血管留置カテーテルの管理...CV挿入前の準備 1....

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2019年モーニングセミナー513血管留置カテーテルの管理

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2019年モーニングセミナー5月13日

血管留置カテーテルの管理

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血管カテーテルの種類と感染リスク

留置期間 種類 感染リスク

短期 末梢静脈カテーテル 長期留置では静脈炎リスクが上昇

中心静脈カテーテル 長期留置により感染リスクが上昇

末梢挿入中心ライン(PICC) 中心静脈カテーテルと同程度か低い

肺動脈カテーテル(SG) 中心静脈カテーテルと同程度

末梢動脈カテーテル 通常低い

臍動脈(静脈)カテーテル 動脈と静脈でリスクは変わらない

血液透析カテーテル 中心静脈カテーテルと同程度

長期(3か月~)

カフ付き皮下トンネルカテーテル 通常低い

皮下埋め込みポート 通常低い

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血管留置カテーテルの感染経路

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共通する感染対策

• 留置期間の短縮

– 留置の必要性を1日1回評価する

– 長期化が予想される場合、感染リスクが低いものへ入れ替える

• 操作時の手指衛生(血流への微生物侵入を予防)

– 挿入部位の皮膚に触れる前後

– カテーテル挿入、被覆材交換の際に手袋を装着する前後

– 薬液の側注のためにルート操作する前後

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CV挿入前の準備

1. 皮膚汚れ(汗・皮脂・血液など)の除去

– シャワー

– 石鹸清拭

– アルコール清拭

×アセトン(ベンジン)

2. 穿刺部位(超音波など)の確認

– クリッパーによる除毛も考慮する

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術者・介助者の手指衛生

77%

8%

15%

併用 手洗い 手指消毒術者=13

77%

7%

8%

8%

併用 手洗い 手指消毒 未記入

介助者=13

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CVC挿入部の皮膚消毒

ポビドンヨード

1%CHG-Al

不明

N=13

米国CDCガイドライン20110.5%< CHG、ポビドンヨード

フランス CRBSI発生率(RCT)2015

クロルヘキシジン VS.ポビドンヨード0.28 1.77

★発生率を約1/6に低下させる結果10

2

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大型ドレープ

ガウン

帽子

滅菌手袋

マスク

0% 20% 40% 60% 80% 100%

あり なし

※ガイドワイヤーの長さ以上

挿入時の防護用具5アイテム

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挿入中の管理

• ドレッシング

– 浸出液(血液など)が多いときは、ガーゼを使用。

– ガーゼは汚れたらその都度交換。汚れがない場合は2日ごとに交換する。

– 浸出液がない場合は、透明フィルムドレッシングを使用。

– 内部が浮き上がったり、はがれたりした場合はその都度交換。そうでない場合は7日ごとに交換する。

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挿入中の管理

• 輸液ラインの交換

– 原則、7日で交換。

– 輸血や脂肪乳剤を使用したラインは、12~24時間以内に交換。

– プロポフォールを投与したラインは、6~12時間ごとに交換。

• 接続部の消毒

– 側注など接続部は、アルコールで擦るように消毒する。

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挿入中の管理

• 薬剤調整

– クリーンベンチが理想

– 人の出入りのない空気の乱れのない環境で行う

– 輸液台は、水回りから1.5メートル以上離して設置する

– 輸液調整前には、表面をアルコールで消毒する

– 作業者は、マスク着用・手指消毒(手袋着用)が奨励される

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挿入中の管理

• ルート接続部を外さない

– 着替えや清拭、シャワー時、接続部を外さない。

– ビーフリードの長時間投与に注意

輸液ルート内に生じた浮遊物(セレウス菌)

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CVLバンドル IHI(医療安全協議会)

★手指衛生

★カテーテル挿入時のマキシマルバリプリコーション

★0.5%<CHGによる皮膚消毒

★適切なカテーテル留置部位の選択

★速やかなライン抜去のためのラインの必要性を毎日検討

バンドルとは、効果的な対策の組み合わせ

The 5Million lives Campaign:“Preventing Central Line Infections with the Central Line Bundle”

Institute for Healthcare Improvement 2007