物理学教室の概要 - 名古屋大学物理学教室の概要...

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4 物理学教室の概要 名古屋大学物理学教室は1942年に,先端物理学を新し い自由な雰囲気の中で展開する新天地となるべく 5 講座 分が創設されました.大戦後は,同じ研究目標をもつ研 究者が協力して自由に研究する新しい形の研究室,研究 グループも作られ,活発な研究活動から数々の成果が生 まれました. 1960年代には規模拡充を行い,素粒子・原子核および 物性物理学の先端分野を新たに発足させました.研究室 やグループの枠を超えた幅広い分野間での研究交流と研 究協力の展開のために,様々な工夫が進み,成果をあげ ました. 1995-96年の大学院重点化による改革で,物理学科と 物理学第 2 学科が統合され,大学院としては素粒子宇宙 物理学専攻(素粒子宇宙物理系)と物質理学専攻(物理系) の 2 専攻が設立されました.これらをあわせた単一研究 教育組織として物理学教室が構成されています.現在で は26研究室,スタッフ総数は約70名となっています.教 員は大学院理学研究科に所属し,両専攻の研究教育を行 うとともに,物理学科の学部教育を協力して担当します. このような教室運営の下,研究・教育に必要な事務支 援組織を持ち,急速に発展する研究や情報システムの変 化に対応してきました.国立共同利用研究所,他大学, 各種研究機関などと広く協力関係を結び,これに必要な 客員教員や独自の「客員制度」も設け,物理学分野にお ける研究センターの役割を果たしています.発展著しい 東海地区の企業との共同研究も活発です.共同研究,外 国人研究者,留学生の受け入れ,国際会議やシンポジウ ムの開催など国際交流も活発に行い,世界的な研究拠点 として活躍しています. また,リーディング大学院プログラム「グリーン自然 科学国際教育研究プログラム」(物質理学専攻,2011年 度~2017年度まで)および博士課程教育リーディングプ ログラム「フロンティア宇宙開拓リーダー養成プログラ ム―産学官連携と理工横断による次世代産業創出を目指 して―」(素粒子宇宙物理学専攻,2012年度~2018年度 まで)が採択されました.これらにより大学院生の研究 活動への援助も進み,独自の技術基盤を発展させ,新た な先端研究がはじまりました.なによりも自由を尊ぶ気 風の中,女性研究者も増加し,次世代を担う若者に夢と 誇りをはぐくみ,科学に対する広範な関心を育てる新し い物理学が展開されています. 物理学教室 素粒子宇宙物理学専攻(66) 素粒子宇宙物理系[50] 物 理 系[30] 化学系 宇宙地球 物理系 [16] 宇宙地球 環境研究所 併任 *核融合研 物質理学専攻(63) C QG E H P TA Ω Σ TE* A F N UIR UX Φ R S TB B D G I K L M V 理論系 実験系 理論系 実験系 物理学科(90) 化学科 極低温 事務室 )( (   )内は1学年の学生定員 [   ]内は募集人員

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Page 1: 物理学教室の概要 - 名古屋大学物理学教室の概要 名古屋大学物理学教室は1942年に,先端物理学を新し い自由な雰囲気の中で展開する新天地となるべく5講座

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物理学教室の概要

名古屋大学物理学教室は1942年に,先端物理学を新しい自由な雰囲気の中で展開する新天地となるべく5講座分が創設されました.大戦後は,同じ研究目標をもつ研究者が協力して自由に研究する新しい形の研究室,研究グループも作られ,活発な研究活動から数々の成果が生まれました.

1960年代には規模拡充を行い,素粒子・原子核および物性物理学の先端分野を新たに発足させました.研究室やグループの枠を超えた幅広い分野間での研究交流と研究協力の展開のために,様々な工夫が進み,成果をあげました.

1995-96年の大学院重点化による改革で,物理学科と物理学第2学科が統合され,大学院としては素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)と物質理学専攻(物理系)の2専攻が設立されました.これらをあわせた単一研究教育組織として物理学教室が構成されています.現在では26研究室,スタッフ総数は約70名となっています.教員は大学院理学研究科に所属し,両専攻の研究教育を行うとともに,物理学科の学部教育を協力して担当します.

このような教室運営の下,研究・教育に必要な事務支

援組織を持ち,急速に発展する研究や情報システムの変化に対応してきました.国立共同利用研究所,他大学,各種研究機関などと広く協力関係を結び,これに必要な客員教員や独自の「客員制度」も設け,物理学分野における研究センターの役割を果たしています.発展著しい東海地区の企業との共同研究も活発です.共同研究,外国人研究者,留学生の受け入れ,国際会議やシンポジウムの開催など国際交流も活発に行い,世界的な研究拠点として活躍しています.

また,リーディング大学院プログラム「グリーン自然科学国際教育研究プログラム」(物質理学専攻,2011年度~2017年度まで)および博士課程教育リーディングプログラム「フロンティア宇宙開拓リーダー養成プログラム―産学官連携と理工横断による次世代産業創出を目指して―」(素粒子宇宙物理学専攻,2012年度~2018年度まで)が採択されました.これらにより大学院生の研究活動への援助も進み,独自の技術基盤を発展させ,新たな先端研究がはじまりました.なによりも自由を尊ぶ気風の中,女性研究者も増加し,次世代を担う若者に夢と誇りをはぐくみ,科学に対する広範な関心を育てる新しい物理学が展開されています.

大学院学生募集について

物理学教室では素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)と物質理学専攻(物理系)の2専攻について,大学院理学研究科博士課程(前期課程・後期課程)の学生募集を行っています.以下では各募集の概要を説明します.

博士課程(前期課程)学生募集前期課程の募集人員は素粒子宇宙物理学専攻50名,物

質理学専攻(物理系)30名です.学生の受け入れは各研究室単位になります.入学者の選抜方法には自己推薦入試と一般選抜入試(2次募集を含む)の2種類があります.◎自己推薦入試

大学院において研究する強い意志を持った学生を広く全国から求めることを目的として,平成12年度より自己推薦入学制度を採り入れました.入試の日程を一般選抜入試よりも早くすることによって,意欲のある学生が早くから大学院レベルの勉強に励むことを可能にするというねらいもあります.

自己推薦入試では出願者に物理学において感銘を受けたこと,卒業研究について,志望分野の選定理由,アピールしたい自分自身の適性・特性などを書いた「自己推薦書」を提出してもらいます.(指導教員の推薦書は必要ありません.)選抜方法は,3年生までの成績と「自己推薦書」をもとに面接試験(自己推薦書・卒業研究または実験の中間報告・物理学一般についての口述試問)を行って合否を判定するというものです.

自己推薦入試は平成29年7月15日(土)と16日(日)の2日間に行われます.願書受け付けは平成29年6月26日(月)から6月30日(金)までになっています.なお,自己推薦入試制度について理解していただくために,平成29年6月17日(土)に研究室紹介・大学院入試説明会が行われます.

なお,自己推薦入試で不合格であっても,一般選抜入試を受験することができます.(自己推薦入試の成績は,一般選抜試験の選考には影響を与えません.)ただし,一般選抜入試は改めて出願する必要があります.◎一般選抜入試

筆記試験と面接試験による選抜方法です.筆記試験では物理学4科目(力学,電磁気学,統計熱力学,量子力学),外国語1科目(英語)から出題されます.面接試験では,筆記試験の問題,基本的な事柄の理解,志望の動機などについて試問します.

一般選抜入試は平成29年8月23日(水),24日(木),25日(金)の3日間に行われます.

なお,年度により第2次募集をおこなう場合があります.大学院入学試験状況についてのデータが表1,表2に

まとめられています.

表-1:素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)大学院入学試験状況20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

志願者数 93 94 102 101 122 103 83 103 115 127志願者数/

入学定員(50)1.86 1.88 2.04 2.02 2.44 2.06 1.66 2.06 2.30 2.54

合格者 51 47 58 58 52 50 49 58 63 75入学者数 48 45 45 49 46 47 41 54 55 63

表-2:物質理学専攻(物理系)大学院入学試験状況20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

志願者数 44 50 50 52 46 61 48 45 50 43志願者数/

入学定員(30)1.76 2.00 1.67 1.73 1.53 2.03 1.60 1.50 1.67 1.43

合格者 37 36 31 34 35 41 37 31 39 27入学者数 32 35 29 32 31 36 33 28 36 23

博士課程(後期課程)学生募集後期課程の募集人員は素粒子宇宙物理学専攻30名,物

質理学専攻(物理系)13名です.前期課程を修了した受験者には前期課程の成績と修士論文審査に基づく判定が行われます.他大学などからの受験者には学力試験(修士論文又はそれに代わる既発表や発表予定の研究論文の講演及び専攻の口述試験)を行います.学力試験は平成30年2月中旬,願書受け付けは平成30年1月中旬におこなう予定です.

さらに詳しく知るために各募集の詳細については出願書類(募集要項)を入手し

て確認するようにしてください.出願書類(募集要項)は以下の方法で郵送で請求してください.請求先:〒464-8602    名古屋市千種区不老町    名古屋大学大学院理学研究科教務学生係

 ◦�封筒表面に「大学院理学研究科博士課程(前期課程−自己推薦入試,前期課程−一般選抜入試,後期課程,のいずれかを明記)願書請求」と朱書きすること.

 ◦�宛名および郵便番号を明記し,送料分の切手を貼った角形2号の封筒(約33cm×約24cm)を同封すること.

 ◦�博士課程(前期課程)自己推薦入試出願書類(志望選択のためのパンフレットを含む)の送料は400円,その他の出願書類の送料は250円です.

 ◦�なお,前期課程の募集要項は自己推薦入試のものが5月上旬から,一般選抜入試のものが6月中旬から配付の予定です.後期課程の募集要項は11月下旬から配付の予定です.

また,物理学教室や理学研究科のホームページに大学院学生募集についての案内があります.以下のURLを参照してください.過去の筆記試験問題等も閲覧可能です.◦�物理学教室「大学院入学を目指す方へ」  http://www.phys.nagoya-u.ac.jp/entrance/◦�理学研究科「大学院受験生の方へ」  http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/graduate/

物 理 学 教 室

素粒子宇宙物理学専攻(66)

素粒子宇宙物理系[50] 物 理 系[30] 化学系 宇宙地球 物理系 [16]

宇宙地球環境研究所

併任*核融合研

物質理学専攻(63)

理 実

C QG EH P TAΩ

ΣT* ΣE*A F NUIR UX Φ

R S TBB

D G I K L M V

理 論 系 実 験 系 理 論 系 実 験 系

物理学科(90) 化学科

極低温 事務室

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(   )内は1学年の学生定員 [   ]内は募集人員