第5章 データ第5章 データ 1. デジタルとアナログ...

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第5章 データ 1. デジタルとアナログ :普通の写真のように濃淡や色(輝度値)が連続的に変わる画像. :アナログ画像を小さなセル に分割し,各セルの平均輝度値や中心部における 輝度値などをそのセルを代表する輝度値として整数値化した画像. :アナログ画像を空間的に離散化 (分割)すること. :標本化された各セルの輝度値(連続値)を離散化 (整数値化)すること. :標本化と量子化をあわせて画像のデジタル化 あるいはAD 変換 という.

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第5章�データ�

1.�デジタルとアナログ�

��������������:普通の写真のように濃淡や色(輝度値)が連続的に変わる画像. ��������������:アナログ画像を小さなセルに分割し,各セルの平均輝度値や中心部における

輝度値などをそのセルを代表する輝度値として整数値化した画像.�

�������������:アナログ画像を空間的に離散化(分割)すること. �������������:標本化された各セルの輝度値(連続値)を離散化(整数値化)すること.��������������:標本化と量子化をあわせて画像のデジタル化あるいはAD変換という.�

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2.�標本化�

����������:分割された各セルのこと. ����������:画素配列の横方向に左から右につけた番号. ����������:画素配列の縦方向に上から下につけた番号.�

サンプリング周期が長いと元の画像の再現性が悪くなり,短いとデジタル化された画像の精度は向上するが,デー量が膨大になる.�

衛星進行方向

アナログ画像を���������������する.�

3.�量子化�

アナログ輝度値は連続的な値をとっているが,量子化によりとびとびの値(整数値)にかえられる.�

量子化とは,����������������������こと.�

Vの範囲のアナログデータは,”2”になる.�

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4.�リモセン画像データ�

リモセンデータは,0~255までの256段階(階調)(もしくは0~127までの128段階)に量子化されたデジタルデータである.�このデジタル化されたリモセンデータは, ������������� ,もしくは と呼ばれる.�

ランドサットTMだと解像度が30m×30mだから,ひとつの画素の数値は,この範囲の反射率の大きさを,256段階の数値に置き換えられたものである.(MSSでは128段階)�

4.1�LANDSAT-TMのデ-タ�

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5.�リモセン関連機関�

衛星打ち上げ・運行管理 �・宇宙航空研究開発機構(JAXA)������ ;http://www.jaxa.jp/ �

データの検索・提供 �・JAXA地球観測研究センター(JAXA/EORC)� ; https://www.eoc.jaxa.jp/iss/jsp/index.html �・リモートセンシング技術センター(RESTEC) ;http://www.restec.or.jp/ �・資源環境観測解析センター(ERSDAC) ���;http://www.ersdac.or.jp/�・広島地球環境情報センター(HEEIC) �����;http://www.heeic.or.jp/ �・千葉大学/環境リモートセンシング研究センター(CEReS) � �����������������;http://www.cr.chiba-u.jp/jhome.html�・東海大学情報技術センター(TRIC)� ;http://www.tric.u-tokai.ac.jp/�

・その他�気象衛星に関する機関,民間企業など�

6.�データ検索�RESTECにアクセスしてみる�

RESTEC(http://www.restec.or.jp/)�

衛星画像オンライン検索・注文�

→画像検索・見本�

詳細検索�Go

適当な衛星とセンサを選択してクリック�

観測期間,検索領域,雲量の指定�

検索開始�

しばらくすると,検索結果が表示される.適当な画像の�

詳細� クリック�

クリック�

クリック�

クリック�

指示通りに入力�

拡大画像が表示される�

クリック�

詳細検索条件� クリック�

地図から指定する�

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7.�無料データ�

いくつかの機関から無料のデータが配布されている.�

・東京大学生産技術研究所・安岡・竹内研究室�������http://webmodis.iis.u-tokyo.ac.jp/index_j.php ��ここでは,Terra・AquaのMODISデータが入手できる.各自勝手に申し込まないこと.�

・メリーランド大学 �������http://glcfapp.umiacs.umd.edu:8080/esdi/index.jsp��ここでは,ランドサットデータが入手できる(演習で利用する).�

・その他�他にもあるらしいが未確認�

8.�入手データの歪 �

リモセン画像には以下の歪が含まれているので,これを補正する必要がある.

1)������������������(ラジオメトリック歪)��センサの感度や太陽の位置,大気の状態に起因する歪�

2)������������������(ジオメトリック歪) �衛星画像の座標系と地図の座標系が一致していない歪,センサの内部歪・外�部歪,地図投影法に伴う歪などに起因して生じる.

ただし,現在では一部の歪を補正したデータ(補正済みデータ)も販売されているので,一般ユーザーはこれを利用することも可能である.�

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9.�放射量歪�放射量歪には,以下のものがある.�

1)センサの感度特性に起因する歪(周辺減光,ストライピング)�2)太陽とセンサの位置関係に起因する歪(サンスポット)�3)地表面の起伏に起因する歪�

4)大気による歪(減衰,パスラジアンス,スカイライトなど)�

周辺減光・サンスポット:シェイディング局面の推定 �

ストライピング:各素子からの出力値の統計量を調整�

地表面の起伏に起因する歪み:表面の法線ベクトルと太陽光の入射ベクトルからセンサ方向への反射光の強度を計算�

大気による歪み:補正は困難�

太陽光が地表面で反射・拡散され,その周辺が周りより明るくなる�

対策�

参考�

10.�大気による歪�

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11.�幾何学歪�

�幾何学歪とは,��

のこと.�センサの内部歪・外部歪,地図投影法に伴う歪などに起因して生じる.�

�解析ソフトによっては,幾何学歪(ジオメトリック歪)の補正を,「アフィン変換」と呼んでいるものがある.�

ランドサットは,右上から左下へ斜めに横切る�

12.�地図座標系と衛星座標系の不一致�

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13.�センサの内部歪・外部歪�

内部歪�

外部歪�

14.�ジオメトリックひずみ補正例�

補正前� 補正後�

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15.�データの処理レベル�

センサ� 処理内容�

Landsat�MSS�

未補正� バルク補正 �(S)�

バルク補正/ジオコーデッド(GC)�

Landsat�TM�

未補正� バルク補正 �(S)�

バルク補正/ジオコーデッド(GC)�

Landsat�ETM+�

L0R�(未補正)�

L1R�(R)�

L1G�(S)�

L1G/ジオコーデッド(GC)�

例:Landsatの場合�

R:�ラジオメトリック補正 �S:�ラジオメトリック補正とジオメトリック補正(地図投影) �GC:�S+ジオコーディング(画像が地図上の真北を向くようになされる回転処理)�

様々に処理されたデータが販売されている�

16.�データの価格�

センサ� 未補正� バルク補正� ジオコーデッド�

Landsat-MSS� 40,740円�

Landsat- TM� 88,200円�

センサ� L0R� L1R� L1G�

Landsat- ETM� 88,200円�

例:ランドサットの1シーン(CD-ROM)の場合�

RESTECホームページより�

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・ランドサットTMの場合,1シーンは7000ライン×6000ピクセル×7バンドで,データ量としては294MBになる(ランドサットMSSの場合は,3600×3000 ×4バンドで,43MB).�

・このデータをCD-ROMで購入する場合は問題ない(1枚で収まる).以前は,フロッピーディスク(FD)でも販売されていた.FDの場合,TMデータの1シーンでは200枚以上,MSSデータでは30枚以上必要であった.�・そのため,FDではデータを間引いたものも売られていた(現在は,FDでの配布は行われていない).�

・間引き率2は,2画素に1画素づつ,間引き率4は,4画素に1画素づつ,間引き率6は,6画素に1画素づつ,データを拾い上げたものである.�

・間引いたデータでは,当然ながら画質は荒くなる.�

17.�間引き率�