火星表面の多地点かつ精密探査にむけた, 展開型柔軟飛翔体によ...

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火星探査(MELOS-1) 工学ミッション提案 火星表面の多地点かつ精密探査にむけた, 展開型柔軟飛翔体による 大気圏内巡航飛行ンポイント着陸実証 展開柔軟エアロシェルによる大気突入システムWG 火星航空機WG PPG機検討チーム 2011/09/13

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火星探査(MELOS-1) 工学ミッション提案

火星表面の多地点かつ精密探査にむけた,

展開型柔軟飛翔体による大気圏内巡航飛行とピンポイント着陸実証大気圏内巡航飛行と ンポイント着陸実証

展開型柔軟エアロシェルによる大気突入システムWG展開 柔軟 大気突入火星航空機WG PPG機検討チーム

2011/09/13

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火星探査 工学実証ミッション提案 展開型柔軟飛翔体による多地点,精密探査

もう一つの火星表面探査の将来像

<超小型着陸探査機による分散探査(FSランダー)>

オリジナルのコンセプトは,1kg程度の超小型の飛翔体に最低限の観測機を搭載して火星表面に数10~100個の単位で探査機を降下させ,大局的に把握する.

ただし,これを実現するために,探査機の小型,軽量化に対して多くの革新的な技術開発が必要.(現在,試行錯誤で開発中.)

このコンセプトにピンポイント着陸技術を組み合わせれば,(100地点といわずとも)数地点への着陸でも十分な科学的な成果を得られないか?

大気突入探査機は どこまで軽量化 小型化できるのか そして 限られたリソースの

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大気突入探査機は、どこまで軽量化,小型化できるのか,そして、限られたリソースの中で探査機を複数搭載する可能性を探る.

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火星探査 工学実証ミッション提案 展開型柔軟飛翔体による多地点,精密探査

大気突入用の展開型柔軟エアロシェル観測ロケット実験用実験機の風洞試験

*省スペース化に貢献

*今後の材料開発により,従来システムより軽量化の可能性もあるか?

→観測ロケットによる大気圏突入試験を準備中直径1.2mのエアロシェルを有する実験機を開発中.

パワ ドパラフォイル型探査機密閉型パラフォイル試作機の車による曳航試験の様子

*省スペース化に貢献*誘導制御により降下軌道を制御し,目標地点へ着陸.

*着陸時のフレア操作により 従来のパラシ トより少

パワードパラフォイル型探査機 曳航試験の様子

*着陸時のフレア操作により,従来のパラシュートより少ない重量で軟着陸が可能.

*推進器を搭載すれば巡航することも可能(上空から着陸地点を探すことも可能か?)(上空から着陸地点を探すことも可能か?)

→火星専用パラフォイル機の開発を開始(曳航試験,風洞試験,投下試験などを予定)

収納効率のよさという柔軟構造体の利点を生かして,探査機をできるだけ小型化する.

また,ピンポイント着陸を行うにより,地上移動への負担を減らし,ランダ(ローバ)を軽量化できる.そうすれば、限られたリソースの中に,複数の突入機を搭載できる可能性を見出すことができるのでは?

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ことができるのでは?また,複数の探査機を搭載するのは,リスクの低減にもつながるといえる.

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火星探査 工学実証ミッション提案 展開型柔軟飛翔体による多地点,精密探査

展開型柔軟飛翔体による火星表面の多地点,精密探査の概念図

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火星探査 工学実証ミッション提案 展開型柔軟飛翔体による多地点,精密探査

突入機1機に50kgのリソースがあった場合の重量配分見積

*楕円軌道を離脱し,大気圏に突入する.*柔軟エアロシェルを展開して 大気圏突入時の空力加熱 空力荷重に耐える

<想定したミッション>

*柔軟エアロシェルを展開して,大気圏突入時の空力加熱,空力荷重に耐える.*柔軟エアロシェルがパラフォイルが展開可能な速度まで減速する(展開高度10km).*推進器(モータ,プロペラ,バッテリー)により,高度2kmを,50km巡航飛行する.*フレア操作なしの場合に,鉛直方向速度5m/sで着陸する

<重量見積の際の仮定>*初期条件

初期軌道の遠火点高度21971km,近火点高度450km,減速量30m/sとする.*エアロシェル*エアロシェル

フレア部の面密度は0.2kg/m2を仮定トーラス部の熱流束は,淀み点の40%.トーラス部の輻射平衡温度は,輻射率0.9,片面の輻射で計算.トーラス部の材料耐熱性は600℃(材料技術革新が必要)構造強度は内圧により発生する張力(πr2p)に比例する(内圧は1気圧,比例定数は1)トーラス部の面密度は2.0kg/m2を仮定カプセル部耐熱材料重量は金属TPSを仮定する.軌道離脱モータ重量は全備重量の5%

*パラフォイル*パラフォイルパラフォイルの抵抗係数は0.15,揚力係数は0.6とする.モータの単位重量あたりの出力パワー:3.24 kW/kgモータ効率:0.8単位重量あたりのバッテリー容量:150 Wh/kg

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単位重量あたりのバッテリ 容量:150 Wh/kgプロペラ効率:0.5プロペラ重量は0.5kgで一定とする(直径1mの2枚羽を想定)

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火星探査 工学実証ミッション提案 展開型柔軟飛翔体による多地点,精密探査

重量配分結果大気突入機の全機総重量を50kgトーラス耐熱性600℃パラフォイル揚抗比4の場合エアロシェル面積を16 7m2(直径5 6m)

大気突入機の全機総重量を50kgトーラス耐熱性750℃パラフォイル揚抗比6の場合エアロシェル面積を5m2(直径1 2m)エアロシェル面積を16.7m2(直径5.6m)

パラフォイル翼面積58.2m2

総重量 kg 50フレア重量 kg 3.3

総重量 kg 50フレア重量 kg 1.0

エアロシェル面積を5m2(直径1.2m)パラフォイル翼面積39.2m2

トーラス重量 kg 17.7ガス重量 kg 0.53カプセル部断熱材重量 kg 1.63軌道離脱用推進器重量 kg 2 50

トーラス重量 kg 9.2ガス重量 kg 0.26カプセル部断熱材重量 kg 1.95軌道離脱用推進器重量 kg 2 50軌道離脱用推進器重量 kg 2.50

カプセル重量 kg 24.2パラフォイル重量 kg 11.6バッテリー重量 kg 5.21

軌道離脱用推進器重量 kg 2.50カプセル重量 kg 35.0パラフォイル重量 kg 7.85バッテリー重量 kg 5.01

モータ重量 kg 0.31プロペラ重量 kg 0.5残り重量 kg 6.5

モータ重量 kg 0.42プロペラ重量 kg 0.5残り重量 kg 21.3

火星の周回軌道から,軌道離脱し,大気圏に突入し,大気圏内を巡航飛行した後に、ピンポイントで目標地点に着陸する探査機を想定した.それを,柔軟エアロシェル,及び,パラフォイル型飛翔体で実現することを考えた場合のシステム検討を行った.

エアロシ ルの耐熱性の向上とパラフォイルの揚抗比向上が 番の技術的な課題で それら

2011/09/13

エアロシェルの耐熱性の向上とパラフォイルの揚抗比向上が一番の技術的な課題で、それらが克服できれば,将来の火星探査において有用なシステムとなりうるといえる.