E-Learning Section-3

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E-Learning Section-3OTC 薬の選択と情報提供に

必要な知識

株式会社葵 調 剤

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Lesson 3-1  包装、添付文書など情報の読み方

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医療用医薬品の添付文書の対象が医療関係者であるのに対して、一般用医薬品の対象はその医薬品を購入した一般使用者であることから、その記載項目と順序、記載方法は医療用添付文書に比べて大きく異なります。

OTC薬の添付文書記載項目

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Lesson 3-1  包装、添付文書など情報の読み方

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作成または改訂年月日(版数)

薬効名 添付文書の必読及び保存に関する事項販売名リスク区分製品の特長

【効能または効果】

【用法及び用量】

【成分及び分量と作用】

【保管及び取扱い上の注意】

【消費者相談窓口】【製造業者または輸入販売業者の氏名または名称及び住所】

図 3-1 一般用医薬品記載項目

してはいけないこと相談すること次の場合は直ちに使用を中止し、この文書を持って医師または薬剤師に相談すること

副作用重篤な副作用その他

服用前に医師または薬剤師に相談すること

【使用上の注意】

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ポイント①「してはいけないこと

①医薬品の名称②医薬品の有効成分の名称及びその分量③医薬品の用法及び用量④医薬品の効能又は効果⑤医薬品に係る使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項⑥その他医薬品を販売する薬剤師がその適正な使用のために必要と判断する事項

葵 調 剤

使用上の注意「してはいけないこと」は医療用医薬品の添付文書の「禁忌」に相当します。一般用医薬品の使用上の注意記載要領には次のように定められています。

Lesson 3-2  添付文書から得られる情報のポイント

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Lesson 3-2  添付文書から得られる情報のポイント

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①【服用(使用)前に医師、歯科医、薬剤師または登録販売者に相談するべき人】  ・医師または歯科医師の治療を受けている人、妊娠または妊娠していると思われる人  ・高齢者、本人またはアレルギー体質の人、薬などによりアレルギーを起こしたことがある人  ・次の症状のある人、次の診断を受けた人、次の病気にかかったことがある人 等…②ただちに服用(使用)を中止してこの文書を持って医師、歯科医、薬剤師または登録販売者に相談すべき副作用③継続または増強が見られた場合は服用(使用)を中止してこの文書を持って医師、歯科医、薬剤師または登録販売者に相談すべき症状④一定の期間または回数を服用(使用)しても症状の改善が見られない場合

使用上の注意「相談すること」には、一般使用者のみの判断で服用することが不適当と考えられる事項や副作用などが記載されています。ポイント②「相談すること」

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Lesson 3-3  医療用医薬品との相互作用

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医療用医薬品の添付文書からも情報を得るOTC薬の添付文書には医療用医薬品との相互作用までは記載されていません。医療用医薬品との相互作用については、 OTC薬の成分と医療用医薬品との相互作用の有無を医療用医薬品の添付文書から得ておく必要があります。また、先日社内報の「 AOI TIMES」で掲載した安心処方 infoboxを利用すると医療用医薬品と OTC薬の相互作用が簡単にチェックできますので活用してみて下さい。

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Lesson 3-4  既往疾患のある人への注意点

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禁忌、慎重投与の情報は、添付文書のここをチェック既往疾患のある人への注意は、禁忌と慎重投与に分類され、禁忌は添付文書の「してはいけないこと」の「次の診断を受けた人」「次の症状がある人」という項目に示されています。慎重投与は、「相談すること」の「次の人は服用前に医師や薬剤師に相談すること」中の「次の診断を受けた人」「次の病気にかかったことのある人」「次の症状がある人」の項目に注目して下さい。使用者が購入前に確認できるように外箱にも記載されています。

てんかん:ジプロフィリン(鎮咳去痰薬、鎮うん薬)、ベタネコール塩化物(胃腸薬)心臓病、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病:アスピリン・アスピリンアルミニウム・アセトアミノフェン・エテンザミド・イブプロフェン(かぜ薬、解熱鎮痛薬)甲状腺機能障害:テオフィリン、ジプロフィリン(鎮咳去痰薬、鎮うん薬)緑内障、前立腺肥大症による排尿困難:ペントキシベリンクエン酸塩(鎮咳去痰薬)、ジフェニドール塩酸塩・パパベリン塩酸塩(鎮うん薬)、抗ヒスタミン薬、副交感神経遮断薬(鎮うん薬、鼻炎用点鼻薬)、ロートエキス(外用痔疾用薬、胃腸薬)全身性エリトマトーデス、混合性結合組織病:イブプロフェン

慎重投与でも特に注意を要する場合については下記に示します。

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Lesson 3-4  既往疾患のある人への注意点

図 3-7  OTC薬販売時に注意する既往疾患

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疾患名  対応 OTC薬(含有成分による)てんかん 慎重 鎮咳去痰薬、鎮うん薬(乗り物酔い)、胃腸薬

心臓病禁忌 鼻炎用内服液(プソイドエフェドリン類含有)、眠気防止薬(カフェイン)慎重

かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鎮うん薬(乗り物酔い)鼻炎用内服薬、鼻炎用点鼻薬、アレルギー用薬、胃腸薬、止瀉薬、便秘薬、浣腸薬、内服痔疾用薬、外用痔疾用薬、婦人薬

高血圧禁忌 鼻炎用内服液慎重 かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬、鼻炎用点鼻薬、アレルギー用薬、

胃腸薬(整腸薬除く)、便秘薬、浣腸薬、内服痔疾用薬、外用痔疾用薬、婦人薬

喘息 禁忌 かぜ薬(成分によらず)、解熱鎮痛剤(成分によらず)、外用痔疾用薬(インドメタシン)

慎重 胃腸薬(ベタネコール塩化物)胃・十二指腸潰瘍 慎重 かぜ薬、解熱鎮痛剤、胃腸薬(ベタネコール塩化物)

胃潰瘍 禁忌 眠気防止薬(カフェイン)肝臓病 慎重 かぜ薬、解熱鎮痛剤、鼻炎用内服液、内服痔疾用薬、駆虫薬腎臓病 慎重 かぜ薬、解熱鎮痛剤、生薬鎮静剤、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服液、アレルギー用薬、胃

腸薬、止瀉薬、便秘薬、便秘薬、内服痔疾用薬、外用痔疾用薬、婦人薬

図 3-7  OTC薬販売時に注意する既往疾患

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Lesson 3-4  既往疾患のある人への注意点

図 3-7  OTC薬販売時に注意する既往疾患

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疾患名  対応 OTC薬(含有成分による)糖尿病

禁忌 鼻炎用内服薬(プソイドエフェドリン類含有)慎重 かぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服液、鼻炎用点鼻薬、アレルギー用薬、外用痔疾用薬

甲状腺機能障害禁忌 鼻炎用内服薬(プソイドエフェドリン類含有)、眠気防止薬(カフェイン)慎重 かぜ薬、鎮咳去痰薬、鎮うん薬 (乗り物酔い )、鼻炎用内服薬、鼻炎用点鼻薬、アレル

ギー用薬、胃腸薬、止瀉薬、外用痔疾用薬緑内障 慎重 かぜ薬、鎮咳去痰薬、鎮うん薬 (乗り物酔い )、鼻炎用内服薬、鼻炎用点鼻薬、アレル

ギー用薬、胃腸薬、内服痔疾用薬、外用痔疾用薬、眼科用薬(点眼薬)貧血 慎重 駆虫薬

著しい栄養障害 慎重 駆虫薬前立線肥大症による排

尿困難 禁忌 鼻炎用内服薬(プソイドエフェドリン類含有)透析療法を受けている

人 禁忌 アルミニウム含有製剤(胃腸薬)

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Lesson 3-5  サプリメントの基礎知識

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●OTC 医薬品の分類※2014 年 6 月 12 日施行

サプリメントとは?サプリメント( supplements)という言葉は直訳すると「補足、補充」という意味になります。アメリカでは「栄養補助食品健康教育法」(DSHEA)においてサプリメントを「ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸のいずれかを含み、通常の食事を補うことを目的とするあらゆる製品」と定義しています。日本ではサプリメントは健康食品に位置付けられています。

健康食品とは?健康食品は、広く健康維持、健康増進を目的としている食品全般を指しています。健康食品とは何かについて法律上の定義はされてはいませんが、保健機能食品(特定保健食品、栄養機能食品、機能性表示食品)は健康増進法および食品衛生法により定められています。つまり、健康食品は、保健機能食品とそれ以外の健康食品を含んでいます。

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保健機能食品食品に機能性表示が可能特定保健用食品 栄養機能食品 機能性表示

食品いわゆる健康食品 一般食品医薬品 医薬部外品

特別用途食品病者用食品妊産婦、授乳婦用粉乳乳児用調製粉乳えん下困難者用食品特定保健用食品 特定保健用食品については、特別用途食品制度と保健機能食品制度の両制度に位置づけられている

Lesson 3-5  サプリメントの基礎知識

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保険機能食品特定保健用食品(トクホ)

栄養機能食品 機能性表示食品制度 個別認定型

(食品ごとに国が安全性、有効性を審査して許可)

規格基準型(国の規格基準の範囲内にあれば自己認証)

届出型(一定要件を満たせば事業者責任で表示)

表示 構造・機能表示、疾病リスク低減表示例)おなかの調子を整えます

国が決めた栄養機能表示例)カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です

事業者の責任で構造・機能表示例)目の健康をサポート

対象成分 食物繊維(難消化デキストリン等)、オリゴ糖、茶カテキン、ビフィズス菌、各種乳酸菌など多数

ビタミン 13 種・ミネラル6 種・ n-3 系脂肪酸

ビタミン・ミネラルや成分特定できないものは除く、定量及び定性確認が可能で作用機序が明確なもの

対象食品 加工食品、サプリメント形状の食品はほとんど許可されていない

加工食品、錠剤カプセル形状食品、生鮮食品

生鮮食品、加工食品、サプリメント形状の加工食品

Lesson 3-5  サプリメントの基礎知識

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Lesson 3-6   OTC 薬とセルフメディケーション

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セルフメディケーションの定義

セルフメディケーションとは(定義)セルフメディケーションの定義は下の表に示すように世界保健機構(WHO)などが示しています。セルフメディケーション( Self-Medication)を直訳すると「自己治療」となり、病気やけがを自らの判断で治すこととなりますが、治療のみならず病気の予防を含んで 「自らの健康を自分自身で管理する」という考え方になってきています。

セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調( minor ailments)は自分で手当てすること。

WHO (World Health Organization, 世界保健機関 ), Geneva( 2000 年)セルフメディケーションとは、自分の意志で非処方箋薬を使用することである。薬剤師は、セルフメディケーションに利用可能な医薬品について支援、アドバイスおよび情報を人々に提供するのに、重要な役割を担っている。

FIP (International Pharmaceutical Federation, 国際薬剤師・薬学連合 )& WSMI( WORLD Self-MEDICATION INDUSTRY, 世界大衆薬協会 ), Berlin( 1999 年)セルフメディケーションとは、自己の健康管理のため、医薬品等を自分の意思で使用することで

ある。薬剤師は生活者に対し、医薬品等について情報を提供し、アドバイスする役割を担う。日本薬剤師会・一般用医薬品委員会(平成 15 年 8 月 29 日)

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Lesson 3-7   OTC 薬とセルフメディケーション

セルフメディケーションとサプリメントセルフメディケーションには、自己治療のみではなく自分の健康を自分自身で管理して健康を維持し病気を予防することも含まれています。そのためには、健康を乱す可能性のある生活習慣の改善が第一です。しかし、サプリメントなどの健康食品を利用する人が多いことも事実です。これらの健康食品の正しい情報を発信していくのも、薬剤師や登録販売者の重要な役割です。

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●OTC 医薬品の分類※2014 年 6 月 12 日施行

セルフメディケーションと OTC薬と薬剤師初期の自己治療に用いられるのが OTC薬です。 OTC薬は使用者が自らの判断と責任で用いるのが原則ですが、使用者は、自己治療で対応できるのか専門的な医療が必要なのかを判断しなければなりません。使用者が判断に迷った時に気軽に相談できるのが薬局や店舗販売業であり、薬剤師や登録販売者です。薬剤師や登録販売者は、 OTC薬の購入者の状態が OTC薬で治療可能な範囲なのかを判断し、必要に応じて専門的な医療の受診を勧めることも必要となります。そのためには、 OTC薬のみならず疾病の初期症状の知識が必要です。