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教育施策上の重要課題に対する評価下段:総志願者数に対する旧通学区域外から志願者の割合...
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○教育施策上の重要課題に対する評価
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、 「 」平成18年7月 本県の最上位計画として 将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現
を基本理念とした『新潟県「夢おこし」政策プラン』(以下「政策プラン」という )が。
策定された。
政策プランにおいて、教育に関しては「個を伸ばす教育の充実」を掲げており、その
中で、
①学ぶ意欲を高め確かな学力等を育成する教育の推進
②勤労観や職業観をはぐくむキャリア教育の推進
③高等教育(大学院・大学・専修学校等)・研究機能の充実
④学び続ける生涯学習環境づくり
を目標としている。
この政策プランの推進のため、県教育委員会は、主要事業を実施する上での施策体系
を次のとおり定めた。
本章では、この平成20年度の施策体系を点検・評価の総括の視点とし、7つの施策の
柱それぞれの重要課題に係る事務事業について成果と課題をまとめる。
県民の皆様にとってわかりやすいものとなるよう、可能な限りデータ等を「参考値」
として示しながら評価することとした。しかし、子どもたちは、毎年入学し卒業してい
くものであり、定点で捉えられたデータの対象となった子どもたちが毎年異なっている
ことを念頭に置いて 「参考値」をご覧いただきたい。、
平成20年度施策体系
<基本目標>
知性に富み、心豊かで、たくましい、活力に満ちたひとづくり
子どもたちの生きる力をはぐくむ教育の推進Ⅰ
1 子どもたちや社会の未来を拓く教育の充実
2 豊かな人間性や社会性をはぐくむ教育の充実
3 健康でたくましい心身をはぐくむ教育の充実
4 子どもたちの学びを支える学校教育環境の整備
生涯にわたる「学び」「躍動」「感動」を支える基盤整備Ⅱ
1 生き生きと学び続ける生涯学習環境づくり
2 生涯にわたって親しむスポーツと競技スポーツの振興
3 心に潤いをもたらす芸術文化の振興と地域文化の継承
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子どもたちの生きる力をはぐくむ教育の推進Ⅰ
1 子どもたちや社会の未来を拓く教育の充実
少子化や情報化の進展、グローバル化など社会構造が大きく変わりつつある時代にお
いては、新たな変化に対応して主体的に生き抜く力が必要となる。そのため、基礎的・基
本的な学力を身につけるとともに、自ら学び自ら考える力をはぐくみ、確かな学力の育
成に取り組んできた。また、多様な教育的ニーズに応じた魅力と活力ある学校づくりを
進めてきた。
(1) 子どもたちの夢と希望をはぐくむ学校づくりの推進について
ア 少人数学級・少人数学習の推進
学習・生活面へのきめ細やかな指導を行うため、小学校1・2年生のすべての
授業を32人以下学級の小集団で進めてきた。また、小学校3年生以上の国語、算
数の授業を32人以下、中学校1~3年生で数学・英語の授業を33人以下の少人数
で進めてきた。
その結果、小学校低学年の児童に対して、学習ルールの徹底や個別指導の充実
などが図られ、児童生徒一人一人が学習に集中できるようになり、学校生活への
個別の適応指導がしやすい教室環境となってきた。また少人数学習では、個々の
興味関心や習熟度に応じた指導など、児童生徒の学びに柔軟に対応することがで
きるようになった。
今後も、少人数学級・少人数学習の利点を生かし、よりきめ細かな指導の充実
を図る事とする。
イ 中1ギャップへの対応
小学校から中学校への移行期における学校生活の変化に伴い、人間関係や学習
への不安感等により不登校傾向を示すなどの、いわゆる「中1ギャップ」問題が
依然として解消していない。
これに対し、全ての小・中学校では校内不登校対策委員会を設置し、中一ギャ
ップ解消プログラムの自校プランの取組も定着してきている。また、中学校の59.5
%に校内適応指導学級が設置されており、そこでは、不登校傾向を示す児童生徒
一人一人の状況に応じた学習の支援や、人間関係づくりの支援が行われていると
ころである。
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今後とも小・中学校の連携を密にした学習面・生活面へのよりきめ細やかな対
応が必要である。<参考1>「平成20年度中1ギャップ解消プログラム」の自校プランの取組状況( )は平成19年度数値
小学校 中学校
全職員での自校プランの共通理解(%) 88.7(74.8) 92.7(83.4)
小中連携によるアンケートの分析・検討と目標設定(%) 51.7(48.9) 55.6(54.7)
<参考2>公立学校の不登校発生率(%)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
不登校発生率(本県小学校) 0.32 0.32 0.34
全国値 0.33 0.34 0.32
不登校発生率(本県中学校) 2.64 2.75 2.83 ※全国の数値は
国公私立学校の数値全国値 2.86 2.91 2.89(平成20年度は速報値)
ウ 中長期高校再編整備計画
中長期高校再編整備計画に基づき、学校・学科の再編整備を進め、特色ある学
校づくりを推進してきた。
高校1年生で「入学した学校が入りたい学校」であったと答えた生徒の割合に
ついて、平成20年度は平成19年度に比べやや下がったが、長期的には上昇傾向に
あり、高いレベルを維持している。また、高校1年生で「高校生活に満足してい
る」及び「どちらかといえば満足している」と答えた生徒の割合は上昇している
とともに、中退率も低下傾向にある。
また、中等教育学校では、6年間の系統立てた教育課程を編成したことにより
生じた 「一貫性」と「ゆとり」を生かした豊富な体験活動により、豊かな人間性、
、 。 、 、が育まれるとともに 学習意欲が一層向上している さらに 地域の中学校には
中等教育学校の設置に触発された取組が見られるようになっている。
これらのことから、特色ある学校づくりを進める中、子どもたちの夢と希望を
はぐくむ学校づくりは着実に成果を上げてきていると考える。
今後も、中学校卒業者数の減少や地域の実情に対応して、学校・学科の適正配
置や学校規模の適正化を進めるとともに、生徒一人一人の個性や能力を最大限に
伸ばす観点から、特色ある学校づくりを一層推進していくこととしている。
<参考1>高校1年生で「入学した学校が入りたい学校」であったと答えた生徒の割合
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<参考2>高校1年生で高校生活に「満足している」及び「どちらかといえば満足している」と答えた生徒の割合
<参考3>高等学校の中退率
、 「 」( ) 。注1 参考1 2は 高等学校生活等についての意識調査 高等学校教育課 による注2 参考3は文部科学省調査による。ただし、本県分は高等学校教育課速報値。
エ 通学区域の廃止について
通学区域廃止2年目である平成21年春の一般選抜における普通科の志願状況を
みてみると、全県的には旧通学区域外からの志願者の割合は穏やかであるが増加
傾向にあり、約1割の受検生が旧通学区域外から志願した。ただし特定の都市部
の学校に受検者が集中することは見られなかった。
また、旧魚沼学区と旧長岡・柏崎学区では旧学区を越えての志願者が相互に増
加したことから、生徒は自らの居住地から通学可能な範囲で、希望や能力に応じ
て学校選択をする動きが出てきたものと考えている。
<参考>全日制普通科の一般選抜における志願者数推移(旧通学区別)上段:旧通学区域外からの志願者数
下段:総志願者数に対する旧通学区域外から志願者の割合
旧 学 区 平成19年 平成20年 平成21年
96人 113人 121人新発田・村上
7.8% 9.7% 10.5%
3人 1人 6人五泉・東蒲
2.0% 0.7% 3.6%
486人 413人 448人新 潟
11.6% 10.5% 11.3%
210人 197人 186人三条・西蒲
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19.1% 21.0% 19.9%
82人 103人 118人長岡・柏崎
6.4% 7.8% 9.4%
63人 109人 118人魚 沼
5.7% 9.2% 10.6%
18人 18人 12人上 越
1.9% 1.8% 1.2%
1人 1人 1人佐 渡
0.2% 0.3% 0.3%
959人 955人 1010人全 県
(再掲) 9.2% 9.5% 10.1%
※ 入試より通学区域廃止H20
(2) 学ぶ意欲を高め、確かな学力を育成する教育の推進について
ア 各学力調査と分かる授業づくり
「分かる授業」づくりを目指して、各地域・学校で教科指導の課題を明確にし
た授業改善に取り組んだ結果「授業が分かる」と答えた児童生徒の割合が上昇し
た。また、全国標準学力検査結果によれば、本県児童生徒の学力は全国水準を確
、 。保できているが 現状に甘んじることなく更なる向上を目指していくべきである
学習への興味・意欲面については、全国学力・学習状況調査において、中学校
3年生で「国語、数学の勉強が好き」と答えた生徒の割合は、全国値と比べて低
くなっている。
今後は、教員の指導力の向上と効果的な指導法の普及を進めるため、教員研修
や指導資料の充実などにより、基礎基本の確かな定着とともに、学ぶ楽しさを味
わうことができる授業へと改善を図り、更なる学力の向上を目指していくことと
している。
<参考1>全国標準学力検査結果(偏差値)
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<参考2>児童生徒の学習に対する意識調査※
平成18年度 平成20年度
「授業が分かる」と答えた児童・生徒の割合 70.3% 75.6%
「 」、 「 」※平成18年は 全県学力調査 平成20年は 小・中学校教育課程の編成・実施状況等に関する調査より
<参考3>平成20年度全国学力調査結果(正答率全国比較)
小学校・国語 中学校・国語
新潟県( ) 全 国( ) 新潟県( ) 全 国( )公立 公立 公立 公立
A問題 67.0% 65.4% A問題 73.6% 73.6%
B問題 50.7% 50.5% B問題 61.3% 60.8%
小学校・算数 中学校・数学
新潟県( ) 全 国( ) 新潟県( ) 全 国( )公立 公立 公立 公立
A問題 71.9% 72.2% A問題 62.8% 63.1%
B問題 51.1% 51.6% B問題 49.3% 49.2%
※A問題:教科の基礎基本となる内容で、主として「知識」に関する問題
B問題:知識・技能を実生活の様々な場面で活用する力など、主として「活用」に関する問題
<参考4>平成20年度小学校6年の学習状況調査より
「国語の勉強が好きですか」 「算数の勉強が好きですか」
<参考5>平成20年度中学校3年学習状況調査より
「国語の勉強が好きですか」 「数学の勉強が好きですか」
イ 大学等進学率の向上
、 、高等学校入学の早い段階から学習習慣の形成を図り 大学の専門的な講義体験
発展教材を活用したチャレンジセミナー等を通して、生徒の進学意識を高めた。
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その結果として、平成21年春の大学等進学率は49.0%となり、前年より0.3%ポ
イント、平成8年度と比べ19.5%ポイント上昇した。
今後も、生徒が第一志望の大学に進学できるよう、学力向上対策を充実してい
くこととしている。
大学等進学率の推移<参考>
注1 大学等進学者とは 大学 学部 短期大学 本科 大学・短期大学の通信教育部 正) 、 ( )、 ( )、 (
規の課程)及び放送大学(全科履修生 、大学・短期大学(別科 、高等学校(専攻科)及) )び特別支援学校高等部(専攻科)へ進学した者及び進学し、かつ就職した者をいう。
注2)平成21年度は中等教育学校卒業生を含む
(3) 主体的に進路を選択する能力・態度を育てる進路指導の推進について
ア 卒業後の将来を展望する支援、指導体制づくり
高等学校では、生徒一人一人が、自らの生き方や価値観にふさわしい進路を主
体的に選択できるよう、前述(2)の学力向上の支援とともに、新入生進路意識啓発
、 、 。講演会を90校で実施する(再掲)など 支援 指導体制づくりを各学校で推進した
しかしながら、本県の公立高校卒業者のうち、進学も就職もしないまま卒業し
た者の割合は、ここ3年ほぼ横ばい状態にある。
今後も引き続き、生徒が自己の適性等に応じて主体的に進路を選択できるよう
支援を充実する必要がある。
<参考>公立高等学校卒業者のうち進学も就職もしなかった者の割合の変化(%)
平成19年3月末 平成20年3月末 平成21年3月末
3.4 2.9 3.8
イ キャリア教育の充実
小学校では、総合的な学習の時間や特別活動、各教科等において様々な体験活
動を実施し、働く人々の姿に接する機会が充実してきた。
中学校では、全ての学校で職業現場での体験活動等に取り組むとともに、一過
性の行事に終わらないよう、事前オリエンテーションや事後発表会など、事前・
事後の指導が充実してきた。
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高等学校では、上級学校見学やインターンシップ等の体験的学習に取り組む学
校が増えた結果、大学進学率が上昇するとともに、就職内定率は高い数値を維持
している。
今後も、各学校における計画的な進路指導の取組推進や、進路指導体制の整備
を支援するとともに、キャリア教育研究指定校の実践例や成果を全校に周知する
など、各学校におけるキャリア教育の一層の充実を図る必要がある。また、高等
学校では早期からの個別指導を丁寧に行い、3年間を見とおした組織的・系統的
な進路指導の充実や、求人開拓に努める必要がある。
<参考1>小学校の職場見学実施の状況
平成19年度 平成20年度
職場見学実施率(%) 64.3 67.1
<参考2>中学校の職場体験等実施の状況
平成19年度 平成20年度
職場体験実施率(%) 97.2 100.0
体験学習発表会実施率(%) 58.0 68.5
<参考3>高等学校におけるインターンシップ等実施率
平成19年度 平成20年度
インターンシップ等実施率 % 86.2 91.2( )
ウ 単位制高校の活性化
単位制高校6校に、社会経験が豊かで、多様な生徒に対応できる相談員を派遣
し、深刻な心の問題を持つ生徒に対する相談活動を充実させ、生徒の不安を解消
し集団生活での体験を積ませるなど、学校生活への適応を支援した。
その結果、定時制高校の中退率の増加に一定の歯止めをかけることができたと
考えており、今後も引き続き取り組みを進めていくこととしている。
<参考>定時制課程の中退率推移(P15再掲)
(4) 一人一人の教育的ニーズに応える特別支援教育の推進について
ア 知的障害養護学校高等部の整備
特別支援学校高等部への進学を希望する全ての生徒を受け入れ、地域の生徒は
地域で学び育てる環境を整備するため、高等部整備計画に基づき、学級の新設及
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び増設を行った。
今後も高等部への進学を希望する生徒が更に増加することが見込まれることか
ら、全県的視野で高等部の一層の整備を推進する必要がある。
<参考1>小・中学校の知的障害及び情緒障害特別支援学級の在籍者の推移
<参考2>平成20年度の設置状況( 6再掲)P・ 県立月ヶ岡養護学校ふなおか分校に高等部普通学級を設置
・ 県立小出養護学校ふれあいの丘分校に高等部重複障害学級を設置
イ 特別支援学校のセンター的機能の充実
、 、 、 、特別支援学校が 地域におけるセンター的機能を果たすため 幼稚園 保育所
小・中学校及び高等学校に在籍する特別な教育的ニーズのある幼児児童生徒に対
して、巡回教育相談等を実施するとともに、市町村教育委員会と連携して特別支
援教育研修会を開催した。
巡回教育相談を積極的に活用した学校においては、障害のある幼児児童生徒へ
の支援に関するノウハウを獲得するとともに、全校体制で障害のある幼児児童生
徒を支援する気運が高まっている。
今後は、特別支援学校のセンター的機能の活用を推進していく。さらに、特別
な教育的ニーズのある幼児児童生徒が地域の中で自立して生活していくことが求
められていることから、地域の教育、医療、福祉、労働等の関係者が情報を共有
し合うとともに協力し合って支援をしていく体制づくりを進める必要がある。
ウ 高等学校における特別支援教育の充実
高等学校においても、全ての学校に校内委員会を設置するとともに、特別支援
コーディネーターを指名し、特別な教育的ニーズのある生徒を支援した。
今後は、各校の特別支援教育コーディネーターを対象に、発達障害についての
理解を深めるとともに、校内体制の充実や関係機関との連携におけるリーダーシ
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ップを担うための資質の向上が必要である。
エ 医療的ケア実施体制の整備
医療的ケアの必要な児童生徒が通学している全ての特別支援学校に学校看護師
を配置し、健康の維持、増進と安全・安心な学習環境の整備を図ってきた。
その結果、重度の障害のある児童生徒が、登校日数や在校時間が増えるなど、
充実した学校生活を送ることができるようになってきている。
しかし、校外学習時や緊急時の対応など、児童生徒一人一人の特性に応じたき
め細かな対応をするためには、看護師雇用の確保と配置の充実が必要である。
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2 豊かな人間性や社会性をはぐくむ教育の充実
核家族化や少子化の進行など生活様式の変化に伴い、人間関係が希薄化してきている
現在にあっては、子どもたちの豊かな感受性をはぐくみ、社会規範を身につけさせるこ
とが一層重要になっている。また、地域や家庭の教育力の低下が懸念されていることか
ら、学校と家庭や地域が一体となって取り組む施策を充実させてきた。
加えて、不登校児童生徒の増加や深刻化するいじめ問題を受け、子どもたちの心を支
える体制づくりに取り組んできた。
(1) 未来の社会を担う人間としての意識を高め、豊かな感受性と道徳性を涵養する教
育の推進について
ア 豊かな体験活動の推進
体験活動及び道徳教育の充実を図るため 「道徳教育研修 「豊かな体験活動推、 」
進事業 「道徳教育実践研究事業」の3事業を12市町村、27校に委託し、社会奉」、
仕体験活動や自然体験活動、農山漁村におけるふるさと生活体験など様々な活動
や、それらと関連付けた道徳教育の実践研究に取り組んだ。
委託先の市町村や学校からは 「地域を愛する気持ちや社会に貢献する意識と態、
度が育った 「友だちと協力してやり遂げることの大切さを実感したことで、思い」
やりや協調性がはぐくまれている」などの成果が報告された。
今後も引き続き、これらの取組や成果を普及させ、各学校で豊かな体験活動等
の実施により、道徳性の涵養を図っていくこととしている。
イ 人権教育、同和教育の推進
新任校長及び教頭を対象とした講義の実施、リーフレットの発行など、教職員
を対象とした研修の充実や啓発を図った。
人権教育、同和教育推進事業による教職員や生徒対象の講演会では、参加者や
講演を聴いた生徒からは 「同和問題についての理解が深まった 「差別に対する、 」
考えが変わった」という声が圧倒的に多く、人権・同和問題への意識を高めるこ
とができた。さらに、高等学校研究指定校では、幅広い観点から実践的な研究を
行った。
社会教育関係者や県民一般を対象とした人権教育、同和教育の研修会にも多数
の参加者があり 「差別に対する考えが変わった」という受講者の声が多く、人権・、
同和問題への理解と認識を深めることができた。
今後は 「教職員意識調査」や「人権教育の指導方法等の在り方について(第三、
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次とりまとめ (文部科学省:人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)等)」
をもとに 「新潟県人権教育基本方針」を作成するとともに、同方針に基づく「研、
」 、 、 。修の手引き を作成し 人権教育 同和教育の充実を図っていくこととしている
ウ 子どもの読書活動の推進
子ども読書ボランティアリーダー育成講座や、子ども読書活動関係者合同研修
、 、 、会の開催をとおして 子どもの読書活動の意義を周知し 資質の向上や情報交換
関係機関の連携強化ができた。
参加者からは 「ボランティアの心構えや責任を再認識した 「先進的事例が参、 」
考になった 「互いに交流できた」など、肯定的な評価が寄せられている。」
今後は 「新潟県子ども読書推進計画(第二次計画 」に基づき、子どもの自主、 )
、 、的な読書活動が推進されるよう 読書活動の重要性についてさらに周知・啓発し
社会全体で子どもが読書に親しむための機会の提供と諸条件の整備・充実などを
図る必要がある。
エ 青少年教育施設における体験活動の充実
様々な自然体験活動や集団宿泊活動を通して、社会性や協調性、思いやりなど
豊かな人間性の育成に努めた。
参加者からは「子どもたちの表情が生き生きとしていた 「親子のつながりを。」
深めることができた 」などの声があり、また、リーダー研修の引率教師からは、。
「参加した中学生のリーダーとしての資質が向上した 」との感想をいただいてい。
る。
新学習指導要領においても集団宿泊体験や自然体験活動を重視する方針が示さ
れていることから、今後も青少年教育施設における集団宿泊体験や自然体験活動
を活用して、社会性や協調性、思いやりなど豊かな人間性の育成を図っていく必
要がある。
親子でハロウィンの工作 自然体験にチャレンジ
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(2) 子どもたちの心を支えるサポート体制の確立について
ア いじめ根絶県民運動
引き続き 「いじめ根絶県民運動」を平成20年度の最重点事業に位置付け 「県、 、
民の集い」や「スクール集会 「フォーラム」等をいじめ根絶にいがた県民会議が」
中心となって推進し、いじめ根絶の意識の醸成を図った。
、 「 」また 各学校では児童生徒や地域の実態に即した いじめ防止学習プログラム
及び「中1ギャップ解消プログラム」等に基づく自校プランについて、全教職員
で共通理解を図り、家庭や地域と連携した取組や、児童生徒による主体的ないじ
め根絶の取組が着実に展開された。
いじめ根絶県民運動の実施を契機として、児童生徒の変化にきめ細かく対応し
たことにより、平成19年度においては前年度と比較していじめの認知件数は増え
たものの、平成20年度においては一定の取組の効果が見られる。また、早期発見
・早期対応により、いじめの解消率は高い数値で推移している。
一方、インターネットを介したいじめが増加していることなど、新たな問題も
発生してきていることから、いじめの現状は依然として予断を許されない状況に
あることから、更に児童生徒の実態を的確に捉え、それぞれの学校の実情に応じ
たいじめ根絶の取組及びいじめの未然防止に向けた児童生徒の社会性育成の取組
を進める必要がある。
<参考1>平成20年度いじめ防止学習プログラム自校プランの取組状況 ( )は平成19年度数値
小学校 中学校
自校化への教職員の共通理解(%) 91.4(92.2) 92.7(90.1)
児童会、生徒会活動による取組(%) 94.3(93.8) 98.3(98.9)
保護者や地域等との連携(%) 66.4(64.5) 60.7(60.2)
小・中学校教育課程の編成・実施状況等に関する調査より
<参考2>いじめの認知件数と解消率(解消率は「完全に解消 「一定の解消」の合計)」
平成18年度 平成19年度 平成20年度いじめの認知件数(件) 小学校 798 924 545
中学校 648 1,065 815
いじめの解消率(%) 小学校 97.2 95.6 95.9
中学校 96.6 95.1 94.3
イ 相談指導体制の充実
県内すべての中学校及び要請があった小学校に対するスクールカウンセラー等
の配置、24時間受付可能な「いじめ相談電話」の開設、全市町村でのサポートチ
ームの設置など、学校内外の相談指導体制を整備した。
各高等学校においても、教員による家庭訪問の重点的実施及び生徒や保護者か
らの相談に対する支援活動を行う等、学校と家庭とが連携していじめ被害生徒や
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不登校生徒をサポートした。
、 、 、しかし 対人関係に起因し複雑化する事案が多くなっていることから 今後は
個々のケースに応じた、よりきめ細かい支援をする必要がある。
<参考>学校内外の相談指導体制の整備について
平成18年度 平成19年度 平成20年度
中学校へのスクールカウンセラー等配置状況(%) 41.3 100.0 100.0
市町村のサポートチーム設置状況(%) 71.4 85.7 100.0
ウ 不登校に対応するサポート体制の充実
小学校へのカウンセラー派遣、全中学校へのスクールカウンセラー等の配置に
より、サポート体制を充実した。
高等学校では、12校に養護教諭を複数配置し、校外の関係機関と連携して生徒
の抱える悩みの解決を図った。
青少年教育施設では、自然体験や共同生活体験等を通じて学校への復帰を支援
する「はつらつ体験塾」を実施し、参加児童生徒32人のうち29名が、平成21年4
月までに学校生活に復帰できた。
しかし、不登校については、中学校では3年連続して増加し、平成17年度以来
減少傾向にあった小学校でも増加していることから、中1ギャップ解消プログラ
ムの取組を一層強化する必要がある。
<参考1>公立学校の不登校発生率(%)(P80再掲)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
不登校発生率(本県小学校) 0.32 0.32 0.34
全国値 0.33 0.34 0.32
不登校発生率(本県中学校) 2.64 2.75 2.83
全国値 2.86 2.91 2.89 ※全国の数値は国公私立学校の数値不登校発生率(本県県立高校) 1.51 1.53 1.70
(平成20年度は速報値)全国値 1.78 1.70 -
<参考2>はつらつ体験塾参加児童生徒の様子
平成18年度 平成19年度 平成20年度
はつらつ体験塾参加児童生徒数 49 43 32
学校生活に復帰できた人数 30 33 29
(3) 豊かな心と社会性の基礎をはぐくむ家庭や地域の教育力の向上について
ア 家庭や地域の教育力の向上に向けた支援
家庭教育手帳(子育て・しつけ等のヒント集)の家庭配布 「社会全体で子どもを、
はぐくむ運動」と連携した啓発活動 「放課後子ども教室推進事業」による地域の、
方々の参画を得た子どもたちの放課後活動の場の提供など、家庭や地域の教育力
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向上を図るために啓発活動や、環境整備を行った。
放課後子ども教室の実施市町村及び設置箇所数は増加しており、地域の大人が
指導者として、子どもたちのスポーツ活動やものづくり等の体験活動を始め、宿
題や学習ドリル等を行う学習活動を支援している。
今後も、子どもたちの安全・安心な居場所づくりや地域ぐるみの教育支援が求
められていることから、放課後子ども教室推進事業の実施箇所の拡大を図るとと
もに、指導者の育成や資質の向上に向けた研修の実施、放課後児童クラブとの連
携等を進め、活動内容の充実に努める必要がある。
<参考>放課後子ども教室設置の状況
平成18年度 平成19年度 平成20年度
市町村数(教室数) 12(27)※ 14(34) 16(57)
※平成18年度は「地域子ども教室推進事業」の数
イ 家庭教育人材養成・相談体制支援
家庭教育企画力向上セミナーの実施により、市町村が行う家庭教育講座や子育
て支援団体育成等の側面的支援を図るとともに、家庭教育支援者ステップアップ
研修を開催し、子育てやしつけに悩む親の相談にのる家庭教育サポーターや子育
て支援リーダーの養成及び資質向上を図った。
家庭教育・子育て電話相談「すこやかコール」では、家庭教育や子育てへの不
安、悩み等を持つ親の相談に専門相談員が適切に応じた。
子育てへの悩みや不安は多くの親が持っていることから、引き続き家庭教育に
関する学習機会や情報の提供、相談体制の一層の充実を図るとともに、学習や相
談の支援者育成と活躍の場の拡充に努める必要がある。
<参考>すこやかコール相談件数(件)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
853 1,115 892
ウ 学校支援地域本部
学校支援地域本部の設置を進め、地域住民が
ボランティアとして学校の運営・活動に参画する
ことで、学校と地域住民の一体感が生まれ、教
員や地域の大人たちが子どもと向き合う時間の
増加が図られた。支援活動に参加したボランテ
算数指導の補助ィアからは 「学校を身近に感じるようになった」、
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「児童が街であいさつしてくれるようになり、うれしい」などの感想が寄せられ
ている。
今後は、学校支援地域本部を先駆的に取り入れた市町村における活用事例や、
、 。学校や地域にもたらす効果等を周知し 実施箇所の拡大を図っていく必要がある
<参考>学校支援地域本部設置状況
平成20年度
設置市町村数 10市町村
設置地域数 44地域本部
実施小中学校等 146校
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3 健康でたくましい心身をはぐくむ教育の充実
体力は生きる力の源であり、健康の保持増進や体力の向上に係る取組の充実を図って
きた。
また、中越大震災・中越沖地震の2度にわたる被災の経験を踏まえた防災教育の取組
を進めてきた。
(1) 健やかな心身をはぐくむ健康教育・体力つくりの推進について
ア 健康教育
、学校における健康教育・体力つくりを推進する担当教員に対する研修について
講義内容や開催場所の工夫、研修開催回数の増加など充実を図った。また 「性教、
育の手引活用リーフレット」の配布、学校保健推進計画の策定など、学校におけ
る効果的な健康教育を推進するための環境整備を行った。
学校歯科保健に係る取組により、むし歯の被患率は年々低下し、全国平均を下
回っている。一方、ぜん息やアトピー性皮膚炎等アレルギー性疾患の被患率が増
加傾向にあり、全国平均を上回っていることなど、児童生徒一人一人の健康課題
に即した効果的な健康教育の推進が課題である。そのため、定期健康診断の結果
に基づき、学校、家庭、地域の関係機関等が課題や情報を共有し、相談や指導・
支援を円滑に行う体制を確立する必要がある。
<参考>児童・生徒の被患率(%)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
む 小学生(本県) 60.93 60.4 59.5
し (全国) 67.01 65.47 63.79
歯 中学生(本県) 47.79 43.5 41.0
(全国) 59.69 58.06 56.00
小学生(本県) 5.74 6.8 5.5
(全国) 3.63 3.64 3.49
中学生(本県) 4.73 3.5 4.8
(全国) 2.77 2.79 2.66
ぜ 小学生(本県) 5.50 6.0 5.9
ん (全国) 3.79 3.91 3.89 ※ 学校保健統計調査
息 中学生(本県) 3.93 4.0 3.6 (文部科学省)より
(全国) 2.96 3.08 3.00
アトピー性
皮膚炎
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イ 学校における食育
各学校の食育に係る全体計画と年間指導計画の作成を進め、平成20年度は、小
学校において全体計画作成率が100%となった。また、新潟市も含めた全県の栄養
教諭を対象とした研修を行うなど、食育に係る指導体制を強化した。
学校における食育については、取組を始めて間もないことから、引き続き、栄
養教諭の配置を進めるとともに、研修会や資料提供等を通して、優れた取組事例
を紹介するなど、各学校の指導体制を強化していく必要がある。
<参考1>食育の全体計画を作成している学校
年度 小学校数 割 合 中学校数 割 合
平成20年度 441校 100 % 177校 99.4%
(小・中学校教育課程の編成・実施状況等に関する調査結果から。平成19年度からは )新潟市除く
<参考2>食育の年間指導計画を作成している学校
年度 小学校数 割 合 中学校数 割 合
平成20年度 436校 98.9% 174校 97.8%
(小・中学校教育課程の編成・実施状況等に関する調査結果から。 平成19年度からは )新潟市除く
ウ 児童生徒の体力つくり
、 、本県の児童生徒の体力は 全国平均の推移と比較して堅実な伸びを示しており
。 「 」 、近年は全国的に上位にある これは 1学校1取組 運動の成果と考えられるが
体力が最も高かった昭和60年頃の全国平均値に比べると、依然として低い水準に
ある。
今後は、体育授業の充実に加え、体力向上に効果のある取組を学校全体で推進
し、継続的な検証改善サイクルにより児童生徒が運動・生活習慣を確立し、バラ
ンスの取れた体力向上を目指すことが課題である。
<参考1>全国合計値の推移と比較
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※ 平成15年度の体力テストの8種目の全国平均値を50に換算し、合計400としたとき、平成15年度~20年度の( ) 。県平均値と平成15年度~19年度までの全国平均値を標準偏差を用いた共通のものさし Tスコア で比較した
( 、 )<参考2>Tスコアによる項目別比較 H20全国調査データの全国平均を50に換算し 県平均と比較
<参考3>昭和60年度全国平均値と平成20年度県平均値の比較(顕著な2種目)
※ ボール投げは小学生はソフトボール、中学生はハンドボールを使用
(2) 安全・防災教育の推進について
ア 学校の事故防止
県内外で発生した事故情報を、直ちに市町村教育委員会並びに県立幼稚園及び
小・中・特別支援学校、高等学校等に通知し、施設設備の安全点検や事故防止、
児童生徒への指導等安全確保の取組の徹底を図った。
児童生徒の交通事故発生件数は減少傾向にあるものの、各校種とも学校におけ
る休み時間や運動部活動中の怪我などの事故が平成19年度と比べ増加しているこ
とから、日常的な学校施設の点検や児童生徒に対する安全指導を更に徹底する必
![Page 21: 教育施策上の重要課題に対する評価下段:総志願者数に対する旧通学区域外から志願者の割合 旧 学 区 平成19年 平成20年 平成21年 96人](https://reader035.fdocument.pub/reader035/viewer/2022071508/612900f7e3b60b0ad304e706/html5/thumbnails/21.jpg)
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要がある。
<参考>児童・生徒の学校での事故発生状況(新潟県の全公立学校 (P42再掲))
平成18年度 平成19年度 平成20年度
小学生(件) 8,771 8,216 8,450
中学生(件) 7,998 7,187 7,646
高校生(件) 3,232 3,086 3,737
イ 防災教育
被災体験を生かした防災教育を推進するため 「学校における防災教育資料(骨、
子 」を作成し、市町村教育委員会並びに県立幼稚園及び公立小・中・特別支援学)
校、高等学校等に配布した。
今後は、各種研修会を通じて当該資料の活用の促進を図っていくこととしてい
る。
また、引き続き、学校における防災体制の整備に努めるとともに、各教科等に
おいて、児童生徒に災害発生のメカニズムを理解させ、災害発生時には、自らの
安全の確保と合わせて、人々の安全に役立とうとする意識を育てる防災教育をよ
り推進する必要がある。
<参考>学校における地震を想定した避難訓練の実施率
平成19年度
小学校(%) 98.6
中学校等(%) 95.0
高等学校等(%) 27.6 平成20年度は調査無し
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4 子どもたちの学びを支える学校教育環境の整備
児童生徒や保護者の信頼に応え、学校教育における諸課題に対応するため、直接教育
活動に携わる教員の資質能力の向上と意識改革を図ってきた。
また、児童生徒が安心して学べる環境と学校の安全の確保のため、校舎・体育館など
、 。の耐震化を進めるとともに 校内及び通学路等の安全の確保に係る取組を推進してきた
(1) 児童生徒や保護者の信頼に応える教職員の資質能力の向上について
ア 教員評価制度の実施
全ての公立学校で教員評価制度を実施した。教員は校長の学校運営の方針と各
組織目標を踏まえて自己目標を設定し、年間をとおして目標達成に向けて取り組
んだ。
管理職へのアンケート結果によると、90%以上の学校で、教員評価制度が教員
の資質能力の向上や学校の教育力の向上につながっていると肯定的に評価してい
る。
一方、評価基準に基づく、より客観的な評価の在り方を課題としている学校が
多くあることから、評価の客観性、信頼性を確保する視点から、今後とも、評価
者研修を継続・充実する必要がある。
イ 教職員の健康管理
教職員の健康は児童・生徒の教育活動に大きく影響することから、教職員の健
康の保持・増進を図るため、定期健康診断、人間ドック等のほか、メンタルヘル
スに関する研修会や個別相談事業、職場復帰支援事業を実施した。
また、安全で快適な職場環境を形成するため、安全衛生管理体制の整備促進に
引き続き努めた結果、特に県立学校の安全衛生委員会の設置率が著しく向上した
ほか、県立学校の学校総括安全衛生委員会を20年度に初めて開催した。
なお、近年精神疾患による長期病気休暇者及び休職者の全体に占める割合が増
加していることから、病気の早期発見につながり予防的効果が大きいセルフケア
能力の向上や、管理監督者及び同じ職場の中堅教職員による支援等を一層推進し
ていく必要がある。
<参考1>衛生委員会等設置率(% (毎年度5月1日現在))
平成18年度 平成19年度 平成20年度
県立学校(安全衛生委員会) 53.3 54.5 94.4
市町村立学校(衛生委員会) 18.2 25.0 36.4
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<参考2>公立学校教職員の休職等(P42再掲)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
長期病気休暇者(1月超)・休職者(人) 501 453 500
うち精神及び行動の障害による 228 229 247
ウ 教職員の多忙化解消に向けた取組
これまでも学校に対する調査・照会の削減を行うとともに、業務の精選・見直
しなどの指導を行ってきたところであるが、平成20年度は、すべての小学校又は
中学校を対象とする県独自の調査・照会のうち、平成18年度比で3分の1を削減
するなどの取組を行った。
、 、今後は 主幹教諭の配置による学校のマネジメント機能や人材育成機能の強化
教職員の負担軽減についての調査研究を踏まえた取組など、組織マネジメントの
視点からも多忙化解消に取り組むこととしている。
<参考>学校に対して県教育委員会が行う調査・照会について
平成18年度 平成19年度 平成20年度
学校に対する調査・照会件数(件) 90 69 59
(2) 学校施設の耐震改修の推進について
県立学校については、安全で快適な校舎づくりのため、全面改築や大規模改修・
耐震改修を計画的に進めたが、学校数が多く未だ多くの未耐震化棟がある。
引き続き「県耐震改修促進計画」に基づき、一定規模以上の校舎は平成27年度ま
でに耐震化を進め、それ以外の校舎についても利用実態等に応じて、順次耐震化を
進めていくこととしている。
なお、市町村立学校についても、計画的に耐震化を進めるように働きかけていく
必要がある。
<参考>学校の耐震化率(文部科学省「公立学校施設の耐震改修状況調査」より )※1
平成19年度(全国) 平成20年度(全国) 平成21年度(全国)
県立学校(%) 54.2 63.4 60.6(66.8 ) 62.8(70.1 )( )※2 ※2 ※2
公立小・中学校(%) 50.3(58.6) 53.6(62.3) 60.9(67.0)
※1 調査日は各年度4月1日。平成21年度調査から寄宿舎等や木造の建物も調査対象となった。
※2 県立学校欄の全国の値は、参考値として、文部科学省発表データの「公立学校施設」のうち 「高等学校 「特別支援学校」を元に算出した。、 」
(3) 安全・安心な学校づくりの推進について
ア 通学路の安全確保と広域連携・防犯教室等
、 、通学路等の安全確保については スクールガード・リーダーによる巡回指導や
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10市町村でスクールガード・リーダー育成講習会の開催、スクールガード養成講
習会の開催など、県内各地域で児童生徒等の見守り体制が昨年度より更に整備さ
れた。
また 「学校警察連絡協議会」を活用した防犯体制が整備され、地域における不、
審者情報の共有化やパトロール等、地域ぐるみで児童生徒等の安全確保の取組が
行われている。
しかし依然として児童生徒への声かけや危害を加えるなどの不審者事件が発生
していることから、今後も防犯教室指導者研修会等の開催を通じて、指導者の資
質及び学校の危機対応能力・児童生徒の危機回避能力の向上に努めるとともに、
実践的な防犯訓練を実施して防犯マニュアルに不断の見直しを加えるよう指導し
ていく必要がある。
<参考>通学路の安全確保整備状況
平成19年度 平成20年度
スクールガードリーダーによる巡回指導実施校区(%) 98.4 98.4
学校警察連絡協議会を活用した防犯体制の整備(%) 89.9 97.0
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生涯にわたる「学び」「躍動」「感動」を支える基盤整備Ⅱ
1 生き生きと学び続ける生涯学習環境づくり
県民一人一人が、生涯にわたって主体的に学習活動に取り組み、生き甲斐のある充実
した生活を送るとともに、学習成果をよりよい社会づくりに生かすことができるよう、
県民のニーズや現代的課題に対応した生涯学習環境の整備に努めてきた。
(1) 生涯学習環境の整備について
ア 第2次新潟県生涯学習推進プランの推進
平成20年1月に策定した第2次新潟県生涯学習推進プランに基づき、各種施策
を実施しているところであり、県民アンケート回答者の45%が「何らかの生涯学
習を行った」と答えるなど、生涯学習環境の整備はおおむね良好に進んでいる。
また市町村、大学を訪問し、本プランで示している「生涯学習の成果を地域社
会で活用する循環型生涯学習社会の理念」の普及・啓発に努めた。
今後も、プランを広く周知するとともに、生涯学習環境の整備に努め、県民の
生涯学習活動や学習成果を活用しての社会参画を進める仕組みづくりを進める必
要がある。
イ 県立生涯学習推進センターの取組
ホームページ「ラ・ラ・ネット」で生涯学習情報を体系化して提供することに
、 。 、 、より 県民一人一人の主体的な学習を支援した また 電話による学習相談では
講演会の講師や指導者の紹介、学習情報の提供等を行った。
ラ・ラ・ネットは、検索システムの改善や携帯電話からのアクセスを可能とす
るなどの利便性向上を図っているが、アクセス件数は減少傾向にある。
今後も情報の迅速な更新やコンテンツの充実を図るなど利便性の向上に努め、
県民が必要とする生涯学習情報を提供することとしている。
<参考>
平成18年度 平成19年度 平成20年度
ラ・ラ・ネットアクセス数(件) 199,356 166,212 134,762
電話による学習相談数(件) 698 619 327
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ウ 県立図書館の取組
多くの県民から親しまれ「役に立つ図書館」となることを目指して、祝日開館
や貸出可能冊数の増加、CDの貸出開始、喫茶室の整備、また、絵本や児童書を
集めた子ども図書室や中高校生向けの図書を集めた「ユースコーナー」の設置な
ど、各年代の利用者の利便性向上策に取り組んだ。
その結果、平成11年度以降減少し続けていた年間入館者数が増加に転じた。
今後も、これら利用者の利便性を向上させるための取組を継続し、さらなる入
館者の増加を図っていく必要がある。
<参考> 図書館の利用状況(P56再掲)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
年間入館者数 (人) 237,887 230,400 239,652
蔵書数(冊) 658,906 679,815 700,404
資料提供及び調査相談(件) 20,763 19,778 18,455
貸出冊数(冊) 125,284 129,417 142,313
図書館情報検索(回) 141,131 158,346 158,793
(2) 高度・多様なニーズに応える生涯学習機会の充実について
ア 県民への学習機会の効果的な提供
生涯学習講座全体の受講者は年間延べ140万人前後で推移しており、平成20年7
月に実施した県民アンケートでも回答者の45%がこの1年間に何らかの生涯学習
を行ったと答えるなど、県民に生涯学習が浸透してきたことがうかがえる。
今後は、大学・専門学校等が実施している生涯学習関連講座のいきいき県民カ
レッジへの登録を促進するなど、県民が必要とする高度・多様な講座を確保し、
受講者が増えるようにするとともに、生涯学習の経験が地域での社会活動への参
加につながるよう促していく必要がある。
<参考>生涯学習講座の受講者数
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- 103 -
イ 団塊世代等の社会参加の促進
団塊の世代や高齢者の社会参加を促進し、それらの方々が持っている経験や生
涯学習で学んだ成果をボランティアとして地域社会で生かすためのモデル事業を
実施した。
史跡ガイドや子育て支援など、講習とその
成果を生かすことができる場を設定すること
で、受講者が社会参加するための具体的なノ
ウハウを獲得できるよう工夫した。
なお、この取組は平成20年度新規事業であ
ることから、各地域における受講者の実践例子育てサークルの支援ボランティア
をまとめ、それらのノウハウのさらなる蓄積
とその普及により、団塊の世代や高齢者に地域活動への積極的な参加を促す仕組
みづくりを進める必要がある。
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2 生涯にわたって親しむスポーツと競技スポーツの振興
全国的な大会での本県選手の活躍は、県民に夢と感動を与え、スポーツの普及・振興に
大きな効果をもたらすことから、平成21年に開催される第64回国民体育大会「トキめき
新潟国体」における総合優勝を目指すとともに、大会を契機とした競技スポーツのレベ
ル向上の取組を進めてきた。
(1) 競技スポーツの振興
ア 国民体育大会に向けた競技力向上
第63回国民体育大会大分大会(平成20年)では男女総合順位の一桁台を目標とし
たが、結果は総合18位となり、目標を達成することはできなかったものの、秋田
大会より順位を上げるとともに優勝数等は増加した。また、平成21年2月の冬季
大会スキー競技会では、総合優勝に輝くなど、本県の競技力は着実に向上してい
る。また、冬季大会スキー競技会で総合優勝に輝いたことは、県民に大きな夢と
感動をもたらし、スポーツの普及・振興に絶大な効果を発揮した。
第64回国民体育大会「トキめき新潟国体」での総合優勝には、特に団体競技の
競技水準を全国レベルに上げることが不可欠なことから、強化指定選手・指導者
等で構成する選抜チームによる練習や強豪県への遠征など、質の高い練習機会の
拡大や本大会に照準を合わせた合宿の実施により競技力を強化する必要がある。
また、県民の応援は選手団に大きな力と勇気を与えることから、県民総参加の
国体開催ができるよう気運を一層盛り上げたい。
<参考1>総合成績 ( )は前回大会成績
項目 目標 結果
男女総合順位 一桁順位 18位(19)
競 技 得 点 1000 点 729.0点(674.0)
<参考2> 競技別成績
種別 競技 目標 得点 得点内訳
成 年 種 別 個人競技 650点 462.0点 280.5点
団体競技 181.5点
少 年 種 別 個人競技 350点 267.0点 192.5点
団体競技 74.5点
<参考3>優勝・入賞種目数
大 会 名 優勝種目数 入賞数
冬 季 大 会 7(7) 30(32)
本 大 会 12(6) 87(70)
合 計 19(13) 117(102)
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<参考4>女子競技の成績推移
H20 H19 H18 H17 H16
入 賞 数 15 12 9 7 6
イ 国体を契機とした競技スポーツの振興
平成14年に「第64回国民体育大会新潟県競技力向上対策本部」を設置し、指導
体制の強化や少年から青年まで一貫指導体制による選手の育成・強化システムの
定着・充実等を行い、競技力向上に取り組んできた。
全国中学校総合体育大会における入賞者数から見ると、これまでの一貫指導体
制による育成システムや将来を見据えた指導者の確保が、機能し定着しつつある
ことを伺わせる。
国体開催後の競技水準の維持向上には、国体開催に向け整備された指導体制や
選手の育成・強化システム、体力測定・動作分析などのスポーツ医科学分野での
サポート体制等の充実とともに継続的な取組が不可欠なことから、引き続き、財
団法人新潟県体育協会をはじめとした関係機関・団体との連携を強固にしていく
必要がある。
<参考>全国中学校体育大会(夏季大会)における入賞者数(団体8位、個人8位以上)の推移
平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度
団体競技(団体数) 4 4 7 6 3
個人競技(人数) 21 13 17 24 32
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3 心に潤いをもたらす芸術文化の振興と地域文化の継承
県民が芸術文化に親しみ、心豊かな生活を実現するため、優れた美術鑑賞の機会を提
供するとともに、郷土の歴史として受け継がれてきた文化財を保護・活用できる環境整備
を推進してきた。
とりわけ、佐渡金銀山の世界遺産登録について、地元佐渡市と協力し登録に向けた取
組を進めてきた。
近代美術館・万代島美術館の取組)(1) 芸術鑑賞機会の充実について(
ア 県立近代美術館は、開館15周年を記念した企画展を中心に5つの企画展を、県
立万代島美術館は、現代美術に焦点を当てた企画展を含め3つの企画展を開催し
た。日本画、洋画、文化財など企画展ごとにテーマを厳選し、また民間企業との
連携による実行委員会方式を採り入れる等、国内外の優れた美術作品の鑑賞機会
の提供に努めた。
また、平成20年度から、小・中学生の観覧料を通年無料化とすることにより、
児童生徒に対する芸術鑑賞機会の一層の充実を図るとともに、従来から実施して
いる、巡回ミュージアムや美術鑑賞講座・ワークショップ等を数多く実施し、教
育普及啓発活動にもより力を入れた。
今後は、展覧会の充実や鑑賞会・講演会等の関連イベントに一層工夫を凝らす
など、多くの県民が質の高い芸術文化に親しめる事業を充実させる必要がある。
<参考>近代美術館及び万代島美術館観覧者数とその他事業への入場者数(人)
(2) 文化財の保護・活用について
ア 国及び県指定文化財の保護活用
国及び県指定文化財については、概ね計画的な指定が進んでいる。国登録文化
財数については、申請の数により年度ごとの登録数の多寡があるが、近年順調な
登録数を確保している。
また、国及び県指定文化財の修理や被災した文化財の計画的な修復を支援する
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ことで、貴重な文化財の保護に努めてきた。中越大震災と中越沖地震において被
災した国及び県指定文化財については、3件を残して修復がほぼ完了した。
一方、文化財活用事業として、青少年文化財講座、古文書解読講座等各種講座
や文化財指導者講習会等を実施することなど、教育普及啓発活動に力を入れてき
た。
本県の芸術文化の振興と地域文化の継承には文化財の保護活用が欠かせないこ
とから、今後は、講座等の参加者からの要望を反映した魅力あるテーマ設定や講
師選定等により、文化財の活用に努めていきたい。
<参考1>国・県指定文化財数と国登録有形文化財の新規指定・登録数
<参考2>文化財活用事業への参加者数(人)
イ 埋蔵文化財保護活用の取組
埋蔵文化財保護の取組として、新たに63件の新遺跡を台帳・地図等に記載した。ま
た、活用事業として埋蔵文化財講座を実施し、埋蔵文化財センターにおける一般公開
や学校対象の校外学習、発掘調査の現地説明会等を実施し、参加者は延べ10,897人で
あった。
これら活用事業を継続して実施してきたことにより、校外学習では教員側にも
経験が蓄積され効果的に学習が進められるようになってきた。また、現地説明会
、 。も参加者は増加傾向にあり 県民の埋蔵文化財保護に対する関心が定着してきた
今後も、県立歴史博物館との共同展示等、埋蔵文化財保護の成果の発信方法や
関心の掘り起こしを工夫していくとともに、県民共有の貴重な文化財を良好な形
で将来へ継承するため、引き続き整備や保存・活用の充実を図っていくこととし
ている。
H16 H17 H18 H19 H20
青少年文化財講座 27 23 31 23 14
古文書解読講座 122 156 107 117 148
文化財指導者講習会 159 71 77 90 63
合 計 308 250 215 230 225
H16 H17 H18 H19 H20
国指定文化財数 2 1 4 0 1
県指定文化財数 2 3 4 6 6
国登録文化財数 7 25 53 42 15
合 計 11 29 61 48 22
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<参考>県埋蔵文化財センター入館者数と埋蔵文化財活用事業への参加者数(人)
(3) 世界遺産登録活動の推進について
ア 世界遺産登録に向けた調査研究
、 、佐渡金銀山については 平成20年 月に世界遺産暫定リスト記載が決定したが9既に世界遺産登録されている石見銀山遺跡との拡大・統合が条件となっているた
め、国と島根県・大田市との調整が整った段階で世界遺産暫定リストに正式記載
されることとなる。
県教育委員会は佐渡市と協力し、佐渡金銀山遺跡の価値と登録運動を県民の皆
様に広くアピールするため、展覧会・講演会・シンポジウムを開催し、多くの参
加者を得た。
世界遺産登録に当たっては、構成資産が国内法で保護されている必要があるた
め、今後はさらに調査・研究を進め、佐渡金銀山遺跡の国史跡指定等を順次図っ
ていく。
<参考>主な理解促進のための事業と参加者数(P68再掲)
・世界遺産連続講座 6~9月、計4回 参加人数 合計180人
・世界遺産講演会 11月3日 〃 240人
・世界遺産シンポジウム
「佐渡金銀山を世界遺産に」3月20日 〃 300人
・ 金GOLD - 黄金の国ジパングと佐渡金銀山展」「
平成21年2月21日~4月19日 入場者数 15,367人
H16 H17 H18 H19 H20
一般入館者 3,675 4,059 4,071 4,418 3,991
校 外 学 習 3,003 3,025 3,107 3,350 3,519
現地説明会 1,800 1,947 3,764 2,663 3,246
埋 文 講 座 104 182 159 161 141
合 計 8,582 9,213 11,101 10,592 10,897
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○まとめ
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新潟県教育委員会は、平成20年度事務の執行状況を点検・評価するにあたり、平成21年1月
から8ヶ月にわたり議論を重ねてきた。その間には、若井上越教育大学学長、生田新潟大学副
学長からご同席いただき、貴重なご意見をいただいている。
本章では、これらの点検・評価に係る協議を通じて交換された意見の趣旨を踏まえ、本報告
書のまとめとする。
総合評価
平成20年度に実施された全国学力・学習状況調査の結果からみると、学力について
は概ね全国水準を維持しているものと判断できる。
一方で、子どもたちの学習への興味・関心が全国平均と比較し「やや低い」という
調査結果や、より教育の質の向上が求められてきていること等から、現状に満足する
ことなく、より一層の学習指導の充実を図っていく必要がある。
いじめの解消、不登校や児童生徒の問題行動への対応等については、その課題解決
へ向けた県民の期待は大きい。
いじめ根絶県民運動も2年目を終え、相談指導体制の整備等様々な取組の推進によ
り、一定の成果を上げてきているものの、一方では、子どもたちの規範意識の低下を
示す事案も多発している。今後は、県教育委員会及び学校が、家庭・地域とより一層
連携を密にし、倫理面や道徳面をはぐくむ「心の教育」についても、長期的な取組を
続けていく必要がある。
子どもたちの健康・体力等については、本県の児童生徒の体力は全国トップクラス
になってきている。
また、国体開催を契機とした競技力向上対策等により、本県の競技スポーツのレベ
ルも上昇してきている。
言うまでもなく、健康な身体は、学業及び生活の礎となるものであり、この結果に
甘んずることなく、引き続き、体力向上の取組を進める必要がある。
これらのことから、本県教育は着実な歩みを続けており、正しい方向に進んでいる
ものと考えているが、さらなる本県教育の充実に向けて、引き続き一層の努力が必要
と認識している。
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、 、 、※ なお 平成20年度には教員採用選考検査の事務処理をめぐり 不正は無かったものの
検査の公正・公平な実施に疑念を与えかねない行為があったことは、誠に遺憾である。
県民の信頼に応えるべく、選考検査の透明性の確保に向けて、平成21年度には更なる
改善に取り組むこととしたところである。
夢おこし政策プラン評価委員会の評価
『義務教育、高校教育における意欲や学力の向上面では効果をあげるとともに、さ
らにキャリア教育も順調に進められており、全体として 「概ね順調」と評価する 』、 。
との評価を得ているが、今後もより一層 「個」を伸ばす教育の充実に努めてまいりた、
い。
県民の皆様へ
子どもたちの学習習慣や健全な生活習慣の確立、豊かな心の育成のためには、学校
と家庭・地域がそれぞれの役割を適切に担う必要があります。そして家庭・地域が、
学校を温かく支援していただくことが教職員の大きな励みとなります。
県民の皆様には、本書により本県教育を俯瞰していただき、なお一層のご理解とご
協力をお願いいたします。
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