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© 2017 NTT DATA INSTITUTE OF MANAGEMENT CONSULTING, Inc. 第七回 クレジットカードデータ利用に係るAPI連携に関する検討会 キャッシュレス検討資料(多様な支払&データ利活用) 2017年12月11日 株式会社NTTデータ経営研究所 グローバル金融ビジネスユニット 資料4

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第七回 クレジットカードデータ利用に係るAPI連携に関する検討会 キャッシュレス検討資料(多様な支払&データ利活用) 2017年12月11日 株式会社NTTデータ経営研究所 グローバル金融ビジネスユニット

資料4

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Ⅰ.現状認識

既存ビジネススキームの限界

日本のキャッシュレス化は、支払サービス提供企業 (クレジットカード会社、プリペイドカード事業社、銀行(デビットカード))が利用者、加盟店を増やして拡大。 加盟店を中心に、費用対効果に見合わないという意見あり。

クレジットカード会社 ※個社ごとに推進

プリペイド・ 電子マネー

事業者 ※個社ごとに推進

銀行 (デビットカード)

※個社ごとに推進

利用者拡大

利用者拡大

加盟店拡大

加盟店拡大 利用者拡大 加盟店拡大

・導入端末費用 ・システム改修費用

・導入端末費用 ・システム改修費用

・インセンティブコスト ・ポイントコスト ・信用コスト

キャッシュレスの拡大

・分割・リボ払い手数料 ・年会費

・加盟店手数料

・加盟店手数料

費用対効果に合わず現状維持

新しい支払に注力する企業の「ビジネスモデル」に着目

・インセンティブコスト ・ポイントコスト ・信用コスト

・加盟店手数料

・導入端末費用 ・システム改修費用

・インセンティブ コスト ・ポイントコスト ・信用コスト

金融サービス以外との 組み合わせで収益確保

デジタルマーケティングへ活用

中小企業向け決済端末 導入と事業性サービス

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Ⅰ.現状認識

利用者が選択する時代 ~高級車と軽自動車~

高級車も軽自動車も、移動手段としては同じ。しかし、利用者ニーズは個別にある。

支払においても同様ではないか? ⇒利用者ニーズに対して、支払の選択肢が限られていないか。課題は何か。

⇒ 加盟店にて低額(5千円以下等)支払では手数料を無料にするモデルや、金額・店の規模に応じた 段階的な手数料のモデルはないか?

• 高価 • カーナビ付 • 全方向エアバッグ • ゆったりとしたシート • ハイオク、低燃費 自動車税高

• 安価 • 基本機能のみ • 前面エアバッグ • 制限されたスペース • レギュラー、高燃費 自動車税低

• 高いシステム・端末 • 付加価値(ポイント付与) • 問題発生時の対応が十分 • 高額の取り扱いも可能 • 高い手数料

• 安いシステム・端末 • 基本機能(送金できるだけ) • 最低限の問題対応 • 制限された取扱金額 • 安い手数料(無料を含む)

【 価 格 】 【付加価値 】 【 安 全 性 】 【 許 容 度 】 【 維 持 費 】

【 価 格 】 【付加価値 】 【 安 全 性 】 【 許 容 度 】 【 維 持 費 】

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Ⅰ.現状認識 現状のカード取引のコスト構造(例)→新しいビジネスモデルの要請

国際ブランド

イシュア (カード会社等)

加盟店 (商店等)

カード 利用者

加盟店手数料A (イシュア分+

アクワイアラ分) 3.5%

カードオーソリ・ 売上データプロセシング

ネットワーク(CAFIS、JCN等)

インターチェンジフィー (含む為替マークアップ)

1.1%

ネットワーク接続料 (基本料)回線利用料 4円/トランザクション

(イシュア分含む)

カード年会費 1万円/年

振込手済料 (売上精算時)

210円/回 全銀システム

会員管理コスト (含むシステムコスト) インセンティブコスト 0.5%(ポイント) 0.5%(利用インセン) 信用コスト 0.05% カード発券コスト 500円/枚

加盟店開拓コスト 加盟店管理コスト

(含むシステムコスト) 1.5%

インターチェンジフィー (含む為替マークアップ)

1.5%

既存カード取引において、各プレイヤーが負担するコスト額・率(例)は、以下の通り。

アクワイアラ (カード会社等)

金融商品収益 リボ/分割手数料 年利18% キャッシング利用料 年利14%

端末利用料 5円/台/トランザクション

※注 パーセント表示は、 取引金額に占める割合

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Ⅱ.キャッシュレス文明

デジタル革命に伴う、通貨改革から生まれた「キャッシュレス文明」が興りつつある

クレカ/NFC

クレカ/NFC

SMS

携帯電話番号

生体認証/QR

QR/クレカ

クレカ/NFC

Sweden

EU

Denmark

India

China

Australia

Kenya

US

UK

クレカ/プリペ

Korea

携帯電話番号

ASEAN

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Ⅱ.キャッシュレス文明 仮想通貨の台頭

お支払

テクノロジーの進化や、テクノロジー自体が身近になったことで、既存のサービスに満足できない人々が、 自分たちで「勝手に」作り出す動きとして仮想通貨が誕生。法もなくインターネットという究極の規模に どう太刀打ちするか。

仮想通貨 利用者 インターネット

銀行預金

クレジットカード

VMJネット CAFIS

専用線

提供者 利用ネット

ワーク 支払手段 支払手段 提供者

利用ネットワーク

・中央集権的 ・企業・国の信頼 ・業法や規模の経済に守られた世界

・非中央集権的 ・コミュニティによる信頼 ・インターネットという究極の規模の世界

伝統的 革新的

プリペイドカード

全銀ネット

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Ⅱ.キャッシュレス文明 仮想通貨の台頭

仮想通貨? 物々交換 紙幣・硬貨 クレジット

カード

プリペイドカード

電子マネー 石・貝

時代と共に進化

支払の変遷

資金決済法

法律の制定

景品表示法

テクノロジーの発達

銀行法

割賦販売法 日本銀行法

特定商取引法

消費者契約法

金融商品取引法

犯罪収益移転防止法

1300種類以上存在 技術応用を含め 8~70兆円規模?

新しい ルールの あり方?

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Ⅱ.キャッシュレス文明

【再掲】目指すべき方向性 キャッシュ・ゼロ社会

事業者 消費者

ペイメント事業者

キャッシュレス支払

<デジタルインフラの整備>

デジタルな通信 <IoTデバイス>

<IoTデバイス>

キャッシュレス支払手段

キャッシュレス支払データ

融資・資産運用・ 信用情報サービス

マーケティング クラウド会計 融資サービス

オファー

双方向コミュニケーション

ライフスタイル変革 事業経営への貢献

<支払データ利活用>

デジタルな手段で支払が行われ、そこで生み出されたデータを利活用することによって、それぞれの 業界の生産性が向上し、消費者・事業者にとって付加価値の高い社会を実現する。

デジタル化周知・理解サポート デジタル化推進サポート

支払がデジタル化され加盟店・消費者にとって付加価値の高い社会

革新的な購買体験

強制使用の施策

No Cash

メリット促進の施策

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Ⅲ.キャッシュレス化を進める方策(案) ①「ID払い」の導入

携帯電話番号や国民番号等の「統合ID」と銀行口座番号を結びつけ、送金・支払を実現する 「ID払い」がキャッシュレス社会実現の起爆剤になるとされて各国で取り組みが広がっている。

(図)日経FinTech掲載 NTTデータ経営研究所が作成 • 海外では単なる顧客利便性の向上にとどまらず、

キャッシュレス化等、広く社会的コストの削減と社会的サービスの向上を目指している

• シンガポールはID払いの先に、KYC基盤の 構築を視野に入れている

• 海外では携帯番号以外の様々なIDの活用も進んでおり、統合IDとして、幅広い分野で活用されることが想定されている

• 日本でも単なる携帯番号送金にとどまらず、金融分野を超えた総合的な取り組みとするべく議論が必要である

各国の「ID払い」取り組み状況

国 施策 開始日 主な狙い

ID種類

参加行 銀行口座

携帯電話 番号

国民ID SNS/MSS

APPID メール

アドレス 生体認証 (指紋など)

独自認証 コード

タイ PromptPay 2017年

1月

・徴税 ・国際競争力強化 ・社会コスト削減

○ ○ ○ △

(一部銀行) -

△ (一部銀行)

- 主要銀行 すべて

シンガポール PayNow 2017年

7月

・KYC ・イノベーションハブ としての使命

○ ○ ○ △

(一部銀行) -

△ (一部銀行)

- 主要7行

インド UPI 2016年

4月 ・金融包摂 ・ブラックマネー対策

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 銀行独自GW から徐々に 移行中

英国 PayM 2014年

4月 ・小切手決済の時間 /コスト削減

○ ○ - - - - - 主要9行

スウェーデン Swish 2012年 12月

・社会コスト削減 ○ ○ ○ - - - - 主要銀行 すべて

米国 Zelle 2017年

6月

・「Venmo」など FinTechサービス への対抗

○ ○ - - ○ - - 主要30行 +信用組合

日本 携帯電話番号 送金サービス

未定 ・顧客の利便性向上 ○ ○ - - - - - 未定

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Ⅲ.キャッシュレス化を進める方策(案) ①「ID払い」の導入 【参考】IDベースのデータ利活用(個人信用スコア等へ活用)

IDに紐付くビッグデータは、個人信用スコアや相互評価への活用がされるユースケースが認められる。 「個人や、サービス提供者の行動が評価され、良い評価が優遇措置につながる循環」が生まれるとしている。 ⇒「生活総合サービス」の充実を見据えたキャッシュレス化の方策

芝麻信用(zhima credit)

• 利用者の登録基本情報、取引履歴、交友関係等を 元にスコアリングするサービスを提供。 • 点数がよければローンの金利優遇やホテルのデポジッ

ト不要など様々な生活サービスでメリットが享受される • 電子マネーAlipayを運営するアリババ金融子会社 「蚂蟻金服(Antgroup)」が設立した独立機構

「身分の公開」「人との繋がり」「返済能力」 「信用の歴史」「行動」の5つの要素から

個人の信用力が評価される。

配車サービス、Eコマースなどで優遇措置

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Ⅲ.キャッシュレス化を進める方策(案) ②個人が情報をコントロールする権利「データ・ポータビリティ権」

EUではGDPR(General Data Protection Rules:EU一般データ保護法 )が成立。データ保護の法制度化と認識。 ⇒消費者が抱く「企業のデータ利活用に対する漠然とした不安」の除去も、消費者理解として必要。

データ利活用のプロセス データ保護の法制度化

2016年6月 EUではGDPR(General Data Protection Rules: EU一般データ保護法 )が成立。(2018年5月発効) 新法には、個人情報保護、消費者保護、競争政策上の問題に 対して、「データ・ポータビリティ権(個人データを他の事業者に移管することを請求する権利)」という概念が盛り込まれている。 データ・ポータビリティ権とは、“個人がIT事業者等に提供した個人情報は、本人が扱いやすい電子的形式によって取り戻すことができ、他の事業者(プラットフォーム)に移行し乗り換えること

2017年6月公正取引委員会においてデータと競争政策に関する(中間報告)が公表 ⇒ 政策立案、法執行の参考 ⇒ 経済産業省 情報銀行構想

・データが特定事業者(プラットフォーマー)に集中して、 それ以外の事業者は、データ入手が困難となる ⇒データが業務拡大・効率化等から重要となる中で、 競争が制限されるのは,独占禁止法の問題を生ずる。

独禁法

プラットフォーマーによるデータ収集力拡大

支払データ

等 顧客

データ 分析

品質 向上

広告等 (有料

サービス)

業務 拡大

AI スピーカー

独占禁止法の改定

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Ⅲ.キャッシュレス化を進める方策(案) ③特定分野での手数料引き下げ

中国では医療・教育などの特定分野において加盟店手数料の引き下げがなされている ⇒日本では例えば医療保険(高齢者)と教育分野(子育て世代)で消費支出の約6%(約18兆円程度)を 占めている。特定セグメントに絞ってキャッシュレス化を推進することも一案ではないか

日本の消費支出の内訳(2015年)

(図)内閣府 統計情報 「家計の目的別最終消費支出の構成」より引用 NTTデータ経営研究所が作成

25.3%

15.4%

9.8% 7.9% 7.9%

4.1% 3.8% 3.8% 3.6% 2.3% 2.0%

14.0%

中国では特定分野で加盟店手数料が異なる 保健医療、教育、社会福祉、介護等の分野では手数料を取っていない

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