技術編Cp=空気比熱 1.006kJ/kg・ (参考)夏の日射量=837W/m2 (例)...

1
技術編 690 ●面風速の推奨値 VF = 0.9 ~ 1.2m/s(四周開放) = 0.8 ~ 1.1m/s(三辺開放) = 0.7 ~ 1.0m/s(二辺開放) = 0.5 ~ 0.8m/s(一辺開放) 〈参考〉部屋の必要換気回数から求める方法 換気回数のめやす 7.必要換気量の計算式(その他の例) 8.局所換気(フード吸込み)の場合 6.室内に発熱量(kW)がある場合の求める方法 3.1 人当りの占有面積から求める方法 変圧器やモータなどの発熱体のある場合は熱量より必要換気量を算出します。 Q= 3600・H 3600・H γ・Cp(ti-to) 1.2(ti - to) Q =必要換気量 m 3 /h ti =目標室温℃ H =発熱量 kW to =外気温℃ γ =空気密度 1.1985kg/m 3 1kW = 3600kJ/h Cp=空気比熱 1.006kJ/kg ・℃ (参考)夏の日射量= 837W/m 2 (例) 設備容量 1,000kVA 外気温 30 ℃ 負荷側の力率 0.95 変圧器内の発熱は全部室内に放出 変圧器発熱能力 3 % 変圧器 ... 油入自冷式 以上の条件で目標室温 40 ℃に保つための必要換気量 発熱量 =設備容量×力率× 3 % =1,000×0.95×0.03 = 28.5kW ti =40℃ to=30℃ Q= 3,600 ・ 28.5 = 8,550m 3 /h 1.2(40 - 30) 換気因子 計算式 備考 W W =水蒸気発生量[kg/h] 水蒸気 Q= 1.2(xi -xoxi =許容室内絶対湿度[kg/kg] xo =導入外気絶対湿度[kg/kg] 100M M =ガス発生量[m 3 /h] ガス Q= K-Ko K =許容室内ガス濃度[vol%] Ko =導入外気ガス濃度[vol%] M M =じんあい発生量[mg/m 3 じんあい Q= C-Co C =許容室内じんあい濃度[mg/m 3 Co =導入外気じんあい濃度[mg/m 3 必要風量 Q(m 3 /h)= A・VF ・3600 VF :面風速(m/s) A=a×b(m 2 注1.上記の計算による必要換気風量よりも安全率をみて、若干多い風量に 設定してください。特に発生ガス、蒸気などの速度が早かったり、粉 じんの種類によっては面風速を大きくとらないとフードからの漏れが 大きくなりますからご注意ください。 2. フードから換気扇までのダクトが長い場合や曲りのある場合は、ダクト の圧力損失を求め、必要静圧を決めて機種を決定することが必要です。 a d d>0.3H b H 部屋の種類 換気回数[回/h] 部屋の種類 換気回数[回/h] ちゅう房(大) 40~60 配ぜん室 15~20 ちゅう房(小) 30~40 浴室 15~20 水洗便所(事務所) 5~10 自動車車庫 10~15 水洗便所(劇場) 10~15 変圧器室 10~15 湯沸し室 10~15 発電機室 30~50 ボイラ室 給気10~15・排気7~10 地階倉庫 5~10 美容室 5~10 洗たく室 20~40 「空気調和設備の実務の知識」オーム社より 必要換気量(m 3 /h)=毎時必要換気回数(回/h)×部屋の容積(m 3 ※たばこ煙の場合はC=0.15[mg/m 3 ]になります。 必要換気量(m 3 /h)= 20 ×居室の床面積(m 2 1 人当りの占有面積(m 2 (例)居間における必要換気量を求めます。 部屋の広さ 13.2m 2 (8 畳)、人員 4 人 20×13.2 必要換気量= 13.2 =80(m 3 /h) 4 ●上式は建築基準法施行令第 20 条の 2 第 2 号に基づいています。 注1)上式の「20」は20(m 3 /h ・人)の意味であるが、この根拠は成人男 子が静かに座っている時のCO2 排出量に基づいた必要換気量です。 注2)1人当りの占有面積が10(m 2 )を越える場合は、10(m 2 )でよい。 (表 5)業務用施設での換気設備の基準となる 1 人当り占有面積例 建物区分 1人当り 備    考 占有面積(N) レストラン・喫茶店 3m 2 営業の用途に供する部分の床面積 キャバレー・ビヤホール 2m 2 営業の用途に供する部分の床面積 料亭・貸席 3m 2 営業の用途に供する部分の床面積 店舗マーケット 3m 2 営業の用途に供する部分の床面積 ダンスホール・ボウリング2m 2 営業の用途に供する部分の床面積 旅館・ホテル 10m 2 営業の用途に供する部分の床面積 集会場・公会堂 0.5~1m 2 単位当り算定人員と同時に収容し得る人員 事務所 5m 2 事務室の床面積 5.収容員数(人数、羽数、頭数)から求める方法 必要換気量(m 3 /h)=員数当り必要換気量(m 3 /h)×員数 (表 7)人間 1 人当りの必要換気量 部屋の種類 必要換気量[m 3 /m 2 ・h] 部屋の種類 必要換気量[m 3 /m 2 ・h] 事務所(個室) 6.0 休憩室 15.0 事務所(一般) 7.2 娯楽室 9.0 商店売場 9.1 小会議室 30.0 レストラン・喫茶(普通) 30.0 バー 17.7 レストラン・喫茶(高級) 17.7 美容室・理髪室 6.0 宴会場 37.5 住宅・アパート 9.0 ホテル客室 3.0 食堂(営業用) 30.0 劇場・映画館(普通) 50.0 食堂(非営業用) 15.0 劇場・映画館(高級) 37.5 居室の必要換気量参考値(抜粋):(空調・衛生工学便覧より) 4.床面積当り必要換気量に基づく方法 必要換気量(m 3 /h)=室の床面積当り換気量(m 3 /m 2 ・ h)×室面積(m 2 (表 6)床面積当り必要換気量 具 体 例 推奨値 最小値 仲買人事務所・会議室 85.0m 3 /h 51.0m 3 /h バー・キャバレー 51.0m 3 /h 42.5m 3 /h 事務所 25.5m 3 /h 17.0m 3 /h レストラン 25.5m 3 /h 20.0m 3 /h 商店・デパート 25.5m 3 /h 17.0m 3 /h 劇  場 25.5m 3 /h 17.0m 3 /h 病  院 34.0m 3 /h 25.5m 3 /h 社団法人日本建築士連合会編集建築士のための建築設備(S 49.2.25 発行)より引用 鶏 1 羽当り(ウインドレス鶏舎)15 ~ 16.2m 3 /h(夏) 牛・豚 1 頭(100kg 相当)当り 180m 3 /h(夏) ※鶏の換気量は 10 週令時(2.2 ~ 2.4kg/羽)

Transcript of 技術編Cp=空気比熱 1.006kJ/kg・ (参考)夏の日射量=837W/m2 (例)...

技術編

690

●面風速の推奨値VF =0.9~1.2m/s(四周開放)

=0.8~1.1m/s(三辺開放)=0.7~1.0m/s(二辺開放)=0.5~0.8m/s(一辺開放)

〈参考〉部屋の必要換気回数から求める方法

換気回数のめやす

7.必要換気量の計算式(その他の例)

8.局所換気(フード吸込み)の場合

6.室内に発熱量(kW)がある場合の求める方法3.1人当りの占有面積から求める方法

変圧器やモータなどの発熱体のある場合は熱量より必要換気量を算出します。

Q=3600・H 3600・H

γ・Cp(ti-to)=

1.2(ti-to)Q =必要換気量 m3/h ti=目標室温℃H =発熱量 kW to=外気温℃γ =空気密度 1.1985kg/m3 1kW=3600kJ/hCp=空気比熱 1.006kJ/kg・℃

(参考)夏の日射量=837W/m2

(例)

設備容量 1,000kVA 外気温 30℃負荷側の力率 0.95 変圧器内の発熱は全部室内に放出変圧器発熱能力 3% 変圧器...油入自冷式

以上の条件で目標室温40℃に保つための必要換気量発熱量=設備容量×力率×3%

=1,000×0.95×0.03=28.5kW

ti =40℃ to=30℃

Q =3,600・28.5

=8,550m3/h1.2(40-30)

換気因子 計算式 備考

WW=水蒸気発生量[kg/h]

水蒸気 Q=1.2(xi-xo)

xi=許容室内絶対湿度[kg/kg]xo=導入外気絶対湿度[kg/kg]

100MM=ガス発生量[m3/h]

ガス Q=K-Ko K=許容室内ガス濃度[vol%]Ko=導入外気ガス濃度[vol%]

MM=じんあい発生量[mg/m3]

じんあい Q=C-Co C=許容室内じんあい濃度[mg/m3]Co=導入外気じんあい濃度[mg/m3]

必要風量Q(m3/h)=A・VF・3600

VF:面風速(m/s)A=a×b(m2)

注1.上記の計算による必要換気風量よりも安全率をみて、若干多い風量に設定してください。特に発生ガス、蒸気などの速度が早かったり、粉じんの種類によっては面風速を大きくとらないとフードからの漏れが大きくなりますからご注意ください。

2.フードから換気扇までのダクトが長い場合や曲りのある場合は、ダクトの圧力損失を求め、必要静圧を決めて機種を決定することが必要です。

a

d

d>0.3H

b

H

部屋の種類 換気回数[回/h] 部屋の種類 換気回数[回/h]

ちゅう房(大) 40~60 配ぜん室 15~20

ちゅう房(小) 30~40 浴室 15~20

水洗便所(事務所) 5~10 自動車車庫 10~15

水洗便所(劇場) 10~15 変圧器室 10~15

湯沸し室 10~15 発電機室 30~50

ボイラ室 給気10~15・排気7~10 地階倉庫 5~10

美容室 5~10 洗たく室 20~40

「空気調和設備の実務の知識」オーム社より

必要換気量(m3/h)=毎時必要換気回数(回/h)×部屋の容積(m3)

※たばこ煙の場合はC=0.15[mg/m3]になります。

必要換気量(m3/h)=20×居室の床面積(m2)1人当りの占有面積(m2)

(例)居間における必要換気量を求めます。部屋の広さ13.2m2(8畳)、人員4人

20×13.2必要換気量= 13.2 =80(m3/h)

4

●上式は建築基準法施行令第20条の2第2号に基づいています。注1)上式の「20」は20(m3/h・人)の意味であるが、この根拠は成人男

子が静かに座っている時のCO2排出量に基づいた必要換気量です。注2)1人当りの占有面積が10(m2)を越える場合は、10(m2)でよい。

(表5)業務用施設での換気設備の基準となる1人当り占有面積例

建物区分1人当り

備    考占有面積(N)

レストラン・喫茶店 3m2 営業の用途に供する部分の床面積キャバレー・ビヤホール 2m2 営業の用途に供する部分の床面積料亭・貸席 3m2 営業の用途に供する部分の床面積店舗マーケット 3m2 営業の用途に供する部分の床面積ダンスホール・ボウリング場 2m2 営業の用途に供する部分の床面積旅館・ホテル 10m2 営業の用途に供する部分の床面積集会場・公会堂 0.5~1m2 単位当り算定人員と同時に収容し得る人員事務所 5m2 事務室の床面積

5.収容員数(人数、羽数、頭数)から求める方法

必要換気量(m3/h)=員数当り必要換気量(m3/h)×員数

(表7)人間1人当りの必要換気量

部屋の種類 必要換気量[m3/m2・h] 部屋の種類 必要換気量[m3/m2・h]

事務所(個室) 6.0 休憩室 15.0事務所(一般) 7.2 娯楽室 9.0商店売場 9.1 小会議室 30.0レストラン・喫茶(普通) 30.0 バー 17.7レストラン・喫茶(高級) 17.7 美容室・理髪室 6.0宴会場 37.5 住宅・アパート 9.0ホテル客室 3.0 食堂(営業用) 30.0劇場・映画館(普通) 50.0 食堂(非営業用) 15.0劇場・映画館(高級) 37.5居室の必要換気量参考値(抜粋):(空調・衛生工学便覧より)

4.床面積当り必要換気量に基づく方法

必要換気量(m3/h)=室の床面積当り換気量(m3/m2・h)×室面積(m2)

(表6)床面積当り必要換気量

具 体 例 推奨値 最小値

仲買人事務所・会議室 85.0m3/h 51.0m3/h

バー・キャバレー 51.0m3/h 42.5m3/h

事務所 25.5m3/h 17.0m3/h

レストラン 25.5m3/h 20.0m3/h

商店・デパート 25.5m3/h 17.0m3/h

劇  場 25.5m3/h 17.0m3/h

病  院 34.0m3/h 25.5m3/h

社団法人日本建築士連合会編集建築士のための建築設備(S 49.2.25発行)より引用

鶏1羽当り(ウインドレス鶏舎)15~16.2m3/h(夏)牛・豚1頭(100kg相当)当り180m3/h(夏)※鶏の換気量は10週令時(2.2~2.4kg/羽)