平成 23 年 4 月発行

東名古屋画像診断クリニック

画像技術課・通信 ～Ｖｏｌ.２～

先生方と、私たち画像技術課が少しでも（『Ｌｉｎｋ』） つながることができますように・・・

ごあいさつ

こんな症状も要注意です！！

頭痛が続く、手先がしびれる、力が入ら

ない、めまいがする など、患者様によって

は「疲れ」や「ストレス」のせいにしてしまいが

ちなこれらの症状では、脳内疾患の可能性

があります。

そんな患者様に最も有効なのがＭＲＩ検査

です。当院では 3.0Ｔ ＭＲＩ機器により詳細・

迅速な検査を行うことができ、造影剤を使用

しなくても鮮明な脳血管画像が得られるため

副作用の心配もございません。

検査画像はフィルム、ＣＤ-ＲＯＭなどご要

望の媒体でご提供いたします。ぜひご用命

下さい。

～ しびれる ～

～ めまいがする ～

～ 頭痛が続く ～

画像技術課 課長

山室 修

岐阜医療技術短期大学卒業（現 岐阜医療科学大学）

マンモグラフィ認定技師

日本核医学会 ＰＥＴ認定技師

放射線機器管理士、放射線管理士、保健衛生学士

磁気共鳴（ＭＲ）専門技術者認定技師

画像技術課・課長の山室と申します。当院の画像技術課か

らのお便りとして「画像Ｌｉｎｋ」第２弾をお送りさせていただきま

す。お忙しい中、誠に恐れ入りますがご覧いただけましたら幸

いでございます。 当院のＭＲＩでは1.5テスラ、3.0テスラの2台のＭＲＩを有して

おり、部位ごとに最適条件、最適機種で撮影しています。 ＭＲＩ検査では弱いとされていた腹部領域においても安定し

た画像提供が可能となりました。３Ｄダイナミック撮像によりマ

ルチスライスＣＴに匹敵する空間分解能で撮像可能であり、コ

ントラスト分解能も高く、数多くの情報をもたらします。 新しい肝臓造影剤ＥＯＢでの検査も行っております。乳腺領

域に関しては１ｍｍ以下のアイソトロピックボクセル（Ｘ、Ｙ、Ｚ方

向のサイズが等しい、もしくはほぼ等しいボクセル）にて撮像

し、その画像評価は高く、大学病院、市民病院、他県画像診

断センターなどからの施設見学等も増えています。 少しでも先生方のお役に立てるよう努めて参りますので、ご

要望などございましたら、お気軽にお申し付け下さい。

PET/CT PET/CT とはどういうものか、目的や有用性等についてご紹介させて頂きます。

・PET(Positron Emission Tomography)検査とは・・・

「ポジトロン断層撮影法」のことです。ポジトロンを放出する薬剤(18F-FDG)を静脈注射すると、体の色々

な所に集まる様子を PET/CT 装置で撮像します。全身や心臓、脳などの細胞の働きを断層画像として捉

え、病気の原因や病巣、病状を的確に診断することの出来る検査法です。PET/CT 検査により正確な診

断が出来ると治療法や治療範囲を決めるのに大変役立ちます。

・PET-ＣＴ検査の有用性

がんは一般的に糖代謝が盛んなので 18F-FDGが強く集積し、PETで陽性に描出されます。薬剤の集

積部位の解剖学的同定が容易で、且つ形態情報も合わせて読影可能です。

しかし全てのがんに 18F-FDGが集まるわけではなく、炎症などの良性疾患や正常でも 18F-FDGが集

まる所(生理的集積)等のような偽陽性や FDG の集積しにくい状態や FDG が集積し難い性質の腫瘍、

糖代謝が少ない腫瘍等のような偽陰性として描出される場合もあるので注意が必要です。

がんの診療に 18F-FDG が用いられる目的

原発巣の検索、良悪性の鑑別、病期診断、治療効果判定、再発の診断

以下に原発巣の検索に非常に有用であった子宮体癌の症例(図１)と治療効果判定の症例(放射線

治療(以下 RT)前後の肺癌、図２)を提示します。

図１ 図２ RT 前 RT 後

MRI

今回の画像 Link では、当クリニックで撮像可能なオプションである「IDEAL（アイデアル）」と「Cube

（キューブ）」のご紹介をさせていただきます。

☆ IDEAL ．．．1scan ・4contrast

・ １回の撮影で４つのコントラストの画像が撮像できます。

・ 従来、金属が撮影範囲にあると黒く抜けてしまい、金属の大きさ以上の画像欠損がありましたが、そう

いった磁化率アーチファクトを大幅に低減できます。

☆ ４つのコントラスト

① 水画像（脂肪の信号を抑えた画像）

② 脂肪画像（水の信号を抑えた画像）

③ In phase 画像（通常ご覧になっている画像：T1 強調画像,T2 強調画像）

④ Out of phase 画像（微量な脂肪成分の検出に有用な画像：腹部領域に有用）

実験をしました・・・

水アレイの中に水と

サラダ油が入ってい

ます。

通常の脂肪抑制（選

択的脂肪抑制法）で

は磁化率の影響に

より中心部分の脂

肪の消え残りが生じ

てしまいます。

T1 強調画像にて撮

像。上の白いものが

サラダ油。下の黒い

も の が 水 に な り ま

す。

IDEAL の水画像では

均一な脂肪抑制画像

が 得 ら れ て い ま す 。

（見やすくするためウイ

ンドウ幅・レベル調整

しています。）

真ん中にボルトを置

きました。これにより

金属アーチファクト

を発生させます。

T1 強調画像にて撮

像。アーチファクトが

発生しています。

通常の脂肪抑制法

では磁化率と金属

の影響により中心部

分の脂肪の消え残

りが大きく生じてしま

います。

IDEAL の水画像で

は完全に金属の影

響は除外できており

ませんが脂肪抑制

は比較的均一にか

かっております。

従来 0 20 40 60 800

30

60

90

120

150

180

0 20 40 60 800

0.2

0.4

0.6

0.8

1

FSE

ETL（エコートレイン） ETL（エコートレイン）

フリップアングル

信号強度Cube

FSE

Cube

0 20 40 60 800

30

60

90

120

150

180

0 20 40 60 800

0.2

0.4

0.6

0.8

1

FSE

ETL（エコートレイン） ETL（エコートレイン）

フリップアングル

信号強度Cube

FSE

Cube

IDEAL(Iterative Decomposition of water/fat using Echo Asymmetry and Least-squares estimation)

３-point Dixon 法を応用し、３つの異なる TE によって取得した画像データにより、正確な水/脂肪分離画像を作成

することが可能。

☆ Cube ．．．Isotropic Volume Imaging

・ T2 強調画像・プロトン強調画像・FLAIR 画像が 3D で撮像できます。

・ X・Y・Z 方向に同じ大きさのデータ収集が可能なため、１回の撮影で任意の断面の再構成が可能。

☆今までも行えたのですが、色々な制約により「ぶれ」や「ぼけ」を生じていました。そのため用途として

は MRCP（MRI による胆管・膵管撮影）等が主体でしたが、「ぶれ」や「ぼけ」を抑えた技術開発により

高空間分解能画像が撮像可能になりました。

φ2 = π/2

φ3 = 7π/6

φ1 = -π/6

FatWater

Field Mapの作成（局所磁場不均一の計算）

水画像

脂肪画像

Out of Phase画像

合成画像

①

②

③

④

In Phase画像φ2 = π/2

φ3 = 7π/6

φ1 = -π/6

FatWater

Field Mapの作成（局所磁場不均一の計算）

水画像

脂肪画像

Out of Phase画像

合成画像

①

②

③

④

In Phase画像

水画像

脂肪画像

Out of Phase画像

合成画像

①

②

③

④

In Phase画像

従来 従来 IDEAL IDEAL

GE Healthcare 社 カタログより引用

従来 CUBE

※エコートレイン

＝1回の励起で収集する

エコー信号の数

超音波検査 超音波検査の特徴として、被曝がなく、反復して行えるため、経過観察に適してる・簡便に検査を

行える・任意の断面を描出できる等が挙げられます。

今回は、当院で経験し超音波検査が有用であったと考えられる症例をいくつか紹介いたします。

腎血管筋脂肪腫

良性腫瘍。臨床所見は無症状のことが多いが、腫瘤が大きくなると腹部腫瘤・腹痛・血尿をきたす。

腎癌との鑑別を要する。 内部のエコーレベルは腫瘤内に含まれる脂肪と血管と筋肉の量で決まる。

健診にて、右腎に楕円形の高エコーで内部

不均一な腫瘤を認める。

同日に行われた MRI では拡散低下を示す結節と して指摘されたが、CT では指摘されず、US が有

用であった。

総胆管結石

肝外胆管に結石を認めるもので、ビリルビンカルシウム石が多い。 胆管炎を合併しやすく、黄疸

・肝膿瘍・急性膵炎等をきたすことがある。

健診にて、総胆管下部に後方陰影を伴うやや

高エコー病変を認める。同日行われたＣＴでは指

摘されておらず、コレステロール性の結石と考え

られた。US における胆石の検索は、微小病変の

検索・結石のタイプの違いに左右されず検出できる

点で、他のモダリティより優れていると考えられる。

上記の疾患以外にも、超音波検査は、病変のエコーレベルの違いから一定の質的診

断が可能と考えます。また、造影剤を用いずに血流評価が可能です。

空気・ガスによる不明瞭化や、実施者による描出能の違い等欠点もありますが、MRI

より短時間に、単純 CT よりも高い質的診断能で行える超音波検査は、画像診断の第一

選択として有用な検査と言えます。

ＭＲＩ検査におけるご案内

お気軽に、お問合せ、お申し付け下さい

先生方ご自身・ご家族様の健康サポートもいたします

東名古屋画像診断クリニック

この度、日本磁気共鳴専門技術者認定機構によるＭＲＩ検査での火傷事例の報告がございました。事

例といたしましては、金属探知機に反応がなかったため、患者様がお持ちになられた衣服を着用のまま

検査実施したところ、熱傷を発症したという内容でございました。 当院では日ごろより患者様の安全を 優先に考え、検査を実施させていただいておりますが、このよ

うに外観状の判断が困難であり、かつ金属探知機でも発見困難な素材による熱傷等の防止に万全を期す

為、今後、当院ＭＲＩ検査におきましては、すべての患者様に当院用意の検査着に着替えていただいた

上、検査をさせていただきます。 先生方、患者様におかれましては、ご面倒をお掛けすることもあろうかと存じますが、安全な検査実

施のためである旨をお汲み取りいただき、患者様にご案内下さいますよう、何卒お願い申し上げます。

〒464-0044 名古屋市千種区自由ヶ丘 3 丁目 4 番 26 号

（愛知県がんセンター中央病院・隣） ＴＥＬ：0120-69-1714（052-764-1714） ＦＡＸ：052-764-1725 健診資料請求：0120-73-1714（052-764-1713） 診療日：火～土曜日（月曜日、日・祝祭日休診） 予約受付時間：月～金 9：00～19：00

土曜日 9：00～18：00

検査予約、撮影方法、検査画像媒体、結果レポート返却等、どのようなことでも結構でございます。

ご要望、ご不明な点などがございましたら、お気軽に何なりとお申し付け下さいませ。

東名古屋画像診断クリニックでは保険診療だけではなく、ＰＥＴ-ＣＴ検査を中心とした健診シ

ステム「セレブ」を設けております。 新の画像診断機器、迅速で精度の高い撮影及び読影、会員制だからこそできる健診データ集

積による徹底した管理とサポート。ホテル空間のような健診エリアはプライバシーを守る落ち着

いた空間設計になっております。 『がんで亡くなる方を一人でも少なくしたい』という信念のもと、責任ある先生方、またご家族

様の健康を守り続けて参ります。詳しくは、ぜひお問合せ・資料請求下さいませ。

責任ある方々のためのライフプロテクトシステム－「セレブ」