生産管理における平準化と リードタイム短縮の定量的効果 ·...

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生産管理における平準化と リードタイム短縮の定量的効果 名古屋工業大学 名古屋工業大学 大学院 大学院 社会工学専攻マネジメント分野 社会工学専攻マネジメント分野 田村 隆善 田村 隆善 (200 (200 7 7 1 1 2 2 4 4 ) )

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生産管理における平準化とリードタイム短縮の定量的効果

名古屋工業大学名古屋工業大学 大学院 大学院

社会工学専攻マネジメント分野社会工学専攻マネジメント分野

 田村 隆善 田村 隆善    

(200(20077年年1122月月44日日) )

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生産・生産管理は哲学

トヨタ生産方式の考え方トヨタ生産方式の考え方

  「計画は守られない」  「計画は守られない」

     →「守る仕組みを作ることが大切」     →「守る仕組みを作ることが大切」

MRPシステムの考え方MRPシステムの考え方

  「計画が守られないのは、計画が悪いから」  「計画が守られないのは、計画が悪いから」

     →「守れるよい計画をつくるシステムが     →「守れるよい計画をつくるシステムが

        大切」        大切」

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生産管理の両輪

生産計画 生産統制

生産計画

スケジューリング

能力計画

在庫計画

進度・納期管理

余力管理

現品管理

情報収集・管理

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生産管理の定義

生産管理

広義の生産管理

狭義の生産管理=工程管理

生産計画

生産統制

・量・納期の計画・能力の計画・資材の計画

長期~短期の日程計画、生産能力計画、負荷計画、人員計画、資材・外注計画、在庫計画

+情報システム+改善

進度(進捗)管理、納期管理、余力管理、現品管理、在庫管理、情報管理

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スケジューラの用途

将来の生産日程の見通しを立てる。将来の生産日程の見通しを立てる。

オーダ引き合いの可否を判断する(納期の信頼性の向上)。オーダ引き合いの可否を判断する(納期の信頼性の向上)。

資材調達を手配する。資材調達を手配する。

オーダの完了日程、各工程の工期を調整・設定する。オーダの完了日程、各工程の工期を調整・設定する。

負荷を見積もる。負荷を見積もる。

作業効率(稼働率、負荷調整、納期短縮)を高める。作業効率(稼働率、負荷調整、納期短縮)を高める。

スケジュール作成工数を低減する。スケジュール作成工数を低減する。

スケジュールの信頼性の向上をはかる。スケジュールの信頼性の向上をはかる。

全体の調整をはかる。全体の調整をはかる。

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スケジューラ:自社開発と市販品

市販スケジューラ

 ・カスタマイズが必要

 ・開発工数は小

 ・高機能

 ・開発会社が存続する限りバージョンアップ可

 ・標準化(ほかの工場への展開が比較的容易)

自社開発

 ・自社に合ったシステム

 ・開発工数が大

 ・機能は単純

 ・開発者がいなくなるとバージョンアップ困難

 ・個別対応

 

 

開発者の力量に依存

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トヨタ生産方式と平準化

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  TPSを支える2本の柱とTPSの基礎

平準化=基礎

ジャストイン

タイム

自働化

トヨタ生産方式

Q:悪いものをつくらない、流さない=不具合が起こったら止まる

D:必要なものを、必要なときに、必要なだけつくる

大ロットから1個流しへ、売れる速度でつくる

+ 改 善

後工程はお客様

生産管理

ムダ取り

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生産管理とTPS

○広義では○広義では

  生産管理=工場管理  生産管理=工場管理

    工程管理(    工程管理(D)D)、、品質管理(品質管理(QQ)、)、設備管理、資材管理、設備管理、資材管理、

    作業管理、原価管理(    作業管理、原価管理(C)C)、、 IEIE、、ほかほか○狭義では○狭義では

  生産管理=工程管理+資材管理+  生産管理=工程管理+資材管理+ IEIE    工程管理=生産計画+生産統制工程管理=生産計画+生産統制

  生産統制=進捗(度)管理+余力管理+物品管理  生産統制=進捗(度)管理+余力管理+物品管理

          +資料管理          +資料管理

○○TPSTPSは広義と狭義の中間は広義と狭義の中間

  工程管理    :平準化計画、かんばん方式、所番地  工程管理    :平準化計画、かんばん方式、所番地

  +資材管理    +資材管理   :かんばん方式:かんばん方式

  +  +IEIE(=(=改善改善) ) +設備管理+設備管理 +原価管理+品質管理

TPSが教える生産管理の重点・いかに安くつくるか

・いかにJITを実現するか・いかに平準化してつくるか

+原価管理+品質管理

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TPSの基本的な考え方=ものづくりの基本

① コスト低減によって利益を生む

②自働化:品質は、検査で確保するのでなく、作り込む

③ジャストインタイム:在庫は諸悪の根源である

④三現主義に徹する

⑤改善のために創意工夫をする

⑥平準化:TPSの基礎⑦仕事を「見える化」する

⑧ 1個流し⑨ ものの動きを流れ化する

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生産の平準化

「総量の平準化」と「品種別数量の平準化」「総量の平準化」と「品種別数量の平準化」

   売れる速度にあわせて作る   売れる速度にあわせて作る

3つの平準化3つの平準化

  (1)製品販売構成比率の平準化  (1)製品販売構成比率の平準化

  (2)部品使用速度の平準化  (2)部品使用速度の平準化

  (3)組付け工数の平準化  (3)組付け工数の平準化

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単一段階システムでの平滑化指示の効果

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かんばん方式

生産工程

資材在庫

製品在庫

外注工場

製品市場

ab

自社

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平滑化指示方式

X t

11 )1( −− −+≅ ttt XDX ββ

需要量

生産指示量

平滑化係数

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単一工程の生産・在庫モデル

生産工程

資材在庫

製品在庫

外注工場

製品市場

β

ab

実験の条件

(1)即納

(2)生産リードタイム: a=2

(3)資材調達リードタイム: b=3

自社

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0

5

10

15

20

25

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00

Total inventory

Product inventory

Material inventory

Inventory

Smoothing factor β3

平滑化係数と期末在庫量(理論値)

10%

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多段階システムでの平滑化指示の効果

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多段階生産・在庫システム(かんばん方式)

Stage1

Product inventory

Raw Material inventory

Supplier

tD

2d

Material flow Information flow

tS ,2

Stage2

Inventory

1,2,2 −= tt SO

2,2 atX −tX ,2

tt XY ,2,2 =

1,1 1−−etS1,1 atX −

1,1,1 −= tt SO

1e

tX ,1

tt XY ,1,1 =

1,1 1−−btY

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多段階生産・在庫モデル(平滑化指示方式)

Stage

1

Product inventory

Raw Material inventory

Supplier

tD

2d

Material flow Information flow

tS ,2

Stage2

Inventory

tO ,2

2,2 atX −tX ,2

tt XY ,2,2 =

1,1 1−−etS1,1 atX −

tO ,1

1e

tX ,1

tt XY ,1,1 =

1,1 1−−btY

β1 β2

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実験データ等の設定

(1) 最終工程での生産指示だけを平滑化(2) それ以外は、かんばんのルール(後補充方式)(3) 工程数 M=3(4) 需要量は2項分布(項の数n, 出現確率p, 平均np)

n=100, n=30, p=0.5(5) 生産リードタイム

a(1)=3, a(2)=a(3)=2(6) 調達リードタイム

b(1)=5b(2)= d(2)+e(1) =4, d(2)=2, e(1)=2 b(3)= d(3)+e(2)=3, d(3)=1, e(2)=2

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平準化の効果 項の数=30, 生起確率=0.5

3βFinished item/Product Material

m=1 m=2 m=3 m=1 m=2 m=30.03 2.18 1.65 19.59 3.24 2.71 2.18 31.560.04 2.51 1.90 17.30 3.71 3.12 2.51 31.050.05 2.80 2.12 15.77 4.12 3.46 2.80 31.070.06 3.05 2.31 14.66 4.48 3.77 3.05 31.330.07 3.28 2.49 13.81 4.81 4.06 3.28 31.740.08 3.50 2.66 13.14 5.11 4.31 3.50 32.210.09 3.70 2.82 12.59 5.38 4.55 3.70 32.730.10 3.88 3.296 12.14 5.63 4.77 3.88 33.260.20 5.28 4.11 9.85 7.43 6.39 5.28 38.340.30 6.23 4.93 8.96 8.52 7.42 6.23 42.300.40 6.93 5.57 8.50 9.25 8.15 6.93 45.330.50 7.47 6.10 8.22 9.75 8.67 7.47 47.690.60 7.90 6.54 8.05 10.12 9.07 7.90 49.580.70 8.24 6.92 7.93 10.41 9.39 8.24 51.120.80 8.53 7.24 7.86 10.64 9.64 8.53 52.440.90 8.78 7.54 7.82 10.85 9.87 8.78 53.621.00 9.01 7.80 7.80 11.03 10.07 9.01 54.73

Totalββ

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各工程の在庫量と総在庫量

0

10

20

30

40

50

60

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00

Total system inventory

Stage 3 Stage 1

Stage 2

Smoothing factor β3

Inventory

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結  論

(1)工程3=親企業:(1)工程3=親企業:

   平準化は、親企業自身に利益をもたらす   平準化は、親企業自身に利益をもたらす

(2)工程2と工程1=外注先(サプライヤー)(2)工程2と工程1=外注先(サプライヤー)

   平準化は、サプライヤーに利益をもたらす   平準化は、サプライヤーに利益をもたらす

(3)最適な平滑化係数値は、かなり小さい(3)最適な平滑化係数値は、かなり小さい

   大きく平滑化することが重要   大きく平滑化することが重要

(4) (4) リードタイムの影響リードタイムの影響

   リードタイムが長くなると平滑化係数は小さくする   リードタイムが長くなると平滑化係数は小さくする

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在庫費用で見た場合

Finished item Materialm=1m=1 m=2m=2 m=3m=3 m=1m=1 m=2m=2 m=3m=3

Type 1 1 1 1 1 1 1Type 2 0.8 0.9 1 0.7 0.8 0.9Type 3 0.6 0.8 1 0.4 0.6 0.8Type 4 0.4 0.7 1 0.1 0.4 0.7

Cost type

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平滑化係数の値と総費用

0.00

10.00

20.00

30.00

40.00

50.00

60.00

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

Smoothing factor β3

Inventory holding cost

Cost type 1

Cost type 2

Cost type 3

Cost type 4

43.3%減

38.8%減

33.3%減

26.0%減

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結  論

原材料の単位保管費が、製品よりかなり小さくても、平準化の効果は大きい。

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自動車会社における自動車会社における平準化計画の実際平準化計画の実際

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平準化計画:平準化計画:  生産計画から車両投入順序計画へ  生産計画から車両投入順序計画へ

①毎月ディーラーと海外から向こう3ヶ月間の車種別需要予測量を受け取る。②生産管理部門は、生産能力の調整を行って、向こう3ヶ月間の生産計画を作成し、次月の計画を確定計画とする。

③生産計画をもとに社内工場と部品メーカーに「納入内示表」を通知する。④次月の生産計画数量を稼働日数で割って、1日当たりの車種別生産台数を求める。

⑤各ディーラーが、月次生産計画で確定した引取台数の枠内で、10日間分の注文を決定し、旬オーダーとして完成車メーカーに通知する。

⑥生産管理部では、この旬オーダーに基づいて工場別、ライン別の日産量を計画すると同時に、各ディーラーに対して車の配送予定表を通知する。

⑦ディーラーから毎日「デイリー変更」と呼ばれる注文変更が入る(数量については旬オーダーの±10%変更可、顧客注文に従った完成車の仕様変更の指示)。

⑧製造部門は、毎日、最終仕様の決まったオーダーについて、混合品種組立ラインに対する投入順序計画を作成する。

⑨投入順序計画にしたがって、車1台ごとにボディ溶接ラインの先頭に着工指示が行われる。

オーダーエントリーシステム

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混合品種ラインと平準化投入計画混合品種ラインと平準化投入計画

A

A

A

B

B

C

C

C

C

製品

A C B C A C C BA C

組立ライン

混合品種組立ラインとは混合品種組立ラインとは

ライン切替方式

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投入順序計画の指示

プレスライン

塗装ライン

ストレージ

艤装ライン

ボディライン

引取かんばん

信号かんばん

ツートン車等

投入順序計画

投入順序計画

外注工場自社工場

着工指示

引取かんばん

信号かんばん

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かんばんの基本的流れかんばんの基本的流れ

材料在庫 製品在庫

生産ライン後工程引取り

生産ライン

空箱・空かんばん

生産指示

空箱・空かんばん

生産ライン

後補充

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引き取り量の平準化

平準化投入計画によって平準化しても、サプライヤー平準化投入計画によって平準化しても、サプライヤーが持ち帰るかんばん枚数は変動する。が持ち帰るかんばん枚数は変動する。

理由理由

 ①かんばん回収サイクルと納入便のサイクルのズレ。 ①かんばん回収サイクルと納入便のサイクルのズレ。

 ②かんばん回収が、回収者によって定時に回収され ②かんばん回収が、回収者によって定時に回収されない。ない。

 ③トラックの到着が、運転上の都合で進遅する。 ③トラックの到着が、運転上の都合で進遅する。

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①かんばん回収サイクルと納入便のサイクルのズレ

かんばん回収サイクル

納入便のサイクル

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リードタイムを考えるリードタイムを考える

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リードタイムを考えるリードタイムを考える

1.リードタイムの違いを理解する1.リードタイムの違いを理解する

2.リードタイムの種類2.リードタイムの種類

3.リードタイムを構成する要素3.リードタイムを構成する要素

4.リードタイムは、変動と混雑に依存する4.リードタイムは、変動と混雑に依存する

  稼動100%の実現は難しい  稼動100%の実現は難しい

5.リードタイムの大半は待ち時間5.リードタイムの大半は待ち時間

  「乗換えが多いと遅くなる」  「乗換えが多いと遅くなる」

6.リードタイムと在庫量と生産速度の関係を「見える6.リードタイムと在庫量と生産速度の関係を「見える化」する化」する

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1.リードタイムの違いを理解する

平均=10

標準偏差=5.77

調達期間=1期間

平均=10

標準偏差=5.77

調達期間=3期間-20

-10

0

10

20

30

40

50

60

0 10 20 30 40 50 60 70 80

[0, 20]一様乱数

0

10

20

30

40

50

60

0 10 20 30 40 50 60 70 80

赤:需要量

青:在庫量

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2.リードタイムの種類

解答例:解答例:

納入リードタイム納入リードタイム

生産計画・指示のリードタイム生産計画・指示のリードタイム

生産リードタイム生産リードタイム

出荷・据付のリードタイム出荷・据付のリードタイム

資材調達リードタイム資材調達リードタイム

設計リードタイム設計リードタイム

質問:リードタイムの種類をあげて見ましょう。

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3.リードタイムを構成する要素

解答例:解答例:

設計、事務処理、待ち設計、事務処理、待ち

加工・検査処理、加工・検査待ち加工・検査処理、加工・検査待ち

運搬、運搬待ち、出荷待ち運搬、運搬待ち、出荷待ち

ロットまとめロットまとめ

計画、計画待ち計画、計画待ち

養生養生

材料待ち材料待ち

質問:リードタイムの構成要素をあげて見ましょう。

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4.リードタイムは、変動と混雑に依存する

負荷率とリードタイムの関係負荷率とリードタイムの関係

  1/1/μ:μ:11個あたりの加工時間個あたりの加工時間

  λ:λ:単位時間当たりの需要量単位時間当たりの需要量

  ρ=λρ=λ//μ:μ:負荷率(トラフィック密度)負荷率(トラフィック密度)

 加工時間も仕事の到着もランダムな場合: 加工時間も仕事の到着もランダムな場合:

 待ち時間= 待ち時間= 系内客数=系内客数=)1( ρµ

ρ− )1( ρ

ρ−

仕事の待ち行列 加工工程

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加工工程待ち時間の計算例(1/μ=1時間)

仕事の待ち行列

待ち時間

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 ρ

待ち時間(hrs)

負荷率

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5.リードタイムの殆どは待ち時間

演習:自社のリードタイムの現状は?演習:自社のリードタイムの現状は?

(1)自社のリードタイムがどの程度か、調べて(1)自社のリードタイムがどの程度か、調べてみましょうみましょう

(2)自社のリードタイムの構成要素とそれらの(2)自社のリードタイムの構成要素とそれらの時間を調べてみましょう時間を調べてみましょう

(3)自社のリードタイムを短縮するにはどうす(3)自社のリードタイムを短縮するにはどうすればよいでしょうか?その方法について考えればよいでしょうか?その方法について考えてみましょうてみましょう

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6.リードタイムと在庫量と生産速度の関係を「見える化」する

累積量

月日

流動数曲線

仕掛量

生産期間

受入累積量

完成累積量

産出速度

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ご参加ありがとうございました。