中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス ·...

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中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス 誌名 誌名 農業および園芸 = Agriculture and horticulture ISSN ISSN 03695247 巻/号 巻/号 832 掲載ページ 掲載ページ p. 250-259 発行年月 発行年月 2008年2月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス

誌名誌名 農業および園芸 = Agriculture and horticulture

ISSNISSN 03695247

巻/号巻/号 832

掲載ページ掲載ページ p. 250-259

発行年月発行年月 2008年2月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

250

中 晩生カンキツ の 果 皮 障 害 の発生要因と発症プロセス

藤津弘幸*

〔キーワード) :中晩生カンキツ,貯蔵,果皮障害,

1青見水分損失,低温

はじめに

わが国のカンキツ類の生産量は減少に転じて久

しいが,減少に歯止めがかからないウンシュウミカ

ンに対して,中晩生カンキツ類はここ十数年ほどの

間,年間 50万 t程度の生産量を維持している.そ

の中で,かつて主力で、あったナツミカン,ハッサク ,

イヨカンが減少傾向にある一方,ウンシュワミカン

とオレンジの交雑により育成された‘清見'やその

後代品種の‘不知火, (' 1青見 x ‘中野 3号'ポ

ンカン),‘はるみ, (‘清見'xポンカン‘F-2432')

などが急速に増えつつある.

マ青見'は,生食用としても加工向きにも優れた

品質特性を持っているが,収穫後に果皮障害を生じ

やすいという欠点がある.中晩生カンキツ類は厳寒

期の寒害を避けるために年内に収穫され,貯蔵によ

り出荷期調整を行うことが一般的である.そのため,

貯蔵中に発生する果皮障害は大きな問題となる

カンキツ類の果皮障害は低温に起因する生理異

常という視点から論じられることが多く,果皮障害

を避けて安全に貯蔵することのできる低温限界は

オレンジ類では 2~30C,グレープフルーツやポメロ

類では概ね 100

Cとされている (Ladaniya2003) .

ところが‘清見'やハッサクは,常温で保存した場

合でさえも収穫の 1カ月後くらし、から,こはん症,

ピッティング,ヤケ症などと呼ばれる症状が果皮に

発生し,貯蔵が長期に及ぶと被害は甚大である(山

下 1967,長谷川 ・矢野 1990) .

また,ハッサクの低温障害は低湿度で貯蔵すると

多発すること (Kanlayanaratら 1988,小)11ら 1979,

山下 1967) ,プラスティックフィルムによる包装

やワックスを塗布する処理が多くの品種の果皮障

害防止に卓効を示すこと(阿部ら 1992,Oavis and

Harding 1960,小川・坂井 1979,Wardowskiら 1973)

などから,果皮障害には水分の動態が影響すると考

市東京農業大学農学部 (HiroyukiFujisawa)

えられている.この点に関し,筆者らは, ‘f青見'

をポリエチレン製の袋に入れて(ポリ個装)貯蔵し,

裸のまま貯蔵した場合に比べて果皮障害がきわめ

て効果的に防止できることを確認した(図1) .果

実からの水分の蒸発散を制御することが果皮障害

に対して抑制的に作用することは確かなようであ

る.

筆者らは,農林水産省によるパイオニア特別研究

「水に起因する品質劣化機構の解明によ る果実 ・果

菜類の長期品質維持システムの開発J (l999~2003

年度)の中で, ‘清見'を主たる材料として果皮障

害を軽減する貯蔵技術の開発と障害を引き起こす

要因の解明を試みた本稿ではそこで得られた研究

成果を紹介しつつ,中晩生カンキツにおいて収穫後

に生じる果皮障害の発生要因と発症までのプロセ

スについて論ずる.

なお,本稿で取りあげる研究は,独立行政法人農

業技術研究機構果樹研究所カンキツ研究部(現農

業 ・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ

研究口之津拠点)において実施されたものである.

100

80

、。。、 60

4ロ 40io

-果皮障害

。lE 口健全

ポリ個装 裸果

図清見'を約 4カ月間貯蔵した際の果皮障害による被害

11日間の乾燥予措を施して,温度 5"C,相対湿度 85%で貯

蔵した

0369-5247/08/Y500/ I論文/JCLS

251 藤j宰・中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス

乾燥予措が果皮障害

に及ぼす影響予措せず

100

貯蔵中(視度 50C,相対湿度 84%)の‘清見'における果皮障害の推移

果皮障害は o(可視的症状なし)~3 (症状深刻)の 4段

階に評価し,次式により発生度を求めた果皮障害発生度=工(障害指数×指数別果数)/(3x調査果数)x100

ーく〉ー

採取後日数

50

一念ー 15日間予措

-0- 7日間予措

100

80

60

40

20

制川町線抑制盟制球

図 2

で、は障害発生度は比較的低かったが, 7日間予措の

場合は採取後 35日には障害が発生し, 15日間予措

ではさらに急速に障害が発生,進行した(図 2) .

このように,予措期間による障害発生の違いは顕著

であった.

1青見'についての既報では,低温貯蔵から出庫

後に発生する果皮障害を調査した東地ら(1991)に

よると,予措による減量が 0,2, 5%の場合, 5%減

量予措のみ障害が発生し,0および 2%では発生 し

なかった.また,減量 0,2, 4%の予措処理を行っ

て貯蔵中に発生する果皮障害を調査した田中ら

(1989)の報告でも,減量が大きいほど果皮障害の

発生率が高い傾向にある.筆者らの試験結果と合わ

せると,‘清見'において乾燥予措は果皮障害を助

長すると考えてよかろう

(2)品種による違い

予措の条件を温度 100C,相対湿度 30~35% とし

て数品種を比較した試験では ,y青見'と‘はれや

か'は乾燥予措を施した場合に多数の外観損傷果が

発生し,採取後 1~2 カ月のうちに過半の果実が商

品価値を失った(表 2).これに対し,‘今村温州、l',

‘不知火¥‘はるみ¥‘せとか'では貯蔵法によ

カンキツ果実をポリエチレン製のフィノレムや袋

で密閉して貯蔵すると,果実近傍の相対湿度が飽和

点近くまで高くなり蒸発散が抑制される.このこと

が果皮障害の軽減に寄与すると考えられている.

一方で,ウンシュウミカンは貯蔵中の品質劣化を

抑制するために,貯蔵前に果実重が 3~4%減少する

程度の乾燥予措を実施し比較的低湿度(相対湿度

80~85%) で保存するのが適当とされている.中晩

生カンキツ類でも乾燥予措や高温予措を行う場合

があるが,予措は果実からの水分損失を促進するた

め果皮障害を助長する可能性がある. したがって,

中晩生カンキツにおける乾燥予措の影響を正しく

把握しておく必要がある.

そこで ,y青見'および‘不知火¥ εはるみ

gはれやか, (‘アンコール x‘中野 3号'ポン

カン) , ‘せとか, ((' y青見 x ‘アンコール, )

בマーコッ ト, )といった比較的新しい中晩生カ

ンキツ数品種を対象として,乾燥予措が果皮障害の

発生に及ぼす影響を調査した.

(1)予措条件の違いによる障害の変動

‘?青見'を常温の室内に静置して乾燥予措すると,

果実の生重は 7日間で約 3%,15日間で約 6%,そ

れぞれ減少し,いずれの貯蔵条件でも,乾燥予措の

程度が強いほど、果皮障害発生率は高かった(表1).

(50C, 84%RH)区を例に予措日数別の障害発生度

の推移をみると,乾燥予措を施さずに貯蔵した果実

乾燥予措Zの期間の違いが‘清見'の果皮障害に及ぼす影響

表 1

障害発生率y

(%)

予措 7日間 15日間せず 予措 予措

1.5::!::0.5 88::!::3 0 71.4

1.5::!:: 0.5 93::!:: 5 1.8 55.0 57.8

5::!:: 1.0 84::!::2 5.8 40.0 92.5

5::!::1.0 94::!::4 0 57.1

10::!::1.0 94::!::4 15.8 90.9

z:乾燥予措は,採取した果実を風通しの良い室内に静置して実施したy:採取後60日に測定果皮障害はO(可視的症状なし)~3(症状深刻)の4段階に評価し,指数2以上の果実の割合を障害発生率とした.

相対湿度(%)

貯蔵温度(t)

252 農業および園芸第 83巻第2号 (2008年)

らず外観損傷果の発生は少なかった しかし,これ

らの品種でも,予措を行わない場合に比較すれば,

予措を行った場合に損傷果発生率が高いことが多

かった.

中晩生カンキツ類の果皮障害に対する予措の効

果は品種より異なっており ,ハッサクでは予措の効

果はないとされているが(小)I卜 坂井 1979),グ

レープフルーツは 1O~2 1 0Cの温度で 7 日間の予措

を行うことにより果皮障害を軽減することができ

る (Hattonand Cubbedge 1982) . しカミしながら,

筆者らが試験に供試 した品種は,果皮障害の生じや

すさには随分と違いがあるものの,いずれも乾燥予

措により果皮障害が軽減されることはなかった.少

なくとも‘清見'や‘はれやか'の貯蔵においては,

果皮障害を軽減するために乾燥予措は避けるべき

である.

2 長期貯蔵における 温湿 度の 影響

前章で論じたように,‘清見'など果皮障害を生

じやすい中晩生カンキツは,収穫後に急激な水分損

失があると果皮障害が誘発,助長される.したがっ

て,果皮障害を軽減するためには,水分損失の少な

い低温高湿度条件で貯蔵することが望ましいと予

想することができる しかしながら,カンキツ類は

80~90%RH 程度の比較的低湿度で貯蔵されること

が一般的である.

そこで筆者らは,相対湿度 95%以上という高湿度

条件を実現可能な冷温高湿貯蔵技術(田中ら 1998)

を用し¥ , j:青見'を材料として数カ月間にわたる長

期貯蔵を試みた.

表 2 中晩生カンキツ新品種の貯蔵中に発生した外観損傷果の割合(%)

(1)高湿度条件による外観保持効果

‘清見'を,乾燥予措を施さずに種々の温湿度で

貯蔵したところ,IOCの場合を除き ,98%則 4以上の

高湿度条件で果皮障害の発生は低い水準に抑える

ことができた(図 3) .一方,低湿度条件では大多

数の果実が障害を生じた

これまでにハッサクでも, 90~95%RH の高湿度

条件で貯蔵すると 70~85%即f の場合に比較して果

皮障害の発生率が低く症状の程度は軽微であるこ

とが報告されている (Kanlayanaratら 1988) .‘清

見'では,果実をポリ袋で密閉して貯蔵しても障害

を完全に回避することはできないことから,湿度の

影響は決定的ではないとの見方もあるが,筆者らの

試験結果によれば湿度条件が果皮障害に大きく影

響することは明らかである.'i青見'は,乾燥予措

を避けて適当な温湿度条件に貯蔵した場合には,

4~5 カ月の長期にわたって外観を保持できるので

ある.

ところで,低湿度条件では貯蔵期間の後半に果皮

が褐変せずに萎れる症状が多発した.これに対し,

高湿度の(lOC,98%RH)と(l20C,98%RH)では

果実重の減量が比較的小さく ,21週間の貯蔵後も萎

れは発生しなかった.しか しながら, (60C,98%問。

では採取後 21週目には萎れが多数発生し,このと

きの果実重減少率は 11.9%に達していた.このよう

に,相対湿度を高く維持しでも貯蔵が長期に及んだ

場合には果実の水分損失は免れず,水分損失の程度

に応じて萎れなどの症状が生じるため,高湿度条件

による外観保持効果には限界があると言わざるを

えない.

(2)温度の影響と低温に起因

する果皮障害

乾燥予措は実施せず

貯蔵湿度

乾燥予措を実施1青見'の果皮障害と温度の関係につ

いてはこれまでにいくつかの報告があ

り,長谷川 ・矢野(1990)によると,‘清

見'果実を 2~200Cで貯蔵したとこ ろ,

品種(貯蔵日数)85%RH

>98%RH >98%RH 85%RH

今村I創刊 (89) 1.6 0 8.6 9.5

清見 (35) 13.3 10.0 62.1 70.0

不知火 (83) 4.5 7.0 4.3 11.4

はるみ (56) 5.0 4.8 4.3

はれやか (50) 10.0 0 51.9 40.7

せとか (83) 8.3 5.8 15.0 12.8

注)乾燥子描「は温度 100C,相対湿度30~35%の貯蔵庫に果実を静置して実施し,果実重が5~7%減少した時点(処理期間13~17 日)で貯蔵を開始した貯蔵楓度は50Cーなお,果皮障害や萎凋などによりわずかでも外観に取庇を生じた果実を損傷果と判定した.

2~3 カ月間の範囲では,低温の場合ほど

こはん症の発生が少なかった.また,佐

藤ら (1983)は2,8, 160C,田中ら(1989)

は 20C~常温の温度範囲で,いずれも約

3カ月間貯蔵 し, やはり低温ほど障害の

発生は軽微であったと報告している.筆

者らによる試験では,60Cと120Cを比較

そこで,筆者らは,果皮障害の発生過程で生じる

生理的変化を捉えるために,貯蔵中のカンキツ果実

における遺伝子発現の解析を試みた.

(1)貯蔵中のカンキツ果皮で発現す

る遺伝子

まず,筆者らは,PCRを利用したデ、イフアレン

シャルデ、イスプレイ法によって mRNAを分析し, 3

種の注目すべき PCR産物を単離した(図 4) .

採取直後の‘興津早生'果実から単離された

CS1901は,ヒマワリやタバコでオーキシンにより

発現が誘導される遺伝子と高い相同性を示 した.同

じく採取直後の果皮で検出された CS2002は, トマ

トのプロテアーゼインヒビター遺伝子と相向性が

高かった この遺伝子はオーキシンに誘導され,幼

植物の根において NAA処理により転写が増進する

とされている (Youngら 1994)

また,シリカゲ‘ルを充填したデシケータに密封し

て9日間貯蔵した果実で検出された CS1009は, 7~

8日の断水により水分ストレスを与えられたモロコ

シの幼植物で発現する遺伝子と相向性が高かった.

低温低湿度に貯蔵されたウンシュウミカンの果皮

は,わずか数日では外観上なんら変化がみられない

にもかかわらず,すでに水分ストレスを感受してい

た可能性がある

これらの PCR産物が見出されたとしづ 事実は,

253

(図 3)

藤津.中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス

した場合は低温ほど障害が少なく

で既往の知見と一致していた.

一方,(l"C,98%RH)では果皮障害が多発した.

この条件では果実からの水分損失はきわめてわず

かであり ,また,初期症状は‘パレンシア'オレン

ジやグレープフルーツで観察される低温障害と類

似していた.したがって,この現象は,水分動態と

は無関係に低温が原因となって発生した温障害と

考えるべきであろう.既往の報告の中には‘清見'

について 20

Cの貯蔵温度を試みたものがあるが,い

ずれも 3カ月以内に試験を打ち切っており ,20

Cで

さらに長期間貯蔵した場合にこのような低温障害

が発生するかどうかは不明である.しかし,‘清見'

を3カ月以上の長期間にわたって貯蔵するためには,

10

Cの温度条件が低温すぎて不適であることは明ら

かである.本試験から判断する限り ,‘清見'の長

期貯蔵において果皮障害を回避,軽減できる最適温

度は 60

C程度であると言うことができる

この点

3.果皮障害に関連する遺伝子発現

前章でみたとおり,貯蔵後に発生する果皮障害の

程度は貯蔵条件によって大きく異なる.したがって,

果皮の生理代謝は貯蔵中の早い時期から温湿度に

応じた違いが生じているに相違ないが,この点に関

する知見は少ない.

果皮障害口果皮障害+萎れ日果皮の萎れ日健全• ~~

-.・.・.・4

・.

100

80

60

40

20

(ポ)時川町線

12 17 21 7 12 17 21 7 12 17 21 7 12 17 21 7 12 17 21 7

0

貯蔵期間(週)

12"C, 86%RH

図 3 さまざまな温湿度に貯蔵した‘清見'の健全果,障害果,萎れ果の割合

98%RH 以上の高湿度とした貯蔵庫は,果実の腐敗およびカピの発生を防止する目的で,オゾン (50~ 1 20ppb) と負イオン (2~

8XIO'/cm3) を充満させた。果皮の褐変を伴わない萎れ症状は果皮障害と区別し,それぞれの発生率を求めた

60C, 84%RH 12

0

C, 98%RH 60

C, 98%RH 10

C, 98%RH 貯蔵温湿度

254 農業および園芸第 83巻 第2号 (2008年)

CS1901 : ACCCCCGAAG CCCGAATCCG ATATGATAGC CTTGATCCAC CATGCCATTG ACAGTGGCAT CACTTTACTT GACACTTCCG ATTCTTACGG

ACCTCACACA AATGAAATCC TTCTGGGCAA GGCTCTGAAA GGAGGGTACA GAGGAAGAGT TGAATTGGCT ACTAAATTTG GTATCAGATA

TGAGGATGGC CAGTACTCAT ACTGTGGGGA TCMTGCTTAT GTAAGAGCTG CATGTGAGGC CAGCTTGAAG CGTCTGGATG TTGACTGTAT

TGATCTTTAT TACCAACATC GCATTGACAC TAAAGTTCCC ATTGAAGTCA CGGTTTGTCG TTTTTAATTT ATATATTTGT CTCAATCATG

CATGTTAAAC TATATTAGTC TGTTAGCCTC TGGGTAGCTC GGCTGGCAAT GAATATGAAA CACAGAATAT TTAAAAATAC AGACATGGGT

CACTTCGGGG GT

CS2002 GGACCCTTCA ACTCTATCCT AAGCATAGCA TCGCAGCTCT CACCATGCCT TCTTTTCAAA CCCTCTCTTC CACACACAAA CTCTCGAAAA

ACAATTAGCT CATCGGGCCT GGGACGACTA AAATGACAAA CTTTGGAACT AAAACCTACA CGTCTAGCAT ACTCATCATA GAAAGTCTTG

GCAGCATCTT CAGTATGAAA TTCCATACCC ACGTAAGGGT CC

CS1009 : CTGCTGGGAC CCTTACAAAG AATCATCATT ACAAAAATTA TTATTTGCAA TGGCAAAAAA TAGGCTTCTA GATATACCTT TGTCATTATT

GCGAGAACGC ATAACATGAA AAGCAATCAT AGTCAGTACT AACATTCATC ACAAGTCATA TCAGATCAGA AAGTGAATGG AATAACAGAA

TTTGAACGTC CAAACTTAAA TAAACAGAGG CTACAACAAC AAACTCAGAT AAGTCAACAT TGTTTCCTTA AAAGAAAAAA ACAGAACAAA

ACCAAAGGCA GCAAAAAATG AATCTAGTCG CCAGCAATCG ATAATGGCAA AAGCSNTTAC AGCTTGTCTT CATATTCAGA GAGGGGGGTC

ATCTGTTCCT TCAAACCCTT CCTCTTCCTA ATATCCAAAA CAAGCTGTGA AGCCTGGGAT CCCGGCTCCA ATGGATCAGA TGACATCATG

TCCCAGCAG

図 4 PCR産物 3種 (CSI901,CS2002, CSI009)の塩基配列

貯蔵視湿度 l"C, 98%RH 6"C, 98%RH 6"C, 84%RH 12"C, 98%RH 120C, 86%RH

採取後日数 4 16 32 49 66 2 4 8 16 32 49 66 n 2 4 8 163249 66 2 4 8 16324966 n 2 4 8 16 32 49 66

SC1901

SC2002

SCl009

図 5 さまざまな温混度に貯蔵した‘清見'果皮における遺伝子の発現パターン

貯蔵中のカンキツ果皮においても他の植物にみら

れるストレス応答反応と同様の生理代謝が進行し

ていることを示唆するものと言えよう

(2)異 な る温湿度に貯蔵した‘清見'

果皮における遺伝子発現の解析

次に,前述した PCR産物について,図 3に示し

た‘清見'の果皮障害の発生経過と対応させながら,

種々の温湿度条件における発現パターンを

RT-PCRにより解析した.

その結果,貯蔵初期においては各区における障害

発生度に大きな差異がなかったにもかかわらず(図

3) ,遺伝子発現には違いが認められた(図 5).す

なわち, CS1901はいずれの条件でも発現がみられ

たが, (60

C, 98%RH)では他の条件に比較して貯蔵

期間を通して発現が弱かった.これに対して,

(120C, 86%RH)では採取後 8日まで、発現が強かっ

た.また, CS2002 も,他 の条件に比較して

(l20

C, 86%RH)で貯蔵期間を通じて発現が強かっ

た.

これら二つの遺伝子は,長期貯蔵後に深刻な障害

が発生した高温低湿条件(l20

C,86%問。において,

障害症状が現れる以前の段階で発現が認められた

わけである.このことから,これらの遺伝子発現は,

果皮障害が生じる過程のきわめて初期の生理代謝,

あるいは果皮におけるストレスの感受と何らかの

関係があると推測することができる.

一方, CS1009は(lOC,98%RH)で採取後 4日と

16日に強し、発現が認められ, 60

Cおよび 120

Cでは発

藤j零:中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス 255

現がわずかであった 前述したように, lOCでは褐

斑症状とは異なる低温による障害症状が発生した.

したがって,この遺伝子は果皮が低温障害を生ずる

ような温度環境に遭遇したことを感受して強く発

現したと考えることができる.

これまでに,障害症状の現れた 1青見'果実は健

全果に比べて呼吸量やエチレン生成量が大きいこ

とが明らかにされている(阿部ら 1992) .筆者ら

の試験により,症状の発症する以前から,果皮にお

ける遺伝子発現は貯蔵環境に応じて異なっている

F

6"C, 98%RH (採取後92日)

120C, 98%RH (採取後49日)

6"C, 84%RH (採取後92日)

12"C, 86%RH (採取後49日)

図 6 種々の温湿度に貯蔵した‘清見'果皮のフラベド組織切片(目盛り全長=1mm)

ことが明らかとなった.カンキツ果皮障害の発生過

程では,収穫後早い時点、で果皮が環境の影響を感受

して生理代謝に変化を生じ,その結果として貯蔵中

あるいは出庫後に症状が外観に現れると理解する

べきであろう.

4. 果皮障害の発生過程に

おける組織形態の変化

前章では,果皮障害の発生過程では貯蔵条件に

よって遺伝子発現レベルで違いがみられることを

示した.次に,果皮障害の徴候お

よび障害症状の特徴を解剖学的見

地からみてみよう .材料は図 3の

試験の 1青見'である.

(1)果皮障害の徴候とし

ての油胞の形 態 変化

‘清見'の果皮のフラベドは,

直径 1~ 1. 5mm程度の卵形をした

油胞とその聞を埋めるノト型の細胞

群とで構成されている.光学顕微

鏡で観察すると,油胞周辺に位置

する 3~5 層程度の細胞群は細胞

壁が肥厚しており,この厚みのあ

る細胞壁が連続的に油胞全体を取

り囲み,あたかも油胞の輪郭を形

作っているかのようである(図 6).

油胞に注目して各温湿度におけ

る経時的変化をみると,障害症状

が最も軽微であった (60C,98%

RH)では,採取後 92日の時点で

もフラベドの組織構造に大きな変

化は認められなかった(図 6左上).

これに対して,障害発生度が比較

的高かった(6"C,84%RH) では,

採取後 92日の段階で油胞の構造

に変化が認められた.すなわち,

油胞周縁部の細胞壁にほころびが

みられ,肥厚した細胞壁を持つ細

胞群は張りのない扇平な形状に変

形していた(図 6右上).同時に,

試料は 2%グノレタノレアノレデヒド液で固定し,パラフィンに包埋して果皮表面に対し

て垂直方向に薄切(厚さ 10μm)した.染色は 0.1%卜ノレイジンブノレーo水溶液を用

いた

油胞の輪郭は均整を失っており,

引き延ばされ歪んだ卵形のようで

あった.

256 農業および園芸第 83巻第2号 (2008年)

障害の程度が最も深刻で、あった(120C,86%則。では,採取後 49日の時点で先に述べたような形態

変化が認められた(図 6右下).一方, (120

C, 98%

即'1)では,閉じ時点で,油胞は卵形の輪郭を維持

していた(図 6左下).このように, (120

C, 86%RH)

では,採取後 49日の時点で果皮障害の症状はほと

んど観察されなかったにもかかわらず,油胞の組織

構造はすでにダメージを受けていたすなわち,可

視的な障害症状が現れる以前に,フラベドの組織構

造に変化が生じていたのである.ここで見られた油

胞の形態変化は果皮障害の徴候と考えることがで

きる.

田中 ・佐藤(1995)は, ‘清見'果実を 60Cで約

3カ月貯蔵後に出庫し,果皮の障害部を顕微鏡観察

して,表層より 2~7 層の細胞が帯状に壊死してい

ることを見出した.そして,表皮に近い部分の小型

の細胞とそれに続くやや大型の細胞の境界付近で

最初に細胞の壊死が起こり,それをきっかけに果皮

障害の症状が発達すると考察した.

しかし,筆者らの観察によると,納胞の組織構造

はさらに早い時期から形態変化を生じていた.した

がって,果皮障害の端緒となる形態的あるいは生理

的変化は採取後きわめて早い時期にすでに生じて

おり,果皮表層付近の細胞の形態変化は遅れて生じ

ると考えることができる

(2)障害症状部のフラベド内部の形態

‘1青見'の果皮障害における典型的な可視的症状

図 7 果皮障害が発生した‘清見'果実の外観

(12'C, 86%則1)で 155日間貯蔵 した後, 25'Cで 12日間保存

した

は果皮表面に斑点状に現れる褐斑症状である(図 7).

この症状の発達した部位では油胞聞の組織が収縮,

陥没し,油胞が突出した状態となる.

顕微鏡観察によると,褐斑部の油胞は輪郭が不整

形となり,油胞周縁部の大型の細胞は著しく変形し

ていた(図 8) .表皮から数層の極小型の細胞が連

続する組織構造は完全に崩壊し,黒色に染色された.

同様の染色状況が油胞聞の組織の一部にも見られ

た.果皮が褐色化したことを考え合わせると ,これ

らの部分の細胞墜には何らかの二次代謝産物が沈

着した可能性が高い

‘ネーブ、ル'オレンジの果皮障害部を顕微鏡観察

した牧田(1985) は,油胞聞の表層下 6~9 層や油

胞より数層アノレベド側の細胞が変形していること

を見出した さらに,組織化学的反応を調査し,

‘ネーブル'オレンジ,ハッサク,‘カワノナツダ

イダイ'などの障害症状部では組織の一部にリグ、ニ

ンが存在することを認め,症状の進行に伴って二次

的に生じたものであろうと考察している.

図 8 'i青見'の果皮障害症状部のフラベド組織切片

藤津 中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プロセス 257

筆者らの観察でも,表層の構造の崩壊および表層

からアルベド側へ続く油胞聞の細胞の変形と 二次

代謝産物の沈着が観察され,既往の知見を裏付ける

結果となった.

以上より ,果皮障害の発生過程では可視的症状が

生じるよりかなり以前から果皮の油胞の組織構造

がダメージを受けており,やがて表層付近の組織が

変形,褐色化することにより障害症状が顕在化する

と考えることができる.

5. 中晩 生カ ンキツ類における

果皮障害の発 生プロセス

中晩生カンキツ類において貯蔵により発生する

‘果皮障害の主因は低温だろうか.あるいは,果実か

らの水分損失であろうか.

青果物に低温障害が生じる際に水分損失が果た

す作用について,次のような見解が出されている

キュウリやトウガラシ (Morrisand Platenius 1939) ,

あるいはナス(阿部ら 1974)は,低温かっ低湿度

で貯蔵した場合に障害(ピッティング)が多発し,

高湿度条件では症状が軽減される.また,障害の初

期段階では表層より数層内側の細胞が損傷を受け

る.これらのことから,低温障害の発生初期には低

温が原因となって果皮内部の細胞が損傷を受け,や

がて損傷が果皮表面にまで達し,そこから水分が蒸

発散することにより症状が進行すると考えられて

いる.この見解にしたがえば,障害発生の主因は低

温であり,果実からの水分損失は可視的症状の進行

を早める作用を持つにすぎないということになる.

一方,ピーマンやレモン(Ben-Y ehoshuaら 1983),

アボガド (Adatoand Gazit 1974)では,果実をプ

ラスティックフィルム包装によって高湿度条件と

して貯蔵した場合に,老化に伴うさまざまな果実の

変化(果実重,硬さ,水ポテンシャル,細胞壁成分,

呼吸やエチレン代謝などの変化)が抑えられる.こ

のことから,採取後の果実の成熟や老化は水分スト

レスを緩和することにより抑制することができる

と考えられている.とくに,採取後の変化が比較的

小さいノンクライマクテリック果実(たとえばピー

マン)では,低温条件よりも高湿度条件によって老

化現象が大幅に抑制されることから,果実からの水

分損失が老化プロセスの引き金となっている可能

性も指摘されている (Lurieら 1986).

1青見'などの中晩生カンキツ類において,プラ

スティックフィルム包装による障害抑制効果は広

く知られている.果皮障害と水分損失に関して,筆

者らの一連の研究を通して,乾燥予措によって障害

の発生が助長されること ,高湿度条件で貯蔵した場

合には長期間にわたって果皮障害が抑えられるこ

とが明らかになった(藤津ら 2004,Fujisawaら

2001) また,本稿で、は触れなかったが,貯蔵中に

水分を早く失う果実ほど果皮障害の程度は著しく ,

クチクラを除去すると果実重の減少速度が速まり

障害の発生が助長される(藤津ら 2001b).これら

の事実は,果皮障害発生プロセスにおいて,果実か

らの水分損失がきわめて大きな役割を演じている

ことを示唆 している. 'r青見'などの中|免生カンキ

ツ品種は,貯蔵に適当な温度帯であっても,水分ス

トレスによ って代謝異常を生じ果皮障害を発症す

る性質を持っていると言わなければならない.

しかしなが ら,きわめて低い温度(1~20C) では,

水分損失が少ないにもかかわらず障害が発生する.

この場合は,低温が主因となって引き起こされた低

温障害と考えざるをえない.このことを考え合わせ

ると,中晩生カンキツ類の果皮障害は,果実からの

水分損失に起因する生理障害と ,低温による細胞損

傷が起点となり水分の蒸発散により症状が進行す

る低混障害とが複合したプロセスとして理解する

ことが妥当である ように思われる(図 9) .

水分損失と極度の低温に起因する 2種の経路は同

ーの果実の中に併存するが,果皮障害の発生プロセ

スにおいてどちらの経路の影響が卓越するかは品

種や貯蔵条件によって異なる.たとえば,‘清見'

のように水分ストレスに対する感受性が高い品種

においては,他の品種であれば低温障害を生じると

は考えにくい温度条件に貯蔵したとしても,採取や

貯蔵に伴う水分収支のアンバランスが引き金と

なって果皮においてストレス応答遺伝子が発現し,

正常でない生理代謝が進行し,やがては果皮障害が

発症する.この場合は水分ストレスを主因とする生

理障害であるので,果実からの水分損失を抑制する

ことができれば障害の発生は軽減される. しかし,

極端な低温条件に貯蔵した場合には,水分損失を抑

制したとしても低温障害のプロセスが進んでしま

うために,全体として果皮障害の発生を押しとどめ

ることはできないのである

258 農業および園芸第83巻 第2号 (2008年)

水分損失による

生理障害

+ポリ個装が障害を抑制

+乾燥予措が障害を助長

+高湿度貯蔵で障害軽減

'低湿度で特異的な遺伝子発現

+ストレス応答遺伝子を検出

過度の低温による低温障害

+極端な低温(lOC)ではヒ。ッテインクやが発生

異常な生理代謝の進行細胞,組織の形態変化

i 褐変物質の生成=果皮障害の発症

'組織構造の崩壊

と二次代謝産物

の沈着

図 9 中晩生カンキツ類の果皮障害発症プロセスと実験でみられた現象の対応

貯蔵されたカンキツ果皮ではさまざまなストレ

ス関連遺伝子や植物ホルモンに関連する遺伝子が

発現するが,それらのうちのあるものは,貯蔵中の

1青見'果皮において,貯蔵温湿度に応じて異なる

発現ノ号ターンを示す (Fujisawaら 2003).しかも,

この差違は採取後きわめて早い時点で生じる.した

がって,障害発生の端緒となる水分損失と低温とい

う2種類のストレスに対して,果皮における遺伝子

発現レベルの応答はそれぞれに異なっていると考

えることができる.このことも,果皮障害発生プロ

セスの初期段階には二つの経路が存在するという

考えを支持していると言えよう.

果実に水分ス トレスや低温ストレスが与えられ

ると,いずれの経路を辿ったに しろ,何らかの異常

な生理代謝を経て組織形態に変調を来す.障害が発

症する以前に観察される油胞やそれを構成する細

胞の変形(藤津ら 2001a)は,正常でない生理代謝

がある程度進行し形態変化 として顕在化 した現象

ということができる.果皮障害の発症,すなわち褐

斑症状の出現に至る最後のプロセスは褐変物質の

生成と沈着である.実体としてはフェノール物質の

酵素的酸化や リグ、ニンの二次的生成と考えられて

いる(藤田 ・東野 1985,牧田 1985). 'i青見'の

果皮障害は, 2~20oC程度の温度範囲で高温ほど発

症が著しいことがわかっているが,このような温度

反応は,貯蔵温度が高いほど果皮における褐変物質

の生成 ・沈着に至る生理代謝が活発であり,そのた

めに褐斑症状が速やかにかつ広範囲に出現したも

のと理解することができょう.

おわりに

本稿でみてきたように,中晩生カンキツ類の果皮

障害に関するさまざまな現象は,障害発生プロセス

を,水分損失や低温が異常な生理代謝を引き起こし,

それが進行して細胞や組織の形態変化として現れ 、

る過程と捉えると,統合的に理解することができる.

したがって,障害発生に影響を及ぼす要因として水

分と温度が重要であることは論を待たない.

ところが,カンキツ類の貯蔵温度に関する研究は

多いものの,湿度を制御する貯蔵技術はこれまであ

まり検討されることがなかった.高湿度で貯蔵する

とカビや腐敗が多発するし,また,冷房装置を備え

た低温貯蔵庫が産地に普及しており,それらを用い

て高湿度貯蔵を実現することは技術的に困難なこ

とも一因であろう .

しかし,壁面全体を冷却面とする冷熱輯射方式の

貯蔵庫を用いれば特別の加湿装置を使わずとも低

温で、かっ相対湿度 95%以上という高湿度条件が作

藤津 :中晩生カンキツの果皮障害の発生要因と発症プ ロセス 259

り出せる また,数百万個/cm3の負イオン (0-,

O2-, OHーなど)と低濃度 (30ppb程度)のオゾン

を同時に処理することで, 高湿度貯蔵庫におけるカ

ピや腐敗の対策も可能である(谷村 1996) .これ

らの技術により, 実際にさまざまな青果物で品質保

持期間を延長できることが示されている(田中 ら

1998) .

現在,カンキツ類の高湿度貯蔵は一般には行われ

ていないが ,1青見'など中晩生カンキツ類の貯蔵

では,採取後の果実からの水分損失を制御するとい

う観点から組み立てた貯蔵体系が優れた効果を発

揮する場合があるとい うことを,あ らためて強調し

ておきたい.

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