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水素・燃料電池関連産業の 技術ニーズについて 平成30年度暫定版 一般財団法人日本立地センター

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水素・燃料電池関連産業の技術ニーズについて

平成30年度暫定版

一般財団法人日本立地センター

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目 次

1.エネファーム

・エネファームの現状及び部品仕様等

・業務用・産業用及び純水素燃料電池

・(参考資料)補機・部品等の仕様例

2.水素ステーション

・水素ステーションの現状及び関連部品仕様等

一般財団法人 日本立地センター 1

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1.エネファーム

・エネファームの現状及び部品仕様等

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(PEFC) 定格出力0.7 kW~0.75 kW

2009年5月より一般販売開始

(SOFC ) 定格出力 0.7 kW2011年10月17日より一般販売開始

出典:各社のホームページより

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エネファームの設置イメージ

一般財団法人 日本立地センター3

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家庭用燃料電池・エネファーム(PEFC)

出典:大阪ガスホームページ

1.発電ユニット

発電出力 0.2~0.75kW排熱出力 1.08kW (出力範囲0.21~1.08kW)

定格時効率 発電39.0%,  総合95.0%  (LHV)外形寸法 (mm) 高さ1850 x 幅400 x 奥行400

質量 約90kg定期点検周期 約4年

騒音値 38dB(定格運転時)

2.貯湯ユニット

貯湯温度 約60℃貯湯タンク容量 147リットル

外形寸法 (mm) 高さ1850 x 幅560 x 奥行400質量 約55kg(満水時は約210kg)

3.熱源機

熱源機タイプ 潜熱回収型ガス瞬間式

給湯出力 41.9kW/24号

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エネファーム(SOFC)

出典:大阪ガスホームページ及び「2016年度水素ステーション・エネファーム関連分野進出セミナー in 群馬(アイシン精機㈱)講演資料より抜粋

5一般財団法人 日本立地センター

アイシン精機 2016年モデルSOFC仕様

対応ガス種 都市ガス(13A),LPガス

発電出力 通常時:700W,停電時:700W

定格発電効率 52% (LHV)

定格総合効率 87% (LHV)

タンク容量 28L

設置面積 1.4m2

定期点検 10年間メンテフリー

設計寿命 10年

設置先 新築戸建,既築戸建,新築集合

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エネファームのメーカ設置台数(単年度ごと)

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コージェネ財団ホームページより

累計:208,509台(2017年3月末現在)

導入目標2020年度:140万台2030年度:530万台

PEFC:2019年までに80万円SOFC:2021年までに100万円2020年頃に自立的普及

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平成29年度エネファームの補助金

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燃料電池普及協会ホームページより 一部追記

(税抜き金額)補助対象経費:機器価格と工事費の合計価格

補助金の条件合計価格が基準価格以下の場合

の補助金額基準価格

合計価格が基準価格と裾切価格との間の補助金額

裾切価格合計価格が裾切価格以上

固体高分子形(PEFC)

11万円 111万円 5万円 127万円

固体酸化物形(SOFC) 16万円 146万円 8万円 157万円

補助金対象外

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エネファーム・燃料電池発電システム

セルスタック

直流

温水

出力

水素

排熱

燃料改質装置 排熱回収装置

交流出力

インバータ

都市ガス

プロパン

一般財団法人 日本立地センター 8

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エネファームの主要部品・デバイスの例

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次世代機に向けてコストダウンしたい構成部品群の例

排熱回収系

ポンプ

ポンプ

気液熱交換器

ブロア

エアフィルタ

改質水ポンプ

水精製器(イオン交換樹脂)

改質水系

燃料系

流量計

電磁弁

エア系

流量計

フロートセンサ

換気ファン ガスセンサ

その他

構造系

出典:燃料電池セミナーin大阪2015 アイシン精機講演資料より一般財団法人 日本立地センター 10

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エネファームの普及・拡大に向けた取組み

出典:2015年東京モータショーMETI展示パネルより

一般財団法人 日本立地センター 11

集合住宅向けエネファームの例

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業務用・産業用燃料電池の開発

業務用・産業用を対象とした燃料電池は、2017年の市場投入を目指し、各社それぞれの機器で技術開発・実証を行っています。

出典:2015年東京モータショー METI展示パネルより

一般財団法人 日本立地センター 12

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業務用小形燃料電池システムの例

一般財団法人 日本立地センター 13

3kW-SOFCシステム(発電ユニット)の概要

発電出力 3kW

定格発電効率 52.0%(LHV,初期値)

定格総合効率 90%(LHV,初期値)

寸法 W1150 x D675 X H1690 mm

重量 375 kg

ガス種 都市ガス13A

*貯湯ユニットは㈱ノーリツ製(貯湯容量200L,別売)出典:ブラザー工業(株)ホームページより作成

出典:京セラニュースリリースより抜粋

京セラ BFC4-700MH-DC48V

出力 DC48V, 700W

運転寿命 2万時間

待機寿命 10年

発電ユニットサイズ W660 x D430 x H1100 mm

燃料ユニットサイズ W590 x D430 x H430 mm

発電ユニット 重量 127kg

燃料ユニット 筐体重量 33kg

燃料ユニット 燃料ケース 17kg/ケース

ブラザー工業 小形燃料電池システムの仕様(PEFC)

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純水素燃料(東芝)の例

一般財団法人 日本立地センター14

東芝は,出力700W, 3.5kW, 100kWを製造

出力 700W 出力 100kW

出典:東芝ホームページより抜粋

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純水素燃料電池(パナソニック)の例

一般財団法人 日本立地センター 15

出典:「2016年度水素ステーション・エネファーム関連分野進出セミナーin 栃木(パナソニック㈱)講演資料より抜粋

業務用水素燃料電池・基本ユニット(5kW)

複数台連携による大出力化・複数台連携(~50kW)

複数台連携で必要負荷に応じた出力に対応

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(参考資料)家庭用燃料電池システムの低コスト化に向けて

エネファームの補機は、・低圧力・低流量の空気、燃料、水を精度良く制御する必要がある

・①改質水ポンプ(W1) ②燃料昇圧ブロア(G1) ③カソード空気ブロア(B3) ④排熱回収ポンプ(W3)の更なる低コスト化が求められている

一般財団法人 日本立地センター 16

出典:NEDO 家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リスト 2010年3月

B1:バーナ空気ブロワ B2:選択酸化空気ブロワ B3:カソード空気ブロワG1:燃料昇圧ブロワ W1:改質水ポンプ W2:冷却水ポンプ W3:排熱回収ポンプ

都市ガス・

G1

改質器

バーナ

脱硫

CO

変成

CO

除去

空気

空気

空気

燃料

空気

冷却

交流出力

改質用水

排気

W1W2B1

B2

B3熱交換器

貯湯槽

原燃料改質ガス

市水

電力

W3LPG

G1

改質器

バーナ

改質器

脱硫

器脱

硫器

CO

変成

器C

O変

成器

CO

除去

器C

O除

去器

空気

空気

空気

燃料

空気

冷却

改質用水

排気

W1W2B1

B2

B3

原燃料改質ガス原燃料改質ガス

市水

W3

排熱回収装置

貯湯ユニット

燃料処理ユニット

冷却水タンク

インバータ

燃料電池ユニット

熱交換器

バーナ

②③ ④

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① 改質水ポンプ(W1)

使用流体・温度 イオン交換水 ・ 80℃最大使用圧力 150 kPa駆動電圧 DC24V±10%最小~最大運転範囲 4~17 mL/min定格運転 10 mL/min定格消費電力 3 W 以下騒音 40 dB 以下耐久時間 4万時間*接続方法 クイックファスナ P7流量誤差範囲 ±3 %以内

一般財団法人 日本立地センター 17

NEDO 家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リスト 2010年3月より抜粋ただし,最新情報はメーカに問い合わせる必要あり。

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② 燃料昇圧ブロワ(G1)

使用流体・温度 都市ガス又はプロパン ・ 60℃最大使用圧力 15kPa駆動電圧 DC24V±10%最小~最大運転範囲 0.4 @ 5~5NL/min @ 20kPa定格運転 4 NL/min @15kPa定格消費電力 5 W 以下騒音 40 dB 以下耐久時間 4万時間*接続方法 クイックファスナ P10流量誤差範囲 ±10%以内

一般財団法人 日本立地センター 18

NEDO 家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リスト 2010年3月より抜粋ただし,最新情報はメーカに問い合わせる必要あり。

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③ カソード空気ブロワ(B3)

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使用流体・温度 空気・ 60℃最大使用圧力 15kPa駆動電圧 DC24V±10%最小~最大運転範囲 10 @2~60 NL/min @14kPa定格運転 51 NL/min @12kPa定格消費電力 30 W 以下騒音 40 dB 以下耐久時間 4万時間*接続方法 クイックファスナ P14流量誤差範囲 ±10%以内

NEDO 家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リスト 2010年3月より抜粋ただし,最新情報はメーカに問い合わせる必要あり。

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④ 排熱回収ポンプ(W3)

使用流体・温度 市水 ・ 80℃最大使用圧力 600 kPa駆動電圧 DC24V±10%最小~最大運転範囲 0.03~1.2 NL/min定格運転 0.5 NL/min @20kPa定格消費電力 3 W 以下騒音 40 dB 以下耐久時間 4万時間*接続方法 クイックファスナ P10流量誤差範囲 特に指定しない

一般財団法人 日本立地センター 20

NEDO 家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リスト 2010年3月より抜粋ただし,最新情報はメーカに問い合わせる必要あり。

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空気フィルタの仕様例

一般財団法人 日本立地センター 21

出典:「2016年度水素ステーション・エネファーム関連分野進出セミナーin 栃木(パナソニック㈱)講演資料より抜粋

要求事項:

高耐久,コンパクト,低圧損,低コスト

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純水精製装置の仕様例

一般財団法人 日本立地センター 22

出典:「2016年度水素ステーション・エネファーム関連分野進出セミナーin 栃木(パナソニック㈱)講演資料より抜粋

要求事項:

高耐久,コンパクト,低コスト

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配管部材(金属系)の仕様例

一般財団法人 日本立地センター 23

出典:「2016年度水素ステーション・エネファーム関連分野進出セミナーin 栃木(パナソニック㈱)講演資料より抜粋

要求事項:低溶出,低コスト

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配管部材(樹脂系)の仕様例

一般財団法人 日本立地センター 24

出典:「2016年度水素ステーション・エネファーム関連分野進出セミナーin 栃木(パナソニック㈱)講演資料より抜粋

要求事項:低溶出,低コスト

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その他の部品

• 熱交換器• 電力変換器(インバータ)• 制御装置• 弁類:遮断弁,2連遮断弁,リリーフ弁など• 圧力計• 流量計:反応空気,原料ガス,改質水など• センサー:水素,温度など• 継手:クイックファスナ• 筐体:• 断熱材:

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SOFCの要望事項の例

(1)触媒:・脱硫触媒(燃料ガス中の硫黄の除去)・CO燃焼触媒(SOFC等の燃焼排ガス中のCO除去)

(2)SOFC電池本体:・断熱材(人体に有害な物質の排出無し)・溶接部(薄板0.5t,600℃以上での溶接部の

耐久性向上)・高温絶縁シール材(700℃~800℃の絶縁シート材又はシート化技術(0.5~1mm))

・金属セパレータの表面処理技術

一般財団法人 日本立地センター 26

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SOFCの要望事項の例

(3)純水電導度センサー

(4)流量計(高精度)

・燃料流量計,空気流量計

(5)ISO対応,RoHS対応は基本

一般財団法人 日本立地センター 27

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エネファーム補機等の要望事項まとめ

●ポンプ,ブロワ,弁・長寿命化技術:8~9万時間・小型・低コスト化技術・省電力・低騒音(37dB程度)(低周波数)の新技術・弁(保持:0.5~0.8W,カチカチ音なし)

●制振材料に関する新技術⇒遮断弁の消音化●新材料、新断熱材料等の新技術●複数機器のモジュール化技術、マルチ配管技術

⇒樹脂成型・融着技術など●企業間の積極的な連携による技術革新

・責任を持って量産化できるメーカの参入

・複数機器の一体化等によるコストダウンの提案も期待

●国等の補助事業を活用した技術開発への提案

一般財団法人 日本立地センター 28

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参考

①NEDO 家庭用燃料電池システム関連補機類の共通仕様リスト 2010年3月

http://www.nedo.go.jp/library/pamphlets/ZZ_pamphlets_06nenryou_kateiyou.html

マッチング会参加意向の企業様に対しては,大手メーカ様の

②「業務用燃料電池システムの補機仕様例(25kW級)」及び

③「燃料電池用補機の要求仕様例」等の情報を提供可能です。

⇒詳細は,日本立地センターへお問合せください

一般財団法人 日本立地センター 29

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2.水素ステーション・水素ステーションの現状及び関連部品仕様等

一般財団法人 日本立地センター 30

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水素ステーションの例(名古屋熱田水素ステーション)

一般財団法人 日本立地センター 31

・2017年6月現在,91か所(内,移動式 33か所),計画中8カ所(内,移動式 5カ所)(出典:燃料電池実用化推進協議会ホームページより集計)

・2020年度までに160箇所程度、・2025年度までに320箇所程度

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水素ステーションの代表的な形式

E

出典:HySUT講演資料、燃料電池セミナーin 東京、 東京モータショー、 H25.11.28

A B

C  弁・継手類

D

圧縮機

圧縮機

E蓄圧器

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パッケージ型水素ステーションの例

出典:大陽日酸講演資料、燃料電池セミナーin 東京、 東京モータショー、 H25.11.28

一般財団法人 日本立地センター 33

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水素ステーション設備のコスト内訳の例

B

B

A

A

D

D

E

E

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 平成25年度 燃料電池セミナー事業 展示会パネル資料

2013年度5.5億円 ⇒ 2015年度3.6億円(目標)コストダウンの方策①規制緩和、量産効果、技術開発の組合せ 及び ②パッケージ化、機器の標準化等

一般財団法人 日本立地センター 34

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ディスペンサと水素充填ノズルの例

ディスペンサ

充填ノズル

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水素ステーションの機器(緊急離脱カップリングの例)

「NEDO資料をもとに作成」

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緊急離脱カップリング

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樹脂ホース

継手類

金属フレキホース

配管類

水素ステーションの機器(配管、継手、ホース類)

「NEDO資料をもとに作成」

一般財団法人 日本立地センター 37

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過流防止弁

手動弁 遮断弁 コントロール弁

逆止弁背圧弁減圧弁

安全弁

水素ステーションの機器(弁類)

「NEDO資料をもとに作成」

一般財団法人 日本立地センター 38

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水素ステーションの機器(計装機器類)

圧力計 火炎検知器 ガス検知器

電磁弁 流量計

出典:H21年度 J H F C セミナー「NEDO資料をもとに作成」

一般財団法人 日本立地センター39

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水素ステーション関連部品の例①‐1プレクーラー(D)

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 平成25年度 燃料電池セミナー事業 展示会パネル資料

項目 単位

流体条件 水素

受入温度 (℃) 常温~40

使用条件

使用可能圧力 (Mpa, ゲージ) 70以上 *1

最大流量 (Nm3/h) 2000

使用材料

その他

目標コスト

備考

高圧ガス保安法に準拠、または特認等が得られた材料を使用すること

・充填ノズルの出口水素ガス温度が-40℃となる冷凍能力を有すること

24百万円

*1  FCVへの70MPa充填を想定。ただし、将来の規制見直しによりFCVに    87.5MPaで充填可能な仕様が求められる予定

一般財団法人 日本立地センター 40

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(1)プレクーラー<概要>・‐33℃~‐40℃、水素5kgを3分でFCVへ充填に対応できるシステム。

<条件>・水素40℃、5kgを ‐40℃まで冷却する能力・法的な開放試験に対応(例:金属の表面状況を検査等できること)・水素漏れのないこと・充填プロトコル(SAE J2601に記載)→充填量(流量)、流速(CV値のとれるもの)・‐50℃~90℃で使用できる素材(高圧ガス保安法 例示基準に記載)・ 一般高圧ガス保安規則第7条の3等に対応+HyTReC等での試験

<必要な技術>・熱交換器(水素、冷媒)・水素出口温度コントロール( ‐33℃~‐40℃)

(1)プレクーラー<概要>・‐33℃~‐40℃、水素5kgを3分でFCVへ充填に対応できるシステム。

<条件>・水素40℃、5kgを ‐40℃まで冷却する能力・法的な開放試験に対応(例:金属の表面状況を検査等できること)・水素漏れのないこと・充填プロトコル(SAE J2601に記載)→充填量(流量)、流速(CV値のとれるもの)・‐50℃~90℃で使用できる素材(高圧ガス保安法 例示基準に記載)・ 一般高圧ガス保安規則第7条の3等に対応+HyTReC等での試験

<必要な技術>・熱交換器(水素、冷媒)・水素出口温度コントロール( ‐33℃~‐40℃)

(1)プレクーラー<概要>・‐33℃~‐40℃、水素5kgを3分でFCVへ充填に対応できるシステム。

<条件>・水素40℃、5kgを ‐40℃まで冷却する能力・法的な開放試験に対応(例:金属の表面状況を検査等できること)・水素漏れのないこと・充填プロトコル(SAE J2601に記載)→充填量(流量)、流速(CV値のとれるもの)・‐50℃~90℃で使用できる素材(高圧ガス保安法 例示基準に記載)・ 一般高圧ガス保安規則第7条の3等に対応+HyTReC等での試験

<必要な技術>・熱交換器(水素、冷媒)・水素出口温度コントロール( ‐33℃~‐40℃)

水素ステーション関連部品の例①‐2(信頼性を確保した製品開発ができれば、市場参入が可能と思われる商品)

一般財団法人 日本立地センター 41

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(2)充填ノズル(要望:シール性、低コスト化)<概要>車側 レセプタクルにあったディスペンサー側ノズル設計

<条件>・漏れのないこと・充填プロトコル(SAE J2601に記載)→充填量(流量)、流速(CV値のとれるもの)

・‐50℃~90℃で使用できる素材(高圧ガス保安法 例示基準に記載)・国内の設計基準に適合+HyTReC等での試験

<必要な技術>・SUS精密加工・高圧ガス保安法対応を理解していること

水素ステーション関連部品の例②(信頼性を確保した製品開発ができれば、市場参入が可能と思われる商品)

一般財団法人 日本立地センター 42

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(3)緊急離脱カップリング(要望:信頼性、低コスト化)<概要>ディスペンサー充填ノズル用ホースが無理に引っ張られた際、安全に外れる

<条件>・漏れのないこと・離脱時には安全確保できる・国内の設計基準に適合+HyTReC等での試験

<必要な技術>・SUS精密加工技術を持っている・高圧ガス保安法対応を理解していること

水素ステーション関連部品の例③(信頼性を確保した製品開発ができれば、市場参入が可能と思われる商品)

一般財団法人 日本立地センター 43

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水素ステーション関連部品の例④弁・継手類(C)

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 平成25年度 燃料電池セミナー事業 展示会パネル資料

項目 単位

液体条件 水素

使用条件

使用可能圧力 (Mpa, ゲージ) 82以上 *1

     温度

1)蓄圧器回り     (℃) -30 ~ 85

2)ディスペンサ周り  (℃) -40 *2 ~ 50

3)上記1)2)以外   (℃) -30 ~ 70

自動遮断弁の耐久性

使用材料

その他

目標コスト

備考

開閉30万回以上

高圧ガス保安法に準拠、又は特認等が得られた材料を使用すること

上記高圧水素下においても水素が漏えいしないこと

3百万円の内数

*1  FCVへの70MPa充填を想定。ただし、将来の規制見直しによりFCVに    87.5MPaで充填可能な仕様が求められる予定*2 ただし、将来の規制見直しにより-50℃がもとめられる予定

一般財団法人 日本立地センター 44

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(5)配管の溶接接続技術及び溶接検査技術<概要>・素材の特性が失われない自動溶接技術(強度、Ni当量)及び

非破壊検査技術・不溶着部のない溶接技術<条件>・漏れのないこと・‐50℃~90℃で使用できる素材(高圧ガス保安法に記載)・振動に強い・国内の設計基準に適合+HyTReC等での試験

水素ステーション関連部品の例⑤(信頼性を確保した製品開発ができれば、市場参入が可能と思われる商品)

一般財団法人 日本立地センター 45

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SUH660

常⽤の温度 (℃)-45 50

82

常⽤

の圧

⼒(M

Pa)

2501

H26.11制定

(銅合⾦)C3604・C3771

常⽤の温度 (℃)-40 100

常⽤

の圧

⼒(M

Pa)

250

25

1

H26.04制定

常⽤の温度 (℃)-40 -10 20 85

82

70

常⽤

の圧

⼒(M

Pa)

250

拡⼤

20

Ni当量≧27.4%

-45

拡⼤

H26.04拡⼤制定

H26.11拡⼤制定

H26.11制定

Ni当量≧26.3%

Ni当量≧28.5%

九⼤データベース値

<参考情報>KHKTD5201:超⾼圧ガス設備に関する基準の⾼圧⽔素⽤設備への適⽤に係る技術⽂書(H26.11発⾏)★SUS316およびSUS316L冷間加⼯材について、絞り

および伸びの追加規定を⽂書化

SUS316(Ni当量品)

常⽤の温度 (℃)-40 -10 20 85

82

70

常⽤

の圧

⼒(M

Pa)

Ni当量≧27.4%

Ni当量≧28.5%

Ni当量≧26.3%

・範囲の拡⼤(⾼圧、⾼低温)・20MPa以下;Ni当量の枠外(クロモリ鋼も可)

・種類の拡⼤

SUS316(Ni当量品)

例⽰基準における鋼種拡⼤事例

その他40MPa以下蓄圧器

→SCM435クロムモリブデン鋼

(平成27年5⽉22⽇) 第7次改訂版

出典:燃料電池セミナーin大阪2015 JPEC講演資料より 46

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水素容器等の試験設備の例

水素ステーション用大型水素タンクの開発、実用化に取り組む企業を支援するため、平成26年4月に新しい試験施設が完成しました。これにより、水素ステーションで使用される大型水素容器の認証取得に必要なすべての試験が実施可能となりました。また、2,400m3/hrの水素供給能力を有するため、水素燃料電池自動車の実使用環境を想定した試験も実施可能です。

環境温度圧力サイクル試験室(1室)高圧水素ガス試験室(4室)

設備概要

常温圧力サイクル試験室(1室)破裂試験室(1室)

膨張量測定室(1室)

(公財)水素エネルギー製品研究試験センター

HyTReC:バルブ、センサー等の耐久性試験

一般財団法人 日本立地センター 47

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設備製作

• 圧縮機ユニット

• 蓄圧器ユニット

• ディスペンサー

• 他

施設建設

• 設備基礎

• 障壁・建物

• 受電・他ユーティリティ

運用

• 充填作業

• SS業務

• メンテナンス

出典:© 神戸製鋼HPより

・各機器メーカーでの設計・製作

・設置場所毎の建築・土木エンジニアリング

・設置・ユーティリティ接続工事

・有資格者による充填作業、オペレーション全般

水素ステーション建設から運営までの流れ

一般財団法人 日本立地センター

出典:燃料電池セミナーin大阪2015 日本エア・リキード講演資料より

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Page 50: 水素・燃料電池関連産業の 技術ニーズについて水素・燃料電池関連産業の 技術ニーズについて 平成30年度暫定版 一般財団法人日本立地センター

・電気関係・受電契約への助勢・受電設備・動力系配線工事・計装系配線工事

・建築・土木関係・基礎,障壁・建物(事務所,設備小屋)・建築許可申請関連

・既設施設の届出・許可に対する変更手続き助勢

・管工事他関係

・ユーティリティ接続工事(計装空気,冷却水,散水,他)

・高圧ガス配管

・運用(高圧ガス系)・圧縮水素充填作業

・高圧ガス設備運営(日常点検,定期点検他)

・保安監督者(有資格者&高圧水素ガス取扱6カ月以上)

・運用(電気系)

・受電設備の運用管理(電気主任技術者)

・ステーション制御盤,配電盤,場内照明等

・運用(共通)・SSオペレーション

建設・運用におけるニーズ

一般財団法人 日本立地センター

各分野に精通した企業間で共同企業体(特定JVなど)を組織する必要があります。

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出典:燃料電池セミナーin大阪2015 日本エア・リキード講演資料より

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水素ステーション関連ニーズ一覧(1/2)

一般財団法人 日本立地センター 50

水素ステーションメーカ

継手・超高圧対応・溶接が難しい・超高圧なのでパッキン使用の継手には慎重

Oリング

・プレクールの低温下(-40℃)で縮んで隙間ができないもの(1年間保つもの)・ゴム,樹脂は,組成・規格が同じでも,加熱方法や配合が違うと全く異なる性状を示す。まだこれというものがない。

バルブ・超高圧対応・部品・パッキンのブリスタ(blister)が課題

センサー超高圧対応・防爆対応

ノズル ・1社独占,参入のチャンス

緊急離脱カップリング

・逆止弁の機能,過度な流速の検知,ボールの大きさ,重さ,内壁,バネなどの課題をトライアンドエラーで解決しシェアを獲得している。

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水素ステーション関連ニーズ一覧(2/2)

一般財団法人 日本立地センター 51

水素ステーションメーカ

配管溶接

・厚肉金属の溶接(肉厚3mm程度)・要素技術として必要,1社では賄えない・自動溶接機が使えれば品質が安定する・溶接仕様は,九州大学で検討・評価・SUS316の溶接は非常に難しい。溶接するならHRX19を使用・超音波探傷検査,放射線検査等の非破壊検査が望まれている

配管の曲げ加工・肉厚の厚い配管(例:内径3mm,肉厚5mm)を90°曲げる技術・エルボ,ティーズに代えて曲げ加工配管を使用

配管施工 ・高圧配管施工会社は全国で5社しかない。将来は絶対数不足。

金属材料・例示基準で規定された金属材料の使用・金属材料の溶接には課題がある

土木工事・水素ステーション単独の工事は難しくない・3割は土木建築費である

使用実績・使用実績がないと採用されない・HyTReCやJARIなどの試験機関での安全性,耐久性等の試験結果により実証する。

開発補助金 ・中小企業は,高額な試験費用を負担することが出来ない。

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ご不明な点・ご相談等がありましたら、下記へお問い合わせください。【お問合せ先】・日本立地センター

長岡・メール: fc‐[email protected]・電 話: 03‐3518‐8967・ファックス: 03‐3518‐8970

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