【ひらブラ★アカデミア】CRIの現職デザイナーが教える...

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αムービーのきれいな抜き方 【ひらブラ★アカデミア】 CRIの現職デザイナーが教える アルファムービー作成講座 2014/06/13 CRI・ミドルウェア リードデザイナー 櫛部 千尋

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αムービーのきれいな抜き方

【ひらブラ★アカデミア】 CRIの現職デザイナーが教える アルファムービー作成講座

2014/06/13 CRI・ミドルウェア リードデザイナー

櫛部 千尋

当セミナーについて

・αの抜き方がわからない、きれいに抜けないという お問い合わせが多い →AfterEffectsによる問題解決 →エフェクト作成の手法 →弊社CRI Sofdec2のαムービー、αプラスのご紹介

αムービーについて ・αムービーの使用事例のご紹介 (Unite Japan セッションより)

CRI Sofdec2 開発&サポート担当 漆畑 裕介

内容 前半 ・弊社デモムービーの制作事例 ・AfterEffectsにおける、抜けない原因と対処方法 後半 ・プラグインを使用した制作実例 ・ CRI Sofdec2 αムービー、αプラス ・質疑応答

エフェクト作成の違い

・映画などのコンポジットとの違い →背景が存在 →合成方法に制約はない ・3Dなどのエフェクトとの違い →ポリゴンに対し透過画像/連番画像 →プログラマによる実装

ゲームを彩る演出として ・演出 コンテンツのリッチ化・アプリの差別化 →印象に残る演出が必要 ・αムービーを使用すると… →映画のような映像効果を リアルタイムに合成できる →コンテンツのリッチ化が簡単に!

CRIのミドルウェア

・『CRI Sofdec2』αムービー、αプラス 肥大化するエフェクトデータをひとまとめに →データ量と工数の削減が可能 豪華な演出をシームレスに追加 →コンテンツのリッチ化が容易

αの作成 ・綺麗に抜いた素材で綺麗に抜く

CRIのαムービーデモ ・CRI作成のαムービーデモ用のアフターエフェクト プロジェクトデータ ・基本的には外部のプラグインなどを使わず、 AEのデフォルト機能のみで作成。

背景(3DCG映像) →3DCGツールでレンダリング後、動画素材とコンポジット →AfterEffectsのタイムライン上でフェードイン/アウト。 特殊な作り方はしていない。 →背景に稲妻エフェクト。

ドラゴン(3DCG映像) →正しく抜けている素材を利用 3DCGツールからαチャンネル付TGAファイルにて出力。 →アンチエリアス部分が背景色に影響される。 アンチエイリアスが黒に溶け込むため、ふちに黒が残る。 →今回はアウトラインにエフェクトを入れるので問題ない

魔法陣(2D映像) →PSDデータの正しく抜けている素材を利用 Adobe Illustrator、Photoshopで素材を作成し PSDデータにて透明度を保持したままAfterEffectsに配置。 →正しい透過画像であれば大概のエフェクトは抜ける ライトバーストエフェクトを利用。 ドラゴンの稲妻エフェクト同様問題なく抜けている。

総じて…

正しく抜けている素材を利用している αムービーを正しく作ることとは・・・ →正しい透明度を持ったデータでムービーを構成すること →正しく抜けるようにコンポジットすること

α作成の問題 ・綺麗に抜いた素材で綺麗に抜く しかし・・

→ゴミが残る →端が黒ずむ 原因はたったの2つ

問題の解決

→端が黒ずむ →背景色を変える →チャンネル/キーイングエフェクトで処理 →正しいレンダリング設定を使う →ゴミが残る →AfterEffect上での確認をしっかりと行う →正しく抜ける画像・画像フォーマットを使う

問題:端が黒ずむ場合 →背景色を変える →チャンネル/キーイング エフェクトで処理 →レンダリング設定を正しくする

背景色を変更しきれいに抜く →背景色を変える →ARGB(RGB+α)の画像の場合、背景色に溶け込んだ色ごと αで抜いてしまう。黒だと黒に溶け込んだ色で抜ける。 抜いた部分のカラーがきれいに抜けることが大事。 例えば炎は黒ではなくオレンジに溶け込んでるのが理想。 →背景色を変えるために平面などを重ねて色を調整し、 α素材をトラックマット/アルファマットで抜く

背景色をエフェクトで処理する →チャンネルコンバイナーとカラーマット削除 →チャンネルコンバイナーとは? チャンネルを抽出/調整/表示するエフェクト →輝度をαチャンネルにする、などの処理が可能 →変更オプション<最大RGB、ターゲット<アルファで 抜いたのち、カラーマット削除で黒い背景色成分を除去。

背景色が黒以外の場合 →キーイングエフェクトを利用 →黒以外の背景色がついていたら、 キーイングエフェクトでぬく keylightなどのキーイングエフェクトで 色を指定して抜く →抜きの色を整えるためにカラーマット削除

レンダリングの設定 ・最終レンダリング時、出力モジュールで必ず 「RGB+アルファ」「ストレート(マットなし)」 で出力する

→マットありにすると… 背景色に溶け込んだ 映像を出力してしまう

端が黒ずむ場合 ・合成チャンネル、マット有 背景色に依存した出力結果 →端が黒ずむ原因に

端が黒ずむ場合 ・ちゃんとαが抜けているAVIを ふつうのプレイヤで見ると… →普通のムービープレイヤは αを表示できない →ちゃんと正しい色で透明度を 持っている証拠。 →AfterEffects内でも確認可能

まとめ:端が黒ずむ場合 →背景色を変える →チャンネル/キーイング+カラーマット削除エフェクト →レンダリング設定を 「RGB+α ストレートマットなし」

問題:ゴミが残る場合

→AfterEffects上でαを確認 →正しく抜けた画像や 透明度の保持に適した 画像フォーマットを使う

αを確認する →AfterEffects上でαを確認する →AfterEffects上で正しく見えていても実は加算合成などで 抜けているように見えているだけの場合がある。 →エフェクトによってはαが正しくつかないものがある →特に加算合成をしてしまうとわかりづらい →プレビューウインドウ上でαを確認する →正しく抜いた画像を利用する

間違った合成をしている場合 →αが全画面で出ない場合は、 画面全体に抜けていない画像を適用している 可能性がある →色調整のために全体に画像を加算合成したり している →上に乗せたレイヤーはすべてトラックマットの アルファマスクで抜く。

正しい画像を使っていない場合 →データ作成時のエラー →Photoshopで作成時に ミスをしている可能性 →載せる背景より暗かったりしないか →綺麗に抜けているかチェックする。 →Photoshopなどの作成時に確認する →AfterEffects上でαを確認する

透明度情報の保持 →透明度を保持しやすい形式でデータを扱う

・TGA32bitなどのARGBデータ →背景色依存となるため、 α設定時に問題が出やすい

・PNG、PSDなど →透明度が背景色に 依存しない保存が可能

RGB α

まとめ:ゴミが残る

→AfterEffects上でαを確認する →正しく抜けた画像・ 透明度の保持に適した画像フォーマットを使う

まとめ

端が黒ずむ場合 →背景色を変える →チャンネルコンバイナー+マット削除を利用 →キーイングエフェクト+マット削除を利用 →レンダリング設定を正しくする ゴミが残る場合 →AfterEffects上でαを確認する →正しく抜けた画像・透明度の保持に適した画像フォーマットを使う

TRAPCODEを使ったαムービー演出制作事例のご紹介

TRAPCODEとは

→ Red Giant / Trapcode 社 →10個のAfterEffectsプラグイン群 →複雑かつ綺麗なエフェクトが簡単に作れる →αが最初から抜けてるので抜きの心配がいらない

TRAPCODE Particular →簡単な操作でパーティクルエフェクトが作れる →数値の調整だけでバリエーションをたくさん作成 →煙やオーラなど、様々なものが簡単に作成できる →動画からパーティクルを発生させたりなど、 機能が豊富

TRAPCODE作例紹介 → 基本エフェクトで作ったものを TRAPCODEで簡単に作り直したもの →簡単な変更でバリエーションがたくさん作れる →ガチャなどのレア、激レア演出のバリエーションも 簡単に量産可能

CRI Sofdec2 αムービーのご紹介 →実際のエンコードと実装

それでも駄目ならアルファプラス ・マスクで抜いた部分以外すべてを加算合成する便利な機能 →エフェクトは黒バックで作ればいいだけ。 抜きに悩む必要がまったくありません。

質疑応答

ご清聴ありがとうございました