Chapter3

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第3章 データリンク 担当:大木 亮平

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第3章 データリンク担当:大木 亮平

データリンクとは?

• OSI参照モデルの下から二番目の層• 直接的に接続されているコンピュータ間の通信を可能にするプロトコル

• 具体的な通信手段(Ethernet、無線LAN、MPLS等)

データリンク層と物理層がなければTCP/IPによる通信は成立しない

• 物理層は2進数の0と1を電圧の変化や光の点滅に変換する

• データリンク層ではやり取りされる電気信号をデータとして認識し、コンピュータ同士が処理できる形にする

• 単なる数字の列ではなく、フレームという意味のあるかたまりにまとめて相手の機器に伝える

フレーム?

• OSIモデルでのデータ通信は上位層から順番に“ヘッダ”と呼ばれる制御情報を付加していく(第1章参照)

• フレームとはデータリンク層でのデータの単位(PDU)のことをいい、データリンク層で付加される制御情報のことをフレームヘッダという

• フレームの最後に“FCS”と呼ばれる誤り検出用のビットも付加される(後述)

• データリンクに接続しているノードを識別するために利用される

• 世界で同じMACアドレスを設定されている製品はひとつしかない

• 何故か?→MACアドレスの3~24ビットはベンタ識別子と呼ばれ、カードの製造メーカーごとに特定の数字が割り当てられる

• 25~48ビットはメーカーが製造したカード(ネットワークインターフェース)ごとに違う数字を割り当てる

MACアドレスネットワークを構成する一つ一つの要素のこと (ex. コンピュータやハブ、ルータ)

MACアドレス

• 通信媒体を複数のノードで共有するネットワーク• 基本的には半二重通信であり、通信の優先権を制御する仕組みが必要(例:無線式トランシーバー)

• 宛先のコンピュータを識別するのにMACアドレスを使う• コンテンション方式、トークンパッシング方式

媒体共有型のネットワーク

• 通信媒体を共有せずに専有する方式• ステーションはスイッチと呼ばれる装置に直接接続され、そのスイッチがフレームを転送します

• 基本的には全二重通信(例:電話)

媒体非共有型のネットワーク

• データの送信権を競争で奪い取る方式• 早い者勝ちで通信路を利用してデータを送信• 複数のステーションからデータが同時に送信された場合、互いのデータが衝突(Collision)し壊れてしまう

• ネットワークが混雑すると急激に性能が低下• Ethernetはこの衝突を早期に検出し、素早く通信路を解放する制御を加えたCSMA/CD(Collision Detection)方式を採用(後述)

コンテンション方式 (CSMA)

データリンクの種類

Ethernet

• データリンクの代表選手• 現代のLANでは、主に物理的な規格である「イーサネット」と、通信内容の取り決めを決めた「TCP/IPプロトコル」の組み合わせが一般的である。(Wikipediaより)

• 通信ケーブルや通信速度が違う数多くの仕様がある• 10Mbps, 100Mbps, 1Gps, 10Gps• MacBook Pro: 10/100/1000BASE-TギガビットEthernetを標準装備

• UTPケーブル:一般的なイーサネットケーブル

EthernetとCSMA/CD方式

• データが流れていなければすべてのステーションはデータを送信してよい

• 衝突が発生したかどうかを検出し、衝突が発生した場合には送信をやり直す

• スイッチとツイストペアケーブルや光ファイバーケーブルを使ったイーサネットの場合、スイッチのポートとコンピュータを1対1で接続でき、さらに送受信をケーブル内の別々の線で行うことができる → 全二重通信が可能となる

Ethernetのフレームフォーマット

• 宛先MAC - 宛先のノードのMACアドレス• 送信元MAC - イーサネットフレームを作り出した送信元ノードのMACアドレス

• タイプ - データ部で運んでいるプロトコルを表す番号• イーサネットの上位層のプロトコルを示している• データ - タイプで示されたプロトコルのヘッダやデータ• FCS (Frame Check Sequence) - フレームが壊れていないかをチェックする

MPLS (Multi-protocal Label Switching)

• IPアドレスを元にして転送するのではなく、それぞれのIPパケットに「ラベル」という別の値を設定し、そのラベルを元にして転送する方式 = ラベルスイッチングその代表 = MPLS

• MPLSのラベルはMACアドレスのようにハードウェアと直接対応したものではない (Ethernetとの違い)

• データリンクプロトコルと同じ役割をするものではなく、それらの階層とIP層との間の階層で機能するプロトコルと考えることができる

MPLS (Multi-protocal Label Switching)

• 利点1:転送処理の高速化• 利点2:ラベルを利用して仮想的なパスを貼り、その上でIPパケットを使った通信ができる

無線通信

• 無線PAN (Personal Area Network) →Bluetooth

• 無線LAN (Local Area Network) →Wi-Fi

• 無線MAN (Metropolitan Area Network) →WiMAX

• 無線RAN (Regional Area Network) →?

• 無線WAN (Wide Area Network) →3G, 4G, 次世代携帯

通信距離

無線LAN

“ MacBookのAirMac: Wi-Fi(IEEE 802.11n規格準拠)を標準装備IEEE 802.11a/b/gに対応 ”

無線LAN

• IEEE 802.11→1997年にIEEEで最初に規格統一された無線LAN規格→物理層で電波もしくは赤外線を用い、1Mbpsもしくは2Mbpsの通信速度を実現

• IEEE 802.11b / IEEE 802.11g→無線LAN市場が一気にブレイクする起爆剤になった規格→2.4GHz帯の電波を用い、最大11Mbpsの通信速度を実現(802.11gは最大54Mbps)

• IEEE 802.11a→IEEE 802.11aを使用した実際の商品は2002年頃に登場→5GHz帯の電波を用い、最大54Mpbsの通信速度を実現→電子レンジなどで使われる2.4GHz帯を利用しないため、干渉を受けにくい傾向にある

無線LAN

• IEEE 802.11n→2.4GHz/5GHz帯の電波を用い、最大伝送速度600Mbps、実効速度で100Mbps以上の実現に向け策定された規格→IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11gとの相互接続も可能

無線LANとWi-Fi

• Wi-FiとはWi-Fi Alliance(無線LANの業界団体)が実施しているIEEE802.11**の無線LANに対する相互接続互換性を保証(検証)する試験の事、またはその認証の事を示す

• この認証を取得していると、(ある程度の)相性問題の出にくさが実証されている事が第三者の認証機関によって確認されていることが分かる

Bluetooth, WiMAX

• BluetoothはIEEE 802.11b/gと同じ2.4GHz帯の電波を用い、3Mbpsの通信速度を実現

• WiMAX (Worldwide Interoperability for Microwave Access)はマイクロ波を用い、IEEE 802.16の中で標準化が行われている

モバイルWiMaxルーター

PPP (Point-to-Point Protocol)

• 1対1でコンピュータを接続• 上位層に依存しないプロトコルLCP• 上位層に依存するプロトコルNCP• 電話回線やISDN、専用回線(専用線)、ATM回線などで利用されている

• 最近ではADSLやケーブルテレビなどを使ったインターネット接続でPPPoE (PPP over Ethernet)として利用される

• PPPoEはイーサネットのデータ部にPPPのフレームを格納して転送

PPPとPPPoEのフレームフォーマット

• PPPのフィールドフォーマットではFCSの計算をすべてコンピュータのCPUが処理しなければならない→大きな負荷

• PPPoEによりイーサネット上でコネクションを管理すれば、PPPの認識機能などを利用してプロバイダが顧客の管理をしやすくなる

ATM (Asynchronous Transfer Mode)

• 「非同期転送モード」• データを「ヘッダ5オクテット」+「データ48オクテット」のセルと呼ばれる単位で処理するデータリンク

• 回線の占有時間が短い → 大容量のデータを効率よく転送• 主に広域を結ぶネットワーク• 銀行ATMはAutomated Teller Machine

ATM (Asynchronous Transfer Mode)

• イーサネットのような送信権の制御はない• AAL (ATM Adaptation Layer)と呼ばれる上位層と共に利用(48オクテットのデータ部にIPヘッダやTCPヘッダを入れたのでは上位層のデータをほとんど送ることができないため)

FDDI (Fiber Distributed Data Interface)

• 光ファイバーやツイストケーブルを用いて100Mbpsの通信速度を実現

• 現在はギガビットイーサネットなどに押され使われなくなってきている

• トークンパッシング方式を採用

Token Ring

• 4Mbpsまたは16Mbpsの通信速度を実現• IBMによって開発• トークンパッシング方式• CSMA/CD方式と違ってパケットの衝突(コリジョン)が生じないため、初期の10BASEイーサネットと比べると性能や安定性の面で優れていたが、イーサネットの高速化・低価格化やスイッチングハブの登場により優位性を失った(Wikipediaより)

その他いろいろ

• 100VG-AnyLAN• ファイバーチャネル (Fiber Channel)• iSCSI• HIPPI• IEEE1394• DOCSIS• 高速PLC(高速電力線搬送通信)

データリンクの技術の変化

• 同軸ケーブル上で利用されるイーサネット(10BASE2、10BASE5)では同時に1つのホストしかデータを送信できない           ↓  媒体非共有型で利用されていたスイッチ技術をイーサ  ネットなどでも利用できるスイッチングハブ、イーサ  ネットスイッチの登場

• 他のデータリンクとイーサネットの変換をする変換ブリッジ機能、ループを検出するためのスパニングツリー機能、VLAN機能などを持つ製品も登場

同軸ケーブル

データリンクの技術の変化

• ループ:通信ネットワークで配線が環状になっている状態• 最悪の場合フレームが永久にコピーされ続け、ネットワークがメルトダウンする

• スパニングツリー方式、またはソースルーティング機能を持ったブリッジを使うことにより、ブリッジでループのあるネットワークを構成しても問題なく通信できる

VLAN (Virtual LAN)

• VLAN技術を利用できるブリッジ(スイッチ)を使えば、ネットワークの配線を変えずにネットワークの構造を変えることができる

• 単純なVLAN構造では、ルーターの機能を備えたスイッチ(レイヤ3スイッチ)を利用するか、セグメント間をルーターで結ばないといけない

タグVLAN

• IEEE 802.1Qで標準化されたタグVLANは異なるスイッチをまたがるセグメントを構築できるようにVLANを拡張した

• セグメントごとにIDを設定

まとめ

• ネットワークがあり、(媒体共有型or媒体非共有型)• データリンク(Ethernet、無線...)でフレームが伝達される• データリンクによってはフレームの構成が変わる• データリンクの技術の変化によりネットワークも変化

• http://win.kororo.jp/archi/tcp_ip/tcp_ip.php

• http://www.alpchat.com/addcomment-id-74-view-10-Gigabit-ethernet-NIC-TN7588--S.html

• http://www.hieda.net/pcnwbt/tcpip/doc/l2.htm

• http://www.itbook.info/study/p27.html

• http://atnetwork.info/ccna2/ppp1.html

• http://akademeia.info/index.php?VLAN

参考