炭層の成因と分類1 炭層の成因と分類 1 炭層の成因と分類 木が倒れる...

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100%炭素 30%水素 70%炭素 30%酸素 海成頁岩と石灰岩 油母頁岩 モリソン頁岩(非海成) キンメリッジ粘土(英国) 油岩頁母 石炭 亜炭 無煙炭 瀝青炭 石油 褐炭 褐炭 石油の根源物質といわれるプランクトンや 石炭の根源物質である植物が海底や地中に 堆積し、空気の遮断により分解(腐食)を 免れた有機物をケロジェンといいます。ケ ロジェンの主要元素は炭素と水素と酸素で 構成されています。 各種の石油や石炭のケロジェンを分離し て、炭素と水素と酸素の相対的含有量を三 角ダイヤグラムにプロットすると、分布帯 が形成されることがわかります。 石油は炭素と水素のかたまりで、三角ダイ ヤグラムの一部分に集中します。 しかし、石炭は酸素も含有しているため、 広範囲な分布帯が形成されます。これは、 多岐に渡る品質の石炭が世界中に分布して いることを示します。 石炭を使用する側にとって用途や品質によ る石炭の選択が必要になり、石炭利用の制 約も生じてきます。 石炭の分析 石炭は、生成の地質年代、組織成分、根源 植物、石炭化度などをパラメーターとして、 様々な分類がされてきました。利用面から、 石炭の発熱量、工業分析の揮発分、燃料比 を指標とした分類や、石炭化度による分類 が主に使用されます。 石炭の分類 炭層の成因と分類 石炭とは 1 植物の堆積 石炭は、地中に埋没した植物が長い年月を かけて地圧や地熱の作用を受け、変化生成 されたものであることから、“化石資源” と 呼ばれています。 根源物質である植物が石炭になるまでに は、次のような過程を経ます。 石炭の成因 黒い層が石炭 泥炭化作用 地上に堆積した植物は、砂や泥などの堆積 物によって覆われ空気と遮断されると、微 生物の分解作用によって腐植物(フミン質) に変化して泥炭化します。 石炭化作用 泥炭が砂や泥などの堆積層に覆われ地中深 く埋没していくと、地圧や地熱の影響を受 けて脱水、脱炭酸、脱メタンなどの地化学 的反応により、より炭素分が多く密度も増 加した石炭へと変化していきます。色も褐 色から黒色へと変化します。 出典:Forsman & Hunt. 1958より 用途による分類 分 類 用 途 無煙炭 焼結用、練炭・豆炭用、石炭石焼成用、電極材用 原料炭 鋼鉄原料用 強粘結炭・弱粘結炭 製鉄用、冶金用コークス製造 非微粘炭 コークス製造原料の配合用、高炉吹込用(PCI) 化学工業用 (褐炭~無煙炭) ガス化、液化、乾留用 一般炭 (原料炭以外の石炭) ボイラー用、一般焚用 植物 無煙炭 褐炭 瀝青炭 各種のケロジェンを構成する炭素・水素・酸素の相対的含有量 炭素 (C%) 石炭化度 石炭化度による分類 重さと地熱で石炭に 腐っていないうちに土に閉じ込められる 木が倒れる

Transcript of 炭層の成因と分類1 炭層の成因と分類 1 炭層の成因と分類 木が倒れる...

  • 三角

    100%炭素

    30%水素 70%炭素 30%酸素

    海成頁岩と石灰岩油母頁岩モリソン頁岩(非海成)キンメリッジ粘土(英国)

    排出CO2濃度22%

    分離回収CO2濃度99%

    脱炭した後のガスCO2濃度2%

    油岩頁母

    石炭

    亜炭

    無煙炭

    瀝青炭

    石油

    ■各種のケロジェンを構成する炭素・水素・酸素の想定的含有量(Forsman&Hunt,1958より)

    褐炭

    パイプライン輸送

    タンカー輸送

    分離・回収

    海上施設による圧入

    地上施設より圧入

    CO2

    CO2排出源(発電所、鉄鋼プラント等

    CO2地中:帯水層、石炭層

    キャップロック(不透水層)

    溶解拡散

    分離・回収 隔離・貯留

    褐炭

    石油の根源物質といわれるプランクトンや

    石炭の根源物質である植物が海底や地中に

    堆積し、空気の遮断により分解(腐食)を

    免れた有機物をケロジェンといいます。ケ

    ロジェンの主要元素は炭素と水素と酸素で

    構成されています。

    各種の石油や石炭のケロジェンを分離し

    て、炭素と水素と酸素の相対的含有量を三

    角ダイヤグラムにプロットすると、分布帯

    が形成されることがわかります。

    石油は炭素と水素のかたまりで、三角ダイ

    ヤグラムの一部分に集中します。

    しかし、石炭は酸素も含有しているため、

    広範囲な分布帯が形成されます。これは、

    多岐に渡る品質の石炭が世界中に分布して

    いることを示します。

    石炭を使用する側にとって用途や品質によ

    る石炭の選択が必要になり、石炭利用の制

    約も生じてきます。

    石炭の分析

    石炭は、生成の地質年代、組織成分、根源

    植物、石炭化度などをパラメーターとして、

    様々な分類がされてきました。利用面から、

    石炭の発熱量、工業分析の揮発分、燃料比

    を指標とした分類や、石炭化度による分類

    が主に使用されます。

    石炭の分類

    炭層の成因と分類石炭とは1

    ■植物の堆積石炭は、地中に埋没した植物が長い年月を

    かけて地圧や地熱の作用を受け、変化生成

    されたものであることから、“化石資源”と

    呼ばれています。

    根源物質である植物が石炭になるまでに

    は、次のような過程を経ます。

    石炭の成因

    黒い層が石炭

    ■泥炭化作用地上に堆積した植物は、砂や泥などの堆積

    物によって覆われ空気と遮断されると、微

    生物の分解作用によって腐植物(フミン質)

    に変化して泥炭化します。

    ■石炭化作用泥炭が砂や泥などの堆積層に覆われ地中深

    く埋没していくと、地圧や地熱の影響を受

    けて脱水、脱炭酸、脱メタンなどの地化学

    的反応により、より炭素分が多く密度も増

    加した石炭へと変化していきます。色も褐

    色から黒色へと変化します。

    木が倒れる

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    腐っていないうちに土に閉じ込められる 重さと地熱で石炭に

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    蒸気タービン高温再熱蒸気管

    主蒸気管

    ボイラー

    最終加熱器

    石炭バンカー

    ベルトコンベアー

    給炭機

    節炭機

    脱硝装置

    再熱器

    一次過熱器

    押込通風機

    誘引通風機

    脱硫通風機

    煙突

    電気集じん器

    フライアッシュ

    石炭灰船積サイロ

    排水処理

    排煙脱硫装置

    空気余熱器

    脱水槽

    灰捨地へ

    クリンカホッパ

    微粉炭機

    石炭船

    貯炭場揚炭機(アンローダ)

    発電機

    復水ポンプ復水器

    給水ポンプ

    中圧タービン低圧タービン

    高圧タービン

    フィルター

    取水口放水口

    アンモニア注入量制御装置

    アンモニア

    ファン

    排煙脱硝装置

    炭層の成因と分類

    排煙脱硫装置電気集塵器の原理

    排ガス

    排ガス

    NOx分析計

    触媒ユニット

    触媒電子

    高圧直流電源

    集塵電極

    触媒層

    スートブロワ

    整流板

    触媒層(予備)

    緩衝材

    アンモニア注入管アンモニア注入管

    (+)

    (+) (-)

    (A)集塵電極

    (+)

    (A)

    放電電極

    浄化ガス

    排ガス 石膏

    液柱スプレーノズル

     酸化用空気ブロワ

    吸収液循環ポンプ

    ダスト

    3(グラデ少) 5(グラデ少)

    アンモニア注入量制御装置

    アンモニア

    ファン

    排煙脱硝装置 排煙脱硫装置

    排ガス

    排ガス

    NOx分析計

    触媒ユニット

    触媒触媒層

    スートブロワ

    整流板

    触媒層(予備)

    緩衝材

    アンモニア注入管アンモニア注入管

    浄化ガス

    排ガス 石膏

    液柱スプレーノズル

     酸化用空気ブロワ

    吸収液循環ポンプ

    出典:Forsman & Hunt. 1958より

    ■用途による分類

    分 類 用 途

    無煙炭 焼結用、練炭・豆炭用、石炭石焼成用、電極材用

    原料炭鋼鉄原料用

    強粘結炭・弱粘結炭 製鉄用、冶金用コークス製造

    非微粘炭 コークス製造原料の配合用、高炉吹込用(PCI)

    化学工業用 (褐炭~無煙炭) ガス化、液化、乾留用

    一般炭 (原料炭以外の石炭) ボイラー用、一般焚用

    植物 無煙炭褐炭 瀝青炭

    ■各種のケロジェンを構成する炭素・水素・酸素の相対的含有量

    低 高炭素(C%)石炭化度

    ■石炭化度による分類

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    炭層の成因と分類

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    炭層の成因と分類

    重さと地熱で石炭に腐っていないうちに土に閉じ込められる木が倒れる