2018年11月10日 多治見市文化会館

映画「不都合な真実２ — 放置された地球」上映会（An Inconvenient Sequel: Truth to Power）

ドキュメンタリー映画｢不都合な真実｣と｢不都合な真実２｣

「不都合な真実」は2006年のアメリカ映画。第79回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞。「不都合な真実２」は10年後の2017年の作品。

アル・ゴア元米国副大統領が主演。アル・ゴア氏はクリントン政権で2期副大統領（1993～2001年）を務めた。

2000年の米国大統領選で、アル・ゴア氏（民主党）は、ジョージ・W・ブッシュ氏（共和党）との大接戦となったが、僅差で敗れた。

ブッシュ米国大統領は、2001年3月、京都議定書からの離脱を表明。

アル・ゴア氏は映画や講演で、人間活動による気候変動（地球温暖化）、環境問題の普及啓発に貢献したとして、2007年、気候変動に関する政府間パネル（IPCC）と共にノーベル平和賞を受賞している。

その後、映画「不都合な真実」に9つの問題点があると提訴された。

➡映画を観る前に知っておくと楽しめます。

10年前の映画のシーンや回想も数多く登場します。

自虐的なトークで聴衆を爆笑させます。若かりし副大統領姿も見られます。

トランプ米国大統領のパリ協定離脱の発表が重なります。

気候変動を科学的にわかりやすく人々に伝えてきたアル・ゴアですが…

➡トランプ米大統領「パリ協定」離脱表明(2017年6月)

2018 IPCC特別報告書「1.5℃の地球温暖化」

地球温暖化問題に関する国際交渉の歴史1992

2002

2007

2012

環境と開発に関する国際連合会議（UNCED） ブラジル・リオデジャネイロ「気候変動枠組条約」（UNFCCC）採択・署名開始

西暦

94 UNFCCC（「気候変動枠組条約」）発効95 COP1 ドイツ・ベルリン「ベルリン・マンデート」96 COP2 スイス・ジュネーブ「ジュネーブ宣言」採択97 COP3 日本・京都98 COP4 アルゼンチン・ブエノスアイレス「ブエノスアイレス行動計画」99 COP5 ドイツ・ボン00 COP6 オランダ・ハーグ01 再開会合 ドイツ・ボン 「ボン合意」

COP7 モロッコ・マラケシュ「マラケシュ合意」Rio＋10 持続可能な開発に関する世界首脳会議（WSSD） 南アフリカ・ヨハネスブルグ

1997

「京都議定書」第１約束期間終了、第２約束期間開始 (2013-2020)

「京都議定書」第１約束期間開始(2008-2012)

「京都議定書」発効（2005）

「京都議定書」採択（1997）

Rio＋20 国連持続可能な開発会議 ブラジル・リオデジャネイロ

02 COP8 インド・ニューデリー03 COP9 イタリア・ミラノ04 COP10 アルゼンチン・ブエノスアイレス05 COP11 カナダ・モントリオール06 COP12 ケニア・ナイロビ07 COP13 インドネシア・バリ 「バリ・ロードマップ」08 洞爺湖サミット、COP14 ポーランド・ポズナン09 COP15 デンマーク・コペンハーゲン 「コペンハーゲン合意」10 COP16 メキシコ・カンクン 「カンクン合意」11 COP17 南アフリカ・ダーバン 「ダーバン・プラットフォーム」

12 COP18 カタール・ドーハ 「ドーハ・ゲートウェイ」13 COP19 ポーランド・ワルシャワ14 COP20 ペルー・リマ15 COP21 フランス・パリ16 COP22 モロッコ・マラケシュ17 COP23 ボン・ドイツ18 COP24 カトヴィッツ・ポーランド

日本、「京都議定書」批准

1990 IPCC AR1

1995 IPCC AR2

2001 IPCC AR3

2014 IPCC AR5

2007 IPCC AR4

「パリ協定」採択（2015）

第１次評価報告書

第２次評価報告書

第３次評価報告書

第４次評価報告書

第５次評価報告書

2018「パリ協定」発効（2016）

SDGs採択（国連サミット

2015年9月）

➡ブッシュ米大統領(2001年3月)「京都議定書」離脱表明

パリ協定（2015年12月採択、2016年11月発効）

概要

COP21（2015年11月30日～12月13日、フランス・パリ）において採択。 「京都議定書」に代わる、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組み。歴史上はじめて、すべての国が参加する公平な合意。

我が国は2016年4月22日に署名、同年11月８日に本協定の締結について国会の承認を得、同日に国連事務総長宛に受諾書を寄託。同年11月14日にパリ協定が公布及び告示され、同年12月8日に我が国についてもその効力が発生。

目的

① 世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏２度高い水準を十分に下回るものに抑えること並びに世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏1.5度高い水準までのものに制限するための努力を、この努力が気候変動のリスク及び影響を著しく減少させることとなるものであることを認識しつつ、継続すること。

② 食糧の生産を脅かさないような方法で、気候変動の悪影響に適応する能力並びに気候に対する強靱性を高め、及び温室効果ガスについて低排出型の発展を促進する能力を向上させること。

③ 温室効果ガスについて低排出型であり、及び気候に対して強靱である発展に向けた方針に資金の流れを適合させること。

目標上記の目的を達するため、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出と吸収のバランスを達成できるよう、排出ピークをできるだけ早期に迎え、最新の科学に従って急激に削減。

各国の目標

各国は、約束（削減目標）を作成・提出・維持する。削減目標の目的を達成するための国内対策をとる。削減目標は、5年毎に提出・更新し、従来より前進を示す。

長期戦略 全ての国が長期の低排出開発戦略を策定・提出するよう努めるべき。（COP決定で、2020年までの提出を招請）

出典：長期低炭素ビジョン参考資料集より

21世紀末に最大で4.8℃上昇

出典：IPCC AR5 WG1 政策決定者向け要約 図 SPM.7

観測値

世界の平均気温の変化の予測（1986年～2005年を基準とした21世紀末の変化）

予測値

(℃)

現状以上の温暖化対策をとらなかった場合、

2.6～4.8℃上昇

厳しい温暖化対策をとった場合、0.3～1.7℃上昇

（年）

気候変動の「緩和」と「適応」

温室効果ガスの排出を

減らす温暖化による

悪影響に

備える

緩和 適応

気温上昇の幅をできるだけ小さく、スピードをできるだけ緩やかにする。

避けられない気候変動の影響をできるだけ小さくする。

緩和：地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出抑制等適応：すでに起こりつつある、あるいは起こりうる気候変動の影響に対処し、

被害を回避・軽減する

温室効果ガスの増加

化石燃料使用によるCO2排出など

気候要素の変化気温上昇、

降雨パターンの変化、海面水位

上昇など

温暖化による影響

自然環境への影響人間社会への影響

92 － 49 ＝?43

データ：IPCC AR5Credit: NASA Earth Observatory

億トンC

人間が1年間に出している量

自然が1年間に吸収する量

億トンC（炭素の重さ）

空気中に残る炭素の量

億トンC

人間による大量の

化石燃料の燃焼。

83億トンC

土地利用の変化。9億トンC

森林や海など、自然が吸収できる量には限りがある。陸上:25億トンC海洋:24億トンC

炭素循環

CO2の総排出量と気温上昇は比例する人為起源CO2の総累積排出量と平均気温の上昇量の関係

（1861～1880年と比較）

赤帯：CO2以外の温室効果ガスも含めた場合の結果

灰帯：CO2のみの増加を想定した場合の結果

5

4

3

2

1

0

（10億トン(GtC)、炭素換算、 1870年以降）人為起源のCO2の総累積排出量

気温の上昇

（℃）

過去の期間のモデル結果RCPによるシミュレーションの幅年率1%増シミュレーション年率1%増シミュレーションの幅

出典：IPCC AR5 WG1 政策決定者向け要約 SPM.10（2014）

2℃未満に抑えるには、約800GtCに抑える必要

現在、約500GtC

800 現在の世界の排出のペースでは累積約800GtCに2040 年ごろ到達

多治見の気温の記録上位10位

1位 40.9 (2007/8/16) 27.5 (2018/8/10)2位 40.8 (2007/8/17) 27.4 (2018/7/19)3位 40.7 (2018/7/23) 27.3 (2000/7/24)4位 40.7 (2018/7/18) 27.2 (1994/8/6)5位 40.4 (2018/8/6) 27.0 (1985/8/31)6位 40.2 (2018/8/2) 26.9 (2018/7/20)7位 39.9 (2018/8/3) 26.8 (2010/9/1)8位 39.9 (2015/8/1) 26.8 (1984/8/12)9位 39.9 (2001/8/1) 26.7 (1994/8/7)10位 39.8 (1994/8/5) 26.6 (2018/7/18)

日最低気温（高い方から）日最高気温（高い方から）

出典：気象庁データより杉山作成

（アメダス地点）

※日最高気温全国1位の記録は、埼玉県熊谷の41.1℃（2018年7月23日）、2位は41.0℃、岐阜県美濃と金山（2018年8月）、高知県江川崎（2013年8月）。多治見の40.9℃は5位。

多治見の風速の記録上位10位

1位 24.5 南東 (2018/9/4) 台風21号2位 23.1 南東 (2012/4/3)3位 21.2 南南東 (2017/9/17)4位 19.7 南東 (2018/9/30) 台風24号5位 18.1 東南東 (2014/8/10)6位 17.5 東南東 (2015/9/9)7位 17.0 西 (2018/10/1) 台風24号8位 16.4 西北西 (2010/12/25)9位 16.3 西北西 (2014/12/17)10位 16.2 南東 (2018/8/24) 台風20号

日最大瞬間風速・風向(m/s)

台風24号

台風21号

台風20号

出典：気象庁データより杉山作成

（アメダス地点）

多治見の年ごとの気温の変化

0

5

10

15

20

25

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

（アメダス地点）

出典：気象庁データより杉山作成

（℃）

（年）

最高気温

平均気温

最低気温

破線は長期的な変化傾向を示す。

100年あたり5.9℃の割合

100年あたり3.7℃の割合

100年あたり3.4℃の割合

▲は観測場所の移転、観測装置の変更などがあり、データが前後で均質でないことを示す。2010年は資料不足のためデータを使用していない。

▲ ▲

0

20

40

60

80

100

120

140

160

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

多治見の年ごとの気温の変化（アメダス地点）

出典：気象庁データより杉山作成

（日数）

（年）

夏日（最高気温25℃以上）

▲は観測場所の移転、観測装置の変更などがあり、データが前後で均質でないことを示す。2010年は資料不足のためデータを使用していない。

▲ ▲

真夏日（最高気温25℃以上）

猛暑日（最高気温35℃以上）

極端に暑い日の割合が多くなってきた？

2018年はこれまでで猛暑日39日真夏日51日

夏日23日

映画「不都合な真実２～放置された地球～」エンディングロール

2016年4月22日、歴史的なパリ協定の署名式が国連本部で行われた。

2017年6月1日、ドナルド・トランプ米大統領は、パリ協定からの離脱を表明。

もし、我々のリーダーが先頭に立たないなら、市民が立つ。

今、ゴアの何千という教え子たちが活動を率いている。さらに大勢が、後に続こうとしている。

（ツイッターで）#BeInconvenient を付けて投稿し、数百万の人々に加わろう。

地球の未来をかけて闘おう未来は、その闘いにかかっている

映画「不都合な真実２～放置された地球～」エンディングロール

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