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女性研究者支援モデル育成 事後評価 「山形ワークライフバランス・イノベーション」 機関名:国立大学法人 山形大学 代表者名:結城 章夫 実施期間:平成 21 年度~平成 23 年度

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女性研究者支援モデル育成 事後評価

「山形ワークライフバランス・イノベーション」

機関名:国立大学法人 山形大学

代表者名:結城 章夫

実施期間:平成 21 年度~平成 23年度

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目 次

Ⅰ.計画の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

Ⅱ.所要経費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

Ⅲ.目標達成状況

1.機関の概要及び考慮すべき背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

2.目標達成度

(1)採択時コメント等に対する対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

(2)目標達成度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

(3)所期の計画どおりに進捗しなかった場合の対処 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

Ⅳ.機関の自己評価

(1)目標達成度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

(2)取組の内容(妥当性・効率性) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

(3)システム改革(成果・波及効果) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

(4)実施体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

(5)実施期間終了後における取組の継続性・発展性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

Ⅴ.成果の詳細

1.取組の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(1)環境整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(2)意識改革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

(3)女性研究者の裾野拡大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

(4)その他の取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

2.システム改革の成果及び波及効果

(1)システム改革の成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

(2)取組のモデル性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

(3)情報発信 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

3.実施体制

(1)実施体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

(2)機関の長のコミットメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

Ⅵ.実施期間終了後における取組の継続性・発展性

1.平成24年度の継続策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

(1)支援体制(支援室体制、人員等) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

(2)取組の継続状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

2.中長期的計画(平成25年度以降) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

3.「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画の周知と推進状況 ・・・・・・・17

Ⅶ.参考図表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

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Ⅰ.計画の概要

■プログラム名:女性研究者支援モデル育成(事後評価)

■課題名:山形ワークライフバランス・イノベーション

■機関名:国立大学法人山形大学

■代表者名(役職):結城 章夫(学長)

■実施期間:3年間

■科学技術人材育成費補助金による実施経費(全期間分):116.4百万円

1.課題概要

(1)機関の現状

①女性研究者の人数及び今後の見通し

本学の女性研究者は785人のうち102人(13.0%)、自然科学系の学部(理学部、医学部、工学部及び農学部)

における女性研究者の割合は9.6%と低く(平成21年2月時点)、博士課程の学生も20%と低い。

②女性研究者支援に関する現在の取組状況

中期計画(第1期)において「女性等の積極的採用」について検討し実現すると明記し、「女性教員の国際学会

への旅費支援制度」を実施。裁量労働制や育児・介護休業制度の整備、飯田キャンパスでの24時間利用可能な

保育所設置、キャンパス・ハラスメント防止体制の整備など、研究と育児等を両立可能にする施策と、中高生対象

の科学教室開催、学部生対象のジェンダー関連授業開設など、次世代支援に取り組んできた。

また、平成20年度末から男女共同参画に係る学内アンケートの実施、男女共同参画シンポジウムの開催等を

実施すると共に、男女共同参画推進委員会及び男女共同参画推進室を設置し、新たな取組を開始したところで

ある。

(2)計画構想

女性研究者のための具体的な取組として、男女共同参画推進室及び男女共同参画推進委員会を中心に、男女

共同参画基本計画に基づき、①意識改革(学長等と女性研究者の懇談会、セミナー・シンポジウム開催、アンケート

実施公表、広報活動)、②研究と育児等の両立支援(託児サポーター制度設立、就業規則周知徹底、育児休業取

得者のいる組織へのインセンティブ付与、育児休業取得男性及び女性研究者の夫が育児休業を取得した場合の

支援、育児休業中の非常勤講師確保、会議負担の軽減検討、ユビキタス・ワーキング・システム構築、巡回相談員・

研究支援員・メンターの配置、子育て期の学会出張支援等)、③女性研究者裾野拡大(キャリアパスの探索、ロール

モデルとの交流、女子中高生向けセミナーや女性研究者による出前授業等)に取り組む。

これらの施策により、学内の意識改革が進み女性研究者支援への理解増進が図られることによって、女性研究者

が研究と育児等を両立させる環境が整い、その能力を十分発揮できるようになる。さらに、女性の応募者増加や女

性研究者の裾野拡大に寄与するとともに、山形大学が男女共同参画に関する地域の拠点となることが期待される。

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(3)実施体制

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山形ライフワークバランス・イノベーション(実施体制)

国,関係省庁

山形県、市町村

サイタセンター理・工・農・医学部

•子育て支援ネットワークに関するNPO法人

•男女共同参画の推進に協賛する民間企業 等

同窓会教職員・大学院生

• 委員長:学長• 委 員:各学部・部局の代表者《主な業務 》(1) 男女共同参画の推進に係る基

本方針に関する事項(2) 男女共同参画の推進施策の企

画及び立案に関する事項(3) 男女共同参画の現状分析,評

価及び改善に関する事項(4) その他男女共同参画に関する

事項

男女共同参画推進委員会(企画立案)

男女共同参画推進室(実施)

経営評議会

教育研究評議会役員会

学 長

• 室長:理事・副学長(男女共同参

画担当)

• 室員

専任のコーディネータ(3名)

兼任教員、相談員、支援員《主な業務 》

(1) 男女共同参画を推進する施策の実施及び調整に関すること

(2) 男女共同参画に係る外部機関との連携に関すること

(3) 男女共同参画に係る情報収集及び広報活動に関すること

(4) 委員会に関すること その他

連携

託児サポーター

アドバイザリーボード

評価分析室

評価 (助言、講演)

(シンポジウム共催等)

(女子中高生向けセミナー、出前授業)

アンケートによる意識調査 育児支援に参加

(託児サポーター研修、キャリアパス創出)

(ロールモデル)

(4)実施内容

8

山形ワークライフバランス・イノベーション(実施内容)

機関の現状女性研究者102名(13.0%)

うち自然科学系の女性研究者69名(8.80%)

女子大学院生(博士課程)60名(20.1%)

平成20年度までの取組み①男女共同参画担推進委員会設置

②男女共同参画推進室設置

③理事・副学長付スタッフ(男女共同参画)の

設置

④ニーズと実態に関するアンケート調査実施

⑤男女共同参画シンポジウム開催

⑥学長による男女共同参画推進宣言

⑦山形県男女いきいき・子育て応援宣言企業

登録

⑧中高生向け科学教室開催 等

達成目標

・H23年度までに

女性教員採用比率を20%に引き

上げる。・H25年度までに

女性教員比率を15%に引き上げ,将来的に25%を達成する。・毎年1人以上男

性育児休業取得者を生み出す。・毎年5名以上、子育て期女性研究者の出張を可能とする 等

(1)研究と育児等を両立可能とする職場作り•保育スペース確保、託児サポーター制度設立•育児休業取得男性への補助•女性研究者の夫への育児休業取得支援•育児休業中の非常勤講師の確保•会議負担の軽減•ユビキタス・ワーキング・システム構築•小白川キャンパスへの保育所設置検討 等(2)研究と育児等を両立可能とする研究環境の整備•巡回相談員制度の実施、メンター制度の活用•研究支援員の配置•子育て期の学会出張時の保育支援•女性教員の国際学会へ旅費支援 等

女性研究者の裾野の拡大•女性研究者のキャリアパス探索•ロールモデルとの交流・相談•「ウーマン・オブ・ザ・ヤマガタ」開講•女子中高生向けセミナー・出前授業 等

意識改革①「男女共同参画基本計画」の制定②学長・学部長と女性研究者との懇談会③シンポジウム・セミナー等の開催④アンケートの実施と公表⑤ニューズレター等広報活動拡大 等

研究環境の改善

ワークライフバランス実現のための施策

2.ミッションステートメント

(1)計画構想の概要

山形大学全体の女性研究者は 13.0%(H20 年度)と全国平均よりやや低く、国の目標を達成するには女性研究

者支援を強化する必要がある。

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また、本学が平成 20年に実施したアンケート調査から、山形大学の女性研究者支援のためには、(1)男女共同

参画社会に対する意識変革、(2)女性研究者の現状の改善と可視化、(3)仕事と生活の両立を阻害する要因の

除去が重要であることが分かった。

平成 21 年度中に男女共同参画推進室に専任のコーディネーターを配置すること等により、ⅰ)意識改革、ⅱ)

研究と育児等の両立支援及び ⅲ)女性研究者の裾野拡大を重点的に進める。

ⅰ)意識改革としては、学長の強力なリーダーシップの下、学長・学部長と女性研究者の懇談会や幹部職員対象

のセミナーの開催、男女共同参画フェスタやシンポジウムの公開での開催などを行うとともに、意識変化を把握

するためのアンケート調査を実施し公表する。また、学内外への広報活動も強化する。

ⅱ)研究と育児等の両立支援としては、a)研究と育児等を両立可能にする職場作りと、b) 研究と育児等を両立可

能にする研究環境の整備を行う。

a) の具体的支援として、①保育スペースの確保、学生等を活用した託児サポーター制度の設立、②就業規則

の周知徹底、③育児休業取得者のいる組織へのインセンティブ付与、④育児休業取得男性への支援、⑤女

性研究者の夫が育児休業を取得した場合の支援、⑥育児休業中の非常勤講師の確実な確保、⑦会議負

担の軽減、⑧ユビキタス・ワーキング・システムの構築、⑨学内保育施設の設置の検討、を行う。

b) としては、①巡回相談員制度の実施、②研究支援員の配置、③学会出張時の保育支援を行う。

ⅲ)女性研究者の裾野拡大としては、①産学連携による女性研究者のキャリアパスの探索、②ロールモデルとなる

人との交流・相談、③女性学・ジェンダー関連授業の増設、④女子中高生向けセミナー等の開催、⑤女性研究

者による出前授業を行う。

(2)実施期間終了時における具体的な目標

本計画構想の具体的施策の推進及び支援の実施によって、下記の目標を達成する。

①平成 23年度までに、女性教員の採用比率を 20%(博士課程の女性比率)まで引き上げる。

②平成 25 年度までに、女性教員の比率を 15%まで引き上げるとともに、将来的に女性教員の比率を 25%まで

引き上げる。

③平成 23年度までに「男女共同参画社会」という言葉の周知度を倍増(30%→60%)させる。

④育児休業取得者のいる組織へのインセンティブ付与及び育児休業取得男性への補助により、育児休業の取

得しやすい環境をつくり、毎年1名以上男性育児休業取得者を生み出す。

⑤子育て期学会出張時の保育支援制度により、毎年5名以上、子育て期女性研究者の出張を可能とする。

⑥女性研究者の競争的研究資金の獲得額を現在より 30%高める。

また、以下が推進される。

・育児休業取得率向上及び男性職員の育児休業取得。

・修士課程の女子大学院生の博士課程への進学率の向上。

・女性研究者がキャリアのステップアップの過程で、育児等の負担により、研究活動を中断することや研究者

の道を断念することの解消。

(3)実施期間終了後の取組

学長のリーダーシップの下、学内予算措置により、意識改革のための取組、託児サポーターの活用、育児休業

取得推進、相談員・研究支援員の配置、女子学生・生徒のキャリア形成支援等の取り組みを継続・強化する。

(4)期待される波及効果

○研究と育児等の両立を支援することにより、女性研究者が研究活動を中断することや、研究者の道を断念するこ

とがなくなる。

○直接ロールモデルに触れることや、セミナーへの参加等により、本学女子学生及び女子中高生の女性研究者に

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ついてのキャリア・イメージの形成が図られる。これにより、研究者を志す女子学生が増える。

○本学サイタセンター等を拠点とした科学実験教室、出前授業等により、女子中高生に限らず理数好きの子ども

が増える。

○本計画に全学的に取り組むことにより、女性研究者の支援や活躍促進、更には、男女共同参画に関する意識改

革が図られる。

○学外に開かれた男女共同参画セミナー及びワークライフバランスに関するシンポジウム等により、山形大学が山

形地域における男女共同参画、新たな社会的価値の創造(イノベーション)の拠点となる。

3.採択時コメント

アンケート調査から仕事と育児等の両立が困難な慣行や雰囲気等を把握し、取り組むべき問題点の明確化、意識

改革及びハラスメント防止体制整備が進められている等、実績が評価できる。また、既に整備が進められている体制

をベースとし、学長を中心とする全学体制での取組となっており、女性研究者の要望に応じたきめ細かい支援策・具

体策が提案されたバランスの良いプランであると評価できる。意識改革に関してもさらに積極的に取り組む計画となっ

ている。

今後、女性教員の尐ない理工系においてその比率を高めるためにはかなりの努力が必要と思われ、学長のリーダ

ーシップと行動力が極めて重要であること、さらに全学的に問題を共有し対処することが重要であることに留意して頂

きたい。また、実施期間終了時における、文理融合分野を含む自然科学系分野や自然科学系分野の女性教員増加

に関する数値目標(女性研究者の採用数、採用比率、教員数、教員比率等)を設定し、課題を実施して頂きたい。

Ⅱ.所要経費 (単位:百万円)

21年度 22年度 23年度 備考

1.人件費 (1)プロジェクト教員准教授 (2)プロジェクト教員助教 (3)相談員、事務補佐員及び技術補佐員

(4)研究継続支援員 (5)学生アシスタント

4.4

(1人) 7.8

(2人) 1.0

(3人) 0

0.2 (33人)

8.5

(1人) 11.1

(2人) 2.6

(4人) 1.3

(14人) 0.2

(31人)

8.6

(1人) 11.2

(2人) 4.1

(4人) 3.6

(29人) 0.1

(27人)

チーフコーディネーター サブコーディネーター

2.業務実施費 (1)消耗品費 (2)国内旅費 (3)外国旅費 (4)外国人等招へい旅費 (5)諸謝金 (6)雑役務費 (7)印刷製本費 (8)借損料 (9)通信運搬費 (10)会議開催費

1.2 1.2

0 0

0.2 1.3 1.2

0 0 0

2.6 1.5 0.8 0.2 0.6 3.2 4.7

0 0 0

1.3 1.8

0 0

0.6 2.2 5.4

0 0.1 0.4

3.設備備品費

0

0

0

4.間接経費 人材育成システム改革促進費

5.5 ――

11.3 ――

―― 4.4

計 24.0 48.6 43.8 総計 116.4

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5

自己資金 (1)消耗品費 (2)国内旅費 (3)外国旅費 (4)諸謝金 (5)雑役務費 (6)印刷製本費 (7)保守料

0.3 0.2

0 0.1 0.5 0.4

0

0 0

0.4 0 0 0 0

0 0

0 0 0 0

0.8

推進室用パソコン購入等

シンポジウム講師旅費

取組に関わるセミナー参

加旅費

シンポジウム講師謝金

報告書印刷

VPN装置保守料

計 1.5 0.4 0.8 総計 2.7

注:人件費は、科学技術人材育成費補助金により人件費を支出している本人材養成業務に従事する者を職階(教授、

准教授、主任研究員、研究補助員等)に分けて、年度毎に従事人数とともに記載。

Ⅲ.目標達成状況

1.機関の概要及び考慮すべき背景

・機関の概要

山形大学は、医学部を含む 6学部と 7大学院、養護教諭特別別科からなる総合大学である。

平成 23年 5月 1日現在(( )内は女性数で内数を示す)、常勤職員は、教員 846(115)人、職員 1,169(704)人(医

療系 729(574)人、技術系 130(32)人、事務系・その他 310(98)人の計 2,015 人であり、非常勤講師は 505(106)

人である。学生は、学部学生 7,845(2,732)人、修士・博士前期・専門職課程学生 1,091(240)人、博士後期課程学

生 199(41)人、博士課程学生 107(30)人、別科学生 42(42)人がおり、その他、聴講生、研究生を含め約 9,300人

が在籍している。東北地区では東北大学に次ぐ学生数であり、特に工学部及び理工学研究科の在籍者が最も多

い。学部入学者の出身地は、山形県が約 28.2%、東北 6県では約 69.6%に上っている。

歴史的には、昭和 24 年に山形高等学校(山形市小白川)、山形師範学校(小白川)、山形青年師範学校(小白

川)、米沢工業専門学校(米沢市)、山形県立農林専門学校(鶴岡市)の各機関を統合し、昭和 48年に設置された

医学部(山形市飯田)を加えて県内 4 ヶ所のキャンパスと附属幼・小・中学校(山形市松波)、特別支援学校(山形

市飯田)があり、県内各地域との関係も深い。また、卒業生の県内就職率は 31.2%で、地域教育文化学部と医学

部では、卒業生の約 4 割、大学院(教育実践研究科・医学系研究科)修了者の約 7 割が県内に就職しており、教

育と医療の大きな担い手となっている。「地域に根ざし世界を目指す」大学をモットーとしている所以でもある。

・考慮すべき背景

山形県は、子育て期の女性の労働力率が全国 1位(平成 22年度国勢調査)であるが、就業時間が全国平均より

長く、さらに家事・育児時間は男性の 2~4 倍以上であるなど、企業等職場における男女のワークライフバランスの

推進が課題となっている。また、行政機関や事業所、小中学校の女性管理職比率が全国平均より低く、自治会長

割合は全国最下位であるなど、職場や地域で女性の能力が充分発揮されているとは言えず、女性の参画の拡大

が求められている(「平成 23年度山形県男女共同参画白書」参照)。

本学においても平成 21年 5月における女性教員割合は 13.1%であり、特に工学部(理工学研究科)では 3.0%

と尐ないなど科学技術・学術分野における男女共同参画についての課題を抱えている。本学の博士課程(医学系

研究科、理工学研究科)で研究者を養成しても、本学の教員として採用されるのは、医学部・附属病院(約 60%)

は例外として、理工学系では男女共に尐ない。女性研究者が構造的に尐ない最大の理由は、表Ⅶ-2.に示すよ

うに教員公募に対する女性の応募者が尐ないことである。その背景について 4回のアンケート調査と女性研究者を

対象とする 3 年間の巡回聞き取り調査から、県外出身の女性研究者にとっては、配偶者との別居や頼る人のいな

い地域での子育て不安が大きいことが挙げられる。女性教員の場合、配偶者の 79.2%が常勤職に就いており、研

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究者である割合も 34.8%と高いが、大学や研究機関の尐ない山形県では別居が避けられず、研究と家庭生活との

両立に関する不安が大きくある。ワークライフバランスの実現が不安軽減の鍵となると考えられる。

県内 6ヶ所にキャンパスや附属学校が分散していることは、山形大学の強みでもあり、配慮を要する点でもある。

強みとしては、大学の取組についての理解や協力を県内各地域の各機関、各分野に広く求めることができること、

それを契機に共に制度や慣行を見直し社会の変革に貢献できることである。一方、配慮を要する点として、特に工

学部と農学部が事務局のある山形市から離れていることから、まず、女性研究者と男女共同参画推進室との関係

づくりや女性研究者相互のネットワークづくりが必要であり、そのための「顔の見える、声の聴こえる」機会や場の設

定が課題となる。それと同時に、女性教員採用や女性研究者支援に対する合意形成とワークライフバランスの実現

に向けた環境整備のため、学内の意思疎通を積極的に図り、意識改革を進めることが重要である。

2.目標達成度

(1)採択時コメント等に対する対応

①採択時コメントに対する対応

コメント1: 「理工系の女性教員比率を高めるための努力と学長のリーダーシップ、行動力」

対策: 平成21年1月に「山形大学男女共同参画宣言」を学内外に発表し、学長の方針と大学の方向性を示して以

来、学長自ら「多様性(ダイバーシティ)の実現とその一丁目一番地としての男女共同参画」を一貫して述べて

きた。平成21年4月に男女共同参画推進委員会(以下、委員会という)を設置し、自ら委員長を務め、採択期間

中に8回開催してその都度各部局での積極的な努力を求めた。さらに、女性研究者の声を直接聞くため、女性

研究者と学長・学部長との懇談会を13回開催し、その内、理学部に2回、工学部に1回、農学部に2回訪問して

意見交換を行った。その結果、各部局の具体的なニーズや課題を直接把握することができ、比較的素早く支援

策の設計や実施を行った。また、学内外に向けて男女共同参画シンポジウムを5回主催し、情報交換会にも必

ず参加して意識改革と広報に努めた。

コメント2: 「全学的な問題の共有と対処」

対応: 全学的な問題の共有と対処に対応できる男女共同参画推進室(以下、推進室という)を平成21年2月に設置

した。総務担当理事を室長、研究担当理事を副室長とし、さらに男女共同参画推進に関する業績をもつ女性

教授(平成22年度内閣総理大臣表彰受賞)と「理科教育・学習におけるジェンダー・バイアス」に関する研究業

績をもつ女性准教授を理事・副学長付きスタッフとした。平成21年10月にはコーディネーター3人が揃い推進組

織が整った。具体的な原案を作成し、委員会の審議を経て実施する体制ができた。平成22年2月、「男女共同

参画基本計画」(以下、基本計画という)を全部局に提案し、意見の取りまとめを行った。女性教員採用に関す

る数値目標を巡って全学的な議論が起こり、33件に渡る質問、意見、要望が出され、委員会での議論と修正の

上、再度提案を行った。再び14件の意見が出され、委員会での議論と修正を経て教育研究評議会で合意が得

られた。策定まで6ヶ月に渡る議論の中で、全学的な問題の共有と数値目標設定の必要性の理解が大きく進展

した。基本計画により、全学体制による計画立案・実施・評価・改善というPDCAサイクルによる事業展開が可能

となった。

コメント3: 「実施期間終了時における、文理融合分野を含む自然科学系分野の女性教員増加に関する数値目標

の設定」

対応: 基本計画(平成22~31年度までの10ヶ年)の中に女性教員増加に関する数値目標を明記し、「女性教員採

用比率を20%、平成25年度までに女性教員比率を15%、将来的に女性教員比率を25%とする」とした。工学

部と農学部は独自に数値目標を設定し、工学部は「毎年女性教員1人以上の採用を目指す」(平成22~27年

度)、農学部は「平成25年度までに女性教員の比率を15%まで引き上げる」(平成24~27年度)とした。

②提案書に記載の計画(目標)の変更

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内容: 女性研究者の夫が育児休業を取得した場合に支援金を支給する計画を変更した。

理由: 女性研究者の夫の場合、就業状況は様々であり、学生、無職、ポスドク等で育児休業の取得はないが夫が

専ら家庭で育児を行っている場合もある。本制度を実施した場合、不公平が生じやすいことから計画を変更し、

研究継続支援員制度など子育て期の女性研究者への支援を厚くすることとした。

(2)目標達成度

学長の強力なリーダーシップの下、重点施策であるⅰ)意識改革、ⅱ)研究と育児等の両立支援、ⅲ)女性研究者の

裾野拡大を3年間で確実に行い、下記のように目標を達成した。

①目標: 「平成 23年度までに、女性教員の採用比率を 20%(博士課程の女性比率)まで引き上げる。」

達成状況: 平成 22 年度の女性教員採用比率は 23.1%で目標を達成した。ただ平成 23 年度までの 3 年間で

は18.8%であったため、平成23年度末実施の各学部等における中間評価と計画立案に際し、採用数値目

標の設定及び見直しを求め、平成 24年度以降の計画を改善した。

②目標: 「平成 25 年度までに、女性教員の比率(現在 13%)を 15%まで引き上げ、将来的に女性教員の比率を

25%まで引き上げる。」

達成状況: 平成24年3月31日現在、女性教員数は122人(全教員数866人)で、女性教員比率は14.1%である。

例年、最低10人の女性を採用していることから、平成25年度までに15%まで引き上げる目標は達成の見込

みが高い。また、将来的に25%まで引き上げるという目標は、基本計画にも明記しており、採用比率20%を

維持することにより近い将来での達成を期す。

③目標: 平成23年度までに「男女共同参画社会」という言葉の周知度を倍増(30%→60%)させる。

達成状況: 全教職員・大学院生対象のアンケート調査の結果、「男女共同参画社会基本法を知っている」と答え

た人の割合は、平成20年の24.8%(回収率45.6%)から平成23年は68.1%(回収率39.1%)に倍増し、目標を

達成した。「男女共同参画社会」という言葉の周知度に関しては、平成22年の90.4%(回収率48.2%)から平

成23年は93.2%(回収率39.1%)に上昇した。

④目標: 育児休業取得者のいる組織へのインセンティブ付与及び育児休業取得男性への補助により育児休業の

取得しやすい環境をつくり、毎年1名以上男性育児休業取得者を生み出す。

達成状況: 平成22年4月に、6学部と附属病院を対象とする組織評価項目に「男女共同参画の取組状況」を追加

し、環境改善を促した。平成22年9月に、山形大学で初めて男性が1人育児休業を取得した。育児支援金10

万円を支給し、男女共同参画推進室が発行するニューズレターやブックレットで広く紹介した。平成23年度

は男性の育児休業取得はみられなかったため、再度ニューズレター等による広報を行った。

⑤目標: 「子育て期学会出張時の保育支援制度により、毎年5名以上子育て期女性研究者の出張を可能とする。」

達成状況: 学会出張時の保育状況やニーズ調査、支援方法の検討を行い、平成24年4月に学会出張時の保育

支援制度を開始した。

⑥目標: 「女性研究者の競争的研究資金の獲得額を現在より30%高める。」

達成状況: 平成20年度の獲得額32,030千円(32件)より30%高めるという目標を大きく上回り、平成23年度(平成

22年申請)の獲得額は63,140千円(58件)で97.1%の増、平成24年度(平成23年申請)の獲得額は77,260千

円(67件)で141.2%の増となった。

(3)所期の計画どおりに進捗しなかった場合の対処

計画どおりに進捗しなかった目標に対し、以下のように対処し早期達成に尽くした。

目標: 「平成 23年度までに、女性教員の採用比率を 20%(博士課程の女性比率)まで引き上げる。」

対処: 平成 22年度の女性教員採用比率は 23.1%で目標を達成したが、平成 23年度までの 3年間では、18.8%

となった。主な原因は、医学部のグローバルCOEプログラムを初めとする多数の競争的研究資金獲得により、

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8

プロジェクト教員等の採用が増加したことである。特に工学部では、機械システム工学分野、有機デバイス工

学分野、物質化学工学分野という限られた分野の募集であったため、男性の採用が多くなったことによる。

このため、平成 24 年 3 月 8 日に開催した総括シンポジウムにおいて結果を公表し、全学的な課題とすると

ともに、各学部等の副学部長等が取組と計画を報告し、科学技術振興機構の山村康子プログラム主管からも

アドバイスを得て採用比率を上げる具体的な手立てを話し合った。その結果、平成 23年度末に提出された各

学部等の中間評価や計画はより積極的な内容となり、採用数値目標を設定した学部も 1 学部(工学部)から 2

学部(工学部・農学部)に増えた。さらに、平成 24 年 5 月開催の委員会で女性教員採用比率 20%の維持を

各部局に要請した。

目標: 「毎年 1名以上男性育児休業取得者を生み出す。」

対処: 平成 21 年度の管理職セミナー等を通して、男性の育児休業取得のための環境整備を求めた。その結果、

平成 22年 9月に初めて男性職員が育児休業を取得した。平成 23年度は男性の育児休業取得がなかったが、

女性研究者の夫による 6 ヶ月の育児休業取得があり、広報の機会と捉えてニューズレターで広く伝えた。

目標: 「子育て期学会出張時の保育支援制度」

対処: 学会出張時の保育支援として医学部保育所(山形市)の一時保育(終日)を利用することができるが、米沢・

鶴岡キャンパスでも学会が開催される土・日曜日等の保育支援を可能にするため検討を行った。財団法人こど

も未来財団のベビーシッター育児支援事業の利用などを検討したが、山形県内にこども未来財団認定のベビ

ーシッター事業者がいないこと等で実施が遅れた。しかし、平成24年4月に、託児場所や事業者を問わず支援

する保育支援制度を開始し利用されている。

Ⅳ.機関の自己評価

(1)目標達成度

平成 21年 4月に委員会及び推進室の機能が確立し、平成 22年 12月に各部局の推進組織が設置されて推進基

盤が整った。また、平成 22 年 6 月の基本計画の策定により、各部局で評価を行いつつ計画的具体的に取り組む全

学体制が出来上がった。基本計画策定の過程で、全学的な議論を経たことによりポジティブアクションの必要性に対

する理解が高まった。達成目標(ミッションステートメント)である 6 目標の内、「男女共同参画社会の周知度倍増」「女

性研究者の競争的資金獲得額 30%増加」を充分に達成し、25年度までの数値目標「女性教員の比率を 15%まで引

き上げる」をほぼ確実にした。次の 2 目標「女性教員の採用比率を 20%に引き上げる」「男性の育児休業取得者を毎

年 1 名生み出す」は鋭意継続中であり、制度設計目標である「学会出張時の保育支援制度」は平成 24 年 4 月に達

成した。

特に理系学部(理・工・農学部)では、女性教員比率の向上を課題とし、工学部では「毎年 1 人以上の女性教員を

採用する」という目標を立てて達成した。3年間で理系学部だけで 8 人の女性教員を採用し、採択前の 3年間と比較

して 2倍の採用となった。全学では 53人採用し、女性教員比率は採択前の 13.0%から 14.1%へと高まった。

(2)取組の内容(妥当性・効率性)

妥当性・効率性を高めるため、実態調査やニーズ把握を徹底して行った。県内4ヶ所に分散した各キャンパス及び

各学部等の女性研究者の状況は異なっており、抱える問題も年代や職階、子どもの有無等によって大きく異なること

から、調査・分析を担当するコーディネーターによるアンケート調査、3 人の相談員による巡回聞き取り調査、学長と

女性研究者等との懇談会やセミ・フォーマルな場としての女性研究者交流会(ランチ・ミーティング)での声の収集を

行った。これらの調査結果は各種支援制度の設計に有効であっただけでなく、必要とする人に必要な支援の利用を

迅速に勧めることができた。育児・介護期の女性研究者の研究を補助する研究継続支援員制度の実施は特に歓迎

され、学術誌の論文掲載等の成果も顕著である。制度設計に当たっては既存の資源や地域資源の活用を図った。

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(3)システム改革(成果・波及効果)

女性支援、両立支援というポジティブアクションを導入する山形ワークライフバランス・イノベーションは、学内に対し

ては大きな組織文化の変革であり、学外に対しては知の拠点である大学自身の改善努力が、これからの組織経営の

あり方を示すものとなったといえる。例えば、大学が一時保育を行うこと、学生がそれに携わることについては地元の

新聞・テレビ等で大きく取り上げられ歓迎する声が聞かれるなど地域社会に影響を与えた。この託児サポーター制度

は、単なる委託ではなく子育て支援を行っている地域の優れた NPO法人(平成 24年度内閣府「女性のチャレンジ支

援賞」受賞)との連携によって学生の成長を図るもので、山形大学としても新しい制度を創造する取組である。

女性研究者裾野拡大を視野に入れた女子高校生・大学生対象のセミナーは、各キャンパスで計 17 回開催され、

県内外から女子高校生約 222 人、大学生・大学院生約 412 人、教職員他約 225 人の参加があり、県内各地の高等

学校の理解と協力も広がっている。山形・米沢・鶴岡市内の進学校をみると、女子高校生の理系・文系クラス選択に

は大きな偏りがないことから、女子の理工系分野選択の拡大も取組の継続で期待できる。また県内各地の高等教育

機関や県研究センターの協力を得ることにより、山形大学のキャンパスがない地域への取組も広げることができる。

平成 23 年度に新たに取り組んだ県内高等教育機関との連携は、山形ワークライフバランス・イノベーションの成果

を活かし広げると共に、残された課題を解決する上で必要なものである。これらの機関や県の研究センター、地元企

業の研究所等と山形大学とは、女性研究者の双方向の異動先でもあり、どの組織においても女性研究者の育成や

支援が重要であることから県内 8 機関を訪問し、女性研究者支援に向けた相互理解を図った。さらに県内 5 高等教

育機関(山形県立米沢女子短期大学、鶴岡工業高等専門学校、東北公益文科大学、山形県保健医療大学、山形

大学)の学長、副学長等運営関係者と共に男女共同参画に向けた大学連携についてディスカッションを行い、参加

者一同によって「男女共同参画に向けた大学連携・山形宣言」(2011.11.11)を採択したことは大きな一歩である。

(4)実施体制

学長の意志とリーダーシップが発揮できる体制を整えた。平成 21 年 4 月に委員会を設置し、各学部からの委員を

女性教授あるいは准教授とした。総務部長・企画部長・保健管理センター所長を加え、具体的かつ率直な発言によ

る審議ができた。平成 22 年 4 月からは、さらに各学部等の取組を強化するため副学部長を加えた。3 年間に 8 回開

催した委員会の主な協議事項は、基本計画の策定に向けた協議と策定後の計画立案、評価、各種支援制度の実施

についてである。平成 23 年度末には第 1 回の中間評価を行い、それに基づいて平成 24 年度以降の計画が立案さ

れたが、数値目標を設定した学部が増えるなど積極的な内容になったことは成果である。

中心的な推進組織である推進室は、総務・広報担当理事を室長、研究・評価担当理事を副室長とし、理事・副学

長付きスタッフ及びコーディネーター、人事・労務・研究支援課の各課長等で組織したことから、学内の情報収集と発

信、制度設計と実施を効率的に行い、機動性を発揮することができた。そのための室ミーティングを 22 回開催した。

また、外部有識者 3人によるアドバイザリーボードを 3回開催して外部評価を受け、大所高所の立場からのアドバイス

を得た。

(5)実施期間終了後における取組の継続性・発展性

取組の継続性は、中期目標・中期計画(平成 22~27年度)及び 10 ヶ年計画である「山形大学男女共同参画基本

計画」(平成 22 年 6 月策定)の策定により確実なものとなっている。基本計画では、実効性を高めるため、年度ごとの

評価と節目となる年度の中間評価を組み入れた。基盤整備の達成状況を点検する 2年目の平成 23年度と後半に向

けて進捗状況を確認する 6年目の平成 27年度には全学的な中間評価を実施することとした。平成 23年度末に、全

学及び各学部のそれぞれの立場からの中間評価及び次年度以降の計画を学内外に公表した。次年度以降の計画

については、全体的に積極的な計画となった。平成 27年度末には、「2020年までに 30%」(第 3次男女共同参画基

本計画)を視野に入れて、女性教員比率 25%に近づけるための点検・評価を行うこととしている。

平成 24 年度以降の推進室と各種女性研究者支援制度は、すべて学内経費で継続することとした。特に研究継続

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支援員制度は最もニーズが高い上に研究成果も顕著であり、申請者全員の採択を目指して学内経費を措置した。

取組の発展性については、各部局の推進体制の確立、全学システムへの移行や日常業務への組み込みが挙げ

られる。各種支援制度が各課の通常の業務に組み込まれるようになり、安定的効率的に実施できるようになった。

また、最終年度の事業として取り組んだ県内高等教育機関の連携は、県内 11機関によって構成する大学コンソー

シアムやまがたが、「男女共同参画の推進とシンポジウムの共催」(平成 24年 3月総会)を決定したことにより大きく前

進した。

Ⅴ.成果の詳細

1.取組の内容

(1)環境整備

①支援室(男女共同参画推進室)の整備

・ニーズの概要: 研究や仕事と生活との両立に関する支援や女性のライフイベントに伴う困難について相談できる窓

口がなかったため「冷たい環境」という面があった。推進室の整備と相談窓口の設置が必要であった。

・取組内容: 平成21年8月に推進室が設置され、相談窓口としてもオープンした。事業の推進、制度設計、調査研究

を主に担当するコーディネーター3人と、事務補佐員・技術補佐員(平成21年度1人、22年・23年度は2人)を配置し、

週14時間勤務の相談員3人は交代で勤務し尐なくとも1人は常駐とした。個別の相談があるときは別室の会議室を確

保したが、多くの場合は巡回相談がほとんどである。

・費用と内訳: 58,646千円(人件費はコーディネーター3人 51,550千円、事務補佐員 4,733千円、技術補佐員

2,113千円、自己資金 250千円でパソコン等を揃えた。)

・成果及び評価の検証: アンケートの経年変化をみると、「会議等で発言しにくい」「職場に話せる人がいない」と答

える人が減り、逆に「女性が働きやすい環境である」と応えた人が増えている(図Ⅶ-1.参照)。職場でストレスを感

じている人が減尐してきたことが大きな成果である。

http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/newsletter/pdf/pdf20120331/2/y232p002-013.pdf

・取組の改善: 各種支援制度の利用や取組についての理解を得るため情報発信に努めると共に、制度改善のため

機会を捉えて意見収集に努めた。

②相談室の整備(巡回相談員制度)

・ニーズの概要: アンケート調査結果をみるとストレスや問題を抱えている女性研究者がいるが、自ら相談を求める

人は、当初ほとんどいなかった。推進室が小白川キャンパス事務局棟にあり、推進室スタッフ全員が新任者であるこ

ともあって、積極的に出かけて行かない限り問題把握もネットワーク作りもできない状況があった。

・取組内容: 連絡や来室を待っているのではなく、積極的に女性研究者に会って話を聴く巡回聞き取り調査を行っ

た。4キャンパスに所属する博士後期課程在籍者やポスドクを含む全女性研究者を対象として出かけていき、了解を

得て話を聴くこととした。表Ⅶ-3.に示すように、3年間に延べ187人(34.4%)に会って話を聴き、支援制度設計に

役立てた。

http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/newsletter/pdf/pdf20120331/20120331pdf/junkaihoukokusyo.pdf

・費用と内訳: 5,507千円(相談員3人の人件費)

・成果及び評価の検証: 面談を行うことで抱えている問題や必要な支援について相互に気付くことができた。これを

支援制度の設計に役立てると共に、必要な支援を個々に伝え利用を促すことができた。

・取組の改善: ワークライフコンフリクトを抱えるのは女性だけではないことから、男性からの相談にも応ずることとし、

周知を図った。

③柔軟な勤務体制の確立(短時間勤務制度の利用、ユビキタス・ワーキング・システム)

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・ニーズの概要: 出産・育児や家族の病気・介護等があっても離職に至らないですむように、ワークライフバランスを

支援する制度や勤務体制の変更、選択ができる制度のニーズは高い。

・取組内容: 1週間当たりの勤務時間及び1日の勤務時間を、承認を受けた内容に基づき各人ごとに定めることがで

きる育児短時間勤務制度など出産・子育て・介護に関する制度について分かりやすいリーフレットを作成し周知を図

った。また、休業制度の改善とそれに関わる支援制度を充実した。具体的には、職員就業規則を改正し、産前休暇

を6週間から8週間に延長した。それに伴って妻の出産休暇中の子の養育休暇取得期間も8週間に延長した(平成

23年1月1日施行)。また、任期を定めて雇用されている教員が、出産休暇や育児休業を取得しやすくするため、教

員の任期に関する規程を改正し、休暇又は休業の期間を、任期満了後に「特例としての任期」として付すことができ

ることとした(平成23年4月1日施行)。

休暇中の支援としては、出産休暇の際の非常勤講師の措置、育児休業中の臨時的採用職員或いは非常勤講師の

措置が、各部局の採用枠によることなくできることを改めて周知した(平成22年12月27日)。また、育児・介護期の研

究者が自宅等学外からインターネットを通じて「学内のページ」の閲覧、「購入依頼・旅費請求システム」の入力を可

能にするユビキタス・ワーキング・システムの構築とパソコン等の貸し出しを行った。

・費用と内訳: 3,075千円(VPN装置保守料776千円、貸出用パソコン11台・Webカメラ10セット2,000千円、出産・子

育て・介護に関する制度の紹介リーフレット作成299千円)

・成果及び評価の検証: 短時間勤務医員制度を女性9人、男性1人が利用している(平成23年度末現在)。ユビキタ

ス・ワーキング・システム利用者は15人(女性6人、男性9人)で、パソコン8台、Webカメラ2セットの貸し出しを行った。

・取組の改善: 短時間常勤職員の制度の弾力的な運用をより可能にするため、女性教員比率が24%と高い医学部

においては、助教のポイントを育児中の教員(男女とも)が分割して利用できるようにした。ユビキタス・ワーキング・シ

ステムの保守を情報ネットワークセンターの業務に移すこととした。

④研究支援員の配置(研究継続支援員制度)

・ニーズの概要: 巡回聞き取り調査から、首都圏で働く夫と離れて子どもを一人で育てている女性研究者や、重度の

病気の子どもを持つ女性研究者がいることがわかった。また、アンケート調査から、夫と同居していても妻の家事時

間は男性の2.5倍であること、研究の時間が充分に取れないと感じている女性が多いこと(31.8%)も分かった。

・取組内容: 妊娠・出産、育児、介護等により充分な研究活動を行うことができない女性研究者に支援員を配置し、

研究が続けられる環境を提供する制度で、平成22年12月1日から開始した。被支援女性研究者14 人、研究支援員

の総人数33人、支援期間の延べ月数は135ヶ月、総時間数は4,919時間である。

・費用と内訳: 4,840千円(人件費:平成22年度1,289千円、平成23年度 3,551千円)

・成果及び評価の検証: 子育て・介護期の女性研究者を支援した結果、学術論文25、著書3、外部研究資金獲得件

数11という成果があった。この制度は、利用者からだけでなく他の研究者からも好評であり継続の要望が強い。

・取組の改善: 当初、多くの研究者に支援が行き渡るように四半期毎の募集としたが、申請者がそれほど変わらない

こと、書類作成が頻繁で煩わしいという声があったことから募集は半期毎とした。また、採択期間中は、支援内容を

研究上の補助業務に限ったが、教育業務への支援の要望もあり、採択期間終了後は支援業務の対象を拡大した。

⑤保育に関わる取組(託児サポーター制度)

・ニーズの概要: 医学部飯田キャンパスに次いで女性研究者の多い小白川キャンパスにおいて、6歳以下の子ども

をもつ教職員70人を対象に平成21年6月に保育所設置に関するアンケート調査を行った。回答者47人中、8人が入

所させたいとしていたが、全体の8割は条件を考慮してから或いは入所の考えはないという回答だった。そこで、保

育所に関しては検討を継続することとしたが、夕方の会議や研究、学生指導等の際の託児のニーズがあることから、

平成21年12月に託児サポーター制度を開始し、無料で預かることとした。

・取組内容: 希望する学生を対象に託児サポーター養成講座を実施し、講座を修了し認定を受けた学生が保育士

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と一緒に託児を行う。利用対象者は本学の教職員と学生、預かる子どもは満1歳から小学生以下10人までである。

・費用と内訳: 3,311千円(雑役務費1,948千円、消耗品費651千円、AA人件費371千円、印刷製本費272千円、設備

工事費69千円)

・成果及び評価の検証: 利用登録した教職員数は21人、託児対象児童数は31人、講習を受けて託児サポーターと

して認証された学生数は74人(女性66人、男性8人)である。託児の回数と時間は、平成21年度15回227.5時間、平

成22年度71回153.5時間、平成23年度49回177時間である。

・取組の改善: 平成21年度の託児時間は17時から20時であったが、昼食休憩時間に連れてきて預けられるよう託児

時間を13時から20時とした。また、平成21年度は託児ルームとして心理実験室を利用していたが、平成22年度以降

は、非常勤講師用宿泊施設内の研修室を託児ルームとし、恒常的に利用できるようになった。さらに申込み締め切

りを7日前から3日前までに変更し、必要書類の入手をホームページ上でできるようにした。

(2)意識改革

①管理職セミナーの実施(機関の幹部対象)

・取組内容: 理事、学部長、副学部長、学科長及び課長職以上の職員を対象とした管理職セミナーを平成21年度

に2回実施した。1回目は、鹿嶋 敬氏による男女共同参画に関する講演、2回目は、佐藤博樹氏によるワークライフ

バランスに関する講演である。

・費用と内訳: 79千円(諸謝金62千円、国内旅費17千円)

・成果及び評価の検証: 1回目のセミナーには49人が参加し、85.5%の人が「有意義だった」と答えた。2回目は50人

が参加し、97.3%の人が「有意義だった」と答えた。

・取組の改善: セミナーを通して「ワークライフバランス」に対する理解と期待が高まった。実現への具体策や取組例

を示してほしいという要望があり、以後の課題とした。

②男女共同参画シンポジウムの開催(教職員、学生、一般対象)

・採択期間前に第1回を、採択期間中に第2~5回のシンポジウムを開催した。取組内容と参加者の概数(割合)は表

Ⅶ-4.及び表Ⅶ-5.に示したとおりである。

・費用と内訳: 3,470千円(諸謝金382千円、旅費752千円、雑役務費1,035千円、印刷製本費681千円、消耗品費146

千円、会議開催費402千円、人件費48千円、託児費24千円)

・成果及び評価の検証: 終了後のアンケート結果では、各回とも「有意義だった」が90%以上と高い評価を得た。海

外の先進事例を紹介した第3回、近隣の大学との連携を意図した第4回、学内の各学部間の情報交換を図った第5

回と各時点で課題に基づいて特徴のあるシンポジウムを開催し成果を得た。

・取組の改善: 毎回アンケート調査を行い要望や感想を収集した。特に開催日時に関する意見が多いことから、学

内外の情報を集め、日程調整に努力した。

③ジェンダー関連授業(学生対象)

・取組内容: 平成20年度の学部授業としてジェンダー関連授業が17科目開催されていたが、平成21年度は、チー

フ・コーディネーター(准教授)による基盤教育科目「ウーマン・オブ・ヤマガタ」(教養セミナー)を開講し18科目とな

った。さらに平成22年度からは、サブ・コーディネーター(助教)による基盤教育科目「ジェンダーの社会学」「ジェン

ダーの文化人類学」の2科目を加えた。「ウーマン・オブ・ヤマガタ」では、毎年、学内女性研究者7人、県内で活躍す

る女性4人を招き、経験に基づいた仕事と生活に関する講義と学生との対話を行った。また、講義録を小冊子2冊に

まとめ、県内すべての高等学校(68校)、図書館(40館)、県市町村男女共同参画課(36ヶ所)に配付した。

・費用と内訳: 334千円(諸謝金182千円、国内旅費152千円)

・成果及び評価の検証: 「ウーマン・オブ・ヤマガタ」等を含めジェンダー関連授業の受講者数は、毎年約900人とな

った。担当教員数は約20人で男女ほぼ同数である。

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・取組の改善: 学内外からの要望もあり、平成22年度から「ウーマン・オブ・ヤマガタ」の学外講師については公開講

義とした。山形県女性知事の講義には約300人の参加があった。

(3)女性研究者の裾野拡大

http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/newsletter/pdf/pdf20120331/20120331pdf/p78-91.pdf

①若手女性研究者を対象としたメンター制度の確立

・ニーズの概要: 当初、女性委員の中にもメンター制度の必要性を疑問視する声があったため、メンター講習会を各

キャンパスで計4回開催し、人を育てる関わり方や事例についてワークを交えた講習を行い、45人の参加があった。

・取組内容: 女性の若手研究者や新任者が、先輩研究者であるメンターとのメンタリングを通して研究や生活環境へ

の適応を図り、人的ネットワークを広げ、能力の発揮を促すための制度である。

平成24年3月現在、メンター総人数(学内メンター登録者)は18人(女性9人・男性9人)、学外メンター9人、メンタリン

グを受けた総人数は7人、メンタリング回数(延べ数)は15回である。

・費用と内訳: 1,690千円(内訳:謝金184千円、交通費340千円、メンター研修講師派遣料816千円、メンタリング

DVD350千円)

・成果及び評価の検証: 若手研究者の励ましとなり教員ポストの獲得やキャリアアップに繋がった。博士課程学生に

とっては研究職を目指す勇気づけとなった。メンタリングを受けた7人中4人が平成23年度末に採用等が決まり、助教

から国立大学准教授に1人、理工学研究科研究支援者から国立大学助教に1人、理工学研究科博士課程学生から

国立大学助教に1人、理工学研究科研究支援員から国立大学博士後期課程への進学が1人あった。

・取組の改善: 学外のメンターの場合、非常勤講師として採用し人件費・旅費を支払うという制度であったが、毎回、

メンターが来学するのでは依頼しにくいという声があったため、平成23年4月に制度を改め、非常勤講師制度から謝

金制度にした。さらに学外メンターを訪問する際のメンティーの旅費支援を行うこととした結果、利用が促進された。

②自然科学系女子学生を対象としたロールモデルの提示(女子学生対象の女性研究者裾野拡大セミナー)

・ニーズの概要: 自然科学系学部を卒業し専門知識を活かした職に就いているOGとの交流の中で、具体的な研究

や仕事内容、職場環境の実情やアドバイスを得たいというニーズが高い。

・取組内容: 理学部で2回、医学部で2回、工学部で1回、農学部で1回実施した。合計128人の女子学部生・大学院

生の参加があった。

・費用と内訳:920千円(諸謝金170千円、国内旅費301千円、実験器具353千円、人件費66千円、印刷製本費30千

円)

・成果及び評価の検証:本学出身者の大学院入学志願者に占める女性の数と比率が増加した。採択前3年間と採択

期間3年間を比較すると、理工学研究科博士後期課程では6人(10.3%)から8人(14.5%)へ、農学研究科修士課程

では43人(25.3%)から54人(36.0%)へと増加した。

・取組の改善: ロールモデルとなる女性研究者やOGとの交流会を継続的に開催すると共に、近年、「理系女子応援

マガジン」等の情報誌も配付されていることから、情報収集についても機会を捉え学生に伝えていく。

③キャリアパス相談(キャリアセミナー)

・ニーズの概要: 巡回相談の際に、理工学研究科研究支援者(ポスドク)から、博士・ポスドク対象のキャリアセミナー

開催の要望があった。

・取組内容: 募集に対し女性3人を含む15人から応募があった。大学と企業での研究の違い、企業の職に就く際の

留意点、博士ならではの就職活動方法やポイントについての説明と質疑応答の後、希望者の個別相談を行った。

・費用と内訳: 377千円(雑役務費316千円、資料費61千円)

・成果及び評価: 参加した全員が、「参考になった」とアンケートに回答した。博士の就職活動情報が尐ない上、大

学と企業との違いについて知る機会が尐ないので有意義だったという意見が多かった。

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・取組の改善: 博士前期課程や後期課程への進学時やポスドクの立場で悩んでいる人がいることが分かった。この

ためキャリア・カウンセラーとも連絡を取りながら、セミナーの継続的な開催を検討していく。

④女子高校生の理系進路選択支援(女子高校生対象の女性研究者裾野拡大セミナー)

・ニーズの概要: 平成21年12月の農学部におけるセミナーでのアンケート調査では、参加した女子高校生の83.3%

が、女子対象であることで参加しやすかったと答えている。また、女性による話であることから、自分の卒業後のイメ

ージが持ちやすいという意見があり、以後の企画でも同様の声が聞かれた。

・取組内容: セミナーを計9回(理学部2回、工学部2回、農学4回、全学1回)実施した。女子高校生222人、学部学

生・大学院学生147人の参加を得た。講師として関わった学内外の研究者や学生・OGは外国人研究者3人を含め

29人に上った。

・費用と内訳: 1,841千円(実験材料費773千円、諸謝金270千円、人件費260千円、印刷製本費280千円、国内旅費

257千円、通信運送費1千円)

・成果及び評価の検証: 理系学部(理・工・農)受験者に占める女子受験者の数と比率が、採択前3年間の1,615人

(19.0%)から、採択期間3年間の1,995人(22.9%)に増加した。特に工学部は、530人(10.0%)から894人(15.9%)

と最も伸び幅が大きく、増加率は68.7%となった(図Ⅶ-2.及び表Ⅶ-6.参照)。

・取組の改善:開催日程が高校の行事と重複しないよう設定することとした。

(4)その他の取組

①組織改革(組織評価の改革)

・取組内容: 平成22年度から組織評価のあり方を改善し、6学部・附属病院に対する評価項目の中に「男女共同参

画の取組状況」を加えた。

・費用と内訳: 0千円

・成果及び評価の検証: 学長・学部長と女性研究者との懇談会や女性研究者裾野拡大セミナーの企画や開催をは

じめ、パネル展やリーフレット作成など学部等の独自の取組が行われるようになった。

・取組の改善: 各学部等の特徴を活かした企画や開催を推進室が支援していくこととした。

②教員公募における女性応募者促進策(募集要領の改善、ホームページの充実)

・取組内容: 教員公募における募集要領例「能力等が同等ならば、女性教員を採用するとした場合」等を示し、各学

部等に検討・採用を通知した(平成22年6月2日)。併せて平成22年5月に推進室のホームページをリニューアルし、

10月には、国際公募を行う理学部からの要望で英語版を作成した。

・費用と内訳: ホームページ整備費1,011千円(雑役務費483千円、英語版作成費515千円、消耗品費13千円)

・成果及び評価の検証: 教員公募における理系学部(理・工・農)の女性応募者数は、図Ⅶ-3.で見るように、採択

前3年間の24人(4.5%)から採択期間3年間は88人(7.5%)に増加した。

・取組の改善: 平成 21 年 10 月に女性委員からの要望で、全学部の過去 5 年間に渡る教員公募に対する男女の

応募者状況調査を行い、委員会で報告した。以後、毎年調査を実施している。

③教員・ポスドク等の女性限定公募等のポジティブアクション(女性優先募集の実施)

・取組内容: 女性限定公募ではないが、理工学研究科と農学部でテニュアトラック助教の女性優先募集を行った。

公募要項に「本公募では女性および外国人を優先的に募集します」の一文を入れて募集を行った。

・費用と内訳: 他の外部資金による

・成果及び評価の検証: 平成22年3月に理工学研究科でテニュアトラック助教の女性優先募集を行ったところ、応募

者72人中女性8人という当年度最多の女性の応募があり、審査の結果、女性を採用した。平成22年11月に農学部で

同様の募集を行い、同じく応募者15人中女性5人の応募があり、女性を採用した。

・取組の改善: 女性の応募が増えることから、女性の優先的募集を広げていく。

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2.システム改革の成果及び波及効果

(1)システム改革の成果

①女性研究者の採用・昇進・登用の促進:

女性研究者の採用数を採択前 3年間と採択期間 3年間で比較すると、39人から 53人へと 36%増加した。理系学

部(理・工・農)では、4 人から 8 人へと倍増した。採択期間中の女性研究者の学内昇進は、教授 1 人、准教授 4

人、講師 5人である。登用の促進として平成 23年度医学部卒後臨床研修センター長に女性が就任した。

②離職率の低下:採択前の平成 20年度離職者数は 8人、採択期間中の離職者数は、平成 21年度 18人、22年度

11 人、23 年度 18人で計 47 人(人文学部 3人、地域教育学部 2 人、理学部 3人、医学部 32 人、理工学研究科

4人、農学部 1人、その他 2人)である。ただ離職者の内 43人は異動で、4人(医学部 2人、理工学研究科 1人、

農学部 1人)が無職となっている。43人の異動者の内、最も多いのが山形大学内の異動者 19人で、次に、国内外

の大学・機関 14人、県内病院への異動 7人、県内他機関へ 1人、開業 1人、不明 1人である。職階別、年代別に

見ると医学部の 30代助教の離職が多いが、そのほとんどは山形大学内や県内病院間の異動である。

③女性研究者の研究活動の活性化:女性研究者の科研費獲得額が目標を大きく上回り、採択前年度と比較して、平

成 21 年度は 24.6%の増、平成 22 年度は 64.7%の増、平成 23 年度は 97.1%の増となった。研究継続支援員制

度利用者 14人は、子育て・介護期も研究活動が衰えることなく、論文数 25、著書 3、科研費獲得数 11 と成果を上

げている。平成 23 年度採用の女性研究者が、地元企業の研究所と共同でラ・フランス、サクランボ栽培で発生す

る廃棄物を利用した化粧品を開発し製品化に至った。

④自然科学系学部・大学院研究科における女子学生比率の増加:

採択前 3年間(平成 19年 5月~21年 5月)と採択期間 3年間(平成 22年 5月~24年 5月)の女子学生比率を

比較すると、自然科学系学部では理学部(27.5%から 29.1%に)、農学部(40.5%から 44.9%に)で増加した。

大学院研究科では理工学研究科前期課程(11.9%から 13.6%に)、農学研究科修士課程(28.8%から 31.0%

に)で増加がみられた。

(2)取組のモデル性

①「山形大学男女共同参画基本計画」の策定

特徴:基本計画の策定により、平成31年度までの行動計画が決定した。各部局の推進組織が設置され、全学の推進

体制が整えられたことにより、PDCAサイクルよる効果的な推進が可能となった。

先導性:基本計画案の検討に当たって、ポジティブアクションを巡る全学的な議論を経たことによって理解が進んだ。

各部局の平成 23年度末中間評価を受けて次年度以降の計画が積極的な内容となり成果がみられた。

②託児サポーター制度

特徴:地域の子育て支援を行っている NPO 法人との連携で学生を対象に養成講座を行い、修了して認定された学

生が保育士と共に教職員の子を預かる制度である。学生にとっても貴重な経験と学びの機会となっている。

先導性:学生を活用した事業所内保育は東北初の取組であったことからマスコミからも注目され、大学がワークライフ

バランスに配慮し保育支援を行うことに対する地域の理解が進んだ。

③巡回聞き取り相談員制度

特徴:4 キャンパスを巡回して、直接、女性研究者と会って話を聴く制度である。各学部の特徴や各年代・各ライフス

テージで抱える問題、女性のライフイベントと研究との両立についての課題を把握できただけでなく、信頼関係

を築き、必要な支援の情報を伝えることができた。

先導性:待っているだけでは話を聴くことも関係を築くこともできない。そこで、女性研究者支援に向けた聞き取り調査

として協力を依頼し面会を申し込んだ。女性研究者の話から具体的な課題を把握することができ、支援制度の

構築に活かすことができた。

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(3)情報発信

①ニューズレターの発行: http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/newsletter/index.html#newsletter

A4サイズ 4ページのニューズレターを年 4回、計 10回発行した。学内に 2,500部、学外に 500部配付した。学外

の主な送付先は、東北地区大学、県内高等教育機関、大学コンソーシアムやまがた、山形県及び市町村の男女

共同参画課と男女共同参画センター、他の採択大学・機関、国立女性教育会館である。

②定例記者会見での発表:毎月行われる学長定例記者会見で、男女共同参画・女性研究者支援に関する取組につ

いて計 12回の発表を行った。それらにより各社から 17回の新聞報道、3回のテレビ報道が行われた。

③ホームページ・メールマガジンの発信: http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/support/mailmagazine.html

平成 20 年 11 月に開設したホームページを平成 22 年 5 月にリニューアルし、8月には大学のトップページにバナ

ーを設置した。また、平成 22年 10月から英語版を発信している。平成 22年 2月から毎月メールマガジン「ぱれっ

と通信」を作成し、学内外の登録会員約 100人に配信している。

3.実施体制

(1)実施体制 (図Ⅶ-4)

①学長、執行部、部局、事務局、推進室等との関連と役割:

・男女共同参画推進委員会(委員長・学長):

(役割)男女共同参画推進に関する重要事項の審議

(構成)総務担当理事、研究担当理事、理事・副学長付きスタッフ2人、全学部・基盤教育院からの女性研究者7

人、総務・企画部長各 1人、保健管理センター所長。平成 22年度から全学部の副学部長を加えた。

・男女共同参画推進室(室長・総務担当理事):

(役割)男女共同参画を推進する具体的な業務の実施

(構成)副室長(研究担当理事)、理事・副学長付きスタッフ 2 人、コーディネーター3 人、人事・研究支援・労務

課長各 1人、研究プロジェクト戦略室教授(平成 23年度は渉外部准教授)、労務課専門員。

・評価体制:アドバイザリーボードによる外部評価と評価分析室による内部評価を受ける。

②各部局の支援体制:基本計画に基づき、以下の組織が推進組織として決められた(平成 22年 12月)。

人文学部男女共同参画推進検討部会、地域教育文化学部男女共同参画推進委員会、理学部運営会議、医学部

教授会、工学部運営会議、農学部運営会議、基盤教育院会議、小白川事務部連絡会、附属学校運営部

③他事業・プログラム(テニュア・トラック・プログラム)との連携:

・学務・入試企画室との連携による「女子学生のためのライフプランニングセミナー」を開催(平成 22年 9月)した。

・平成 22 年度テニュア・トラック・プログラムにおける女性優先募集にあたり、男女共同参画推進室のホームページ

を充実させるなど側面からの支援を行った。

(2)機関の長のコミットメント

結城章夫学長就任(平成 19年 9月)以来、大学組織を構成する人材の多様性促進に向けて、男女共同参画の推

進、女性研究者支援を大学経営の最重要課題とした。大学のアクションプラン「結城プラン」にもこれを明記し、女性

教員対象の国際学会への旅費支援を早期に開始した。平成 21 年 1 月には男女共同参画推進宣言を発表するなど

本事業の準備段階から採択期間中はもとより終了後の継続段階まで、一貫して現学長が総括責任者を務めた。

特に意識改革においては、2回の管理職セミナー、5回のシンポジウム、8回の推進委員会で、男女共同参画推進

に向けたメッセージを表明し意見を集約するなど学長のリーダーシップが発揮された。また、12回にわたる学長・学部

長と女性研究者等との懇談会では、女性の声を直接聴くことにより支援制度の必要性や有効性について確実な情報

を得ることができ、事業の継続内容や規模についての判断や決定に有効であった。

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Ⅵ.実施期間終了後における取組の継続性・発展性

1.平成24年度の継続策

(1)支援体制(支援室体制、人員等)

図Ⅶ-5.に示すとおり、実施期間中の支援体制を平成24年度も継続する。支援室体制と人員は、コーディネーター

1人、事務補佐員2人、相談員1人と新たに専門職員1人を加えて計5人とし、自立性・継続性を図った。

外部評価については事業毎のアンケート調査から広く意見を収集し、必要に応じアドバイザリーボード・メンバーか

ら個別にアドバイスを得るようにする。

(2)取組の継続状況

実施期間中の取組をほぼそのまま継続するとともに学会出張時の保育支援制度を開始するため、平成 23 年度経

費の約 43%に相当する分を確保し自主経費で実施する(19,150 千円)。ただ、毎年実施してきた全教職員・大学院

生対象のアンケート調査は、基本計画に示された中間評価の年度(平成 27 年度)に実施する予定である。保育園の

設置に関しては、具体的な検討に入るためのワーキンググループを新設する。

2.中長期的計画(平成25年度以降)

・「組織運営の改善に関する目標」の中に、「男女共同参画を推進するため、ワーク・ライフ・バランスに配慮した就業

環境を整備する」を明示した。

・さらに、平成 31 年度までの「男女共同参画基本計画」に示された行動計画に基づいて、女性教員比率の向上、

両立支援のための環境作り等を点検評価しながら目的を達成していくこととしている。

3.「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画の周知と推進状況

周知方法:行動計画を男女共同参画推進室のホームページに常時掲載している。また、第 2 次計画期間の終了に際

し、平成 23年 3月のニューズレター第 6号で目標とその達成状況を特集した。

推進状況:第 3次計画(平成 23~25年度)の目標と推進状況は、表Ⅶ-7.に示す。

Ⅶ.参考図表

表Ⅶ-1.取組の内容

実施状況

実施日 取組内容

実施期間以前の取組

平成 16年 6月 3日

平成 19年 1月 9日

平成 19年 4月~3月

平成 20年 11月

平成 20年 11月

平成 20年 12月

平成 20年 12月

平成 21年 1月 23日

平成 21年 2月

中期計画(第 1期)に「女性等の積極的な採用」を記載

医学部保育所(24時間対応)の開設

文部科学省「女子中高生の理系進路選択支援事業」の実施

男女共同参画推進準備室の発足

理事・副学長付スタッフ(男女共同参画)の設置・任命

山形県男女いきいき・子育て応援宣言企業登録

第 1回「男女共同参画に係るアンケート調査」(全教職員・大学院生対象)実施

第 1回男女共同参画シンポジウムの開催

学長による「山形大学男女共同参画推進宣言」の発表

男女共同参画推進室の設置

実施期間中の取組

平成 21年 4月 1日

平成 21年 10月 30日

男女共同参画推進委員会及び男女共同参画推進室の開設

第2回「男女共同参画に係るアンケート調査」の実施

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平成 21年 11月 30日

平成 21年 12月 1日

平成 22年 2月 12日

相談員による巡回聞き取り相談の開始

託児サポーター制度の開始

第 2回男女共同参画シンポジウム開催

平成 22年 5月 10日

平成 22年 6月 9日

平成 22年 7月 16日

平成 22年 10月

平成 22年 11月 12日

平成 22年 12月 1日

平成 22年 12月 27日

平成 23年 1月 28日

平成 23年 2月 1日

平成 23年 3月 7日

学長・学部長と女性研究者との懇談会(各学部・基盤教育院)の開始

「山形大学男女共同参画基本計画」(平成31年度までの10ヶ年)の策定

第 1回山形WLB イノベーション・アドバイザリーボードの開催

第 3回「男女共同参画に係るアンケート調査」の実施

第 3 回男女共同参画国際シンポジウム開催(カリフォルニア大学バークレー

校分子生物学者キャロライン・ケイン氏)

研究継続支援員制度の開始

女性研究者交流会(ランチミーティング)の開始

「ユビキタス・ワーキング・システム」の利用開始

メンター制度の開始

第 2回山形WLB イノベーション・アドバイザリーボードの開催

平成 23年 7月

平成 23年 11月 11日

平成 24年 1月 25日

平成 24年 3月 5日

平成 24年 3月 8日

第 4回「男女共同参画に係るアンケート調査」の実施

第 4 回男女共同参画シンポジウム開催:県内5高等教育機関の運営関係者

と参加者一同による「男女共同参画に向けた大学連携・山形宣言」の採択

小白川キャンパス保育所設置に関する緊急アンケート(第 2次)実施

第 3回山形WLB イノベーション・アドバイザリーボードの開催

第 5回男女共同参画推進総括シンポジウム開催

表Ⅶ-2.山形大学理系学部の教員公募に対する女性応募者比率(%)

平成 18年度 平成 19年度 平成 20年度 平成 21年度 平成 22年度 平成 23年度

理学部 2.9 - 1.7 5.4 3.0 11.3

医学部 15.0 17.4 14.3 58.3 12.5 8.7

工学部 3.1 1.1 2.1 8.8 8.7 7.3

農学部 15.4 7.5 17.0 2.0 17.6 0

大学全体 5.8 12.1 13.0 12.4 11.9 12.6

図Ⅶ-1.職場環境に対する意識の経年変化(平成 20年度~23年度アンケート調査結果から)

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表Ⅶ-3.巡回相談利用者数(年度別・学部、所属別)

利用者総数

(延べ数)

表Ⅶ-4.シンポジウムの取組内容

表Ⅶ-5.シンポジウム参加者数

・参加者の概数

(割合)

図Ⅶ-2.理系学部受験者に占める女子受験者数の増加

表Ⅶ-6.理系学部の女子受験者数(各年度中に実施された入学試験の受験者数)

( )内の数字は受験者全体に対する女子受験者比率

採択前 3 年間 採択期間 3 年間 増加率

平成 18年 平成 19年 平成 20年 平成 21年 平成 22年 平成 23年

理学部 138(26.3%) 150(29.8%) 148(27.1%) 125(25.9%) 153(26.3%) 166(33.3%)

計 女子受験者 436人(27.7%) 女子受験者 444人(28.4%) 1.8%

工学部 169(10.2%) 194(9.7%) 167(10.1%) 303(15.2%) 316(17.3%) 275(15.3%)

計 女子受験者 530人(10.0%) 女子受験者 894人(15.9%) 68.7 %

農学部 204(40.0%) 198(39.4%) 247(41.9%) 194(41.9%) 230(40.8%) 233(46.1%)

計 女子受験者 649人(40.5%) 女子受験者 657人(42.9%) 1.2%

合計 女子受験者 1,615 人(19.9%) 女子受験者 1,995 人(22.9%) 23.5%

学内者数 学外者数 全役員の内参加した数 全参加者の内の 男 性 教 員 数

第2回 89人(73.0%) 33人(27.0%) 4人(50.0%) 9人( 7.4%)

第3回 97人(74.6%) 33人(25.4%) 3人(37.5%) 10人( 7.7%)

第4回 48人(46.2%) 56人(53.8%) 4人(50.0%) 6人( 5.8%)

第5回 70人(74.5%) 24人(25.5%) 3人(37.5%) 13人(13.8%)

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図Ⅶ-3.山形大学教員公募に対する女性応募者比率の増加

図Ⅶ-4.実施体制

図Ⅶ-5.支援体制

表Ⅶ-7.「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画(平成 23~25年度)の目標と推進状況

第 3 次計画(平成 23 年 4 月 1日~平成 26年 3月 31 日) 推 進 状 況

目標 1 計画期間内に、育児休業の取得状況を次の水準以上にする。男性職員: 1 人以上の職員が取得すること。女性職員:取得率を 80%以上とする。

平成23年度の男性職員の取得はまだないが、女性職員は 80%以上取得した。

目標 2 子の看護のための特別休暇が取得しやすい環境とするため、必要に応じて 1日又は 1時間単位で取得できるよう制度を整備充実するとともに広報にも努める。

制度設計を進めているところである。

目標 3 平成 26年 3 月までに、年間の新規付与分の年次有給休暇の取得率が、本学全体で平均して 50%以上とする。

平成 23年 1 月~12 月までの職員の年休取得率は平均して約 33%である。