立ち呑みやイベントで「食と酒」の魅力を広く発信 - City of...

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「カネキ小飼商店」は JR苗穂駅南口 前で100 年以上続く酒屋。 5 代目店主 の小飼英祐さんは、約 20 年前、コンビ ニやディスカウント店の台頭に危機感を 抱き、大転換に挑みました。モットーは 「売れる酒より売りたい酒」。日本酒の中 でも食 事と相 性が良い「 純 米 燗 酒 」に 着目し、他店にはないラインナップを 展開したことで、一躍日本酒愛好家に 知られるお店になったのです。 しかし、知名度は上がっても店頭売 上は全体の3割程度と伸びず、売上の大 半はススキノを中心とした飲食店への 配達。ススキノの客が減少傾向にある 中、もっと店に客を呼び込まなければ 未来はない ──。そこで、北海道主催の 食クラスターフード塾で学んだ妻の由紀 子さんが、シェフを自店に招き、「美食と 燗酒」をテーマとした試食・試飲イベント を開催するなど、店舗に客を呼び込む 企画を次々と仕掛けました。「回を重ねる ごとに愛好家だけでなく日本酒ビギ ナーの女性や若者が増え、手応えを感 自分が惚れ込んだ酒をもっと多くの人 に知ってほしい。小飼さんの想いはさら にふくらみ、大きなイベントに結実しまし た。北海道神宮頓宮で2017年より開催 している「日本酒オールスター燗謝祭」 です。全国の蔵元を呼んで燗酒を提供 し、道内各地の旨い肴とともに味わって もらうイベントで、 20205月に予定さ れる次回開催に向けて準備が進んで います。「日本酒はもちろん、まちを盛り 上げるためにも、今後さらに来場者を 増やしていきたいですね」と小飼さん。 その挑戦に終わりはありません。 メジャーでなくても信念を持って続けてい くと、同じく信念を持った蔵元や生産者、 飲食店とのつながりが生まれると実感して います。「燗酒の魅力をより広めたい」と いう信念のもとで日本酒のラインナップを より充実させるとともに、仲間で相互に協 力しながら「食と酒」の魅力を広く発信 していきたいですね。 じました」と小飼さん。 折しもJR苗穂駅の再開発が進む中、 「まちと一緒に店も変わるチャンス」と 決心。 2018 年に店舗をリニューアル し、店内で立ち呑みできる「角打ち」を 始めました。 角打ちを始めて1年。酒瓶に囲まれた 立ち呑みスペースでは、ご近所のお年 寄りやマンション住まいのご夫婦、仕事 帰りのビジネスマン、一人呑みを楽しむ 女性などの姿が見られます。 JR苗穂駅 の新駅舎に自由通路が開通してから は、東区からの来客も多いそうです。 「角打ちで飲んだ酒を気に入り、購入 してくださる方が増えました。有名銘柄 を求める方もいますが“売れる酒より売 りたい酒”のスタンスは変えません。同 系統の味わいでうちにしかない酒をお すすめして“こんなお酒があったんだ”と 喜んでもらえるのが嬉しいです」。店頭 売上は全体の5割程度まで増加。角打 ちのプロモーション効果は上々です。 立ち呑みやイベントで「食と酒」の魅力を広く発信 カネキ小飼商店 オーナー 小飼 英祐さん 燗酒を気軽に楽しんでほしいという想いか ら、角打ちでは電気ポットを使ったセルフ燗 酒も提供 ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏の生 家の蔵元「竹鶴」など、札幌では珍しい日本 酒がずらり 日本酒オールスター燗謝祭ではマルシェやワークショップも開催し て賑わいを創出している 食の知識が豊富な妻の由紀子さん。先祖 から受け継ぐ店を夫婦二人三脚で盛り立 てる 他店にはない酒と企画で 来店を増やす仕組みをつくる 日本酒の間口を広げる 角打ちやイベントが大好評 今後の展望 酒類販売 受賞の言葉 受賞のポイント 燗酒の魅力を知ってほしくてコツ コツ続けてきたことが評価され、 “燗”無量です。今後も食と酒のコ ラボを通して日本酒業界を盛り 上げていきたいと思います。 食事とともに楽しめる 燗酒に着目 した、 他店にはないラインナップ 1. 店内で立ち呑みできる 「角打ち」を プロモーションに活用 2. 日本酒のイベントを開催 して 新たな顧客層を発掘 3. 明治43年創業の老舗酒屋。蔵元 直送の日本酒やクラフトビール などを揃え、その場で呑める角打 ちのほか、飲食店とのコラボイベ ントも好評です。 札幌市中央区北2条東11丁目23番地 SHOP INFO TEL 011-241-6045 営業時間 10 0021 00 (立ち呑みタイム15 0021 00定休日 日曜・祝日 URL https://blog.kogaisake.com/ Facebook Instagram Twitter シェフとのコラボ企画や日本酒とチョコ レートのペアリングなど、個性的なイベント を多数開催 かねき こがいしょうてん 令和元年度 さっぽろGood商い賞 独自の販促に 取り組むお店 部 門 グランプリ 03 04 Interview movie

Transcript of 立ち呑みやイベントで「食と酒」の魅力を広く発信 - City of...

  •  「カネキ小飼商店」は JR苗穂駅南口前で100年以上続く酒屋。 5代目店主の小飼英祐さんは、約2 0年前、コンビニやディスカウント店の台頭に危機感を抱き、大転換に挑みました。モットーは「売れる酒より売りたい酒」。日本酒の中でも食事と相性が良い「純米燗酒」に着目し、他店にはないラインナップを展開したことで、一躍日本酒愛好家に知られるお店になったのです。 しかし、知名度は上がっても店頭売上は全体の3割程度と伸びず、売上の大半はススキノを中心とした飲食店への配達。ススキノの客が減少傾向にある中、もっと店に客を呼び込まなければ未来はない──。そこで、北海道主催の食クラスターフード塾で学んだ妻の由紀子さんが、シェフを自店に招き、「美食と燗酒」をテーマとした試食・試飲イベントを開催するなど、店舗に客を呼び込む企画を次 と々仕掛けました。「回を重ねるごとに愛好家だけでなく日本酒ビギナーの女性や若者が増え、手応えを感

     自分が惚れ込んだ酒をもっと多くの人に知ってほしい。小飼さんの想いはさらにふくらみ、大きなイベントに結実しました。北海道神宮頓宮で2017年より開催している「日本酒オールスター燗謝祭」です。全国の蔵元を呼んで燗酒を提供し、道内各地の旨い肴とともに味わってもらうイベントで、2020年5月に予定される次回開催に向けて準備が進んでいます。「日本酒はもちろん、まちを盛り上げるためにも、今後さらに来場者を増やしていきたいですね」と小飼さん。その挑戦に終わりはありません。

    メジャーでなくても信念を持って続けていくと、同じく信念を持った蔵元や生産者、飲食店とのつながりが生まれると実感しています。「燗酒の魅力をより広めたい」という信念のもとで日本酒のラインナップをより充実させるとともに、仲間で相互に協力しながら「食と酒」の魅力を広く発信していきたいですね。

    じました」と小飼さん。 折しもJR苗穂駅の再開発が進む中、「まちと一緒に店も変わるチャンス」と決心。2018年に店舗をリニューアルし、店内で立ち呑みできる「角打ち」を始めました。

     角打ちを始めて1年。酒瓶に囲まれた立ち呑みスペースでは、ご近所のお年寄りやマンション住まいのご夫婦、仕事帰りのビジネスマン、一人呑みを楽しむ女性などの姿が見られます。JR苗穂駅の新駅舎に自由通路が開通してからは、東区からの来客も多いそうです。 「角打ちで飲んだ酒を気に入り、購入してくださる方が増えました。有名銘柄を求める方もいますが“売れる酒より売りたい酒”のスタンスは変えません。同系統の味わいでうちにしかない酒をおすすめして“こんなお酒があったんだ”と喜んでもらえるのが嬉しいです」。店頭売上は全体の5割程度まで増加。角打ちのプロモーション効果は上々です。

    立ち呑みやイベントで「食と酒」の魅力を広く発信

    カネキ小飼商店オーナー小飼 英祐さん

    燗酒を気軽に楽しんでほしいという想いから、角打ちでは電気ポットを使ったセルフ燗酒も提供

    ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏の生家の蔵元「竹鶴」など、札幌では珍しい日本酒がずらり

    日本酒オールスター燗謝祭ではマルシェやワークショップも開催して賑わいを創出している

    食の知識が豊富な妻の由紀子さん。先祖から受け継ぐ店を夫婦二人三脚で盛り立てる

    他店にはない酒と企画で来店を増やす仕組みをつくる

    日本酒の間口を広げる角打ちやイベントが大好評

    今後の展望

    酒類販売

    受賞の言葉

    受賞のポイント燗酒の魅力を知ってほしくてコツコツ続けてきたことが評価され、 “燗”無量です。今後も食と酒のコラボを通して日本酒業界を盛り上げていきたいと思います。食事とともに楽しめる

    燗酒に着目した、他店にはないラインナップ1.

    店内で立ち呑みできる「角打ち」をプロモーションに活用2.

    日本酒のイベントを開催して新たな顧客層を発掘3.

    明治43年創業の老舗酒屋。蔵元直送の日本酒やクラフトビールなどを揃え、その場で呑める角打ちのほか、飲食店とのコラボイベントも好評です。

    住 所 札幌市中央区北2条東11丁目23番地

    SHOP INFO

    T E L 011-241-6045営業時間 10:00~21:00(立ち呑みタイム15:00~21:00)定休日 日曜・祝日 URL https://blog.kogaisake.com/Facebook Instagram Twitter

    シェフとのコラボ企画や日本酒とチョコレートのペアリングなど、個性的なイベントを多数開催

    かねき こがいしょうてん

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    独自の販促に取り組むお店

    部 門グランプリ

    03 04

    Interviewmovie

    さっぽろGood商い賞

  •  前職は農業団体にて米の食味官能試験に携わってきた米のスペシャリストである佐藤勇一さん。「正直、今のお米はどれも美味しいんです。その中で、稲が育った土地や気候、そして生産者の想いを知ることは、味を構成する要素の一つなのではと考えるようになりました」 そこで立ち上げたのが、厳選した生産者から直接仕入れた道産米を販売する専門店「ocoge」。店内には、5人の生産者による6種類の米が並び、品種毎に生産者の人となりや米の特徴がわかるPOPが添えられています。「生産者の方は前職からのつながりや紹介で知り合った方々。買付に行っては農業や趣味の話などをして、生産者の“顔”だけではな

    く、“人となり”がわかるエピソードもお客さまに伝えています」と佐藤さん。利用客からは「生産者の想いも知ることができ、食べるのがより楽しくなりました」という嬉しい声も届いています。

     「ocoge」では年1回の田植え体験や、お米の食べ比べ、ぬか床教室などのワークショップも開催。また、店頭で精米して販売する米は、表皮を残す“分づき”販売にも対応し、様々な表情の米が楽しめます。「普段、何気なく食べているごはんに興味を持ち、米を知る楽しさ、買う楽しさ、食べる楽しさを知っていただけたら」と語る佐藤さん。これからも独自の視点で米の魅力を発信し続けていきます。

    米のスペシャリストが発信する生産者の熱い想いと米の魅力

    ocoge

    オーナー佐藤 勇一さん

    生産者の人となりをPOPでも紹介している

    年1回開催し、毎年人気の田植え体験

    3 地域、6 種類の米を取り扱っている

    ギフトセットも好評

    店内で開催した米の食べ比べイベント

    “顔”だけではなく“人となり”まで伝える

    イベントや分づき販売でお米の楽しみ方を提供

    米販売

    受賞のポイント

    生産者から直接仕入れた道産米を販売。米の魅力や生産者のストーリーを伝え、米への関心を高めている

    1.

    米の食べ比べや田植え体験など、米や食を楽しむ機会を提供している

    2.

    北海道米を生産者から直接仕入れ、品種や生産者のストーリーを丁寧に説明してくれる米店。体験型ワークショップなどイベントも開催しています。

    住 所 札幌市白石区東札幌2条2丁目4番地31

    SHOP INFO

    T E L 011-799-4950 営業時間 11:00~18:30定休日 月曜 URL https://ocoge-rice.studio.design/

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    独自の販促に取り組むお店

    部 門

    準グランプリ

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    受賞の言葉素敵なお店がたくさんある中で、自分が「やりたい」「楽しい」と思って取り組んできたことを目に留めて評価いただき、嬉しいです。

    今後の展望お米の価値を伝え、「ここで買いたい」と思っていただけるような、地域の方々に親しまれるお店を目指していきたいです。

    さっぽろGood商い賞

    弁当工房 Harapeco

    弁当事業部 営業部長須藤 誠さん

    イベント等に合わせた旗デザインも用意

    提案したメニューは全て記録している

    オリジナル旗サービスは好評で、新規顧客やリピーター獲得に大きく貢献している

    旗も弁当も一つひとつが手づくり

    フタにチラシを入れ、宣伝媒体として活用

    弁当製造販売

    受賞の言葉

    受賞のポイント

    これまでの取組が評価され、従業員一同、喜んでいます。この受賞を励みに、さらにお客さまに喜んでいただけるよう、頑張っていきたいです。

    今後の展望従業員全員でアイデアを出し合い、美味しいお弁当をお届けする以上の「かゆいところに手が届く」サービスを行っていきたいと思っています。

    客層や要望に合わせたメニュー提案で、リピーターを獲得

    1.

    弁当に旗を入れる無料サービスが好評で、口コミで顧客を獲得2.

    弁当箱を宣伝媒体に活用するなど、様々なサービスを提案3.

    企業・団体向けの弁当からオードブルを提供する弁当工房。要望に合わせたメニュー提案、無料の旗サービスなどが好評です。住 所 札幌市豊平区豊平3条8丁目1番地1

    SHOP INFO

    T E L 011-374-4867 営業時間 7:00~21:00定休日 不定休 URL http://www.harapeco-bento.com

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    独自の販促に取り組むお店

    部 門

    準グランプリ

    オリジナル旗の作成など +αのサービスで新規顧客 & リピーターを獲得

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    “お客さまの喜び”を追求した弁当事業

     「弁当工房 Harapeco」が設立されたのは、2014年11月。それまではレストランを営業していましたが、常連客から弁当の注文が増え、弁当事業を立ち上げることに。「お客さまの注文からスタートしたので、はじめから固定メニューはありませんでした。シチュエーションや年齢層などを伺い、セミオーダーでメニューの提案を行っています」と弁当事業部営業部長の須藤誠さん。 弁当に旗を入れるサービスもレストラン時代の名残。企業や団体のロゴのほか、催事や祝い事等、様々なシーンに合わせたメッセージを入れることも可能です。このサービスは利用客から好評で、「Harapeco」の評判は口コミなどにより徐々に広がっています。「サービスの

    根底にあるのは“お客さまに喜ばれることをしよう”という想い。口コミで広がっていったのは嬉しいですね」 お店には、「気づいた事は即行即止間髪いれずに実行を」など“7アクト”と呼ばれる行動指針を掲げ、従業員から多様なアイデアを引き出す職場づくりに努めています。「弁当のフタの裏にチラシを入れたり、オードブル配達時にテーブルクロスも一緒に貸し出したりなど、みんなで意見を出し合い、様々なサービスに取り組んでいます。単に弁当をつくるだけではなく、それ以上にお客さまに喜ばれることをしていきたいですね」と須藤さん。 手づくりで安心なお弁当に加え、心から利用客に寄り添ったサービスに取り組む「弁当工房 Harapeco」。これからも“喜ばれるお弁当”をつくり続けていきます。

    おこげ べんとうこうぼう はらぺこ

  •  元々、夫と2人で美容室を経営していた上弘美さん。自身が出産・育児を経験したことで、子連れママが美容室に行く大変さを改めて実感しました。「キッズルームがあっても“他の方に迷惑をかけるのでは”など色々考えてしまうんですよね。だから、子育てママが安心して過ごせる場所をつくることにしたんです」 2009年、本郷通に子育てママ・マタニティ専門の美容室をオープン。評判は徐々に口コミで広がり、遠方からの利用客が増加したため、ベビーカーを押すママたちが地下鉄で来やすいように、2012年に地下鉄南郷7丁目駅からすぐの現在の場所に移転しました。

     現在の店舗は、1階が子育てママ・マタニティ専門の美容室、2階は上さんの夫が経営する一般客向けの美容室です。「家族でいらして、ご主人は2階の美

    と接するようにしています」。利用客からは「子育ての相談にのってもらえて嬉しい」との声のほか、子育てママ・マタニティ専門という特性上、様々な子育て情報が集まるため「地域の子育て情報を教えてもらえて助かる」といった声も聞かれるのだそう。 開業から約10年。子育て経験者ならではの細やかな気遣いで、子育てママ・マタニティたちがくつろげる美容室として支持を集めている「�uffy room」。「育児の悩みが話せて、きれいにもなれる、ママたちが少しでも癒される場所になっていけるよう、これからも頑張りたいです」と上さんは笑顔で語ってくれました。

    お客さまにとって、より居心地の良い空間にするために店内の改装を計画しています。また、将来的には今の子どもたちが親になって通ってくれたら嬉しいですね。今後も、子育てママがくつろげ、気持ちが明るくなる美容室を目指していきたいです。

    容室、ママとお子さんは当店を利用されるという方も。周りのお客さまもみんな子育てママなら、子どもがぐずっても“お互いさま”と思える。子育てママ・マタニティ専門にしたのは、気兼ねなく過ごしてもらうためです」と上さん。その配慮は店内の随所に表れています。 最大の特徴であるキッズルームは、施術台の真横に設置。柵には雲型の覗き穴があり、ママと子どもがお互いの様子を見ながら過ごせます。「キッズルームは乳児スペースと幼児・児童スペースで区切っています。お子さまの年齢に合わせて予約時間も調整し、安全に遊べるようにしています」。さらに、保育士が常駐しているため、子どもの預け先の心配をせず利用できると好評です。 もちろん施術でも、妊婦のつわりに配慮した匂いの少ない薬剤の使用の提案や、忙しいママでも簡単にスタイリングできる髪型の提案など、きめ細やかな気遣いを行っています。 これらを実現しているのが、子育て経験のあるスタッフたち。「子育て経験者ならではの視点で、それぞれがお客さま

    子育て経験のあるスタッフによる、子育てママ・マタニティ専門の美容室

    fluffy room

    キッズルームは、乳児スペースと幼児・児童スペースに分かれている

    完全個室の授乳室も完備。壁には子育てサークルのお知らせを掲示することも

    小さな子どもにママの姿が見えるよう、柵には雲型の覗き穴がある

    施術台から見えるキッズルームには、保育士が常駐

    つわりのある妊婦向けに、匂いの少ない薬剤を用意

    開業のきっかけはオーナー自身の子育て経験

    子育て経験者ならではの気遣いにあふれた店舗運営

    今後の展望

    美容室

    受賞の言葉

    受賞のポイント開業から10年が経ち、徐々に口コミで広がりお客さまのご支持をいただけたことが嬉しいです。

    子育てママ・マタニティ専門にすることで、気兼ねなく過ごせる空間を実現

    1.

    施術台の真横にキッズルームを配し常駐保育士による無料託児サービスを提供

    2.

    スタッフ全員が子育て経験者であり、経験者ならではの気遣いや、豊富な子育て情報が好評3.

    子育てママ・マタニティ専門の美容室。保育士が常駐し、託児無料。キッズカットも0歳から可能。子連れでくつろげる美容室です。住 所 札幌市白石区南郷通7丁目南6番地21

    SHOP INFO

    T E L 011-846-4122 営業時間 9:30~17:00定休日 日曜、第2・第3月曜、祝日URL http://www.�uffyroom.jp/

    オーナー上 弘美さん

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    きめ細やかなおもてなし

    部 門グランプリ

    フラッフィー ルーム

    07 08

    Interviewmovie

    さっぽろGood商い賞

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  • さっぽろGood商い賞

     代表の德島秀彦さんは、自身の子育て経験から「子どもを連れてゆっくり過ごせる飲食店が少ない」と考え、カフェづくりを計画。札幌市内のカフェを巡って内装やメニューなどを研究する一方、WEBアンケートなどを通して子育てママのニーズを集め、2017年に子育て家族をはじめ誰もがくつろげるカフェ「PAPA HIDEHIKO」をオープンしました。 最大の特徴は、ベッドのような大きなソファ。子どもと一緒に親子で足を伸ばして、リラックスして過ごすことができます。また、動き回る子どもの安全に配慮するため、足に負担の少ない柔らかい床材を使用し、柱は角を丸くするなど、細部

    にまで行き届いたやさしい空間をつくりあげました。

     「PAPA HIDEHIKO」では、元保育士や子育て経験のあるスタッフの知識を活かし、月齢別に対応した離乳食を取り揃え、アレルギー対応のキッズメニューも提供。また、絵本をつくるワークショップや親子で楽しめるハロウィンパーティーなど、子育て世代をターゲットとしたイベントを不定期で開催。利用客がイベントを行うスペースとしても活用され、客同士の交流も生まれています。「ママ友の間で口コミが広がり、ご来店いただける方も増えています。今後も子育て家族をはじめ誰もがくつろげるお店であり続けたいです」

    子育て家族をはじめ誰もがくつろげる店づくり

    PAPA HIDEHIKO

    オーナー德島 秀彦さん

    子どものために絵本コーナーも充実

    親子で楽しむ絵本づくりイベントの様子

    大きなソファ席では、親子が足を伸ばしてくつろいで食事ができる

    月齢別の離乳食は店頭販売も行っている

    会議などにも利用できる個室も完備

    細やかな配慮が行き届く親子にやさしい空間

    お客さん同士のつながりが生まれるお店に

    カフェ

    受賞の言葉

    受賞のポイント

    このような賞をいただき、とても嬉しいです。これからもお客さまがリラックスして笑顔になれるようなお店をつくっていきたいと思います。

    今後の展望子育て家族はもちろんのこと、若い世代や高齢者など、これまで以上に世代を超えて人が集まることができる店にしていきたいと思います。

    大きなソファを設置し、親子でリラックスできる空間を実現1.

    床材や家具などに配慮した、子どもに安全な店づくり2.

    離乳食や食物アレルギーに対応したキッズメニューの提供

    3.

    子どもと一緒にくつろげる、ファミリー対応のカフェ。離乳食やアレルギーに対応した食事など、子育て中の親子にやさしいメニューも充実。

    住 所 札幌市中央区北7条西20丁目2番地19

    SHOP INFO

    T E L 011-556-1222 営業時間 11:00~20:00定休日 不定休 URL https://papahidehiko.com/

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    きめ細やかなおもてなし

    部 門

    準グランプリ

    09

    Facebook Instagram

     ペットサロン「WAN PAKU」は、技術力はもちろんのこと、“飼い主と犬の幸せを真剣に考えた”サービスに力を入れています。中でも、トリミングやホテル利用中の犬を撮影し、ブログに掲載するサービスが好評。「ベストショットを撮るため、1匹につき100~300カットを撮影し、躍動感のある表情豊かな写真を掲載。お客さまからは“預けている犬の様子が分かり安心”との声をいただきます」とオーナーの斉藤亜希子さん。 トリミング終了後には、手書きのメッセージカードで、お店での犬の様子や感謝を伝えています。また、12月には、ベストショットで構成したカレンダーを製作し、一年の感謝を込めて利用客にプレゼント。心を込めたサービスが、店のファンづくりにつながり、リピーターが年々増加しています。

     店内で販売するフードやおやつは、スタッフ自身の犬にも日常的に食べさせ、安全・安心な商品のみを取り扱っています。 利用客からは“お腹をこわさなくなった” “毛ヅヤがよくなった”という反響も。「飼い主にとって犬は家族です。自らが試し、しっかりと説明ができる安心・安全な商品を提供することは、当然のことだと考えています」と斉藤さん。こうしたきめ細やかなサービスの積み重ねにより、利用客からの信頼を獲得し、売上は年々増加しているのだそう。 「WAN PAKU」では、良いサービスを提供するためには、スタッフが良い環境で働くことも重要と考え、職場環境の改善にも取り組んでいます。

    飼い主と犬の幸せを真剣に考え心を込めたサービスを展開

    WAN PAKU

    オーナー斉藤 亜希子さん

    利用客の犬の写真をアップしている「WAN 友ブログ」

    撮影した犬の写真は店内に貼り出している

    利用客に人気の愛犬カレンダー

    トリミングする作業中のスタッフ

    安全・安心な無添加おやつは愛犬家に大好評

    トリミングやホテル利用中の愛犬のベストショットを撮影

    スタッフ自身が品質を確認した商品で客の信頼を獲得

    ペットサロン令和元年度さっぽろGood商い賞

    きめ細やかなおもてなし

    部 門

    準グランプリ

    受賞の言葉この賞は励みになり、とても嬉しいですね。お客さまや犬はもちろん、当店に関わるすべての方を、もっと楽しく幸せにできるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。

    今後の展望次のステップを目指してプランを検討中。犬のため、お客さまのためになる、新しい取組を始動していこうと思っています。

    利用時の犬の様子の写真をブログに掲載し、利用客に安心を与えている1.

    年1回、利用客への感謝の気持ちを込めた飼い犬のオリジナルカレンダーをプレゼント

    2.

    スタッフ自身の犬に日常的に食べさせている安全・安心なナチュラルフード・無添加おやつを販売

    3.

    飼い犬のトリミングとホテル、ナチュラルフード・無添加おやつを販売するペットサロン。きめ細やかなサービスで、愛犬家から多くの支持を集めています。住 所 札幌市豊平区美園12条7丁目1番地1

    SHOP INFO

    T E L 011-376-5722営業時間 8:00~19:00定休日 無休 URL http://www.xn--y8j7c3dqa.com/

    受賞のポイント

    10

    パパ ヒデヒコ ワン パク

  •  米里、江別、岩見沢の農場で農薬や肥料を一切使わない完全自然栽培により野菜・果物を生産し、工房でその加工品を製造・販売している「ときの森 衣食住」。代表の西山邦宏さんは、自身の子どもが甲状腺の病気になったのをきっかけに自然栽培による農業を学び、2014年に農場を立ち上げました。「化学物質による症状やアレルギーに悩む方が多い現代に、自然栽培の大切さを伝えたいと考え、“子どもたちの未来のために”をキーワードに取組を行っています」と西山さん。 「ときの森 衣食住」では、乳幼児や小学生など子どもたちを対象とした畑遊びや農作業体験、中学生の職業体験の受け入れなどを行い、地域とのふれあいを大切にしています。「職業体験に参加した中学生が札幌・北海道の農作物や自然栽培に興味を持ち、手伝いに来てくれることもあります。イベントをすることで、道内の農家など、人のつながり

    たちに働くお母さんの姿を見せられるようにしています。 「すき間時間を使って働いてくださる地域のお母さん方も、かけがえのない担い手です。体は、食からつくられるもの。自然栽培の作物は、味が濃く美味しいと評判です。未来の子どもたちのために、ぜひ食卓に取り入れてほしいと思います」。札幌・北海道の自然栽培野菜の魅力を余すところなく発信している「ときの森 衣食住」。これからも地域の方々とのつながりを大切にしながら、生鮮品と加工品の両方の販路拡大を目指しています。

    農作物の品種を絞り込み、より効率的な生産を図ろうと思っています。また、助産師さんなど専門家の方を招いて、新たな講座の展開も計画。地域の拠点となる取組を続け、新たな人のつながりや雇用を生み出し、地元の自然栽培野菜の魅力を伝え、販売に結びつけていきたいと思います。

    ができ、集いの場所、情報交換の場所になる。健康への意識の高い人たちが集い、自然栽培への理解が深まっていると思います」

     生産する作物は、トマト、ナス、ニンジン、ダイコン、サツマイモ、イチゴなど多種多様。生産物はそのまま販売するほか、乾燥機で加工し、ドライ野菜・果物として販売しています。「加工品は、道内各地の自然栽培農家の規格外野菜も使用しています。規格外野菜を使用することにより、フードロス削減や地域の農家の収益増加につながっています。直接お客さまと触れ合い、自然栽培や生産者のことを話しながら販売しています」と西山さん。 加工品を製造するのは、未就学児や障がいをもつ子の母親など、すきま時間を活用して働きたい方たち。工房の2階にはキッズスペースを設置し、スタッフが安心して働けるとともに、子ども

    札幌・北海道の自然栽培野菜の魅力を余すところなく伝えたい

    ときの森 衣食住代表西山 邦宏さんひろみさんご夫妻

    加工品の中でも特にパウダー系の商品は、子育て中の母親から「離乳食に使えて便利」と好評

    畑での収穫体験の様子。SNS等を通して、様々な年代の方が集まった

    乾燥機は2台導入。工房で収穫した野菜を乾燥し、加工している

    イベントで訪れた方が野菜や加工品を購入することが多い

    夏休みに母親と共に工房を訪れ、加工を手伝う子どももいる

    未来の子どもたちのために、自然栽培の大切さを伝えたい

    今後の展望

    野菜加工品販売

    受賞の言葉

    受賞のポイントグランプリを受賞して本当に驚きました。この賞をきっかけに、自然栽培や私たちのことを多くの方に知っていただきたいと思います。

    自ら生産した札幌・北海道産の自然栽培野菜を販売1.自然栽培農家の規格外作物を加工販売し、フードロス削減・収益増加に貢献2.

    農業体験やイベントを開催し、札幌・北海道の食や自然栽培の魅力向上に取り組む3.

    農薬・肥料を一切使わない完全自然栽培により野菜・果物を生産し、その加工品を製造・販売。地域に密着したイベントなども開催。

    住 所 札幌市白石区菊水元町8条1丁目9番地6-2

    SHOP INFO

    T E L 011-839-5877営業時間 10:00~15:00(不定) 定休日 日曜・祝日(不定)URL https://www.tokinomori.life/Facebook

    “みんなが主役”の加工品づくり

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    地域資源が魅力のお店

    部 門グランプリ

    ときのもり いしょくじゅう

    11 12

    Interviewmovie

    さっぽろGood商い賞

    Instagram

  • さっぽろGood商い賞

    かき氷 花氷

    オーナー富樫 博子さん

    氷は豊滝地区の湧水「龍神の水」からつくっている

    原料の果物は南区の果樹園から直接仕入れている

    素材そのものの味を活かした、やさしい味が好評(写真は、さくらんぼのかき氷)

    メニューは果物の収穫時期によって変わる

    紹介した果樹園へ来店客が果物狩りに行くケースも

    かき氷専門店

    受賞の言葉

    受賞のポイント

    地元の果物の美味しさを知っていただきたくて始めた取組が認められて、嬉しいです。今後も農家の方々が一生懸命つくった果物を美味しく食べていただけるよう頑張りたいです。

    今後の展望同じ南区で魅力発信に取り組む方と協力し、さらに多くの方々に地元南区の良さを知っていただけたらと思います。

    地元の果樹園で採れた果物をシロップに使用

    1.

    周辺エリアの魅力を発信し、波及効果をもたらした

    2.

    南区砥山にあるかき氷店。地元のフルーツを使った自家製シロップ、湧水「龍神の水」を使用した氷でつくるかき氷が人気です。6月~9月のみ営業。

    SHOP INFO

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    地域資源が魅力のお店

    部 門

    13

    住 所 札幌市南区砥山180番地8営業時間 11:00~15:00定休日 月曜、火曜、その他不定休、10月~5月URL https://www.facebook.com/kahyou.ice/Facebook Instagram

    準グランプリ

     果樹栽培が盛んで自然豊かな八剣山の麓。南区で生まれ、幼い頃から近隣の農家で採れる果物を食べてきた富樫博子さんは、「地元産の新鮮な果物の美味しさを知ってもらいたい」と考えていました。そして、2015年、知人の所有する物件が空いたことを機に「かき氷 花氷」をオープン。近隣の農家から仕入れた新鮮な果物を、素材の味を活かしたシロップにし、果肉を贅沢にのせたかき氷を提供。美味しさに加えSNS映えすると評判になり、毎年、夏季の営業を待ちわびる常連客も多くいます。「うちのお店を通して地元南区の美味しい果物をより多くの方に知っていた

    だけて嬉しいです」と富樫さんは語ります。

     店舗があるのは札幌市中心部から遠く離れた場所。「わざわざ来てくれた方に、南区を楽しんでほしい」と、来店客に近隣の果樹園やおすすめの飲食店なども紹介しています。「お客さまから “この前紹介された果樹園で果物を買ったよ”という話を聞くと、私も嬉しくなります」と富樫さん。近隣店舗や果樹園への波及効果も生まれています。今後は、区内の様々な方と協力し、さらに地元南区の魅力を発信していきたいと考えているそうです。

    地元だからこそできる地域密着の店舗運営

    地元南区の新鮮な果物を使い地域の魅力を発信

    訪れた客に南区の魅力を発信

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     福井県の和紙工房で5年間修業し、和紙づくりの技術を習得した東野早奈絵さんは、2012年に和紙工房「北の紙工房 紙びより」を開業。「北海道独自の和紙文化をつくりたい」と、林業関係者やアイヌの方などに相談し、北海道の植物を使った紙づくりの可能性を探ってきました。それが、「蝦夷和紙プロジェクト」。参加者は、原料とする植物の採取から紙づくりまでを体験できます。「参加した方々は“北海道らしい紙ができた “と喜んでくれます。これまで、オヒョウニレやシラカバなど北海道の植物を原料に製作してきました。粗削りな仕上りのため、風合いを楽しむ紙として活用いただきたいですね」と東野さんは語ります。

     「蝦夷和紙」は、工房併設の販売スペースのほか、どさんこプラザや札幌スタイルショップなどでも購入可能。「蝦夷和紙」を通して、市民はもちろん、世界中から訪れる観光客に対しても北海道や札幌の自然の素晴らしさを伝えています。 現在の販路は小売がメインですが、東野さんはその幅を広げていきたいと考えています。「壁紙やタペストリーなどのインテリアや、企業のノベルティなどにも活用してもらいたいと思っています」。既に、企業のカレンダーやレストランのランチョンマットのオファーもあり、今後はこうした「B to B」の強化を図っていく予定です。

    北海道の植物から和紙をつくる和紙工房

    北の紙工房 紙びより

    オーナー東野 早奈絵さん

    雪の上の足跡をイメージした「ゆきふみ」も人気

    ワークショップを行い、和紙文化普及に努めている

    オヒョウニレなどを原料に使った「蝦夷和紙」。自然の風合いが残る

    オヒョウニレの樹皮を剥ぐ様子

    工房での紙すきの様子。工房での体験も行っている

    募った仲間たちと一緒に北海道独自の和紙を製作

    「蝦夷和紙」の需要を掘り起こしたい

    受賞の言葉

    受賞のポイント

    この賞をきっかけに、みなさんに活動を知っていただいて、北海道の文化としての「蝦夷和紙」に期待していただけたら嬉しいです。

    今後の展望従来の活動に加えて営業の幅を広げ、「蝦夷和紙」の新たな需要を開拓し、北海道産の紙の魅力を多くの人に伝えていきたいと思います。

    道内の植物を原料にした手すき和紙を製作し、「蝦夷和紙」という新たな商品を確立

    1.

    紙づくりワークショップなどを実施し、普及活動を行う2.

    厚別区にある和紙工房。北海道の植物を原料とした蝦夷和紙などを製作・販売し、和紙文化を広げるワークショップも開催しています。住 所 札幌市厚別区厚別北3条5丁目33番地5

    SHOP INFO

    T E L 011-891-8424

    令和元年度さっぽろGood商い賞

    地域資源が魅力のお店

    部 門

    準グランプリ

    営業時間 10:00~18:00定休日 火曜 URL https://ameblo.jp/kamibiyori/Facebook

    かきごおり かひょう きたのかみこうぼう かみびより

    和紙雑貨製作販売

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