血液内科 診療実績(平成30年度...

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― 135 ― 悪性リンパ腫 47% 非血縁者間 末梢血幹細胞 移植 6% 血縁者間 末梢血幹細胞移植 44% 非血縁者間 骨髄移植 13% 急性 白血病 11% 骨髄異形成 症候群 9% 多発性骨髄種 7% 再生 不良性貧血 9% 多発性 骨髄種 13% その他 6% その他 14% 図1.2019年外来患者疾患割合 図 2 .2019 年度入院患者疾患割合 図 3 . 2019 年 移植割合 慢性骨髄性白血病 2% 慢性骨髄性 白血病 3% 単クローン性 高γ-globulin 血症 4% 突発性血小板減少性紫斑病 3% 特発性 血小板 少性 紫斑病 4% 自家末梢血幹細胞移植 6% 臍帯血移植 31% 悪性リンパ腫 27% 急性 白血病 6% 鉄欠乏性 貧血 15% 骨髄増殖性 疾患 12% 骨髄異形成 症候群 8% 血液内科 診療科長 大屋敷 一馬 医局長  岡部 聖一 病棟医長 赤羽 大悟 外来医長 田中 裕子 医師数  常勤 15 名 非常勤 2 名  高齢社会の到来により、造血器腫瘍をはじめとする血 液疾患が増加している。とりわけ悪性リンパ腫、多発性 骨髄腫、骨髄異形成症候群が顕著であり、患者数が増加 し血液内科のニーズが高まってきた。血液領域には様々 な疾患があるが、当科は主に造血器腫瘍、造血障害を担 当している。特に腫瘍性疾患の病態解明、分子標的療法 の開発に取り組んでいる。また同時に同種造血幹細胞移 植を積極的に行い、免疫病態の解明にも力を入れている。 1)外来診療体制と実績 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 血液内科が診療とする疾患は、白血病、骨髄異形成症 候群(MDS)、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫に代表され る造血器腫瘍や再生不良性貧血、溶血性貧血、多血症、 血小板減少による出血性疾患などである。血液疾患に対 する治療の進歩は目覚ましい。新しい分子標的薬や抗体 療法が導入されてきており、これらの最新の知見を積極 的に取り入れている。経験豊富な専門医を中心として、 エビデンスに基づいた最善の治療法をきめ細やかに患者 さんに提供している。また無理なく治療が続けられるよ う外来化学療法との連携も行っている。図 1 に日本血液 学会に疾患登録を行った平成 29 年の疾患別割合を示す。 2)入院診療体制と実績 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 血液内科は 32 床を有し、骨髄移植や末梢血幹細胞移 植などで使用されるクリーン度の極めて高い無菌病棟 (10 床)を備えている。化学療法ならびに放射線療法後 の一過性免疫不全状態でも、患者さんはこの無菌室内の ケアにより日和見感染が予防され、治療成績の向上がみ られている。また入院患者は白血病などの難治性疾患を 扱う機会が多いため、十分に情報を提供した上で適切な 検査法や治療法を提供している。さらに日本成人白血病 研究グループ(JALSG)や厚生労働省科学研究費補助金・ 難治性疾患克服研究事業に参加し、標準的治療法の検証 や新規治療法の開発に取り組んでいる。図2に平成 29 年度の入院診療別割合を示す。また図 3 に移植症例の割 合を示す。 スタッフ(平成 30 年10 月1日現在) 診療体制と実績 診療科の特徴

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  • ― 135 ―

    悪性リンパ腫47%

    非血縁者間末梢血幹細胞移植6%

    血縁者間末梢血幹細胞移植

    44%

    非血縁者間骨髄移植13%

    急性白血病11%

    骨髄異形成症候群9%

    多発性骨髄種7%

    再生不良性貧血9%

    多発性骨髄種 13%

    その他6%

    その他14%

    図1.2019年外来患者疾患割合

    図 2 .2019年度入院患者疾患割合

    図 3. 2019年移植割合

    慢性骨髄性白血病 2%

    慢性骨髄性白血病 3%

    単クローン性高γ-globulin血症 4%

    突発性血小板減少性紫斑病 3%

    特発性血小板減少性紫斑病4%

    自家末梢血幹細胞移植 6%

    臍帯血移植31%

    悪性リンパ腫27%

    急性白血病6% 鉄欠乏性

    貧血15%

    骨髄増殖性疾患12%

    骨髄異形成症候群8%

    血液内科

    診療科長 大屋敷 一馬医局長  岡部 聖一病棟医長 赤羽 大悟外来医長 田中 裕子

    医師数  常勤 15名     非常勤 2名 

     高齢社会の到来により、造血器腫瘍をはじめとする血液疾患が増加している。とりわけ悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群が顕著であり、患者数が増加し血液内科のニーズが高まってきた。血液領域には様々な疾患があるが、当科は主に造血器腫瘍、造血障害を担当している。特に腫瘍性疾患の病態解明、分子標的療法の開発に取り組んでいる。また同時に同種造血幹細胞移植を積極的に行い、免疫病態の解明にも力を入れている。

    1)外来診療体制と実績 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 血液内科が診療とする疾患は、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫に代表される造血器腫瘍や再生不良性貧血、溶血性貧血、多血症、血小板減少による出血性疾患などである。血液疾患に対する治療の進歩は目覚ましい。新しい分子標的薬や抗体療法が導入されてきており、これらの最新の知見を積極的に取り入れている。経験豊富な専門医を中心として、エビデンスに基づいた最善の治療法をきめ細やかに患者さんに提供している。また無理なく治療が続けられるよう外来化学療法との連携も行っている。図 1 に日本血液学会に疾患登録を行った平成 29 年の疾患別割合を示す。

    2)入院診療体制と実績 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 血液内科は 32 床を有し、骨髄移植や末梢血幹細胞移植などで使用されるクリーン度の極めて高い無菌病棟

    (10 床)を備えている。化学療法ならびに放射線療法後の一過性免疫不全状態でも、患者さんはこの無菌室内のケアにより日和見感染が予防され、治療成績の向上がみられている。また入院患者は白血病などの難治性疾患を扱う機会が多いため、十分に情報を提供した上で適切な検査法や治療法を提供している。さらに日本成人白血病研究グループ(JALSG)や厚生労働省科学研究費補助金・難治性疾患克服研究事業に参加し、標準的治療法の検証や新規治療法の開発に取り組んでいる。図2に平成 29年度の入院診療別割合を示す。また図 3 に移植症例の割合を示す。

    ●スタッフ(平成30 年10月1日現在)

    ●診療体制と実績

    ●診療科の特徴

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    平成30年度 病院年報より