生きている化石「メタセコイア - Osaka City University...大変満足 45% やや満足...

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大変満足 45% やや満足 38% 普通 4% やや不満 6% 回答なし 7% 開催報告 公益財団法人大阪市博物館協会・公立大学法人大阪市立大学 包括連携協定企画 化石発見75周年・生存発見70周年記念 生きている化石「メタセコイア大阪市博物館協会との共催で、メタセコイアの化石発見75周年及び生存発見70周年にあたるこの節目の年に、 共に学ぶ記念企画の第一弾として、本学文化交流センター(大阪駅前第2ビル)にて開催いたしました。 メタセコイア発見の歴史、日本各地への普及、化石と現生種の特徴、そして現在の都市景観を造っているメタ セコイアについて紹介し、参加者からの多くの質問に答え、会場は熱気ある雰囲気となりました。 ◆記念講演会 10/22) 場所:本学文化交流センター 参加者:119名 【演題】1.「メタセコイアと大阪」 飯野盛利(理学部附属植物園長/理学研究科 教授) 2.「三木茂博士によるメタセコイアの発見」 南木睦彦(流通科学大学 教授) 3.「生きているメタセコイアの発見と普及」 塚腰 実(大阪市立自然史博物館 主任学芸員) 4.「メタセコイアと文化創造:占領軍からの贈り物」 岡野 浩(本学都市研究プラザ 教授) ◆特別陳列 「三木茂博士が研究したメタセコイアの化石」(10/29~11/20) 会期中入館者:のべ23,525名 大阪市立自然史博物館本館のイベントスペースにおいて展示を行い、多くの市民の方が、三木茂博士がメタセ コイアを発表した論文とその基になった標本、三木博士の観察ポイントや中国で発見されたメタセコイアの写真、 最初に発見された樹木から採取した押し葉標本、メタセコイア保存会のガリ版刷り資料、そしてメタセコイア・ セコイア・ヌマスギの生態展示などを熱心に見学しました。 【展示項目】 1.「メタセコイア化石の発見」 2.「生きているメタセコイアの発見」 3.「メタセコイア保存会」 4.「メタセコイアの芽生え」 感想から 公園や学校に植えられているメタセコイアは、三木 茂 博士(元 大阪市立大学理学部教授)が1941年に化石と して発見した植物です。その後、中国で生きているメタセコイアが見つかり、1946年に「メタセコイアが生きて いた」と発表されて世界の人々を驚かせました。1950年に、アメリカの研究者から100本の苗木が本学に事務局 があったメタセコイア保存会に贈られ、全国の大学や自治体に配布されました。その1本は理学部附属植物園に 植えられ、現在も育っています。保存会はその後も挿し木で苗木を増やし、全国に頒布して広めました。 2016年は、メタセコイア化石発見から75周年、現生種発見から70周年にあたり、この節目に大阪市博物館協 会との包括連携協定企画として、メタセコイア発見の歴史、現生種の日本各地への普及、化石と現生種の特徴、 メタセコイアが果たした文化的役割などを学び体験する記念行事を開催しました。 満足度 ・メタセコイアについて様々な観点からのお話が聞けて、 とても参考になりました。メタセコイアを観る目が変 わったように思います。これからのメタセコイアを観 察するのが楽しみになりました。 ・フロアーからの質問を多く受けたのは大変よい。 ・生きた化石「メタセコイア」が70年で日本にこれだけ 普及したのには感動しました。 ・木材としての使い方もあるのかと思いました。 ・すべて興味深かった。三木博士の論文の解説がとても よくわかった。 メタセコイア 三木博士が研究したメタセコイアの化石 特別陳列会場

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大変満足 45%

やや満足 38%

普通 4%

やや不満 6%

回答なし 7%

開催報告

公益財団法人大阪市博物館協会・公立大学法人大阪市立大学 包括連携協定企画

化石発見75周年・生存発見70周年記念

生きている化石「メタセコイア」

大阪市博物館協会との共催で、メタセコイアの化石発見75周年及び生存発見70周年にあたるこの節目の年に、共に学ぶ記念企画の第一弾として、本学文化交流センター(大阪駅前第2ビル)にて開催いたしました。 メタセコイア発見の歴史、日本各地への普及、化石と現生種の特徴、そして現在の都市景観を造っているメタセコイアについて紹介し、参加者からの多くの質問に答え、会場は熱気ある雰囲気となりました。

◆記念講演会 (10/22) 場所:本学文化交流センター 参加者:119名

【演題】1.「メタセコイアと大阪」 飯野盛利(理学部附属植物園長/理学研究科 教授) 2.「三木茂博士によるメタセコイアの発見」 南木睦彦(流通科学大学 教授) 3.「生きているメタセコイアの発見と普及」 塚腰 実(大阪市立自然史博物館 主任学芸員)

4.「メタセコイアと文化創造:占領軍からの贈り物」 岡野 浩(本学都市研究プラザ 教授)

◆特別陳列 「三木茂博士が研究したメタセコイアの化石」(10/29~11/20) 会期中入館者:のべ23,525名

大阪市立自然史博物館本館のイベントスペースにおいて展示を行い、多くの市民の方が、三木茂博士がメタセ コイアを発表した論文とその基になった標本、三木博士の観察ポイントや中国で発見されたメタセコイアの写真、最初に発見された樹木から採取した押し葉標本、メタセコイア保存会のガリ版刷り資料、そしてメタセコイア・ セコイア・ヌマスギの生態展示などを熱心に見学しました。

【展示項目】 1.「メタセコイア化石の発見」 2.「生きているメタセコイアの発見」 3.「メタセコイア保存会」 4.「メタセコイアの芽生え」

感想から

公園や学校に植えられているメタセコイアは、三木 茂 博士(元 大阪市立大学理学部教授)が1941年に化石として発見した植物です。その後、中国で生きているメタセコイアが見つかり、1946年に「メタセコイアが生きていた」と発表されて世界の人々を驚かせました。1950年に、アメリカの研究者から100本の苗木が本学に事務局があったメタセコイア保存会に贈られ、全国の大学や自治体に配布されました。その1本は理学部附属植物園に 植えられ、現在も育っています。保存会はその後も挿し木で苗木を増やし、全国に頒布して広めました。 2016年は、メタセコイア化石発見から75周年、現生種発見から70周年にあたり、この節目に大阪市博物館協 会との包括連携協定企画として、メタセコイア発見の歴史、現生種の日本各地への普及、化石と現生種の特徴、 メタセコイアが果たした文化的役割などを学び体験する記念行事を開催しました。

満足度 ・メタセコイアについて様々な観点からのお話が聞けて、 とても参考になりました。メタセコイアを観る目が変 わったように思います。これからのメタセコイアを観 察するのが楽しみになりました。 ・フロアーからの質問を多く受けたのは大変よい。 ・生きた化石「メタセコイア」が70年で日本にこれだけ 普及したのには感動しました。 ・木材としての使い方もあるのかと思いました。 ・すべて興味深かった。三木博士の論文の解説がとても よくわかった。

メタセコイア 三木博士が研究したメタセコイアの化石 特別陳列会場

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◆現地化石見学会 (11/13) 場所:滋賀県湖南市野洲川流域 参加者:30名

◆植物園観察会 (11/27)場所:理学部附属植物園 参加者:44名

◆オープンセミナー (11/5) 場所:自然史博物館 参加者:87名

三木博士によるメタセコイアの発見、中国での現生種の発見、メタセコイア保存会、メタセコイアの利用につ いて解説しました。 講演終了後、特別陳列「三木茂博士が研究したメタセコイアの化石」の会場で、ギャラリートークを行い、標 本を前にして熱心な質問が数多く出され、会場が活気づきました。

研究棟講義室内でのワークショップと園内でのメタセコイアの観察という2部構成で実施しました。 はじめに飯野盛利・植物園長が、当植物園とメタセコイアの普及との関係を スライドで紹介しました。次に塚腰実・自然史博物館主任学芸員が、メタセコ イア、その近縁種のラクウショウとセコイア、さらに他の植物種を用いて、メ タセコイアの形態や近縁種との見分け方を解説しました。参加者は、7,8名で グループになり、実物を観察しました。実物を手にとって観察でき、そして 他の参加者と話しながら交流を楽しむことができました。観察後の質疑応答で は多くの質問が出ました。

【演題】「三木茂博士によるメタセコイアの発見」 塚腰 実(自然史博物館 主任学芸員)

化石産地までの道沿いで、道路脇の植物を用いて、メタセコイアを理解するための植物形態の観察を行いました。野洲川に露出している約270万年前の地層において、メタセコイアの球果化石、メタセコイアと考えられる直径1メートルの株化石を観察し、270万年前のメタセコイアの森を体感しました。また、化石見学後、足跡化石メモリアルパークで、生きているメタセコイアを観察しました。 この様な化石を見られる機会は珍しいので、参加者から好評を得ました。

博物館の化石関連の講演会では、あまりお見かけしない方も多く参加していました。 遠方では、岐阜県郡上市、神奈川県川崎市から参加された方もおられ、関心の高い有意義なセミナーとなりました。

・化石から現生まで、メタセコイアを知り尽くす機会になった。

感想から

・メタセコイアについて詳細を知る事が出来た。特に化石で落葉樹だという事が 分かった。 ・メタセコイアの葉のつき方や球果の構造、さらに近縁種との違いについて理解 できて良かった。 ・補足の説明に用いた植物の拡大写真も分かりやすかった。 ・現場体験型で説得力があった。雨天にもかかわらずスタッフ全員が一丸となって イベントの進行をしていた。 ・園内のフィールドワークを今後も企画してほしい。

園内では、1950年にアメリカからメタセコイア保存会へ送られたメタセコイアの苗木100本のうちの1本で、当園で大きく成長した株を見ました。そして雨の中、化石で産出する植物を集めた太古の森の幻想的な雰囲気を味わいました。 参加者のほとんどの方に満足していただいた充実した企画となりました。

感想から

大変満足 70%

やや満足 27%

普通 3%

満足度