。また、「地域の特産・伝統野菜等、地域の⾊
が強い商品」と回答した⼈が 28%あり、通常の農家が栽培をやめてしまった伝統野菜や、⼿のか
かるオーガニック商品等、ノウフクだからこそ作れる商品開発がポイントになると考える。
ノウフク商品に期待すること(回答者数 72)
26
20
18
3
3
2
0 5 10 15 20 25 30
有機栽培、無添加など品質の⾼い商品
地域の特産・伝統野菜等、地域の⾊が強い商品
⼿作り・⼿作業等、丁寧に作られた商品
⽇常で使いやすい低価格の商品
贈答⽤に使える商品
その他
ノウフク商品に期待すること
消費者向けアンケート
71
② 取り扱って欲しい商品 オンラインショップで取り扱って欲しい商品については、現状のオンラインショップで取り扱
いの少ない「調味料等加⼯品」「⽣鮮野菜」「果物」が上位となり、⽇常使いできる商品が求めら
れていることがわかった。
取り扱って欲しい商品(回答者数 72、複数回答あり)
40
39
39
33
30
26
25
11
9
7
4
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45
調味料等加⼯品
⽣鮮野菜
果物
クッキー等のお菓⼦
お茶・ジュース
ジャム類
乳製品
卵
ケーキ・プリン等⽣菓⼦
アルコール
その他
取り扱って欲しい商品
当事者向けアンケート
72
6当事者向けアンケート 本アンケート調査は、⽇本農福連携協会の正会員の事業所に協⼒をいただき、農福連携に取り
組む当事者である障がい者を対象にしており、168 名から回答を得また。結果を以下に取りまと
めた。
6.1回答者について アンケート回答者の男⼥内訳、年齢の内訳は図のとおり。
回答者の性別(回答者数 167)
回答者の年齢(回答者数 168)
12172%
4628%
回答者の性別
男性 ⼥性
3
49
34
35
36
10
1
0 10 20 30 40 50 60
10代
20代
30代
40代
50代
60代
70代以上
回答者の年齢
当事者向けアンケート
73
アンケート回答者の障がい種別の内訳は図のとおり。
障がいの種別(回答者数 162)
11672%
2616%
138%
42%
32%
障がいの種別
知的障がい 精神障がい ⾝体障がい 発達障がい その他
当事者向けアンケート
74
6.2担当する仕事について 担当する仕事(回答者数 166、複数回答あり)
担当する仕事 回答者数 回答者に占める割合 農作業 129 78%
農産物の加⼯ 51 31%
販売 36 22%
飲⾷店調理 3 2%
接客 2 1%
その他 13 8%
どのような仕事を担当しているかを問う質問では、「農作業」と回答した⼈が最も多く(78%)、
「農産物の加⼯」(31%)、「販売」(22%)がそれに続いた。
129
51
36
3
2
13
0 20 40 60 80 100 120 140
農作業
農産物の加⼯
販売
飲⾷店調理
接客
その他
担当する仕事
当事者向けアンケート
75
障がいの種類別 担当する仕事(回答者数 166、複数回答あり)
上の表と図は、前ページの仕事内容を障がい別に集計したものである。障がい種別によって、
担当する仕事の⼤きな傾向は⾒られず、農作業や農産物の加⼯では障がい種別に関わらず、多様
な⼈が関われることがわかった。
86
23
9
3
3
5
39
8
3
1
24
9
1
2
12
2 7
1
3
1
1
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
知的障がい
精神障がい
⾝体障がい
発達障がい
その他
障がい種別未回答
障がい種類別 担当する仕事
農作業 農産物の加⼯ 販売 飲⾷店調理 接客 その他
当事者向けアンケート
76
6.3農業の経験年数 下の表と図は、回答者の農業経験年数を表したものである。
障がい種別に関わらず、ここ5年で農業に取り組み始めた⼈が最も多くなったが、知的障がい
者では回答者全体の 51%が6年以上の農業経験を有していた。⼀⽅、精神障がい者では、ほとん
どの⼈がここ5年で農業を始めたことがわかった。
農業の経験年数(回答者数 162)
10 年以上 6〜10 年 1〜5 年 1 年未満 知的障がい 22 35 46 9
精神障がい 1 21 4
⾝体障がい 2 5 3 2
発達障がい 1 3
その他 1 1 1
未回答 1 2 2
合計 26 42 76 18
22
35
46
9
1
21
4
2
5
3
2
1
3
1
1
1
1
2
2
0 10 20 30 40 50 60 70 80
10年以上
6〜10年
1〜5年
1年未満
農業経験年数
知的障がい 精神障がい ⾝体障がい 発達障がい その他 未回答
当事者向けアンケート
77
6.4仕事の捉え方について 今の仕事をどう思うかを問う設問では、「とても楽しい」(39%)、「楽しい」(51%)と回答した
⼈が全体の 90%という⾮常に⾼い割合となった。
今の仕事をどう思うか(回答者数 163)
また、今の仕事で好きなところを問う質問では、下図のような回答が得られた。
今の仕事で好きなところ(回答者数 164、複数回答あり)
6339%
8351%
148%
32%
仕事をどう思うか
とても楽しい 楽しい どちらとも⾔えない つまらない
85
79
67
51
49
44
34
6
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
⾝体を動かせること
⾃分にあった仕事ができること
⾃然の中で作業ができること
お客様や周りの⼈に喜んでもらえること
⼀⼈で作業に集中できること
失敗してもやり直せること
地域の⼈や農家と触れ合う機会が多いこと
その他
今の仕事で好きなところ
当事者向けアンケート
78
6.5仕事の頻度 仕事の頻度を問う質問では、84%の⼈が「週5回」仕事に通っていることがわかった。また、
以前と⽐べて仕事の頻度が「増えてきた」と回答した回答者が 30%あり、農福連携の現場が、就
労⽀援の場として機能していることがわかった。
仕事の頻度(回答者数 158)
仕事の頻度 回答者数 割合 週1〜2回 6 4%
週1回以下 3 2%
週3〜4回 16 10%
週5回 133 84% 以前と比べた仕事の頻度(回答者数 163)
4930%
10665%
85%
以前と⽐べた仕事の頻度
増えてきた 変わらない 減ってきた
当事者向けアンケート
79
6.6以前と比べて良くなったこと 以前と⽐べて良くなったことを問う質問では、「⾊んな⼈と話ができるようになった」と回答し
た⼈が 51%と最も多く、農業がコミュニケーションの訓練の場としても機能することがわかっ
た。
以前と比べて良くなったこと(回答者数 165、複数回答あり)
84
68
62
57
55
50
40
18
13
3
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
⾊んな⼈と話ができるようになった
体⼒がついた
賃⾦(⼯賃)が上がった
⾃信がついた
体調が良くなった
能⼒が向上し、できる仕事が増えた
集中⼒が⾼まった
通院回数が少なくなった
薬が減った
⽀援区分が低くなった
以前と⽐べて良くなったこと
当事者向けアンケート
80
6.7今までの仕事で苦労したこと・大変だったこと アンケートの最後に、これまでの仕事で苦労したこと、⼤変だったことを⾃由記⼊で回答して
いただき、以下のとおり整理した。⼤きく分類すると「仕事を覚えること」や「時間内に終わら
せること」等、技術習得や効率にかかる回答が⼀番多く、「重たいものを運ぶこと」「1⽇中⽴ち
作業であること」など体⼒的なしんどさに⾔及する回答、「真夏や真冬の環境の過酷さ」や「⾬の
⽇の作業」等、悪環境での作業に⾔及する回答が続いた。
「要領よく作業ができるようになるまでは苦労した」「はじめは鶏に襲われたけど徐々に慣れ
た」「電話対応が苦⼿だったけど少しずつできるようになった」等、前向きな回答も多く、中には
「楽しいことばかりで、⼤変だったことはない」との回答もあった。
今までの仕事で苦労したこと・大変だったこと(回答者数 61)
15
14
9
3
2
18
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
技術習得・効率
体⼒的にしんどい
悪環境での作業
⼈間関係
コミュニケーション
その他
今までの仕事で苦労したこと・⼤変だったこと