2018 門診時間表 輔英科技大學附設醫院乳房腫塊、乳腺炎、鈣化點、乳房疼痛、乳癌篩檢、乳房超音波、乳房 腫瘤手術與精準化學治療(含標靶治療)。
対策型乳がん検診における 「高濃度乳房」通知に関する意見 · •...
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対策型乳がん検診における 「高濃度乳房」通知に関する意見
西神戸医療センター 奥野 敏隆
平成28年12月27日 がん対策推進懇話会
• 対策型乳がん検診の意義
• がん検診事業評価に用いる指標
• 乳がん検診の現状と課題 – 「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書」より – マンモグラフィの診断精度
– Dense breast(高濃度乳房)にまるわる諸問題
• 高濃度乳房(dense breast)通知における提言 – 「視触診」を廃止し,高濃度乳房に対する超音波検査を制度化
– 「超音波検査による補助検診」 (supplemental screening ultrasound)のシステム作り
対策型乳がん検診の意義
• 乳がん検診は,乳房に発生するがんを早期に発見し,将来の乳がんによる死亡率を低減する目的で実施する
• 乳がん死亡率を減少させるためには,「有効な検診」を「正しく行う」ことが必要
• 「有効な検診」とは,「死亡率減少効果を示した科学的根拠」を有する検診であり,現在,世界中でこの根拠を示している
のはマンモグラフィによる検診のみである
• 「正しく行う」とは,がん検診の実施に関わる精度管理(検診の事業評価)を徹底すること
乳がん検診は,家族のために,世の中のために
がん検診事業評価に用いる指標
• がん検診の目的はがんによる死亡率の減少である • がん検診の事業評価は,一義的には「アウトカム指標」としての死亡率減少によって行われるべき
• しかし,人口の少ない市町村単位での評価は困難であり,また長期間の観察を要するため,死亡率減少は短期間のがん
検診の事業評価には適さない
• 継続的に検診の質を確保する観点から,「技術・体制的指標」および「プロセス指標」の評価を徹底し,結果としてがん
による死亡率減少を目指す
乳がん検診の技術・体制的指標
• 検診項目 – 問診,画像検査,(視診・触診)
• 撮影(機器,技師) – 線量・画質の第三者評価 – 適切な研修
• 読影 – 読影講習会を受講し,AまたはBの評価を得る – ダブルチェック
• 記録の保存 • 受診者への説明 • システムとしての精度管理
システムとしての精度管理 (検診機関)
• 精密検査結果および治療結果の報告を,精密検査実施機関から受けているか
• 診断のための検討会や委員会(第三者の乳がん専門家を交えた会)を設置しているか
• 都道府県がプロセス指標に基づく検討ができるようにデータを提出しているか
• 実施主体へのがん検診の集計・報告は,地域保健・健康増進事業報告の内容で集計しているか
システムとしての精度管理 (市町村)
• 検診対象者を把握しているか • 受診者の情報管理ができているか(個人別の受診台帳など)
• 要精検率の把握 – 検診実施機関別に,過去の受診歴別に集計しているか
• 精検受診の有無の把握と受診勧奨 • 精密検査結果の把握 • 検診機関の委託
– 選定に際して仕様書を作成・提出させてそれを基に判断しているか
乳がん検診の事業評価のプロセス指標の許容値と目標値
がん検診受診率 目標値 50%以上
精検受診率 許容値 80%以上
目標値 90%以上
未把握率 許容値 10%以下
目標値 5%以下
精検未受診率 許容値 10%以下
目標値 5%以下
精検未受診率把握率 許容値 20%以下
目標値 10%以下
要精検率(参考値) 11%以下
がん発見率(参考値) 0.23%以上
陽性反応的中度(参考値) 2.5%以上
乳がん検診の現状と課題ー「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書(平成27年9月)」よりー
• 乳がん検診の受診率は20〜30%程度に留まっている • 99.1%の市区町村でマンモグラフィが行われており,体制基盤は整備されている
• マンモグラフィ単独による乳がん検診は乳がんの死亡率減少効果があるという報告がある*
• 視触診については手法の性格,医師の確保,エビデンスの観点から必要性は薄れている
• 31.9%の市区町村で,乳房超音波検査が実施されていた
• 高濃度乳腺が多い日本人女性において,特に乳腺濃度の高い40代の検診におけるがん発見率の低さや偽陽性率の高さが指摘されている
*Hamashima C, et al: A meta-‐analysis of mammographic screening with and without clinical breast examina@on.Cancer Sci106:812−818,2015
Extremely denseAlmost entirely fatty
Scattered areas of fibroglandular
density
Heterogeneously dense
Radiologists classify breast density using a 4-level density scale:
Breast Density The American College of Radiology (ACR)
Category a Category b Category c Category d Which may obscure masses
Which lowers the sensi@vity of mammography
乳房の構成
脂肪性 乳房はほぼ完全に脂肪に置き換えられている 病変が撮影範囲に入っていれば,検出は容易である
乳腺散在 脂肪に置き換えられた乳房内に乳腺実質が散在している 病変の検出は比較的容易である
不均一高濃度 乳腺実質内に脂肪が混在し,不均一な濃度を呈する 病変が正常乳腺に隠されている危険性がある
高濃度 乳腺実質内に脂肪の混在はほとんどなく, 病変検出率は低い
マンモグラフィによる乳がん検診の手引き−精度管理マニュアル−
Breast Density Es@ma@on with Fully Automated Volumetric Method (Volpara®)
476 full-‐field digital mammography
Volumetric density grade (Volpara density grade)
; grade 1 to 4
Visual BI-‐RADS density by two radiologist
category; category a to d
A significant posi:ve correla:on was found between BI-‐RADS categories and volumetric density grading by fully automated soSware (ρ = 0.728, P < 0.001 for first radiologist and ρ = 0.725, P < 0.001 for second radiologist)
The fully automated volumetric method may be used to quan@fy breast density on rou@ne mammography
乳腺濃度とマンモグラフィの診断精度
Breast density 感度 特異度
非高濃度 カテゴリーa 88.2% 96.5%
カテゴリーb 82.1% 93.0%
高濃度 カテゴリーc 68.9% 90.8%
カテゴリーd 62.2% 89.9%
乳腺濃度
高い
低い
高濃度乳房では「30%の確率でがんが発見できない」ことを, 受診者,さらには市民に知っていただくことができていなかった
不均一高濃度〜高濃度乳房
乳腺散在の乳房
• 12mmの比較的小さな浸潤がん • マンモグラフィでも,エコーでも明瞭に検出できる
マンモグラフィの高濃度乳腺では,乳癌リスクが増加することは確実である −乳癌診療ガイドライン2 疫学・診断編 CQ29−
Mammographic density (MD) 乳癌の相対リスク(MD5%未満を基準)
5〜24% 1.79 (95% CI: 1.70-‐2.63)
25〜49% 2.11 (95%CI: 1.70-‐2.63)
50〜74% 2.92 (95%CI: 2.49-‐3.42)
75%以上 4.64 (95%CI: 3.64-‐5.91)
McCormack VA, dos Santos Silva I. Breast density and parenchymal paderns as markers of breast cancer risk: a meta-‐analysis. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2006:15(6):1159-‐69
Mission Statement: Are You Dense, Inc. is dedicated to inform the public about dense breast @ssue
and its significance for the early detec@on of breast cancer.
Are you dense? Fact #2 2/3 of pre-‐menopausal women and ¼ of post menopausal women have dense
breast @ssue.
Are you dense? Fact #3 The addi@on of a single screening ultrasound to mammogram increases detec@on
of breast cancers that are small and node-‐nega@ve.
Breast Density Notification Laws
PINK: Enacted Law RED: Introduced Bill BLUE: Working on Bill WHITE: No Action BLACK : Insurance Coverage Law
Supplemental Screening for Breast Cancer in Women With Dense Breasts
sensi:vity specificity PPV Incremental cancer detec:on rate
HHUS 80-‐83% 86.4-‐94.5% 3.2-‐7.5% 4.4/1000exams
ABUS 67.6% 91.6% 4.1% 4.6/1000exams
MRI 75-‐100% 78.1-‐88.7% 3-‐33.3% 3.5-‐28.6/1000exams
DBT -‐ -‐ -‐ 5.4-‐6.6/1000exams 4.0-‐4.1/1000exams with digital MMG
Meilnikow J, et al. U.S. Preven@ve Services Task Force Evidence Syntheses. Systemic Evidence Reviews
HHUS: Hand-‐held US ABUS: Automated Whole Breast US MRI: Magne@c Resonance Imaging DBT: Digital breast tomosynthesis
The Connec:cut Experiment; The Third Installment: 4 Years of Screening Women with Dense Breasts with Bilateral Ultrasound
Supplemental ultrasonography Biopsies Detected
cancers Detec:on
rate PPV
Year 1 2,706 151 11 4.0/1000 7.3%
Year 2 3,351 180 11 3.3/1000 6.1%
Year 3 4,128 148 13 3.1/1000 8.8%
Year 4 3,331 53 11 3.3/1000 20.1%
October 2009-‐December 2013 Lesion size: 0.3-‐8.0cm Pa@ent age: 45-‐77 years Lesions were of all cancer types, grade and hormonal status Women returning for yearly ultrasound had small lesions with no posi@ve sen@nel nodes
Weigert JM Breast J. 2016 Sep 19. doi: 10.1111/tbj.12678. [Epub ahead of print]
• 米国では21の州で高濃度乳房の通知と補助的超音波検査が法制化されている(Priscilla J, et al. N ENGL J MED 372;7 2015)
• マンモグラム陰性の高濃度乳房の受診者に対して補助的超音波検診を行うと, – 5/1000の新規乳がんが発見された
– 超音波検査の感度,特異度ともに比較的良好であった
– 1例の乳がんを発見するのに,およそ40の生検を要した
– 発見乳がんの生物学的特性に偏りはなかった
– 毎年超音波を追加で行った場合,発見された乳がんはすべて小さく,リンパ節転移陰性であった
J-‐START 40歳代日本人女性を対象としたマンモグラフィに超音波を追加した
乳癌検診の有用性を検証するランダム化比較試験
US+MMG (n=36752)
MMG (n=35965)
感度 91.1% 77.0%
特異度 87.7% 91.4%
乳癌発見率 0.5% 0.32%
Stage 0, I 144 79
中間期癌 18 35
Noriaki Ohuchi, et al. The Lancet, Vol. 387, No.10016, 341-‐348
乳がん検診項目に関する提言 厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」(平成27年9月29日)
• 検診方法 – マンモグラフィによる検診を原則とする – 視触診については死亡率減少効果が十分ではなく,精度管理の問題もあることから推奨しない
– 仮に視触診を実施する場合には,マンモグラフィと併用することとする
– 超音波については,特に高濃度乳腺の者に対して,マンモグラフィと併用した場合,マンモグラフィ単独検査に比べて感度およびがん発見率が優れているという研究結果が得られており,将来的に対策型検診として導入される可能性がある
– しかしながら,死亡率減少効果や検診の実施体制,特異度が低下するといった不利益を最小化するための対策等について,引き続き検証している必要がある
• 対象年齢: 40歳以上とする • 検診間隔: 2年に一度とする
乳がん検診における高濃度乳房(dense breast) にどのように対応すべきか
1. 高濃度乳房(dense breast)においてはマンモグラフィで検出できない乳がんが少なくないことをきち
んと検診受診者に,さらには市民に伝えること
2. 乳がん検診における「視触診」を廃止し,高濃度乳房に対する超音波検査を制度化
3. 「超音波検査による補助検診」 (supplemental screening ultrasound)のシステム作り 1. 技術・体制的精度管理(施設基準) 2. マンモグラフィ検診に準じたプロセス指標による精度管理
高濃度乳房(dense breast)通知と 超音波検査勧奨における具体的な方策
• 高濃度乳房(dense breast)の基準作成 – 「高濃度」,「不均一高濃度」を選択 – 評価統一のための講習会の開催 – 年齢制限: 75歳未満
• 「超音波による補助検診」(supplemental screening ultrasound)の技術・体制的精度管理 – 日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)あるいは日本乳がん検診精度管理中央機構開催の乳房超音波講習会を受講している医師,臨床検査技師,診療放射線技師,看護師が検査を担当すること
– 「超音波による乳がん検診の手引き」の超音波装置の基準を満たすこと
超音波による乳がん検診の手引き〜精度管理マニュアル〜,南江堂,2016
高濃度乳房(dense breast)通知と 超音波検査勧奨における提案
• 乳がん検診における高濃度乳房(dense breast)に対する超音波検査の費用を神戸市が助成することはできないでしょうか(当然のことですが,保険
診療でおこなうことはできません)
• 「高濃度乳房(dense breast)でマンモグラフィ陰性例に対する超音波による補助検診(supplemental screening ultrasound)」の有用性を評価できるエビデンスは不十分で,臨床研究として検証するのが好ましいと考えます
• 検証すべき項目
– 追加でどれだけ乳癌が発見できたか,どのような乳癌が発見できたか
– 感度,特異度
– 要精検率,陽性反応的中率
– 追加で行われた生検(件数,方法,合併症) – 受診者の心理的,経済的負担(アンケート調査)