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学校給食における食物アレルギー対応マニュアル 枚方市教育委員会 学校給食課 平成25年12月

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料1

学校給食における食物アレルギー対応マニュアル

枚方市教育委員会

学校給食課

平成25年12月

参考資料1

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目次

「学校給食における食物アレルギー対応マニュアル」の策定にあたって 1ページ

1. 食物アレルギーのある児童への対応と支援体制 2ページ

2. 学校給食における食物アレルギー対応の範囲 2ページ

3. ラインコンタミネーションと「食品の配合割合一覧表」について 4ページ

4. 献立ごとの対応フローチャート 5ページ

5. 学校における取り組み 5ページ

6. 毎日の給食実施にあたっての取り組み 7ページ

7. 教育委員会事務局における取り組み 8ページ

<参考>食物アレルギー対応の手続き 9ページ

<様式集>

・ 様式1 食物アレルギー調査票、同依頼文

・ 様式2 面談記録票

・ 様式3 食物アレルギー対応確認書

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「学校給食における食物アレルギー対応マニュアル」の策定にあたって

はじめに

学校給食については、すべての児童が、食物アレルギーの有無にかかわらず、ともに楽しく学校生

活を送ることができるよう、生命や健康への影響についての十分な配慮を行う中で取り組んでいく必要

があります。

また、学校給食における食物アレルギー対応については、児童の食物アレルギーの程度や状況、

給食調理場の施設整備の状況、各小学校や給食調理場職員等による相談支援体制などを総合的に

判断する中で、安全・安心でおいしい学校給食の実施に努める必要があります。

これまで、本市では校長の判断による食物アレルギー対応を行ってきた経緯を踏まえ、学校教育現

場における円滑な対応や手続きを図るとともに、より一層の安全・安心につながるよう、本市の学校給

食における統一的な対応を図る観点から、「学校給食における食物アレルギー対応マニュアル」を策

定するものです。

検討の経緯

マニュアルの策定については、かねてより各小学校・給食調理場間における、事務手続きの流れや

相談支援体制の定型化、除去食対応の程度や状況等の平準化が求められていたことが背景にありま

す。

このような状況から、平成 25年 1月に、小学校長、栄養教諭、共同調理場長、単独調理場調理員、

指導主事、栄養士等で構成する「検討会議」を設置し、全校児童を対象としたアンケート調査の結果を

もとに、様々な角度からの検討を重ねてきました。

また、検討にあたっては、学校給食のような大量調理ではアレルギー対応食の誤配缶・誤配膳のリ

スクが高いことや、各小学校におけるこれまでのアレルギー対応の状況を踏まえる中で、安全・確実な

食物アレルギー対応の実施を第一義にすすめてきました。

アンケート調査

マニュアルの策定にあたり、本市における児童の食物アレルギーの程度や状況の把握するため、平

成 25年 2月に、全小学校を対象に「学校給食における食物アレルギーの対応状況調査」を実施しまし

た。

調査結果から、鶏卵、乳、えびがアレルゲン(原因食物)の上位を占めていることや、全体の約

0.1%の児童が微量のラインコンタミネーション(アレルゲン混入)でも発症する可能性があることな

どが確認されています。

の一方で、今後の小学校給食調理場の整備にあたっては、食物アレルギー対応として除去食のほか代替え

食についても対応可能なものとし、整備の済んだ調理場から順次、取り組んでいく必要もあるのではないか。最

終的な目標を見据える中で、除去食対応の程度や状況が全校一律とならない経過措置期間があってもやむ

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1.食物アレルギーのある児童への対応と支援体制

学校給食における食物アレルギーのある児童への対応については、各小学校の教職員や、校医、調理員、主治

医、教育委員会事務局職員などが相互に連携する中で、対象児童の食物アレルギーの程度及び状況の十分な把

握のもと実施します。

各小学校では、「食物アレルギー対応委員会」を設置して、対象児童一人ひとりの状況等を把握するとともに、毎

日の給食が適切に実施できるよう、保護者、教職員や調理員等との情報の共有化に努めます。

調理場では、衛生管理を徹底する中で、とりわけ「除去食」を必要とする児童の状況等を把握して、「除去食」の

提供が確実に行えるよう、安全・安心な給食の提供に努めます。

教育委員会事務局では、給食献立の作成や食材の調達、給食指導の取り組みを行う中で、すべての児童にとっ

て望ましい給食の提供に努めます。

<食物アレルギーのある児童への支援体制>

2. 学校給食における食物アレルギー対応の範囲

本市の学校給食では、「通常食」のほかに、対象児童の食物アレルギーの程度及び状況、また、その日の学校

給食の献立の内容に応じて、「除去食」、「代替食弁当」の持参など、献立一品ごとに判断を行い、次のとおり対象

児童にとって最も望ましい対応を行います。

(1) 除去食の提供

給食調理場において調理する「除去食」は、本市における調理場設備の状況等を勘案する中で、次のとおり実施

します。

児童

保護者 主治医

教育委員会 事務局

献立作成

食材調達

給食指導

連携

指導、助言

診療

状況把握、相談 連絡調整、確認

各小学校 食物アレルギー対応委員会

各小学校 単独調理場

担任教諭

養護教諭

栄養教諭

調理員

共同調理場

調理員

栄養教諭

給食担当教諭

校 医

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① 除去対象とするアレルゲンについては、誤配缶・誤配膳のリスクを低減するため、鶏卵、乳、えびの 3品目とし、

また、同一の献立で、複数種類の除去食対応は行いません。

○ かき揚げのさくらえび抜き、鶏卵抜き × かき揚げのさくらえび入り、鶏卵抜き

× かき揚げのさくらえび抜き、鶏卵入り

② その献立の主要食材がアレルゲンとなるものは除去食対応しません。

○ かき卵汁の鶏卵抜き × 小えびのから揚げの小えび抜き

③ 除去対象とするアレルゲンが調理の最終工程で除去できる献立を対象とし、原則として、別鍋調理を行いませ

ん。

○ かき卵汁の鶏卵抜き

× 関東煮のうずら卵抜き

× カレールウのバター抜き

④ 除去食の提供は、対象児童の食物アレルギーの状況や程度から判断して、アレルゲンの微量混入においても

発症のおそれがないことを確認して実施します。

本市の学校給食における、主な除去食の調理例は次のとおりです。

献立 主な食材 除去食対応の内容

かき卵汁 鶏肉、人参、玉葱、糸かまぼこ、

鶏卵、青葱、削り節

調理の最終工程で、とき卵(鶏卵)を加える前に、

除去食として配缶します。

五目スープ 豚肉、人参、玉葱、干しいたけ、

もやし、鶏卵、青葱、でんぷん

調理の最終工程で、とき卵(鶏卵)を加える前に、

除去食として配缶します。

卵とコーン

のスープ

鶏肉、人参、玉葱、

クリームコーン、鶏卵、にら

調理の最終工程で、とき卵(鶏卵)を加える前に、

除去食として配缶します。

華風スープ 豚肉、人参、玉葱、春雨、鶏卵、青葱 調理の最終工程で、とき卵(鶏卵)を加える前に、

除去食として配缶します。

三度豆の

かき揚げ

さくらえび、玉葱、じゃがいも、三度豆、

鶏卵、小麦粉、でんぷん

通常食のかき揚げとは別に、さくらえび抜き、鶏卵抜

きのかき揚げを作り、通常食のかき揚げを揚げる前に、

除去食のかき揚げを揚げます。

お好み揚げ さくらえび、いか、キャベツ、青葱、

青のり、小麦粉、でんぷん

通常食のお好み揚げとは別に、さくらえび抜きの

お好み揚げを作り、通常食のかき揚げを揚げる前に、

除去食のお好み揚げを揚げます。

じゃこ豆 さくらえび、大豆 調理の最終工程で、さくらえびを入れる前に、

除去食として配缶します。

チャウダー

ベーコン、貝柱、玉葱、じゃがいも、

クリームコーン、パセリ、牛乳、

生クリーム

調理の最終工程で、牛乳、生クリームを入れる前に、

除去食として配缶します。

南瓜スープ ベーコン、玉葱、南瓜、パセリ、

牛乳、生クリーム

調理の最終工程で、牛乳、生クリームを入れる前に、

除去食として配缶します。

米粉の

クリームシチュー

鶏肉、ベーコン、玉葱、人参、じゃが

いも、ホールコーン、マッシュルーム、

牛乳、生クリーム、米粉

調理の最終工程で、牛乳、生クリームを入れる前に、

除去食として配缶します。

鮭の

クリームソース

鮭、玉葱、オリーブ油、生クリーム、

サワークリーム、ディル

調理の最終工程で、クリームソースをかける前に、

除去食として配缶します。

かぶの

クリームスープ

ウインナー、人参、玉葱、じゃがいも、

かぶ、パセリ、牛乳、生クリーム

調理の最終工程で、牛乳、生クリームを入れる前に、

除去食として配缶します。

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(2) 調理後の通常食からの自己除去

調理の最終工程におけるアレルゲンの除去ができない献立で、対象児童の食物アレルギーの程度や状況から

判断して、調理後の通常食から除去して喫食することができるものについては、対象児童が自分自身で除去しま

す。

自己除去する食品の例示 八宝菜のうずら卵

(3) 献立の欠食

献立の主要な食材にアレルゲンが含まれており、その食材を除去して調理することができないものや、加工食品

そのものを給食の一品としているものについては、その献立の欠食とします。

欠食とする献立の例示 えびフライ、焼き魚、ハンバーグ、春巻き

牛乳、バター、チーズ、黒糖ビーンズ、コッペパン

(4) 代替食弁当の持参

その日の献立の全部または一部を欠食するなど、栄養バランスを補う必要があるときは、代替食弁当を持参す

ることとします。

3. ラインコンタミネーションと「食品の配合割合一覧表」について

給食調理場で調理する除去食においては、従前の調理で使用した食材に含まれるアレルゲンが調理器具に成

分残留となる場合や、揚げ油の複数回利用により、従前の揚げ物で使用した食材に含まれるアレルゲンが揚げ油

に含有される場合など、アレルゲンの微量混入が発生します。

また、パンやゼリーなどの加工食品、冷凍うどんやハム、ツナフレークなどの加工食材、みりんやソースなどの調

味料においても、食品工場の製造工程で、その食品の食材としていないにも関わらず、アレルゲンが微量混入する

ことがあり、これをラインコンタミネーションといいます。

学校給食において、加工食品、加工食材、調味料等を使用するにあたっては、「食品の配合割合一覧表」を作成

し、その原材料名と合わせて、同一施設内で生産している食品の原材料を表示します。

なお、原材料の種類やその使用分量によっては、食品表示法に基づく原材料表示が必須でないため、この一覧

表に表示されていない場合があります。保護者から、その原材料の個別確認についての相談を受けた場合には、

教育委員会事務局が食品メーカーに照会しますので、その旨連絡してください。

(資料)加工食品、加工食材、調味料等における「食品の配合割合一覧表」の表示例

食品・食材名 原材料 同一施設内で生産している食品の原材料

小豆パン 小麦粉、砂糖、ショートニング、脱脂粉乳、イース

ト、食塩、イーストフード、小豆、グラニュー糖、水

鶏卵、乳、オレンジ、くるみ、大豆、もも、りんご、

ゼラチン、バナナ

ツナフレーク きはだまぐろ、米、サラダ油、食塩、水 鶏卵、小麦、大豆

中濃ソース トマト、りんご、玉葱、デーツ、糖類、醸造酢、食

塩、コーンスターチ、アミノ酸液(大豆)、香辛料

乳、小麦、牛乳、大豆、鶏肉、豚肉、りんご、ゼラ

チン

(参考)「そば」は、学校給食では使用していませんが、加工食材のラインコンタミネーションから、アレルゲンが間接的に微量混入している可

能性があります。

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4. 献立ごとの対応フローチャート

毎日の献立表から、給食の一品ごとに次のフローチャートに従い、食物アレルギー対応委員会がその対応を判断

します。 欠食となる献立が多く、栄養バランスを補う必要がある時は、家庭からの代替食弁当の持参とします。

5. 学校における取り組み

(1) 食物アレルギー対応委員会の設置

各小学校は、校長、教頭、担任教諭、給食担当教諭、養護教諭、栄養教諭、栄養士、調理員などで構成する「食

物アレルギー対応委員会」を設置し、対象児童やその保護者への相談支援体制と給食実施時におけるチェック体

制を整えます。

(2) 対象児童の食物アレルギーの程度及び状況の把握

各小学校は、対象児童の食物アレルギーの程度及び状況を把握するため、「食物アレルギー調査」及びこれをも

とにした「面談調査」を実施します。

「食物アレルギー調査」は、「学校給食における食物アレルギー調査について(依頼)」及び「食物アレルギー調査

(その献立を)欠 食

は い

その献立は、対象児童のアレルゲンを含んでいますか。

対象児童は、アレルゲンの微量混入でも

発症する可能性がありますか。

その献立は、対象児童が微量混入でも発症するアレルゲンを含んでいる可能性がありますか。

通常食

対象児童は、その献立の調理後に、 自分自身でアレルゲンを除去することができますか。

その献立は、調理場での除去食対応が可能ですか

自己除去(通常食提供)

その 除去食(調理場除去)

欠 食

は い

は い

は い

は い

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ

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票(様式1)」を配付して実施します。新入生及び転入生については全員から、2年生以上の在校生については前年

度の対象児童から提出を求めます。新規発症児童については、随時の相談等を行う中で必要に応じて求めます。

また、保護者が把握しているアレルゲン以外による発症が疑われる場合や、学年進行に伴い治癒等している可

能性があり適切な給食指導を行う必要がある場合など、対象児童の状況についてより正確に把握する必要がある

ときは、校医や主治医などによる適切な助言・指導を受けるとともに、診断書、医師意見書、検査結果表等の提出

を求めます。

(3) 年間の対応方針の検討及び確認

各小学校は、「食物アレルギー対応委員会」において、「食物アレルギー調査」や「面談調査」の結果を踏まえ、対

象児童について、年間の対応方針の検討を行います。

また、年間の対応方針の検討結果をもとに、対象児童及びその保護者と確認を行い、保護者から「学校給食食

物アレルギー対応確認書(様式3)」の提出を受けるとともに、その写しを保護者に手渡し、情報の共有を図ります。

(4) 毎月の献立の確認と保護者との連絡調整

教育委員会事務局は、毎月、各小学校(単独調理場を含む)及び共同調理場あてに、「アレルギー対応確認用

献立表(以下、「確認用献立表」という)及び「食品の成分割合一覧表」を送付します。この「確認用献立表」には、調

理場での「除去食」対応が可能な献立であることを明確にするため、除去できる食材名を白抜きで表示しています。

各小学校は、「食品の成分割合一覧表」を参照するとともに、対象児童の保護者と連絡調整のうえ、毎日の献立

の一品一品についての「通常食」、「除去食」、「欠食」の別、「代替食弁当」持参の有無などの対応内容について、

「確認用献立表」の記載内容の確認を行います。

ラインコンタミネーションによる発症の可能性のある児童については、「食品の配合割合一覧表」から、アレルゲ

ンの微量混入の可能性についてもあわせて確認を行います。

「確認用献立表」は、保護者、各小学校、調理場で同じものを保管し、情報を共有します。

(5) 「食物アレルギー対象児童管理台帳」の作成

各小学校は、対象児童への対応が適切に行えるよう、「面談記録票(様式2)」を「食物アレルギー対象児童管理

台帳」として、対象児童が卒業するまでの間、各年度の「食物アレルギー調査票(様式1)」及び「食物アレルギー対

応確認書(様式3)」と合わせて管理し、各小学校の「食物アレルギー対応委員会」の構成員全員でこれらの情報を

共有します。

(6) 「食物アレルギー対象児童管理台帳 総括表」等の作成

各小学校は、対象児童全員の状況を把握するため、「食物アレルギー対応確認書」の記載内容を転記して、「食

物アレルギー対象児童管理台帳 総括表」及び「食物アレルギー対象児童一覧表」を作成します。

また、教育委員会事務局において市内全小学校における食物アレルギーの対応状況を把握するため、「食物ア

レルギー対象児童管理台帳 総括表」を教育委員会事務局に送付します。

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(7) 調理場における対象児童の把握

各調理場は、対象児童の食物アレルギーの程度や状況を把握するとともに、「除去食」の調理と対象児童への配

膳が正確に行えるよう、「食物アレルギー対象児童一覧表」を調理場内の見やすい位置に掲示しておきます。

( ○○ 小学校) 食物アレルギー対象児童一覧表

年組 児童氏名 アレルゲン

鶏卵 乳 えび かに 小麦 そば 落花生 その他

1年1組 給食 太郎 × × × いか、青魚

3年2組 給食 二郎 × ×

4年1組 給食 桃子 × ×

6年2組 給食 花子 ×

(8) 対応経過の継続的な記録

給食開始後において、対象児童への対応について配慮を要する事象が生じた場合などは、「面談記録票(様式2)」

の継紙「4.その他の状況等」にその対応の内容等を記録します。

6. 毎日の給食実施にあたっての取り組み

(1) 調理場における「除去食」の調理

毎日の調理開始前の打ち合わせで、その日に調理する「通常食」と「除去食」の調理工程を確認するとともに、対

象児童の「確認済献立表」を集計して、「除去食」の食数を確認します。共同調理場は、配送校別に食数を集計しま

す。

「除去食」は、対象児童ひとり分ずつの容器に個別配缶し、学校名、食缶番号、学年、組、氏名、献立名及び除去

したアレルゲンを記載した食札をそれぞれの容器に貼付します。

同じ日の献立で、「お好み揚げ」と「たまごとコーンのスープ」など、複数の副食で「除去食」対応となることがあり

ます。このような場合、副食ごとに「除去食」、「通常食」の別の確認が必要なため、特に注意を要します。

単独調理場は、クラス別に配缶した天ぷら缶の上に、除去食用の容器を配膳します。共同調理場は、個別に配

缶した容器をクラス別に取りまとめ、天ぷら缶に収納して配送します。配送校の配膳室では、クラス別に除去食用

天ぷら缶があるか確認します。

食 札

学校名 食缶番号 年組 児童氏名

○○小学校 ○年○組 給食太郎

献立名

お好み揚げ

除去したアレルゲン

さくらえび

食 札

学校名 食缶番号 年組 児童氏名

○○小学校 ○年○組 給食太郎

献立名

たまごとコーンのスープ

除去したアレルゲン

たまご

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また、所定食数の「除去食」に加え、予備食用として共同調理場は 5食分、単独調理場は 1食分を、検食用及び

保存食用として、調理場ごとにそれぞれ 1食分を調理します。

(2) 配膳室におけるチェック体制

同じ日の献立で、対象児童ひとりについて、ある副食は「除去食」、別の副食は「通常食」や「欠食」とするような場

合があります。「除去食」は個別配缶となりますが、「通常食」は他の児童と同様に各教室での配膳となります。

配膳室では、「除去食」の配缶もれはないか、「欠食」でよいのかなど、各教室で「通常食」が誤って配膳されるこ

とのないよう、個別配缶された「除去食」、「食札」と「確認用献立表」との照合を行います。

(3) 教室におけるチェック体制

各教室は、食物アレルギー対応の最終チェックの場となります。担任教諭等は、対象児童の「アレルギー対応確

認用献立表」とその児童に配膳されている献立との照合を行います。

担任教諭の不在時でも適切に対応できるよう、「確認用献立表」は教室内の見やすい場所に掲示します。

「まぜるとチャーハン」やマヨネーズの 1 本付けなど、教室で混ぜてから各児童に配膳する献立の場合は、混ぜる

前に配膳する必要のある児童がいないかの確認を行います。

チェックポイント

① 除去食(調理場除去)が正しく配膳されているか。

② 誤って通常食が配膳されていないか。

③ 通常食からの自己除去が正しく行われているか。

④ 欠食すべき献立が誤って配膳されていないか。

⑤ 必要な代替食弁当が用意されているか。

⑥ その他、特に配慮すべき事項が守られているか。

最終チェックを行った担任教諭等は、対象児童の「確認用献立表」の「担任確認欄」にサインします。

7. 教育委員会事務局における取り組み

教育委員会事務局では、各小学校からの情報を集約して、市内全校における食物アレルギーの対応状況の把

握を行うとともに、これらの情報をもとに、学校給食の一層の充実を目指して、献立作成、食材調達や給食指導の

取り組みを進めます。

(1) 献立作成及び食材調達における取り組み

食材の調達や給食献立の作成にあたっては、教育委員会事務局の栄養士や各小学校の栄養教諭や栄養士を

中心に、できる限り「欠食」対応となる児童が少なくなるよう、献立づくりに努めます。

また、毎月の「献立表」及び「食品の配合割合一覧表」を作成して、各小学校及び共同調理場に送付するとともに、

「除去食」対応とする献立の確認を行います。

(2) 給食指導における取り組み

教育委員会事務局の指導主事や各小学校の給食担当教諭を中心に、各小学校における食物アレルギー対応

の現状等について意見・情報交換を行うとともに、より安全・安心な学校給食の実施に向けての研修を行います。

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<参考> 食物アレルギー対応の手続き

各小学校は、食物アレルギーのある児童への対応について、別添の所定の様式等を用い、以下の手順で諸手

続きを行います。

事項 実施内容等 使用する様式等

食物アレルギー調査

実施時期:新入生は入学説明会等

在校生は学年末

転入生は転入時

新規発症児は随時

対象 :対象児童及びその保護者

食物アレルギー調査票(様式1)

「学校給食における食物アレルギー

調査について(依頼)」

面談調査

実施時期:食物アレルギー調査の後

対象 :保護者

実施方法:面談による聞き取り調査

面談記録票(様式2)

食物アレルギー

対応委員会

実施時期:面談調査の後

実施内容:対象児童の状況等の情報の共有化

年間の対応方針の検討

対応方針の確認

実施時期:食物アレルギー対応委員会の後

対象 :保護者

実施内容:年間の対応方針の確認

「食物アレルギー対応確認書」の受領

食物アレルギー対応確認書(様式3)

献立表の配付

確認用献立表の配付

食品の配合割合一覧表

の配付

実施時期:給食実施月の前月中

対象 :「献立表」は全児童

「確認用献立表」は対象児童

「食品の配合割合一覧表」は希望者

献立表

確認用献立表

食品の配合割合一覧表

毎月の給食の対応確認

及び

確認用献立表の作成

実施時期:「献立表」配付後、

毎月の給食開始までの間

対象 :対象児童の保護者

実施内容:毎月の給食献立への対応確認

「アレルギー対応確認用献立表」の作成

※ 保護者、各小学校、調理場で、「確認用献立表」

を保管

献立表

確認用献立表

食品の配合割合一覧表

(注)上記⑤及び⑥の手続きは、毎月の献立が決まる度に、給食実施月の前月中に行います

アレルギー対応確認用献立表への記入記号表

○ 食べる 「通常食」 献立名の前の

チェック欄 に

○、■、△、×を記入

■ 教室で除去 「自分で除去」

△ 調理場で除去 「除去食」

× 食べない 「欠食」

V食材名 教室で自己除去する食材 アレルゲンの食材名の前にVを記入

持参 弁当を持参する日の枠内に大きく記入

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平成 年度 ○○小学校 平成 年 月 日

保護者のみなさまへ

枚方市立 小学校長

校長

学校給食における食物アレルギー調査について(依頼)

保護者の皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

日頃から学校給食に深いご理解とご協力をいただき、感謝申し上げます。

さて、表題の件につきまして、食物アレルギーのある児童を対象に、安全・安心でおいし

い学校給食の実施にあたりまして、当該児童の状況等について事前に把握し、適切に対応し

ていきたいと考えています。

つきましては,下記のとおり、ご提出くださいますよう、お願いいたします。

提出期限 : 平成 年 月 日 ( )

提 出 先 :

「食物アレルギー調査票1(様式1-1)」については、食物アレルギーの有無にかかわら

ず、新入生及び転入生の全員にご提出願います。在校生は必要ありません。

別紙、「食物アレルギー調査票2(様式1-2)」については、在校生も含め、食物アレルギーのある

場合にご提出願います。

面談の日程等については、あらためてご連絡いたします。

枚方市○○町○番○号

枚方市立○○小学校

電話 050-XXXX-XXXX

FAX 072-XXXX-XXXX

担当 ○○ 切り取り線

○○小学校長様

食物アレルギー調査票 1 平成 年 月 日

児童氏名 学年 組 年 組 食物アレルギーの

有無 あり ・なし

保護者氏名

※ 本票は新入生、転入生の全員がご提出ください。 ※ 食物アレルギーがある場合は、別紙「食物アレルギー調査票2(様式 1-2)」もあわせてご提出ください。

様式 1-1

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食 物 ア レ ル ギ ー 調 査 票 2 平成 年 月 日

児童氏名 学年 組 年 組 整理番号

保護者氏名 生年月日 平成 年 月 日 ( 歳)

連絡先 緊急時連絡先

設問1.食物アレルギーの程度及び状況について

①該当するアレルゲン(原因食物)に、☑印を記入してください。

その他のアレルゲンがあれば、( )内にその名称を記入してください。

□ 鶏卵(01)、□ 乳(02)、□ えび (03)、□ かに(04)、□ 小麦(05)、□ そば (06)、□ 落花生(07)

□その他(08) ( )

②アレルゲンを飲食した場合の主な症状について、具体的に記入してください。

③上記の症状は、次のようなアレルゲンの微量混入等でも発症しますか

ア.空気中の飛沫や、隣席児童の喫食 □ 発症する □ しない

イ.調理器具に付着した残留成分(ラインコンタミネーション) □ 発症する □ しない

ウ.揚げ物用の揚げ油に混入した成分 □ 発症する □ しない

エ.上記以外での主な発症原因

( )

設問2.家庭での対応状況について

① 家庭での食事にあたって、該当するものに、☑印を記入してください。

□ 本人用の代替食を別途調理している。

□ 本人用の除去食を別途調理している。

□ 家族用に調理した料理から、アレルゲンを除去して、本人用としている。

□ その他( )

② おやつや加工食品を与える際、留意点として該当するものに、☑印を記入してください。

□ 食品の成分を必ず確認している。

□ 特に配慮していない。

□ その他( )

③ 上記以外で、家庭での食事に配慮している点があれば記入してください。

設問3.治療の状況について

① 食物アレルギーの治療を受けていますか

□ 現在、治療中 (初診日: 年 月頃)

□ 治癒した (治癒日: 年 月頃)

□ 治療を中断している (その理由: )

□ 受診していない (その理由: )

② アナフィラキシーショックの経験はありますか。

□ 経験あり (直近の発症 年 月頃) □ 経験なし

③ 現在、アドレナリン自己注射薬(商品名「エピペン®」)を医師から処方されていますか。

□ 処方されている □ 処方されていない

様式 1-2 平成 年度 ○○小学校

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食物アレルギー 面 談 記 録 票

学校番号 入学年次 児童整理番号

児童氏名

面談実施記録

面談日 面談出席者

・ ・

・ ・

・ ・

・ ・

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1.症状(設問1)に関する聞き取り内容

(1)微量混入でも発症するアレルゲンについて

アレルゲンの名称 摂取した場合の主な症状 給食での対応(要望等)

(2)上記以外のアレルゲンについて

アレルゲンの名称 摂取した場合の主な症状 給食での対応(要望等)

様式2

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2.家庭での様子(設問2)に関する聞き取り内容 ① 家庭での、除去食・食事制限状況について

② 以前は除去していたが、症状改善等のため現在は摂取している食品(アレルゲン)

③ 運動時における発症(食事との関連の有無等)

3.治療の状況(設問3)に関する聞き取り内容

① 主治医(名称、所在、連絡先)

② 治療内容、服薬、通院状況

③ 学校でのエピペン保管、携行薬管理の要望等

(あり・なし)

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4.その他の状況等 記録日 内容等 記録(対応)者

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平成 年 月 日

保護者様

枚方市立 小学校

校長

平成 年度 学校給食 食物アレルギー対応確認書

学校給食における食物アレルギー対応について、下記のとおり取り扱い、実施することを確認します。

年 組 児童氏名 アレルギー原因食物(アレルゲン)

年 組

献立種類 対応内容

主食

ご飯 □全部喫食 □全部欠食 □一部欠食

パン □全部喫食 □全部欠食 □一部欠食

副食

除去食対応 □あり (鶏卵・乳・えび) □なし

自己除去対応 □あり □なし

欠食対応 □あり □なし

牛乳 □飲む □飲まない

代替食弁当 □持参なし □持参あり

備 考

平成 年 月 日

小学校長様

平成 年度の学校給食において、上記のとおりの食物アレルギー対応とすることについて、主治医

の指示内容に相違ないことを確認します。

また、毎月の献立表に品目ごとの対応内容を記入して提出しますので、これに従い学校給食を実施さ

れるよう依頼します。

保護者氏名 ○印

様式3

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用語説明

「除去食」とは、 給食調理場で調理する「除去食」で、除去の対象となるアレルゲンは、鶏卵、乳、

えびの3種類です。調理工程によっては、除去できないものがありますので、面談等

で別途説明します。

「自己除去」とは、

給食調理場で調理する「通常食」から、配膳時に自分自身でアレルゲンを除去する

ことをいいます。

例 : 八宝菜のうずら卵

「欠食」とは、 献立の主要な食材にアレルゲンが含まれており、その食材を除去して調理すること

ができないものや、加工食品そのものを給食の一品としているものについては、その

献立の欠食とします。

例 : えびフライ、ハンバーグ、春巻き、バター、チーズ、豆菓子

「代替食弁当」とは、 その日の献立の全部または一部を「欠食」とするなど、栄養バランスを補う必要が

あるときは、「代替食弁当」を持参することとなります。