第403号 〈第三種郵便物認可〉 平成30年8月1 ... ·...

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全国からケア業を目指す 60 名が参加 キャロン詩氏 近藤修氏 小柴一郎氏 〈6〉 平成 30 年 8 月 1 日号 第 403 号 〈第三種郵便物認可〉 テキスタイルケア協会 36 14 沿使

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Page 1: 第403号 〈第三種郵便物認可〉 平成30年8月1 ... · 全国からケア業を目指す60名が参加 キャロン詩氏 近藤修氏 小柴一郎氏 第403号 〈第三種郵便物認可〉

全国からケア業を目指す 60 名が参加

キャロン詩氏 近藤修氏

小柴一郎氏

〈6〉平成 30 年 8月1日号第 403号 〈第三種郵便物認可〉

テキスタイルケア協会

ヴィトン・ディオール・エトロ

ブランドの立ち上がりと歴史変遷

ラグジュアリーブランドから学ぶケア業の立ち上げ方

 

(一社)日本テキスタイルケア協会(住連木まさし代表)は、第4回協会

シンポジウムを開催。海外ラグジュアリー3ブランドのカスタマー担当者を

招き、ブランドから学ぶケア業としてのあり方やブランドの立ち上がりと成

長の変遷などを学んだ。二年ぶりとなるイベントに会員の期待も高く、当日

は予約申し込みで満席になるなど、華やかで賑やかな催しとなった。

 

㈱リンクマインドの

近藤修氏は、ルイ・ヴィ

トンが1978年日本に

上陸した時から携わり、

2014年まで36年間勤

めた現場人間。2001

年から14年間、消費者対

応業務を勤めた。

 

近藤氏は、ルイ・ヴィ

トンの経営理念を「品質」

「伝統」「革新」の3つに

集約し、ブランド価値を

説明。「品質」へのこだ

 

エトロジャパンの小柴

一郎氏は、ラグジュアリ

ーブランドビジネスの変

遷とエトロブランドの沿

革について講演。

 

ヨーロッパ高級ブティ

ック通りと銀座並木通り

の共通点について、パリ

「フォーブルサントノー

レ」、ミラノ「モンテナ

け、グッチ・エルメス・

フェラガモなどを揃え

て、今の並木通りの原形

を作った。

 

日本におけるエトロの

歴史は1988年より。

当時、ペイズリーではな

く、カシミール紋様と呼

びなさいと上司に言われ

た。もともと、カシミー

ル地方で1400年頃か

ら栄えていたものだが、

フランス革命で消えたカ

シミール紋様を復活させ

たのが、エトロの創業者

であるジンモエトロ。バ

ッグ、ショール、ポケッ

トチーフから、1996

年に満を持してミラノコ

レクションデビューとな

った。

 

ユーロ圏内のPIGS

(ポルトガル・イタリア

・ギリシア・スペイン)

は経済的に「お荷物」と

言われるが、一方ではフ

ァッションや芸術を育て

た。この4カ国の共通点

がキリスト教カトリック

ポレオーネ」、フィレン

ツェ「トルナブォーニ」、

ローマ「ヴィアコンドッ

ティー」、そして銀座「並

木通り」などは、車両が

一方通行であり、狭隘な

通りで全長1キロ弱、周

辺に多くの画廊があると

して、ショッピングを楽

しみやすくなっていると

指摘。日本では茂登山長

一郎氏が並木通りを見つ

新」は、ファッションや

香水など新しい分野へ挑

戦し、美術館などの社会

貢献を経て世界一のラグ

ジュアリーブランドにま

で成長していった経緯を

話し、ルイ・ヴィトンに

おけるブランドの源泉・

核心をまとめた。

 

ルイ・ヴィトンは、サ

ッカーワールドカップの

優勝トロフィーを入れる

ケースも製作を手がけ

る。その制作中の映像を

見せながら、こだわりの

ものづくりを説明。

 

アパレルもクリーニン

グもどの商売も目的は

「お客様の期待に応えて」

「お客様に喜んでもらい」

「お客様が満足すること」

であり、「誠実」に歩ん

でいるかが大切。

 

例えば、企業がよく言

う「お客様を満足させる

ための施策」というのは

企業の勘違い。満足した

かどうかの判断はお客様

の判断であり、お客様の

期待に応えられるように

するには、何よりも誠実

に事に当たることが大

切。これを長年続けてい

くこそが企業ブランドを

成長させる核心であると

意義づけた。

わりは職人への尊敬が製

品への信頼という形で表

れお客様からも感謝され

ること。「伝統」は、代

々継承されている旅の真

髄(こころ)であり、馬

車で旅する貴族の衣装を

守るケースから、旅のテ

ーマで164年間誠実に

歩んできた歴史を。「革

重なファブリックをふん

だんに使うことには賛否

両論であったが、「女性

が女性らしく、そしてフ

ェミニンで美しくファッ

ションを楽しむ明るい時

ティブに携わる仕事に就

きたく、1947年2月

パリにて初のオートクチ

ュール・コレクションを

行い、全世界を魅了した。

 

戦後、物資が少なく貴

代が戻ってきてほしい」

との願望から、あえてシ

ョーを開催。そしてAラ

インなどのアルファベッ

トラインを生み出した。

1955年にはパリで

ブティックをオープン。

1957年に心臓麻痺で

倒れた後は、様々な有名

デザイナーが「女性はフ

ェミニンであり、芯の強

い女性像をファッション

で表現したい」というク

リスチャン・ディオール

の想いを引き継いだ。

 

キャロン氏は、スタッ

フに伝える7つのバリュ

ーを紹介。「エクセレン

ス」は最高な自分を目指

す心意気。「エレガンス」

は上品は内側から自然と

出てくるもの。「クリエ

イティビティー」は、常

に核心的なアイデアを。

「リアクティビティー」

は、対応力あるマインド

セット。「忍耐力」は、

時には待つこと。「サー

ビス精神」は、一緒に働

くチーム全員に対しても

行うもの。従業員全員が、

クリスチャン・ディオー

ルらしい振る舞いと考え

が、重要であるとした。

 

人事育成を担当してい

るキャロン詩さんは、ク

リスチャン・ディオール

におけるハイブランドの

持つ価値について講演。

 

クリスチャン・ディオ

ールは1905年に誕

生。フランスのグランヴ

ィル地方で裕福な家庭で

育ち、デザインのインス

ピレーションを育む。学

生時代は画廊を開き、ジ

ャコメッティやピカソな

どと出会い強い影響を受

ける。大戦後、クリエイ

ルイ・ヴィトン

クリスチャン

  

ディオール

エトロ

であること。

教会を大切に

し、罪を犯し

ても教会で懺

悔をしてお金

を納める。教

会が才能ある

芸術家の支援

者となり芸術

た。ファッシ

ョンの繁栄も

ここからでは

ないかと述べ

た。