児童相談所における 保護者支援のための プログラ...

51
児童相談所における 保護者支援のための プログラム活用ハンドブック 「児童虐待事例の家族再統合等にあたっての親支援プログラムの開発と運用に関する研究」 平成24~25年度 厚生労働科学研究費補助金 (政策科学総合研究事業) (H24 -政策-一般- 003) 平成26年3月 目次 ― 1 ― 目  次 はじめに ......................................................................................... 2 総論: 保護者支援におけるプログラムの活用 児童相談所の取組みの流れと家族支援 ........................................... 4 虐待対応における保護者支援を考える ........................................... 10 支援プログラムと子どもの安全について ~サインズ・オブ・セイフティーに学びながら~ ................... 17 プログラム活用の道筋と体制づくり .............................................. 25 〔コラム〕 児童虐待における、支援者 - 保護者間の関係性形成と プログラムの個別化について ................................................. 29 各論: 各プログラムの活用 -課題と工夫の現状- はじめに ...................................................................................... 35 各プログラムの特徴と運用上の工夫 SoS ......................................................................................... 38 FGC ........................................................................................ 46 〔コラム〕ファミリーグループ・カンファレンスの可能性....... 53 CSP ......................................................................................... 55 精研式ペアレントトレーニング ................................................. 62 CRC ........................................................................................ 67 トリプル P ................................................................................ 72 MyTree .................................................................................. 76 PCIT ........................................................................................ 81 CARE ...................................................................................... 87 AF-CBT 、TF-CBT ................................................................. 92 おわりに ...................................................................................... 101 303

Transcript of 児童相談所における 保護者支援のための プログラ...

児童

相談

所に

おけ

る保

護者

支援

のた

めの

プロ

グラ

ム活

用ハ

ンド

ブッ

「児童虐待事例の家族再統合等にあたっての親支援プログラムの開発と運用に関する研究」

平成24~25年度 厚生労働科学研究費補助金

(政策科学総合研究事業)

(H24-

政策

-一

般-

003)

 平成

26年

3月

目次

― 1

目 

 次

はじ

めに

....

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

. 2

総論

: 

保護

者支

援に

おけ

るプ

ログ

ラム

の活

用 

児童

相談

所の

取組

みの

流れ

と家

族支

援 ...

......

......

......

......

......

......

....

4 

虐待

対応

にお

ける

保護

者支

援を

考え

る ...

......

......

......

......

......

......

....1

0 

支援

プロ

グラ

ムと

子ど

もの

安全

につ

いて

  

 ~

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セイ

フテ

ィー

に学

びな

がら

~ ..

......

......

.....1

7 

プロ

グラ

ム活

用の

道筋

と体

制づ

くり

.....

......

......

......

......

......

......

.....2

5

〔コ

ラム

〕 児

童虐

待に

おけ

る、

支援

者-保

護者

間の

関係

性形

成と

  

 プ

ログ

ラム

の個

別化

につ

いて

.....

......

......

......

......

......

......

......

..29

各論

: 

各プ

ログ

ラム

の活

用 

-課

題と

工夫

の現

状-

 は

じめ

に ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

35

 各

プロ

グラ

ムの

特徴

と運

用上

の工

夫 

 S

oS ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

...38

  

FGC

.....

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

.....4

6

  

〔コ

ラム

〕フ

ァミ

リー

グル

ープ

・カ

ンフ

ァレ

ンス

の可

能性

......

.53

  

CS

P ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

...55

  

精研

式ペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

.....

......

......

......

......

......

......

......

..62

  

CR

C ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

..67

  

トリ

プル

P ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

72 

 M

yTre

e ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

..76

  

PC

IT ..

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

..81

  

CA

RE

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

..87

  

AF-

CB

T 、

TF-C

BT

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

.....9

2

おわ

りに

....

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

......

....1

01

-303-

― 2

はじめに

はじめに

― 3

はじ

めに

児童

相談

所の

子ど

も虐

待事

例に

関し

ての

保護

者支

援 は

、厚

生労

働省

によ

る子

ども

虐待

対応

の手

引き

によ

って

児童

相談

所の

業務

の一

環と

して

位置

づけ

られ

てい

る。受

理、

援助

方針

決定

、保

護、

措置

等の

業務

に追

われ

負担

が大

きい

なか

で、

保護

者支

援に

どの

よう

に取

り組

んで

ゆく

かに

つい

て、

それ

ぞれ

の児

童相

談所

の努

力が

重ね

られ

てい

る。

保護

者支

援に

当た

って

は、

担当

児童

福祉

司が

中心

とな

って

行う

場合

や、

家族

支援

ため

の部

署が

設け

られ

てい

る場

合な

ど、

児童

相談

所に

よっ

て状

況が

異な

る。

家族

支援

にあ

たっ

ては

、コ

モン

セン

スペ

アレ

ンテ

ィン

グな

ど、

すで

に開

発さ

れて

いる

プロ

グラ

ムを

活用

する

場合

もあ

る。

これ

らは

、先

進的

な児

童相

談所

で取

り入

れら

れて

より

、国

内で

広が

りが

みら

れて

いる

この

ハン

ドブ

ック

は、

すで

にこ

うい

った

プロ

グラ

ムを

取り

入れ

て活

用さ

れて

いる

童相

談所

から

得ら

れた

情報

をも

とに

、取

り入

れて

行っ

た経

験や

、活

用の

経験

から

、運

用に

あた

って

、ど

のよ

うに

工夫

して

ゆく

とよ

り効

果的

であ

るか

など

につ

いて

、情

報提

供し

てゆ

こう

とす

るも

ので

ある

「プ

ログ

ラム

」と

いう

用語

に関

して

、定

義に

混乱

が起

こる

かも

しれ

ない

懸念

があ

る。

すで

に家

族支

援の

取り

組み

が確

立し

てい

る児

童相

談所

にお

いて

は、

引取

りを

含め

て、

親子

関係

を再

構築

して

ゆく

工程

全体

を「

家族

支援

プロ

グラ

ム」「

再統

合プ

ログ

ラム

と呼

んで

いる

場合

が多

いよ

うに

思う

こう

いっ

た全

体の

工程

を「

プロ

グラ

ム」

と呼

んで

いる

児童

相談

所も

ある

ので

、そ

に組

み合

わせ

てゆ

く個

々の

ツー

ルは

、「プ

ログ

ラム

」以

外の

名称

で呼

ぶほ

うが

適切

ある

とい

う考

え方

もあ

る。

本ハ

ンド

ブッ

クで

は、

紛ら

わし

いき

らい

もあ

るが

、組

み合

わせ

てゆ

く個

々の

ツー

ルの

方を

「プ

ログ

ラム

」と

呼ば

せて

いた

だく

こと

をお

許し

願い

たい

本ハ

ンド

ブッ

クで

は、

こう

いっ

た「

全体

の工

程」

に組

み合

わせ

てゆ

く個

々の

「プ

グラ

ム」

の内

容に

つい

て、

詳し

い解

説を

行う

わけ

では

ない

。内

容に

関し

ては

、む

しろ

参考

資料

をご

紹介

する

こと

とし

、そ

うい

った

運用

をし

てゆ

く上

で、

児童

相談

所が

どの

― 2

はじめに

はじめに

― 3

よう

な困

難を

感じ

、ど

のよ

うな

工夫

をし

てい

るの

かと

いう

、実

際の

運用

に関

して

、参

考に

でき

るも

のに

しよ

うと

試み

た。

本ハ

ンド

ブッ

クで

用い

る「

再統

合」

とい

う用

語に

つい

ても

異な

る意

味で

用い

られ

こと

があ

る。

すな

わち

、親

子関

係を

再構

築す

ると

いう

広い

意味

合い

で用

いら

れる

こと

と、

分離

事例

が家

庭復

帰す

ると

いう

狭い

意味

合い

で用

いら

れる

こと

との

両方

があ

る。

本ハ

ンド

ブッ

クで

は、「

再統

合」

を前

者の

概念

で捉

える

。 従

って

、家

庭復

帰が

展望

きな

い事

例や

在宅

の事

例に

つい

ても

対象

とし

て捉

えて

いる

社会

福祉

分野

の議

論に

おい

ては

、「ケ

ース

ワー

ク」

があ

まり

使わ

れな

くな

り、「

ソー

シャ

ルワ

ーク

」へ表

現が

移行

して

きて

いる

。一方

現場

では

、個別

援助

の意

味あ

いで「

ケー

スワ

ーク

」が

使わ

れる

場合

が多

い。

こう

いっ

た経

緯か

ら、

本ハ

ンド

ブッ

クで

は、

前後

の文

脈に

応じ

て、「

ソー

シャ

ルワ

ーク

」と

「ケ

ース

ワー

ク」

の両

方の

表現

が用

いら

てい

る。

児童

相談

所が

任意

の相

談へ

の支

援を

主流

とし

てい

た時

代が

あっ

たと

ころ

へ、

介入

支援

によ

り子

ども

の保

護を

行う

よう

にな

った

こと

から

、介

入と

支援

とい

う相

反す

る二

つの

機能

を持

つよ

うに

なっ

てい

ると

ころ

も、

家族

支援

を考

えて

ゆく

うえ

で重

要な

留意

点と

なっ

てい

る。

その

点に

関し

て、

本ハ

ンド

ブッ

クで

は保

護者

支援

を考

えて

ゆく

上で

参考

にな

る専

門家

の考

え方

をお

示し

した

。な

るほ

どと

強く

共感

され

る一

方で

、そ

のよ

うな

レベ

ルま

で意

識が

つい

て行

かな

いと

いう

実感

を持

たれ

るこ

とが

ある

かも

しれ

い。

経験

を積

み考

え進

めた

結果

、持

つに

至っ

た見

解と

して

触れ

てい

ただ

くこ

とで

、今

後の

支援

の見

通し

を立

てる

ヒン

トに

なる

ので

はな

いか

と考

える

また

、本

ハン

ドブ

ック

の総

論部

分で

は、

サイ

ンズ

オブ

セー

フテ

ィの

考え

方を

基本

して

ソー

シャ

ルワ

ーク

の有

り方

が述

べら

れて

いる

。サ

イン

ズオ

ブセ

ーフ

ティ

は、

支援

の枠

組み

全体

に関

する

考え

方で

あり

、保

護者

支援

の工

程に

組み

込ま

れる

個々

の「

プロ

グラ

ム」

とは

異な

った

意味

合い

の存

在な

ので

、総

論の

中で

記載

した

次第

であ

る。

児童

相談

所で

保護

者支

援プ

ログ

ラム

を実

施し

てゆ

く上

の実

際に

起こ

って

くる

問題

直面

した

時、

何か

お役

にた

てる

参考

とな

れば

とね

がい

つつ

、こ

のハ

ンド

ブッ

クを

お届

けし

たい

-304-

― 4

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

― 5

児童

相談

所の

取組

みの

流れ

と家

族支

児童

相談

所で

は虐

待相

談を

受理

した

後、

必要

に応

じて

一時

保護

を実

施す

るな

どし

家族

状況

をア

セス

メン

トし

、援

助方

針を

決定

する

。施

設入

所ま

たは

里親

等委

託と

なっ

た場

合は

、そ

の後

に家

族再

統合

のた

めの

取組

みを

始め

る。

家庭

復帰

が困

難と

判断

され

る場

合に

も、

家族

との

関係

修復

や、

子ど

もが

自立

に向

けて

生い

立ち

や家

族と

の関

係を

整理

する

とい

う意

味で

の家

族再

統合

に取

り組

むこ

とと

なる

。一

方、

在宅

での

生活

が可

能な

場合

には

、地

域の

関係

機関

と連

携し

て、

家族

関係

を修

復す

るた

めの

支援

を実

施す

る。

これ

もま

た家

族再

統合

の取

組み

の一

環と

言え

る。

以下

では

、児

童相

談所

の取

組み

の流

れと

それ

ぞれ

の局

面に

おけ

る支

援の

留意

点を

略に

記載

し、家

族再

統合

の取

組み

にお

ける

保護

者支

援プ

ログ

ラム

活用

の参

考と

した

い。

(な

お、

詳細

は「

子ど

も虐

待対

応の

手引

き」

1を

参照

。)

.受

理・

調査

虐待

通告

を受

けた

場合

や市

区町

村か

ら送

致等

を受

けた

際に

、児

童相

談所

はた

だち

緊急

受理

会議

を開

催し

て調

査の

方針

を検

討す

る。

調査

の要

点は

、子

ども

の安

全・

安心

が守

られ

てい

るか

どう

かに

ある

。子

ども

の安

全・

安心

が危

険な

状態

であ

ると

判断

され

る場

合に

は迅

速に

一時

保護

を実

施す

る。

一時

保護

にあ

たっ

て子

ども

と保

護者

の同

意は

要件

とは

なら

ない

虐待

相談

は保

護者

に相

談へ

の動

機付

けが

なく

、一

般の

相談

援助

活動

のよ

うな

信頼

係に

基づ

く援

助を

実施

する

こと

に困

難を

伴う

。実

際、

子ど

もの

安全

・安

心に

関し

ては

保護

者に

対し

て妥

協す

るこ

とが

許さ

れな

い。

それ

でも

保護

者と

児童

相談

所が

子ど

もの

安全

・安

心を

共働

で実

現す

るも

のと

して

の相

談関

係を

形成

でき

るよ

うに

、調

査の

当初

ら関

係構

築に

努め

るこ

とが

求め

られ

、児

童相

談所

は困

難な

作業

を遂

行す

るこ

とと

なる

1 

「子

ども

虐待

対応

の手

引き

」(平

成25

年8

月改

訂版

)厚

生労

働省

雇用

均等

・児

童家

庭局

総務

総論

:保

護者

支援

にお

ける

プロ

グラ

ムの

活用

― 4

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

― 5

.ア

セス

メン

トと

プラ

ンニ

ング

関係

機関

から

の情

報収

集や

児童

相談

所内

多職

種の

協働

によ

り、

子ど

もと

家族

の状

を正

確に

アセ

スメ

ント

する

。子

ども

と家

族が

現在

に至

る生

活歴

、生

育歴

はど

うだ

った

のか

、ど

こに

リス

クが

あり

、ま

たど

のよ

うな

支援

が必

要な

のか

(ニ

ーズ

)、さ

らに

ども

と家

族が

有し

てい

る強

み(

スト

レン

グス

)は

どこ

にあ

るの

か、

子ど

もと

家族

をサ

ポー

トで

きる

のは

誰か

とい

った

諸点

をア

セス

メン

トす

る。

地域

の関

係機

関と

検討

する

場合

は、

共有

のア

セス

メン

トシ

ート

に基

づい

て協

働し

て行

う。

児童

相談

所が

介入

した

ため

に家

族と

対立

して

、そ

のた

め十

分な

聴き

取り

が行

えな

場合

もあ

るが

、で

きる

限り

多角

的に

情報

を集

める

。ま

た子

ども

や家

族に

対し

て児

童相

談所

の見

方を

伝え

なが

ら共

に考

えて

いく

こと

を働

きか

ける

。子

ども

の安

全と

安心

に関

して

懸念

を持

って

いる

点を

わか

りや

すく

正確

に家

族に

告知

する

こと

もあ

わせ

て重

要で

ある

 以

上の

アセ

スメ

ント

のも

とに

、児

童相

談所

とし

ての

援助

方針

をた

てる

。援

助方

針に

つい

ては

、そ

の理

由を

含め

て子

ども

と家

族に

丁寧

に説

明し

、子

ども

と家

族の

参画

のも

とで

検討

でき

るよ

うに

努め

る。

その

際に

は、

子ど

もと

家族

の状

況を

改善

する

ため

に取

り得

る支

援に

つい

て、

地域

サー

ビス

の活

用、

地域

関係

機関

によ

る援

助、

子ど

もや

保護

者に

対す

る医

療や

カウ

ンセ

リン

グ、親

子グ

ルー

プや

親グ

ルー

プ等

への

参加(

父親

グル

プ、

父親

塾等

を含

む)、

ペア

レン

ティ

ング

の導

入な

ど、

多様

な手

法を

組み

合わ

せて

画を

たて

る。

子ど

もや

保護

者を

プロ

グラ

ムへ

促す

場合

には

、十

分な

ソー

シャ

ルワ

ーク

によ

り子

ども

や保

護者

の思

いを

聴き

取り

、当

事者

が必

要性

を認

識で

きる

よう

に支

援す

るこ

とが

求め

られ

る。

以上

の取

組み

によ

り、

子ど

もと

家族

、あ

るい

は地

域関

係機

関の

理解

の基

に、

子ど

と家

族を

中心

とし

た地

域関

係機

関協

働の

支援

ネッ

トワ

ーク

を構

築し

てい

くこ

とが

必要

であ

る。

.施

設入

所・

里親

等委

託後

の支

施設

入所

・里

親等

委託

にあ

たり

、児

童相

談所

は短

期及

び中

長期

の援

助方

針を

策定

-305-

― 6

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

― 7

る。

その

中に

は家

族再

統合

に向

けて

の見

通し

と支

援方

法が

含ま

れる

。援

助方

針に

つい

ては

、入

所又

は委

託前

後に

施設

又は

里親

等と

十分

に協

議し

て、

自立

支援

計画

に結

実さ

せる

こと

とな

る。

施設

入所

・里

親等

委託

後の

支援

につ

いて

は、

子ど

もへ

の支

援、

保護

者へ

の支

援、

ども

と保

護者

の関

係性

への

支援

、保

護者

以外

の家

族・

親族

への

支援

に分

けら

れる

。そ

れぞ

れが

抱え

る課

題を

整理

して

目標

を提

示し

、子

ども

と家

族と

共有

する

と共

に、

児童

福祉

施設

や里

親と

児童

相談

所と

が十

分協

議の

上で

連携

して

支援

する

。児

童相

談所

と保

護者

が対

立的

な関

係に

ある

場合

にも

、児

童福

祉施

設の

職員

や里

親等

が保

護者

と良

好な

関係

を構

築す

るこ

とで

、家

族支

援が

進む

こと

もあ

る。

施設

入所

・里

親等

委託

後も

子ど

もと

家族

の状

況の

変化

を見

守り

なが

ら、

児童

福祉

設や

里親

等と

十分

な情

報共

有を

した

上で

、ア

セス

メン

トを

継続

する

。そ

の結

果、

支援

計画

を見

直す

必要

も出

てく

る。

保護

者支

援プ

ログ

ラム

を実

施す

る際

には

、関

係者

の協

議と

了解

の上

で導

入す

るこ

とと

なる

.段

階的

親子

交流

家庭

復帰

が可

能と

判断

され

た場

合、

ある

いは

家庭

復帰

には

つな

がら

なく

ても

子ど

と保

護者

との

交流

が可

能と

判断

され

た場

合に

、親子

交流

の計

画が

検討

され

る。

子ど

も・

保護

者の

意向

を十

分に

聴き

、児

童福

祉施

設や

里親

の判

断を

十分

に尊

重し

た協

議を

経た

うえ

で児

童相

談所

が慎

重に

判断

する

こと

とな

る。

ほと

んど

の事

例で

は、

段階

的な

親子

交流

が実

施さ

れて

いる

。そ

の経

過は

、ま

ず児

相談

所職

員あ

るい

は児

童福

祉施

設職

員の

同席

によ

る面

会か

ら始

め、同

席な

しで

の面

会、

近隣

への

短時

間の

外出

、一

日か

けた

外出

、短

期間

の自

宅外

泊(

施設

内宿

泊や

自宅

外へ

の外

泊を

行う

場合

もあ

る)、

長期

間の

外泊

と順

を追

って

慎重

に進

めて

いく

。そ

の過

では

、交

流後

の子

ども

と保

護者

の様

子を

児童

福祉

施設

にお

いて

子細

に観

察し

、ま

た児

童相

談所

が状

況を

十分

に把

握し

て、

その

都度

交流

の適

否を

アセ

スメ

ント

する

こと

が重

要で

ある

。場

合に

よっ

ては

、交

流の

進度

を戻

すこ

とや

交流

の中

止を

検討

しな

けれ

ばな

らな

い。

施設

入所

・里

親等

委託

中の

保護

者指

導の

ため

には

児童

福祉

司指

導を

とる

こと

が有

― 6

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

― 7

であ

る。

段階

的親

子交

流を

次の

段階

に進

める

際に

は、

担当

者個

人の

判断

によ

るの

では

なく

、児

童相

談所

の援

助方

針会

議等

で組

織的

に点

検し

て判

断し

なけ

れば

なら

ない

  

5.

家庭

復帰

にあ

たっ

ての

支援

家庭

復帰

を判

断す

る際

には

、児

童福

祉司

指導

等の

結果

を十

分踏

まえ

て、

児童

相談

所と

して

慎重

な検

討の

上で

決定

する

。こ

の場

合、「

家庭

復帰

の適

否を

判断

する

ため

チェ

ック

リス

ト」

2 また

は自

治体

で作

成し

てい

るチ

ェッ

クリ

スト

など

のア

セス

メン

ツー

ルに

基づ

く判

断が

必須

であ

る。

この

評価

には

、児

童福

祉施

設の

意見

を十

分に

反映

しな

けれ

ばな

らな

い。

また

、家

族再

統合

の取

組み

の過

程で

は、

地域

の関

係機

関に

子ど

もと

家族

の状

況を

え、

家庭

復帰

後の

支援

の受

け皿

を準

備し

てお

くこ

とが

必要

であ

る。

入所

・委

託中

にも

要保

護児

童対

策地

域協

議会

の進

行管

理会

議で

状況

を伝

え、

外泊

にあ

たっ

ては

地域

の関

係機

関が

情報

を把

握し

てお

ける

よう

にし

てお

く。

また

家庭

復帰

前に

は要

保護

児童

対策

地域

協議

会の

個別

ケー

ス検

討会

議を

開催

して

、地

域関

係機

関の

理解

を得

ると

とも

に支

援の

役割

分担

をし

てお

くこ

とが

必須

であ

る。

この

場に

は入

所中

の児

童福

祉施

設職

員や

里親

等が

参加

する

こと

が必

要で

ある

その

際に

は、

子ど

もと

家族

の状

況に

つい

て、

地域

の関

係機

関が

どこ

に注

視し

てア

スメ

ント

を継

続す

る必

要が

ある

のか

、ど

うい

う状

況に

なれ

ば連

絡が

必要

なの

か、

情報

連絡

先は

どこ

にす

るの

かな

ど、

支援

に必

要な

情報

を共

有し

てお

く。

なお

、家

族の

転居

先自

治体

で子

ども

を引

き取

る場

合に

は、

転居

先自

治体

を管

轄す

児童

相談

所や

地域

関係

機関

との

十分

な協

議が

必要

であ

る。(

詳し

くは

「子

ども

虐待

応の

手引

き」

第10

章5

.家

庭復

帰の

際の

支援

、参

照。)

家族

や親

族が

主体

とな

って

家庭

復帰

後の

生活

につ

いて

話し

合う

、フ

ァミ

リー

グル

プカ

ンフ

ァレ

ンス

の取

組み

も模

索さ

れて

おり

、今

後の

実践

の展

開が

期待

され

る。

2 「

児童

虐待

を行

った

保護

者に

対す

る指

導・

支援

の充

実に

つい

て」(

平成

20年

3月

14日

付厚

生労

働省

雇用

均等

・児

童家

庭局

総務

課長

通知

)別

添の

「児

童虐

待を

行っ

た保

護者

に対

する

援助

ガイ

ドラ

イン

」の

別表

「家

庭復

帰の

適否

を判

断す

るた

めの

チェ

ック

リス

ト」

-306-

― 8

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

― 9

6.

家庭

復帰

後の

ケア

及び

在宅

支援

家庭

復帰

後の

生活

の中

では

、子

ども

と家

族の

関係

が必

ずし

も良

好に

推移

する

とは

らず

、そ

れま

でに

予想

して

いな

かっ

たよ

うな

問題

が生

じる

こと

もあ

る。

復帰

後も

継続

して

丁寧

なア

セス

メン

トと

支援

が必

要で

ある

。その

ため

、児童

相談

所は

少な

くと

も6

月間

は児

童福

祉司

指導

等を

とり

、支

援関

係を

継続

しな

けれ

ばな

らな

い。

これ

は最

も順

調に

推移

した

場合

の期

間で

あり

、事

例に

よっ

ては

さら

に長

期に

わた

り支

援が

必要

とな

る。 家

庭で

の生

活が

始ま

った

後も

、施

設入

所・

里親

等委

託中

から

継続

した

子ど

もと

家族

への

支援

が必

要と

なる

。施設

等の

職員

が関

係を

維持

して

連絡

をと

るこ

とも

必要

であ

る。

児童

相談

所へ

の来

所が

滞っ

たり

、家

庭訪

問に

拒否

的と

なる

など

の状

況は

、危

険な

サイ

ンと

とら

えて

再ア

セス

メン

トを

行い

、支

援方

法を

再検

討す

ると

とも

に一

時保

護が

必要

な場

合に

は実

施す

る。

子ど

もに

は直

接S

OS

を出

せる

よう

な手

段を

伝え

てお

くこ

とも

有効

であ

る。

家庭

復帰

後の

生活

が良

好に

推移

した

場合

には

、児

童相

談所

の関

わり

を終

了し

て市

町村

に対

応を

引き

継ぐ

こと

とな

る。

その

場合

には

市区

町村

との

十分

な協

議が

必要

であ

る。

市区

町村

に引

き継

いだ

後で

も、

状況

の変

化に

より

児童

相談

所が

あら

ため

て介

入す

る必

要が

ある

場合

には

、積

極的

に対

応し

なけ

れば

なら

ない

以上

に述

べた

諸点

は、

一時

保護

を解

除し

て家

庭引

き取

りと

なる

場合

にも

同様

に留

すべ

きで

ある

最後

に、

施設

入所

・里

親等

委託

の援

助方

針を

採ら

ず、

在宅

支援

とな

った

事例

につ

て述

べる

。こ

うし

た事

例で

児童

福祉

司指

導等

によ

る支

援が

必要

とな

る場

合に

は、

児童

相談

所が

関与

する

理由

と方

法を

丁寧

に説

明し

、決

定通

知書

に十

分に

記載

して

手渡

すこ

とと

なる

在宅

支援

中の

家庭

状況

の変

化に

は十

分な

アセ

スメ

ント

を実

施し

て支

援の

見直

しを

う。

また

、在

宅で

の生

活状

況を

改善

する

とと

もに

子ど

もと

保護

者の

関係

を修

復す

るた

めに

は、

関係

機関

と連

携し

た支

援が

必要

であ

り、

その

ため

要保

護児

童対

策地

域協

議会

の個

別ケ

ース

検討

会議

で情

報共

有と

役割

分担

を図

ると

とも

に、

進行

管理

会議

で状

況を

― 8

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

総論/児童相談所の取組みの流れと家族支援

― 9

共有

する

など

、協

働し

た対

応が

必要

であ

る。

在宅

支援

中に

おい

ても

、状

況に

応じ

て保

護者

支援

プロ

グラ

ムを

活用

した

子ど

もと

護者

の関

係改

善に

取り

組む

こと

が有

効で

ある

図1

. 児童

相談

所の

取組

みの

流れ

アセ

スメ

ント

・プ

ラン

ニン

グ・

プラ

ンニ

ング

の見

直し

地域

の支

援ネ

ット

ワー

ク構

築親

子関

係再

構築

支援

ア フ タ ー ケ ア ・ 在 宅 支 援

( 児 童 福 祉 司 指 導 等 )

 理

 →

 調

 査

施 設 入 所 ・ 里 親 等 委 託 措 置

 助

 方

 針

 会

 議

援 助 方 針 会 議

   庭

   復

   帰

   時

   保

   護

段 階 的 親 子 交 流

自 立 へ 向

   け た 支 援

⇒⇒

⇒⇒

⇒⇒

⇒⇒

在 

宅 

支 

-307-

― 1

0 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

― 1

1 ―

虐待

対応

にお

ける

保護

者支

援を

考え

1

.子

ども

の育

ちを

応援

する

そも

そも

児童

相談

所は

何を

目的

に業

務を

して

いる

ので

あろ

うか

。児

童福

祉法

では

「す

べて

国民

は、

児童

が心

身と

もに

健や

かに

生ま

れ、

且つ

、育

成さ

れる

よう

努め

なけ

れば

なら

ない

。す

べて

児童

は、

ひと

しく

その

生活

を保

障さ

れ、

愛護

され

なけ

れば

なら

ない

。」(第

1条

)とし

、「国

及び

地方

公共

団体

は、

児童

の保

護者

とと

もに

、児

童を

身と

もに

健や

かに

育成

する

責任

を負

う。」

(第2

条)と

され

てい

る。

この

児童

福祉

の理

念を

具体

的に

実現

する

こと

が児

相に

与え

られ

たミ

ッシ

ョン

であ

る。

子ど

もは

発達

の過

程で

大人

とし

て社

会生

活を

送る

ため

に必

要な

様々

な知

識や

技能

適切

に身

につ

けて

いく

必要

があ

る(子

ども

の発

達上

のニ

ーズ

)。こ

れら

の習

得の

ため

に社

会は

、さ

まざ

まな

シス

テム

を整

備し

、保

護者

によ

る養

育を

サポ

ート

して

いる

。大

半の

子ど

も達

は、保

育や

幼稚

園に

はじ

まる

養育

・教

育シ

ステ

ムの

サポ

ート

で大

人に

なっ

てい

くこ

とが

可能

であ

る。

しか

し、

何ら

かの

要因

によ

って

習得

がう

まく

いか

ない

子ど

も達

も存

在す

るた

め、

専門

家に

よる

支援

が準

備さ

れて

おり

、そ

の中

核的

な役

割を

担っ

てき

たの

が児

童相

談所

であ

る。

2

.児

相の

支援

児童

虐待

が社

会問

題化

する

以前

は、

児童

相談

所が

おこ

なう

支援

の大

半は

、保

護者

ニー

ズ(心

配)か

ら相

談が

始ま

り、

診断

を経

て、

子ど

もへ

は課

題に

対す

る直

接的

な支

援と

保護

者に

は適

切な

関わ

りが

でき

るよ

うサ

ポー

トす

る形

で、

保護

者の

心配

を解

消し

てき

た。

これ

らの

支援

は、

心理

療法

やソ

ーシ

ャル

ワー

クの

中核

をな

す、

受容

・共

感モ

デル

によ

るも

ので

あり

、同

意・

承諾

が根

底に

あり

、保

護者

と対

立す

るよ

うな

関係

は想

定さ

れて

いな

い。

伝統

的に

児相

はこ

のク

リニ

ック

的な

支援

を目

指し

て専

門性

を磨

いて

きた

ので

ある

が、

虐待

対応

では

保護

者に

相談

のニ

ーズ

がな

く、

子ど

もの

問題

に置

き換

えて

支援

を行

うこ

とが

子ど

もの

安全

を確

保す

るこ

とに

なら

ない

場合

が多

く、

新た

な支

― 1

0 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

― 1

1 ―

援モ

デル

が必

要と

なっ

た。

海外

の様

々な

取り

組み

が紹

介さ

れる

中で

、適

切な

養育

スキ

ルの

学習

をテ

ーマ

にし

ペア

レン

トト

レー

ニン

グや

児童

虐待

対応

の現

場の

工夫

をま

とめ

、構

造化

した

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セイ

フテ

ィ(S

igns

of

Saf

ety)

や枝

分か

れし

たパ

ート

ナリ

ング

・フ

ォー

セイ

フテ

ィ(P

artn

erin

g fo

r S

afet

y)(

以下

、こ

の二

つの

枠組

みを

SoS

等と

略す

など

が支

援の

方法

とし

て取

り入

れら

れる

よう

にな

って

きて

いる

。家

庭復

帰の

必修

条件

とし

てペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

の受

講を

設定

して

保護

者対

応を

して

いた

こと

もあ

った

が、

プロ

グラ

ム受

講と

子ど

もの

安全

がイ

コー

ルと

なら

ない

場合

が多

く、

プロ

グラ

ムは

道具

とし

て活

用し

て、

子ど

もの

安全

に焦

点を

当て

た支

援の

枠組

みと

して

SoS

等を

り入

れ、

虐待

対応

に取

り組

まれ

るよ

うに

なっ

てき

てい

る。

3

.支

援者

の立

ち位

置と

方法

繰り

返し

にな

るが

、児

童相

談所

の社

会的

使命

は、

子ど

もの

権利

擁護

と発

達保

障に

る。

子ど

もの

場合

、将

来、

大人

にな

った

時に

社会

の構

成員

とし

て生

活し

てい

くた

めに

必要

な知

識や

行動

様式

など

を身

につ

けて

いく

こと

が必

要で

あり

、現

在だ

けで

なく

、過

去か

ら未

来に

わた

る子

ども

の生

活と

発達

保障

を視

野に

入れ

てお

く必

要が

ある

。し

がっ

て相

談内

容に

よっ

て問

題と

対応

方法

が異

なる

場合

はあ

るが

、目

指す

とこ

ろは

子ど

もの

ウェ

ルビ

ーイ

ング

の実

現で

ある

この

目標

達成

のた

めに

は保

護者

との

協働

が不

可欠

な要

素で

ある

。し

かし

、虐

待対

の場

合、

非審

判的

な受

容で

は虐

待行

為を

容認

して

しま

うこ

とに

なる

ため

、部

分受

容に

なり

、評

価を

示さ

なけ

れば

なら

ない

場面

も多

くあ

る。

また

、子

ども

の最

善の

利益

を優

先す

る必

要が

ある

こと

から

親権

を制

限す

るこ

とも

ある

わけ

で、

保護

者の

役割

を支

援者

が肩

代わ

りす

るこ

とも

少な

くな

い。

また

、相

談・

治療

(支

援的

関与

)で

は、

親子

の利

害は

一体

のも

のと

考え

、た

とえ

ども

が来

談し

なく

ても

保護

者に

対す

る支

援が

間接

的に

子ど

もの

発達

保障

につ

なが

ると

考え

るの

だが

、虐

待対

応(

介入

的関

与)

では

、保

護者

と子

ども

の利

害は

独立

と考

え、

それ

ぞれ

の課

題を

明ら

かに

して

適切

な支

援を

講じ

てい

く必

要が

ある

-308-

― 1

2 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

― 1

3 ―

この

よう

に、

枠組

みや

方法

論が

かな

り異

なる

とこ

ろが

あり

、現

場出

身の

研究

者*1

らの

報告

や講

義な

どを

ベー

スに

加筆

して

整理

した

もの

を表

1に

示す

。(現

時点

での

整理

であ

り、

様々

な意

見が

あり

、今

後も

検討

を続

けて

いく

必要

なも

ので

ある

こと

をお

断り

して

おく

表1

虐待

対応

(介

入的

関与

)相

談・

治療

(支

援的

関与

目的

ウェ

ルビ

ーイ

ング

:個

人の

権利

や自

己実

現が

保障

され

、身

体的

、精

神的

、社

会的

に良

好な

状態

にあ

るこ

と子

ども

が育

ちの

過程

で獲

得す

る必

要が

ある

価値

観や

物の

捉え

方や

行動

の様

式な

どを

安全

・安

心に

獲得

して

いく

こと

を保

障す

支援

のた

めの

原則

子ど

もの

安全

・安

心な

生活

を最

優先

し、

法に

定め

られ

た権

限を

行使

して

いく

(リ

スク

マネ

ジメ

ント

)告

知、

聴取

、丁

寧な

説明

によ

る理

解と

協力

を求

める

努力

はす

るが

、義

務権

限の

執行

にお

いて

同意

・承

諾は

必須

とな

らな

い。

不作

為(権

限の

不行

使)を

とが

めら

れる

ニー

ドを

スタ

ート

ライ

ンと

して

、ク

ライ

エン

トの

ペー

スに

合わ

せ、

受容

、傾

聴、

同意

、承

諾を

原則

とし

てサ

ポー

トし

てい

対象

者介

入さ

れた

家族

自発

的な

クラ

イエ

ント

(親

ゴー

ル支

援機

関に

よっ

て定

義ク

ライ

エン

トに

よる

定義

アセ

スメ

ント

第三

者へ

の調

査を

含む

客観

的情

報に

基づ

くア

セス

メン

トク

ライ

エン

トか

ら提

供さ

れる

主観

的情

報に

基づ

くア

セス

メン

守秘

要保

護児

童対

策地

域協

議会

(法定

協議

会)に

おけ

る情

報共

有が

可能

秘密

:秘

密は

虐待

と仲

良し

…だ

から

オー

プン

承諾

なし

に連

携や

情報

共有

など

はで

きな

い秘

密:

秘密

は安

心の

場の

提供

…良

好な

関係

の証

(あか

し)

親権

明ら

かな

親権

への

制限

・制

止を

含む

対応

親権

に対

して

根拠

をも

って

権限

介入

する

義務

親権

を当

事者

の権

利と

して

上位

に置

く 親権

者の

意に

反す

る対

応は

原則

的に

不可

親子

関係

親子

の利

害は

独立

と考

え、

時に

利益

相反

も想

定し

、子

の安

全と

最善

の利

益の

保障

が最

優先

子の

安全

のた

めに

は理

由を

示し

て親

の抵

抗排

親子

の利

害は

一体

的な

価値

とし

て考

える

親と

の良

き相

談関

係が

子に

利益

をも

たら

専門

職の

役割

社会

的統

制と

影響

力を

うま

く行

使す

るコ

ーデ

ィネ

ータ

。ジ

ョイ

ニン

グと

傾聴

など

の基

礎的

な技

術+

解決

思考

の面

接技

術+

SoS

等の

フレ

ーム

ワー

クラ

イエ

ント

が欲

する

もの

に焦

点を

合わ

せる

促進

者。

治療

構造

論に

基づ

く療

法・

ソー

シャ

ルワ

ーク

の技

― 1

2 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

― 1

3 ―

4

.ア

セス

メン

ト…

育ち

のリ

スク

と支

援の

関係

を明

らか

効果

的な

支援

を行

って

いく

ため

には

、現

在の

子ど

もの

状態

、子

ども

への

かか

わり

方、

生活

の状

況な

どの

情報

を集

め、

その

関係

性を

明ら

かに

して

いく

アセ

スメ

ント

が必

要で

ある

。ア

セス

メン

トを

実施

して

いく

うえ

で、

どの

よう

な項

目に

注目

すれ

ばい

いの

かを

端的

に示

して

くれ

るの

がコ

モン

・ア

セス

メン

ト・

フレ

ーム

ワー

ク(

CA

F:C

omm

on

Ass

essm

ent

Fram

ewor

k)で

ある

。こ

れは

、英

国に

おい

て複

合的

課題

があ

り、

援を

必要

とす

る子

ども

たち

につ

いて

の総

合的

なア

セス

メン

トを

行い

、支

援に

関わ

る機

関と

家族

が共

有す

るこ

とで

、効

果的

・効

率的

な支

援を

行う

ため

に国

家的

なレ

ベル

で取

り組

まれ

てい

るも

ので

ある

。図

2は

、日

本で

紹介

され

てい

る文

献や

報告

書を

もと

に虐

待対

応を

考え

るた

めに

筆者

が加

工し

たも

ので

ある

大ま

かに

整理

する

と「

子ど

もの

状態

像」「

養育

力」「

家庭

・環

境要

因」

の3

つの

領域

に分

けら

れる

。現

在の

子ど

もの

育ち

に関

する

課題

につ

いて

、こ

れら

の領

域の

要素

がど

のよ

うに

関連

して

いる

のか

を明

らか

にし

、課

題解

決の

ため

に何

が必

要な

のか

を考

えて

いく

こと

にな

る。

①子

ども

の状

態像

面接

や心

理検

査、行

動観

察、関

係機

関へ

の調

査な

どか

ら、現

在の

身体

、知的

能力

、情緒

自己

イメ

ージ

、セ

ルフ

ケア

スキ

ル、

ソー

シャ

ルス

キル

など

の発

達状

況を

明ら

かに

する

次に

現在

の子

ども

の状

態か

ら保

護者

の養

育能

力や

家庭

・環

境要

因の

影響

を推

測し

、ど

のよ

うな

育ち

をし

てき

たの

かの

仮説

を立

て、

健全

な発

達を

促す

ため

にど

のよ

うな

関わ

りが

必要

なの

かを

検討

する

こと

にな

る。

②養

育力

養育

力と

は、

子ど

もが

健全

に育

って

いく

ため

に必

要な

関わ

り方

のこ

とで

あり

、安

と安

心を

保障

する

基本

的な

ケア

、情

緒的

な暖

かさ

と安

定性

、指

導・

励ま

し・

しつ

けな

どに

大別

でき

る。

1 

山本

恒雄

(日

本子

ども

家庭

総合

研究

所):

日本

子ど

も虐

待防

止学

会、

松本

大会

のシ

ンポ

ジュ

ーム

安部

計彦

(西

南学

院大

学):

子ど

もの

虹情

報研

修セ

ンタ

ー研

修な

-309-

― 1

4 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

― 1

5 ―

ア)

安全

と安

心を

保障

する

基本

的ケ

子ど

もの

生理

的欲

求を

充足

する

関わ

りの

こと

で、

衣食

住、

健康

のた

めの

配慮

危険

や危

害か

ら守

られ

るよ

う配

慮す

るこ

とな

どで

ある

イ)

情緒

的な

暖か

さと

安定

子ど

もの

情緒

的な

欲求

が満

たさ

れる

よう

受容

的に

接し

、自

尊感

情を

持て

るよ

う、

子ど

もを

認め

たり

、励

まし

たり

、褒

めた

りす

る安

定し

たか

かわ

りを

持つ

とで

ある

ウ)

指導

・激

励・

しつ

適切

な刺

激を

与え

、子

ども

が自

らの

感情

をコ

ント

ロー

ルで

き、

社会

生活

を適

応的

に送

って

いく

ため

の価

値観

や行

動原

理を

身に

つけ

られ

るよ

う指

導し

てい

こと

であ

る。

これ

らに

つい

て、

保護

者面

接、

関係

者へ

の調

査な

どに

よっ

て明

らか

にし

、子

ども

状態

像と

関連

付け

て評

価を

する

必要

があ

る。

③家

庭・

環境

要因

生活

の土

台と

なる

住環

境、

家庭

の経

済活

動を

える

収入

や就

労、

地域

会と

家庭

のか

かわ

り、

助者

との

関係

など

のこ

であ

り、

客観

情報

とし

得や

すい

要因

であ

る。

の家

庭・

環境

要因

は、

体的

な援

助と

して

分か

やす

いも

ので

ある

ため

プラ

ンニ

ング

の中

心に

えら

れが

ちで

ある

が、

子ど

もの

状態

の改

善、

育ち

のサ

ポー

トに

どう

役立

って

いる

のか

とい

う視

点が

大切

にな

る。

子ど

もの

育ち

につ

いて

のア

セス

メン

トで

は、

問題

にか

かわ

る情

報が

集ま

るた

め、

図2

― 1

4 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

― 1

5 ―

スク

中心

の評

価と

なる

とな

りが

ちで

ある

が、

子ど

もの

育ち

に役

立つ

かか

かわ

りや

、優

れた

かか

わり

とい

った

スト

レン

グス

につ

いて

の情

報も

収集

し、

SoS

等の

整理

様式

(鈴

木浩

之氏

が後

述)等

によ

って

包括

的な

アセ

スメ

ント

を行

い、

子ど

も・

保護

者・

支援

のニ

ーズ

をす

り合

わせ

て総

合的

な支

援に

つな

がる

評価

とす

る必

要が

ある

5

.プ

ログ

ラム

の役

割と

活用

本研

究で

は、

SoS

等の

よう

な対

応の

ため

の枠

組み

(方法

論)で

あっ

たり

、養

育力

を高

める

ため

のペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

であ

った

り、

養育

者自

身の

内的

課題

を解

決す

るた

めの

方法

など

さま

ざま

な取

り組

みが

保護

者支

援の

プロ

グラ

ムと

して

紹介

され

てい

る。

実際

の虐

待対

応で

はS

oS等

を土

台と

して

各種

のプ

ログ

ラム

を実

施す

るこ

とに

るの

だが

、そ

れぞ

れの

プロ

グラ

ムに

はね

らい

目や

方法

に特

徴が

あり

、そ

の特

性を

理解

し、

包括

的な

アセ

スメ

ント

によ

り、

プロ

グラ

ム学

習を

含め

た支

援計

画を

立て

てい

く必

要が

ある

。こ

の支

援計

画や

プロ

グラ

ム受

講は

、保

護者

自身

が自

らの

変化

や成

長を

求め

て受

講す

るこ

とに

よっ

て最

大限

の効

果を

生じ

るも

ので

あり

、育

ちの

安全

の大

切さ

を共

有し

、受

講意

欲の

持続

と学

んだ

もの

を子

ども

の養

育の

中で

使い

、自

分の

もの

にし

ても

らえ

るよ

うな

丁寧

なサ

ポー

トが

必要

にな

る。

何か

一つ

のプ

ログ

ラム

に取

り組

んで

もら

うだ

けで

は、

効果

は限

定的

で、

それ

が汎

して

子ど

もの

育ち

の安

全を

保障

して

いく

には

時間

がか

かっ

てし

まう

場合

が多

い。

その

間も

保護

者に

よる

不適

切な

かか

わり

は続

くこ

とに

なり

、子

ども

は好

まし

くな

い体

験に

よっ

て社

会不

適応

的な

価値

観や

スキ

ルを

身に

つけ

、生

きに

くい

生活

を送

るこ

とに

なっ

てし

まう

こと

にな

るた

め、

子ど

もへ

の支

援も

並行

して

行っ

てい

く必

要が

ある

6

.リ

スク

マネ

ジメ

ント

保護

者支

援に

つい

て述

べて

きた

わけ

では

ある

が、

あく

まで

虐待

対応

は子

ども

の発

上の

ニー

ズの

充足

を妨

げ、

歪め

てし

まう

不適

切な

かか

わり

を如

何に

ブロ

ック

し、

子ど

もの

安全

・安

心な

育ち

をど

う保

障し

てい

くの

かと

いう

リス

クマ

ネジ

メン

トで

あり

、保

護者

の成

長・

変化

が主

たる

目的

では

ない

もち

ろん

、子

ども

の育

ちの

安全

を確

保す

る支

援は

、家

族の

生活

のク

オリ

ティ

を高

-310-

― 1

6 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 1

7 ―

る支

援で

あり

、介

入に

よっ

て傷

つい

た保

護者

の自

信や

自尊

心の

回復

にも

つな

がる

。そ

のた

め、

継続

的な

支援

が保

護者

のニ

ーズ

を引

き出

し、

自発

的変

化を

引き

出し

てい

くと

支援

者の

意識

が支

援的

関与

のよ

うな

同意

・承

諾を

必要

とす

る関

係に

移行

し、

保護

者の

治療

が目

的の

支援

にな

って

しま

う可

能性

があ

る。

保護

者と

対立

して

支援

関係

が切

れて

しま

うこ

とを

危惧

して

、子

ども

の安

全を

脅か

すよ

うな

事態

を過

小評

価す

るこ

とが

ない

よう

、常

にボ

トム

ライ

ンを

意識

し、

面接

でも

口に

する

こと

が大

切に

なる

最後

に本

節は

、現

時点

での

考え

であ

り、

児童

相談

所の

取り

組み

の考

え方

は変

化し

いく

もの

であ

り、

読者

ご自

身が

業務

の刺

激と

して

受け

止め

、工

夫を

重ね

って

いっ

てほ

しい

と考

える

参考

文献

・イ

ギリ

ス保

健省

・内

務省

・教

育雇

用省

(松

本伊

智朗

、屋

代通

子訳

)、「

子ど

もの

護の

ため

のワ

ーキ

ング

・ト

ゥギ

ャザ

ー 

児童

虐待

対応

のイ

ギリ

ス政

府ガ

イド

ライ

ン」、

医学

書院

、20

02

・川

崎二

三彦

他、「

イギ

リス

にお

ける

児童

虐待

の対

応視

察報

告書

」、子

ども

の虹

情報

研修

セン

ター

、20

07

・内

閣府

政策

統括

官(

共生

社会

政策

担当

)、「

英国

の青

少年

育成

施策

の推

進体

制等

関す

る調

査報

告書

」、20

09

・井

上直

美・

井上

薫編

「子ど

も虐

待防

止の

ため

の家

族支

援ガ

イド

」-サ

イン

ズ・

ブ・

セイ

フテ

ィ・

アプ

ロー

チ入

門- 

明石

書店

2008

・山

本恒

雄他

「児

童相

談所

等に

おけ

る保

護者

支援

の在

り方

に関

する

実証

的研

究」

生労

働科

学研

究 2

010 

・宮

井研

治編

「子ど

も・

家族

支援

に役

立つ

面接

の技

とコ

ツ」

明石

書店

 20

12

・山

本恒

雄「

児童

相談

所に

おけ

る保

護者

支援

の現

状と

今後

の課

題に

つい

て」

子ど

の虐

待と

ネグ

レク

ト15

巻3

号、

岩崎

学術

出版

201

3

・大

島剛

他 「

発達

相談

と新

版K

式発

達検

査」

明石

書店

201

3

― 1

6 ―

総論/ 虐待対応における保護者支援を考える

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 1

7 ―

じめ

に 

(危機

)介入

から

始ま

った

虐待

対応

が「支

援」

に移

行す

るこ

とで

、「保

護者

支援

の本

来的

な課

題が

すり

かえ

られ

たり

、そ

もそ

も介

入的

な判

断か

ら開

始さ

れた

作業

の意

義が

きち

んと

評価

され

ない

まま

、支

援名

目の

関係

性だ

けが

一人

歩き

して

しま

った

りす

るな

どの

問題

が浮

かび

上が

るこ

とと

なっ

てき

た(2

013

山本

)」と

いう

指摘

があ

る。

この

指摘

を真

摯に

受け

止め

るな

かで

、少

なく

とも

言え

るこ

とは

、子

ども

虐待

のソ

シャ

ルワ

ーク

にお

いて

、子

ども

の安

全を

前提

とし

ない

「保

護者

支援

」は

成立

しな

い、

とい

うこ

とで

ある

。ま

た、「

保護

者支

援」

とい

う枠

組み

が子

ども

の安

全か

ら焦

点が

れる

ので

あれ

ば、

たと

え、

どれ

だけ

優れ

た「プ

ログ

ラム

」が

あっ

たと

して

も、

もは

それ

は「

保護

者支

援」

とは

いえ

ない

。こ

こで

言う

「保護

者支

援の

本来

的な

課題

」と

「子ど

もの

安全

の追

及」

であ

るこ

とに

他な

らな

い。

1

. 子

ども

の安

全に

焦点

を当

て続

ける

こと

の難

しさ

とそ

の理

しか

し、

子ど

もの

安全

から

焦点

をず

らさ

ない

とい

うこ

とは

、子

ども

虐待

の実

務に

わる

立場

から

して

も、

それ

ほど

簡単

なこ

とで

はな

い。

これ

らの

難し

さの

背景

、そ

して

、そ

の難

しさ

から

くる

前述

の混

乱の

理由

とし

て、

童相

談所

に二

つの

矛盾

しが

ちな

役割

が担

わさ

れて

いる

とい

うこ

とが

ある

ので

はな

いか

ひと

つは

、子

ども

の命

と安

全・

安心

を守

るた

めの

危機

介入

とし

ての

役割

であ

る。(

48

時間

以内

の目

視に

よる

安全

確認

、職

権一

時保

護、

立ち

入り

調査

、臨

検捜

索、

28条

申立

て、

親権

停止

、親

権喪

失等

)そ

して

もう

ひと

つは

家族

が再

び安

心し

て暮

らせ

るた

めの

支援(

「児

童虐

待の

防止

等に

関す

る法

律」第

11条「

児童

虐待

を行

った

保護

者に

対す

る指

導」

とし

て「

…指

導は

、親

子の

再統

合へ

の配

慮そ

の他

の児

童虐

待を

受け

た児

童が

良好

な家

環境

で生

活す

るた

めに

必要

な配

慮の

もと

に適

切に

行わ

れな

けれ

ばな

らな

い。」

) で

ある

支援

プロ

グラ

ムと

子ど

もの

安全

につ

いて

~サ

イン

ズ・

オブ

・セ

イフ

ティ

ーに

学び

なが

ら~

-311-

― 1

8 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 1

9 ―

立ち

入り

調査

、臨

検捜

索、

職権

一時

保護

など

の危

機介

入の

強力

な権

限と

、そ

の後

「支援

」の

ほと

んど

すべ

てを

児童

相談

所が

行わ

なけ

れば

なら

ず、

司法

的な

関与

は児

福祉

法第

28条

のよ

うな

限ら

れた

ケー

スで

しか

ない

とい

うこ

とが

ある

。し

たが

って

司法

的な

コン

トロ

ール

下に

おい

て福

祉的

な支

援が

行わ

れる

とい

うこ

とは

ほと

んど

ない

とい

うの

が実

情で

ある

先述

の「

介入

的な

判断

から

開始

され

た作

業の

意義

がき

ちん

と評

価さ

れな

いま

ま、

援名

目の

関係

性だ

けが

一人

歩き

して

しま

った

りす

る」

のは

、子

ども

虐待

対応

の時

間軸

の中

で、

ここ

に示

した

二つ

の矛

盾し

がち

な役

割が

、危

機介

入か

ら「

支援

」に

、根

拠も

乏し

くい

つし

か変

わっ

てし

まう

場面

であ

る。

その

結果

、子

ども

の安

全に

焦点

を合

わせ

てい

たは

ずが

、「保

護者

支援

の本

来的

な課

題」

を見

失っ

た「

支援

」の

なか

で、

子ど

の安

全の

テー

マが

あい

まい

にな

って

しま

うの

であ

る。

危機

介入

が「支

援」

にす

り替

わっ

てし

まう

、そ

の理

由は

いく

つか

思い

当た

る。

たと

えば

、次

のこ

とで

ある

(1)危

機介

入に

伴う

虐待

の告

知は

、児

童福

祉司

にと

って

は相

当ス

トレ

スフ

ルな

もの

あり

、知

らず

知ら

ずに

スト

レス

を低

減す

るよ

うな

方向

にベ

クト

ルが

向い

てし

まう

常に

、保

護者

に安

全を

問い

かけ

てい

くこ

とは

容易

では

なく

、そ

れを

実現

する

実践

モデ

ルの

確立

もい

まだ

途上

であ

る。

(2)長

い関

係性

のな

かで

親を

「信頼

した

い」

とい

う思

いが

生じ

てし

まう

。相

談関

係は

時に

冷静

なリ

スク

アセ

スメ

ント

を阻

害し

てし

まう

こと

があ

る。

(3)ス

トレ

ング

ス・

ベー

スド

・ア

プロ

ーチ

の表

層的

な理

解か

ら、

安全

がな

いが

しろ

なる

。本

来の

スト

レン

グス

・ベ

ース

ド・

アプ

ロー

チが

安全

を軽

んじ

るこ

とは

ない

(4)児

童福

祉司

は、

泣き

声通

告や

警察

から

のD

Vに

関わ

る心

理的

虐待

の通

告の

安全

認に

忙殺

され

てお

り、

丁寧

な対

応を

した

くて

もで

きな

い現

実が

ある

(5)そ

して

、「支

援的

」「介

入的

」と

いっ

ても

、多

くの

場合

は児

童福

祉司

が、

二つ

の役

割を

担わ

ざる

を得

ない

。頭

では

理解

して

も、

実務

的に

線を

なか

なか

引け

ない

とい

うこ

とが

生ま

れる

。職

場の

中で

、役

割分

担を

する

場合

もあ

ろう

がそ

れで

あっ

ても

同一

の機

関で

ある

。小

さな

児童

相談

所で

あれ

ば、

その

こと

すら

困難

であ

る。

その

他に

も、

理由

はあ

るだ

ろう

― 1

8 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 1

9 ―

  2

.子

ども

の安

全か

ら焦

点を

はず

さな

いた

めに

「保護

者支

援の

本来

的な

課題

」と

は「子

ども

の安

全の

追及

」で

ある

こと

はす

でに

べた

。で

ある

なら

、ケ

ース

の介

入の

始ま

りか

ら、

終結

まで

常に

その

こと

から

目を

離し

ては

なら

ない

ので

あり

、そ

れを

実現

する

実践

モデ

ルを

持た

なけ

れば

なら

ない

残念

なが

ら、

これ

をす

れば

すべ

てが

うま

くい

くと

いう

方法

はな

いし

、業

務に

忙殺

れる

中で

、効

率の

良い

方法

もな

かな

か見

つか

らな

い。

もっ

とも

、こ

れで

大丈

夫と

思っ

た瞬

間か

ら、

子ど

もの

安全

は危

ぶま

れる

わけ

であ

って

、実

践家

は常

に子

ども

の安

全と

それ

を実

現す

る方

法を

考え

続け

なけ

れば

なら

ない

本調

査研

究の

中で

報告

され

てい

るが

全国

の児

童相

談所

中で

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セイ

フテ

ィー

・ア

ロー

チ(以

下、

サイ

ンズ

)を四

分の

一が

取り

入れ

てい

ると

う調

査結

果が

ある

これ

は、

上記

の実

モデ

ルの

構築

に対

るひ

とつ

の期

待と

思わ

れる

しか

し、

一方

で児

童相

談所

の現

場で

はサ

イン

ズを

どの

よう

に導

入し

てい

るの

だろ

か。

サイ

ンズ

が紹

介す

る様

々な

ツー

ルは

日々

の虐

待対

応で

役に

立つ

もの

が多

い。

しか

し、

その

使わ

れ方

によ

って

はサ

イン

ズが

目指

して

いる

方向

とは

異な

る道

に迷

い込

むこ

とも

ある

。図

はサ

イン

ズで

行わ

れる

「マ

ッピ

ング

」の

ため

の「

スリ

ーコ

ラム

」と

いう

ツー

ルで

あり

すで

に多

くの

児童

相談

所で

活用

され

てい

る。

しか

し、

スリ

ーコ

ラム

を整

理す

れば

、子

ども

の安

全が

マニ

ュア

ルの

ごと

く生

み出

-312-

― 2

0 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 2

1 ―

れる

とい

うこ

とは

決し

てな

い。

対話

によ

って

、家

族と

支援

者が

これ

に示

され

たこ

との

一つ

一つ

を丁

寧に

、そ

して

、慎

重に

進め

てい

くこ

とが

求め

られ

る。

家族

のス

トレ

ング

スに

注目

しな

がら

、子

ども

の安

全に

は一

切妥

協の

ない

、質

の高

い対

話が

なさ

れな

けれ

ばな

らな

い。

そし

て、

支援

者は

家族

に、

しつ

こい

ほど

に質

問を

重ね

、虐

待に

対す

「例外

」を

家族

と協

働し

て探

求し

、問

題解

決の

糸口

とし

てい

くの

であ

る。

  

サイ

ンズ

のマ

ッピ

ング

は、

家族

と子

ども

の虐

待を

めぐ

って

率直

な対

話が

なさ

れ、

ども

の安

全を

構築

する

こと

の話

し合

いが

でき

るよ

うな

枠組

み、

考え

方の

ガイ

ドと

なる

よう

にデ

ザイ

ンさ

れて

いる

。し

かし

、こ

れを

実効

ある

もの

とす

るの

は、

やは

り、

支援

者と

家族

の対

話で

あり

、そ

こか

ら生

まれ

る関

係性

であ

るこ

とは

言う

まで

もな

い。

私の

理解

の範

囲で

、子

ども

の安

全か

ら目

をそ

らさ

ず、

家族

と対

話を

率直

に話

し合

進め

てい

くた

めの

ポイ

ント

を、

スリ

ーコ

ラム

をガ

イド

にし

て考

えて

みた

い。

(1) ま

ずは

、児

童相

談所

が関

わっ

た理

由、

子ど

もに

何が

起き

たの

かを

、家

族と

児童

談所

が率

直に

、つ

ぶさ

に共

有す

るこ

とで

ある

。そ

して

、そ

の共

有は

危機

介入

から

なる

べく

早い

時期

に行

われ

るこ

とが

必要

であ

る。

サイ

ンズ

は、

保護

者が

落ち

着い

た場

面で

の家

族再

統合

のス

キル

と考

えら

れる

こと

があ

るが

、正

確な

理解

では

ない

(ハー

ム・

ステ

イト

メン

ト)

(2)

そし

て、

その

問題

が解

消さ

れな

いと

き、

子ど

もの

将来

にど

んな

影響

を及

ぼす

とに

なる

のか

、その

心配

を明

確に

示し

、家族

と共

有す

るこ

とで

ある

。そ

のた

めに

は、

家族

との

共同

作業

の中

で、

文章

に起

こし

て共

有し

てい

くこ

とが

大切

にな

る。

専門

職の

言葉

では

なく

、家

族と

共有

でき

る言

葉で

、子

ども

のお

かれ

てい

る状

態を

言い

当て

るも

ので

なけ

れば

なら

ない

。こ

の点

が、

あい

まい

にな

って

しま

うと

そも

そも

何の

ため

の対

話な

のか

がわ

から

なく

なっ

てし

まう

。さ

らに

、こ

の部

分は

家族

の専

門性

と児

童相

談所

の専

門性

を動

員し

たリ

スク

アセ

スメ

ント

にな

って

いる

。専

門職

がチ

ェッ

クリ

スト

を使

って

アセ

スメ

ント

する

もの

とは

異な

り、

虐待

はど

んな

きっ

かけ

によ

って

発生

し、

どの

よう

に維

持さ

れて

きた

のか

など

を家

族と

つぶ

さに

検討

し、

虐待

の仕

組み

につ

いて

の共

通理

解を

積み

上げ

てい

く。

(デン

ジャ

ー・

ステ

トメ

ント

) 

(3) そ

して

、児童

相談

所は

、これ

らの

子ど

もに

関わ

る心

配が

どん

な状

態(子

ども

の安

全・

― 2

0 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 2

1 ―

安心

が守

られ

てい

る状

態像

)にな

るこ

とを

家族

に求

めて

いる

のか

、明

確に

示す

とが

必要

であ

る。

これ

まで

児童

相談

所は

家族

の問

題の

指摘

はし

ても

、そ

れが

どう

なれ

ばよ

いか

の子

ども

の状

態像

、問

題の

解決

像ま

でを

示し

、家

族と

共有

する

こと

は少

なか

った

ので

はな

いか

。 

(児童

相談

所の

示す

セイ

フテ

ィー

ゴー

ル・

ステ

イト

メン

ト)

(4) そ

の上

で、

家族

に児

童相

談所

が示

した

子ど

もの

状態

像を

踏ま

えて

、家

族の

目標

(ゴー

ル)を

示し

ても

らう

。家

族が

家族

自身

の未

来の

状態

像を

豊か

に語

るこ

とが

家族

がセ

イフ

ティ

ー・

ゴー

ルを

イメ

ージ

する

助け

にな

る。

(家族

が示

すゴ

ール

)

(5) 児

童相

談所

は子

ども

の安

全に

関し

て絶

対譲

れな

いラ

イン

を示

し、

家族

と目

標を

有す

る。

ここ

で、

子ど

もの

安全

のゴ

ール

が共

有さ

れる

。こ

れに

よっ

て、

家族

と児

童相

談所

が、

どこ

に向

かっ

て歩

いて

いけ

ばよ

いの

かが

明確

に共

有さ

れる

。ゴ

ール

が見

えな

けれ

ば、ど

こに

向か

って

歩み

出せ

ばよ

いの

かわ

から

ない

。(ボ

トム

ライ

ン)

(6) そ

して

、こ

の目

標を

実現

する

ため

の安

全計

画を

家族

自身

に立

てて

もら

う。

計画

立案

は家

族自

身が

行う

ので

ある

。従

来、

児童

相談

所が

家庭

訪問

や通

所の

計画

を立

てた

り、

時に

ペア

レン

ト・

トレ

ーニ

ング

を課

すこ

とな

どを

引き

取り

の条

件と

した

が、

それ

とは

大き

く異

なる

。さ

らに

、安

全計

画は

児童

相談

所等

を十

分に

納得

させ

るも

ので

なけ

れば

なら

ない

。子

ども

の安

全に

妥協

はし

ない

。(セ

イフ

ティ

ー・

ラン

) 

(7) 安

全計

画の

実現

は家

族だ

けで

行わ

れる

ので

はな

く、

家族

は子

ども

の安

全を

守る

めの

イン

フォ

ーマ

ル・

ネッ

トワ

ーク

を、

親族

、知

人、

友人

など

あら

ゆる

人た

ちと

構築

する

こと

が求

めら

れる

。公

的機

関の

ネッ

トワ

ーク

には

自ず

と限

界が

あり

、イ

ンフ

ォー

マル

なネ

ット

ワー

クを

構築

する

こと

が永

続的

な安

全を

構築

する

こと

につ

なが

って

いく

ので

ある

。(セ

イフ

ティ

ー・

ネッ

トワ

ーク

の構

築)

(8) 更

に、

安全

計画

の中

心に

常に

子ど

もが

いて

、子

ども

は安

全計

画作

りに

参画

して

なけ

れば

なら

ない

。今

何が

起き

てい

るの

か、

なぜ

、保

護所

にい

るの

か、

なぜ

施設

に行

くの

か、

家に

戻っ

たと

きに

何が

心配

され

るの

か、

誰に

頼れ

ばよ

いの

か、

分の

意見

はど

のよ

うに

反映

され

るの

かと

いっ

たこ

とを

子ど

も自

身が

わか

らな

いま

ま、

支援

方針

が大

人だ

けで

決め

られ

てい

くこ

とが

ない

よう

にし

なけ

れば

なら

ない

-313-

― 2

2 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 2

3 ―

(ワー

ズ&

ピク

チャ

ーズ

等に

よる

子ど

もの

参画

)

(9) 安

全計

画は

子ど

もの

安全

を確

実に

守る

ルー

ルと

ガイ

ドラ

イン

によ

って

構成

され

る。

また

、安

全計

画の

確実

な履

行が

なさ

れて

いる

か否

かの

立証

責任

は家

族に

あり

家族

が児

童相

談所

等に

いか

に安

全計

画が

履行

され

、子

ども

の安

全が

守ら

れて

いる

のか

を示

さな

けれ

ばな

らな

いの

であ

る。

(安全

計画

の履

行と

安全

の立

証責

任)

(10)

児童

相談

所の

かか

わり

の終

結は

、実

際に

子ど

もの

安全

が一

定期

間守

られ

続け

こと

が確

認さ

れ、

イン

フォ

ーマ

ルな

ネッ

トワ

ーク

に子

ども

の安

全の

担保

を委

ねる

こと

がで

きる

とき

であ

る。

(終結

の理

由と

それ

にい

たる

プロ

セス

)

ここ

に示

した

こと

は、

これ

まで

の児

童相

談所

の実

践を

振り

返っ

てみ

ても

、簡

単な

とで

はな

い。

だか

らこ

そ、

対話

の中

で家

族の

スト

レン

グス

を引

き出

し、

この

困難

な作

業を

やり

ぬく

関係

性が

何よ

り大

切な

のは

言う

まで

もな

い。

特に

、(6

)の安

全計

画を

作る

のは

家族

であ

ると

いう

こと

 (7

)の子

ども

の安

全を

ぐる

イン

フォ

ーマ

ルな

ネッ

トワ

ーク

を家

族自

身が

構築

しな

けれ

ばい

けな

いと

いう

点。

これ

まで

は虐

待の

事実

を親

族に

知ら

せる

こと

すら

拒否

する

こと

が多

かっ

たこ

とを

考え

れば

、大

きな

課題

であ

る。

(9)の

安全

計画

の確

かな

履行

は、

家族

が立

証し

なけ

れば

らな

いと

いう

こと

など

は、

いず

れも

従来

の児

相の

実践

とは

質的

に相

違す

る。

確か

に簡

単な

こと

では

ない

が、

サイ

ンズ

のマ

ッピ

ング

を経

て、

安全

プラ

ンを

作る

こと

を依

頼し

た多

くの

家族

が、

子ど

もの

安全

につ

いて

一生

懸命

考え

、文

章に

して

私た

ちに

示し

てく

れた

経験

をし

てい

る。

安全

のサ

イン

は家

族の

中に

ある

ので

ある

上記

の(1

)~(1

0)は

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セイ

フテ

ィー

・ア

プロ

ーチ

のす

べて

を言

当て

てい

るわ

けで

はな

いと

思う

。し

かし

、こ

こに

示し

たこ

とを

意識

して

組織

的に

進め

てい

る児

童相

談所

はそ

れほ

ど多

くは

ない

ので

はな

いか

と思

う。

おそ

らく

、サ

イン

ズ・

オブ

・セ

イフ

ティ

ー・

アプ

ロー

チを

四分

の一

の児

童相

談所

が取

り入

れて

いる

とい

う本

研究

の調

査結

果は

、そ

のス

キル

を部

分的

に取

り入

れて

いる

、あ

るい

は、

個人

的に

導入

して

いる

とい

うレ

ベル

にと

どま

って

いる

と推

察さ

れる

しか

し、

部分

的な

導入

では

子ど

もの

安全

に焦

点を

あて

続け

てい

ると

いう

こと

には

らな

い。

時に「

介入

的な

判断

から

開始

され

た作

業の

意義

がき

ちん

と評

価さ

れな

いま

ま、

支援

名目

の関

係性

だけ

が一

人歩

きし

てし

まっ

たり

する

」と

いう

こと

にも

なり

かね

ない

― 2

2 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/支援プログラムと子どもの安全について

― 2

3 ―

ので

ある

。安

全に

焦点

を当

てた

、で

はな

く、

介入

の最

初か

ら終

結ま

で子

ども

の安

全に

焦点

を合

わせ

続け

ると

いう

こと

が、

今求

めら

れて

いる

ので

ある

子ど

も虐

待対

応の

中で

の保

護者

支援

とは

「子

ども

の安

全を

守る

とい

う目

的に

向か

て、

家族

が主

体者

とな

り続

ける

こと

を支

援す

るこ

と」

であ

り、

虐待

のな

い生

活と

いう

選択

肢を

家族

に示

し、

とも

に考

え続

ける

こと

では

ない

かと

思う

。非

常に

、難

しい

実践

であ

る。

しか

し、

この

困難

な作

業を

家族

とや

りき

らな

けれ

ば子

ども

の安

全、

家族

の求

める

未来

には

近づ

いて

いか

ない

ので

ある

3

.子

ども

の安

全と

保護

者支

援プ

ログ

ラム

以上

述べ

たよ

うに

、本

論で

紹介

して

いる

様々

な保

護者

支援

プロ

グラ

ムは

子ど

もの

全・

安心

の構

築と

いう

土台

の上

に成

り立

つも

ので

ある

。そ

して

、様

々な

支援

プロ

グラ

ムそ

のも

のは

、子

ども

の安

全・

安心

に密

接に

関わ

るも

ので

ある

が、

それ

ぞれ

のプ

ログ

ラム

の目

的、

目標

に近

づく

こと

、達

成が

、安

全・

安心

の構

築と

同じ

では

ない

。し

たが

て、

何ら

かの

プロ

グラ

ムを

実施

した

こと

で安

全が

確保

でき

るわ

けで

はな

い。

では

、支

援プ

ログ

ラム

とは

何で

あろ

うか

子ど

も虐

待に

おけ

る保

護者

支援

とは

「子

ども

の安

全を

守る

とい

う目

的に

向か

って

家族

が主

体者

とな

り続

ける

こと

を支

援す

るこ

と」、

そし

て、

その

ため

に家

族が

考え

いく

枠組

みを

提供

する

こと

で、

家族

の<

これ

から

のあ

り方

>に

つい

ての

選択

肢を

やし

、対

話に

よっ

て構

築さ

れた

目標

に向

かっ

て、

家族

と協

働す

るこ

とで

ある

、と

私は

思っ

てい

る。「

保護

者支

援プ

ログ

ラム

」とは

、その

プロ

セス

の中

で、そ

の動

機を

高め

たり

それ

を推

進す

るエ

ネル

ギー

とな

った

り、更

に、様

々な

視点

で親

子関

係を

捉え

なお

すき

かけ

であ

った

り、

より

良い

関係

を構

築す

るこ

とな

どを

進め

るた

めに

、家

族自

身が

選択

して

いく

もの

では

ない

だろ

うか

。い

わば

、「安

全の

質」

を高

め、

より

良い

家族

を実

して

いく

ため

の方

法論

であ

り、

メニ

ュー

であ

ると

考え

てい

る。

「保

護者

支援

プロ

グラ

ム」

とは

、子

ども

の安

全と

いう

土台

の上

に、

家族

と支

援者

対話

を進

め、

その

こと

によ

って

築か

れた

協働

関係

を支

えと

しな

がら

、家

族自

身が

選択

し、

積み

上げ

てい

くも

ので

ある

と思

う。

-314-

― 2

4 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

― 2

5 ―

引用

文献

(1)

「児童

虐待

相談

にお

ける

初期

調査

と子

ども

から

の事

情聴

取の

専門

性、

およ

びそ

らの

基礎

とな

る子

ども

の安

全を

軸と

した

介入

的ソ

ーシ

ャル

ワー

クの

あり

方に

つい

の調

査研

究」

主任

研究

者 

山本

恒雄

 平

成25

年3

月 

財団

法人

こど

も未

来財

参考

文献

(1)菱

川 愛

「講

座 

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セー

フテ

ィー

・ア

プロ

ーチ

[1]

~[

4]」『

ソー

シャ

ルワ

ーク

研究

』vo

l.39,

№1

~№

4,相

川書

房 2

013

(2)サ

イン

ズ・

オブ

・セ

イフ

ティ

ー概

論 

The

Sig

ns o

f S

afet

y A

com

preh

ensi

ve

Bri

efing

Pap

er A

ndre

w T

urne

ll 20

10 菱

川 愛

訳 

(3)井

上直

美 井

上 薫

(201

0)「子

ども

虐待

防止

のた

めの

家族

支援

ガイ

ド S

oSA

入門

金剛

出版

 

(4)T

urn

ell

An

dre

w a

nd

Su

sie

Ess

ex(2

006)

WO

RK

ING

WIT

H ‘

DE

FIN

E’

CH

ILD

AB

US

E: T

he R

esol

utio

n A

ppro

ach,

1ST

editi

on, O

pen

Uni

vers

ity

Pre

ss U

K L

imm

ted.

井上

薫、

井上

直美

監訳

,200

8「児

童虐

待を

認め

ない

親へ

対応

リゾ

ルー

ショ

ンス

・ア

プロ

ーチ

によ

る家

族の

再統

合」

明石

書店

 

(5)T

urn

ell

An

dre

w a

nd

Ed

war

ds

Ste

ve(1

999)

A s

olu

tion

an

d S

afet

y

orie

nted

App

roac

h to

Chi

ld P

rote

ctio

n C

asew

ork.

=20

04。

白木

孝二

・井

上 薫

・井

上直

美監

訳「

安全

のサ

イン

を求

めて

 子

ども

虐待

防止

のた

めの

サイ

ンズ

オブ

・セ

イフ

ティ

ー・

アプ

ロー

チ」

金剛

出版

― 2

4 ―

総論/支援プログラムと子どもの安全について

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

― 2

5 ―

プロ

グラ

ム活

用の

道筋

と体

制づ

くり

  

1.

家族

支援

の体

制の

中で

児童

相談

所で

保護

者支

援プ

ログ

ラム

を実

施し

てゆ

く上

では

、児

童相

談所

の業

務の

にプ

ログ

ラム

を取

り入

れて

ゆく

とい

うス

テッ

プが

ある

。プ

ログ

ラム

を取

り入

れて

ゆく

のに

際し

て、

何か

「土

台」

のよ

うな

もの

が出

来て

いる

と、

その

上で

実施

でき

るこ

とを

検討

する

とい

うこ

とに

なっ

て、自

然に

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

やす

い。

その

「土

台」

とは

、あ

るい

は全

国で

約2

割の

児童

相談

所が

設置

して

いる

「家

族支

援チ

ーム

」も

くは

「家

族支

援担

当」

のよ

うな

役割

をし

てい

る職

員の

取り

組み

であ

り、

もし

くは

担当

のケ

ース

ワー

クの

流れ

がシ

ステ

ムと

して

確立

され

てい

る 場

合も

ある

家族

支援

の全

体像

とし

て 、

例え

ば担

当の

児童

福祉

司と

か、

担当

の相

談員

、児

童心

理司

の他

に、

第3

のポ

ジシ

ョン

とし

て親

子支

援チ

ーム

によ

るチ

ーム

・ア

プロ

ーチ

で、

家族

支援

をし

てい

く。

保護

者に

対し

ては

、応

援す

るポ

ジシ

ョン

が別

にあ

り、

そこ

と一

緒に

取り

組む

こと

にな

ると

、児

相職

員と

の間

で対

立的

な関

係が

生ま

れて

いて

も、

歩み

寄れ

るよ

うに

なる

こと

もあ

る。

「家

族支

援プ

ログ

ラム

」に

関し

て、

標準

的な

モデ

ルが

設定

され

てい

て、

その

中に

れる

形で

CS

Pな

どを

組み

込む

こと

も有

効で

ある

。ま

た、

家族

支援

チー

ムの

機能

が明

確に

備わ

って

いれ

ば、

何か

良い

もの

があ

れば

、取

り入

れて

みよ

うと

いう

こと

にな

る。

この

よう

な状

況が

あれ

ば、

そう

でな

い場

合に

比べ

て、

プロ

グラ

ムの

取り

入れ

は容

易と

なろ

う。

本ハ

ンド

ブッ

ク で

言う

「プ

ログ

ラム

の実

施」

とい

うの

は、

以上

のよ

うな

流れ

の中

で行

われ

る必

要が

ある

とい

うこ

とが

出来

る。

「支

援チ

ーム

」の

構成

は児

童相

談所

によ

って

様々

であ

る。

たと

えば

、県

内の

児童

談所

で親

子支

援チ

ーム

がそ

れぞ

れの

所に

、児

童福

祉司

と児

童心

理司

とい

う2

名で

配置

され

、家

族支

援に

関す

る業

務を

専属

で行

い、

地域

性や

、ケ

ース

の数

は異

なっ

ても

大体

基本

的に

は同

じよ

うな

取り

組み

をし

てい

ると

いう

とい

う場

合が

ある

。ま

た、

一人

の児

-315-

― 2

6 ―

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

― 2

7 ―

童福

祉司

が自

身の

担当

を持

つ一

方で

、担

当で

ない

ケー

スに

関し

て親

子支

援チ

ーム

の構

成メ

ンバ

ーと

して

機能

する

と言

った

仕組

みを

作っ

てい

る場

合も

ある

家族

支援

チー

ムの

有無

にか

かわ

らず

、プ

ログ

ラム

が導

入さ

れる

のは

、ケ

ース

ワー

の流

れの

中で

ある

と言

うこ

とが

出来

る。

大き

な長

期的

な方

針を

、家

族支

援チ

ーム

との

協働

など

も含

めて

、全

体的

にコ

ーデ

ィネ

ート

して

いく

のは

主担

当で

ある

児童

福祉

司と

いう

こと

にな

る。

ケー

スワ

ーキ

ング

の流

れが

明確

なら

ば、

そこ

に何

を組

み入

れて

ゆく

かと

いう

主担

当の

判断

も、

そう

でな

い場

合に

比べ

て容

易に

なる

家族

支援

チー

ムの

よう

な基

盤が

あま

りな

いと

ころ

でプ

ログ

ラム

を始

める

とい

う場

もあ

る。

簡単

なと

ころ

から

取り

入れ

て、

どう

だっ

たか

を、

周り

の職

員と

話し

合っ

てみ

るこ

とが

有効

であ

る。

エッ

セン

スを

伝え

るよ

うな

とこ

ろか

らで

も始

めて

見る

とよ

いだ

ろう

  2

.ゴ

ール

が明

確な

プラ

ンニ

ング

とア

セス

メン

トの

大切

問題

を明

確に

し、

プラ

ンニ

ング

のゴ

ール

を定

めて

ゆく

。ゴ

ール

とは

、子

ども

の安

全・

安心

な生

活を

実現

する

とと

もに

子ど

もの

パー

マネ

ンシ

―を

保障

する

形態

のこ

とで

ある

が、

見通

しが

変わ

るこ

とも

無論

ある

。プ

ラン

の中

には

、面

接何

回、

面会

何回

等が

書い

てあ

るだ

けの

もの

も見

られ

るが

、援

助の

方向

性や

その

ため

の手

法な

ど、

十分

に記

載さ

れた

もの

でな

けれ

ばな

らな

い。

ヒス

トリ

ーを

ただ

羅列

する

だけ

でい

ると

、ス

トー

リー

が本

来の

筋道

から

ずれ

てゆ

く可

能性

が強

くな

り、

アセ

スメ

ント

が困

難と

なる

。 目

すも

のと

現状

の差

から

して

、何

が必

要か

とい

うプ

ラン

ニン

グを

行う

のが

本来

の姿

であ

る。 プ

ラン

ニン

グに

おい

ては

、見

通し

が描

けて

いる

かが

問題

であ

る。

プロ

グラ

ムが

使わ

れる

過程

で、

どん

な目

的で

どの

よう

にプ

ログ

ラム

を活

用す

るか

を保

護者

に伝

えて

ゆけ

るか

どう

かは

、ゴ

ール

の明

確な

プラ

ンニ

ング

の中

で可

能と

なる

ロー

ドマ

ップ

が描

かれ

、見

通し

が立

てら

れ、

ゴー

ルが

定め

られ

る。

数年

後を

見越

たケ

ース

ワー

クは

プロ

グラ

ムを

入れ

てゆ

く基

盤で

ある

。流

れに

合っ

た特

徴を

持つ

プロ

グラ

ムが

組み

込ま

れて

ゆく

必要

があ

る。 ―

26

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

― 2

7 ―

  

3.

プロ

グラ

ムが

組み

込ま

れて

ゆく

道筋

家族

支援

チー

ムの

有無

にか

かわ

らず

、ケ

ース

ワー

クの

流れ

や家

族支

援の

流れ

のな

では

、当

然ア

セス

メン

トが

必要

な時

点で

行わ

れて

いる

わけ

であ

り、

個々

のプ

ログ

ラム

を組

み合

わせ

てゆ

くう

えで

は、

保護

者が

プロ

グラ

ムを

受け

るの

に適

した

状態

かを

判断

の上

で実

施す

ると

言う

こと

にな

る。

流れ

の中

で、

個々

のプ

ログ

ラム

を組

み合

わせ

てゆ

く場

合は

、相

手に

合わ

せて

、ど

やっ

てい

くか

を見

極め

るの

が重

要で

ある

。個

々の

プロ

グラ

ムに

保護

者が

うま

く乗

れな

いよ

うな

印象

が有

った

場合

、保

護者

を否

定的

に見

るの

では

なく

て、

プロ

グラ

ムが

合う

か合

わな

いか

とい

う点

をき

ちん

とア

セス

メン

トで

きて

いな

いこ

とが

問題

にな

る。

アセ

スメ

ント

が出

来て

いる

と、

これ

に役

立つ

プロ

グラ

ムを

選択

する

こと

が出

来る

逆に

、ア

セス

メン

トで

きて

いな

いと

、プ

ログ

ラム

の活

用上

問題

が生

じる

こと

とな

る。

  

4.

保護

者支

援プ

ログ

ラム

実施

の評

保護

者支

援プ

ログ

ラム

の実

施は

ケー

スワ

ーク

の流

れの

中で

ある

とい

うこ

とが

共通

項で

ある

から

、そ

の効

果が

どう

であ

った

かは

、当

然ケ

ース

ワー

クの

流れ

の中

で、

見て

ゆく

こと

にな

る。

プロ

グラ

ムの

中に

は、む

ろん

数値

化し

た指

標で

評価

する

もの

もあ

り、

その

場合

効果

が数

字で

表れ

るが

、そ

れで

も、

ケー

スワ

ーク

の中

で、

プロ

グラ

ムを

実施

して

どう

だっ

たか

を、

同時

に見

てゆ

くこ

とに

なる

。児

童相

談所

のケ

ース

には

、仕

組み

とし

て、

担当

者 や

家族

支援

担当

が存

在す

るわ

けだ

から

、親

にと

って

、プ

ログ

ラム

実施

して

どう

だっ

たか

は、

担当

者や

、共

に取

り組

んで

いる

家族

支援

チー

ムな

どが

把握

して

いる

こと

にな

る。

プロ

グラ

ムの

評価

とし

て効

果判

定を

行っ

てゆ

くこ

とが

重要

であ

る。

それ

は、

アセ

スメ

ント

にお

いて

も参

考に

され

る。

プロ

グラ

ムに

よっ

ては

それ

に合

った

評価

法が

設定

され

てい

る場

合が

ある

。た

とえ

ばPC

IT 

はEC

BIに

よっ

て評

価さ

れ、

親指

標も

取ら

れる

。ト

リプ

ルP

は、

SD

Qを

はじ

めと

した

いく

つか

の尺

度に

よっ

て評

価さ

れる

。A

F-C

BT

及び

TF-

CB

T は

対応

した

評価

法が

定め

られ

てい

るほ

か、

毎回

チェ

ック

イン

で状

況把

握を

行う

プロ

グラ

ムに

よっ

ては

、決

まっ

た評

価尺

度を

求め

てい

ない

もの

もあ

る。

CR

C、

-316-

― 2

8 ―

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

― 2

9 ―

MyT

ree、

CS

Pは

現場

の感

覚で

判断

され

、ク

ライ

エン

ト個

人の

自己

申告

によ

る評

も活

用さ

れて

いる

プロ

グラ

ムに

は、

二通

りの

面が

ある

。す

なわ

ちコ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

の道

具と

して

知っ

てい

て便

利で

ある

もの

と治

療構

造の

ある

もの

との

二通

りで

ある

。後

者の

特徴

の強

いプ

ログ

ラム

には

、客

観的

に評

価す

るた

めの

尺度

があ

るこ

とが

多い

  

5.

プロ

グラ

ム終

了後

の支

プロ

グラ

ム実

施後

の親

の状

況を

フォ

ロー

して

ゆく

に当

たっ

ては

、児

童相

談所

内は

担当

児童

福祉

司が

見て

行く

ので

、家

族支

援担

当や

、プ

ログ

ラム

の実

施者

は、

その

効果

をフ

ォロ

ーし

たい

場合

、担

当児

童福

祉司

と経

過を

共有

する

。転

出等

で該

当児

童相

談所

ケー

スで

なく

なる

場合

は、

転出

先児

童相

談所

や関

係者

など

とと

もに

ケー

ス会

議を

開催

する

など

して

、支

援を

繋げ

てゆ

く。

プロ

グラ

ム終

了後

の支

援は

、プ

ログ

ラム

を自

分の

もの

とし

て定

着さ

せて

ゆく

プロ

スで

ある

。フ

ォロ

ーと

いう

と、

単な

る見

守り

の意

味に

とら

れる

こと

もあ

るが

、そ

うで

はな

くて

、プロ

グラ

ムを

生活

の中

で実

践で

きて

いる

かど

うか

を見

るこ

とが

重要

であ

る。

  

6.

組織

的な

運用

プロ

グラ

ム を

組織

的に

活用

する

こと

によ

って

、児

童相

談所

の中

での

取り

組み

の継

続性

が保

てる

。組

織的

活用

に当

たっ

ては

、プ

ログ

ラム

が運

用さ

れて

行く

母体

とな

る仕

組み

を作

るこ

とが

肝要

とな

る。

家族

支援

チー

ムが

組織

とし

て設

置さ

れて

いる

場合

も含

む。

特定

の職

員だ

から

でき

る、

とい

った

もの

でな

く仕

組み

とし

て取

り組

んで

ゆけ

る方

向性

を作

る必

要が

ある

これ

が仕

組み

とし

て動

いて

いる

場合

、新

任の

職員

に最

初の

研修

で伝

えて

いる

自治

体も

ある

。こ

のよ

うな

場合

には

組織

とし

て家

族支

援チ

ーム

が定

着し

てい

る状

況が

見ら

れる

家族

支援

チー

ムは

、組

織の

中で

位置

づけ

られ

ない

と続

かな

い。

熱心

な職

員に

頼っ

たも

であ

ると

、そ

の人

がい

なく

なっ

たと

きに

動か

なく

なる

。保

護者

支援

プロ

グラ

ムの

取組

組織

とし

て位

置づ

けら

れて

いる

とこ

ろで

は、続

いて

いる

。そ

のた

めの

取組

が必

要で

ある

― 2

8 ―

総論/プログラム活用の道筋と体制づくり

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

― 2

9 ―

ギリ

シャ

神話

に「

プロ

クル

ステ

スの

ベッ

ド」

とい

う逸

話が

ある

。プ

ロク

ステ

スと

いう

悪人

が、旅

人に

「我

が家

には

、どん

な人

にも

ぴっ

たり

と合

うベ

ドが

用意

して

ある

。泊

まっ

てい

かな

いか

」と

声を

かけ

、自

宅に

連れ

込み

、歓

待し

た後

、ベ

ッド

に案

内し

た。

そこ

には

1台

のベ

ッド

があ

るの

み。

そこ

彼が

した

こと

は、

ベッ

ドか

らは

み出

す人

は、

足を

切り

、背

丈が

足り

ない

人は

引き

ちぎ

る、

とい

う残

虐極

まり

ない

こと

であ

った

とい

う。

この

逸話

は、

現代

にお

いて

、様

々な

こと

に例

えら

れて

使わ

れる

。た

とえ

ば、

福祉

にお

いて

、相

手が

求め

てい

るこ

とを

、支

援者

側が

用意

する

型に

むり

やり

にあ

ては

めよ

うと

する

こと

、そ

の危

惧に

つい

て語

る時

に引

用さ

れる

こと

もあ

る。

実は

、本

ハン

ドブ

ック

にも

同様

の落

とし

穴が

ある

その

落と

し穴

とは

、①

プロ

グラ

ムと

は、

個々

のケ

ース

に合

わせ

てそ

のケ

スに

最も

合っ

た形

で実

施さ

れね

ばな

らな

いと

いう

こと

 ②

プロ

グラ

ムは

支援

者-

保護

者間

の関

係性

が構

築さ

れて

いる

こと

を常

に意

識し

なけ

れば

なら

ない

(た

だし

それ

は、

導入

前に

既に

関係

が出

来て

いる

こと

が前

提と

され

る場

合も

あれ

ば、

プロ

グラ

ムが

進む

中で

、プ

ログ

ラム

への

確か

な手

応え

を感

じ、

参加

意欲

が高

まる

中で

自然

と関

係が

でき

てく

るこ

とも

ある

)と

いう

2点

であ

る。

現在

、虐

待の

家族

支援

プロ

グラ

ムと

して

、各

地で

様々

なプ

ログ

ラム

が実

され

てい

る。

各プ

ログ

ラム

は、

虐待

の再

発予

防を

目的

とし

て行

われ

るの

であ

るが

、こ

こで

肝に

銘じ

てお

かね

ばな

らな

いの

は、

全て

のプ

ログ

ラム

は、

参加

者と

の良

好な

関係

を築

いた

上で

、実

施さ

れな

けれ

ばな

らな

い、

とい

う原

則で

ある

。た

だ実

際に

は、

プロ

グラ

ムが

進ん

でい

く中

で、

関係

がで

きて

いく

場合

もも

ちろ

んあ

る。

また

、関

係性

形成

自体

もプ

ログ

ラム

の目

的と

して

組み

込ま

れて

いる

もの

もあ

る。

いず

れに

して

も、

プロ

グラ

ムと

は、

支援

者と

保護

者と

児童

虐待

にお

ける

、支

援者

―保

護者

間の

関係

性形

成と

プロ

グラ

ムの

個別

化に

つい

コ ラ

-317-

― 3

0 ―

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

― 3

1 ―

の関

係性

がそ

の中

核に

あっ

ては

じめ

てう

まく

機能

する

もの

なの

であ

る。

ここ

にお

ける

関係

性と

は、

支援

者と

支援

を受

ける

側の

間で

育ま

れた

情緒

的結

びつ

きの

こと

をい

う。

なぜ

ここ

で、

あえ

て関

係形

成に

つい

て論

じる

のか

。そ

れは

、児

童相

談所

とい

う場

所が

、福

祉機

関と

して

、特

殊な

機能

を持

つこ

とに

由来

する

。現

の児

童相

談所

は、

法に

基づ

き、

子ど

もと

その

家族

に対

して

様々

な権

限を

ち、

その

こと

自体

が、

支援

者と

保護

者の

間の

パワ

ーの

差を

生み

出し

てい

る。

これ

は、

ケー

スワ

ーク

とし

て、

子供

の安

全を

確保

する

とい

う意

味に

おい

て、

やむ

をえ

ない

部分

はも

ちろ

んあ

るし

、権

限を

行使

する

こと

によ

り、

保護

側に

、自

らの

行為

につ

いて

気づ

きや

反省

が生

まれ

るこ

とも

ある

ので

一概

良し

悪し

の判

断は

でき

ない

。し

かし

、気

をつ

けな

くて

はな

らな

いの

は、

的介

入が

、保

護者

と支

援者

の関

係形

成を

阻害

し、

その

こと

によ

り、

保護

が支

援者

に対

して

反感

を感

じ、

本来

プロ

グラ

ムが

持つ

はず

の効

果を

減じ

る、

もし

くは

逆効

果に

働く

危険

性を

持つ

とい

うこ

とで

ある

。法

を強

制的

に行

使

され

た保

護者

は、

必ず

やこ

ころ

の傷

を抱

えて

いる

こと

を決

して

忘れ

ては

らな

い。

ある

者は

、な

ぜ我

が子

を取

り上

げら

れね

ばな

らな

かっ

たの

かが

から

ず理

解に

苦し

むだ

ろう

。ま

たあ

る者

は、

自分

のし

てい

たこ

とは

良く

いこ

とと

わか

りつ

つ、

子ど

もの

難し

い行

動に

どう

対処

すれ

ばよ

いの

かわ

らず

、体

罰こ

そが

唯一

それ

に処

すこ

との

でき

る方

法だ

と長

年信

じて

いた

で、

混乱

を来

し、

なか

なか

事態

を受

け入

れら

れな

いと

いう

こと

もあ

るで

ろう

。こ

のよ

うな

場合

、児

童相

談所

によ

る法

的介

入は

、保

護者

に対

し情

的な

混乱

や怒

りの

気持

ちを

引き

起こ

すこ

とも

ある

であ

ろう

。そ

の揺

れ動

情緒

と向

き合

うと

ころ

から

、虐

待対

応は

スタ

ート

する

ので

ある

保護

者支

援プ

ログ

ラム

は、

保護

者の

養育

行動

の改

善が

大き

な目

的の

一つ

にな

る。

しか

しな

がら

、長

年形

成さ

れて

きた

養育

行動

を変

化さ

せる

こと

は、

誰に

とっ

ても

並大

抵の

こと

では

ない

。そ

れは

、養

育行

動と

は、

子ど

もが

まれ

てか

ら、

もし

くは

その

前か

ら、

家族

のお

かれ

た環

境を

背景

にし

て、

れぞ

れの

保護

者の

、感

情や

考え

方の

中で

培わ

れて

きた

もの

だか

らで

ある

― 3

0 ―

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

― 3

1 ―

また

、保

護者

自身

が虐

待を

受け

て、

歪ん

だ養

育モ

デル

を持

ち併

せし

まっ

てい

る場

合も

多い

。そ

のよ

うに

様々

な背

景を

持っ

て培

われ

てき

た行

動を

変え

てい

くに

は、

高度

なス

キル

が要

求さ

れる

。支

援者

個人

の経

験に

加え

て、

行動

変容

のた

めの

心理

療法

の手

法が

ふん

だん

に盛

り込

まれ

てい

る保

護者

支援

プロ

グラ

ムを

綿密

に施

行す

るこ

とに

より

、そ

れが

達成

され

る場

合も

もち

ろん

多い

そし

てこ

れら

のプ

ログ

ラム

は、

支援

者の

示す

態度

や、

支援

者と

保護

者と

関係

性が

、そ

の効

果に

大き

な影

響を

及ぼ

すこ

とは

既に

わか

って

いる

。常

暖か

みを

持ち

、保

護者

に対

して

誠実

であ

り、

彼ら

を承

認(

valid

atio

n)し

彼ら

の養

育行

動か

らは

不適

切さ

を的

確に

キャ

ッチ

し、

その

行動

変容

を、

支援

者と

保護

者の

共同

作業

によ

り、

養育

行動

の変

化を

目指

しな

がら

、寄

り添

い続

ける

一貫

した

態度

が、

プロ

グラ

ムが

本来

持つ

はず

の効

果を

引き

出す

ため

の重

要な

要素

とな

るの

であ

る。

保護

者が

納得

しな

いま

まに

プロ

グラ

ムを

行え

ば、

保護

者自

身が

、「支

援者

に自

分の

気持

ちを

わか

って

もら

えな

い」「

気持

ちや

こに

至っ

てし

まっ

た道

筋を

理解

して

もら

えな

い」

とい

う、

怒り

やあ

きら

めの

気持

ちを

、支

援者

に対

し抱

くと

いう

可能

性も

ある

ので

ある

。そ

れは

、困

難事

例を

ます

ます

困難

なも

のと

して

いっ

てし

まう

こと

につ

なが

るか

もし

れな

い。

行動

変容

を目

的と

した

エビ

デン

スの

ある

プロ

グラ

ムは

、何

らか

認知

行動

法の

要素

を含

んで

いる

こと

が多

い。

そし

て、

認知

行動

療法

は、

セラ

ピス

トと

クラ

イア

ント

との

関係

性が

基盤

とな

って

おり

、そ

れな

くし

ては

、決

して

行っ

ては

なら

ない

心理

療法

であ

る。

また

古今

東西

、い

かな

る心

理療

法プ

ログ

ラム

も同

様の

ベー

スが

必要

であ

るこ

とを

否定

する

人は

いな

いで

あろ

う。

家族

再統

合に

おい

ても

、支

援者

と保

護者

の関

係性

が形

成さ

れな

いま

ま、

プロ

グラ

ムが

粛々

と行

われ

た場

合、

プロ

グラ

ムを

続け

るこ

とは

むし

ろ、

有害

であ

る可

能性

すら

ある

ので

ある

支援

の中

では

、ど

のよ

うな

局面

であ

って

も、

保護

者へ

の暖

かな

気持

ちを

ち続

け、

寄り

添い

続け

よう

とす

るこ

とは

、支

援者

と保

護者

との

関係

性を

構築

する

こと

につ

なが

る。

どの

支援

プロ

グラ

ムを

選ぶ

にせ

よ、

その

基本

をお

ろそ

かに

して

はな

らな

いで

あろ

う。

-318-

― 3

2 ―

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

― 3

3 ―

法的

介入

をし

なが

ら、

一方

で同

じ機

関、

さら

には

同じ

担当

者が

再統

合に

けて

いか

ねば

なら

ない

こと

もあ

ると

いう

、我

が国

独特

の実

情を

鑑み

ると

、両

者を

一手

に担

わね

ばな

らな

い支

援者

や相

談所

の苦

労は

並々

なら

ぬも

のが

ある

であ

ろう

。し

かし

、そ

うい

う中

にお

いて

もや

はり

、支

援者

-保

護者

間の

関係

構築

の重

要性

は、

いか

なる

局面

にお

いて

も、

常に

念頭

にお

いて

おか

ねば

なら

ない

こと

であ

る。

プロ

クル

ステ

スの

ベッ

ドの

よう

に、

養育

者を

、特

定の

プロ

グラ

ムと

いう

、型

には

まっ

たベ

ッド

に無

理矢

理に

合わ

せる

こと

は決

して

あっ

ては

なら

ない

。養

育行

動の

変容

は、養

育者

と支

援者

の両

者が

共に

歩み

なが

ら、

深く

考え

、そ

こで

出さ

れた

結論

に基

づい

て実

践し

てい

く、

それ

を繰

り返

して

いく

中で

引き

起こ

され

、定

着し

てい

くも

ので

ある

。そ

のた

めに

、様

々な

切り

口を

持つ

プロ

グラ

ムが

存在

して

いる

。保

護者

自身

が、

自ら

の行

動を

変え

てい

く主

体者

とな

って

いく

には

、個

々に

合っ

たプ

ログ

ラム

の実

施、

そし

て、

その

根底

にあ

る両

者の

関係

が確

固た

るも

ので

ある

こと

、も

しく

は、

少な

くと

もそ

こに

向か

って

いる

こと

は不

可欠

なこ

とで

あろ

う。

法的

対応

と関

係性

の構

築、

その

両立

は、

極め

て困

難で

ある

と感

じる

支援

者も

いる

かも

しれ

ない

が、

それ

を求

める

こと

なく

して

は、

プロ

グラ

ムに

よる

、保

護者

の養

育行

動に

変化

を求

める

こと

は困

難で

ある

こと

は肝

に銘

じて

おか

ねば

なら

ない

ただ

一方

で、

現実

には

、関

係を

作る

のが

なか

なか

思う

よう

に進

まな

い場

もあ

るで

あろ

う。

その

よう

な時

、最

初か

ら関

係性

が十

分に

構築

され

てい

なけ

れば

プロ

グラ

ムを

始め

るべ

きで

はな

い、

とい

うの

もま

た、

言い

過ぎ

であ

るよ

うに

思う

。矛

盾し

て聞

こえ

るか

もし

れな

いが

、実

際に

は、

プロ

グラ

ムを

実施

する

中で

、関

係性

が構

築さ

れ深

まっ

てい

く場

合も

ある

。そ

れは

、プ

ログ

ラム

の中

に、

関係

性形

成を

意識

した

要素

が組

み込

まれ

てい

る場

合に

は特

にそ

うで

ある

。ま

た、

その

よう

なこ

とを

特に

意識

をし

て作

成さ

れて

はい

ない

プロ

グラ

ムで

あっ

たと

して

も、

保護

者が

プロ

グラ

ムを

受け

る中

で、

それ

が自

らの

養育

の助

けに

なる

こと

を実

感し

、そ

の結

果、

自分

の問

題に

気づ

くこ

とも

ある

。も

し保

護者

がそ

こま

で達

する

こと

がで

きれ

ば、(

内心

)困

って

いた

問題

が自

解決

でき

るよ

うに

もな

り、

プロ

グラ

ムの

効果

を実

感で

きる

よう

にな

るの

であ

― 3

2 ―

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

― 3

3 ―

ろう

。そ

れは

とり

も直

さず

、そ

れを

実施

する

人間

やそ

れを

彼ら

に勧

めた

支援

者に

信頼

を寄

せる

こと

につ

なが

る。

その

こと

が、

保護

者―

支援

者間

の関

係性

形成

や信

頼感

を深

め、

保護

者の

養育

行動

を改

善し

、虐

待的

行動

を減

らす

こと

にな

る場

合も

ある

これ

らの

前提

の上

で適

切に

実施

され

たプ

ログ

ラム

は、

いか

んな

く効

果を

揮し

てい

くと

いう

のが

原則

とす

る考

え方

であ

るべ

きな

ので

あろ

う。

これ

らの

関係

を簡

略化

して

下記

の図

に示

す。

保護

者―

支援

者間

の関

係を

形成

した

後に

プロ

グラ

ムを

行う

のか

、プ

ログ

ムを

行っ

てそ

の効

果を

実感

して

もら

うこ

とに

より

、関

係性

を構

築し

、さ

らに

深め

るの

か、

どち

らの

方法

がよ

り適

切で

ある

のか

は、

ケー

スに

より

けり

なの

であ

ろう

。し

かし

、ど

ちら

が先

だと

して

も、

支援

者が

、保

護者

との

信頼

感・

関係

性を

形成

し深

める

こと

を意

識す

るこ

とは

、支

援の

いか

なる

段階

にお

いて

も、

一貫

して

忘れ

ては

なら

ない

こと

であ

るの

は言

うま

でも

ない

*本

パー

トは

、国

立精

神・

神経

医療

研究

セン

ター

・認

知行

動療

法セ

ンタ

ー長

の大

野裕

先生

に一

部ご

助言

をい

ただ

きま

した

。大

野先

生に

は、

心よ

り感

謝申

し上

げま

す。

-319-

― 3

4 ―

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

各論/はじめに

― 3

5 ―

図3

. 保護

者支

援プ

ログ

ラム

の実

施を

養育

行動

の変

化に

結び

つけ

る2

つの

プロ

セス

    

原則

は①

だが

、場

合に

よっ

ては

②で

あっ

ても

良い

プロ

グラ

ムの

実施

プロ

グラ

ムの

効果

保護

者-支

援者

間の

関係

保護

者-支

援者

間の

信頼

養育

行動

の変

化(

=虐

待行

動の

減少

①保

護者

-支

援者

間の

信頼

感・

関係

性構

築後

にプ

ログ

ラム

を実

施す

る。

→治

療的

(支

援)

効果

が上

がる

②プ

ログ

ラム

を実

施し

、そ

の効

果を

実感

して

もら

う中

で、

徐々

に関

係性

・信

頼感

を構

築し

てい

く→

治療

的(

支援

)効

果が

上が

― 3

4 ―

コラム/児童虐待における、支援者―保護者間の 関係性形成とプログラムの個別化について

各論/はじめに

― 3

5 ―

はじ

めに

本章

では

、各

プロ

グラ

ムの

運用

にあ

たっ

ての

課題

や留

意点

など

に触

れて

ゆく

が、

の前

に、

日本

全体

とし

ての

状況

をふ

まえ

てお

くた

めに

、全

国児

童相

談所

の保

護者

支援

プロ

グラ

ムの

取り

入れ

状況

を概

観す

る。

保護

者支

援に

関し

て、

プロ

グラ

ムを

行っ

てい

るか

他の

方法

を取

って

いる

かに

つい

て表

2 に

示す

。特定

の方

法の

プロ

グラ

ム等

を実

施し

てい

る場

合が

半数

を超

えた

。厚労

省マ

ニュ

アル

での

対応

、自

治体

独自

のマ

ニュ

アル

がそ

れぞ

れ3

割台

であ

った

。保

護者

支援

プロ

ラム

実施

など

の取

り組

みが

しに

くい

理由

は人

手や

時間

の不

足が

主な

もの

だっ

た(図

4)

導入

して

いる

プロ

グラ

ムの

名称

につ

いて

図5

に示

す。

コモ

ンセ

ンス

ペア

レン

ティ

グ(

CS

P)

が44

.0%

で最

多、

サイ

ンズ

オブ

セー

フテ

ィア

プロ

ーチ

(SoS

) が

26.0

でそ

れに

次ぎ

、精

研式

ペア

レン

トト

レー

ニン

グは

13.0

%で

あっ

た。

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

てい

った

様子

を年

次推

移で

表す

と、

図6

にな

る。

15年

より

取り

入れ

られ

始め

、最

近数

年の

伸び

が著

しい

事が

分か

る。

プロ

グラ

ム実

施上

の課

につ

いて

質問

紙に

自由

記載

され

たも

のの

内容

を図

示し

てま

とめ

ると

、図7

のよ

うに

なる

表2 貴

所の

児童

虐待

事例

の再

統合

等に

当た

って

の親

支援

につ

いて

、以

下に

当て

はま

るも

のが

あり

まし

たら

、い

くつ

でも

○を

つけ

てく

ださ

い。

1 7

5 (

36.2

%)

厚労

省手

引き

など

を参

照し

つつ

対応

する

にと

どま

って

いる

2 1

3 (

6.28

%)

各児

相独

自の

マニ

ュア

ル等

があ

3 6

9 (

33.3

%)

各自

治体

独自

のマ

ニュ

アル

等が

ある

411

6 (

56.0

%)

特定

の名

称の

援助

技法

や親

プロ

グラ

ムな

どを

実施

して

いる

5 1

9 (

9.1

%)

各所

での

独自

の事

業を

実施

して

いる

各論

:各

プロ

グラ

ムの

活用

-課

題と

工夫

の現

状ー

-320-

― 3

6 ―

各論/はじめに

各論/はじめに

― 3

7 ―

図4

 取

り組

みが

展開

しに

くい

理由

図5

 取

り組

んで

いる

プロ

グラ

図6

― 3

6 ―

各論/はじめに

各論/はじめに

― 3

7 ―

これ

らを

踏ま

え、

それ

ぞれ

のプ

ログ

ラム

にお

いて

、実

施上

の課

題と

解決

のた

めの

夫な

どを

、実

際に

取り

組ん

でい

る児

童相

談所

に聞

き取

り調

査を

行っ

て明

らか

にし

た。

以下

、プ

ログ

ラム

ごと

に聞

き取

り調

査に

よっ

て明

らか

にな

った

点に

つい

て表

にま

とめ

てゆ

く。

実際

に行

って

ゆく

上で

起こ

る問

題に

どの

よう

なも

のが

あり

、ど

のよ

うな

解決

法が

工夫

され

てい

るか

を描

き出

すこ

とに

よっ

て、

具体

的に

実施

して

ゆく

上で

のイ

メー

ジが

作ら

れ、

また

何か

困っ

たと

きの

解決

策と

して

、ご

参考

にな

れば

幸い

であ

る。

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セー

フテ

ィー

(SoS

)は、

正確

には

「プ

ログ

ラム

」で

はな

いが

、活

用の

ため

の工

夫が

記さ

れて

いる

とい

うふ

うに

、ご理

解い

ただ

きた

い。

お示

しし

てい

る表

は、

その

プロ

グラ

ムに

関し

て、

聞き

取り

を行

った

児童

相談

所で

、ど

のよ

うな

考え

方で

やっ

てい

るか

とい

う内

容と

なっ

てい

るが

、そ

のプ

ログ

ラム

に限

った

こと

では

なく

、い

ろい

ろな

プロ

グラ

ム実

施の

ため

に共

通し

て参

考に

なる

考え

かた

も含

まれ

てい

るよ

うに

感じ

るの

で、

取り

入れ

を検

討中

のプ

ログ

ラム

のみ

なら

ず、

いろ

いろ

なプ

ログ

ラム

につ

いて

通読

して

いた

だい

ても

、参

考に

して

いた

だけ

る点

が多

いか

もし

れな

い。

プロ

グラ

ム実

施上

の課

親に

とっ

て内

容が

難解

対象

者が

少な

く、

グル

ープ

にな

らな

プロ

グラ

ムの

趣旨

につ

いて

の共

通認

識を

持つ

必要

があ

途中

で虐

待が

起こ

グル

ープ

に入

れな

い親

スキ

ルが

不十

スー

パー

ビジ

ョン

が必

ケー

スワ

ーク

上の

問題

プロ

グラ

ムの

特質親

側の

要因

人材

・人

員職

員・

職場

の要

職員

の多

親子

分離

・分

離の

長期

人手

・エ

ネル

ギー

・設

備を

要す

ケー

スと

プロ

グラ

ムが

合わ

ない

-321-

― 3

8 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 3

9 ―

プロ

グラ

ム名

:サ

イン

ズ・

オブ

・ セ

ーフ

ティ

ー・

アプ

ロー

チ(S

oS) 

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

(SoS

は、

プロ

グラ

ムで

なく

、ソ

ーシ

ャル

ワー

クの

考え

方で

ある

オー

スト

ラリ

アの

児童

保護

の現

場か

ら生

まれ

世界

各国

で活

用さ

れて

いる

子ど

も虐

対応

の手

法。

当時

者で

ある

親と

子ど

もが

、主

体的

に安

全な

生活

を築

くた

めの

アプ

ロー

チ。

子ど

もの

安全

が実

現す

るた

めの

具体

的な

手法

につ

いて

、現

場の

良い

実践

の積

み重

ねを

体系

的に

まと

めて

いる

。家

族の

持っ

てい

る安

全性

の側

面(強

み)、

支援

者と

親が

パー

トナ

ーシ

ップ

を築

くこ

と、

安全

とリ

スク

をバ

ラン

ス良

くア

セス

メン

トす

るこ

とな

どに

関し

て、

19

99

年に

は12

の原

理と

6の

技法

にま

とめ

てい

る。

現在

も、

現場

良い

実践

を積

み重

ね、

日々

成長

して

いる

手法

であ

る。

日本

の実

践も

世界

にシ

ェア

され

てい

て、

若手

の良

い実

践や

丁寧

な仕

事ぶ

りが

評価

され

てい

る。

プロ

グラ

ムの

実施

に当

たっ

ての

参考

情報

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関講

演会

や研

修会

に参

加す

る。

実践

者の

勉強

会が

定期

的に

開か

れて

いる

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

国際

的に

はト

レー

ナー

の資

格が

ある

。国

内で

は、

勉強

会に

参加

して

いる

メン

バー

を中

心に

無償

で活

動し

てい

る。

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用児

童虐

待の

最善

の実

践を

共有

する

目的

で、

年に

1回

、創

始者

のひ

とり

のア

ンド

リュ

ー・

ター

ネル

を国

内に

招き

、2

日間

の研

修を

行っ

てい

る。

例年

、参加

費は

2万

円前

後で

ある

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用特

にな

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先児

童虐

待を

認め

ない

親へ

の対

応 

アン

ドリ

ュー

・タ

ーネ

ルス

ージ

ー・

エセ

ック

ス 

明石

書店

安全

のサ

イン

を求

めて

 ア

ンド

リュ

ー・

ター

ネル

 ス

ティ

ーブ

・エ

ドワ

ーズ

 金

剛出

版ソ

ーシ

ャル

ワー

ク研

究39

-1

~4

号内

 講

座 

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セー

フテ

ィ・

アプ

ロー

チ 

菱川

 愛

 相

川書

― 3

8 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 3

9 ―

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

ケー

スワ

ーク

の考

え方

なの

で、実

施の

ため

に特

別に

時間

を用

意す

ると

いう

事は

ない

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

○ソ

リュ

ーシ

ョン

・フ

ォー

カス

ト・

アプ

ロー

チの

考え

方を

取り

入れ

てい

るた

め、

解決

像の

ビジ

ョン

を持

って

、そ

れに

向か

って

いく

のが

基本

的ス

タン

ス。

解決

のた

めに

、家

族が

どん

なこ

とに

取り

組む

べき

なの

か、

具体

的で

実効

可能

なプ

ラン

を家

族と

とも

に考

える

ので

、家

族に

とっ

ても

取り

組み

やす

く、

実行

可能

性が

高ま

る。

また

、支

援さ

れる

べき

弱い

家族

から

脱却

し、

主体

性を

回復

させ

るこ

とが

でき

る。

○保

護者

と、「

子ど

もに

何が

起き

るこ

とが

心配

なの

か、

それ

が起

きな

いよ

うに

する

ため

に、

どん

なこ

とが

必要

なの

か」

を共

有で

きる

こと

で、

根拠

のな

い保

護・

措置

期間

の延

長や

、あ

いま

いな

まま

の引

き取

りに

つな

がる

こと

を防

げる

。○

家族

にい

いと

ころ

があ

れば

、子

ども

を返

して

しま

うと

いう

ふう

に誤

解さ

れる

こと

があ

る。

SoS

は、

まず

、子

ども

の安

全の

ため

に何

が必

要な

のか

を正

確に

アセ

スメ

ント

する

。そ

の上

で、

家族

のい

いと

ころ

が、

どう

子ど

もの

安全

につ

なが

って

ゆく

のか

とい

うと

ころ

をシ

ビア

に見

てゆ

く。

たと

えば

、親

に「

思い

」が

ある

とき

、実

際に

それ

はど

のよ

うな

行動

とし

て子

ども

の安

全に

つな

がっ

てゆ

くの

か、

親が

自ら

でき

ない

こと

は何

で補

うの

か等

、行

動レ

ベル

で実

際何

がで

きて

いる

かを

見て

ゆく

もの

であ

る。

○職

員が

SoS

を知

り、

職員

間の

より

よい

実践

を教

えて

もら

う対

話(A

I)の

文化

が根

付い

てく

ると

、そ

のパ

ラレ

ルな

変化

とし

て、

児相

職員

が保

護者

と対

話す

る内

容も

シン

クロ

して

変化

して

ゆく

。子

ども

の危

害の

洗い

出し

や家

族の

強み

を引

き出

す質

問と

して

援助

者を

通し

て、

家族

に投

げか

けら

れて

いく

。※

AI=

App

reci

ated

Inqu

iry

理解

的問

いか

け 

かか

わり

の中

で役

にた

った

こと

、大

切な

こと

は何

かを

教え

ても

らう

質問

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

子ど

もの

安全

(子

ども

に起

きた

危害

が再

発し

ない

ため

の仕

組み

づく

り)

を実

現す

るこ

とを

目的

とし

たソ

ーシ

ャル

ワー

クの

考え

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

-322-

― 4

0 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 4

1 ―

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は年

11回

全職

員参

加希

望者

対象

に半

日の

研修

を行

って

いる

。児

童福

祉司

だけ

でな

く心

理司

や里

親担

当も

参加

対象

とな

って

いる

。○

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

家族

支援

チー

ムが

中心

とな

って

、困

難事

例の

コン

サル

テー

ショ

ンや

SoS

研修

の進

行な

どを

行っ

てい

る。

○ケ

ース

ワー

クの

いい

実践

につ

いて

シェ

アし

たり

、面

接で

一緒

に入

った

職員

が「

ここ

良か

った

ね」

と言

った

りす

る姿

を職

場内

で見

かけ

るこ

とは

多い

。よ

かっ

たと

ころ

につ

いて

のプ

ラス

のフ

ィー

ドバ

ック

があ

るの

で、

無力

感で

終わ

るこ

とは

ない

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

職員

同士

のコ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

の取

りや

すさ

の向

上に

つな

がっ

てい

る。

担当

ケー

スワ

ーカ

ーが

どの

よう

にケ

ース

を見

立て

てい

るの

か、

親に

児相

の心

配を

どの

よう

に伝

えて

いる

のか

を、

SoS

の考

え方

を土

台に

した

り、「

デン

ジャ

ーは

?」

など

の共

通言

語を

使う

こと

で短

時間

で理

解し

あえ

る。

ケー

スカ

ンフ

ァレ

ンス

のプ

レゼ

ン時

間が

短時

間で

も有

効に

使え

る。

AI風

土も

コミ

ュニ

ケー

ショ

ンを

円滑

にし

てい

ると

思わ

れる

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、研

修体

制の

確立

と継

続に

力を

注い

でい

る。

有用

性を

所に

理解

して

もら

うた

め、

初期

の家

族支

援チ

ーム

は、

難し

い事

例に

積極

的に

貢献

して

きた

。困

難事

例で

の成

功を

積み

重ね

てい

くこ

とで

職場

内で

承認

を得

るこ

とが

でき

、現在

の充

実し

た研

修体

制に

つな

がっ

てい

る。

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

実施

して

の効

果な

どの

状況

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、児

童の

安全

を守

るし

くみ

につ

いて

、ど

のよ

うな

事例

でも

緻密

に話

し合

われ

る。

結果

、S

BS

(揺さ

ぶら

れっ

子症

候群

)や

性的

虐待

など

の重

傷事

例で

、通

常長

く分

離が

判断

され

るケ

ース

につ

いて

も、

安全

性が

確認

でき

るた

め、

早期

の家

族再

統合

がな

され

る。

家族

自ら

考え

るこ

とで

、継

続性

の高

いし

くみ

がで

きる

。そ

のた

め、

子ど

もの

安全

がよ

り長

く持

続す

る。

ケー

スワ

ーカ

ーの

専門

家と

して

のア

イデ

ンテ

ィテ

ィが

確立

され

、仕

事へ

の満

足度

・役

割へ

の自

信な

どが

向上

する

。バ

ーン

アウ

トを

防止

し、

家族

と前

向き

に協

働す

るモ

チベ

ーシ

ョン

が維

持さ

れる

― 4

0 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 4

1 ―

人員

や時

間の

確保

につ

いて

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は、

まず

は5

月ご

ろか

ら始

まる

SoS

入門

研修

を学

びの

場と

して

提供

して

いる

。新

人職

員や

、異

動し

てき

た職

員を

対象

とし

てい

る。

SoS

の基

本的

な考

え方

を、

半日

×3

セッ

ショ

ンか

けて

伝え

てい

る。

これ

まで

は外

部講

師を

招い

て行

って

きた

が、

平成

22年

度か

らは

、所

内の

職員

が講

師を

担え

るま

でに

なっ

てい

る。

新人

職員

も1

年目

から

地区

担当

の児

童福

祉司

とな

る。

不安

も多

いが

、S

oSを

土台

に実

践を

積み

重ね

るこ

とが

でき

てい

る。

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は、

SoS

での

実践

を深

く積

んで

いる

職員

を中

心に

児童

福祉

司と

児童

心理

司の

混合

で構

成さ

れた

家族

支援

チー

ムが

ある

。家

族支

援会

議の

運営

、研

修の

企画

、ケ

ース

ワー

ク上

のア

ドバ

イス

をす

る役

割で

あっ

たり

、困

難ケ

ース

に家

族支

援担

当と

して

かか

わり

、担

当者

をサ

ポー

トし

てい

る。

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

○所

内向

けの

サポ

ート

(ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

)年

に11

回東

海大

学の

菱川

氏を

お招

きし

てい

る。

全職

員参

加希

望者

対象

で2

時間

の研

修。

菱川

氏が

ケー

スを

ファ

シリ

テー

トし

アセ

スメ

ント

する

。エ

ッセ

ンス

を伝

えた

り、

議論

を参

加者

に投

げか

ける

こと

で、

参加

者の

アセ

スメ

ント

力、

家族

の力

を引

き出

すケ

ース

ワー

ク力

を伸

ばし

てい

る。

SoS

の枠

組み

でケ

ース

ワー

クを

アセ

スメ

ント

し、

支援

プラ

ンを

立て

る目

的で

、週

に1

回1

時間

半の

枠で

家族

支援

会議

を行

って

いる

。各

担当

者が

ケー

スの

進行

で迷

った

り、

確認

した

いと

きに

その

時間

を使

って

検討

する

。臨

時で

行う

こと

もあ

る。

担当

者と

家族

支援

チー

ムの

メン

バー

数名

が参

加し

、ケ

ース

をア

セス

メン

トし

てい

る。

○家

族支

援チ

ーム

への

スー

パー

ビジ

ョン

(ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

)菱

川氏

に年

に6

回所

内家

族支

援会

議の

スー

パー

ビジ

ョン

を依

頼。

家族

支援

チー

ムの

ファ

シリ

テー

ト力

の向

上を

目的

とし

てい

る。

ファ

シリ

テー

ター

の良

かっ

たと

ころ

や今

後の

課題

につ

いて

取り

上げ

、職

員同

士も

話し

合う

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

ど 

 

-323-

― 4

2 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 4

3 ―

導入

のタ

イミ

ング

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、ど

のタ

イミ

ング

でも

導入

可能

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

プロ

グラ

ムへ

のモ

チベ

ーシ

ョン

は関

係な

い。

子ど

もへ

の思

いや

引取

りへ

のモ

チベ

ーシ

ョン

が低

い場

合に

は、

新し

い家

族の

形に

向か

うモ

チベ

ーシ

ョン

につ

なげ

てい

く。

引取

り目

標の

親の

場合

とて

も向

いて

いる

。親

の引

き取

りた

い気

持ち

を支

点と

して

話し

合い

への

動機

づけ

を行

って

いく

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、子

ども

を預

けた

まま

連絡

が取

れな

いな

ど、

物理

的に

話し

合う

こと

がで

きな

いと

きに

はケ

ース

ワー

クが

停滞

する

こと

があ

る。

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、う

つや

統合

失調

症な

どの

、病

名を

問題

にす

るこ

とは

しな

い。

その

こと

が子

ども

の安

全に

かか

わっ

てく

るの

であ

れば

それ

を話

題に

し、

子ど

もの

安全

につ

いて

話し

合っ

てい

く。

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて

(具

体例

など

特に

なし

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、解

決の

イメ

ージ

を共

有す

るた

めに

保護

者に

とっ

てわ

かり

やす

い面

接と

なる

よう

工夫

する

。児

童相

談所

が心

配し

てい

る事

を絵

と文

字を

使っ

て説

明し

てい

るケ

ース

もあ

る。

途中

で虐

待発

生の

時(

具体

例な

ど)

状況

の変

化に

応じ

て「

子ど

もの

安全

の仕

組み

」を

修正

して

いく

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

部分

活用

は効

果的

SoS

では

、ケー

スワ

ーク

に対

する

姿勢

や考

え方

につ

いて

は、

用い

るす

べて

のケ

ース

ワー

クに

共通

する

もの

で、

部分

・全

体と

いう

活用

でな

く、

土台

のよ

うな

もの

とい

える

。そ

のう

えで

、ヒ

アリ

ング

児相

では

、質

問の

仕方

、ス

リー

ハウ

スや

セー

フテ

ィー

サー

クル

など

のツ

ール

はひ

とつ

のケ

ース

にす

べて

使う

とい

うも

ので

はな

く、

その

家族

に必

要な

もの

だけ

使っ

てい

く部

分活

用の

スタ

イル

をと

って

いる

  

親の

状況

  

  

親側

の要

因 

 

  

運用

の実

践面

での

課題

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

― 4

2 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 4

3 ―

1.

サイ

ンズ

オブ

セー

フテ

ィー

の手

順や

道具

など

のう

ち、

どの

部分

が役

に立

ちま

すか

。そ

の理

SoS

がど

のよ

うに

活用

され

てい

るか

把握

する

ため

に、

それ

を引

き出

しや

すい

質問

を設

定し

た。

役に

立つ

部分

(回答

児相

数) 

/ そ

の理

由…

回答

児相

スリ

ーコ

ラム

(15)

/

共通

理解

、情

報の

共有

、同

じ視

点…

7 問

題の

整理

、見

える

化、

具体

的で

わか

りや

すい

…8 

強み

も見

られ

る…

1ス

リー

ハウ

ス(1

4) /

分か

りや

すく

具体

的に

状況

を確

認で

きる

、子

ども

が話

しや

すい

…10

 子

ども

の心

情が

わか

る(支

援者

が、

親が

)、子

ども

が気

持ち

を整

理で

きる

…4

スケ

ール

(5)

/感

じ方

や考

え方

を整

理で

きる

ので

、子

ども

や養

育者

に伝

えや

すく

なる

プラ

ンニ

ング

(4)

/関

係者

同士

(家族

と職

員、

職員

同士

など

)の理

解…

2 家

族が

主体

とい

う責

任感

、共

同作

業…

2ワ

ーズ

&ピ

クチ

ャー

ズ(6

) / 

子ど

も自

身の

理解(

問題

,状況

,プラ

ンな

ど)…

4 共

同作

業(保

護者

、子

ども

、支

援者

、親

族等

)で、

今後

を共

有し

てゆ

ける

…3

マッ

ピン

グ(

4) /

分か

り易

く客

観的

に整

理で

きる

…3 

共有

して

確認

でき

る…

2ゴ

ール

(2)

/ ゴ

ール

を明

確に

考慮

でき

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

虐待

の再

発を

予防

する

、す

なわ

ち子

ども

の安

全を

守る

とい

う効

果を

持続

する

こと

を目

的と

した

ケー

スワ

ーク

技法

であ

る。

その

ため

、S

oSの

考え

方で

ケー

スワ

ーク

をす

るこ

とが

持続

につ

なが

ると

思わ

れる

  配布数 51  回収数 30  回収率 58.8%

  

効果

の維

持に

つい

て 

 活

用に

関す

る質

問紙

調査

の結

果 

 

-324-

― 4

4 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 4

5 ―

2.

サイ

ンズ

オブ

セー

フテ

ィー

によ

る取

り組

みを

通し

て、

保護

者と

児童

相談

所職

員と

の関

係が

良く

なっ

た経

共有

、協

働、

共通

認識

が持

てた

…12

 強

みや

うま

くい

って

いる

こと

、努

力し

てい

るこ

とを

認め

た…

7見

通し

が持

てる

…4 

ゴー

ル、

見通

しが

持て

るよ

うに

なっ

た…

4関

係が

特に

よく

なっ

たわ

けで

はな

い、

スム

ーズ

に運

べた

とは

いえ

る…

4

取り

組ん

だこ

とで

、親

との

関わ

りに

マイ

ナス

に働

いた

ので

はな

いか

と感

じた

こと

思い

当た

る原

リス

クの

扱い

がお

ろそ

かに

…2 

安全

、危

険と

いっ

た言

葉に

親が

反応

した

…3

保護

者と

児相

のあ

いだ

の考

え方

の違

い…

3 自

分た

ちで

考え

られ

ない

親…

2メ

ンタ

ルや

発達

障害

の親

…2 

特に

ない

…12

(S

oSが

適切

に活

用さ

れて

いな

い事

例を

捉え

てみ

よう

とい

う意

図の

設問

だっ

たが

、考

え方

自体

がマ

イナ

ス効

果を

もた

らす

とは

考え

にく

い、

設問

の意

図は

?と

いう

回答

もあ

った

3.

職員

同士

で実

践に

つい

て話

し合

うこ

とが

あり

ます

か。

どの

よう

なこ

とを

話し

合っ

たか

良か

った

点改

善点

につ

いて

話し

合う

…4

(AIの

状況

を見

よう

とし

たの

で、

以上

の4

件が

行っ

てい

ると

する

こと

が出

来る

)ど

のよ

うに

取り

組ん

でゆ

こう

かと

いっ

た内

容の

話し

合い

をす

る…

22特

に話

し合

うこ

とは

ない

…2

〇S

oSで

いう

AI(A

ppre

ciat

ed I

nque

ry役

に立

った

こと

など

を教

えて

もら

う)の

実践

状況

を把

握す

る意

図で

あっ

た。

その

意味

で実

践し

てい

ると

いう

回答

は4

件で

あっ

た。

4.

サイ

ンズ

オブ

セー

フテ

ィー

に取

り組

む上

で、

職員

への

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

って

いる

か。

職員

同士

でサ

ポー

ト、

研修

会、

検討

会な

ど…

16ス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

受け

る…

7 特

にな

し…

5

― 4

4 ―

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

各論/プログラム名:サインズ・オブ・セーフティー・アプローチ(SoS)

― 4

5 ―

5.

サイ

ンズ

オブ

セー

フテ

ィー

は児

童相

談所

のケ

ース

ワー

クに

役に

立っ

てい

ると

感じ

ます

か。

 0

:児

童相

談所

のケ

ース

ワー

クに

役に

立っ

てい

ない

10

:役

に立

って

いて

児童

相談

所の

ケー

スワ

ーク

の要

にな

って

いる

とし

た数

字:

その

数字

を選

んだ

理由

は何

です

か。

お書

きく

ださ

い。

選ん

だ数

字(回

答し

た児

相数

)/理

由…

回答

した

児相

数10

(1) 

/ ケ

ース

ワー

クの

要に

なっ

てい

る…

18(

2) /

県下

児相

と管

轄市

町村

にお

ける

共有

率か

ら考

えて

…1

安全

のポ

イン

トを

ぶら

さず

に関

係機

関の

連携

が図

られ

る…

1

7(12

) /

取り

組む

人が

一部

でし

かな

い…

4取

り組

む場

が一

部に

限ら

れて

いる

…3

児相

の意

志決

定の

シス

テム

に組

み込

まれ

てい

ない

…2

双方

向の

理解

が可

能と

なる

…3

6(6)

/取

り組

んで

いる

人が

少な

い…

2 取

り組

むケ

ース

が限

られ

る…

3組

織で

取り

組む

段階

に行

かな

い…

1

5(4)

/限

られ

た職

員…

2  

限ら

れた

ケー

ス…

1S

oS以

外の

ソー

シャ

ルワ

ーク

の手

法も

必要

だか

ら…

1

4(2)

/周

知が

途上

…2

3(1)

/職

員に

余裕

が無

く使

いこ

なせ

ない

…1

児童

相談

所全

体と

して

の取

り組

みに

なっ

てき

た場

合、

どの

よう

にし

て理

解を

得て

いっ

たか

全体

の取

り組

みに

はな

って

いな

い…

9研

修を

行っ

てき

てい

る…

4理

解さ

れて

きて

いる

…3

-325-

― 4

6 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

― 4

7 ―

プロ

グラ

ム名

:フ

ァミ

リー

・グ

ルー

プ・

カン

ファ

レン

ス(F

GC

)

― 家

族支

援の

取り

組み

へ(「

家族

支援

プロ

グラ

ム」

に)

組み

込ま

れた

形と

して

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

子ど

も虐

待等

にお

ける

危機

介入

の中

で「

家族

の参

画と

家族

の意

思決

定」

を支

援過

の中

核に

据え

るソ

ーシ

ャル

ワー

クモ

デル

。し

たが

って

、支

援プ

ログ

ラム

とい

う位

置づ

けは

なじ

まな

い。

拡大

家族

や友

人・

知人

とい

った

イン

フォ

ーマ

ルネ

ット

ワー

クの

潜在

的能

力を

活用

し、

それ

らが

ソー

シャ

ルワ

ーカ

ーを

始め

とす

る専

門職

とと

もに

、子

ども

の安

全、

健全

な養

育を

確保

する

ため

に養

育の

主体

、場

所、

その

あり

方等

の必

要事

項を

話し

合う

会議

。ニ

ュー

ジー

ラン

ドで

はFG

Cが

実施

され

るこ

とが

法律

によ

り規

定さ

てお

り、

公式

の会

議と

して

位置

づい

てい

る。

諸外

国で

積極

的な

実践

が展

開さ

れて

いる

が、

必ず

しも

法に

位置

づい

てい

るも

のば

かり

では

ない

。ま

た、

当事

者だ

けで

の話

し合

い時

間が

確保

され

てい

る形

のミ

ーテ

ィン

グは

FGC

とさ

れる

が、

ファ

ミリ

ータ

イム

ない

当事

者参

画型

のミ

ーテ

ィン

グも

実践

され

てお

り、

アメ

リカ

では

FTD

M(F

amily

Team

Dec

isio

n M

eetin

g)な

どと

表現

され

てい

る。

いず

れも

、当事

者参

画が

キー

ワー

ドで

あり

、日

本型

の実

践の

展開

が期

待さ

れる

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関先

進事

例の

視察

など

によ

って

学ぶ

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

資格

は特

にな

い。

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用費

用を

徴収

する

研修

は設

定さ

れて

いな

い。

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用担

当ス

タッ

フ等

の人

件費

 一

般的

な用

具を

準備

する

費用

など

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

― 4

6 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

― 4

7 ―

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先C

on

no

ly,M

ari

e a

nd

McK

enzi

e,M

arg

are

t(1

99

9)

Effec

tive

Par

ticip

ator

y P

ract

ice,

Ald

ine

De 

Gru

yter

橋、

澁谷

、森

他訳

 (2

005)

「フ

ァミ

リー

グル

ープ

・カ

ンフ

ァレ

ンス

子ど

も家

庭ソ

ーシ

ャル

ワー

ク実

践の

新た

なモ

デル

」有

斐閣

「子

ども

家庭

福祉

分野

にお

ける

家族

支援

のあ

り方

に関

する

総合

(代表

 高

橋重

宏)「

ファ

ミリ

ーグ

ルー

プ・

カン

ファ

レン

ス 

子ど

も虐

待へ

の新

たな

家族

支援

」(2

008-

2010

)報告

書 

テキ

スト

 D

VD

林 浩

康(2

008)

「子

ども

虐待

時代

の新

たな

家族

支援

」明

石書

店林

浩康

 鈴

木浩

之編

著 

(201

1)フ

ァミ

リー

グル

ープ

カン

ファ

レン

ス入

門 

子ど

も虐

待に

おけ

る「

家族

」が

主役

の支

援 

明石

書店

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

必要

があ

るも

しく

は実

施が

効果

的で

ある

と思

われ

るタ

イミ

ング

で行

われ

る。

現状

では

、限

られ

たケ

ース

に試

行的

に実

施し

てい

ると

いう

のが

現実

。ミ

ーテ

ィン

グ自

体は

、支

援の

節々

で行

われ

るが

、子

ども

の生

活の

場を

話し

合う

場面

、家

庭引

取り

につ

いて

話し

合う

など

の重

大な

局面

で行

われ

るこ

とが

多い

。ミ

ーテ

ィン

グ自

体は

2時

間以

上か

かる

こと

が多

い。

また

、フ

ァミ

リー

・グ

ルー

プに

なる

人々

との

連絡

調整

など

、相

当の

手間

ひま

の必

要な

実践

であ

る。

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

FGC

の特

徴の

一つ

は、

従来

の3

親等

に限

らな

い家

族、

親族

、友

人な

ども

含め

てフ

ァミ

リー

・グ

ルー

プが

主役

を担

うと

いう

こと

であ

る。

これ

まで

の家

族の

認識

にと

らわ

れな

いイ

ンフ

ォー

マル

なネ

ット

ワー

クを

構築

し、

そこ

にあ

る潜

在的

な力

を問

題の

解決

=虐

待の

解決

に動

員し

てい

くこ

とと

なる

。主

役は

家族

なの

で、

家族

が話

し合

い、

時に

は家

族、

ファ

ミリ

ー・

グル

ープ

だけ

での

話し

合い

によ

って

、子

ども

と家

族の

行く

末を

話し

合い

、意

思決

定過

程に

参画

する

。FG

Cは

おお

むね

次の

通り

展開

され

る。

①ア

イス

ブレ

イク

、②

情報

共有

、③

ファ

ミリ

ータ

イム

、④

合意

形成

、⑤

クロ

ージ

ング

であ

る。

FGC

は家

族・

ファ

ミリ

ー・

グル

ープ

のイ

ンフ

ォー

マル

なネ

ット

ワー

クを

構築

し、

それ

ぞれ

が持

って

いる

潜在

的な

パワ

ーを

子ど

もの

安全

・安

心そ

して

、親

子関

係の

再構

築に

結び

付け

てい

くの

であ

る。

FGC

は主

役で

ある

家族

がフ

ァミ

リー

・グ

ルー

プと

のつ

なが

りを

再生

し、

専門

職を

パー

トナ

ーと

して

活用

し、

自ら

意思

決定

して

いく

ため

の枠

組み

、と

いえ

るだ

ろう

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

-326-

― 4

8 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

― 4

9 ―

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

○家

族自

身の

自己

決定

に向

けた

支援

(エン

パワ

メン

ト)

○イ

ンフ

ォー

マル

ネッ

トワ

ーク

の構

○子

ども

自身

の意

思決

定へ

の参

○子

ども

の安

全・

安心

な生

活の

確保

実施

して

の効

果な

どの

状況

○当

事者

参画

によ

る支

援の

あり

方と

して

のひ

とつ

の形

態。

主体

者と

して

家族

が尊

重さ

れ、

子ど

もの

生活

のあ

り方

が決

めら

れて

いく

こと

で、

家族

の意

思決

定が

具体

化さ

れる

。意

思決

定に

家族

自身

が責

任を

持つ

こと

で、

子ど

もに

とっ

ての

より

良い

決定

、永

続的

な安

定し

た生

活環

境に

より

近づ

いて

いく

こと

にな

る。

○ま

た、

子ど

もを

支援

する

ネッ

トワ

ーク

や、

時に

養育

者が

拡大

され

るこ

とで

施設

養護

以外

の生

活形

態の

選択

肢が

広が

る可

能性

があ

る。

○FG

Cの

プロ

セス

によ

り家

族が

エン

パワ

メン

トさ

れて

いく

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

家族

支援

の考

え方

につ

いて

:家

族支

援や

、親

子支

援チ

ーム

のあ

り方

につ

いて

は児

相業

務に

すで

に位

置づ

いて

おり

、職

員が

児童

相談

所に

着任

する

と研

修等

によ

って

周知

が図

られ

る。

FGC

につ

いて

は、

所全

体で

共有

され

てい

る実

践と

まで

は言

えな

い。

まだ

、限

られ

たケ

ース

への

支援

とい

う域

を出

てい

ない

親子

支援

チー

ムの

位置

づけ

引き

取り

や、

家族

関係

再構

築な

どを

専属

で取

り組

むの

が親

子支

援チ

ーム

とい

う位

置づ

けで

ある

。引

き取

りま

での

プラ

ンを

家族

、子

ども

、担

当者

と作

成し

たり

、親

子関

係の

評価

をし

たり

、親

や親

族を

入れ

たミ

ーテ

ィン

グ(合

同ミ

ーテ

ィン

グ)の

進行

や記

録を

した

りす

る。

ミー

ティ

ング

では

、子

ども

虐待

対応

の様

々な

場面

で、

ファ

シリ

テー

ター

とし

ての

役割

を担

う。

いず

れも

、児

相の

行う

チー

ムア

プロ

ーチ

の中

で職

責を

果た

す。

親子

支援

チー

ムだ

けが

担当

を担

うこ

とは

ない

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

― 4

8 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

― 4

9 ―

人員

や時

間の

確保

につ

いて

設定

され

たカ

ンフ

ァレ

ンス

に対

して

、相

応の

人員

や時

間の

確保

が必

要で

ある

。人

材育

成:

新人

研修

の一

環と

して

のト

レー

ニン

グが

あり

、家

族支

援の

全体

像を

学ぶ

。当

県(

ヒア

リン

グ対

象例

)で

は、

福祉

職採

用を

行っ

てい

る。

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

仕組

みの

中で

、職

員同

士の

交流

やア

ドバ

イス

が行

われ

る。

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合特

段の

機材

はな

いが

、例

えば

、ホ

ワイ

トボ

ード

マー

カー

など

、通

常必

要に

なる

物品

が万

が一

ない

場合

など

に気

を遣

う(特

に出

張で

行う

場合

など

)。

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

県全

体で

、親

子支

援チ

ーム

とい

うも

のが

、充

分に

認知

され

てお

り、

取り

組み

には

いろ

いろ

なや

り方

が組

み合

わさ

れて

いく

。親

子支

援チ

ーム

に配

属さ

れる

と、

研修

が確

保さ

れて

おり

、仕

事の

内容

や意

義に

つい

て理

解を

深め

るこ

とが

でき

る。

全県

に渡

るこ

うい

った

状況

が整

うに

至っ

た時

期に

は苦

労が

あっ

たと

思わ

れる

が、

現在

は考

え方

や方

法論

があ

る程

度認

知さ

れ、

定着

して

きて

いる

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

親子

支援

チー

ムの

存在

、子

ども

、家

族を

主体

とし

た当

事者

参画

型の

ミー

ティ

ング

は「合

同ミ

ーテ

ィン

グ」

とし

て定

着し

てい

るが

、FG

Cの

支援

、特に

、イン

フォ

ーマ

ルネ

ット

ワー

クの

構築

、フ

ァミ

リー

タイ

ムの

実施

、当

事者

によ

る意

思決

定は

、ご

く限

られ

たケ

ース

に適

用し

てい

ると

いう

のが

実態

であ

る。

当事

者参

画型

のミ

ーテ

ィン

グ自

体は

、そ

れ自

体が

子ど

も虐

待ソ

ーシ

ャル

ワー

クに

おい

て、

不可

欠な

もの

と考

えら

れて

いる

と思

う。

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

ど 

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

-327-

― 5

0 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

― 5

1 ―

この

プロ

グラ

ムに

向い

てい

ると

思わ

れる

保護

向き

不向

きで

はな

く、

すべ

ての

家族

に等

しく

機会

が提

供さ

れな

けれ

ばな

らな

いも

の。

しか

し、

実際

は親

族が

協力

的に

なっ

てく

れて

、親

族の

サポ

ート

が有

効に

働く

こと

が予

測さ

れる

場合

、あ

るい

は、

子ど

もの

安心

・安

全の

ため

にき

ちん

と応

援し

てく

れそ

うな

親族

がい

る場

合が

多い

導入

のタ

イミ

ング

ソー

シャ

ルワ

ーク

の中

で判

断さ

れる

。担

当者

は援

助方

針会

議の

中で

、FG

C等

のミ

ーテ

ィン

グの

進め

方を

提案

する

。FG

Cを

含め

た合

同ミ

ーテ

ィン

グ(当

県の

造語

、家

族を

含め

たい

ずれ

かの

話し

合い

を包

括的

に呼

ぶ)は

、ミ

ーテ

ィン

グの

運営

によ

り中

立的

な立

場に

ある

者が

ファ

シリ

テー

トす

るこ

とが

有効

であ

るた

め、

親子

支援

チー

ム(福

祉職

1名

、心

理職

1名

から

なる

家族

支援

チー

ム)が

支援

チー

ムに

加わ

るこ

とが

多い

導入

はソ

ーシ

ャル

ワー

クの

流れ

の中

にあ

る。

全体

のコ

ーデ

ィネ

ート

をし

てい

くの

は、

主担

当の

児童

福祉

司で

ある

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

モチ

ベー

ショ

ンを

構築

する

こと

も支

援。

指導

的な

対応

は、

一方

で家

族を

無力

化す

るこ

とも

ある

。家

族・

子ど

もが

、い

かに

主体

者と

なる

支援

を展

開で

きる

かが

鍵と

なる

。当

事者

参画

はそ

のた

めの

キー

ワー

ドで

あり

、FG

Cは

その

こと

を追

求し

てい

った

場合

のひ

とつ

の到

達点

とい

えよ

う。

親に

対し

て甘

くな

るこ

とと

引き

取り

の焦

りに

関し

家族

のス

トレ

ング

スに

焦点

を合

わせ

るか

ら、

子ど

もの

安全

につ

いて

「親に

対し

て甘

くな

る」

とい

うこ

とで

は決

して

ない

。子

ども

の安

全に

焦点

を合

わせ

続け

る実

践モ

デル

が必

要で

ある

。FG

Cで

は、

情報

共有

の段

階で

「子

ども

に起

きた

心配

なこ

と」

を率

直に

共有

する

。そ

して

、そ

のこ

との

解決

の方

法と

して

、フ

ァミ

リー

・グ

ルー

プが

いか

に関

与す

れば

よい

のか

話し

合う

ので

あり

、そ

の結

果が

不十

分で

ある

と判

断さ

れれ

ば、

児童

相談

所等

から

更な

る検

討が

求め

られ

るの

であ

る。

※ 

情報

共有

段階

では

、サ

イン

ズ・

オブ

・セ

イフ

ティ

ー・

アプ

ロー

チの

マッ

ピン

グ等

によ

って

対話

が進

めら

れる

こと

が多

い。

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

― 5

0 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

― 5

1 ―

引取

り目

標の

共有

現行

のシ

ステ

ムで

は、

司法

が関

与す

るこ

とは

例外

であ

り、

その

ため

、児

童相

談所

が危

機介

入、

指導

・支

援、

評価

、家

庭復

帰、

指導

終結

等の

一連

の流

れと

、そ

の時

々の

判断

をし

てい

かな

けれ

ばな

らな

い。

保護

者に

は、

親子

分離

され

た場

合の

家庭

復帰

まで

のシ

ステ

ムと

ルー

ル、

ガイ

ドラ

イン

を示

さな

けれ

ばな

らな

い。

当県

の場

合は

、段

階的

な親

子交

流の

枠組

みと

、その

段階

がど

のよ

うに

進展

する

か「支

援プ

ラン

」と

して

フロ

ー図

等に

示す

こと

が多

い。

これ

は、

児相

が家

族に

課題

を一

方的

に示

すの

では

なく

、あ

くま

で家

庭引

取り

に至

るま

での

評価

の仕

組み

を示

すも

ので

あり

、本

来は

司法

の枠

組み

の中

で示

され

るも

のか

もし

れな

い。

この

枠組

みの

中で

何を

する

のか

は、

家族

が考

えて

いく

こと

であ

り、

安全

を構

築す

るの

も家

族で

ある

、児

相等

はこ

の枠

組み

の中

で家

族の

取り

組み

を支

援し

てい

くこ

とと

なる

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

現状

では

、FG

C自

体を

行う

のが

限ら

れた

ケー

スで

ある

ため

、FG

Cが

なじ

みそ

うな

ケー

スで

行っ

てい

る。

今後

、よ

り多

くの

ケー

スに

導入

した

場合

には

、な

じま

ない

ケー

スも

ある

かも

しれ

ない

。特

に、F

GC

のひ

とつ

の目

標と

して

ファ

ミリ

ー・

グル

ープ

の拡

大が

ある

。「誰

か、

子ど

もの

支援

に関

わっ

てく

ださ

る方

はい

ます

か」

と聞

くと

、多

くの

家族

は「そ

んな

人が

いた

ら、

とっ

くに

頼ん

でい

る」

と答

える

こと

がし

ばし

ばで

ある

。し

かし

、こ

こか

ら「

家族

を拓

く」

こと

こそ

がFG

Cで

ある

。虐

待に

は「

孤立

の病

理」

があ

るこ

とを

踏ま

えれ

ば、

ここ

をぜ

ひと

も乗

り越

えた

いの

であ

る。

した

がっ

て、

合う

合わ

ない

とい

うよ

り、

支援

上の

課題

と理

解す

るこ

とが

大切

であ

ると

思う

親が

希望

した

タイ

ミン

グで

丁度

よく

実施

され

るク

ール

がな

いと

特に

、ク

ール

とい

う制

限は

ない

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

カン

ファ

レン

スが

続き

にく

くな

った

事例

はあ

る。

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて

(具

体例

など

人数

が大

勢な

ので

、日

程調

整は

大変

であ

る。

  

親側

の要

因 

 

-328-

― 5

2 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

コラム/ファミリーグループ・カンファレンスの可能性

― 5

3 ―

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(具

体例

など

)カ

ンフ

ァレ

ンス

の意

義の

理解

を確

かめ

なが

ら行

う。

ホワ

イト

ボー

ドに

まと

めな

がら

進め

られ

るた

め、

比較

的理

解は

スム

ーズ

であ

る。

途中

で虐

待発

生の

時(具

体例

など

)ア

セス

メン

トを

行っ

て、

個別

事例

ごと

に判

断す

る。

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて

(具

体例

など

FGC

に限

らな

いが

、臨

機に

対応

を変

更し

てい

る。

FGC

の枠

組み

で進

めよ

うと

した

が、

ファ

ミリ

ー・

グル

ープ

が集

まら

なか

った

り、

ファ

ミリ

ータ

イム

を実

施し

よう

とし

たが

、家

族間

の葛

藤が

強く

話し

合い

に至

らな

かっ

たり

する

こと

はあ

る。

また

、子

ども

の参

加に

つい

ても

慎重

に判

断せ

ざる

を得

ない

ケー

スも

少な

くな

い。

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

1ケ

ース

単位

の取

り組

みで

ある

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

1ケ

ース

単位

の取

り組

みで

ある

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

部分

活用

は効

果的

アメ

リカ

のFT

DM

(Fam

ily T

eam

Dec

ision

Mee

ting)

のよ

うに

ファ

ミリ

ータ

イム

を行

わな

い実

践も

あり

、FG

Cの

多様

化が

進ん

でい

る印

象が

ある

。法

定の

枠組

みの

なか

での

FGC

はわ

が国

には

なじ

まず

、日

本の

現場

に適

応す

るFG

Cを

構築

して

いく

必要

はあ

る。

部分

活用

とい

う以

前に

、改定

FGC

、M-F

GC

であ

る。

部分

活用

とし

て何

が有

効な

のか

は慎

重に

判断

した

い。

その

他運

用上

の問

題児

童相

談所

に合

うFG

Cを

展開

して

いく

こと

が課

題で

ある

。FG

Cに

限ら

ずフ

ァミ

リー

グル

ープ

を拡

大す

るこ

と、

当事

者の

参画

・自

己決

定な

どは

子ど

も虐

待対

応で

は共

通の

課題

であ

る。

  

運用

の実

践面

での

課題

  

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

カン

ファ

レン

スの

中で

、ア

フタ

ーフ

ォロ

ーを

して

いく

こと

を確

認す

る。

家庭

引き

取り

後に

転出

する

よう

な場

合は

、家

庭引

き取

り前

から

転出

先の

児相

や関

係者

がミ

ーテ

ィン

グに

参加

し協

働し

なが

ら支

援を

引き

継い

でい

くこ

とも

ある

プロ

グラ

ム終

了後

起こ

る問

題家

庭引

取後

に家

族の

モチ

ベー

ショ

ンが

低下

しな

いよ

う、

家庭

引取

りが

新た

な始

まり

だと

いう

こと

を家

族と

共有

する

こと

が大

切で

ある

。ま

た、

児童

福祉

司指

導と

して

モニ

ター

等を

義務

付け

るこ

とも

大切

であ

る。

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

― 5

2 ―

各論/プログラム名:ファミリー・グループ・カンファレンス(FGC)

コラム/ファミリーグループ・カンファレンスの可能性

― 5

3 ―

ニュ

ージ

ーラ

ンド

に起

源を

持つ

ファ

ミリ

ーグ

ルー

プ・

カン

ファ

レン

ス(以

下FG

C)は

子ど

も虐

待対

応等

にお

いて

、そ

の有

効性

が認

めら

れ世

界的

な拡

がり

を見

せて

いる

。わ

が国

にも

近年

紹介

され

、一

部の

児童

相談

所で

は試

行的

な実

践が

始ま

って

いる

。し

かし

、そ

の拡

がり

は、

本研

究の

調査

結果

にあ

るよ

うに

、い

まだ

一部

の試

行的

実践

の範

囲を

出な

い。

児童

相談

所に

おけ

る子

ども

虐待

対応

にお

いて

、FG

Cが

拡大

して

いく

可能

性を

考え

たい

FGC

とは

、子

ども

虐待

等に

おけ

る危

機介

入の

中で

「家

族の

参画

と家

族の

意思

決定

」を

支援

過程

の中

核に

据え

、拡

大家

族や

友人

・知

人と

いっ

たイ

フォ

ーマ

ルネ

ット

ワー

ク(フ

ァミ

リー

グル

ープ

)の潜

在的

能力

を活

用し

、専

門職

とと

もに

、子

ども

の安

全、

健全

な養

育を

確保

する

ため

に、

養育

の主

体、

場所

、そ

の支

援の

あり

方等

を話

し合

う会

議、

その

プロ

セス

をい

う。

一般

的に

はコ

ーデ

ィネ

イタ

ーの

役割

を担

う者

が、

子ど

も、

家族

と相

談し

なが

らFG

C

に参

加し

ても

らう

メン

バー

を開

拓し

てい

く。

そし

て、

カン

ファ

レン

スは

①ア

イス

ブレ

イク

、②

情報

共有

、③

ファ

ミリ

ータ

イム

、④

合意

形成

、⑤

クロ

ージ

ング

と進

む。

①ア

イス

ブレ

イク

は文

字通

り、

参加

メン

バー

が緊

張を

解き

、話

し合

いに

備え

る段

階で

あり

、そ

れぞ

れの

文化

に応

じた

準備

があ

る。

②情

報共

有は

家族

、専

門職

がそ

れぞ

れ持

って

いる

情報

を共

有す

るこ

とで

、子

ども

家族

が意

思決

定に

参画

でき

るよ

うに

する

。③

ファ

ミリ

ータ

イム

では

、関

係専

門機

関を

除い

たメ

ンバ

ーだ

けで

話し

合い

が行

われ

る。

④合

意段

階で

は、

再び

関係

専門

機関

が加

わり

ファ

ミリ

ータ

イム

の結

論を

児童

相談

所が

求め

る条

件、

意向

等と

照ら

し合

わせ

なが

ら子

ども

の養

育の

主体

、生

活の

場、

支援

計画

など

を立

案す

る。

⑤ク

ロー

ジン

グで

は、

困難

な作

業に

取り

組ん

だこ

とを

ねぎ

らい

、敬

意を

払い

つつ

終了

とな

る。

FGC

を構

成す

る要

件と

して

特に

大切

なも

のは

、一

つ目

とし

て、

ファ

ミリ

ファ

ミリ

ーグ

ルー

プ・

カン

ファ

レン

スの

可能

コ ラ

-329-

― 5

4 ―

コラム/ファミリーグループ・カンファレンスの可能性

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 5

5 ―

グル

ープ

を開

拓す

るこ

とで

ある

。虐

待対

応の

実務

を担

うす

べて

のソ

ーシ

ャル

ワー

カー

が思

うこ

とは

、家

族を

支え

るイ

ンフ

ォー

マル

なネ

ット

ワー

クを

構築

する

こと

の難

しさ

であ

る。

多く

のケ

ース

では

、親

族等

に連

絡を

取る

こと

さえ

も強

い拒

否に

あう

こと

が珍

しく

ない

。し

かし

、子

ども

の安

全を

作っ

てい

くこ

とに

おい

て、

イン

フォ

ーマ

ルな

ネッ

トワ

ーク

を構

築す

るこ

とは

きわ

めて

重要

なテ

ーマ

であ

る。

FGC

では

、イ

ンフ

ォー

マル

なネ

ット

ワー

クを

いか

に拡

して

いく

のか

とい

うこ

とそ

のも

のが

実践

の課

題と

して

位置

づい

てお

り、

実践

的な

蓄積

があ

る。

もち

ろん

、ニ

ュー

ジー

ラン

ドの

よう

に法

的な

位置

づけ

があ

る国

との

実践

の相

違は

ある

が、

「家族

を拓

く」

とい

う課

題は

同じ

であ

る。

二つ

目は

、最

初か

ら最

後ま

で子

ども

の参

画が

保障

され

てい

るこ

とで

ある

もち

ろん

、ケ

ース

によ

って

は子

ども

が参

画で

きな

いこ

とも

ある

がそ

のた

めの

多様

な参

画の

方法

が用

意さ

れて

いる

三つ

目は

、当

事者

だけ

の話

し合

いと

、子

ども

の生

活の

在り

方に

つい

ての

思決

定に

子ど

も、

家族

が関

与す

るこ

とで

ある

。意

思決

定が

でき

る範

囲は

、自

ずと

その

国の

制度

とケ

ース

の状

況に

よっ

て決

まっ

てく

るだ

ろう

。大

切な

こと

は、

重大

な決

定が

誰か

に決

めら

れた

とい

うこ

とで

はな

く、

子ど

もも

参画

して

家族

自身

が決

めた

とい

うコ

ンテ

キス

トで

ある

。な

お、

当事

者だ

けで

の話

し合

い時

間が

確保

され

てい

る形

のミ

ーテ

ィン

グは

FGC

とさ

れる

が、

ファ

ミリ

タイ

ムの

ない

当事

者参

画型

のミ

ーテ

ィン

グも

実践

され

てお

り、

アメ

リカ

では

 FT

DM

(Fam

ily T

eam

Dec

isio

n M

eetin

g)な

どと

表現

され

てい

る。

FGC

の実

践は

、始

まっ

たば

かり

であ

る。

パタ

ーナ

リス

ティ

ック

な指

導だ

けで

は、

家族

が主

体者

にな

るこ

とは

難し

く、

子ど

もの

安全

は保

障さ

れな

い。

当事

者参

画と

いう

キー

ワー

ドの

中で

、日

本型

のFG

Cの

実践

展開

が期

待さ

る。

― 5

4 ―

コラム/ファミリーグループ・カンファレンスの可能性

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 5

5 ―

プロ

グラ

ム名

:コ

モン

セン

スペ

アレ

ンテ

ィン

グ(C

SP

) 

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

 米

国最

大の

児童

福祉

施設

で開

発さ

れた

被虐

待児

の保

護者

支援

のペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

プロ

グラ

ム。

日本

の文

脈に

合う

よう

に、

児童

養護

施設

「神

戸少

年の

家」

で開

発さ

れた

。暴

力を

使わ

ず子

ども

を育

てる

技を

親に

伝え

るこ

とで

、虐

待の

予防

や関

係性

の回

復を

目指

す。

2005

年よ

り日

本で

普及

活動

が始

まる

。行

動理

論の

背景

を元

に、

効果

にし

つけ

るス

キル

を、

視聴

覚教

材を

用い

ロー

ルプ

レイ

やモ

デリ

ング

によ

って

学ぶ

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関ト

レー

ナー

オブ

トレ

ーナ

ーに

よる

養成

が行

われ

る機

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

トレ

ーナ

ーオ

ブト

レー

ナー

によ

る養

成に

より

トレ

ーナ

ーと

なる

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用3

日間

 連

続3

日で

なく

ても

良い

 計

25時

間で

宿題

付き

 25

000

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用特

段必

要な

い 

DV

Dが

再生

でき

れば

よい

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先野

口啓

示 

むず

かし

い子

を育

てる

ペア

レン

ト・

トレ

ーニ

ング

―親

子に

笑顔

がも

どる

10 の

方法

 明

石書

店野

口啓

示 

コモ

ンセ

ンス

ペア

レン

ティ

ング

・ワ

ーク

ブッ

ク 

明石

書店

伊藤

徳馬

 ど

なら

ない

子育

て 

Dis

cove

r

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

○2時

間×

6 フ

ォロ

ー1

回 

月1

にす

ると

、半年

かか

って

しま

う○

通所

面接

では

、パー

ツを

使っ

てゆ

く 

ダイ

ジェ

スト

版(

CS

Pの

内容

をコ

ンパ

クト

に解

説し

た内

容)が

多い

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

-330-

― 5

6 ―

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 5

7 ―

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

○C

SP

は非

暴力

コミ

ュニ

ケー

ショ

ンの

具体

的な

ノウ

ハウ

が詰

まっ

てい

る心

理教

育プ

ログ

ラム

であ

る。

一次

予防

から

三次

予防

まで

と、

その

適用

範囲

が広

いの

が特

徴で

ある

。こ

れに

より

、子

ども

の安

全を

家族

が確

保し

てい

くに

際し

ての

具体

的な

スキ

ルと

成り

得る

もの

であ

る。

○普

及版

(神

戸少

年の

町版

)の

トレ

ーナ

ーは

、一

度ト

レー

ナー

とな

れば

、基

本テ

キス

ト(

マニ

ュア

ル)

から

レジ

ュメ

の作

成、

イラ

スト

の引

用等

が可

能と

なる

。ト

レー

ナー

は現

場の

実践

家に

より

主に

構成

され

てい

るこ

とか

ら、

普及

の仕

方は

トレ

ーナ

ーに

一任

され

るた

め、

汎用

性が

高い

もの

とな

る。

トレ

ーナ

ー資

格維

持の

ため

にあ

らた

めて

の再

登録

等が

なく

、コ

スト

パフ

ォー

マン

ス的

にも

優れ

てい

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

○人

と人

との

つな

がり

の基

本を

おさ

える

ツー

ルと

して

有用

○「

非暴

力的

」と

いう

ミニ

マム

スタ

ンダ

ード

を押

さえ

よう

とし

てい

実施

して

の効

果な

どの

状況

○効

果測

定は

アン

ケー

トに

よる

自己

評価

式で

ある

。○

実際

には

、家族

支援

の「

プロ

グラ

ム(プ

ラン

)」が

あっ

て、

その

中で

組み

合わ

せて

CS

Pを

やる

ので

、そ

の場

合、

CS

P単

独の

効果

かど

うか

はわ

から

ない

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は、

ケー

スワ

ーク

の中

で非

暴力

のコ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

スキ

ルを

部分

的に

伝え

てい

くこ

とか

ら、

当事

者の

セッ

ショ

ン受

講の

モチ

ベー

ショ

ンを

少し

ずつ

たか

め、

たか

まっ

たら

、セ

ッシ

ョン

実施

へ誘

い紹

介す

る。

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、県

内で

共通

言語

とな

り得

てお

り、

有効

性が

児童

相談

所職

員間

で共

有さ

れて

いる

。ダ

イジ

ェス

ト版

を児

相職

員が

共有

して

いる

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

核と

なる

職員

がい

るこ

とで

取組

が進

んで

きた

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

― 5

6 ―

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 5

7 ―

児童

相談

所で

の取

り組

みの

継続

性に

つい

○組

織的

に取

り組

む仕

組み

とし

て残

して

ゆく

事が

出来

れば

、継

続は

容易

○児

童相

談所

全体

が組

織的

に取

り組

んで

いく

必要

があ

る。

地域

での

広が

り○

県レ

ベル

で、

県内

の児

童相

談所

や、

市区

町村

にも

げて

いる

県が

ある

○C

SP

は市

町村

での

予防

的取

り組

みに

向い

てい

る面

があ

る。

→ど

の程

度市

区町

村で

実施

して

いる

でし

ょう

か?

市区

町村

の自

立が

望ま

しい

が、

児相

が応

援す

る場

合も

ある

○通

告受

理後

の児

相ケ

ース

では

、グ

ルー

プは

難し

いこ

とが

多い

グル

ープ

は市

区町

村で

予防

的に

行う

場合

に適

して

いる

○市

区町

村の

保健

セン

ター

でグ

ルー

プを

、児

相職

員を

トレ

ーナ

ーと

して

行っ

たケ

ース

あり

○い

ろい

ろな

機関

の職

員に

グル

ープ

を行

って

、非

暴力

的コ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

を伝

える

取り

組み

があ

る 

例:

児童

自立

支援

施設

、情

緒障

害児

短期

治療

施設

など

○市

区町

村か

ら必

要を

感じ

る事

例の

照会

が有

るこ

とも

ある

 連

携を

行っ

てい

人員

や時

間の

確保

につ

いて

ケー

スワ

ーク

の一

部と

して

行う

場合

は、

特段

の人

員確

保が

必要

とは

なら

ない

が、

グル

ープ

プロ

グラ

ムと

して

行う

場合

は、

人員

や場

所の

確保

、保

育の

手配

、外

部か

らの

トレ

ーナ

ーの

応援

など

が必

要に

なる

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

スキ

ル維

持や

スキ

ルア

ップ

のた

めに

は、

職員

間の

研修

や事

例検

討が

重要

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合D

VD

が再

生で

きる

装置

が必

要。

出先

の場

合、

ポー

タブ

ルプ

レー

アー

や、

ノー

トパ

ソコ

ンな

どを

活用

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

ど 

-331-

― 5

8 ―

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 5

9 ―

導入

のタ

イミ

ング

○セ

ッシ

ョン

受講

に際

して

は、

当事

者の

受講

モチ

ベー

ショ

ンが

あが

って

いる

こと

が大

前提

であ

る。

○(家

族支

援チ

ーム

があ

る児

相の

場合

)今ま

での

段階

があ

って

、C

SP

に到

達し

て、

主担

当者

の面

接と

か、

子ど

もの

面接

とか

と組

み合

わせ

てや

って

いる

。こ

れら

を全

体と

して

捉え

てい

る感

じで

ある

。C

SP

は無

理だ

と判

断さ

れる

ケー

スも

ある

。ど

れだ

けき

ちん

とア

セス

メン

トが

出来

てい

るか

と言

うこ

とが

、基

本。

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

ケー

スの

アセ

スメ

ント

をき

ちん

とし

て、

モチ

ベー

ショ

ンを

評価

する

必要

があ

る。

引取

り目

標の

親の

場合

CS

Pが

検討

素材

とな

る場

合も

ある

。こ

うい

った

関わ

りを

する

こと

が必

要な

ので

、出

来て

いな

いと

引き

取り

が出

来ま

せん

よ、

とい

った

説明

のた

めの

材料

に使

う場

合が

ある

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

個別

にエ

ッセ

ンス

を伝

える

とき

は、

各ケ

ース

にと

って

必要

と感

じた

内容

を選

択し

て伝

える

ので

、だ

いた

いニ

ーズ

に合

致す

る。

親が

希望

した

タイ

ミン

グで

丁度

よく

実施

され

るク

ール

がな

いと

必要

なタ

イミ

ング

に個

別で

技術

の一

部を

伝え

るこ

とが

多い

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

○親

のう

つな

どの

場合

、育

てて

ゆき

たい

とい

う気

持ち

があ

れば

、そ

うい

った

ニー

ズに

応え

る、

うつ

に対

応に

むし

ろ意

識す

るよ

うな

、別

の支

援を

考え

る○

発達

障害

など

が混

ざる

とこ

だわ

りの

ため

に全

体と

して

伝わ

らな

いこ

とも

ある

。そ

の場

合、非

暴力

的コ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

、安

全の

仕組

みな

ど、

部分

を伝

えて

ゆく

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて(

具体

例な

ど)

グル

ープ

に入

れよ

うと

する

と、

日程

あわ

せが

大変

にな

るの

で、

個別

対応

する

事も

多い

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

○理

解力

の問

題の

ある

親に

は繰

り返

し伝

える

○生

活基

盤の

問題

など

の時

は、

別の

支援

を行

途中

で虐

待発

生の

時(

具体

例な

ど)

在宅

例で

再発

のケ

ース

はあ

る。

個別

のケ

ース

ワー

クの

中で

、活

用を

再検

  

親側

の要

因 

 

― 5

8 ―

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 5

9 ―

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて(

具体

例な

ど)

○主

担当

者が

ケー

スワ

ーク

の流

れの

中で

CS

Pを

部分

活用

する

場合

など

は、

主担

当者

の判

断で

実施

や中

止が

行わ

れる

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

個別

対応

する

場合

が多

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

○個

別対

応す

る場

合が

多い

○グ

ルー

プで

行う

典型

的な

形で

のC

SP

は市

町村

の子

育て

支援

とし

て行

って

いる

場合

が多

い。

そこ

に児

童相

談所

のケ

ース

が参

加し

ても

なか

なか

うま

くい

かな

い場

合も

ある

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

か部

分活

用は

効果

的か

通所

面接

では

、パ

ーツ

を使

って

ゆく

。 

ダイ

ジェ

スト

版を

活用

する

こと

が多

い。

  

運用

の実

践面

での

課題

  

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

ケー

スワ

ーク

の一

環と

して

、状

況を

把握

する

プロ

グラ

ム終

了後

起こ

る問

題子

ども

の安

全が

確保

され

る仕

組み

(土

台)

が確

立し

た上

に、

非暴

力の

コミ

ュニ

ケー

ショ

ンス

キル

が導

入さ

れ、

その

スキ

ルを

維持

し続

ける

ため

に「

フォ

ロー

アッ

プセ

ッシ

ョン

」が

毎回

の通

常個

別面

接で

重ね

られ

るの

が望

まし

い。

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

1.

CS

Pプ

ログ

ラム

のど

のよ

うな

点が

児童

相談

所で

行う

のに

適し

てい

ると

考え

たか

具体

的な

関わ

りの

仕方

を伝

える

ので

わか

りや

すい

…35

視聴

覚教

材、

マニ

ュア

ル、

ロー

ルプ

レイ

で分

かり

やす

い…

13 プロ

グラ

ムと

して

構造

化さ

れて

いる

…12

低価

格…

3

2.

ケー

スワ

ーク

の中

でど

のよ

うに

位置

づけ

て使

って

いる

か(

一部

とし

て組

み込

む、

実施

して

いる

とこ

ろに

つな

げる

、等)。

ケー

スワ

ーク

の一

部と

して

組み

込む

…46

一部

とし

て組

み込

むの

と、

紹介

する

のと

両方

…11

引取

り条

件や

引取

りの

判断

とす

る…

3

  配布数 91  回収数 67  回収率 73.6%

 全

国質

問紙

調査

結果

  

-332-

― 6

0 ―

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 6

1 ―

3.

CS

Pプ

ログ

ラム

の手

法を

部分

活用

する

こと

があ

るか

。あ

れば

その

状況

につ

いて

部分

活用

する

、エ

ッセ

ンス

を伝

える

…52

部分

活用

はし

ない

…10

4.

以下

のよ

うな

中断

例に

つい

て経

験が

あれ

ばそ

の状

況。

①日

程調

整が

付か

なく

なっ

中断

する

こと

はな

い、

続け

られ

るよ

う親

の都

合に

合わ

せる

…19

親の

勤務

就労

状況

で中

断…

16動

機付

け不

十分

から

ドロ

ップ

アウ

ト…

3

②親

のモ

チベ

ーシ

ョン

によ

る親

の思

いと

食い

違っ

た…

10自

然に

参加

しな

くな

った

、意

志の

尊重

…5

親子

関係

が安

定し

たの

で中

止…

4精

神障

害知

的障

害…

3押

し付

けム

ード

から

淡々

受講

…2

ケー

スワ

ーク

のつ

まづ

き…

2

③児

童相

談所

職員

の判

断に

よる

(判断

基準

)

親子

関係

の改

善…

3家

庭の

問題

…2

親の

心身

の不

調…

9プ

ログ

ラム

が合

わな

い…

1ケ

ース

ワー

クの

状況

…2

該当

無し

…22

5.グ

ルー

プか

個別

か、

どち

らで

行う

こと

が多

いか

。そ

の理

由。

個別

…62

グル

ープ

のみ

…1

両方

行っ

てい

る…

2グ

ルー

プは

市で

行っ

てい

る…

2グ

ルー

プは

里親

に対

して

行っ

てい

る…

3グ

ルー

プは

施設

職員

等に

対し

て行

って

いる

…4

6.

プロ

グラ

ムへ

の参

加を

通じ

て、

保護

者と

児童

相談

所職

員と

の関

係が

良く

なっ

た経

験 

その

状況

共有

し一

緒に

考え

る…

13関

わり

の様

子が

具体

的に

客観

的に

分か

る…

10実

際に

効果

が現

れた

ので

…6

定期

的に

会う

こと

での

親近

感…

5保

護者

に理

解し

ても

らい

やす

い…

5児

相の

考え

の押

しつ

けで

ない

こと

が分

かっ

ても

らえ

た…

4す

でに

関係

が出

来て

いる

とこ

ろか

らや

るの

であ

まり

変わ

らな

い…

3

― 6

0 ―

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

各論/プログラム名:コモンセンスペアレンティング(CSP)

― 6

1 ―

プロ

グラ

ムに

取り

組ん

だこ

とが

親と

の関

係に

マイ

ナス

に働

いた

と感

じた

こと

はあ

りま

すか

。思

い当

たる

原因

があ

れば

、そ

れも

お書

き下

さい

親が

一方

的な

感じ

を持

った

…6

夫婦

の不

和に

つな

がっ

た…

1親

が落

ち込

んだ

…1

マイ

ナス

では

ない

が、

効果

がな

かっ

た…

2そ

うい

う事

はな

い…

28

7.

家庭

引き

取り

に際

して

の当

該プ

ログ

ラム

実施

につ

いて

お伺

いし

ます

。①

引き

取り

に当

たっ

て、

CSP

プロ

グラ

ムへ

の参

加を

義務

付け

てい

ます

義務

づけ

るこ

とが

ある

…7

義務

づけ

はな

い…

58

②C

SPプ

ログ

ラム

の実

施状

況を

引き

取り

に関

する

判断

の参

考に

する

こと

があ

りま

すか

する

こと

があ

る…

38参

考に

する

こと

はな

い…

24 

 (2

者は

対照

的)

8.

CSP

プロ

グラ

ム実

施職

員の

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

って

いま

すか

スー

パー

ビジ

ョン

をや

って

いる

…9

ピア

サポ

ート

や職

員同

士の

協力

によ

る…

33特

に行

って

いな

い…

15

9.

CSP

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続す

るた

めに

何か

工夫

して

いま

すか

面接

の時

など

に要

素を

確認

する

…37

特に

して

いな

い…

18

10

.コ

モン

セン

スペ

アレ

ンテ

ィン

グを

児童

相談

所以

外の

機関

にも

勧め

てい

ます

か。

どの

よう

な機

関に

勧め

てい

ます

か。

市町

村に

…30

施設

職員

等に

…21

里親

に…

4勧

めて

いな

いが

市で

すで

にや

って

いる

…2

特に

勧め

てい

ない

…13

-333-

― 6

2 ―

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

― 6

3 ―

― 親

子グ

ルー

プの

取り

組み

に組

み込

んだ

経験

より

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

ペア

レン

トト

レー

ニン

グは

、子

ども

のし

つけ

など

で悩

みを

抱え

る家

族を

支援

する

法の

一つ

とし

て、

アメ

リカ

・U

CLA

神経

精神

医学

研究

所の

ハン

ス・

ミラ

ー博

士に

よっ

て19

74年

に開

始さ

れた

。日

本で

は国

立精

神・

神経

セン

ター

で日

本に

あっ

たプ

ログ

ムが

開発

され

た。

養育

スキ

ルを

向上

させ

るこ

とで

、子

ども

の適

応行

動を

増や

して

いく

こと

、親

子関

係の

悪循

環を

絶ち

、安

定し

た親

子関

係を

はぐ

くめ

るよ

うに

する

こと

を目

指し

てい

る。

はじ

まり

はA

DH

D の

子ど

もを

もつ

保護

者向

けの

プロ

グラ

ムだ

った

、現

在は

発達

障害

全般

が対

象に

なり

、児

童虐

待事

例に

も応

用さ

れる

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関国

立精

神神

経セ

ンタ

ー精

神保

健研

究所

まめ

の木

クリ

ニッ

ク講

演会

・研

修会

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

資格

は特

にな

いが

、実

施の

ため

には

2日

間の

トレ

ーニ

ング

を受

ける

必要

があ

る。

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用50

00円

から

3万

円程

度ラ

イセ

ンス

では

ない

。講

師料

とい

った

位置

づけ

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用外

部講

師に

委託

する

場合

はフ

ァシ

リテ

ータ

ー雇

い上

げ謝

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先シ

ンシ

ア・

ウィ

ッタ

ム 

AD

HD

のペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

 難

しい

子に

やさ

しい

子育

て 

明石

書店

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

プロ

グラ

ム名

:精

研式

ペア

レン

トト

レー

ニン

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

オリ

ジナ

ルは

1ク

ール

10回

だが

、ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、親グ

ルー

プの

中で

その

内の

6回

に短

縮し

てや

って

いる

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

― 6

2 ―

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

― 6

3 ―

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

発達

障害

に用

いら

れる

こと

が多

いプ

ログ

ラム

だが

、ヒ

アリ

ング

児相

では

子ど

も虐

待ケ

ース

に親

支援

プロ

グラ

ムを

実施

する

必要

が生

じた

ため

応用

され

た。

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

子ど

もの

特性

を理

解し

、具

体的

な対

応法

を学

ぶこ

とに

より

、日

常生

活が

より

穏や

かに

なる

よう

にす

る。

親子

関係

の悪

循環

を絶

ち、

安定

した

親子

関係

をは

ぐく

める

よう

にす

る。

実施

して

の効

果な

どの

状況

○「

ほめ

る」「

注目

する

」か

ら入

るが

、困

って

いる

こと

を充

分に

聞き

なが

ら行

うの

で、

単純

にス

キル

を教

える

とい

った

感じ

では

ない

。○

話を

聞く

こと

と、

プロ

グラ

ムを

進め

るこ

とと

のバ

ラン

スを

取る

。○

「ほ

める

」が

実践

でき

ない

親が

多い

ので

、繰

り返

し行

う。

○一

人の

親が

話を

仕切

った

り、

トラ

ウマ

の話

にな

った

り、

舵取

りが

難し

いが

、ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は雰

囲気

を作

りな

がら

やっ

てい

る。

○ヒ

アリ

ング

児相

では

、指

示の

部分

は、

エッ

セン

スだ

け、

最後

の方

で伝

える

こと

にな

る。

孤立

して

いる

人が

多い

ので

、こ

こに

いる

人た

ちは

同じ

体験

をし

てい

ると

言う

こと

で楽

にな

る○

ファ

シリ

テー

ター

は、

臨床

経験

が多

い人

でな

いと

難し

い○

子ど

もの

側か

ら見

ると

、い

つも

あま

りか

かわ

って

くれ

なか

った

親が

、し

っか

り半

年か

かわ

って

くれ

たと

いう

のは

、も

のす

ごく

いい

体験

だっ

たこ

とに

なる

。○

遊ぶ

って

どう

いう

こと

か分

から

ない

方が

、こ

うい

う体

験を

する

のは

貴重

な事

であ

る。

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

〇ケ

ース

ワー

クの

部署

との

間で

連携

して

いる

。ス

ター

トの

とこ

ろで

どん

なケ

ース

か、

施設

の職

員さ

んも

含め

て協

議す

る。

最終

協議

では

、プ

ログ

ラム

を実

施し

た側

から

結果

の情

報提

供を

行う

。毎

回何

があ

った

かは

、シ

ステ

ムで

記録

を入

力し

てい

て、

ケー

スワ

ーク

の部

署か

らも

見ら

れる

よう

にな

って

いる

ので

、共有

でき

る。

〇終

了の

決定

は、

治療

指導

部門

との

協議

後に

児童

相談

所の

援助

方針

会議

で行

う。

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、再

統合

事業

の一

環と

して

位置

づけ

られ

てい

るの

で、

児童

相談

所業

務の

中で

の位

置づ

けは

明確

であ

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

-334-

― 6

4 ―

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

― 6

5 ―

導入

のタ

イミ

ング

○通

おう

とい

うく

らい

のと

ころ

まで

親が

準備

でき

てい

ない

状態

で、

先走

る場

合が

多い

印象

にあ

る。

もう

ちょ

っと

待て

ばも

しか

した

らじ

っく

り来

ても

らえ

るケ

ース

でも

、慌

てる

と、

中途

半端

な結

果と

なっ

てし

まう

。○

心理

面接

もそ

こそ

こに

、機

が熟

さな

いま

まプ

ログ

ラム

につ

なげ

られ

ると

、う

まく

いか

ない

こと

も多

い。

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

もう

少し

じっ

くり

待て

ば、

続け

て参

加で

きる

よう

な状

態に

持っ

てこ

れた

ので

はな

いか

とい

うケ

ース

はあ

る。

親の

準備

状態

を見

極め

るこ

とが

大事

引取

り目

標の

親の

場合

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、改

善し

たわ

けで

はな

くて

も、

親グ

ルー

プに

出た

から

、引

き取

り出

来る

だろ

う、

と言

う風

に親

が言

って

くる

場合

があ

る。

子ど

もの

安全

につ

いて

など

、話

し合

う。

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

親の

タイ

プが

プロ

グラ

ムに

合う

合わ

ない

では

なく

て、

プロ

グラ

ムの

やり

方を

どう

する

かで

ある

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、親

グル

ープ

をや

るの

に、

何か

柱に

なる

プロ

グラ

ムは

ない

か探

した

ら、

精神

神経

セン

ター

のグ

ルー

プが

やっ

てい

たの

で、

取り

入れ

た。

親グ

ルー

プを

やる

こと

にな

って

いた

のが

きっ

かけ

。そ

れは

組織

的な

再統

合事

業で

あっ

人員

や時

間の

確保

につ

いて

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所の

自治

体で

は、

新採

用の

心理

司全

員に

2日

間の

トレ

ーニ

ング

を行

う○

心理

職は

全員

がペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

が出

来る

よう

にな

って

いる

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合初

期投

資と

して

かか

る費

用は

、ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は、

まず

は心

理職

が全

員や

れる

よう

にな

るた

めに

研修

会を

やる

、そ

の講

師謝

礼が

、必

要な

費用

とな

る。

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

ど 

 

― 6

4 ―

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

― 6

5 ―

親が

希望

した

タイ

ミン

グで

丁度

よく

実施

され

るク

ール

がな

いと

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

年2

回程

度の

実施

で、

開始

時期

に関

する

不都

合は

あま

り起

こら

ない

。今

すぐ

にプ

ログ

ラム

が開

始さ

れな

くて

も、

ケー

スワ

ーク

等で

その

間を

繋げ

る。

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

○む

しろ

子ど

もに

コミ

ュニ

ケー

ショ

ン障

害の

ある

ケー

スが

多い

。○

精神

障害

の重

い人

は参

加が

難し

い。

○人

格障

害の

軽い

方で

、落

ち着

いて

ると

きと

いう

事例

は多

い。

○被

虐待

傾向

の人

で、

しっ

かり

やっ

て認

めら

れよ

うと

、脅

迫的

に頑

張っ

てし

まう

人で

、子

ども

が発

達障

害の

範疇

にあ

る場

合な

ど、

苦し

んで

しま

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて

(具体

例な

ど)

都合

がつ

かな

いた

め、

欠席

にな

る事

は多

い。

10回

中6

回出

席で

きれ

ば、

親子

グル

ープ

が終

了し

たと

見な

せる

事と

する

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

知的

障害

のあ

る人

で、

それ

なり

に社

会適

応は

でき

てい

る人

は、

少し

言葉

を添

えな

がら

一緒

にや

って

ゆく

とい

う感

じ。

途中

で虐

待発

生の

時(

具体

例な

ど)

在宅

例で

、プ

ログ

ラム

実施

中に

保護

にな

る例

はあ

る。

  

親側

の要

因 

 

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて

(具体

例な

ど)

○ヒ

アリ

ング

児相

では

、親

グル

ープ

はト

ータ

ル10

回だ

が、

6回

くら

い来

たら

修了

証を

出す

。1

回や

2回

では

出せ

ない

が。

がん

ばっ

てき

たと

いう

証で

、改

善度

が高

いと

言う

こと

では

ない

。○

しか

し、

継続

して

?こ

れな

い人

は、

いろ

いろ

な問

題を

抱え

てい

る可

能性

があ

る。

○つ

なが

れば

、来

る人

は皆

勤、

来な

い人

は1

回で

来な

くな

る。

○一

回で

来な

くな

る場

合、

ワー

カー

児童

福祉

司に

戻す

とい

うよ

り来

てい

ませ

ん、

つな

がり

ませ

んで

した

、と

いう

感じ

。→

1回

で来

なく

なる

場合

だけ

では

ない

。児

童福

祉司

には

伝え

て終

了と

して

いる

。こ

こは

はっ

きり

しな

いの

で削

除し

ては

どう

かと

思い

ます

  

運用

の実

践面

での

課題

  

-335-

― 6

6 ―

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

― 6

7 ―

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

グル

ープ

とい

って

も、

1ケ

ース

しか

来な

かっ

たり

する

こと

もあ

るが

、開

催し

てい

る。

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

○親

はそ

れぞ

れ問

題を

抱え

てい

るの

で、

グル

ープ

の運

営は

、個

別の

ニー

ドに

答え

なが

らグ

ルー

プを

運営

する

工夫

が必

要と

なる

。○

グル

ープ

に繋

げる

前に

、ど

のよ

うな

プロ

グラ

ムな

のか

、親

とよ

く話

し合

う。

○グ

ルー

プで

うま

くい

かな

いよ

うな

ら、

他の

適切

な方

法を

親と

相談

して

考え

る。

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

か部

分活

用は

効果

的か

○児

童心

理司

の面

接で

、話

の中

で、

ペア

レン

トト

レー

ニン

グの

手法

を小

出し

して

取り

入れ

るこ

とは

多い

○10

回に

限ら

ず、

面接

の中

で出

しな

がら

、長

く続

けて

ゆく

場合

もあ

る。

  

運用

の実

践面

での

課題

  

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

○ケ

ース

ワー

クの

中で

経過

を確

認す

る○

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、全

例に

対し

てで

はな

いが

、ア

フタ

ーケ

アを

個別

にす

るこ

とは

ある

。A

F-C

BT

を導

入し

たり

、ト

ラウ

マ治

療を

個別

にや

るな

ど。

プロ

グラ

ム終

了後

起こ

る問

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

― 6

6 ―

各論/プログラム名:精研式ペアレントトレーニング

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

― 6

7 ―

プロ

グラ

ム名

:C

RC

(チ

ャイ

ルド

・リ

ソー

ス・

セン

ター

)親

子プ

ログ

ラム

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

 平

成19

年度

から

大阪

府子

ども

家庭

セン

ター

がN

PO

法人

チャ

イル

ド・

リソ

ース

セン

ター

に委

託し

、子

ども

に虐

待を

して

しま

った

り、

子育

てに

しん

どさ

や不

安を

抱え

てい

たり

する

親と

その

子ど

もを

対象

に実

施す

るプ

ログ

ラム

。親

自ら

が将

来に

わた

り、

子ど

もの

安全

基地

にな

るこ

とを

認識

し、

子ど

もへ

のか

かわ

りを

適切

なも

のに

改善

るこ

とを

目的

とす

る。

カナ

ダの

親子

再統

合プ

ログ

ラム

を参

考に

して

作成

され

た親

子1

組毎

の個

別プ

ログ

ラム

であ

り、

親時

間・

子ど

も時

間+

親子

交流

時間

の2

部構

成と

なっ

てい

る。

内容

とし

ては

「A

コー

ス(

虐待

(性

的虐

待は

除く

)行

為が

あり

家族

再統

にむ

けて

の支

援が

必要

なコ

ース

)」1

回2

時間

程度

×13

回(

終了

後フ

ォロ

ーア

ップ

1回

を含

む)・

「B

コー

ス(

養育

経験

がな

く親

子関

係が

希薄

で関

係構

築に

支援

が必

要な

ケー

ス)」

1回

2時

間程

度×

10回

(終

了後

フォ

ロー

アッ

プ1

回を

含む

)が

ある

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関府

(子

ども

家庭

総合

セン

ター

)で

は「

家族

再統

合支

援事

業」

と位

置づ

け、

職員

に毎

年周

知研

修で

プロ

グラ

ムの

説明

を行

う。

CR

Cは

、プロ

グラ

ムの

教材

の一

部を

活用

した

親子

支援

シー

ト集

研修

を独

自に

開催

して

いる

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

プロ

グラ

ムは

NP

O法

人チ

ャイ

ルド

・リ

ソー

ス・

セン

ター

への

委託

とし

て行

われ

、職

員へ

の養

成講

座は

実施

され

てい

ない

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用プ

ログ

ラム

実施

の保

護者

の費

用負

担は

ない

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先特

定非

営利

活動

法人

 チ

ャイ

ルド

・リ

ソー

ス・

セン

ター

TEL&

FAX

 06

-646

3-17

88U

RL:

 ht

tp:/

/hom

epag

e3.n

ifty.

com

/chi

ldrc

/

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

-336-

― 6

8 ―

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

― 6

9 ―

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

○場

所:

児童

相談

所、乳

児院

○回

数:(

Aコ

ース

)13回

(終

了後

のフ

ォロ

ーア

ップ

1回を

含む

(B

コー

ス)1

0回(

終了

後の

フォ

ロー

アッ

プ1回

を含

む)

○時

間:

1回

2時

間○

構造

:親

時間

・子

ども

時間

 お

よび

親子

交流

時間

の2部

構成

○期

間:

事例

選定

5月~

 プ

ログ

ラム

7月~

3月(

フォ

ロー

アッ

プを

含む

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

○親

子1

組毎

の個

別プ

ログ

ラム

○子

ども

は乳

幼児

から

概ね

小学

校低

学年

まで

。○

親時

間・

子ど

も時

間及

び親

子交

流時

間の

2部

構成

にな

って

いる

。○

親子

交流

時間

でも

スタ

ッフ

が同

席し

、親

子に

直接

働き

かけ

る。

○親

子交

流時

間を

ビデ

オに

録画

し、

親と

とも

に子

ども

への

かか

わり

につ

いて

 振

りか

えり

、具

体的

な養

育ス

キル

を高

める

。○

プロ

グラ

ムを

提供

する

NP

O法

人チ

ャイ

ルド

・リ

ソー

ス・

セン

ター

(以

下、

CR

C)

は、

処遇

には

関与

しな

い○

CR

Cは

、児

童相

談所

や養

護施

設、

乳児

院と

密接

な連

携を

行う

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

親が

、子

ども

にと

って

より

よい

親子

関係

につ

いて

考え

、自

らが

将来

にわ

たり

、子

ども

の安

全基

地に

なる

こと

を認

識し

、子

ども

への

かか

わり

を適

切な

もの

に改

善す

るこ

とを

目的

とす

る。

実施

して

の効

果な

どの

状況

○参

加し

た親

の生

の声

を確

認す

る。

○親

、担

当職

員(

ワー

カー

)、施

設職

員を

対象

にプ

ログ

ラム

実施

後ア

ンケ

ート

を行

って

いる

。○

担当

職員

(ワ

ーカ

ー)

のケ

ース

ワー

クの

ヒン

トに

なっ

てい

る。

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

府(

中央

子ど

も家

庭セ

ンタ

ー)

では

、平成

22年

度か

ら「

家族

再統

合支

援事

業」

とし

て実

施。

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

― 6

8 ―

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

― 6

9 ―

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

○ア

ンケ

ート

等か

ら親

の子

ども

との

関係

性の

改善

とと

もに

子ど

もの

親へ

の安

心感

が増

した

とい

う結

果が

得ら

れて

いる

。○

職員

の親

への

理解

が深

まり

、支

援へ

のヒ

ント

が得

られ

たと

評価

がな

され

た。

プロ

グラ

ムの

実施

場所

実施

場所

は中

央を

含む

2カ

所の

子ど

も家

庭セ

ンタ

ーで

毎年

、他

の2

カ所

の子

ども

家庭

セン

ター

では

1年

交代

で実

施し

、計3

か所

で行

って

いる

。乳

児院

でも

毎年

実施

して

いる

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

府の

元職

員(

宮口

智恵

氏)

がカ

ナダ

の親

教育

プロ

グラ

ム(

Pro

ject

 P

aren

t)の

枠組

みや

理念

を参

考に

、独

自の

プロ

グラ

ムを

開発

。平

成19

年度

から

府子

ども

家庭

セン

ター

「す

こや

か家

族再

生事

業プ

ロジ

ェク

ト」

にお

いて

、C

RC

が実

施者

とし

て試

行的

に始

動し

た。

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

人員

や時

間の

確保

につ

いて

プロ

グラ

ムは

、1

組の

親子

にC

RC

スタ

ッフ

がそ

れぞ

れ1

名ず

つ担

当し

、親

子一

組に

CR

Cの

スタ

ッフ

は2

名で

実施

する

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

CR

Cは

、児

童精

神科

医及

び、

元児

童相

談所

所長

(福

祉職

)の

スー

パー

ビジ

ョン

を得

てい

る。

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合C

RC

が準

備す

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

ど 

導入

のタ

イミ

ング

○虐

待対

応の

初期

場面

から

家族

再統

合を

考え

る事

例に

は、

次年

度の

当プ

ログ

ラム

の導

入を

視野

に入

れて

ケー

スワ

ーク

を展

開す

る。

○ま

た、

以前

から

子ど

もが

入所

して

いた

事例

でも

、家

族状

況の

変化

など

によ

り、

親子

関係

の再

構築

への

特別

な支

援が

必要

な事

例に

つい

て導

入を

試み

る。

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

-337-

― 7

0 ―

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

― 7

1 ―

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

○「

子ど

もと

やり

直し

たい

」と

いう

親の

ニー

ズを

引き

出す

。○

親が

「自

分が

プロ

グラ

ム選

別に

落ち

た」

と思

わな

いよ

うに

、事

例選

定後

に案

内す

る場

合も

ある

引取

り目

標の

親の

場合

処遇

に関

与し

ない

団体

がプ

ログ

ラム

を実

施す

るこ

とに

より

、親

が評

価を

気に

せず

、自

分の

課題

を見

つめ

、虐

待の

事実

を認

める

こと

がで

きる

ので

、プ

ログ

ラム

の受

講を

引き

取り

の条

件に

なら

ない

よう

親に

案内

して

いる

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

親子

一組

毎の

個別

プロ

グラ

ムな

ので

、か

なり

各親

子に

合わ

せた

内容

とな

って

いる

。ま

た、

担当

職員

が各

事例

につ

いて

CR

Cに

詳し

く説

明す

る時

点で

、親

や子

ども

、担

当職

員の

ニー

ズな

どを

しっ

かり

と出

し、

CR

Cと

導入

のタ

イミ

ング

やプ

ログ

ラム

の特

徴と

限界

など

も含

め協

議を

して

いる

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

担当

職員

(ワ

ーカ

ー)

が、

例え

ば家

庭訪

問で

プロ

グラ

ムを

説明

した

り、

プロ

グラ

ムに

通う

ため

に必

要な

工夫

など

につ

いて

親や

家族

と十

分に

話し

合う

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて(

具体

例な

ど)

○C

RC

が、

担当

職員

(ワ

ーカ

ー)

同席

の下

、プ

ログ

ラム

開始

時に

最終

日ま

での

スケ

ジュ

ール

(概ね

2週

間に

1回

の頻

度)

を提

示。

親の

不安

をし

っか

りと

聞き

取り

、欠

席連

絡方

法や

プロ

グラ

ム中

断等

につ

いて

、丁

寧に

説明

して

いる

。○

担当

職員

(ワ

ーカ

ー)

の意

見を

聞い

て、

CR

Cは

開始

時間

を考

慮し

たり

、プ

ログ

ラム

前日

にC

RC

のス

タッ

フか

ら親

に電

話を

いれ

るこ

とも

多い

。○

担当

職員

(ワ

ーカ

ー)

が開

始当

初は

駅ま

で迎

えに

行く

こと

など

もあ

る。

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

CR

Cは

、親

の能

力に

あわ

せて

教材

の内

容や

伝授

方法

等を

配慮

して

いる

途中

で虐

待発

生の

時(

具体

例な

ど)

プロ

グラ

ム開

始時

に、

CR

Cは

親に

、親

子の

支援

に必

要な

こと

は担

当職

員(

ワー

カー

)に

伝え

ると

明言

し、

了解

を得

てい

る。

CR

Cは

、親

との

信頼

関係

を保

ちつ

つ、

虐待

発生

の時

には

、親

から

担当

職員

への

開示

を促

した

り、

担当

職員

や施

設職

員等

と緊

密な

連携

をと

って

おり

、ケ

ース

バイ

・ケ

ース

で対

応し

てい

る。

  

親側

の要

因 

 

― 7

0 ―

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

各論/プログラム名:CRC(チャイルド・リソース・センター)親子プログラム

― 7

1 ―

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて(

具体

例な

ど)

○プ

ログ

ラム

は中

断が

少な

いの

と、

個別

であ

るの

で日

程の

調整

がし

やす

い。

○プ

ログ

ラム

は枠

組み

はあ

るが

、親

の能

力、

特性

、特

徴に

応じ

て臨

機応

変で

ある

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

グル

ープ

でな

く個

別実

施で

ある

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

グル

ープ

でな

く個

別実

施で

ある

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

か部

分活

用は

効果

的か

部分

活用

は許

して

いな

い。

(プロ

グラ

ムを

通し

ての

親子

の見

立て

など

支援

の手

がか

りな

どは

ケー

スワ

ーク

に活

用し

てい

る)

その

他運

用上

の問

題○

対応

でき

る支

援数

(家

族数

)が

限ら

れて

てい

る。

○現

時点

で、

独自

のプ

ログ

ラム

であ

るた

め随

意契

約で

ある

。今

後も

継続

的に

実施

して

いき

たい

  

運用

の実

践面

での

課題

  

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

担当

者を

中心

に地

域や

施設

にお

いて

サポ

ート

が継

続す

る作

戦を

立て

、支

援が

途切

れな

いよ

うに

親に

安心

して

もら

う必

要が

ある

プロ

グラ

ム終

了後

起こ

る問

題終

了の

約6

か月

後に

フォ

ロー

アッ

プ(

次年

度)

を行

って

いる

が、

その

後、

プロ

グラ

ムと

して

のフ

ォロ

ーア

ップ

に未

着手

であ

る。

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

-338-

― 7

2 ―

各論/プログラム名:トリプルP

各論/プログラム名:トリプルP

― 7

3 ―

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

トリ

プル

Pは

、豪

州ク

イー

ンズ

ラン

ド大

学マ

ット

・サ

ンダ

ース

らに

より

開発

され

た「

前向

き子

育て

プロ

グラ

ム」

で、

日本

には

2005

年に

導入

され

た。

前向

き子

育て

親と

子ど

もが

よい

関係

を作

って

いく

子育

て法

。認

知行

動療

法を

原則

理念

とし

、親

への

心理

教育

プロ

グラ

ムで

ある

。一

般に

は地

域の

親た

ちを

対象

とす

るプ

ログ

ラム

で、

提供

法に

より

5段

階レ

ベル

が用

意さ

れて

いる

が、

この

うち

標準

的な

レベ

ル4

のグ

ルー

プト

リプ

ルP

が児

童相

談所

で実

施さ

れて

いる

。1

週間

毎、

1回

2時

間の

グル

ープ

学習

4回

行い

、2

-3

回の

15-2

0分

の個

別電

話相

談、

最終

のグ

ルー

プ学

習で

構成

され

いる

。児

相で

は「

子育

て支

援」

と「

虐待

の再

発予

防」

を目

的に

実施

され

てい

る。

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関ト

リプ

ルP

ジャ

パン

UR

L: h

ttp:

//w

ww

.trip

lep-

japa

n.or

g/E-

mai

l: offi

ce@

trip

lep-

japa

n.or

g

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

トリ

プル

Pジ

ャパ

ンが

主催

する

ファ

シリ

テー

タ養

成講

座を

受け

、認

定試

験に

合格

した

もの

がプ

ログ

ラム

を提

供す

る。

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用養

成講

座3

日間

は18

-19

万円

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用親

の受

講は

無料

。教

材費

は25

00円

(消

費税

別)

であ

るが

、プ

ログ

ラム

が安

心子

ども

基金

(子育

て創

生基

金)で

行わ

れる

場合

は無

料。

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先グ

ルー

プ学

習参

加に

あた

り教

材が

準備

提供

され

る。

一般

向け

に、

トリ

プル

P~

前向

き子

育て

17.の

技術

~(

診断

と治

療社

)、エ

ブリ

ペア

レン

ト(

明石

書店

)が

出版

され

てい

る。

トリ

プル

Pジ

ャパ

ン T

EL:0

3-57

85-6

928

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

プロ

グラ

ム名

:ト

リプ

ルP

― 7

2 ―

各論/プログラム名:トリプルP

各論/プログラム名:トリプルP

― 7

3 ―

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

1週間

毎、1

回2時

間の

グル

ープ

学習

を4回

行い

、15-

20分

の個

別電

話相

談2-

3回、お

よび

最終

のグ

ルー

プ学

習1

回の

計7-

8回

で構

成さ

れて

いる

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

○「

罰す

る」

とい

う方

法は

とら

ず、

子ど

もに

はっ

きり

とわ

かる

よう

に伝

え理

解さ

せる

とい

う接

近の

仕方

をと

る。

○子

ども

に発

達障

害な

ど何

か問

題が

あっ

ても

ある

いは

問題

がな

くて

も、

子ど

もと

のか

かわ

りの

基本

はあ

まり

変わ

らな

い共

通の

もの

であ

ると

考え

る。

○親

や子

ども

のメ

ンタ

ルヘ

ルス

を盛

り込

んで

いる

。○

親と

子ど

もと

の良

い関

係を

作る

こと

を重

視し

てい

る。

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

子ど

もへ

のか

かわ

りに

悩ん

でい

るい

わゆ

る「

育児

不安

」や

「育

児困

難」

の親

は、

孤立

しメ

ンタ

ルヘ

ルス

に陥

いる

リス

クを

抱え

てい

る。

子ど

もと

の好

まし

い姿

勢を

作る

こと

を目

的と

して

いる

実施

して

の効

果な

どの

状況

○プ

ログ

ラム

前後

で数

種類

のア

ンケ

ート

を実

施し

、評

価は

外部

委託

し、

客観

的な

効果

測定

を行

って

いる

。○

プロ

グラ

ムで

のス

キル

を使

った

母親

から

スキ

ルが

効果

的で

あっ

たこ

とを

聞い

て実

践効

果を

確認

でき

た。

○外

部講

師と

親と

の良

好な

関係

を見

聞し

てい

るが

、児

相と

親と

の関

係の

変化

には

至っ

てい

ない

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

保護

者支

援の

援助

業務

の一

環と

して

位置

付け

るこ

とは

重要

であ

ると

感じ

てい

る。

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

聞き

取り

調査

の時

点で

児童

相談

所全

体と

して

、積

極的

に取

り入

れる

とい

う段

階に

は至

って

いな

い。

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

○「

安心

子ど

も基

金(

子育

て創

生基

金)」

の助

成を

受け

、児

相職

員20

名が

ファ

シリ

テー

ター

養成

講座

を受

講し

た。

○プ

ログ

ラム

実施

のた

め予

算を

計上

した

。○

県の

子ど

も未

来課

に働

きか

けた

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

-339-

― 7

4 ―

各論/プログラム名:トリプルP

各論/プログラム名:トリプルP

― 7

5 ―

人員

や時

間の

確保

につ

いて

○プ

ログ

ラム

は外

部委

託し

てい

る。

○養

成講

座を

受け

てい

ない

職員

も資

格取

得を

考慮

して

いる

。○

プロ

グラ

ムは

平日

午前

中に

実施

して

いる

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

○プ

ログ

ラム

は外

部講

師が

主体

で実

施し

、職

員は

スタ

ッフ

とし

てプ

ログ

ラム

のサ

ポー

トを

する

。○

職員

の予

定を

あら

かじ

め確

保し

てい

る。

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合○

プロ

グラ

ムで

は、

DV

D,ス

ライ

ド等

の機

材を

使用

する

が、

必要

機材

は外

部か

らの

持ち

込み

であ

る。

○プ

ログ

ラム

参加

案内

(紹

介)

のチ

ラシ

は職

員が

作成

した

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

ど 

導入

のタ

イミ

ング

○親

と一

時保

護中

の面

会を

進め

るう

えで

紹介

した

。○

何度

も担

当職

員か

ら保

護者

に声

掛け

をし

てい

る。

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

○親

が子

ども

への

対応

で困

った

こと

を職

員に

相談

した

場合

、プ

ログ

ラム

を紹

介し

た。

引取

り目

標の

親の

場合

○「

プロ

グラ

ム受

講す

るこ

とで

引き

取り

が可

能に

なる

」わ

けで

ない

こと

の説

明も

必要

であ

る。

引き

取り

のモ

チベ

ーシ

ョン

を下

げな

い工

夫が

必要

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

○学

ぶ姿

勢を

強く

持っ

てい

る人

がプ

ログ

ラム

に一

生懸

命参

加し

、プ

ログ

ラム

中の

発言

も多

い。

○一

人一

人の

子育

てを

作り

上げ

る趣

旨の

プロ

グラ

ムな

ので

、保

護者

が自

分に

合う

よう

に応

用し

てゆ

ける

親が

希望

した

タイ

ミン

グで

丁度

よく

実施

され

るク

ール

がな

いと

○1

対1

の個

別対

応を

取っ

た。

○他

の市

町村

のプ

ログ

ラム

実施

を紹

介し

た。

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

― 7

4 ―

各論/プログラム名:トリプルP

各論/プログラム名:トリプルP

― 7

5 ―

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

グル

ープ

での

取り

組み

が困

難で

あっ

た事

例で

、個

別対

応や

補習

を行

った

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて(

具体

例な

ど)

ファ

シリ

テー

ター

と相

談し

て、

補習

など

で調

整し

た。

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

難解

と感

じる

親は

少な

かっ

たが

、あ

れば

個別

で対

応す

る。

途中

で虐

待発

生の

時(

具体

例な

ど)

大き

な虐

待と

して

の再

発は

なか

った

が、

小さ

なも

ので

はプ

ログ

ラム

を継

続し

た。

  

親側

の要

因 

 

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて

(具

体例

など

○困

難事

例で

は、

5名

中2

名程

度の

中断

があ

るよ

うに

思う

。○

中断

例は

、プ

ログ

ラム

にな

じめ

ない

人、

自分

のこ

とを

話し

たが

らな

い人

、時

間確

保が

困難

な人

であ

った

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

職員

が親

とし

てグ

ルー

プに

参加

した

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

感想

を聞

いて

理由

を探

るよ

うに

して

いる

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

か部

分活

用は

効果

的か

職員

も面

接時

にス

キル

の一

部を

活用

して

いる

その

他運

用上

の問

題特

にな

し。

  

運用

の実

践面

での

課題

  

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

○効

果の

持続

性は

現時

点で

は不

明で

ある

。○

親と

の面

接で

プロ

グラ

ムの

振り

返り

をし

たり

、ト

リプ

ルP

で習

った

事を

説明

して

いる

プロ

グラ

ム終

了後

起こ

る問

題特

に問

題を

経験

して

いな

い。

むし

ろプ

ログ

ラム

終了

後に

母親

同士

で相

談し

たり

、昼

食会

をす

るな

ど良

い面

を多

く見

聞し

てい

る。

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

-340-

― 7

6 ―

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

― 7

7 ―

プロ

グラ

ム名

:M

Y T

RE

Eペ

アレ

ンツ

・プ

ログ

ラム

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

 20

01年

に森

田ゆ

り氏

によ

って

開発

され

た心

理教

育プ

ログ

ラム

。子

ども

への

虐待

言動

を繰

り返

して

しま

う親

のセ

ルフ

ケア

力と

問題

解決

力の

回復

を促

し、

親子

関係

の修

復を

目的

とし

てい

る。

約10

人の

参加

者と

3人

の実

践者

でグ

ルー

プを

構成

し、

1回

2

時間

のセ

ッシ

ョン

を13

回行

う。

内容

はカ

リキ

ュラ

ム化

され

た「ま

なび

のワ

ーク

」と「

ぶん

をト

ーク

」で

構成

され

てい

る。

子ど

もに

向か

う怒

りの

爆発

の裏

側に

隠さ

れて

いる

悲し

み、

不安

、自

信喪

失な

どの

感情

に気

づき

語る

ツー

ルを

使え

るよ

うに

なる

。身

体、

感情

、理

性、

魂の

すべ

てに

働き

かけ

て、

木や

太陽

や風

から

も生

命力

の源

をも

らう

とい

う全

体性

の回

復を

目指

すと

ころ

に特

色の

一つ

があ

る。

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関M

Y T

REE

ペア

レン

ツ・

プロ

グラ

ムセ

ンタ

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

MY

TR

EEペ

アレ

ンツ

プロ

グラ

ムが

実施

する

基礎

講座

と実

践者

養成

講座

の受

講及

び、

森田

ゆり

氏が

実施

する

多様

性フ

ァシ

リテ

ータ

ー養

成講

座の

受講

が必

要。

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用81

,000

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用○

外部

委託

した

場合

、1

クー

ルの

実施

に約

100

万円

(人

件費

、保

育費

、会

場費

等)。

○ヒ

アリ

ング

した

自治

体が

委託

して

いる

プロ

グラ

ムで

は、

参加

者が

テキ

スト

代(

2800

円程

度)

を負

担。

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先教

材:「

しつ

けと

体罰

」「気

持ち

の本

」(森

田ゆ

り著

 童

話館

出版

)問

い合

わせ

先:

MY

 TR

EEペ

アレ

ンツ

プロ

グラ

ムセ

ンタ

ーE

メー

ル:

mai

l:myt

ree@

mai

l.goo

.ne.

jp  

ht

tp:/

/ww

w.g

eoci

ties.

jp/m

ytre

e120

6/

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

― 7

6 ―

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

― 7

7 ―

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

1セッ

ショ

ン2時

間で

13回

のプ

ログ

ラム

を約

3ヶ月

間か

けて

毎週

実施

する

。その

他に

、個別

の面

接が

3回、同

窓会

が1(

~2

)回を

実施

する

ため

、期間

とし

ては

1ク

ール

に約

半年

かか

る。

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

○子

ども

虐待

とは

これ

まで

人と

して

尊重

され

なか

った

痛み

や悲

しみ

を怒

りの

形で

子ど

もに

爆発

させ

てい

る行

動で

ある

との

認識

に立

つプ

ログ

ラム

。○

安心

なグ

ルー

プの

場で

、怒

りの

仮面

の裏

側の

不安

や恐

れに

気づ

き語

るプ

ロセ

スは

大き

な変

容を

個人

及び

グル

ープ

にも

たら

す。

○心

、身

体、

思考

、魂

のす

べて

に総

合的

に働

きか

ける

ホ―

リス

ティ

ック

なア

プロ

ーチ

をと

る。

○呼

吸法

や気

功を

取り

入れ

てマ

イン

ドフ

ルな

脳の

トレ

ーニ

ング

を行

う。

○日

本の

自然

の四

季を

、自

分と

グル

ープ

の変

化と

成長

に呼

応さ

せて

深く

受け

入れ

るた

めの

物語

やシ

ンボ

ルを

多用

する

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

虐待

的言

動の

ある

保護

者を

対象

にし

てい

る。

問題

解決

力や

セル

フケ

アの

ツー

ルを

学ぶ

こと

で子

ども

との

関係

を改

善す

る。

実施

して

の効

果な

どの

状況

○子

ども

の心

や体

を傷

つけ

たり

、コ

ント

ロー

ルし

ない

子育

ての

方法

へ改

善が

見ら

れる

。○

また

、参

加者

の変

化は

一個

人の

中で

の気

づき

にと

どま

らず

、グ

ルー

プ全

体に

揺さ

ぶり

と質

的変

化を

もた

らし

、個

別支

援で

は得

られ

ない

ダイ

ナミ

ック

な変

容を

もた

らす

。○

参加

型の

学習

によ

り、

次第

に自

分の

言葉

で気

持ち

を話

せる

よう

にな

り、

相手

との

コミ

ュニ

ケー

ショ

ンの

スキ

ルが

向上

する

ため

、人

間関

係や

生き

るこ

と全

般の

態度

に変

容が

生ま

れる

。○

感情

のコ

ント

ロー

ルや

セル

フケ

アの

方法

を学

び、

日常

生活

に活

用で

きる

よう

にな

る。

○参

加者

自身

の自

己肯

定感

が高

めら

れる

。○

現実

の状

況や

物事

の捉

え方

が柔

軟に

なる

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

-341-

― 7

8 ―

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

― 7

9 ―

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

○ヒ

アリ

ング

を行

った

自治

体(

政令

市)

では

、職

員向

けの

プレ

説明

会を

毎年

開催

して

おり

、職

員に

周知

を図

って

いる

。ま

た、

プロ

グラ

ム参

加ケ

ース

は児

童福

祉司

から

提案

があ

った

もの

を家

族回

復支

援担

当者

が検

討し

て決

定し

てい

る。

○同

様に

ヒア

リン

グを

行っ

た別

の自

治体

(都

道府

県)

では

、職

員へ

の周

知研

修で

プロ

グラ

ムを

終え

た人

の体

験談

を話

して

もら

った

。○

上記

の2

つの

自治

体(

都道

府県

と政

令市

)は

共同

で実

施し

てお

り、

同一

グル

ープ

に相

互乗

り入

れし

て費

用を

負担

して

いる

。○

両自

治体

はN

PO

法人

子育

て運

動え

んに

委託

して

実施

して

いる

。児

童相

談所

とは

一定

の独

立性

を持

って

実施

され

てい

るが

、プ

ログ

ラム

の中

間と

終了

時に

児童

相談

所は

報告

を受

けて

いる

。○

上記

自治

体の

内の

1つ

では

「親

への

グル

ープ

プロ

グラ

ム」

とし

て委

託事

業者

を公

募し

、M

YTR

EEプ

ログ

ラム

を提

供し

てい

るN

PO

法人

子育

て運

動え

んが

採択

され

て実

施し

てい

る。

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

児相

職員

に効

果が

見え

るこ

とで

定着

して

きた

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

ヒア

リン

グを

行っ

た2

つの

自治

体に

おい

ては

、熱

心に

取り

組ん

でき

た民

間団

体と

の契

約に

より

委託

して

実施

して

いる

人員

や時

間の

確保

につ

いて

ヒア

リン

グを

行っ

た2

つの

自治

体が

委託

して

いる

プロ

グラ

ムで

は、

グル

ープ

の人

数を

10人

とし

てい

るた

め、

グル

ープ

が成

立す

るだ

けの

ケー

スを

集め

る必

要が

ある

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

― 7

8 ―

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

― 7

9 ―

導入

のタ

イミ

ング

○担

当児

童福

祉司

が保

護者

に働

きか

けて

プロ

グラ

ムに

つな

ぐ。

保護

者に

プロ

グラ

ムを

勧め

られ

るよ

うな

関係

性の

構築

が肝

要。

○当

事者

から

の申

込や

児童

相談

所の

提案

をも

とに

プロ

グラ

ム実

施団

体が

イン

テー

ク面

接を

十分

に実

施し

て参

加を

決定

する

この

プロ

グラ

ムが

向い

てい

ると

思わ

れる

保護

者の

タイ

虐待

に至

った

保護

者。

子育

て不

安、

孤立

、生

きる

こと

全般

への

自信

のな

さ、

伴侶

との

関係

の悪

さ、

PTS

D症

状、

未解

決の

傷つ

き体

験な

どを

背景

に、

子ど

もを

虐待

、ネ

グレ

クト

して

いる

保護

者。

引取

り目

標の

親の

場合

家族

再統

合に

向け

た保

護者

の回

復支

援と

して

開発

され

た。

実際

には

親子

が分

離さ

れた

ケー

スだ

けで

はな

く在

宅ケ

ース

でも

実施

して

いる

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具体

例な

ど)

かな

り症

状の

重い

方も

参加

して

いる

。個

人に

合わ

せて

目標

を設

定し

てプ

ログ

ラム

を実

施し

てい

る。

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(具

体例

など

)知

的に

課題

のあ

る参

加者

はテ

キス

トに

仮名

を振

るな

どし

て参

加し

てい

る。

途中

で虐

待発

生の

時(具

体例

など

)プ

ログ

ラム

途中

で一

時保

護と

なっ

たケ

ース

があ

った

。そ

の場

合に

はプ

ログ

ラム

参加

を継

続し

た場

合と

取り

やめ

た場

合が

あっ

た。

  

親側

の要

因 

 

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて

(具体

例な

ど)

ヒア

リン

グを

行っ

た2

つの

自治

体が

委託

して

いる

プロ

グラ

ムで

は、

プロ

グラ

ムに

欠席

する

と連

絡を

取り

継続

を働

きか

けて

いる

が、

働き

かけ

にも

かか

わら

ず2

回欠

席す

ると

とり

やめ

とし

てい

る。

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具体

例な

ど)

グル

ープ

力動

に適

切な

人数

のグ

ルー

プを

成立

させ

る必

要が

ある

  

運用

の実

践面

での

課題

  

-342-

― 8

0 ―

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

各論/プログラム名:PCIT

― 8

1 ―

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

グル

ープ

外で

の保

護者

同士

の交

流が

あっ

たた

めに

参加

を取

りや

めて

もら

った

方が

あっ

た。

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

○た

とえ

話と

シン

ボル

を多

用し

て、

修了

後も

セル

フケ

アや

子ど

もと

の関

係性

の改

善に

活用

でき

るツ

ール

を提

供し

てい

る。

○終

了時

の個

別の

面接

にお

いて

、本

人の

変化

、課

題、

必要

なサ

ポー

ト資

源な

どを

明確

にす

る。

○3

か月

後及

び6

か月

後の

同窓

会を

開催

する

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

― 8

0 ―

各論/プログラム名:MY TREEペアレンツ・プログラム

各論/プログラム名:PCIT

― 8

1 ―

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

子ど

もの

ここ

ろや

行動

の問

題に

対し

、親

子の

相互

交流

を深

めそ

の質

を高

める

事に

よっ

て回

復に

向か

うよ

う働

きか

ける

行動

学に

基づ

いた

心理

療法

。19

70年

代に

アメ

カフ

ロリ

ダ大

学の

アイ

バー

グ教

授ら

のグ

ルー

プに

より

開発

され

た。

日本

には

2000

代に

導入

され

その

有効

性が

認め

られ

広が

って

いる

。親

子二

者の

様子

をビ

デオ

カメ

ラで

撮影

し、

別室

でセ

ラピ

スト

がモ

ニタ

ーを

見な

がら

トラ

ンシ

ーバ

ーで

ライ

ブコ

ーチ

ング

をす

るこ

とが

特徴

であ

る。

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関○

東京

女子

医大

の加

茂登

志子

氏が

国内

で指

導で

きる

資格

を取

得中

。○

米国

から

アイ

バー

グ教

授ら

PC

IT in

tern

atio

nalの

指導

者が

来日

して

講習

が行

われ

る場

合が

ある

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

米国

でア

イバ

ーグ

教授

らP

CIT

inte

rnat

iona

l が

指導

者養

成を

行っ

てい

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用米

国か

らア

イバ

ーグ

教授

が見

えて

講習

を受

ける

場合

には

5日

間で

30万

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用ビ

デオ

とト

ラン

シー

バー

など

機材

費 

人件

費(必

要が

有れ

ば)

など

の実

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先P

CIT

-Jap

an (

代表

 加

茂登

志子

 東

京女

子医

科大

学附

属女

性生

涯健

康セ

ンタ

ー内

)ht

tp:/

/pci

t-ja

pan.

com

/

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

プロ

グラ

ム名

:P

CIT

-343-

― 8

2 ―

各論/プログラム名:PCIT

各論/プログラム名:PCIT

― 8

3 ―

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

○養

育者

が定

めら

れた

スキ

ルが

マス

テリ

ー(何

とか

出来

ると

いう

感じ

)に達

し、評

価尺

度EC

BI(ア

イバ

ーグ

子ど

もの

行動

調査

票 

36項

目で

、2~

16歳

の子

ども

の問

題行

動を

測る

)の

スコ

アが

基準

値以

下に

なれ

ば、修

了と

なる

。○

通常

は前

半の

CD

I(親

が子

ども

のリ

ード

に従

うこ

とに

よっ

て、親

子の

関係

を強

化す

る)が

7-8

回、後

半の

PD

I(保

護者

が主

導と

なり

、効果

的な

指示

の出

し方

や不

適切

な行

動を

減ら

すた

めの

. 方法

を練

習す

る)が

7-

8回の

合計

15回

程度

だが

、スキ

ル獲

得に

時間

がか

かる

養育

者で

は、前

半だ

けで

12回

や、1

3回か

かる

人も

いる

。○

長期

化し

ても

、その

間つ

なが

って

いる

ので

、ケー

スワ

ーク

も有

効に

出来

るの

で、メ

リッ

トが

ある

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

親子

の関

わり

をモ

ニタ

ーし

ライ

ブコ

ーチ

ング

を行

える

こと

で、

親子

の関

係性

を直

接観

察で

き、

養育

者も

ライ

ブで

褒め

られ

る経

験も

出来

るな

ど、

濃厚

な治

療で

ある

。ま

た治

療目

標が

明確

であ

るた

め、

治療

者側

もゴ

ール

を想

定し

やす

い。

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

親子

の関

わり

の実

際に

つい

て、

段階

的に

てい

ねい

に進

めて

ゆく

こと

によ

り、

養育

者も

、た

だ説

明を

され

るだ

けで

なく

、ラ

イブ

コー

チン

グで

実践

でき

るこ

とで

、よ

りよ

い関

わり

が持

てる

よう

にす

実施

して

の効

果な

どの

状況

○児

相で

の治

療的

関与

に抵

抗の

ある

養育

者で

も、

構造

化さ

れた

治療

なの

でや

って

みた

いと

思っ

ても

らえ

る。

点数

が変

わら

なく

ても

見立

てや

アセ

スメ

ント

とし

て何

かが

改善

した

よう

に評

価さ

れる

事が

ある

。○

スキ

ルの

獲得

が遅

い場

合や

、評

価尺

度EC

BIが

低下

しな

い場

合な

ど、

治療

経過

が長

くな

って

も、

具体

的な

対応

を長

期に

渡り

支援

され

るこ

とで

、児

童福

祉司

との

接触

の機

会が

増え

るな

どの

効果

があ

る。

○ラ

イブ

コー

チン

グで

親を

ほめ

るこ

とも

治療

上有

効で

、生

育歴

でほ

めら

れた

こと

がな

かっ

たり

、遊

び方

が分

から

ない

親に

とっ

て受

容体

験に

よっ

て自

信を

持つ

こと

がで

き、

子ど

もと

の関

係つ

くり

に有

効で

ある

。○

親の

変化

も客

観的

に評

価し

、ス

キル

が身

につ

いた

とこ

ろで

治療

が終

了す

る。

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

― 8

2 ―

各論/プログラム名:PCIT

各論/プログラム名:PCIT

― 8

3 ―

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

児童

相談

所の

相談

対応

とコ

ンビ

ネー

ショ

ンを

組む

。ラ

イブ

コー

チン

グを

する

とき

に、

治療

者だ

けの

部屋

に児

童福

祉司

にも

入っ

ても

らう

こと

があ

る。

多職

種が

時間

を合

わせ

る困

難さ

があ

るが

、児

童心

理司

が窓

口と

なっ

てス

ケジ

ュー

ルを

調整

する

プロ

グラ

ムに

つい

ての

児相

職員

から

の評

取り

組み

始め

た当

初は

、モ

デル

ケー

スと

して

中央

児童

相談

所で

幾つ

かの

ケー

スに

実施

して

効果

を確

認し

、そ

の後

、地

域児

童相

談所

を含

めた

会議

や研

修会

で説

明し

たこ

とで

、有

効な

プロ

グラ

ムで

ある

とい

う認

識が

得ら

れた

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

ヒア

リン

グし

た自

治体

では

、治

療部

門の

取り

組み

とし

てま

ず取

り入

れら

れた

人員

や時

間の

確保

につ

いて

○親

面接

の時

、子

ども

を見

てい

ても

らう

必要

があ

ると

き、

もう

一名

職員

が必

要に

なる

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

ヒア

リン

グし

た自

治体

では

、ス

ーパ

ーバ

イズ

を東

京女

子医

大加

茂氏

が月

一回

、研

究ベ

ース

で、

児童

相談

所に

来所

して

実施

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合○

PC

ITは

ビデ

オな

どの

機材

を必

要と

する

。被

害面

接用

に購

入し

た機

材を

活用

し一

部買

い足

した

児童

相談

所も

ある

。ト

ラン

シー

バー

、延

長コ

ード

など

を購

入。

ヒア

リン

グし

た自

治体

では

、ビ

デオ

カメ

ラを

設置

した

部屋

があ

り、

別室

でモ

ニタ

ーで

きる

よう

にな

って

いる

。○

実施

して

いる

児童

相談

所数

が少

ない

と、

他の

児童

相談

所に

通う

のが

大変

で続

かな

いの

で、

自治

体内

児童

相談

所す

べて

で実

施す

るた

めに

機材

を準

備し

た。

○観

察室

を含

め2

部屋

使用

する

ので

、小

さい

児童

相談

所だ

と、

他の

面接

に影

響が

出る

こと

もあ

る。

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

-344-

― 8

4 ―

各論/プログラム名:PCIT

各論/プログラム名:PCIT

― 8

5 ―

対象

とな

る保

護者

○在

宅で

育児

不安

が大

きい

場合

、一

時保

護で

家に

返す

のが

心配

なケ

ース

、里

親の

養育

に問

題が

生じ

た場

合、

施設

入所

中の

ケー

ス○

在宅

が4

分の

1、一

時保

護が

5分

の一

、里

親に

対す

る実

施も

多い

。施

設の

場合

は引

き取

り前

後が

行い

やす

い。

施設

職員

の対

象に

実施

する

場合

は、

子ど

も側

の変

化を

ねら

う。

子ど

もは

職員

を半

日独

占で

きる

ので

安定

する

。○

関係

性の

問題

が対

象と

なる

。子

ども

に問

題は

なさ

そう

でも

、親

子の

関係

がま

ずい

とか

、一

定の

養育

者と

の関

係が

悪い

よう

なケ

ース

が対

象と

なる

導入

のタ

イミ

ング

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は20

11年

から

開始

。児

童心

理司

が適

切な

なケ

ース

を紹

介し

て実

施し

てき

た。

当初

は軌

道に

乗せ

るた

めに

つな

がり

そう

なケ

ース

を選

んだ

傾向

はあ

る。

○対

応方

法が

知り

たい

とい

う養

育者

側の

動機

付け

が重

要○

アメ

リカ

では

、親

の動

機付

けグ

ルー

プ療

法を

行う

。計

6回

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

モチ

ベー

ショ

ンの

状況

をつ

かん

で、

児童

福祉

司か

らも

働き

かけ

、プ

ログ

ラム

を実

施す

る。

引取

り目

標の

親の

場合

○引

き取

り目

標は

、実

施す

る上

での

きっ

かけ

とな

りや

すい

○プ

ログ

ラム

を受

ける

こと

を引

き取

りの

条件

とす

るこ

とは

ない

が、

親子

関係

の改

善に

よっ

て引

き取

りに

つな

がり

やす

くな

るこ

とは

多い

プロ

グラ

ムの

内容

が親

にぴ

った

り合

って

いな

いと

感じ

たと

プロ

グラ

ムの

効果

があ

まり

現れ

ない

よう

な場

合で

も、

定期

的に

児童

相談

所に

通う

こと

によ

り、

児童

相談

所職

員と

の関

係が

良く

なり

、ケ

ース

ワー

クが

円滑

に行

われ

るよ

うに

なる

事が

ある

親が

希望

した

タイ

ミン

グで

丁度

よく

実施

され

るク

ール

がな

いと

個別

なの

で、

親の

状況

に合

わせ

てプ

ログ

ラム

を開

始す

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

― 8

4 ―

各論/プログラム名:PCIT

各論/プログラム名:PCIT

― 8

5 ―

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

○統

合失

調症

など

は程

度に

よっ

ては

難し

いが

、う

つと

か、

パニ

ック

障害

では

実施

して

いる

。知

的な

方は

、70

位ま

では

やっ

てい

る。

○メ

ンタ

ルが

重い

と、

来な

くな

って

しま

う。

間が

空く

。○

遊べ

ばい

いん

です

ね、

と敷

居を

軽く

感じ

てく

れる

場合

もあ

る。

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて

(具

体例

など

)個

別な

ので

、親

が来

やす

い設

定に

なる

よう

配慮

する

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

一対

一な

ので

、繰

り返

し分

かり

易く

説明

する

こと

が出

来る

途中

で虐

待発

生の

時(

具体

例な

ど)

途中

で一

時保

護に

なっ

た例

もあ

るが

、一

応努

力し

た記

録が

残っ

てい

るの

で、

ケー

スワ

ーク

に活

かせ

る。

ケー

スワ

ーク

の中

でそ

の努

力を

認め

るこ

とが

出来

る。

  

親側

の要

因 

 

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて(

具体

例な

ど)

○ヒ

アリ

ング

した

自治

体の

児童

相談

所で

は20

11年

開始

以来

中断

率は

22例

中27

%、

軌道

に乗

せる

ため

に、

つな

がり

そう

なケ

ース

を選

ぶ傾

向あ

り。

○米

国の

場合

は、

中断

率が

50%

○優

れた

ツー

ルな

ので

、ケ

ース

ワー

クと

絡め

れば

効果

があ

る、

きれ

いに

終わ

らな

くて

も、

やる

意味

はあ

る○

続か

なく

なっ

ても

、ケ

ース

ワー

クで

フォ

ロー

する

こと

は出

来る

。○

病理

が深

いと

言う

こと

で、

別の

治療

法に

転換

する

ケー

スも

あっ

た。

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

個別

を対

象と

した

プロ

グラ

ムで

ある

グル

ープ

に合

わな

い人

が出

てき

たと

き(

具体

例な

ど)

グル

ープ

に全

然乗

せら

れな

いよ

うな

人で

も、

個別

で教

える

こと

がき

る。

手間

暇か

かる

けれ

ども

、個

別ケ

ース

であ

るが

故に

有効

であ

る。

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

か部

分活

用は

効果

的か

スケ

ジュ

ール

が決

まっ

てい

るの

で、

部分

活用

とい

う活

用の

仕方

はな

  

運用

の実

践面

での

課題

  

-345-

― 8

6 ―

各論/プログラム名:PCIT

各論/プログラム名:CARE

― 8

7 ―

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

完全

に修

了で

きた

8名

の予

後を

見た

。一

回再

保護

にな

って

いる

人も

いる

が、

現在

は再

び在

宅に

なっ

てい

る。

○P

CIT

は濃

厚な

治療

なの

で、

市区

町村

や、

教育

相談

に繋

げて

、児

童相

談所

は助

言修

了す

る時

など

は、

移行

がス

ムー

スに

なる

よう

に努

める

。受

け皿

の機

関が

、濃

厚な

治療

を受

けて

いた

こと

を知

って

いな

いと

、話

がか

み合

わな

くな

って

問題

。○

児相

で長

く係

わる

ケー

スも

多い

ので

、通

所と

か、

福祉

司指

導を

継続

する

こと

にな

る。

児童

相談

所ケ

ース

の場

合は

、児

童福

祉司

から

その

後の

様子

が聞

ける

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

― 8

6 ―

各論/プログラム名:PCIT

各論/プログラム名:CARE

― 8

7 ―

プロ

グラ

ムの

簡単

な解

説:

米国

オハ

イオ

州シ

ンシ

ナテ

ィ子

ども

病院

で開

発さ

れた

、子

ども

と関

わる

大人

のた

の心

理教

育的

プロ

グラ

ム。

PC

ITの

理論

をベ

ース

にお

いて

いる

。子

ども

との

間に

、温

かな

関係

を築

き、

関係

をよ

りよ

くす

るた

めに

大切

なこ

とを

体験

的に

学ん

でい

く。

落ち

着き

がな

かっ

たり

、困

った

行動

をし

てし

まい

がち

な子

ども

との

関わ

りが

ずっ

と楽

にな

るさ

まざ

まな

スキ

ルが

盛り

込ま

れて

いる

プロ

グラ

ム方

法が

学べ

る機

関C

AR

E-ja

pan

指導

者資

格が

必要

な場

合は

その

取得

方法

○C

AR

E-ja

pan

のワ

ーク

ショ

ップ

に2

回参

加す

るこ

と及

びト

レー

ナー

トレ

ーニ

ング

を受

ける

。○

実践

後は

、実

践報

告書

を提

出す

る。

プロ

グラ

ムを

学ぶ

のに

必要

な費

用ワ

ーク

ショ

ップ

は初

回6

千円

、2回

目は

25

00

円。

トレ

ーナ

ート

レー

ニン

グは

4万

円程

度。

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

の属

する

自治

体で

は児

童心

理司

現任

研修

とし

てワ

ーク

ショ

ップ

を実

施し

た。

プロ

グラ

ムを

実施

する

のに

必要

な費

用資

料作

成な

どに

かか

る費

用程

教材

・参

考文

献・

問い

合せ

先C

AR

E-ja

pan

事務

 プ

ログ

ラム

を実

施に

当た

って

の参

考情

プロ

グラ

ム名

:C

AR

E

-346-

― 8

8 ―

各論/プログラム名:CARE

各論/プログラム名:CARE

― 8

9 ―

プロ

グラ

ムに

かか

る時

間や

期間

○1回

、3~

3時間

半で

の実

施が

可能

だが

、2,3

回に

分け

て実

施し

、フォ

ロー

アッ

プな

ども

入れ

る方

が効

果的

であ

る。

○ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は、こ

れを

7回程

度の

プロ

グラ

ムに

分け

て親

子通

所グ

ルー

プの

中で

実施

して

いた

。○

また

、個別

相談

の中

でも

、保護

者の

状況

に合

わせ

てポ

イン

トを

絞り

、1~

3回程

度で

実施

して

いた

プロ

グラ

ムの

特徴

と感

じて

いる

点(

他と

比べ

られ

る場

合)

○時

間が

かか

らず

コン

パク

トな

プロ

グラ

ム。

○ロ

ール

プレ

イで

確認

がで

きる

。○

宿題

シー

トで

確認

がで

きる

。○

重度

では

ない

虐待

や子

ども

との

接し

方が

わか

らな

いと

いう

方、

子ど

もへ

の対

応が

不適

切で

ある

こと

の認

識が

あり

、新

たな

コミ

ュニ

ケー

ショ

ンス

キル

を学

ぶ意

欲の

ある

保護

者に

有効

なプ

ログ

ラム

。深

刻な

虐待

に対

する

治療

的な

関わ

りと

は異

なる

。○

いき

なり

しつ

けの

方法

を伝

える

とい

うの

では

なく

、ま

ずは

子ど

もを

褒め

るこ

とに

上手

にな

って

から

しつ

けに

入る

とい

うわ

かり

やす

い組

み立

てに

なっ

てい

る。

○保

護者

だけ

では

なく

、養

継親

、里

親、

施設

職員

、保

育士

など

の養

育者

、子

ども

が施

設入

所中

の非

加害

親な

どに

も有

効。

○他

のペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

と比

較し

て、

親子

の会

話が

増え

、親

子関

係が

良く

なる

印象

があ

る。

○プ

ログ

ラム

の中

では

遊び

を中

心と

した

ロー

ルプ

レイ

が多

く、

大人

も楽

しい

時間

を過

ごし

なが

ら習

得が

でき

るよ

う工

夫さ

れて

いる

プロ

グラ

ムの

ねら

いや

意義

○親

子の

良い

関係

つく

りを

中心

にし

てい

る。

保護

者が

ほめ

られ

る体

験が

でき

、グ

ルー

プの

保護

者同

士も

ほめ

あう

様子

が見

られ

る。

○入

所事

例で

は子

ども

の楽

しそ

うな

顔を

見る

こと

で親

子関

係の

改善

につ

なが

る。

○実

施ケ

ース

は入

所・

在宅

事例

が半

々で

、虐

待ケ

ース

以外

でも

実施

して

いる

実施

して

の効

果な

どの

状況

もと

もと

親子

のコ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

量が

少な

かっ

たり

、親

主導

のコ

ミュ

ニケ

ーシ

ョン

に偏

りが

ちだ

った

場合

は、

変化

が見

えや

すい

 プ

ログ

ラム

の実

施 

 

― 8

8 ―

各論/プログラム名:CARE

各論/プログラム名:CARE

― 8

9 ―

プロ

グラ

ムの

児相

業務

の中

での

位置

づけ

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、児

童心

理司

中心

に実

施し

てい

た通

所グ

ルー

プで

の活

動メ

ニュ

ーと

して

導入

した

。在

宅支

援や

再統

合に

向け

た支

援の

中で

実施

して

いる

 プ

ログ

ラム

と児

相と

の関

係 

 

プロ

グラ

ムが

取り

入れ

られ

るに

当た

って

の、

熱心

な職

員の

努力

など

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、個

人と

して

外部

団体

の研

修を

受け

、通

所グ

ルー

プに

導入

して

いっ

た。

同じ

児童

相談

所の

児童

心理

司全

員が

ワー

クシ

ョッ

プ受

講済

みで

あり

、プ

ログ

ラム

実施

の補

助が

でき

るよ

うに

なっ

てい

る。(

グル

ープ

のト

レー

ナー

とな

るに

は、

今後

トレ

ーナ

ート

レー

ニン

グを

受け

る必

要が

ある

。) 

また

同じ

自治

体内

の他

の児

童相

談所

でも

プロ

グラ

ムを

支援

に導

入し

てい

る所

があ

る。

人員

や時

間の

確保

につ

いて

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、月

1回

の通

所グ

ルー

プの

中で

実施

して

いる

。ス

タッ

フは

児童

心理

司が

担っ

てい

る。

サポ

ート

やス

ーパ

ービ

ジョ

ンを

どの

よう

に行

った

○ト

レー

ナー

勉強

会へ

の参

加。

○実

践報

告書

を年

1回

CA

RE-

japa

nに

提出

して

いる

機材

の調

達が

必要

だっ

た場

合必

要な

 プ

ログ

ラム

を取

り入

れる

に当

たっ

て努

力し

た点

  

 プ

ログ

ラム

を実

施す

るに

当た

って

の準

備な

導入

のタ

イミ

ング

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

、継

続的

な相

談の

中で

、通

所グ

ルー

プへ

の参

加に

つな

がっ

た事

例に

実施

して

いる

親の

モチ

ベー

ショ

ンが

不十

分な

場合

回数

を分

けて

実施

した

場合

には

定期

的に

通っ

ても

らえ

るか

どう

かが

課題

  

親の

状況

  

 プ

ログ

ラム

実施

上の

問題

  

-347-

― 9

0 ―

各論/プログラム名:CARE

各論/プログラム名:CARE

― 9

1 ―

引取

り目

標の

親の

場合

○次

年度

又は

2~

3年

後に

引き

取り

を予

定し

てい

るケ

ース

の参

加が

ある

。保

護者

が施

設に

迎え

に行

って

参加

した

り、

施設

職員

の送

迎も

ある

。○

入所

事例

では

、宿

題を

きょ

うだ

いや

父親

など

に対

して

やっ

てみ

るよ

うに

促す

親が

希望

した

タイ

ミン

グで

丁度

よく

実施

され

るク

ール

がな

いと

○途

中参

加も

可能

。そ

の場

合は

個別

に補

って

いる

。○

なお

、ヒ

アリ

ング

した

児童

相談

所で

は数

回に

分け

て実

施し

てい

たが

、1

回で

の実

施も

可能

なた

め、

平成

25年

に実

施し

たア

ンケ

ート

調査

では

、通

所回

数が

限ら

れた

保護

者に

適し

てい

ると

いう

意見

があ

った

親に

メン

タル

の問

題が

あっ

た時

(具

体例

など

グル

ープ

ワー

クが

可能

な方

を対

象に

して

いる

親と

の日

程調

整の

苦慮

につ

いて(

具体

例な

ど)

欠席

した

場合

には

個別

に補

うよ

うに

して

いる

内容

が親

にと

って

難解

なと

き(

具体

例な

ど)

わか

りや

すい

プロ

グラ

ムの

ため

、軽

度の

知的

課題

のあ

る保

護者

も参

加し

やす

い。

  

親側

の要

因 

 

プロ

グラ

ムの

途中

中断

につ

いて(

具体

例な

ど)

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

回数

を分

けて

実施

して

いる

ため

中断

例が

あっ

たが

、通

常は

1回

でも

実施

可能

なプ

ログ

ラム

グル

ープ

を作

れる

ほど

人数

が集

まら

ない

とき

(具

体例

など

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

によ

ると

、グ

ルー

プを

成立

させ

るた

めの

参加

親子

の確

保と

、継

続し

て参

加す

るた

めの

支援

が必

要。

プロ

グラ

ムは

部分

活用

を許

して

いる

か部

分活

用は

効果

的か

個別

相談

の中

でポ

イン

トを

絞っ

て伝

える

こと

があ

る。

その

他運

用上

の問

題○

児童

相談

所へ

の定

期的

な通

所が

距離

的・

時間

的に

困難

な場

合が

ある

。(今

後は

より

身近

な市

町村

で実

施さ

れる

よう

な講

習を

検討

して

いる

。)○

子ど

もが

施設

入所

中の

場合

、施

設か

ら児

童相

談所

まで

の児

童の

送迎

につ

いて

、施

設職

員や

児相

内他

職種

の協

力が

必要

な場

合が

ある

  

運用

の実

践面

での

課題

  

― 9

0 ―

各論/プログラム名:CARE

各論/プログラム名:CARE

― 9

1 ―

プロ

グラ

ムの

効果

を持

続さ

せる

工夫

ヒア

リン

グし

た児

童相

談所

では

数回

に分

けて

実施

して

いる

理由

とし

て、

1回

で集

中し

て実

施す

るよ

りも

一定

期間

継続

して

実施

した

方が

保護

者に

定着

する

と考

えて

いた

。ま

たそ

の間

の保

護者

の状

況変

化も

把握

でき

ると

のこ

と。

  

効果

の持

続に

つい

て 

 

-348-

― 9

2 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

3 ―

AF-

CB

T、TF

-CB

T

.は

じめ

現在

、A

F-C

BT(

Alte

rnat

ives

for

Fam

ilies

: C

ogni

tive

Beh

avio

ral T

hera

py)

(邦

訳-

家族

のた

めの

代替

案:

認知

行動

療法

)、TF

-CB

T(Tr

aum

a-Fo

cuse

d

Cog

nitiv

e B

ehav

iora

l The

rapy

)(邦

訳:

トラ

ウマ

フォ

ーカ

スト

認知

行動

療法

)と

いう

いず

れも

米国

で開

発さ

れた

、虐

待臨

床に

向け

た2

つの

精神

療法

プロ

グラ

ムが

我が

国に

おい

ても

広が

りを

見せ

てい

る。

いず

れも

、認

知行

動療

法(

以下

、C

BT)

がそ

手法

の中

心の

一つ

とな

って

いる

が、

両者

とも

、プ

ログ

ラム

実施

にお

ける

クオ

リテ

ィ・

コン

トロ

ール

が厳

密で

ある

ため

、実

施数

はま

だま

だ少

数で

あと

いう

のが

現状

であ

る。

しか

し、

これ

らの

プロ

グラ

ムは

エビ

デン

スベ

ース

に開

発さ

れて

おり

、我

が国

にお

ける

導入

は他

のプ

ログ

ラム

に比

べて

遅れ

はと

った

もの

の、

今後

必ず

や広

がり

を見

せて

いく

もの

と確

信す

る。

ここ

では

、両

プロ

グラ

ムに

つい

て、

主に

CB

Tと

いう

視点

から

概観

する

2

.A

F-C

BT、

TF-C

BT

を構

成す

る精

神療

法は

何か

いず

れも

CB

Tの

他、

家族

療法

など

複数

の精

神療

法も

とり

いれ

てま

とめ

あげ

た統

的プ

ログ

ラム

であ

る。

両者

とも

に、

子ど

もと

保護

者に

対す

る心

理介

入を

行う

が、

AF-

CB

Tは

、保

護者

(加

害者

であ

って

も、

加害

者で

なく

とも

どち

らで

も良

い)

と子

ども

の感

情調

節を

行い

なが

ら家

族内

の困

難を

減ず

るこ

と等

に、

TF-C

BT

は、

加害

者で

ない

保護

者と

子ど

もに

対し

ての

、子

ども

が虐

待を

体験

した

こと

によ

るト

ラウ

マケ

ア等

に焦

点を

当て

なが

ら進

めら

れる

3

.虐

待の

再発

予防

にお

いて

、な

ぜC

BT

を用

いる

のか

いず

れの

プロ

グラ

ムも

、虐

待の

再発

予防

効果

につ

いて

のエ

ビデ

ンス

が存

在し

、現

の問

題に

つい

て扱

いな

がら

、虐

待の

被害

者で

ある

子ど

もの

トラ

ウマ

治療

を平

行し

て行

― 9

2 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

3 ―

う。

もと

もと

、A

F-C

BT

は身

体的

虐待

を対

象と

して

、TF

-CB

Tは

性的

虐待

を対

象と

して

開発

され

たの

が出

発点

であ

り、

具体

的に

はA

F-C

BT

は、

最近

の、

トラ

ウマ

とは

直接

には

つな

がら

ない

出来

事に

つい

て取

り上

げて

、そ

れに

まつ

わる

認知

を変

容さ

せる

こと

によ

り感

情を

コン

トロ

ール

し、

その

こと

によ

り親

子の

行動

・関

係が

変わ

って

いく

こと

を目

指し

、保

護者

がそ

れま

での

暴力

的な

養育

行動

を、

暴力

的で

ない

養育

行動

に置

き換

えて

いく

こと

を目

標と

し、

保護

者の

感情

調節

を行

って

いく

こと

が中

心に

なる

。そ

れに

対し

、TF

-CB

Tは

、子

ども

が、

自ら

が抱

える

トラ

ウマ

体験

を自

ら乗

り越

える

とが

主眼

とな

って

おり

、い

ずれ

も保

護者

と子

ども

本人

が主

体と

なり

、治

療者

は適

切な

ヘル

プを

する

とい

う役

割が

求め

られ

る。

そし

て、

その

手法

の一

つに

CB

Tは

据え

られ

てい

る。

4

.C

BT

とは

どん

な治

療法

なの

か?

CB

Tの

起源

には

諸説

ある

が、

アー

ロン

・ベ

ック

がう

つ病

に対

して

行っ

た精

神療

プロ

グラ

ムが

始ま

りで

ある

とい

うの

が一

般的

であ

る。

人は

何か

出来

事が

起こ

る度

に、

喜ん

だり

、悲

しん

だり

、焦

った

り、

怒っ

たり

、様

に感

情が

揺さ

ぶら

れる

もの

であ

る。

その

出来

事を

自分

なり

に解

釈し

、そ

の解

釈に

基づ

いて

感情

が沸

き起

こる

ので

ある

。ま

た、

自分

で自

覚す

るは

っき

りと

した

解釈

がな

いの

に感

情が

高ぶ

るこ

とも

ある

。そ

して

感情

が高

ぶる

と、

人の

心の

視野

は狭

まり

、そ

うな

ると

考え

方は

極端

に偏

った

もの

にな

りが

ちな

ので

ある

。た

とえ

ば、

子ど

もが

、友

達に

対し

て、「

遊ぼ

う」

と声

をか

けて

いる

のに

、自

分に

は声

をか

けて

くれ

なか

った

→「

分は

みん

なに

嫌わ

れて

いる

んだ

」と

深刻

に悩

んだ

りす

る、

また

、相

手が

意図

せず

体に

ぶつ

かっ

てき

た時

、「わ

ざと

攻撃

をし

かけ

てき

た」

と考

えて

怒り

の感

情が

湧い

てく

る、

など

であ

る。

この

よう

な勘

違い

は子

ども

のみ

なら

ず大

人に

おい

ても

起こ

るも

のな

ので

ある

。特

に怒

り心

頭の

時な

ど、

感情

が極

端に

高ぶ

った

時ほ

ど、

物事

の捉

え方

には

現実

との

ずれ

が生

まれ

やす

い。

この

よう

に、

ある

状況

に対

して

、人

はそ

の状

況を

心の

中で

その

人な

りの

評価

をし

、そ

れを

心の

中で

つぶ

やき

(そ

のつ

ぶや

きの

内容

を自

動思

考と

呼び

、自

動思

考は

認知

の一

部と

考え

られ

る)、

それ

に伴

い感

情が

揺れ

動き

、そ

の結

とし

て何

らか

の行

動が

ある

。そ

れら

を一

連の

もの

と捉

えた

のが

、認

知行

動モ

デル

であ

-349-

― 9

4 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

5 ―

り、

その

認知

行動

モデ

ルに

基づ

いて

、感

情や

行動

をコ

ント

ロー

ルし

よう

と試

みる

のが

CB

Tで

ある

CB

Tは

、最

近の

出来

事を

切り

口に

して

、認

知行

動の

変容

を目

指す

のが

一般

的な

法と

され

る。

それ

は、

直近

の出

来事

につ

いて

の認

知が

変わ

れば

、行

動や

感情

が変

わっ

てく

るか

らで

ある

いず

れの

プロ

グラ

ムも

、虐

待の

再発

予防

をそ

の目

的の

一つ

とす

るこ

とが

でき

、保

者の

養育

行動

を不

適切

なも

のか

ら適

切な

もの

へと

置き

換え

なが

ら、

子ど

もの

、虐

待に

より

生じ

たト

ラウ

マ治

療を

平行

して

行う

こと

には

変わ

りは

ない

5

.誰

に対

して

行う

のか

虐待

を引

き起

こす

のは

、直

接に

は保

護者

であ

る。

AF-

CB

Tに

おい

ては

、保

護者

(そ

れは

加害

者で

あっ

ても

そう

でな

くと

もど

ちら

でも

可能

であ

る)

の養

育行

動の

変容

をき

たす

こと

を目

的に

、保

護者

との

セッ

ショ

ンを

中心

とし

、家

族内

の困

難を

減ず

るべ

くそ

の認

知・

行動

・感

情を

変容

させ

るこ

とを

目指

して

進め

られ

る。

一方

TF-C

BT

にお

ては

、加

害者

では

ない

保護

者に

対す

るセ

ッシ

ョン

と、

虐待

によ

りト

ラウ

マを

抱え

る子

ども

に対

する

セッ

ショ

ンが

ある

。そ

こで

は、

保護

者は

、子

ども

自身

がト

ラウ

マを

持っ

たこ

とに

より

生ず

る、

現在

の現

実の

生活

の中

での

様々

な心

理的

困難

・現

実の

困難

を解

決す

る、

その

手助

けを

する

ので

ある

。い

ずれ

の療

法も

、子

ども

と保

護者

の両

者に

対し

て行

われ

、保

護者

セッ

ショ

ン、

子ど

もセ

ッシ

ョン

、保

護者

・子

ども

合同

セッ

ショ

ンを

目的

に合

わせ

て組

んで

いく

6

.児

童虐

待に

おけ

る親

支援

に向

けた

CBT

で用

いる

主な

技法

以下

、C

BT

を児

童虐

待に

援用

する

際の

一般

的留

意点

につ

いて

述べ

る。

1)心

理教

虐待

とは

どの

よう

な養

育行

動を

指す

のか

、し

ては

なら

ない

行動

とは

どの

よう

な行

なの

か、

など

虐待

的で

ない

子育

てに

つい

ての

知識

を学

んで

もら

うな

ど、

教育

的な

方法

― 9

4 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

5 ―

が効

果が

上が

ると

判断

され

る場

面で

行わ

れる

2)認

知再

構成

「偏

った

見方

・考

え方

を修

正す

る」

とい

うこ

とに

なる

が、

気を

つけ

ねば

なら

ない

とは

、相

手を

「指

導す

る」

ので

は決

して

ない

とい

うこ

とで

ある

。「こ

うい

う風

に考

ると

いい

よ」

と言

うの

でも

ない

。ま

して

や「

あな

たの

考え

が間

違っ

てい

る」

と言

うの

でも

ない

。人

は、「

君の

考え

違う

んじ

ゃな

い?

」と

言わ

れれ

ば、

心が

傷つ

き、

反発

覚え

るこ

とも

ある

ので

ある

。考

え方

が違

うと

いわ

れ、「

そう

か、

自分

の考

えは

間違

てい

た」

とな

かな

か思

える

もの

では

ない

。人

の考

え方

とい

うの

は、

長い

時間

をか

けて

培わ

れた

その

人固

有の

もの

であ

る。「

その

考え

方は

違う

よ」

と言

われ

れば

、そ

れは

その

人の

それ

が培

われ

てき

たそ

の人

なり

の歴

史を

否定

し、

心を

傷つ

ける

こと

もあ

るの

であ

る。

それ

が反

発に

つな

がっ

てし

まう

。丁

寧な

やり

とり

が必

要と

され

、技術

がい

る。

3)ア

サー

ショ

ン・

スキ

虐待

をす

る保

護者

、虐

待を

受け

る子

ども

両者

とも

に、

自分

の気

持ち

や考

えを

相手

伝え

るこ

とが

苦手

であ

る場

合は

多い

。そ

のた

め、

その

よう

な保

護者

は、

子ど

もの

行動

を正

そう

とす

るの

に、

言葉

で伝

える

ので

はな

く、

体を

叩く

、蹴

るな

どの

直接

的な

手段

に出

てし

まう

こと

があ

り、

それ

が虐

待に

つな

がる

。一

方、

子ど

もの

側も

、自

分の

気持

ちを

表現

でき

ずに

、嫌

なこ

とで

あっ

ても

拒否

の意

思を

伝え

るこ

とが

でき

ない

、そ

の結

果と

して

、不幸

にし

て虐

待と

いう

形を

とっ

てし

まう

こと

は多

い。

この

よう

な場

合に

は、

保護

者・

子ど

もの

双方

が自

分の

気持

ち・

考え

を相

手に

伝え

るた

めの

スキ

ルを

身に

つけ

るこ

とが

役立

つ。

4)問

題解

決技

問題

を具

体的

にし

、そ

れを

解決

する

ため

に、

その

方法

を教

えて

解決

して

いく

。そ

際に

は、

問題

をで

きる

だけ

具体

的に

する

こと

、ま

た、

解決

法を

ブレ

ーン

・ス

トー

ミン

グで

でき

るだ

け多

く挙

げて

みる

こと

が大

事で

ある

-350-

― 9

6 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

7 ―

5)モ

ニタ

リン

自ら

の行

動・

感情

・認

知を

客観

視す

るた

めに

行う

。児

童虐

待再

発予

防を

目的

とす

場合

、結

果と

して

虐待

行動

をモ

ニタ

ーす

るこ

とに

はな

るが

、行

動だ

けを

取り

上げ

るの

は正

しく

ない

。決

して

強要

する

もの

では

なく

、保

護者

や子

ども

の自

発的

な取

り組

みで

なけ

れば

なら

ない

7

.C

BT

を児

童虐

待に

利用

する

際に

留意

すべ

きこ

1)相

手の

感情

・認

知・

行動

を頭

から

否定

しな

い。

教え

込も

うと

しな

 虐

待と

いう

名の

養育

行動

は、決

して

して

はな

らな

い行

動で

ある

こと

は確

かで

ある

しか

し、

虐待

通告

に至

るま

で、

その

家族

には

虐待

行動

が定

着し

てき

た家

族な

りの

背景

があ

る。

支援

者は

その

こと

を念

頭に

おい

て関

わら

なけ

れば

なら

ない

2)相

手の

話に

よく

耳を

傾け

、相

手の

認知

・感

情に

は共

感を

示し

、相

手に

その

気持

ちが

伝わ

るよ

うに

心が

ける

ここ

で注

意せ

ねば

なら

ない

のが

、支

援者

が共

感し

てい

るつ

もり

でも

、保

護者

がそ

よう

に感

じて

いな

けれ

ば共

感し

たと

は言

えな

いと

いう

こと

であ

る。

また

、不

適切

な養

育行

動を

とっ

てい

るか

らこ

そ支

援者

は関

わる

ので

ある

が、

すべ

ての

行動

を批

判的

にみ

るの

では

なく

、で

きて

いる

こと

は評

価す

る姿

勢が

大切

であ

る。

3)相

手の

感情

・認

知・

行動

を早

わか

りし

ない

「虐

待す

る保

護者

とは

こう

いう

もの

」と

いう

いわ

ば色

眼鏡

を通

して

見て

はな

らな

い。

また

、自

分だ

った

らこ

うだ

ろう

とい

うの

は安

易に

あて

はめ

ても

いけ

ない

。保

護者

のこ

とを

一番

知っ

てい

るの

は保

護者

自身

であ

ると

いう

こと

を忘

れず

、保

護者

と共

同し

て、

養育

行動

を変

える

べく

、一

緒に

取り

組ん

でい

かね

ばな

らな

い。

決し

て一

方的

な関

係に

なっ

て派

なら

ず、

常に

謙虚

な姿

勢で

なけ

れば

なら

ない

― 9

6 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

7 ―

4)ホ

ーム

ワー

クを

出す

面接

の中

で話

し合

った

こと

をも

う一

度考

えて

みた

り、

実際

に生

活の

中で

試し

てみ

り、

改め

て考

えを

整理

でき

るよ

うな

内容

を、

次回

まで

にし

てく

るこ

とと

して

設定

をす

る。

ホー

ムワ

ーク

を出

すこ

とは

、養

育者

が次

回セ

ッシ

ョン

まで

の間

、そ

れを

意識

した

生活

を送

るこ

とに

もな

り、

支援

の効

果を

格段

に向

上さ

せる

5)フ

ィー

ドバ

ック

をと

りな

がら

進め

相手

の認

知・

行動

・感

情を

早わ

かり

せず

、相

手の

話を

支援

者な

りに

理解

をし

た上

で、

「自

分は

この

よう

に理

解し

てい

るが

それ

でよ

いか

」な

ど、

相手

に確

認を

し、

支援

者と

相手

との

認識

のず

れを

明確

にし

、そ

の都

度修

正を

して

いく

6)モ

ニタ

リン

認知

・感

情・

行動

をモ

ニタ

ーす

る。

モニ

タリ

ング

は、

自発

的に

行え

るよ

うに

なる

とを

目指

すも

ので

あり

、決

して

「監

視」

では

ない

。自

身の

こと

を客

観的

に振

り返

るこ

とが

でき

るよ

うに

なる

ため

にモ

ニタ

リン

グは

存在

する

7)保

護者

との

関係

を形

成す

いか

なる

福祉

心理

的支

援に

おい

ても

、こ

れな

くし

ては

真の

成功

はな

いと

いっ

ても

言で

はな

い。

その

ため

には

、常に

暖か

く、真

摯な

態度

を示

すこ

とが

重要

であ

る。

それ

は、

職権

を用

いて

保護

者の

意に

反す

るこ

と(

たと

えば

、虐

待通

告後

の子

ども

の一

時保

護な

ど)

を行

う際

も同

様で

ある

。そ

して

、保

護者

の意

に反

する

行動

をと

らな

けれ

ばな

らな

い場

合に

は、

その

行動

の結

果と

その

機能

(そ

れが

子ど

もの

安全

確保

につ

なが

る最

適な

方法

であ

るこ

と)

につ

いて

理解

が得

られ

るよ

うつ

とめ

てい

く。

その

際に

も、

CB

Tを

用い

るこ

とは

大い

に役

立つ

8)治

療同

盟の

樹立

を目

指し

、共

同作

業を

する

児童

虐待

にお

いて

は、

治療

(支

援)

に対

する

保護

者の

参加

は自

発的

なも

ので

ない

合も

多い

。し

かし

、支

援は

必ず

や親

子に

とり

良い

結果

をも

たら

すは

ずで

ある

。そ

れを

-351-

― 9

8 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

9 ―

理解

し、

治療

(支

援)

に自

発的

に参

加す

る心

境に

なる

よう

導か

ねば

なら

ない

9)保

護者

・子

ども

の体

験を

ノー

マラ

イズ

(no

rmal

ize)

し、

彼ら

を承

認(

valid

atio

n)し

たう

えで

、ま

ずは

心理

教育

など

をし

っか

りと

行う

ここ

では

、保

護者

の、

虐待

にい

たっ

た経

緯や

それ

にま

つわ

る認

知、

それ

に続

いて

きた

感情

を、「

それ

は特

別な

こと

では

ない

」と

伝え

る。

しか

し、

不適

切な

行動

をど

扱う

には

注意

を要

する

。虐

待と

いう

不適

切な

養育

行動

をと

るに

至っ

た状

況や

心情

は理

解で

きる

こと

も多

いが

虐待

行動

を容

認し

ては

もち

ろん

なら

ない

。虐

待行

動と

は明

らか

に、

子ど

もに

とり

、保

護者

にと

り、

子ど

も保

護者

関係

にと

り、

その

機能

を悪

化さ

せる

行動

以外

なに

もの

でも

ない

。こ

のこ

とを

理解

して

もら

うた

めに

は、

心理

教育

など

を通

して

その

意味

を考

えて

もら

い、

学ん

でも

らう

こと

など

をし

っか

りと

行う

必要

があ

る。

10)

相手

にと

り「

大切

なも

の」

を一

緒に

見つ

け、

それ

を長

期目

標と

し、

さら

に、

その

長期

目標

を実

現す

べく

具体

的に

すぐ

にと

りか

かれ

るこ

とを

短期

目標

とし

、そ

の実

現に

向け

てい

保護

者に

とり

、ま

た子

ども

にと

り、

真に

大切

なも

のに

気づ

くこ

とが

でき

、そ

の実

に向

けて

目指

して

いけ

ば、

虐待

行動

は、

保護

者に

とり

、真

に大

切な

もの

から

遠ざ

ける

もの

であ

ると

いう

こと

に気

づく

こと

がで

きる

であ

ろう

8

.最

後に

CB

Tは

、個

々の

技法

はな

んら

特別

なも

ので

はな

く、

我々

が普

段、

他人

から

相談

受け

た時

にす

るア

ドバ

イス

を寄

せ集

め、

まと

めあ

げた

もの

とも

いえ

る統

合的

精神

療法

であ

る。

いわ

ば「

常識

の治

療」

であ

るた

め、

その

方法

の実

践は

一見

たや

すく

見え

ない

こと

もな

い。

しか

し、

それ

らを

真の

治療

効果

が生

まれ

るべ

く行

うに

はや

はり

訓練

で培

われ

る技

術力

が求

めら

れる

CB

Tは

、単

に相

手を

受容

する

技法

では

ない

。「気

づき

を促

す」

こと

によ

り、

クラ

アン

トが

自ら

問題

解決

に向

かう

こと

がそ

の根

幹を

なす

ので

ある

。「気

づき

」とは「

発見

であ

る。

では

、虐

待臨

床に

おけ

る保

護者

支援

にお

いて

は、

何に

気づ

かせ

るの

か?

それ

は、

虐待

の機

能や

、そ

の行

動を

とる

時の

保護

者自

身の

認知

・感

情・

行動

に気

づく

ので

― 9

8 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

各論/AF-CBT、TF-CBT

― 9

9 ―

ある

。近

年、

虐待

の再

発予

防に

向け

て、

保護

者支

援に

重点

が偏

った

結果

、虐

待再

発予

防に

おい

て、

最も

大切

なは

ずの

「子

ども

の安

全確

保」

がで

きな

いこ

とが

ある

ので

はな

いか

との

声を

聞く

こと

があ

る。

しか

し、

CB

Tを

行っ

た結

果、

その

よう

なこ

とが

起こ

ると

いう

こと

は基

本的

には

考え

にく

い。

なぜ

なら

ば、

CB

Tは

、人

間が

本来

持っ

てい

る力

を引

き出

す心

理療

法だ

から

であ

る。そ

のよ

うな

こと

が起

こる

こと

があ

ると

した

ら、

それ

は治

療が

間違

えて

いる

ので

はな

く、

支援

者の

技法

の習

得が

未熟

であ

るが

ゆえ

と考

える

方が

正し

いか

もし

れな

い。

虐待

行動

は、

親子

にと

り短

期・

長期

的に

様々

な弊

害を

もた

らす

。弊

害を

認識

し、

育行

動を

変え

てい

く、

それ

には

、保

護者

自身

が本

来持

って

いる

力を

借り

て、

一緒

に問

題を

解決

して

いく

、そ

のこ

とが

最大

限の

効果

を発

揮す

るこ

とに

なる

ので

あろ

う。

※子

ども

虐待

臨床

にお

ける

CB

Tは

、虐

待に

特化

した

モデ

ルが

必要

であ

ると

考え

る。

図1

では

モデ

ルを

図式

化し

、図

2で

は、

モデ

ルを

基に

実際

に子

ども

虐待

をC

BT

はど

のよ

うに

扱っ

てい

くの

かに

つき

、一

例を

図示

した

本パ

ート

は、

国立

精神

・神

経医

療研

究セ

ンタ

ー・

認知

行動

療法

セン

ター

長の

大野

先生

に一

部ご

助言

をい

ただ

きま

した

。大

野先

生に

は、

心よ

り感

謝申

し上

げま

す。

図1

.児

童虐

待に

おけ

るC

BT

モデ

感 

虐 待

行 動

認 

結 

果(

具体

的な

、あ

る)

状況

-352-

― 1

00 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

おわりに

― 1

01 ―

図2

 C

BT

モデ

ルに

よる

、保

護者

への

心理

学的

介入

方法

の基

本(

フロ

ーチ

ャー

ト)

望ま

しく

ない

養育

行動

(虐

待行

動)

介入

者の

頭の

意図

した

通り

の結

果で

ある

場合

保護

者の

養育

信念

(認

知)

を検

討す

る意

図し

た通

りの

結果

でな

保護

者の

、養

育に

対す

る不

安感

・子

に対

する

衝動

制御

(感

情)

を検

討す

一貫

・平

行し

て行

うこ

と〇

保護

者・

子ど

も・

保護

者-

子ど

も間

の強

み探

し〇

レジ

リエ

ンス

を引

き出

保護

者に

常に

示さ

ねば

なら

ない

姿勢

〇寄

り添

う姿

勢 

〇承

認す

るこ

と〇

ノー

マラ

イズ

する

こと

 〇

暖か

み〇

信頼

を得

るこ

と・

・・

等々

望ま

しく

ない

養育

行動

(虐

待行

動)

を望

まし

い養

育行

動に

置き

換え

置き

換え

これ

は保

護者

が意

図し

た通

りの

結果

なの

?だ

ろう

か?

― 1

00 ―

各論/AF-CBT、TF-CBT

おわりに

― 1

01 ―

おわ

りに

聞き

取り

調査

にご

協力

下さ

いま

した

以下

の児

童相

談所

職員

の方

々に

感謝

申し

上げ

す。

また

、質問

紙調

査に

ご協

力下

さい

まし

た全

国の

児童

相談

所の

皆様

に感

謝致

しま

す。

千葉

県中

央児

童相

談所

(サ

イン

ズ・

オブ

・セ

ーフ

ティ

ー、

CS

P)

東京

都児

童相

談セ

ンタ

ー(

精研

式ペ

アレ

ント

トレ

ーニ

ング

、P

CIT

東京

都北

児童

相談

所(

CA

RE)

神奈

川県

中央

児童

相談

所(

サイ

ンズ

・オ

ブ・

セー

フテ

ィー

、FG

C)

大阪

府中

央子

ども

家庭

セン

ター

(C

RC

、M

YTR

EEペ

アレ

ンツ

・プ

ログ

ラム

和歌

山県

子ど

も・

女性

・障

害者

相談

セン

ター

(ト

リプ

ルP

さい

たま

市児

童相

談所

(サ

イン

ズ・

オブ

・セ

ーフ

ティ

ー)

大阪

市こ

ども

相談

セン

ター

(M

YTR

EEペ

アレ

ンツ

・プ

ログ

ラム

MY

TR

EE に

関し

ては

、N

PO

子育

て運

動え

ん理

事伊

藤悠

子氏

の報

告資

料 を

参照

しま

した

また

MY

TR

EEペ

アレ

ンツ

・プ

ログ

ラム

セン

ター

 代

表森

田ゆ

り氏

に助

言を

得ま

した

CA

RE

につ

いて

は、

CA

RE-

japa

n福

丸由

佳氏

の助

言を

得ま

した

執筆

担当

者(五

十音

順)

加藤

 則

子 

国立

保健

医療

科学

院地

域保

健シ

ステ

ム研

究分

野統

括研

究官

 

 総

論/

はじ

めに

 プ

ログ

ラム

活用

の道

筋と

体制

づく

り 

 各

論/

はじ

めに

 S

oS 

FGC

 C

SP

 精

研式

ペア

レン

トト

レー

ニン

グ 

PC

IT

川松

  

亮 

厚生

労働

省雇

用均

等・

児童

家庭

局総

務課

児童

福祉

専門

 総

論/

児童

相談

所の

取組

みの

流れ

と家

族支

援 

各論

/M

y Tr

ee 

CA

RE

坂戸

美和

子 

新潟

県中

央福

祉相

談セ

ンタ

ー副

参事

 コ

ラム

/関

係性

と個

別化

 各

論/

AF-

CB

T TF

-CB

T

菅野

 道

英 

滋賀

県彦

根子

ども

家庭

相談

セン

ター

所長

 総

論/

児童

虐待

にお

ける

保護

者支

援を

考え

鈴木

 浩

之 

神奈

川県

鎌倉

三浦

地域

児童

相談

所子

ども

支援

課長

 総

論/

支援

プロ

グラ

ムと

子ど

もの

安全

につ

いて

  

  

~サ

イン

ズ・

オブ

・セ

イフ

ティ

ーに

学び

なが

ら~

 各

論/

コラ

ム-フ

ァミ

リー

グル

ープ

・カ

ンフ

ァレ

ンス

の可

能性

柳川

 敏

彦 

和歌

山県

立医

科大

学保

健看

護学

部教

 各

論/

CR

C 

トリ

プル

P 

-353-