再生可能エネルギー活用によるCO2削減加速化戦略(中間報 …再生可能エネルギー活用によるCO2削減加速化戦略(中間報告) ①需要・地域側での省エネ・再エネ・蓄エネ
CO2削減ポイントの付与によるCO2削減行動促進プログラム...
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CO2削減ポイントの付与によるCO2削減行動促進プログラムの試行実施とその効果検証について
資料3
1.CO2削減ポイントプログラムの効果検証の方針
1
• HEMSサービスの一つとして、アドバイス情報や排出削減に対してインセンティブを付与できるような仕組みを構築していくためには、それがサービスの継続利用や削減行動の促進につながる必要がある。
• 効果検証①では、HEMSサービスの継続利用と削減行動に関する課題を、継続的な(サービスに関する)情報の閲覧頻度に着目して抽出する。
• 効果検証②では、HEMSを活用し家庭に低炭素を促す新たな仕組みの一案として、インセンティブの付与がHEMSサービスの課題解決策として有効か否かを検証する。
情報提供の効果検証(効果検証①)
ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
NTTスマイルエナジーのHEMSを導入しているユーザーを対象とし約1年間の効果を検証。
ミサワホームのHEMSを導入しているユーザーを対象としインセンティブ付与による約4ヶ月間の継続効果を検証。
時間経過に伴い情報の閲覧頻度が減少し、削減効果が低下する。
仮説1 インセンティブを付与することによって、削減効果が向上するか?
仮説2
検証項目① 時間経過に伴い情報の閲覧頻度が減少傾向にあるか?
検証項目② 情報の閲覧頻度が減少傾向にある世帯の電力消費量は多い傾向にあるか?
検証項目③ 電力消費量が抑制傾向にある世帯の情報の閲覧頻度は高い傾向にあるか?
検証項目① ポイント(インセンティブ)の付与により、電力消費量が抑制されるか?
検証項目② 情報の閲覧頻度が高い世帯は、電力消費量がさらに抑制される傾向にあるか?
検証項目③ ポイントプログラムの終了後でも、効果はリバウンドしないか?
検証項目④ ポイントプログラムの参加によって、サービスの満足度や省エネ意識が向上するか?
2.情報提供の効果検証(効果検証①)
2
2-1 評価対象モニターの概要
• 評価対象モニターは、PCからマイページにログインすると下図のような情報を閲覧することができる。
(1) 評価対象モニターに提供される情報
評価対象モニターに提供される情報
出所:住宅用エコめがねパンフレット, https://eco-megane.jp/shiryou/ecomegane.pdf
3
2-1 評価対象モニターの概要
• 2013年5月~8月末にNTTスマイルエナジー社のHEMSサービス(余剰買取契約)に加入した、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県における太陽光発電を設置しているモニター(348世帯)のデータを取得。
• 下記の条件に従って分析対象モニター(108世帯)を絞り込んだ。• 評価対象期間は、データの欠損率(※)の少なく、情報の閲覧頻度(ログイン回数)が取得できている2013年1
1月から2014年8月とした。※欠損率:データが欠損している割合、またはサービス未加入のためデータが存在しない割合。
(2) 評価対象期間とモニターの概要
050
100150200250300350
世帯
数
20%以上
15%~20%
10%~15%
5%~10%
5%未満
評価対象期間
HEMSデータの欠損率の推移
比較条件の統一データ欠損率の
高いモニターの除外異常値を示すモニターの除外
• オール電化世帯のみを抽出。(N=220)
• 全期間においてデータ欠損率が10%以上のモニターを除外。(N=116)
• 電力消費量や情報の閲覧頻度が他と比較して著しく異なるモニターの除外。(N=108)
分析対象モニターの絞り込み条件
2.情報提供の効果検証(効果検証①)
4
2-2 HEMSの情報閲覧頻度に応じたCO2削減効果の検証
• 閲覧回数(※)の多い上位・下位1/4の世帯における電力消費量の変化率を比較した結果は下図の通り。• 夏季については、閲覧回数が多いほど電力消費量が抑制される傾向にあり、特に2014年7月においては有意
水準10%で有意な差があらわれている。これは、夏季における削減行動が実行しやすいことが一因であると考えられる。また、時間経過とともに削減効果が表れた可能性もある。
※閲覧回数:2013年11月から2014年8月における1日当たりの平均閲覧回数
(1) HEMSの情報閲覧回数に応じたCO2削減効果の検証例
-40%
-20%
0%
20%
40%
60%
80%
閲覧回数の多い
上位 1/4
(N=24)
閲覧回数の少ない
下位 1/4
(N=24)
0.00
0.75 0.80 0.69
0.81 0.80
0.55
0.12 0.09 0.12
-0.4
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
-8%
-4%
0%
4%
8%
12%
16%
20%
2013年
11月
2013年
12月
2014年
1月
2014年
2月
2014年
3月
2014年
4月
2014年
5月
2014年
6月
2014年
7月
2014年
8月
電力消費量の
変化率の差分
P値
電力消費量
減少
電力消費量
増加
閲覧回数(※)
基準月(0%とする)
電力
消費
量の
変化
率%
電力
消費
量の
変化
率の
差分
%
P値
削減効果あり
中間季冬 季 夏 季中間季
2.情報提供の効果検証(効果検証①)
5
2-2 HEMSの情報閲覧頻度に応じたCO2削減効果の検証
• 電力消費量の増加率(※)が少ない世帯ほど、 1日当たりの平均閲覧回数が有意に多い。つまり、本事業における評価対象モニターにおいては、閲覧頻度が高い世帯ほど、消費量が抑制されている傾向にあるといえる。ただし、閲覧頻度と消費量抑制の因果関係については、継続的な検証が必要。
• また、閲覧回数は、時間経過に従って減少傾向にある。※電力消費量の増加率:2013年11月の平均電力消費量を基準とした2014年8月の平均電力消費量の増加率(変化率)。
(2) 電力消費量に応じたHEMSの情報閲覧回数の評価例
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5電力消費量の増加率が
少ない上位1/4
(N=27)
電力消費量の増加率が
多い下位1/4 (N=27)
0.05 0.10
0.07
0.12
0.03 0.01 0.02 0.02 0.03 0.03
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2013年
11月
2013年
12月
2014年
1月
2014年
2月
2014年
3月
2014年
4月
2014年
5月
2014年
6月
2014年
7月
2014年
8月
平均閲覧回数
の差分
P値
中間季冬 季 夏 季中間季
閲覧回数
少
閲覧回数
多
電力消費量の増加率(※)
1日
あた
りの
平均
閲覧
回数
回閲
覧回
数の
差分
%
P値
2.情報提供の効果検証(効果検証①)
6
2-3 まとめ
• HEMSを用いてCO2削減行動を促進するためには、情報の閲覧回数を増やすような取り組みが有効であり、例えば、インセンティブを付与するような取り組みが代表例として考えられる。
• CO2削減行動を継続させるには、HEMSサービスを継続して提供する必要がある。(HEMSサービスの課題)• 電力消費量そのものの大小は、情報の閲覧頻度よりも、その他の要因(世帯属性、気温等)に依存する傾向が見
られる。
検証項目①閲覧頻度は減少するか?
閲覧頻度の傾向分析
閲覧回数「多」 vs 「少」
閲覧回数の減少率「高」 vs 「低」
電力消費量「大」 vs 「小」
電力消費量の増加率「高」 vs 「低」
検証項目②閲覧頻度が減少すると消費量が増加するか?
検証項目③消費量が抑制されている世帯は閲覧頻度が多いか?
〇 △~○ △ △ 〇
• 閲覧回数は、時間経過に従って減少傾向にある。
• 閲覧回数が減少傾向にある世帯ほど、電力消費量が増加する傾向にある。
• 夏季において有意差あり。
• 閲覧回数の減少率の差による電力消費量の有意差はみられず。
• 電力消費量の差による閲覧頻度の有意差はみられず。
• 電力消費量の増加が抑制されている世帯ほど、閲覧頻度が高い傾向にある。
2.情報提供の効果検証(効果検証①)
〇:有意水準10%で有意差があった。 △:有意水準が10%に満たなかった。
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
7
3-1 CO2削減ポイントプログラムの概要
• CO2削減ポイントプログラムは、下記の通り実施。– 実施期間:前半(9/1~10/26) 後半(11/10~12/20)– インセンティブ:経済的インセンティブ(合計したCO2削減ポイントの順位に応じてAmazonポイントを贈呈。)– 対象世帯:191世帯(オール電化の有無、地域に応じて下記のようにグループ分け。)
家 庭 サービスプロバイダ
(凸版印刷)
アグリゲーター(富士通)
電力情報等の提供
サービス提供主体者
(ミサワホーム)HEMSデータ
HEMS
HEMSデータ
CO2削減ポイント情報
寒冷地域(地域区分1~4) 温暖地域(地域区分5~8)
オール電化
ガス併用
グループ1-T(3世帯)グループ1-C(3世帯)
グループ2-T(43世帯)グループ2-C(42世帯)
グループ3-T(5世帯)グループ3-C(4世帯)
グループ4-T(46世帯)グループ4-C(45世帯)
分 類
X-T:トリートメント(CO2削減ポイントを付与する)グループX-C:コントロール(CO2削減ポイントを付与しない)グループ
今週のあなたが獲得したエコづかいポイントは ●●ポイント です。エコづかいチャレンジ活動参加世帯中総合順位 ●●位 です。
週1回ごとに通知
順 位対象
世帯数
Amazonポイント
前 半 後 半
1位~10位 10世帯 5000 5000
11位~30位 20世帯 3000 3000
31位~50位 30世帯 2000 2000
51位~97位 40世帯 1500 1500
ポイント算出
データ欠損のチェック
異常値のチェック
値が0以下または20kWh以上であれば、異常値と判断し除外。
異常値も含めて欠損率が10%以上であれば、当該世帯の削減原単位を0とする。
ポイント=削減原単位×係数+基準値
8
3-2 CO2削減ポイントの算出方法
電力
消費
量の
変化
率%
1週目基準週 2週目 ・・・ X週目
100
100
110
115
140
130
140
1205ポイント
0ポイント20ポイント
前半:8/18~8/24 後半: 11/3~11/9※基準週の平均電力消費量を100(%)とする。
• CO2削減ポイントの算出方法は下図の通り。• コントロールグループのデータを用いて設定したベースライン(消費量の変化率)と、対象世帯の消費量の変化率
を比較し、その差分を削減努力としてCO2削減ポイントを算出。• 資料2において示した「手法4」を用いている。
対象モニター コントロールグループの平均
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
9
3-3 評価対象モニターの概要
• ポイントプログラムの効果を適切に検証するために、モニターの世帯属性に偏りがないように割り振ったトリートメントグループとコントロールグループを設けた上で、同プログラムを実施。
• その中でも、必要データが十分にそろっているモニターに絞り込み、効果検証を行った。
10/26 11/109/1
前 半
ミサワホームモニター(191世帯)
トリートメントモニター(97世帯)
コントロールモニター(94世帯)
トリートメントモニター(97世帯)
コントロールモニター(94世帯)
12/20
後 半
評価対象データの絞り込み
効果検証
2015/1/21
2014/8/18
データ取得期間
比較条件の統一データが不足している
モニターの除外異常値を示すモニターの除外
• 寒冷地に住むモニターを除外。
• 日別の消費量データが1日以上かけているモニターを除外。
• アンケートに回答していないモニターを除外。
• 週別の電力消費量または、その変化率が、平均より著しく大きい、または小さいモニターの除外。
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
10
3-4 HEMSサービスとして提供される情報について
• ミサワホームのHEMSサービスにおける主な情報は、宅内に表示器として設置されている「enecocoモニター」と、 タブレット端末やスマートフォン、パソコンなどからインターネットを通じて閲覧することが可能。
出所:ミサワホームウェブサイト, https://http://www.misawa.co.jp/
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
(1)HEMSの情報
11
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
3-4 HEMSサービスとして提供される情報について
(2)ポイント配信メールの情報
• プログラム期間中に週1回のペースでモニターに配信される「ポイント配信メール」は、下図の通り。• 下図は、前半の1週目と、後半の2週目に送付したメール。
12
3-5 CO2削減ポイントプログラムの試行実施の結果
• 全体を通して上位、下位の入れ替わりは小さい。一方で、中間層の順位の入れ替わりが激しい。
(1) 前半の結果
上位
下位
CO2削減ポイント
(a)順位の推移 (b)30位までのポイント付与状況
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
13
3-5 CO2削減ポイントプログラムの試行実施の結果
• 前半と同様に、全体を通して上位、下位の入れ替わりは小さい。一方で、中間層の順位の入れ替わりが激しい。
(2) 後半の結果
上位
下位
CO2削減ポイント
(a)順位の推移 (b)30位までのポイント付与状況
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
14
3-6 CO2削減ポイントの付与による削減効果の検証
• トリートメントモニターのうち期間中の付与された合計のポイント数が上位1/ 2以上の世帯とコントロールモニターの電力消費量の変化率を比較した結果は下図の通り。
• 付与されたポイント数が多い世帯ほど、前半および後半を通じて電力消費量が抑制されている傾向にあるといえる。
• プログラム終了後、明らかにリバウンドととれる変化はなかった。
(1) モニターグループの比較によるCO2削減効果の検証例
-40%
-20%
0%
20%
40%
60%
80%
0.00
0.34
0.01
0.17
0.01 0.01 0.01 0.00 0.00
0%
10%
20%
30%
40%
週0 週1 週2 週3 週4 週5 週6 週7 週8
コントロール
(N=55)
トリートメント
(ポイント上位)
(N=27)
0.12
0.01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
0.00 0.00 0.00
0.00
0.10
0.20
0.30
0.40
週0 週1 週2 週3 週4 週5 週6 週7 週8 週9 週10週11
電力消費量
の変化率の
差分
P値
電力
消費
量の
変化
率%
電力
消費
量の
変化
率の
差分
%
P値
11月 12月9月 10月
前 半 後 半 終了後
1月
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
0.00
0.67 0.76 0.72
0.23 0.36
0.42
0.90
0.64 0.40
0.13
0.31
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
週0 週1 週2 週3 週4 週5 週6 週7 週8 週9 週10週11
電力消費量
の変化率の
差分
P値
15
3-6 CO2削減ポイントの付与による削減効果の検証
• トリートメントモニターのうちポイント配信メールの閲覧頻度が高い世帯と低い世帯(※)の電力消費量の変化率を比較した結果は、下図の通り。
• ポイント配信メールを参考にした世帯は、後半の4週目以降において消費量が抑制されている傾向にあるが、有意な差ではなかった。
• プログラム終了後、明らかにリバウンドととれる変化はなかった。
(2) 情報の閲覧頻度に応じた電力消費量の削減効果の検証例
-20%
0%
20%
40%
60%
80%
低頻度(N=40)
高頻度(N=26)
電力
消費
量の
変化
率%
電力
消費
量の
変化
率の
差分
%
P値
0.00
0.93
0.65 0.85
0.20
0.54
0.24
0.80 0.76
-5%
0%
5%
10%
15%
週0 週1 週2 週3 週4 週5 週6 週7 週8
前 半 後 半 終了後
11月 12月9月 10月 1月
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
※ポイント配信メールを確認し、次週の省エネ行動の参考にした世帯を「高頻度」、参考にしなかった世帯を「低頻度」とした。
項 目 変 数係 数 αn
式 1 式 2 式 3 式 4
(切 片) - -0.092 *** -0.092 *** -0.020 0.00040
平均冷房度日 [DD/日] CDDi,w 0.0080 0.0035 -
平均暖房度日 [DD/日] HDDi,w - - 0.063 *** 0.075 ***
HEMSの閲覧頻度ダミー HD1i 0.0148 - -0.0407 -
HEMSの閲覧頻度ダミー×平均冷房度日 [DD/日] HD1i CDDi,w -0.0090 - - -
HEMSの閲覧頻度ダミー×平均暖房度日 [DD/日] HD1i HDDi,w - - 0.011 . -
メールの閲覧頻度ダミー HD2i - 0.0017 - 0.00050
メールの閲覧頻度ダミー×平均冷房度日 [DD/日] HD2i CDDi,w - -0.00060 - -
メールの閲覧頻度ダミー×平均暖房度日 [DD/日] HD2i HDDi,w - - - -0.013 *
重決定係数 R2 0.0040 0.0020 0.59 0.59
p値 0.537 0.771 <2.22E-16 <2.22E-16
n(世帯数) 69 69 66 66
T(週数) 8 8 6 6
N(=n×T) 552 552 396 396 16
3-6 CO2削減ポイントの付与による削減効果の検証
• 閲覧頻度の違いによる効果を検証するために、ランダム効果モデル(※)を用いた。• 式4において、ポイント配信メールを参考にした世帯においては、暖房に対する気温感応度が有意に低く、消費
量が抑制される傾向にあることが示唆された。※ランダム効果モデル:回帰分析の一種であり、世帯個別の消費量を「世帯効果」として誤差項(今回は切片)に含めることでその影響を分離し、介入の
効果を回帰係数の有意性で判断する線形モデル。
(3) 回帰分析によるCO2削減効果の検証
PRi,w = α0 + α1 CDDi,w + α2 HD1i + α3HD1i CDDi,w + εi,w
統計的有意性: *** 0.1%, ** 1%, * 5%, . 10%
PRi,w = α0 + α1 CDDi,w + α2 HD2i + α3HD2i CDDi,w + εi,w
式 1
式 2
PRi,w = α0 + α1 HDDi,w + α2 HD1i + α3HD1i HDDi,w + εi,w
PRi,w = α0 + α1 HDDi,w + α2 HD2i + α3HD2i HDDi,w + εi,w
式 3
式 4
PRi,w : 電力消費量の変化率 %, i:モニター, w:週次εi,w : 世帯効果(誤差項)
前 半 後 半
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
17
3-6 CO2削減ポイントの付与による削減効果の検証
• 本プログラムに参加したモニターは、普段から省エネ行動を実行している割合が多い。• プログラム参加により、特に情報の閲覧頻度が高いモニターは、省エネ意識が向上する傾向にある。
(4) CO2削減ポイントプログラムの実行要因の分析と効果向上に向けた考察
0%
20%
40%
60%
80%
100%
低頻度
(N=32)
高頻度
(N=34)
低頻度
(N=40)
高頻度
(N=26)
HEMSの閲覧 ポイント配信メール閲覧
満足しなかった
あまり満足してい
ないやや満足した
満足した
p=0.024 p=0.101
0%
20%
40%
60%
80%
100%
低頻度
(N=32)
高頻度
(N=34)
低頻度
(N=40)
高頻度
(N=26)
HEMSの閲覧 ポイント配信メールの閲覧
減った
普段と変わらない
増えた
p=0.026 p=0.000
0%
20%
40%
60%
80%
100%
低頻度
(N=32)
高頻度
(N=34)
低頻度
(N=40)
高頻度
(N=26)
HEMSの閲覧 ポイント配信メールの閲覧
向上しなかった
あまり向上しな
かったやや向上した
向上した
p=0.025
関係の有意性(カイ二乗検定による)
p=0.001
0%
20%
40%
60%
80%
100%
トリートメント
(N=69)
コントロール
(N=58)
モニター活動期間に関係なく、普段から省
エネ行動はしていない
モニター活動期間前はしていないが、モニ
ター期間中はしていた
モニター活動期間前はしていたが、モニター
期間中はしていない
モニター活動期間に関係なく、普段から省
エネ行動をしている
普段の省エネ行動の実行状況
自身の省エネ行動の変化
自身の省エネ意識の変化
活動に対する全体的な満足度
関係の有意性(カイ二乗検定による)
関係の有意性(カイ二乗検定による)
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
18
3-7 まとめ
• HEMSを活用し家庭に低炭素を促す新たな仕組みの一案として、CO2削減ポイントプログラムを試行実施した結果得られた成果は、以下の通り。
• プログラムに参加することによって省エネ意識の向上につながり、意欲的に削減努力を行った世帯ほど、インセンティブを付与することができていた。
• ただし、情報の閲覧頻度と消費量との関連については有意差が得られず。普段から省エネ行動を実行しており意識の高い世帯を対象としたためであると考えられる。ただし、冬季期間(後半)における気温感応度 (温度に対する消費量の増減割合)に関する削減効果については有意差があることを確認。
• プログラム終了後に、明らかにリバウンドと取れる消費量の変化はなかった。ただし、より長期間の観測が必要。
検証項目①インセンティブの付与で消費量が
抑制されるか?
プログラム終了後のリバウンド
満足度, 意識向上「トリートメント」
vs 「コントロール」「ポイント上位」
vs 「コントロール」HEMSの閲覧頻度
「高」 vs 「低」メールの閲覧頻度
「高」 vs 「低」
検証項目②情報の閲覧頻度が高い世帯において、消費量が抑制される傾向にあるか?
検証項目③プログラム終了後、リバウンドしない?
検証項目④プログラム参加で、意識向上するか?
• トリートメントとコントロールでは有意差見られず。
• ポイント上位(N=27)とコントロールでは有意差あり。
△
△
前
半
後
半
◯◯◯◯
◯◯◯◯
△
△
△
△
-
△
◯◯◯◯
◯◯◯◯
• 閲覧頻度の差による有意差は見られず。• ポイント配信メールを参考にした世帯は、気温感応度が低い傾向が見られる。
• プログラム終了後、明らかにリバウンドととれる変化はなし。
• より長い期間の経過観測が必要。
• プログラム参加により省エネ意識は 向上。
• 意識は向上したが、省エネ効果は見られず。
3.CO2削減ポイントプログラムの効果検証(効果検証②)
〇:有意水準10%で有意差があった。 △:有意水準が10%に満たなかった。