Design-centric Engineering Program(dCEP) · Design-centric Engineering Program(dCEP)について....

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Design-centric Engineering Program(dCEP) 大学院オリエンテーション資料 (目次) Design-centric Engineering Program(dCEP)について ・・・1 Design-centric Engineering Program(dCEP)の履修申請について ・・・3 ・履修申請書(様式) ・・・5 ・セッション概要 材料デザインによる医療用インプラントの革新-人工関節を中心として- ・・・7 和楽庵サイバーハウス化プロジェクト ・・・9 クリーンエネルギーシェアリング・スマートシティ・プロジェクト・・・11 Food Shaping the Future ・・・15 計算機シミュレーションに基づく表面の分子デザイン-歯科用材料への応用 を目指して- ・・・17 マテリアル・インフォマティクスをベースとする新素材イノベーションの 創出 ・・・19 ME310/SUGAR 2020-2021 ・・・21

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Design-centric Engineering Program(dCEP)

大学院オリエンテーション資料

(目次)

・Design-centric Engineering Program(dCEP)について ・・・1

・Design-centric Engineering Program(dCEP)の履修申請について ・・・3

・履修申請書(様式) ・・・5

・セッション概要

材料デザインによる医療用インプラントの革新-人工関節を中心として-

・・・7

和楽庵サイバーハウス化プロジェクト ・・・9

クリーンエネルギーシェアリング・スマートシティ・プロジェクト・・・11

Food Shaping the Future ・・・15

計算機シミュレーションに基づく表面の分子デザイン-歯科用材料への応用

を目指して- ・・・17

マテリアル・インフォマティクスをベースとする新素材イノベーションの

創出 ・・・19

ME310/SUGAR 2020-2021 ・・・21

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Design-centric Engineering Program(dCEP)について

1.「dCEP」の意義

我が国は持続可能社会実現に向けた様々な課題に直面しており、エネルギーと資源を循環させ、自然と

共生する社会システムの実現や少子高齢化が進む地方の創生が求められています。また、産業のデジタル

化とサービス化の流れは単品をデザインして売って終わりの時代から、スマートウォッチの様に生体情

報を取得し、その情報をネットワークで送り、人工知能で解析して健康寿命を延ばすサービスの時代へ誘

おうとしています。特に、情報通信技術(ICT)と無縁であった分野にも ICTと融合した人工知能が遍在

し、上記社会的課題に応える先端社会システム実現だけでなく、産業のシステム化と自律最適化による飛

躍的な生産性向上が期待され、少子高齢化社会における産業力強化の礎になろうとしています。

こうした社会状況変化に直面し、従前の細分化された工学の学問体系の中で専門分野を掘り下げるア

プローチでなく、専門分野間の垣根と元素・材料からシステム・サービスに至る各技術階層間の垣根を超

えたユニークなアプローチによる社会的課題解決や高付加価値サービス提供が益々重要になってきてい

ます。日本社会や産業界は 2050 年を見据えて、こうしたアプローチによる非連続で飛躍的なイノベーシ

ョンの源泉となる「知」の創造を若者に強く求めています。

本学はこうした社会的要請に応えるため、大学院生が主専攻とする専門分野の体系的知識に加え、デザ

インとテクノロジーの融合で多様な社会的価値を創造するための基礎理論と実践的スキルを修得するた

め、副専攻的な位置付けとなる「デザインセントリックエンジニアリングプログラム=Design-centric

Engineering Program(dCEP)」を令和元年度より開始しました。dCEPはデザイン方法論科目群とデザイ

ン実践科目群で構成されています。デザイン方法論科目群では博士前期課程においてはデザインリサー

チ論とプロトタイピング論が、博士後期課程ではリーガルデザイン論とビジネスデザイン論が提供され

ます。デザイン実践科目群の中核が「dCEPセッション」です。

2.「dCEPセッション」の内容と狙い

「dCEP セッション」は本学や企業で生まれた革新技術を対象にして、技術の階層を超えたり(元素、

材料、素子、回路、装置からシステムに至る各技術階層間の垣根を超える)、異分野間の垣根を越えたア

プローチ(設計論や方法論)を適用し、対象技術が社会実装された時に、桁違いの価値を提供する方法論

(或いは、提供価値を最大化する方法論)を実践的に明らかにする場です。dCEP コースの学生にとって

は研究対象とする革新的要素技術を社会実装に導く方法と課題抽出を学ぶ実習の場であり、細分化され

た知識を構造化・体系化して、社会的課題を解決する方法を実践的に学ぶ「修練」の場となります。参加

企業にとっては、持ち込んだ革新技術に超階層設計論や異分野融合設計論を適用し、イノベーションに導

く方法論を明らかにする「創発」の場となります。

従って、セッションを構成するメンバーは、分野の異なる複数の専門家(分野横断的であり、異質なア

プローチや異なる経験知をもつメンバーの参加が必要)、社会的課題や真のニーズを提示するクライアン

トとしての企業・行政であり、実践的な発想力・俯瞰力をもつデザイナーや研究者(セッション責任者と

なる教員)がファシリテーターとなりセッションをリードします。セッションは学生が研究対象とする革

新的要素技術の社会的価値や経済的価値を見極めるために社会ニーズのリサーチから始まり、4クォー

ターを1サイクルとして実施されます。リサーチの後には、本学の革新技術に超階層設計論や異分野融合

設計論を適用し、対象技術が社会実装された時に、桁違いの価値を提供する方法論と社会実装のプロセス

を明らかにする活動が進んでいきます。

dCEP コース学生はコースの終了認定として、単位取得に加え、前期課程修了時点において、修士論文

研究テーマで取り組む技術に関する社会的課題解決志向の研究開発計画書を立案、博士後期課程修了時

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点において、博士論文研究テーマで取り組んでいる技術に関する社会実装に向けた実用化計画書もしく

は事業化計画書を立案して、セッションメンバーの評価と合否判定を受けます。評価のポイントは各計画

を実施するのに必要なリソースを確保できる計画書になっているか否かです。セッション活動を通して、

dCEPコース学生にリソースを確保できる計画書を立案する力を付与します。

3.dCEPの概要

◆対象学生

博士前後期課程学生(5年一貫)

◆履修方法

・履修申請のタイミング:M1及びD1の春学期

※原則として、コースへのM2、D2、D3からの途中参加は認めない。

・履修申請~許可:

①大学院オリエンテーションで dCEPのコース概要資料を配付し、コース履修学生を募る。

②コース履修を希望する学生は、複数のセッションから1つのセッションを選択し履修申請を行う。

③デザイン主導未来工学センターが設置する選考委員会で、申請学生のセッション参加への適格性等を審

査し、学生に履修の可否を通知する。

④セッションの履修が可と認められた学生は、dCEP セッション及び、dCEP 関連講義科目の履修登録手続

きを行うことにより、dCEPコース生として取り扱われる。

⑤博士後期課程の学生は授業料免除となる。※ただし、dCEP 履修学生であることが条件となる(途中離

脱、成績不良、退学 等)。

◆dCEPセッション開講スケジュール

・クオーター制により進行

・セッションの実施期間は1年単位(4クオーター)とし、単位は8単位とする。開始時期がどのクオータ

ーになるかは、各セッションによって異なる。

◆講義科目

博士前期課程 博士後期課程

デザインリサーチ論 第2クォーター(2単位) ビジネスデザイン論 秋学期(2単位)

プロトタイピング論 秋学期(2単位) リーガルデザイン論 第3クォーター(2単位)

◆成績関係

・セッションの成績発表(単位取得の可否)はセッション終了後となり、プロジェクトが学期を跨ぐことに

なる場合は、年度の終わりに成績を発表する。

◆コース修了要件

・各所属専攻で大学院博士前期課程および大学院博士後期課程の修了要件を満たすこと。

・博士前・後期課程で dCEP 科目の全24単位を取得すること。

・前期課程修了時点において、修士論文研究テーマで取り組む技術に関する社会的課題解決志向の研究開発

計画書を立案、博士後期課程修了時点において、博士論文研究テーマで取り組んでいる技術に関する社会

実装に向けた実用化計画書もしくは事業化計画書を立案して、セッションメンバーの評価と合否判定を受

けること。

※なお、博士前期課程におけるプログラム履修の実績が無い場合においても、審査により博士前期課程の業

績が認められれば博士後期課程からのプログラムの履修が可能となり、博士後期課程において12単位を

修得すれば、プログラムの修了認定を受けることが可能です。

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デザインセントリックエンジニアリングプログラムの履修申請について

1.申請方法

○デザインセントリックエンジニアリングプログラム(dCEP)の履修を希望する学生は、履修申請を行

う必要があります。

○申請にあたっては、別添「デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要」を

確認し、必ずセッション担当教員との事前面談(事前マッチング)を行い、履修申請書に確認印(若

しくはサイン)を得た上で、セッション毎に課された課題とともに、履修申請書を提出してください。

○複数のセッションに併願申請することはできません。

○本プログラムは5年一貫の教育プログラムであるため、原則として教育課程の途中年次(博士前期課

程の2年次、博士後期課程の2年次、3年次)での履修参加を認めません。

■《履修申請期限》4月24日(金)17:00■

※事前面談は4月13日(月)から開始します。

■履修申請書提出窓口:学務課大学院教務係(センターホール1階)■

2.選考及び履修可否の発表

dCEPの履修可否は、選考を経て決定します。

○1次選考

履修申請時に提出した課題等による書類選考を実施します。また、必要に応じて、面談を実施するこ

とがあります。

〈博士前期課程〉博士前期課程の学生は1次選考の結果により履修の可否が決定します。

〈博士後期課程〉博士後期課程の学生は1次選考通過後に2次選考を実施します。

結果通知:5月11日(月)学生情報ポータル(学務課ホームページ>授業関連連絡)で通知

https://www.gakumu.kit.ac.jp/ead/ead_portal/

○2次選考(博士後期課程対象)

教員による面接審査を実施します。面接審査日時等の詳細は1次選考結果発表時にお知らせします。

結果通知:5月25日(月)学生情報ポータル(学務課ホームページ>授業関連連絡)で通知

https://www.gakumu.kit.ac.jp/ead/ead_portal/

3.履修登録

dCEPセッション(M)Ⅰ~Ⅳ及び dCEP セッション(D)Ⅰ~Ⅳは、選考結果に基づき、学務課で履修登録

を行いますので履修登録する必要はありません。

なお、履修可となった学生は、秋学期以降、以下の講義科目の履修登録を行ってください。(デザイ

ンリサーチ論の未登録者は学務課より別途連絡します。)

博士前期課程 博士後期課程

デザインリサーチ論 第2クォーター ビジネスデザイン論 秋学期

プロトタイピング論 秋学期 リーガルデザイン論 第3クォーター

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4.博士後期課程学生に対する授業料免除

2次選考を経て履修可となった博士後期課程学生は、1年次春学期から3年次秋学期までの授業料の

全額が免除となります。ただし、プログラムの履修状況により、履修の継続が不可能と判断された場合、

dCEP の履修資格を失う場合があります。その場合、資格消失が確定した学期の翌学期からの在学期間に

係る授業料の支払いが発生します。

なお、休学期間は空白期間として、休学期間と同期間の授業料免除期間の延長が認められます。

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム履修申請書

所属専攻

学籍番号

氏名

希望セッション

※複数セッション併願不可

志望動機

担当教員確認

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 材料デザインによる医療用インプラントの革新-人工関節を中心として-

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

※ただし,所属分野での研究内容等,適性について面談により確認する.

セッション実施期間 2020年 6月~2021年 5月(毎週 1日 8時間を予定)

担当教員

所属・職・氏名:材料化学系・教授・PEZZOTTI Giuseppe(責任者)

所属・職・氏名:機械工学系・教授・森田辰郎(実務責任者)

所属・職・氏名:機械工学系・教授・高木知弘

所属・職・氏名:材料化学系・准教授・朱 文亮

所属・職・氏名:分子化学系・准教授・足立 馨

所属・職・氏名:機械工学系・准教授・山口桂司

所属・職・氏名:材料化学系・助教・MARIN Elia

所属・職・氏名:機械工学系・助教・武末翔吾

連携機関等

大阪大学

東京医科大学

三重大学

日産厚生会玉川病院

セッション概要

【概 要】 このセッションは,2019年度より医療用インプラント,特に人工股

関節の費用対効果を飛躍的に高めることを目的として実施されています.対象と

する医療用材料は,新に開発されたセラミックス基複合材料や積層造形技術(三

次元プリンタ)により成形した複雑セル構造を有するチタン合金などです.特に,

人工関節のしゅう動部表面にダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)薄膜や緻密

な制御の下で構造化した高分子薄膜などを創製することにより,顕著な耐摩耗性

等の耐久性改善を目指しています.

【昨年度の実施状況】 2019 年度から参加した大学院生は,KIT Summer School

2019 on Raman Spectroscopy in Biomaterials and Food Science に加わり,諸

外国の学生と専門講義を受けるとともに課題の解決に取り組みました.また,本

図 1 人工膝関節に関する説明図

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学教員による講義ではラマン分光法について詳細な説明を受けるとともに,セラ

ミックス材料や積層造形技術により成形した金属材料の各種特性,加工方法,あ

るいは被覆処理によるしゅう動特性の改善方法について学びました.さらに,4名

の医療系外部専門家からインプラントの現状に係る説明,その設計方法,被術者

の体形に基づく適切なインプラントの選定および外科手術の方法,さらには術後

の感染症対策などの多岐にわたる事項について講義を受けました.以上の専門知

識の習得と平行して,参加した大学院生は本学教員あるいは外部専門家との積極

的な討論を通じ,優れたインプラントの実用化に向けて具体的な提案を行いまし

た.

【本年度の取組み】 上記のプログラムは,具体的かつ学際的な課題に対して大

学院生がチームとして取り組むものであり,実施した教員側から見ても想像以上

に優れた教育効果があると判断されました.そのため,2020 年度には引き続き,

新たに大学院生となった学生に対し,人工膝・肘関節に焦点を当ててセッション

を行います.特に注目するのは,人工関節しゅう動部の摩擦摩耗特性,力学特性

および疲労特性であり,メカニカルデザインという視点から各種特性の改善へ向

けた取り組みを行います.

具体的には,昨年度と同様,本学関係教員から多分野にわたる専門知識を学び,

また医療系外部専門家から人工膝・肘関節に係る現状について講義を受けます.

さらに,上記の医療系外部専門家が所属する大規模病院など,実際の手術現場を

訪問し,実感を持って課題に取り組むことを予定しています(肌で感じないとわ

からないことが多いので).

以上の専門知識の習得と平行し,大学院生チームは関係教員あるいは外部専門

家との討論を通じてインプラントの改善へ向けた提案を行います.特に,摩擦摩

耗特性や疲労特性等に係る検討では,実際に装置を作製して実験を行うとともに,

接触問題に係る力学解析を実施する予定です.

新たに 2020 年度からセッションを開始するチームは,2019 年度に先行してセ

ッションを開始したチームと連携し,材料デザインという視点からも併せて検討

を行います.さらに,2020年度に別途立ち上げ予定のセッション「計算機シミュ

レーションに基づく表面の分子デザイン」チームとも連携し,本学における一層

の医工研究の範囲拡大を目指します.

以上により,本学内での他分野間あるいは本学と他の関連組織(他国の組織を

含む)との密な連携下で真に成果を挙げうる卓越した大学院教育システムを実現

しようと試みます.参加する学生からすれば,各専攻の所属研究室から問題解決

のために派遣され,専門分野を横断するタスクフォースで活動する感覚です.時

間的には大変ですが,他では得がたい経験を積むことができます.

その他

参加を希望する学生は機械工学系森田([email protected])まで連絡し,事前に

面接を受けてください.

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 和楽庵サイバーハウス化プロジェクト

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

セッション実施期間 2020年 4月〜2021年 1月

担当教員

(責任者):デザイン・建築学系・教授・岡田栄造

情報工学・人間科学系・教授・岡夏樹

繊維学系・教授・奥林里子

情報工学・人間科学系・助教・田中一晶

デザイン・建築学系・教授・清水重敦

デザイン・建築学系・教授・満田衛資

電気電子工学系・教授・大柴小枝子

電気電子工学系・准教授・高橋和生

情報工学・人間科学系・教授・渋谷雄

繊維学系・教授・鋤柄佐千子

デザイン・建築学系・准教授・角田暁治

デザイン・建築学系・助教・中山利恵

連携機関等 渡辺社寺建築有限会社、TIS株式会社、株式会社槌屋

セッション概要

歴史的建築物である旧和楽庵洋館を松ヶ崎キャンパスに建設するにあたり、情

報工学、先端ファイブロ科学、建築学、デザイン学、電子システム工学の学生が

参画し、各分野の研究成果を実装した実験施設として再生します。この演習を通

し、異分野の専門家と協働し、様々な技術が融合した持続可能な建築を実装する

ことのできる人材の育成を目指します。

前年度は、和楽庵を「生きた建築」として再生するためのシナリオとそれを実

現するための技術のリサーチ、システムのデザイン、実装に向けたプロトタイピ

ングを行いました。令和 2 年度には、建築の完成に向け、システムの実施設計と

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制作、設置と検証を行います。また、完成後の和楽庵を活用して行う研究の計画

を立てます。

令和 2 年度から新たに参加する学生は、前年度の成果を踏まえ、完成後の和楽

庵の新たな活用シナリオを構想し、その実現に向けた取り組みを行います。

本演習は、第 1〜4クオーターを通して行われます。第 1クオーターでは、和楽庵

の活用シナリオとその実現のためのシステムの検討を行います。第 2 クオーター

では、第 1 クオーターで設定した要件をもとにシステムの基本設計を行います。

第 3、4クオーターでは実施設計を行います。

履修申請課題 卒業論文、修士論文等の概要もしくはポートフォリオ(作品集)を提出すること。

担当教員事前相談方法

参加を希望する学生は専攻分野の担当教員に連絡を取って事前に面談を受けるこ

と。

<建築学> 清水重敦 [email protected]

<デザイン学> 岡田栄造 [email protected]

<先端ファイブロ科学> 奥林里子 [email protected]

<情報工学> 田中一晶 [email protected]

<電子システム工学> 高橋和生 [email protected]

その他

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 クリーンエネルギーシェアリング・スマートシティ・プロジェクト

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

セッション

実施期間

2020年 4月~7月末(前期)及び 10月~1月末(後期)、但し、夏季休暇時にセミナー、

企業見学あり。

担当教員

<本学教員> ◆電気電子工学系 門 勇一、黄 品諭

◆デザイン・建築学系 岡田栄造、中山利恵

<企業からの実務家教員>加藤 康之、今井 尊史、川本 康貴、村 文夫

連携機関等 古河電工、日立製作所、竹中工務店、アイケイエス、サイバーラボ

セッション

概要

本セッションでの「人材養成のポイント」

「世の中の流れを読む力」

一つ目の柱として挙げるのは、世の中の流れを読む大切さ。社会の中⾧期な変化をつ

かむことが必要です。先ず、大きな社会のニー ズとしては、地球温暖化や少子高齢化、

海洋汚染、低い労働生産性といった課題の解決が求められています。一方技術面では、

人工知能や IoT、5G などが注目されています。これからはモノづくりだけをやってい

ても意味がない。腕時計もそうです。単品をデザインして売って終わりの時代は終了。

スマートウォッチの様に、生体情報を取得し、その情報をネットワークで送り、人工知

能で解析して『あなたの健康寿命を 10 年延ばします』というサービスが始まります。

所謂、「産業のデジタル化、或いはサービス化」です。製品を介してどの様にデータを

集め、解析し、価値を生み出すか。そこをデザインしていかないといけません 産業の

変化や社会ニーズの中長期的変化を学びます。

「桁違いの価値創造」

二つ目の柱は、マインドの持ち方。キーとなるのは『桁違い』という言葉。具体例を

挙げて説明しましょう。日本国内の橋や道路の補修に必要なコストは 100 兆円を越え

るとされています。日本の 1 年の予算規模がちょうど 100兆円ほど。つまり、予算を

すべて使わないと実現できない。でも、これがもし 10 兆円でできたら問題は解決でき

ます。まさに『桁違い』。そうした飛躍的なアイデアが求められています。他には、地域

における、お年寄りの移動手段という課題もあります。タクシーを使うにしても、初乗

り料金区間の往復だとして、1000 円くらいかかるので、毎回そんなにお金は出せない。

そこで、運賃を一桁下げられる移動システムを構想する。安いものは誰もが利用するの

で、情報がたくさん集まる。そこから新たな価値を生み出すに構造を作れば、低料金で

システムを運用できる可能性があります。若い皆さんは もっと多様な価値観を持って

いるはず。そこから『桁違い』の価値を生み出してくれることを期待しています。

「リソースを呼び込む計画書の型」

最後は「型」の話。「良いアイデアが思いついたら、学生なら論文、企業の人なら事業

計画書を書きます。しかし、書いただけでは社会実装につながりません。夢を実現する

には、人やお金といったリソースを呼び込む書き方が必要です。この大学のある 『京

都』ですが、皆さんはどのような場所だと思いますか。京都は『ほんまもん』を追求す

る街なんです。茶道、書道、華道、芸道。それらに共通するのは『型』があることです。

型から入った方が、その道の本質に早く近付けるのではないかと考えています。夢を実

現するため、リソースを呼び込む研究計画書や事業計画書の『型』について実践的な方

法論があります。先ずは、世の中のどんなニーズに応えるのかをクリアにする。次に、

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どんなユニークなアプローチでそのニーズに応えるのか、また、そのアプローチのメリ

ットを明らかにする。最後に、他者のアプローチと比べた際のポ ジション、強みや弱

みを示す。新たな価値創造とも言えるリソースを呼び込む計画書を書くには、“Social

needs” “Approach” “Merit” “Positioning”、これら4つの視点、“SAMP”を明

確にすることが重要です。皆さん、ソーシャルメリットを常に意識してください。計画

書を書いて、リソースを集めて、社会実装につなげてほしいと思います。

本セッション概要

クリーンエネルギーシェアリングの革新

-直流電力ルーティング技術をコアに産学連携で電気自動車活用社会実現-

本セッションは 2015 年国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals

(持続可能な開発目標)」の 1つ、Goal 7—Ensure Access to Affordable, Reliable,

Sustainable and Modern Energy for All (目標7-エネルギーをみんなに、そして

クリーンに! すべての人々に手頃で、信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへ

のアクセスを確保する)実現に貢献する人材育成を目指します。

都市の規模を問わず、日々の生活にはエネルギーの流通、情報の流通、モビリティ(人

とモノの移動)は必須機能と言われています。電気自動車は自動運転技術の導入も進み、

モビリティを担う重要な要素となりますが、この三つの必須機能を統合的にシステムデ

ザインし、その中でキーとなるコンポーネンツを括りだし、世界に先駆けた研究開発や

ユニークなサービス創出が大切です。

こうした世界の状況を認識した上で、世界で社会インフラ構築事業を行っているグロ

ーバル電気メーカ、将来のビルの在り方を模索している大手ゼネコン、蓄電池メーカ、

パワーエレクトロニクスメーカ等の企業チームと一緒に以下の課題例を中心に取り組

みます。先ずは以下の「知識」と「スキル」の習得を目指します。

● 社会的課題解決型の研究開発計画の書き方の基本(SAMP法)

● 研究開発成果が社会実装された時のインパクト(価値)を最大にする手法(価値創

造の指導原理を知る)

● 革新技術を社会実装するための知識、能力、スキルを身につけるカリキュラムを自

分で作成する力(自ら学ぶべきプログラムを作成する)

●英語のキーワードでインターネット検索して世界動向を知る力

●コンポーネンツ主導とアーキテクチャ主導のイノベーション例を知る

●各省庁の白書を活用して国内動向調査をする力

●現実はどうなっているのか?現場で、五感を使って把握する力

●現場観察から対象を抽象化して定量的にモデル化する力

●国際的な共同研究開発を議論する場(グローバル世界でのオープンイノベーション

を仕切る力)で主導権を握る力

●研究開発に必要なリソース(人、モノ、金)を集めるための勝つプレゼンテーショ

ンのスキル

本セッションでは電力ルータの動作基礎理論習得と基本特性を実験で理解すること

も重要です。基礎理論習得に向けた演習問題と選任教員や大学院生による講義が含ま

れます。

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履修申請課題

履修申請課題として、本セッションへの参加を希望する理由、本セッションで学びたい

事、将来就きたい職業を書いて、下記の担当教員に提出ください。

担当教員

事前相談方法

参加を希望する学生は、電気電子工学系・門 勇一・教授に連絡を取って事前に面談を

受けること。

電子メールアドレス:[email protected]

その他

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 Food Shaping the Future

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

セッション実施期間 2020年 4月〜2021年 2月

担当教員 (責任者):KYOTO Design Lab特任教授 水野大二郎

デザイン・建築学系教授 岡田栄造

情報工学・人間科学系准教授 西崎友規子

連携機関等 大阪ガス エネルギー技術研究所(予定)

セッション概要

本セッションは、フードテックと呼称される新たな情報技術や食品加工技術、

とくにフード3D プリンタを用いた未来の食体験を包括的なデザインと捉えた研

究開発を行うセッションです。

食に関する研究は、我が国では日本調理科学会や日本機械学会、日本食品機械

研究会など多数の領域において散見されますが、近年 International Journal of

Food Designや European Academy of Design Conference など、デザイン学の文

脈においても見られるようになっています。そこで本セッションでは人間・機

械・食品・サービスなど、可視・可食・可触可能なモノと不可視のサービスの複

合的要因をデザインの対象とし、定性的・定量的研究手法に加えアクションリサ

ーチを前提とした実践的なデザイン研究を行うものです。

第一、第二クォーターでは、既往研究や調査事例、データ分析を行い、デザイ

ン学における研究手法や理論を整理し、未来志向型デザイン研究の理解を深めま

す。

また、フード3D プリンタを実際に利活用するための 3D データ作成や、出力す

るための食品とその成分などについても実践的に検証していきます。

第三、第四クォーターでは、フード3D プリンタの利活用を前提としたサービス

デザインの策定と試作を行い、昆虫食などのサステナブルな材料の利用などにつ

いても検討していきます。

本セッションは論文投稿や書籍化、コンテストへの出品を念頭に行い、学術的

成果を広く社会に還元していくことを最終的な目標としています。フードテック

に興味のある、意欲ある学生の参加を期待しています。

履修申請課題

卒業論文、修士論文の概要もしくは作品集を pdfにて提出してください。

担当教員事前相談方法

参加希望学生は以下の担当教員に連絡をください。面接をいたします。

水野大二郎 [email protected]

その他

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 計算機シミュレーションに基づく表面の分子デザイン

-歯科用材料への応用を目指して-

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

*事前の面談により適性を判断します

セッション実施期間 2020年度の第 3クォーターから 2021 年度の第 2クォーターまで

担当教員 水口 朋子、Giuseppe Pezzotti、亀井 加恵子、藤原 進、森田 辰郎、吉田 裕美

連携機関等 カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ヴェネツィア大学

東京薬科大学、兵庫県立大学、大阪歯科大学、京都府立医科大学

セッション概要

本セッションでは、シミュレーション技術と実験技術との融合により、歯

科用材料が抱える問題を解決するための、画期的なアイデアを生み出すこと

を目的とします。口腔内は、大きな温度変化や pH変化、多種類のイオンや

細菌の存在など、材料にとっては極めて厳しい環境になっています。そのた

め、理想的な歯科用材料は存在せず、様々な欠点を抱えたまま臨床応用され

ているのが現状です。臨床応用の前に性能や副作用をできるだけ正確に予測

することは、患者の予後やクオリティ・オブ・ライフの向上にとって非常に

重要になってきます。本セッションでは、計算機シミュレーションによる材

料デザインと、実験による性能調査を組み合わせて、人体への影響が少ない

材料開発に向けた、革新的な改善案を提供することを目指します。

各授業では、本学教員および連携機関の専門家による講義を受けて、基礎

的な理論や技術を習得してもらいます。受け身の講義ではなく、実習等を通

じて積極的に授業に参加することを求めます。また、歯学部より専門家を招

いて、実際の歯科用材料の現状に関する講演を実施します。その中から問題

点を抽出し、学んだ知識や技術を使って解決できないか、自ら考え出しても

らいます。専門家も含めたディスカッションを通して、アイデアをブラッシ

ュアップしていきます。その過程を通して、問題解決能力を養います。さら

に、異なる分野の専門家との交流により、様々な視点からの物の見方とコミ

ュニケーション能力を養い、学際的な研究を進められる人材を育成します。

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履修申請課題 卒業論文または修士論文の概要を提出すること

担当教員事前相談方法

参加を希望する学生は、材料化学系・水口 朋子・准教授に連絡を取って、事前に

面談を受けること。

メールアドレス:[email protected]

その他

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 マテリアル・インフォマティクスをベースとする新素材イノベーションの創出

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

セッション実施期間 2Qから開始し、翌年度の1Qまで

担当教員

(責任者):分子化学系、新素材イノベーションラボ・教授・中 建介

材料化学系・教授・湯村尚史 新素材イノベーションラボ・特任教授・松川公洋

分子化学系・准教授・井本裕顕

機械系・教授・高木知弘

基盤科学系・数学関連教員

情報工学・人間科学系・関連教員

連携機関等 関東電化工業株式会社、JNC石油化学株式会社、積水化学工業株式会社、昭和電

工株式会社

セッション概要

【背景】我が国の国際的な競争力の根源は、素材産業の研究・開発・生産技術・量

産技術・量産効率化といった一連の総合力の優位性によるものである。しかしなが

ら、素材産業では、他の産業と比較して量産化に至るまでに必要な年数や資金量が

多くかかるという傾向があり、自動車産業を例にとると世界的な EV 化の流れの中

で、それに最適な軽量・高強度・低摩擦の両立など、既存の材料では達成不可能な

物性間のトレードオフを解消した革新的素材創出を実現する革新的材料設計戦略

にどのように対応していくかなど我が国の基幹産業の成長にかかわる重要な課題

が生じている。現状の材料作製では、研究者の経験と勘に基づいた絨毯爆撃的な試

行錯誤が繰り返されており、従来の設計方法では、膨大な実験量を必要とするため、

所望の機能を発現するためには多く時間とコストがかかることが欠点となる。

計算機を利用した膨大な情報を統合・整理し、必要な情報を取出すことが、自然

科学・社会科学の多様な分野で活用されている。自然科学への応用の代表例がバイ

オインフォマティクスと呼ばれる生命科学と情報科学との融合領域である。これを

材料化学へ応用する学術領域をマテリアル・インフォマティクスと呼んでいる。情

報科学を材料科学に応用するマテリアル・インフォマティックスは、材料科学の膨

大なデータベースを基に情報科学のデータマイニングを利用することにより、望み

の物性をもつ材料パラメータの最適化を行うものであり、材料創製における時間と

コストの大幅な軽減および効率化が図られ、環境低負荷型の材料創製システムの構

築が期待される。

【本手法の特徴と現状】

1.研究者の経験と勘に基づいて行われていた従来の材料設計とは異なり、材料の機能

や性能などのデータベースに基づいて材料設計を予測することにより、プロセスの簡

便化を図ることができる。

2.その結果、最適な材料設計へのアプローチの短縮が図られ、エネルギーおよびコスト

面での産業・社会への恩恵が多大であることが期待される。

3.現在は、多様な元素の組み合わせで構成される無機材料への応用が先行している

が、高分子材料や有機無機ハイブリッド材料への適用可能性も模索され始めている。

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4.これら材料に関する構造や特性など様々な情報をどのようにデータベースとして集約

し、それらをどのように整理して、材料探索に利用できるかは模索段階である。

【本プロジェクトの実施内容および目的】

1.マテリアル・インフォマティクスに関する研究を行なっている学外の講師を招聘し、学術

講演会によってその考え方を知る。

2.本プロジェクトに参加する学生自身が行っている研究に関してその課題と目標を明ら

かにし、マテリアル・インフォマティクスの手法の利用の可能性について、関連教員を

交えたブレインストーミングを行う。

3.数学との交流・連携によって複数の可能性あるパラメーターと求める性能 X の相関デ

ータから数学モデリングを行う。

4.機械学習によってデータベースよりデータを取得し、データマイニングによってデータ

駆動科学の実践を行う。

5.新素材イノベーションラボに協力する分析メーカーと連携し、材料の構造や特性など

様々な情報を取得し、データベース化するプロトタイプを学生とともに考える。

6.興味をもつ企業を加えたコンソーシアムを構築し、そのなかで集中した議論を行う。

7.これらの活動と教員間の共同研究を基礎にして、学生の参加ならびに産学が連携し

た形でのマテリアル・インフォマティクスを推進し、既存材料では達成不可能な社会シ

ーズ貢献を目指す新素材イノベーションの創出につなげていく。

履修申請課題 卒業論文、修士論文の概要、もしくは執筆した投稿論文などを提出すること。

担当教員事前相談方法

参加を希望する学生は分子化学系:中 建介教授に連絡を取って事前に面接を受け

ること。

電子メールアドレス:[email protected]

その他

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デザインセントリックエンジニアリングプログラム セッション概要

セッション名 ME310/SUGAR 2020-2021

対象学生 博士前期課程 / 博士後期課程

セッション実施期間 2020年 10月〜2021年 7月

担当教員

(責任者):デザイン・建築学系、准教授、Sushi Suzuki

デザイン・建築学系、准教授、LI ANDREW I KANG

デザイン・建築学系、助教、多田羅景太

連携機関等 未定

セッション概要

ME310/SUGAR ではスタンフォード大学を中心とする産学連携プログラムへの参

加を通じ、協力企業から提供されるプロジェクトテーマに対する一連のデザイン

活動を「デザイン思考」のプロセスを踏まえながら実行します。本学学生チーム

と海外大学の学生チームが協調あるいは競合しながら実装を前提としたプロトタ

イプの製作まで行うことにより、創造的問題解決能力および英語によるコミュニ

ケーションスキルを身に着けることが期待されます。

なお本演習は海外大学のアカデミックカレンダーに合わせて実施するため、第

3クォーターにスタートし、翌年度の第2クォーターをもって終了します。6月

上旬にはスタンフォード大学(または近郊の会場)で開催される最終プレゼンテ

ーションイベント EXPEに参加し、1年間のプロジェクト成果を世界に向けて発信

する予定です。

10月:グローバルキックオフイベント in京都(ペーパーバイクレース、WS等)

11月:秋季プロジェクト期間

12月上旬:秋季プレゼンテーション

12月中旬~3月上旬:冬季プロジェクト期間

3月中旬:冬季プレゼンテーション

4月上旬~5月下旬:春季プロジェクト期間

6月上旬:最終プレゼンテーション(スタンフォード大学内または近郊会場)

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履修申請課題

・専用応募フォームによる情報の提供。

・選考過程において英語によるコミュニケーション能力を確認します。

担当教員事前相談方法

参加を希望する学生は以下のいずれかの担当教員に連絡を取って事前に面談を受

けること。

Sushi Suzuki:[email protected]

LI ANDREW I KANG:[email protected]

多田羅 景太:[email protected]

その他

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