4新技術説明会2018プレゼン資料 再3 原先生 岐阜薬 … 脊髄性筋萎縮症(SpinalMascularAtrophy; SMA) 脊髄・脳幹における運動神経変性を主徴とする
神経系の働きと身体運動aka.gmobb.jp/yamakensensei/renraku/coordination.pdf男)とその...
Transcript of 神経系の働きと身体運動aka.gmobb.jp/yamakensensei/renraku/coordination.pdf男)とその...
コオーディネーション? 協応性?
巧緻性? 可塑性? 易動性?
・・要するに“神経系”の働きらしい
神経系の働きと身体運動
身体運動を支えるもの エネルギーを作りだすこと
そのエネルギーを上手に使うこと
実際に動くのは最後は「筋肉」の働き
三つのエネルギー生産系とその発現
ATP-PCr系(クレアチン燐酸量で決定される)
解糖系(しかし乳酸の85%は再利用される)
有酸素系(非乳酸性だがスポーツ動作では不足気味)
問題は「どうやって使うのか」ということ
筋肉と神経の働き
筋活動と興奮‐収縮連関
運動神経-アセチルコリン-筋細胞膜興奮
-筋小胞体Ca++-ATP加水分解-筋線維収縮
※ 繰り返して収縮するにはATP再合成が必須
運動単位(NMU)と神経支配比
広頸筋(1:25) 腓腹筋(1:1934)
力の調節
単収縮と強縮及び筋線維の「同期」
大脳の働き
自発的運動と感覚依存性運動
神経系の反応
刺激→感覚受容器→求心性神経→感覚野
→運動野→遠心性神経→筋線維→動作
反復される筋力発揮時の「中枢性抑制」
筋活動のエネルギー
ATPの分解と再合成(3つの補填-生産系)
運動時間とエネルギー獲得機構(血中乳酸)
身体の膨大な自由度を制限? 基本的運動形態(Basic Motor Skill)
匍匐・歩・走・跳・泳・投・打・捕・・・・
姿勢反射とスポーツ姿勢(構え)
Howorthの “Basic Dynamic Posture”
旧東独の「コーディネーション」の概念とそのトレーニング
旧ソ連圏の運動習熟の「ダイナミックステレオタイプ」
膨大な身体の自由度の制御
事前準備の必要性
しかし状況は刻々と変化する
神経系‐身体系‐環境系の相互作用(トップダウンとボトムアップ)
「折り合いをつける」必要性も・・
ザリガニのC99神経では・・
生態学的アプローチから
M.T.Turvey,P.N.Kugler(1984):AN ECOROGICAL APPROACH TO PERCEPTION AND ACTION,(In ”Human Motor Action:Bernstein Reassessed”)pp.375
運動学習のモデルから知能システム研究会(1987)
「大域的探索」 Vs 「山登り法」での極大値探索
“解”はひとつではない(!?) その前後の状況を含めて「最適」なもの?
神経系 = 制御主体
身体系 = 制御対象 という定式ではない?
環境系 = 外乱因子
状況は「刻々と変化する」が、しかし「課題は達成しなければならない」!
すぐ転ぶ日本人スキーヤーとなかなか転ばないアメリカ人スキーヤー?
「何が」行動を選択する基準なのか?
人間の随意運動の中枢は?
4つの運動制御の中枢(伊藤正男)とその hierarchy
①大脳皮質運動野及び体性感覚野からの入力
②脊髄と脊髄固有運動中枢
③「神経計算機」としての小脳
④「姿勢安定装置」としての大脳基底核(最近は『ディレクター』と考えられる?)
運動情報の流れ(Brooks)
BG Coudate:大脳基底核・尾状核 BG Putamen:被核 LIMBIC CX:辺縁皮質
ACCOC CX:連合皮質 MOTOR CX:運動皮質 MOTOR SERVO:動作サーボ
Lateral Cb:外側小脳 Interm Cb:内側小脳 H:海馬
随意運動の研究(Evarts)
最も基礎的な部分から・・
まずは「ニューロン」と「シナップス」結合・・
ニューロンとシナップス
筋紡錘と伸張反射(Stretch Reflex)
上位中枢からの二つの運動指令
筋線維を動かすα運動神経
筋紡錘を動かすγ運動神経
筋紡錘からのⅠa 群求心性線維
上位中枢からの伸張反射の制御
剣道のつばぜり合いでの「胴、一本!」
「ふん、次はやられないぜ・・」
今度は「面、一本!」
相反性神経支配の2つの例腱紡錘からの求心性Ⅰb線維からのインパルス⇒ 強すぎる張力には抵抗しない
(折り畳み反射)
もっと複雑な組み合わせも
いてて画鋲踏んだ・・
歩行パターンの発生の相反性神経支配?
いや、赤ちゃんの「原始歩行」は違うような・・
歩行パターンはどこにある
• 発達のU字型現象(多賀、2002)
①原始歩行の発生
②原始歩行の凍結と姿勢維持機能の発達
③歩行パターン再登場
伸張反射の発生と「弾性効率」の可能性・・
「走」と「跳」の発生へ?
首なしねこが歩く(Shick&Orlovsky)
• ベルトの速度が速くなると「ギャロップ」へ変化
• 歩行 ⇒ ギャロップ と ギャロップ ⇒ 歩行 で速度が違う(ヒステリシス)
姿勢反射とスポーツ姿勢
適当に反応してもよいはずなのに・・・
「反応時間課題」ということ
随意運動の研究(Evarts、1975)
反応時間(RT)ということ
筋は収縮しているのに“動けない”
反応時間の構成因子(相手も同じ)
Total Reaction TimeReaction Time
Preparation PMT MT mvT next Task
onset of EMG(?) Stimulus onset of movement予測? end of first TaskPMT:前動作時間 MT:動作時間 mvT:移動時間
反応時間の構成因子と規定因子Total Reaction Time:反応動作時間
Reaction Time:反応時間
Preparation:事前準備(事前の手がかりから予測すると刺激提示以前にGO?)
PMT:前動作時間(刺激提示から筋電図発現まで)/神経系の関与する部分
MT:動作時間(筋電図発現から移動開始まで)/課題によって異なる
mvT:動作時間(移動開始から課題終了まで)/筋出力レベルが関与する
next Task:次の課題への対応
神経系の能力とトレーニング可能性
再び運動情報の流れのシェーマ
筋はここだけに関与(運動と感覚)
身体の膨大な自由度を制限? 基本的運動形態(Basic Motor Skill)
匍匐・歩・走・跳・泳・投・打・捕・・・・
姿勢反射とスポーツ姿勢(構え)
Howorthの “Basic Dynamic Posture”
旧東独の「コーディネーション」の概念とそのトレーニング
旧ソ連圏の運動習熟の「ダイナミックステレオタイプ」
超コンピューター・・大脳基底核
• ほとんどの神経回路を抑制し、必要な神経回路だけを脱抑制する
• 独裁者や指揮官のいなくなる病気・・パーキンソン病
•「いけ~!」という状況を支配するもの?
•ドーベルマンがいくはずがスピッツやチワワがいくと・・
制御対象としての眼球、眼筋、運動神経細胞 (動特性 = G )
制御装置としての前庭器官・核、小脳片葉(逆動特性 = -1/G)
小脳は、制御装置の動特性を制御対象の動特性の逆数に等しく保つ(反復により性能が向上する!)
小脳は何を学習するのか?
ダイナミックステレオタイプの新モデル(山崎、2004)
さらに「身体系マトリクス」(P1・P2・P3・・PN)と「環境系マトリクス」(E1・E2・E3・・EN)が加わる?
「連関」と「調和」がキーワード
エネルギー供給系と運動制御の関係は?
筋収縮のエネルギーは・・
• 基本は筋線維内のATPからPi が遊離される
• そのエネルギーを補填するために
①クレアチン燐酸からATPへ(7秒ほど)
②グリコーゲンを解糖してピルビン酸を経て乳酸産生(特にFG系線維:33秒ほど)
③ミトコンドリアの酸化作用で乳酸分解
④炭水化物や脂質、たんぱく質を酸化する有酸素性過程
三つのエネルギー生産システム
ソーラーパネルつきハイブリッド自動車
①電池駆動:すべての基本・・でもすぐバッテリー切れ
②ガソリンエンジン:快適走行も「燃費」が悪い?
③ソーラーパネル:のろのろ でも いつまでも
純ハイパワー系は最速7秒で終わり
純ミドルパワー系も+33秒でおしまい
全力40秒間で終わるものを「倹約しながらゴールまで」
ガソリン部分は「乳酸」を生成して「キツイよ~」
筋肉量の0.3%蓄積すると運動遂行が不可能に!
ただし乳酸の85%は「再利用」されるエネルギー源
有酸素的解糖と無酸素的解糖
遅筋系 速筋系
フォックスとマティウズ(1981)
この時には運び屋MCT4が必要=高強度✕短時間トレーニング
この時には運び屋のMCT1が必要
=低強度✕長時間トレーニング
「乳酸シャトル」の意味するもの・・
3×3システムによる動作の発現
定本ら(1987年)の図を山崎が改変
動きをつくり出すシステム
TypeⅠ TypeⅡa TypeⅡb
エネルギーをつくり出すシステム
ATP-PCr系 ○ ◎ ◎
解糖系 △ ◎ ●
有酸素系 ◎ ○ △
マルチレイアシステム動きをつくり出すシステム
TypeⅠ TypeⅡa TypeⅡb
エネルギーをつくり出す
システム
ATP-PCr系 ○ ◎ ◎
解糖系 △ ◎ ●
有酸素系 ◎ ○ △動きをつくり出すシステム
TypeⅠ TypeⅡa TypeⅡb
エネルギーをつくり出す
システム
ATP-PCr系 ○ ◎ ◎
解糖系 △ ◎ ●
有酸素系 ◎ ○ △
上腕二頭筋(屈筋側)
上腕三頭筋(伸筋側)
肘関節周りの拮抗筋
Y= [PCrN] × [SkN](ハイパワー系スキル)
+ [GlyN] × [SkN](ミドルパワー系スキル)
+ [MtcN] × [SkN](ローパワー系スキル)
+ b (残差:その他の要因)
[N] はその時点でのエネルギーレベルの変数
スキルも個別的に対応してトレーニングが行われる
⇒ 疲労状態でも必要とされる異なるスキルがある
トレーニングのプロセスでは・・
PCr0 Gly0 Mtc0 Smα
PCr1 Gly1 Mtc1 Smβ
Y= PCr2 Gly2 Mtc2 Smγ
: : : :
PCrN GlyN MtcN Smω
+ b (残差:その他の要因)
“トレーニングは個別的状況で実施され抽象的能力として形成される(山崎:2007)”
運動習熟によるスキル・モード複合体の独立
セーチェノフの“積極的休息”
大脳皮質での興奮と抑制過程の同時的及び相互的誘導現象
“長い単調な運動は中枢神経系に疲労の増大をもたらし、運動感覚は失われる。運動を交替したり、諸運動の相互関係をよくみて、正しい一貫性のある運動を選択することにより、大脳皮質における運動能力の高い水準を確保することができる。”クレストフニコフ、スポーツの生理学(ロシア語版1951年、邦訳1978年)
動きをつくり出すシステム
TypeⅠ TypeⅡa TypeⅡb
エネルギーをつくり出すシス
テム
ATP-PCr系 ○ ◎ ◎
解糖系 △ ◎ ●
有酸素系 ◎ ○ △
中枢性抑制の“脱抑制”効果
3×3システムの意味するもの
“コオーディネーション”という概念:独・ハルトマン(ライプチッヒ学派)、2009年
“コオーディネーション”にかかわる7つのカテゴ
リー(ハルトマン:2009)
“インテグレイション(統合)”という概念も
しかしこのモデルには“エネルギー供給系”が入っていない・・?
「系」の外側は入れない・・?
“場当たり”で決定しているわけではないらしい・・
M.T.Turvey,P.N.Kugler(1984):AN ECOROGICAL APPROACH TO PERCEPTION AND ACTION,(In ”Human Motor Action:Bernstein Reassessed”)pp.375
神経系‐身体系‐環境系 それぞれを変化させることが・・
動きを覚えること(プログラミング)
その動きを使うこと(プランニング)
複数のシステムに重みをつけて並列的に動かす
完璧な単一システムは破綻する
“失敗”しても対応できること・・
運動指令がトルクであることによる“冗長性”
「最適値制御」が運動軌道とトルクを決める?
“動き”を常に意識すること・・ 10分間意識できたところで・・
練習時間の残り2時間50分・・
日常的な動きでさらに13時間・・
「弾性効率(運動効率)」と「トルク最小モデル」
神経系‐身体系‐環境系の「折り合い」
たぶん「現在の身体状況を知覚できる能力」の問題・・
「前半」と「後半」のエネルギー系残存量とその利用
PCr0 Gly0 Mtc0 Smα
PCr1 Gly1 Mtc1 Smβ
Y= PCr2 Gly2 Mtc2 Smγ
: : : :
PCrN GlyN MtcN Smω
+ b (残差:その他の要因)
“トレーニングは個別的状況で実施され抽象的能力として形成される(山崎:2007)”
運動習熟によるスキル・モード複合体の独立
Presented by
やまけん
神経系の働きと運動の関係は、実はまだよくわからない分野!