実験3B...

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+ O O O AlCl 3 O reflux トルエン (溶媒も兼ねる) p-Methylacetophenone 無水酢酸 実験3B Friedel-Craftsアシル化反応 E E H Nu E + HNu E H Nu E H Nu H 芳香族求電子置換反応 芳香族性の回復 芳香族性の一時的な喪失 置換生成物 付加生成物 ブロモ化 ニトロ化 アルキル化 アシル化 Br NO 2 R RCO E 求電子剤

Transcript of 実験3B...

  • +O

    O O AlCl3

    O

    reflux

    トルエン (溶媒も兼ねる)

    p-Methylacetophenone 無水酢酸

    実験3B Friedel-Craftsアシル化反応

    E

    EH Nu

    E+ HNu

    EH

    Nu

    EH

    NuH

    芳香族求電子置換反応

    芳香族性の回復

    芳香族性の一時的な喪失

    置換生成物

    付加生成物

    ブロモ化

    ニトロ化

    アルキル化

    アシル化

    Br

    NO2R

    RCO

    E求電子剤

  • 求電子剤の生成

    +O

    O

    O AlCl3 O

    OAl

    Cl

    ClO

    Cl

    OO

    Cl

    AlCl3 AlCl4O

    ClAl

    ClCl

    Cl

    P. H. Groggins and R. H. Nagel,

    Ind. Eng. Chem., 26, 1313 (1934).

    B. Chevrier and R. Weiss, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 13, 1 (1974).

    Acylium Tetrachloroaluminate

    Acylium Cation の構造 (B3LYP/6-311++G(d,p)による構造最適化)

    1.11Å 1.43Å

    O-C-C 179.96°

    O O

    93%

    etc.

    0%

    (Natural Resonance Structure by NBO6)

  • Friedel-Craftsアシル化反応のエネルギープロフィール

    H

    O

    π-錯体

    σ-錯体 (Wheland中間体)

    O O

    TS-1

    TS-2

    O

    生成系

    TS : 遷移状態 ClAl ClClCl

    O

    H

    H

    原系 O

    or

    O O O

    p : o : m = 89 : 6 : 5

    G. A. Olah et al. J. Am. Chem. Soc., 86, 2198(1964).

  • TS-1の差をσ-錯体の安定性から間接的に見積る

    その1(定性的に) その2(定量的に)

    o-体とp-体には,カチオンを安定化する極限構造 (第三級カルボカチオン)の寄与がある.

    分子軌道法(RHF/6-31G(d) で求めた相対的なエネルギー

    ( p-体を基準 )

    +1.67

    +6.64 kcal/mol

    0

    COMeH

    H

    COMeH

    COMeH

    H

    COMeH

    COMeH

    H

    H

    COMeH

    H

    MeCO HH

    MeCO H MeCO HH

    m-体

    o-体

    p-体

    p-体

    o-体

    m-体

    σ-錯体

    p-体

    o-体

    m-体 TS-1

    TS-2

  • TS-1の差を直接比較する

    0

    +2.79

    +1.22

    p-体を基準(0) とした相対値(kcal/mol) (RHF/6-31G(d))

    m-体

    o-体

    p-体

    p-体

    o-体

    m-体

    p-体の 遷移状態

    p-体の遷移状態とIRC (Intrinsic Reaction Coordinate, 固有反応経路)

    (動画資料有り)

  • 分子軌道から反応位置を予想する

    H+脱離を伴うipso位からortho位への転位も考えられる

    関数値が±0.09の 等値表面

    関数値が±0.02の 等値表面

    TolueneのHOMO

    Acylium CationのLUMO

    ●や○は,2pz成分の大きさを 模式的に表現したもの

    係数の大きい原子間 の反応が有利

    ipso位の係数も大きいが 生成物には至らない

    OH

    HH

    O

    H

    OO

    HB

  • O AlCl3

    モノアシル化で止まる理由

    LUMOの準位

    HOMOの準位

    HOMOとLUMOの準位が 近いほど反応が起こり易い

    O

    O

    O

    水平線は,軌道のエネルギー準位を 模式的に表現している.

    O

    O

    O O

    ClAl ClClCl

    O

    H

    H

    O

    + HCl+AlCl3

    OAlCl3

  • トルエンと AlCl3

    無水酢酸

    水流ポンプに接続

    BTB溶液を数滴入れる

    反応装置を組み立てて から試薬を量り取る

    反応中に発生するHClガスを 捕集するため

    幅の狭い 専用の クランプ を使う

    Bグループが調製し,Aグループが中和して廃棄する. ラボジャッキにのせる

    一番低くしたときに フラスコが油浴から 出ているように

    締め方に注意

    コックの位置に注意

    器具を組み立てる 順番を考える.

    (NaOH 20g + H2O 200mL)

    温度計で

    AlCl3は,ドラフト内で ビーカーに量りとる

    (この図は,開いている状態)

    反応装置の 組み立て方

  • 反応装置の組み立て方

    1. ラボジャッキを下げたとき フラスコが油浴から出るように

    2.重心を低く.真っ直ぐに立てる

    3.無理な力がかからないように

    (1) ラボジャッキを下げた状態にする.

    (2) 油浴をのせる.

    (3) 三ツ口フラスコを油面から2cm位の 高さにクランプで固定する.

    (5) 冷却管を立てて,垂直になるように 調整する.

    (6) 冷却管をクランプで固定する.

    (7) 滴下ロート,三方コックを取り付ける. (いつでも付けられるものは最後でよい)

    (4) 冷却管に冷却水用のゴム管をつける.

    一方開きクランプ

    まず,固定部が冷却管に合うように位置を決めてから, ネジを回して可動部を動かし,固定する.

    可動部

    固定部

    器具のスリの部分に無理な力がかからないようにする為には

    ポイント

  • ワッシャー (座板)

    O-リング

    ネジ

    テフロンコックを 分解して洗浄する場合は この3点をなくさないように.

    コックの固さは, ネジの絞め具合で調節する.

    テフロンコック

  • 三方コック

    特に水洗いする必要はない.

    3Bの反応を行うときは, この向きで

    コックをはずして,穴の空き 具合いを確認するとよい.

  • 反応の処理(Work-up):単離と精製

    OAlCl3

    H2OO

    + Al3+ 3HCl+

    反応終了後は この状態

    発熱反応 なので 実際には 氷を使用

    水には不溶

    ( + AcOH )

    冷却管と滴下ロートをはずし,フラスコの内容物を氷の入ったビーカーに投入する. フラスコ壁に付いた反応物は,少量の水を加えて分解し,一緒にして処理する.

    水に溶ける

    分液ロートに移す

    一旦,フラスコごと水浴につけ室温まで冷やしてから氷に投入する

  • 操作(5) までの水層には アルミニウムが含まれて いるので,専用のポリタンクに捨てる. 中和しなくて良い. (酸性のままタンクに捨てる)

    (1) 有機層と白濁した水層(分液ロートの様子)

    (2) 水層を AcOEtで抽出

    (4) 水で洗う.(有機層中の塩酸等の除去)

    (3)

    (7) 有機層を乾いた三角フラスコに移し 乾燥剤(無水Na2SO4)を入れ,暫く放置

    (5) 重曹水で洗う. (有機層中の酸を完全に除去)

    (6) 飽和食塩水で洗う. (有機層中の水を大まかに除去)

    有機層は, ビーカーに 入れておく

    この二つを一緒にして.以下の操作を行う.

    水層が白濁していなければ (2)は省略して水層を捨てる だけで, (4)に進んでよい.

    乾燥剤を濾別し,エバポレーションへ

  • ロータリーエバポレーター

    乾燥剤を 自然ろ過で除去

    ろ液をエバポレータで濃縮する. (トルエンと酢酸エチルを除去)

    減圧蒸留で精製

    受器

    冷却管

    軸を回転させるための ローター

    アスピレーター

    湯浴

    冷却水

    蒸留物に衝撃を与えずに減圧にして加熱すると わずかなショックでも突然沸騰する.(突沸) そうならないように,フラスコを常に回転させる.

    残留物(目的物 + 微量のトルエン)

    減圧蒸留時の突沸の原因と なるため,できるだけ除去する.

    十分除去されると,25mLの丸底フラスコに 移したとき,液面が玉の中央付近にくるはず.

    湯浴60℃位

    ろ紙の代わりに 脱脂綿でもよい

  • 減圧蒸留装置 ラボジャッキにのせる

    コックの位置と開閉の 関係を理解しておくこと. 加熱は室温から

    蒸留の受器を替える場合は,この部分を回す

    保温のため,この部分に トイレットペーパーをまくことがある.

    突沸防止用 風袋の重さを予め量る ダイアフラムポンプを 使うためトラップは不要 器具を組み立てる

    順番を考える.

    Oリングを確認

    ダイアフラム ポンプに接続

  • 初期状態 減圧状態(測定時) 減圧状態 (測定時以外)

    水銀柱が上端に達するまで マノメータを傾け、 コックを開き常圧に戻す

    常圧にもどすとき、 この状態でコックを開くと,左側の水銀柱がガラス管の上端にぶつかり破損の恐れあり

    この長さを mm単位で測定(mmHg)

    可動式の物差し

    測定時のみ開く

    位牌型マノメータの使い方

    常圧に戻すとき

  • 沸点換算図表の使い方

    圧力 常圧での 沸点

    減圧での 沸点

    非会合性液体の 沸点の概略値

    常圧での沸点(文献値)と マノメータで測定した圧力から その圧力でのおおよその沸点を 知ることができる.

  • 実験の注意

    (1) ラボジャッキの高さ調整用のねじが,スターラーにぶつかるときは, ねじが横に来るようにラボジャッキの向きを90度回転させる.

    (5) 塩化アルミニウムは,ドラフト内でビーカーに量りとる.

    (2) ラボジャッキを一番低くしたとき,フラスコが油浴から離れているように.

    (3) 三方コックの構造について予め知っておく.

    ドラフトのフードを下ろし過ぎると,風の影響で量り難くなる. 三つ口フラスコに塩化アルミニウムを入れるときは,紙でロートを作るなどして入れる. フラスコのスリの部分に試薬の粉が付いた場合には,よくふき取ること.

    (4) ガストラップ用の水酸化ナトリウム水溶液

    NaOH 約20gを200mLの水に溶かし,BTB溶液を数滴入れる.最初のBグループが使い終わっても,廃棄しないで 500mLビーカーにとっておく.Aグループが,使用後に塩酸で中和して廃棄する.

    (6) 無水酢酸を滴下する前に油浴を予め100℃にしておく. スターラーの設定温度と油浴の温度差があるので,温度計で確認する.

    (7) 滴下が終わったらラボジャッキを上げてフラスコを油浴につける.

    使用しない器具や箱は, 実験台の下に置く.

    実験台の上は,整理整頓

  • (11) エバポレーション トルエンを十分除去するため,湯浴は60℃くらいにする. 十分除去できたサンプルは,25mL丸底フラスコに入れたとき液面が玉の中央付近にくるはず.

    1日目の実験の中断できるポイント エバポレータによる濃縮まで行ないたいが,次の日でもよい.

    (9) 抽出の際の水層には,アルミニウムが含まれているので専用のポリタンクに廃棄する.中和は,不要.

    (10) 滴下ロートを洗うときは,コックを外して洗う. その際,コックを止める「ねじ」,「Oリング」,「座板」の3つを紛失しないように.

    (8) 反応終了後に,反応物を氷に投入するときの注意 塩化水素ガスが発生するので,冷却管と滴下ロートをはずした三つ口フラスコをドラフトの外に出さない. フラスコの壁についた反応物は,少量の水を入れてやると分解して落ちる.

  • (14) 25mL丸底フラスコには,小さな撹拌子を入れて蒸留する.(突沸防止のため)

    (13) 減圧蒸留の際,油浴は室温から上げていく. 最初から温度を上げておくと,わずかに残ったトルエンにより,突沸する恐れがある.

    (17) 蒸留の際は,クライゼンアダプタの部分が冷えないようにトイレットペーパー等を巻き保温するとよい.

    (18) 本留に移るとき,本留用のフラスコに蒸留物が落ちるように蒸留アダプタを回して位置を調整するが, 減圧している状態なのでスリの部分が固くて回し難いので慎重に回す.どうしても回らない場合は, 無理をしないで減圧を一時解除して回す.

    (16) 三方コックを操作して,急いで常圧に戻さなければならない場合があるので,どのように回せばよいかを確認しておく. (ダイアフラムポンプは,2グループで共用するので、特に注意)

    (15) 減圧度を測定するときだけマノメータのコックを開き,それ以外では閉じておく.

    (12) 温度計アダプタ Oリングが無い場合があるので,一度分解して確認する.

  • この資料は,下記のページのEducational Materialsから ダウンロードできます.

    http://zzzfelis.sakura.ne.jp

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