Introduction to the MEMS Module...1 。由于系统的尺寸缩小,弹簧刚度减小的速度比 系统质量慢得多,从而导致设备越小,谐振频率越高(谐振频率按比例表示为
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第 3 章 1 自由度系の振動
はじめに
(目標) 1自由度系の運動方程式を満たす変位の解を詳しく調べる.まず,定数係数常微分方程式 (線形常微分方程式) の解に関する定理を確認する.それを用いて,自由振動の解について詳しく調べてみる.そのあとで,強制振動の解についてみていくことにする.
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第 3 章 1 自由度系の振動
線形常微分方程式の基礎
§3.1 線形常微分方程式の基礎
1自由度系の運動方程式は 2階 1元線形常微分方程式で与えられる.本論に入る前に,線形常微分方程式の基礎事項をまとめておく.n を自然数とする.
問題 3.1.1 (同次形微分方程式)
a0, · · · , an−1 を複素定数として,
dnu
dtn(t) + an−1
dn−1u
dtn−1(t) + · · ·+ a1
du
dt(t) + a0u (t) = 0 (3.1.1)
を満たす関数 u : R → C を求めよ.
式 (3.1.1) を n 階線形常微分方程式の同次形という.
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第 3 章 1 自由度系の振動
線形常微分方程式の基礎
問題 3.1.2 (非同次形微分方程式)
a0, · · · , an−1 を複素定数として,p : R → C は非 0 の関数とする.このとき,
dnu
dtn(t) + an−1
dn−1u
dtn−1(t) + · · ·+ a1
du
dt(t) + a0u (t) = p (t) (3.1.2)
を満たす関数 u : R → C を求めよ.
式 (3.1.2) を n 階線形常微分方程式の非同次形という.
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第 3 章 1 自由度系の振動
線形常微分方程式の基礎
定理 3.1.3 (同次形の線形性から得られる結果)
u1 (t) , · · · , un (t) が同次形の解ならば,任意の複素定数 c1, · · · , cn に対して,
c1u1 (t) + c2u2 (t) + · · ·+ cnun (t)
も解である.
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第 3 章 1 自由度系の振動
線形常微分方程式の基礎
定理 3.1.4 (同次形の解の独立性から得られる結果)
u1 (t) , · · · , un (t) が同次形の解で,それらが独立のとき,すなわち,Wronskian∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣
u1 (t) u2 (t) · · · un (t)du1
dt(t)
du2
dt(t) · · · dun
dt...
.... . .
...dn−1u2
dtn−1(t)
dn−1u2
dtn−1(t) · · · dn−1un
dtn−1
∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣= 0
のとき,同次形のすべての解は,任意の複素定数 c1, · · · , cn に対して,
c1u1 (t) + c2u2 (t) + · · ·+ cnun (t)
とかける.
すべての解を表す式は一般解とよばれる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
線形常微分方程式の基礎
定理 3.1.5 (非同次形の解)
u1 (t) , · · · , un (t) が同次形の解で,それらが独立とする.また,up (t) が非同次形の解とする.このとき,非同次形のすべての解は,任意の複素定数 c1, · · · , cnに対して,
c1u1 (t) + c2u2 (t) + · · ·+ cnun (t) + up (t)
とかける.
非同次形の解 up (t) は特殊解とよばれる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
§3.2 非減衰自由振動
これより,運動方程式にもどって,非減衰自由振動の解 u (t) を求めることを考える.これ以降,時間微分を ˙( · ) = d ( · ) /dt とかくことにする.運動方程式
mu+ ku = 0
は,
ω21 =
k
m(3.2.1)
とおくことで,標準形
u+ ω21u = 0 (3.2.2)
に変換される.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
試行錯誤
§3.2.1 試行錯誤
定理 3.1.3 と定理 3.1.4 から,独立な (Wronskian が 0 ではない) 2つの解 u1
と u2 がみつかれば,自由振動 (同次形の運動方程式) の解は,任意の定数 a1 とa2 を用いて,
a1u1 + a2u2
となる.そこで,試行錯誤で 2つの解 u1 と u2 をみつけてみよう.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
試行錯誤
一つの解を
u1 = sinω1t
と予想する.そのときの加速度は
u1 = −ω21 sinω1t
となり,式 (3.2.2) に代入すれば,
u1 + ω21u1 = −ω2
1 sinω1t+ ω21 sinω1t = 0
となり,運動方程式の解となっていることが確認される.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
試行錯誤
もう一つの解を
u2 = cosω1t
と予想する.そのときの加速度は
u2 = −ω21 cosω1t
となり,式 (3.2.2) に代入すれば,
u2 + ω21u2 = −ω2
1 cosω1t+ ω21 cosω1t = 0
となり,運動方程式の解となっていることが確認される.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
試行錯誤
2つの解の独立性を調べてみる.Wronskian を計算すれば,∣∣∣∣ sinω1t cosω1tω1 cosω1t −ω1 sinω1t
∣∣∣∣ = −ω1 sin2 ω1t− ω1 cos
2 ω1t = −ω1 = 0
となる.そこで,自由振動の一般解は,定理 3.1.4 より,任意の実定数 a1 と a2 を用
いて,
u (t) = a1 sinω1t+ a2 cosω1t (3.2.3)
とかけることになる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
試行錯誤
式 (3.2.3) は,自由振動の一般解を調和波 (sin あるいは cos の時間関数) の線形結合による表現になっている.この式は,振幅と初期位相を表す任意の実定数a と ϕ を用いて,
u (t) = a cos (ω1t+ ϕ)
= −a sinϕ sin (ω1t) + a cosϕ cos (ω1t) (3.2.4)
とかくこともできる.そこで,a1 = −a sinϕ および a2 = a cosϕ とおけば,両者は等価であることがわかる.
φ
a1=−asinφ
a2=acosφ
a
図 3.1: 振幅 a と初期位相 ϕ
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
試行錯誤
式 (3.2.4) は振動する時間関数を表している.ω1 は,そのときの円振動数 (単位: rad/sec) を表し,非減衰自由振動の固有円振動数とよばれる.また,振動数f1 (単位: Hz = rev/sec) と周期 tT1 (単位: sec) との関係は
f1 =ω1
2π,
tT1 =2π
ω1
である.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
一般解の形式を利用する方法
§3.2.2 一般解の形式を利用する方法
次に,非減衰自由振動の解 u (t) を線形常微分方程式の一般解の形式を用いて求めてみよう.線形常微分方程式の一般解は,任意の複素定数 z1 と λ1 を用いて,
u (t) = z1eλ1t (3.2.5)
のように与えられる.ここで,i は単位虚数を表す.これ以降,複素数 z は振幅r と位相 θを用いて
z = x+ i y = r (cos θ + i sin θ) = rei θ
とかけることに注意する (図 3.2).この関係は,Euler の公式とよばれる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
一般解の形式を利用する方法
Euler の公式は,例えば,次の関係から得られる.
ei θ = 1 + i θ +(i θ)
2
2!+
(i θ)3
3!+ · · ·
=
(1− θ2
2!+ · · ·
)+ i
(θ − θ3
3!+ · · ·
)= cos θ + i sin θ
x
iy
rθ
図 3.2: 複素数の振幅 r と位相 θ
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
一般解の形式を利用する方法
線形常微分方程式の一般解の形式 (式 (3.2.5)) を非減衰自由振動の運動方程式(式 (3.2.2)) に代入すれば,(
λ21 + ω2
1
)z1e
λ1t = 0 (3.2.6)
を得る.ここで,z1 = 0 は式 (3.2.6) を満たす.この解は u (t) = 0 を表し,自明の解とよばれる.その解を除くために z1 = 0 を仮定し,eλ1t > 0 を考慮すれば,λ1 に対する方程式
λ21 + ω2
1 = 0 (3.2.7)
を得る.式 (3.2.7) は特性方程式とよばれる.この方程式の解は
λ1 = ±iω1 (3.2.8)
となる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
一般解の形式を利用する方法
式 (3.2.8) を式 (3.2.5) に代入すれば,
u (t) = z1e±iω1t (3.2.9)
となる.ここで次の性質に注目する.
実定数係数常微分方程式の一般解は,n 階のとき n 個存在して,それらは実数か共役な複素数である.
式 (3.2.9) の解は 2個存在して,それらは複素数なので共役である.そこで,互いに共役な2つの複素数の線形結合が実数となること注目すれば,
u (t) = z1eiω1t + zc1e
−iω1t
= (a+ i b) (cosω1t+ i sinω1t) + (a− i b) (cosω1t− i sinω1t)
= 2a cosω1t− 2b sinω1t (3.2.10)
となる.ただし,( · )c は複素共役を表す.また,a と b は任意の実定数である.式 (3.2.10) において,2a と −2b をそれぞれ a1 と a2 にかきかえれば,試行錯誤によって得られた結果 (式 (3.2.3)) と一致する.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
一般解の形式を利用する方法
m u
l
図 3.3: はりと質点
例題 3.2.1 (はりと質点)
図 3.3 のような長さ l,断面 2次モーメント i,Young 率 eY の両端が単純支持されたはりの中央に質量 m の質点がおかれている構造の固有円振動数を求めよ.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
一般解の形式を利用する方法
解答 この力学系の変形は,質点の変位 u だけで記述されることから,1自由度系である.このときの運動方程式は
mu+ ku = 0 (3.2.11)
とかける,ここで,ばね定数 k は次のようにして得られる.図 3.4 のように,質点の位置に外力 p が作用したときの変位 δ は
δ =pl3
48eYi(3.2.12)
となる.式 (3.2.12) より,
k =p
δ=
48eYi
l3(3.2.13)
を得る.式 (3.2.13) の k を用いれば,固有円振動数は
ω1 =
√k
m=
√48eYi
ml3
となる. □20 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
§3.2.3 エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
エネルギー保存則は Hamilton 関数の時間に対する不変性で与えられた.運動エネルギー κ が運動量 q = Mu ∈ Rd の2次形式で,質量M ∈ Rd×d が不変のとき,Hamilton 関数は
H (u, q) = −κ (u) + π (u) + q · u = −1
2u · (Mu) + π (u) + q · u
= −1
2q ·(M−1q
)+ π (u) + q ·
(M−1q
)=
1
2q ·(M−1q
)+ π (u)
= κ (u) + π (u)
となる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
Hamilton 関数 h の時間変化は図 3.5 となる.そこで,運動エネルギー最大値κmax とポテンシャルエネルギーの最大値 πmax に対して,
H = κ+ π = κmax = πmax (3.2.14)
が成り立つ.ここで,κmax は固有円振動数 ω1 の 2乗と振幅の 2乗に比例し,πmax は振幅の 2乗に比例するとき,式 (3.2.14) の 2つ目の等式より,ω1 を求めることができる.
h
π
κ
t
図 3.5: Hamilton 関数 h の時間変化
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
例題 3.2.2 (2つのばねと質点系の固有円振動数)
図 3.6 のようなばね定数 k1, k2 の2つのばねと質量 m の質点からなる力学系の固有円振動数を求めよ.
k1 m k2u
図 3.6: 2つのばねと質点系
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
解答 自由振動の変位を
u = a cosω1t (3.2.15)
と仮定する.このとき,速度は u = −ω1a sinω1t となり,運動エネルギー κ = mu2/2の最大値は
κmax =1
2mω2
1a2 (3.2.16)
となる.一方,ポテンシャルエネルギー π =(k1u
2 + k2u2)/2 の最大値は
πmax =1
2(k1 + k2) a
2 (3.2.17)
となる.よって,式 (3.2.20) と式 (3.2.17) が等しいことから,
ω1 =
√k1 + k2
m
となる. □
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
例題 3.2.3 (分布質量ばねと質点系の固有円振動数)
図 3.7 のような長さ l,単位長さあたり質量 µ およびばね定数 k のばねと質量m の質点からなる力学系の固有円振動数を RayLeigh 法 (変位分布を内挿関数で近似して,エネルギー保存則を用いて固有振動数を計算する近似算法) で求めよ.
図 3.7: 分布質量ばねと質点系
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
解答 変位 u は x 座標と時間 t に対して,
u (x, t) =x
la cosω1t (3.2.18)
と仮定する.すなわち,質量の変位振幅を a と仮定して, x における変位は固定点からの距離に比例すると仮定する.このとき,速度は u = −ω1 (x/l) a sinω1t となり,運動エネルギーは
κ =
∫ l
0
{1
2µω2
1
(xl
)2
sin2 ω1t
}dx+
1
2mω2
1a2 sin2 ω1t
=(mS
6+
m
2
)ω21a
2 sin2 ω1t (3.2.19)
となる.ただし,ばねの質量を mS = µl とおいた.そこで,その最大値は
κmax =1
2
(mS
3+m
)ω21a
2 (3.2.20)
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第 3 章 1 自由度系の振動
非減衰自由振動
エネルギー保存則を用いた固有振動数の計算法
となる.一方,ポテンシャルエネルギー π = ku2/2 の最大値は
πmax =1
2ka2 (3.2.21)
となる.よって,式 (3.2.19) と式 (3.2.21) が等しいことから,
ω1 =
√√√√ kmS
3+m
となる. □
RayLeigh 法によって得られる近似解は,内挿関数が厳密解と一致したときに固有円振動数も厳密解と一致する.内挿関数が厳密解と一致しなくてもエネルギーの誤差は,通常,小さく,良い近似を与えることが多い.
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
§3.3 減衰自由振動次に,減衰がある場合を考える.運動方程式
mu+ cu+ ku = 0
は,
ω21 =
k
m(非減衰固有振動数),
c1 = 2√mk (臨界減衰係数),
ζ =c
c1(減衰比),
σ1 = ζω1 (減衰率)
とおくことで,標準形
u+ 2σ1u+ ω21u = 0 (3.3.1)
に変換される.29 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
減衰自由振動の解 u (t) を線形常微分方程式の一般解の形式を用いて求めてみよう.一般解の形式は,任意の複素定数 z1 と λ1 を用いて,
u (t) = z1eλ1t (3.3.2)
のように与えられる.これを式 (3.3.1) に代入すれば,(λ21 + 2σ1λ1 + ω2
1
)z1e
λ1t = 0 (3.3.3)
を得る.ここで,自明の解 z1 = 0 を除くために z1 = 0 を仮定し,eλ1t > 0 を考慮すれば,λ1 に対する特性方程式
λ21 + 2σ1λ1 + ω2
1 = 0 (3.3.4)
を得る.この方程式の解は
λ1 = −σ1 ± ω1
√ζ2 − 1 (3.3.5)
となる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
弱減衰
§3.3.1 弱減衰
減衰比が ζ ∈ (0, 1) のときを弱減衰という.このとき,特性方程式の解は,共役な複素数
λ1 = −σ1 ± i√
1− ζ2 ω1 = −σ1 ± iω1D (3.3.6)
になる.ここで,ω1D =√1− ζ2 ω1 を減衰固有円振動数とよぶ.このときの解
u は,共役な 2つの複素数解の線形結合で与えられる.すなわち,
u (t) = z1e(−σ1+iω1D)t + zc1e
(−σ1−iω1D)t = 2Re[z1e
(−σ1+iω1D)t]
= 2Re[(a1 + i a2) e
−σ1t (cosω1Dt+ i sinω1Dt)]
= 2e−σ1t (a1 cosω1Dt− a2 sinω1Dt)
= ae−σ1t cos (ω1Dt+ ϕ) (3.3.7)
となる.ただし,a1 と a2 あるいは a と ϕ は任意の定数である.
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
弱減衰
任意の定数 a と ϕ は,初期条件 u (0) = u0 = 0 と u (0) = v0 におきかえることができる.すなわち,
u0 = a cosϕ
より,
cosϕ =u0
a(3.3.8)
を得る.一方,式 (3.3.7) より u は,
u (t) = −aω1e−σ1t
{ζ cos (ω1Dt+ ϕ) +
√1− ζ2 sin (ω1Dt+ ϕ)
}(3.3.9)
となる.式 (3.3.9) に u (t) = v0 を代入すれば,
v0 = −aω1e−σ1t
(ζ cosϕ+
√1− ζ2 sinϕ
)= −σ1u0 − aω1D sinϕ (3.3.10)
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
弱減衰
となる.そこで,
sinϕ = −v0 + σ1u0
aω1D(3.3.11)
を得る.式 (3.3.8) と式 (3.3.11) より,
ϕ = tan−1
(−v0 + σ1u0
u0ω1D
), a =
u0
cosϕ(3.3.12)
となる.
u
t
ae−σt
acosφ
2π0 4π
図 3.1: 弱減衰の自由振動 (σ1 = 0.2, ζ = 0.2, ϕ = 1)
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
弱減衰
また,周期 i ∈ {1, 2, · · · } 毎に最大値をとったときの時刻を ti とかき,
tD = ti+1 − ti =2π
ω1D(3.3.13)
とおく.このとき,
u (ti) = ae−σ1ti cos (ω1TDti + ϕ) ,
u (ti+1) = ae−σ1ti+1 cos (ω1Dti+1 + ϕ) = ae−σ1tDe−σ1ti cos (ω1Dti + ϕ)
の関係を用いて,対数減衰率は
δ = lnu (ti)
u (ti+1)= lneσ1tD = σ1tD =
2πζω1
ω1D=
2πζ√1− ζ2
(3.3.14)
によって定義される.ここで,振幅比 ζ ≪ 1 のとき,
ζ =δ
2π(3.3.15)
が成り立つ.そこで,実験により周期ごとの振幅を計測し,対数減衰率 δ を求めれば, ζ が小さいならば式 (3.3.15) により ζ が推定できることになる.
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
臨界減衰
§3.3.2 臨界減衰
減衰比が ζ = 1 のときを臨界減衰という.このとき,特性方程式の解は,重根となり,
λ1 = −σ1 = −ω1 (3.3.16)
となる.したがって,一つの解は実定数 a を用いて
u (t) = ae−ω1t (3.3.17)
とかける.もう一つの解を定数変化法でみつけよう.
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
臨界減衰
定数変化法とは,解の定数を関数に置き換えて微分方程式に代入し,微分方程式が成り立つ条件からその関数を求める方法である.すなわち,
u (t) = a (t) e−ω1t (3.3.18)
と仮定する.このとき,
u (t) = a (t) e−ω1t − ω1ae−ω1t, (3.3.19)
u (t) = a (t) e−ω1t − 2ω1a (t) e−ω1t + ω2
1ae−ω1t (3.3.20)
となる.式 (3.3.18), 式 (3.3.19) と式 (3.3.20) を運動方程式 (式 (3.3.1)) に代入すれば,
a (t) e−ω1t = 0 (3.3.21)
となる.そこで,a (t) = 0 より,a (t) = c1t+ c0 (c1 と c0 は任意定数) を得る.したがって,もう一つの解は
u (t) = bte−ω1t (3.3.22)
となる.ただし,b は任意の実定数である.36 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
臨界減衰
2つの解の独立性は,Wronskian が∣∣∣∣ e−ω1t te−ω1t
−ω1e−ω1t e−ω1t − ω1e
−ω1t
∣∣∣∣ = e−2ω1t = 0
となることから確認される.したがって,臨界減衰の自由振動 u は,2つの解の線形結合で与えられる.す
なわち,
u (t) = (a+ bt) e−ω1t (3.3.23)
となる.ただし,a と b は任意の定数である.
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第 3 章 1 自由度系の振動
減衰自由振動
過減衰
§3.3.3 過減衰減衰比が ζ > 1 のときを過減衰という.このとき,特性方程式の解は,
λ1 = −σ1 ± ω1
√ζ2 − 1 (3.3.24)
となり,任意の実定数 a と b を用いて次のようにかける.
u (t) = ae
(−σ1−ω1
√ζ2−1
)t+ be
(−σ1+ω1
√ζ2−1
)t
(3.3.25)
u
t2π0 3ππ
図 3.3: 過減衰の自由振動 (ζ = 2, a = 1, b = 1)
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
§3.4 強制振動
強制力 (外力) p : R → R を与えて変位の解 u : R → R を求めることを考える.p が作用したときの減衰系の運動方程式
mu+ cu+ ku = p
は,非減衰固有振動数 ω21 = k/m と減衰比 ζ = c/
√mk を用いれば,標準形
u+ 2ζω1u+ ω21u = p/m (3.4.1)
に変換される.
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
定数係数常微分方程式の非同次形の解は,定理 3.1.5 より,同次形の解と特殊解の和
u (t) = aeλt + aceλct + up (t) (3.4.2)
で与えられる.ただし,a は複素定数である. このとき,u (t) を広義の強制振動,up (t) を狭義の強制振動という.これ以降は狭義の強制振動を強制振動とよぶことにする.
up
aeλt+aceλct
図 3.1: 強制振動
41 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
■ 外力の分類
強制振動の解析は外力の性質で異なる.
1 周期的• 調和波の重ね合わせ• Fourier 級数
2 非周期的• インパルスの重ね合わせ• Fourier 積分
3 ランダム• 統計量の定常性
(a) 周期的な力
(b) 非周期的な力
(c) ランダムな力
図 3.2: 外力の分類
42 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
§3.4.1 調和力による強制振動
ここでは,p と ω を外力の振幅と駆動円周波数を表す正定数として,外力 p (t)が調和波 p/m cos (ωt) のときの強制振動 (変位応答) を求めることを考える.運動方程式の標準形は
u+ 2ζω1u+ ω21u =
p
mcos (ωt) (3.4.3)
となる.強制振動は,この微分方程式の特殊解 u を求めることに相当する.
43 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
■ 方法1:未定係数法未定係数 a, b ∈ R をもつ一般解を式 (3.4.3) に代入して, a, b を決定するこ
とを考える.すなわち,
u = a cos (ωt) + b sin (ωt) , (3.4.4)
u = −aω sin (ωt) + bω cos (ωt) ,
u = −aω2 cos (ωt)− bω2 sin (ωt)
を式 (3.4.3) に代入すれば,
− aω2 cos (ωt)− bω2 sin (ωt) + 2ζω1 {−aω sin (ωt) + bω cos (ωt)}+ ω2
1 {a cos (ωt) + b sin (ωt)} = p/m cos (ωt)
となる.そこで,sin (ωt) と cos (ωt) の項ごとに,恒等式(−ω2 + ω2
1
)a+ 2ζω1ωb = p/m,
44 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
− 2ζω1ωa+(−ω2 + ω2
1
)b = 0
が成立する.この連立 1次方程式を解けば,
a =ω21 − ω2
(ω21 − ω2)
2+ (2ζω1ω)
2
p
m,
b =2ζω1ω
(ω21 − ω2)
2+ (2ζω1ω)
2
p
m
となる.これらを式 (3.4.4) に代入すれば,特殊解
u =
(ω21 − ω2
)cos (ωt) + 2ζω1ω sin (ωt)
(ω21 − ω2)
2+ (2ζω1ω)
2
p
m(3.4.5)
を得る.
45 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
式 (3.4.5) は
u =1/m√
(ω21 − ω2)
2+ (2ζω1ω)
2p cos (ωt+ ϕ) (3.4.6)
ともかける.ただし,
ϕ = tan−1
(− 2ζω1ω
ω21 − ω2
)(3.4.7)
を力に対する変位の位相差を表す.
46 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
なぜならば,次が成り立つからである.
cos (ωt+ ϕ) = cos (ωt) cosϕ− sin (ωt) sinϕ
−2ζω1ω
ω12−ω2
{(ω12−ω2)2+(2ζω1ω)2}1/2
φ
図 3.3: 位相差 ϕ
47 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
■ 方法2:複素数表示調和力 p と変位 u は実数値関数である.それに対して,複素数
p∗ = peiωt, (3.4.8)
u∗ = ueiωt (3.4.9)
を p と変位 u の複素数表示であると仮定して,実数値関数の p と変位 u を
p =1
2(p∗ + p∗c) = Re [p∗] , (3.4.10)
u =1
2
(ueiωt + uce−iωt
)=
1
2(u∗ + u∗c) = Re [u∗] (3.4.11)
とおくことにする.このとき,p は実数であると仮定しても u は複素数となってしまう.そこで,ここからは,p と u は複素数であると仮定して,それぞれ pと u の複素振幅とよぶ.
48 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和力による強制振動
このとき,
p∗ = peiωt, u∗ = ueiωt, u∗ = iωueiωt = iωu∗, u∗ = −ω2u∗
を運動方程式の標準形 (式 (3.4.3)) の p, u, u, u に代入すれば,(−ω2 + i 2ζω1ω + ω2
1
)u = p/m (3.4.12)
となる.この式を変形すれば,
u =1
−ω2 + i 2ζω1ω + ω21
p∗
m=
ω21 − ω2 − i 2ζω1ω
(ω21 − ω2)
2+ (2ζω1ω)
2
p
m
=1/m√
(ω21 − ω2)
2+ (2ζω1ω)
2eiϕp (3.4.13)
を得る.ただし,ϕ は式 (3.4.7) である.式 (3.4.13) の実部をとって,式 (3.4.11) と式 (3.4.9) を考慮すれば,方法1で得られた式 (3.4.6) と一致することがわかる.調和力が sin 関数で与えられた場合には,式 (3.4.13) の虚部をとればよい.
49 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
§3.4.2 周波数応答関数
1自由度振動系に対して,調和力 p を与えたとき,変位 u は位相差のある同じ周波数の調和波として得られることがわかった.このとき,それらの複素数振幅 p と u を用いて定義される円周波数 ω の関数
g (ω) =u
p=
1/m√(ω2
1 − ω2)2+ (2ζω1ω)
2eiϕ = |g (ω)| eiϕ (3.4.14)
は周波数応答関数あるいは力から変位への伝達関数とよばれる.式 (3.4.14) は1/k の次元をもっている.これを無次元した
|g (β)| = k |g (ω)| = k/m√(ω2
1 − ω2)2+ (2ζω1ω)
2=
1√(1− β2)
2+ (2ζβ)
2
(3.4.15)
は振幅倍率関数とよばれる.ただし,β = ω/ω1 とおく.
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
■ 周波数応答関数の表示方法周波数応答関数は振幅と位相をもつ.そのために表示方法に工夫が必要で
ある.
1 振幅-位相表示: 両対数表示のとき Bode 線図
2 実部-虚部表示: Co-quad 線図 (coincident quadrature)
3 極座標表示: ベクトル線図あるいは Nyquist 線図
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
■ 振幅-位相表示
|g (β)| = 1√(1− β2)
2+ (2ζβ)
2, ϕ = tan−1
(− 2ζβ
1− β2
)β → 0 ⇒ |g (β)| → 1, ϕ → 0,
β → 1 ⇒ |g (β)| → 1
2ζ, ϕ → −π
2,
β → ∞ ⇒ |g (β)| → 1
β2→ 0 (20 log |g (β)| → −40 log β), ϕ → −π,
d |g (β)|dβ
=2(1− 2ζ2 − β2
)β{
(1− β2)2+ (2ζβ)
2}3/2
= 0 ⇒ β = 0,±√1− 2ζ2,
when 0 < ζ <
√2
2, |g (β)| = 1
2ζ√1− ζ2
, ϕ = tan−1
(−√
1− 2ζ2
ζ
)
52 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
2
6
2
00 1
4
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
β
¯|g|
20 1
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
−50
−100
−150
β
φ
(a) 振幅 |g (β)| (b) 位相 ϕ
図 3.4: 振幅-位相線図
53 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
20−40 0
0
−20 40
20
−40
−20
40
20logβ
¯20log|g|
図 3.5: Bode 線図
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
■ 実部-虚部表示
Re [g (β)] =1− β2
(1− β2)2+ (2ζβ)
2 , Im [g (β)] = − 2ζβ
(1− β2)2+ (2ζβ)
2
β → 0 ⇒ Re [g (β)] → 1, Im [g (β)] → 0,
β → 1 ⇒ Re [g (β)] = 0, Im [g (β)] =1
2ζ,
β → ∞ ⇒ Re [g (β)] → 0, Im [g (β)] → 0,
dRe [g (β)]
dβ= 0 ⇒ β =
√1− 2ζ, Re [g (β)] = Im [g (β)] =
1
4ζ (1− ζ),
β =√1 + 2ζ, Re [g (β)] = Im [g (β)] =
1
4ζ (1 + ζ)
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
20 1
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
2
−2
−1
3
−3
1
β
¯Re[g]
20 1
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
−2
−4
−6
β
¯Im[g]
(a) 実部 Re [g (β)] (b) 虚部 Im [g (β)]
図 3.6: Co-quad 線図
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
■ 極座標表示
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
−2
−4
−5
¯Im[g]
−1
−3
0 2−2 −1 1
¯Re[g]
β=1
β=0β=2
図 3.7: Nyquist 線図
57 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
■ 3線図の関係0
−2
−4
−5
¯Im[g]
−1
−3
0 2−2 −1 1
¯Re[g]
β=1
β=0β=2
β=√
1−ζ2
β= √
1−2ζβ= √
1+2ζ 2ζ1
図 3.8: Nyquist 線図
58 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
20 1
0
2
−2
−1
3
−3
1
β
¯Re[g]β=1
β= √
1−2ζ
β= √
1+2ζ
β=√
1−ζ2
20 1
0
−2
−4
−6
β
¯Im[g]
β=1
β= √
1−2ζ β= √
1+2ζ
β=√
1−ζ2
(a) 実部 Re [g (β)] (b) 虚部 Im [g (β)]
図 3.9: Co-quad 線図
59 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
20−40 0
0
−20 40
20
−40
−20
40
20logβ
¯20log|g|
β=1
β= √
1−2ζβ=
√1+2ζ
β=√
1−ζ2
−3dB
20log∆β
20 1
0
−50
−100
−150
β
φβ=1
β= √
1−2ζ
β= √
1+2ζ
β=√
1−ζ2
(a) 振幅 20 log |g (β)| (b) 位相 ϕ
図 3.10: 振幅-位相線図
60 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周波数応答関数
■ 減衰比の推定法周波数応答曲線が得られれば,減衰比 ζ を求めることができる.
1 Q値 (quality factor): q = |g (β)| の極大値 = 1/2ζ ⇒ ζ =1
2q
2 Half power points (3dB band): |g (β)| が極大となる β を挟んで,|g (β)| が3dB 下がったときの β の差 ∆β ⇒
20 log1√2= 3.02 · · · [bB],
∆β ≈√1 + 2ζ −
√1− 2ζ ≈ 2ζ (ζ ≪ 1) ⇒ ζ ≈ ∆β
2(ζ ≪ 1)
61 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
構造減衰系の調和力強制振動
§3.4.3 構造減衰系の調和力強制振動
構造減衰を含む振動系は調和力による強制振動についてのみ簡単な解析解が存在する.
構造減衰を含む運動方程式は
mu+ ζku
ω+ ku = peiωt
とかける.ただし,ζ は構造減衰係数という.この式は,ω21 = k/m とおくこと
で,標準形
u+ ζω21
u
ω+ ω2
1u =p
meiωt (3.4.16)
に変換される.
62 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
構造減衰系の調和力強制振動
式 (3.4.16) に u の複素数表示 (式 (3.4.9)) u∗ = ueiωt を代入すれば,{−ω2 +
(1 + i ζ
)ω21
}ω21u = p/m
となる.これより,
u =1/m
ω21 − ω2 + i ζω2
1
p =1/k
1− β2 + i ζp =
1− β2 − i ζ
(1− β2)2+ ζ2
p
k
を得る.そこで,この振動系の無次元化された周波数応答関数の振幅と位相は
∣∣¯g (β)∣∣ = k |g (ω)| = 1√(1− β2)
2+ ζ2
, ϕ = tan−1
(− ζ
1− β2
)(3.4.17)
となる.式 (3.4.15) と比較すれば,
ζ =ζ
2β(3.4.18)
が成り立つ.その結果,減衰比が周波数に依存することになる.63 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和変位による強制振動
§3.4.4 調和変位による強制振動図 3.11 のような振動系を考える.ただし,
y = y cosωt, ω =2πv
λ
とする.
k
m
c
u
v
yλ
図 3.11: 調和波上を移動する振動系
64 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和変位による強制振動
この振動系に対する運動方程式の標準形は
u+ 2ζω1 (u− y) + ω21 (u− y) = 0
となる.y の項を右辺に移動すれば,
u+ 2ζω1u+ ω21u = 2ζω1y + ω2
1y
となる.この式に u と y の複素数表示 u∗ = ueiωt, y∗ = yeiωt を代入すれば,(−ω2 + i 2ζω1ω + ω2
1
)u =
(i 2ζω1ω + ω2
1
)y
となる.
65 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和変位による強制振動
そこで,この振動系の y に対する u の無次元化された周波数応答関数の振幅と位相は∣∣∣∣ uy
∣∣∣∣ =√
1 + (2ζβ)2
(1− β2)2+ (2ζβ)
2 , ∠ u
y= tan−1
(− 2ζβ3
1− β2 (2ζβ)2
)(3.4.19)
となる.
66 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
調和変位による強制振動
ˆ
2
6
2
00 1
4
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
β
| |uy
ˆ
20 1
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
−50
−100
−150
β
∠| |uy
(a) 振幅 |u/y| (b) 位相 ∠ (u/y)
図 3.12: 調和変位加振の振幅-位相線図
67 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
振動の絶縁
§3.4.5 振動の絶縁図 3.13 のような振動系を考える.ただし,外力と床の反力を
p = p cosωt, q = q cosωt
とおく.
k
m
c
u
p
q
図 3.13: 外力に対する床の反力
68 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
振動の絶縁
この振動系に対する運動方程式の標準形は
u+ 2ζω1u+ ω21u = p/m (3.4.20)
となる.一方,床の反力は
q/m = 2ζω1u+ ω21u (3.4.21)
となる.式 (3.4.20) と式 (3.4.21) に u, p, q の複素数表示 u∗ = ueiωt,q∗ = qeiωt, q∗ = qeiωt を代入して,u を消去すれば,この振動系の p に対するq の無次元化された周波数応答関数 (力の伝達率) の振幅と位相が∣∣∣∣ qp
∣∣∣∣ =√
1 + (2ζβ)2
(1− β2)2+ (2ζβ)
2 , ∠ q
p= tan−1
(− 2ζβ3
1− β2 (2ζβ)2
)
のように得られる.これら式の右辺は式 (3.4.19) の右辺と一致する.
69 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
振動計の原理
§3.4.6 振動計の原理
床が振動したときの目盛の振動を調べることによって地震計 (変位計) の原理を考える.
uk
m
c
y
z=u−y
図 3.14: 地震計モデル
70 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
振動計の原理
この振動系に対する運動方程式の標準形は
u+ 2ζω1 (u− y) + ω21 (u− y) = 0
となる.ここで,目盛の値を z = u− y とおく.このとき,
z + 2ζω1z) + ω21z = −y (3.4.22)
を得る.式 (3.4.22) に z と y の複素数表示 z∗ = zeiωt, y∗ = yeiωt を代入すれば,この振動系の y に対する z の無次元化された周波数応答関数の振幅と位相が∣∣∣∣ zy
∣∣∣∣ = β2√(1− β2)
2+ (2ζβ)
2, ∠ z
y= tan−1
(− 2ζβ
1− β2
)(3.4.23)
のように得られる.
71 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
振動計の原理
変位計は β ≫ 1 (大きな m,小さな k) のときに,|z/y| ≈ 1 となる関係を利用している.
2
6
2
00 1
4
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
β
| |zy
20 1
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
−50
−100
−150
β
∠| |z
y
(a) 振幅 |z/y| (b) 位相 ∠ (z/y)
図 3.15: 床の変位 y に対する目盛 z の振幅-位相線図
72 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
振動計の原理
それに対して加速度計は β ≪ 1 (大きな k,小さな m) のときに,∣∣z/ (−β2y)∣∣ ≈ 1 となる関係を利用している.
2
6
2
00 1
4
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
β
| |z−β2y
20 1
ζ=0.1ζ=1/
√2
ζ=1
0
−50
−100
−150
β
∠| |z−β2y
(a) 振幅∣∣z/ (−β2y
)∣∣ (b) 位相 ∠{z/
(−β2y
)}図 3.16: 床の加速度 −β2y に対する目盛 z の振幅-位相線図
73 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
§3.4.7 周期力による強制振動
周期 tT をもつ関数は Fourier 級数に展開することができる.
p (t)tT
=
a0 +
a1 cos (2πt/tT) +
a2 cos (4πt/tT) +
a3 cos (6πt/tT) + · · ·
b1 sin (2πt/tT) +
b2 sin (4πt/tT) +
b3 sin (6πt/tT) + · · ·
図 3.17: 周期 tT をもつ関数の Fourier 級数展開
74 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
周期 tT をもつ区分的に連続微分可能な関数 p : R → R は
p (t) =
∞∑i=0
{ai cos
(2πi
tTt
)+ bi sin
(2πi
tTt
)}(3.4.24)
のようにかくことができる.ただし,
a0 =1
tT
∫ tT
0
p (t) dt, ai =1
tT
∫ tT
0
p (t) cos
(2πi
tTt
)dt, (3.4.25)
b0 = 0, bi =1
tT
∫ tT
0
p (t) sin
(2πi
tTt
)dt (3.4.26)
である.また,p の不連続点に対する式 (3.4.24) の左辺は不連続点の平均値に収束する.式 (3.4.24) を Fourier 級数展開,式 (3.4.25) と式 (3.4.26) を Fourier 係数という.
75 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
図 3.18 のようなカム機構のおける変位 u を求めることを考える.
y
t
1
00 1 2 3
図 3.18: カム機構
76 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
周期的強制変位 y は,t ∈ (0, 1) に対して
y (t) = t
である.そこで,Fourier 係数は
a0 =
∫ 1
0
tdt =1
2, ai =
∫ 1
0
t cos (2πit) dt = 0,
bi =
∫ 1
0
t sin (2πit) dt = 2
[− t
2πicos (2πit)
]10
+ 2
∫ 1
0
cos (2πit) dt = − 1
πi
となる.これらを用いれば,y は
y (t) =1
2− 1
π
∞∑i=1
1
isin (2πit) (3.4.27)
となる.
77 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
カム機構 (図 3.18) に対する運動方程式の標準形は
u+ 2ζω1u+ ω21u = ω2
0y (3.4.28)
となる.ただし,
ω21 = (k1 + k2) /m, ζ = c/
(2√m (k1 + k2)
), ω2
0 = k2/m
とおく.式 (3.4.28) 右辺は,式 (3.4.27) を代入すれば,
ω20y =
ω20
2− ω2
0
π
∞∑i=1
1
isin (2πit) = p0 +
∞∑i=1
pi (3.4.29)
となる.
78 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
式 (3.4.29) において,p0 は静的な力であり,pi は円周波数 2πi の調和力である.それらの応答は
u0 =ω20
2ω21
, (3.4.30)
ui = −ω20
πi
sin (2πit+ ϕi)√{ω21 − (2πi)
2}2
+ (4ζω1πi)2
, ϕi = tan−1
(− 4ζω1πi
ω21 − (2πi)
2
)
(3.4.31)
となる.したがって,変位応答は
u = u0 +
∞∑i=1
ui (3.4.32)
となる.ここで,u1 を基調波,u2, u3, . . . を高調波とよぶ.
79 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
周期力による強制振動
図 3.19 に i の最大値を iMax = 1 ∼ 5 としたときの変位応答を示す.
20 1 31.9
2.0
2.1
iMax=1
iMax=2,3,4,5
u
t
図 3.19: カム機構の変位応答
80 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
§3.4.8 非周期力による強制振動
外力 p が周期をもたないとき,周期 tT → ∞ とおくことによって変位応答 uを求めることを考える.このとき,Fourier 級数は Fourier 積分 (変換) となる.
p
t
図 3.20: 非周期力 p (t)
81 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
外力 p (t) が周期 tT をもつとき,p (t) の Fourier 級数は式 (3.4.24) で与えられた.∆ω = 2π/tT とおけば,式 (3.4.24) は,
p (t) =
∞∑i=0
{ai cos (i∆ωt) + bi sin (i∆ωt)}
=1
2
[ ∞∑i=0
(ai − i bi) {cos (i∆ωt) + i sin (i∆ωt)}
+
∞→−∞∑i=0
(ai + i bi)
cos (i∆ωt)
+↑− i sin (i∆ωt)
=
∞∑i=−∞
piei i∆ωt (3.4.33)
82 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
のようにかくことができる.ただし,
pi =1
2(ai − i bi) =
1
tT
∫ tT/2
−tT/2
p (t) {cos (i∆ωt)− i sin (i∆ωt)}dt
=1
tT
∫ tT/2
−tT/2
p (t) e−i i∆ωtdt
= pc−i (3.4.34)
である.さらに,1/tT = ∆ω/ (2π) の位置を移動して,p (t) /tT と tTpi を改めて,p (t) と pi のように定義しなおせば,
p (t) =
∞∑i=−∞
piei i∆ωt∆ω
2π, pi =
∫ tT/2
−tT/2
p (t) e−i i∆ωtdt (3.4.35)
のような変換が成り立つ.この pi を Fourier 級数の複素数表示とよぶ 1.
1テキストにより,2π の位置が異なることがある.83 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
式 (3.4.35) は,tT → ∞ のとき,
1
tT=
∆ω
2π→ δω
2π, i∆ω → ω,
∞∑i=−∞
→∫ ∞
−∞
のおきかえにより,p (t) が可積分 (Lebesgue 可測) ,すなわち∫ ∞
−∞|p (t)|dt < ∞
が成り立つとき,
p (ω) =
∫ ∞
−∞p (t) e−iωtdω, (3.4.36)
p (t) =
∫ ∞
−∞p (ω) eiωt dω
2π(3.4.37)
84 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
となる.式 (3.4.36) を p (t) の Fourier 積分あるいは Fourier 変換,式 (3.4.37)を p (ω) の Fourier 逆変換とよぶ.また,式 (3.4.36) と式 (3.4.37) を
p (ω) = F [p (t)] , p (t) = F−1 [p (ω)]
かくことにする.
85 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ Fourier 積分の性質
1 線形性: 任意の α1, α2 ∈ R に対して,次が成り立つ.
p (α1t1 + α2t2) = α1p (t1) + α2p (t2) ,
⇌ p (α1ω1 + α2ω2) = α1p (ω1) + α2p (ω2)
2 対称性:
p (t) ⇌ 2πp (−ω)
3 原点移動: 任意の t0, ω0 ∈ R に対して,次が成り立つ.
p (t− t0) ⇌ p (ω) e−iωt0 , e−iω0tp (t) ⇌ p (ω − ω0)
4 伸縮: 任意の a ∈ R に対して,次が成り立つ.
p (at) ⇌ 1
|a|p(ωa
)86 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
5 微分:
dp (t)
dt⇌ iωp (ω) ,
dnp (t)
dtn⇌ (iω)
np (ω) ,
− i tp (t) ⇌ dp (ω)
dω,
(−i t)np (t) ⇌ dnp (ω)
dωn
87 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ 1 の Fourier 逆変換
Fourier 逆変換を定義した式 (3.4.37) において,p (ω) = 1 を代入すれば,
F−1 [1] =
∫ ∞
−∞eiωt dω
2π=
∫ ∞
0
2 cosωtdω
2π= lim
a→∞
∫ a
0
2 cosωtdω
2π
= lima→∞
sin at
πt
def= δF (t) (3.4.38)
となる.ここで,式 (3.4.38) の右辺は Dirac のデルタ関数の定義を満たす.
88 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
t
sinatπt a
π
aπ
aπ−
図 3.21: Fourier 変換で使われるデルタ関数 δF (ただし,a → ∞)
1次元空間で定義された Dirac のデルタ関数 δ : R → R は,任意の関数φ ∈ C∞
0 (R;R) (∞ 回微分連続かつ φ (t) → 0 (t → ±∞) となる関数 φ の全体集合) に対して∫ ∞
−∞δ (t)φ (t) dt = φ (0) (3.4.39)
89 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
が成り立つような超関数 (任意の φ ∈ C∞0 (R;R) に対する汎関数) として定義さ
れる.実際,∫ ∞
−∞δF (t)φ (t) dt = lim
a→∞
(∫ −ϵ
−∞+
∫ ϵ
−ϵ
+
∫ ∞
ϵ
)sin at
πtφ (t) dt
= lima→∞
∫ ϵ
−ϵ
sin at
πtφ (t) dt = φ (0)
1
πlima→∞
∫ ϵa
−ϵa
sinx
xdx
= φ (0)1
π
∫ ∞
−∞
sinx
xdx = φ (0)
2
π
∫ ∞
0
sinx
xdx = φ (0) (3.4.40)
となることから,式 (3.4.38) の右辺は Dirac のデルタ関数の定義を満たす.
90 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ デルタ関数の Fourier 変換
一方,δF (t) の Fourier 変換は,
F [δF (t)] =
∫ ∞
−∞δF (t) e−iωtdt = lim
a→∞
∫ ∞
−∞
sin at
πte−iωtdt = 1 (3.4.41)
となる. この関係は,Riemann-Lebesgue の補題と図 3.22 のような複素平面上の経路における Cauchy の積分公式を用いて示される.
図 3.22: Cauchy の積分公式を適用する積分経路
91 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ 運動方程式の Fourier 変換
1自由度系運動方程式の標準形は
u+ 2ζω1u+ ω21u = p/m (3.4.42)
となる.式 (3.4.42) を Fourier 変換すれば,(−ω2 + i 2ζω1ω + ω2
1
)u = p/m (3.4.43)
となる.ただし,u と p に関する Fourier 変換は,
u (t) ⇌ u (ω) , u (t) ⇌ iωu (ω) , u (t) ⇌ −ω2u (ω) ,
p (t) ⇌ p (ω)
となる関係を用いた.式 (3.4.43) は式 (3.4.12) と形式的に一致する.また,uと p を複素数表記したときの複素振幅 p (ω) と u (ω) は,u (t) と p (t) のFourier 変換とみなしてもよいことになる.
92 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
u (t) と p (t) の Fourier 変換 p (ω) と u (ω) を用いて定義される
g (ω) =u (ω)
p (ω)=
1/m√(ω2
1 − ω2)2+ (2ζω1ω)
2eiϕ = |g (ω)| eiϕ (3.4.44)
は力から変位への伝達関数とよばれる.式 (3.4.44) は式 (3.4.14) と形式的に一致する.
93 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
(参考) Laplace 変換と Laplace 逆変換は,関数 p : (0,∞) → R に対して,s = σ1 + iω ∈ C, σ > σ0 (σ0 は正定数) を用いて,
p (s) =
∫ ∞
0
p (t) e−stdω, (3.4.45)
p (t) =
∫ σ+i∞
σ−i∞p (s) est
ds
2πi(3.4.46)
のように定義される.Fourier 変換における iω が Laplace 変換では s に対応する.両者は収束条件がやや異なるが相互に誘導可能である.
94 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ 単位インパルス応答外力 p (t) がデルタ関数 (単位インパルス力) δF (t) のときの変位応答は単位イ
ンパルス応答とよばれる.ここでは,それを g (t) とかくことにする.δF (t) の Fourier 変換は 1 なので, g (t) は伝達関数 g (ω) の Fourier 逆変換に
よって得られる.すなわち,
g (t) =
∫ ∞
−∞g (ω) eiωt dω
2π=
∫ ∞
−∞
1/m
ω21 − ω2 + i 2ζω1ω
eiωt dω
2π(3.4.47)
となる.
95 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
弱減衰(0 < ζ < 1)のときの単位インパルス応答は次のように得られる.伝達関数の分母を因数分解すれば,
ω21 − ω2 + i 2ζω1ω
={i(ω + ω1
√1− ζ2
)+ ζω1
}{i(ω − ω1
√1− ζ2
)+ ζω1
}= {i (ω + ω1D) + σ1} {i (ω − ω1D) + σ1}
となる.これを用いて Laplace 展開すれば,
g (ω) =i/ (2mω1D)
i (ω + ω1D) + σ1− i/ (2mω1D)
i (ω − ω1D) + σ1
=i
2mω1D
[1
i {ω − (iσ1 − ω1D)}− 1
i {ω − (iσ1 + ω1D)}
](3.4.48)
となる.
96 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
そこで,弱減衰(0 < ζ < 1)のときの単位インパルス応答は,
g (t) = F−1 [g (ω)] =i
2mω1D
{e−(σ1+iω1D)t − e−(σ1−iω1D)t
}h (t)
=1
mω1De−σ1t sin (ω1Dt)h (t) (3.4.49)
となる.ただし,h (t) は単位ステップ関数 (Heaviside 関数)
h (t) =
{0 (t < 0)
1 (t > 0)(3.4.50)
である.式 (3.4.49) を図 3.23 に示す.
97 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
100 5 15−1
0
1
ω1t
ζ=0.1
ζ=1/√2
ζ=0
mu
図 3.23: 単位インパルス応答 (0 < ζ < 1)
98 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
(別解) 時刻 t = 0 のときの単位インパルス力 δF (t) による加振は, t = 0 のときの運動量の単位ステップ増加と同じである.実際,単位インパルス力による力積は,∫ t
−∞δF (τ) dτ = h (t) (3.4.51)
となり,力積と運動量の釣合いから,このときの t = 0 における運動量の変化は,
m (u (0+)− u (0−)) = 1 (3.4.52)
となる.ただし,0+ = lim0<ϵ→0 (0 + ϵ), 0− = lim0>ϵ→0 (0− ϵ) とする.すなわち,式 (3.4.52) は,
u (0) = 0, u (0) = 1/m (3.4.53)
のような初期条件を与えたことと同値である.
99 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
そこで,自由振動を与える式 (3.3.7) に式 (3.4.53) の初期条件を代入することによって,式 (3.4.49) が得られることになる.実際,式 (3.3.8) に u (0) = 0 を代入すれば,
ϕ =π
2(3.4.54)
を得る.この結果を式 (3.3.10) に用いれば,
v0 = −aω1
√1− ζ2 = −aω1D =
1
m
となる.これより,
a = − 1
mω1D(3.4.55)
を得る.式 (3.3.7) に式 (3.4.54) と式 (3.4.55) を代入すれば,式 (3.4.49) が得られる.
100 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
臨界減衰(ζ = 1)のときの単位インパルス応答は,
g (t) =1
mω1e−ω1th (t) (3.4.56)
となる.式 (3.4.56) を図 3.24 に示す.
100 5 15−1
0
1
mu
ω1t
図 3.24: 単位インパルス応答 (ζ = 1)
101 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
過減衰(ζ > 1)のときの単位インパルス応答は,
g (t) =1
2mω1D
{e−ω1D
(ζ−
√ζ2−1
)t − e
−ω1D
(ζ+
√ζ2−1
)t}h (t) (3.4.57)
となる.式 (3.4.57) を図 3.25 に示す.
100 5 15−1
0
1
ω1t
ζ=5
ζ=2
mu
図 3.25: 単位インパルス応答 (ζ > 1)
102 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ 任意の外力に対する応答外力 p (t) が (Lebesgue 積分の意味で) 可積分な関数で,その Fourier 変換
p (ω) が求められれば,伝達関数 g (ω) と Fourier 逆変換によって変位応答 u を求めることができる.自由度系運動方程式の標準形に対する Fourier 変換 (式 (3.4.43)) は(
−ω2 + i 2ζω1ω + ω21
)u (ω) = p (ω) /m
で与えられた.さらに,式 (3.4.44) で定義された伝達関数 g (ω) を用いれば,
u (ω) = g (ω) p (ω)
が成り立つ.そこで, Fourier 逆変換を用いれば,
u (t) = F−1 [g (ω) p (ω)] (3.4.58)
によって u が得られることになる.
103 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
さらに,畳み込み積分 (convolution integral) を用いれば,Fourier 逆変換を用いずに u を得ることができる.可積分関数 p (t) と q (t) の畳み込み積分とその Fourier 変換は∫ ∞
−∞p (τ) q (t− τ) dτ ⇌ p (ω) q (ω)
となる.実際,∫ ∞
−∞
(∫ ∞
−∞p (τ) q (t− τ) dτ
)e−iωtdt
=
∫ ∞
−∞p (τ) e−iωτ
(∫ ∞
−∞q (t− τ) e−iω(t−τ)dt
)dτ
=
∫ ∞
−∞p (τ) e−iωτdτ
∫ ∞
−∞q (t) e−iωtdt
104 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
が成り立つためである.また,同様に,
p (t) q (t) ⇌∫ ∞
−∞p (γ) q (ω − γ)
dγ
2π
が成り立つ.そこで,畳み込み積分を用いれば,式 (3.4.58) は
u (t) = F−1 [g (ω) p (ω)]
=
∫ ∞
−∞g (τ) p (t− τ) dτ
=
∫ ∞
0
g (τ) p (t− τ) dτ =
∫ t
−∞g (t− τ) p (τ) dτ (3.4.59)
となる.図 3.26 は式 (3.4.59) の右辺の解釈を示している.
105 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
一例として,外力が単位ステップ関数 h (t) のときの変位応答 (単位ステップ応答) を求めてみよう.式 (3.4.59) において,p (t) = h (t), u (t) = uh (t) とおけば,
uh (t) =
∫ ∞
−∞g (τ)h (t− τ) dτ =
∫ t
0
g (τ) dτ
=1
mω1D
∫ t
0
e−σ1τ sin (ω1Dτ) dτ
=e−σ1t
mω1D (ω21D + σ2
1)
(eσ1tω1D − ω1D cos (ω1Dt)− σ1 sin (ω1Dt)
)(3.4.60)
を得る.さらに,m(ω21D + σ2
1
)= 1/k となることを用いれば,
uh (t) =1
k
(1− e−σ1τ cos (ω1Dt)−
σ1
ω1De−σ1t sin (ω1Dt)
)=
1
k
{1− e−σ1τ√
1− ζ2
(√1− ζ2 cos (ω1Dt) + ζ sin (ω1Dt)
)}
107 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
=1
k
(1− e−σ1τ√
1− ζ2cos (ω1Dt+ ϕ)
), (3.4.61)
ϕ = tan−1
(− ζ√
1− ζ2
)(3.4.62)
となる.図 3.27 は式 (3.4.61) を示す.
100 5 150
1
2
ω1t
muζ=0.1
ζ=1/√2
ζ=0
図 3.27: 単位ステップ応答 uh
108 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
一方,単位ステップ応答 uh を Fourier 変換を用いて求めても同じ結果が得られる.単位ステップ関数 h (t) (式 (3.4.51)) の微分は Dirac のデルタ関数の定義を満たす.実際,任意の φ ∈ C∞
0 (R;R) に対して,∫ ∞
−∞h′ (t)φ (t) dt = −
∫ ∞
−∞h (t)φ′ (t) dt = −
∫ ∞
0
φ′ (t) dt = φ (0)
が成り立つ.ここで,h′ (t) は式 (3.4.39) の δ (t) と同じ結果を導く.そこで,h (t) は δ (t) を積分した関数とみなすことができる.このとき,h (t) の Fourier変換は,
h (ω) =1
iω(3.4.63)
となる.
109 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
単位ステップ応答 uh (t) の Fourier 変換 uh (ω) は,外力の Fourier 変換を式 (3.4.63) の h (ω) においたとき,
uh (ω) =g
iω=
1/m
iω (ω21 − ω2 + i 2ζω1ω)
=a
iω+
b
iω + (σ1 + iω1D)+
b
iω + (σ1 − iω1D)
=1
k
1
iω+
1
i 2mω1D (σ1 + iω1D)
1
iω + (σ1 + iω1D)
− 1
i 2mω1D (σ1 − iω1D)
1
iω + (σ1 − iω1D)
=1
k
1
iω+
σ1 − iω1D
i 2kω1D
1
iω + (σ1 + iω1D)
− σ1 + iω1D
i 2kω1D
1
iω + (σ1 − iω1D)(3.4.64)
となる.
110 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
そこで,単位ステップ応答 uh (t) は
uh (t) = F−1 [uh (ω)]
=1
kh (t) +
1
i 2kω1D
{(σ1 − iω1D) e
−(σ1+iω1D)t − (σ1 + iω1D) e−(σ1−iω1D)t
}=
1
kh (t) +
1
kω1DIm[(σ1 − iω1D) e
−(σ1+iω1D)t]
=1
kh (t) +
1
kω1De−σ1t (−σ1 sin (ω1Dt)− ω1D cos (ω1Dt))
=1
k
(h (t)− 1√
1− ζ2e−σ1t cos (ω1Dt+ ϕ)
), (3.4.65)
ϕ = tan−1
(ζ√
1− ζ2
)(3.4.66)
となる.
111 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
次の例として,外力が調和関数のときの変位応答 (周波数応答) を求めてみよう.ω0 を正定数として,外力を p (t) = cosω0t とおく.この Fourier 変換は,
p (ω) =
∫ ∞
−∞cos (ω0t) e
−iωtdt =
∫ ∞
−∞cos (ω0t) cos (ωt) dt
=
∫ ∞
−∞(cos {(ω0 + ω) t} − cos {(ω0 − ω) t}) dt
= πδF (ω0 + ω) + πδF (ω0 − ω) (3.4.67)
となる.図 3.28 は式 (3.4.61) を示す.
112 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
p
ωω0−ω0
πδF(ω0−ω)πδF(ω0+ω)
図 3.28: 調和力の Fourier 変換 p (ω)
113 / 122
第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
調和力に対する変位応答は,
u (t) =
∫ ∞
−∞g (ω) p (ω) eiωt dω
2π
=1
2
∫ ∞
−∞g (ω) (πδ (ω0 + ω) + πδ (ω0 − ω)) eiωtdω
=1
2
(g (−ω0) e
−iω0t + g (ω0) eiω0t
)= Re
[g (ω0) e
iω0t]
=1/m√
(ω21 − ω2
0)2+ (2ζω1ω0)
2cos (ω0t+ ϕ) , (3.4.68)
ϕ = tan−1
(− 2ζω1ω0
ω21 − ω2
0
)(3.4.69)
となる.式 (3.4.68) と式 (3.4.69) はそれぞれ式 (3.4.6) と式 (3.4.7) と一致する.
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
■ 高速 Fourier 変換
外力 p (t) や変位応答 u (t) の計測値を Fourier 変換するときには,高速Fourier 変換 (FFT, fast Fourier transform) のアルゴリズムが使われる.
t
piδ(t−i∆t)
p(t)
∆t0 i∆t−i∆t −∆t
p
図 3.29: 外力のサンプリング関数 pS (t) =∑
i∈N piδ (t− i∆t)
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
サンプリング時間間隔 ∆t ごとの外力の計測値を pi = p (i∆t) (i ∈ N, N は自然数の全体) とかくことにして,pS (t) =
∑i∈N piδ (t− i∆t) を外力のサンプリ
ング関数とよぶことにする.このとき,pS (t) の Fourier 変換は
pS (ω) =
∫ ∞
−∞pS (t) e
−iωtdt =
∫ ∞
−∞
∑i∈N
piδ (t− i∆t) e−iωtdt
=∑i∈N
pie−i iω∆t (3.4.70)
となる.pS (ω) を p (t) の離散 Fourier 変換という.
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
さらに,p (t) が周期 tT = n∆t = 2π/ (∆ω) の場合には,
pjdef= p (j∆ω) =
∑i∈{0,··· ,n−1}
pie−i ij∆ω∆t, (3.4.71)
pi =∆ω
2π
∑j∈{0,··· ,n−1}
pjei ij∆ω∆t =
1
tT
∑j∈{0,··· ,n−1}
pjei ij∆ω∆t (3.4.72)
となる.式 (3.4.71) を離散 Fourier 級数という.
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第 3 章 1 自由度系の振動
強制振動
非周期力による強制振動
t2∆t∆t0 n∆t
tTi∆t
p
p(t)piδ(t−i∆t)
図 3.30: 周期的外力のサンプリング関数 pS (t) =∑
i∈{0,··· ,n−1} piδ (t− i∆t)
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強制振動
非周期力による強制振動
ここで,∆t = 1, n = 2π/∆ω, w = e−i 2π/n とおけば,式 (3.4.71) と式 (3.4.72) は
pj =∑
i∈{0,··· ,n−1}
piwij , (3.4.73)
pi =1
n
∑j∈{0,··· ,n−1}
pjw−ij (3.4.74)
となる.n = 23 = 8 のとき,
p0p1p2p3p4p5p6p7
=
w0 w0 w0 w0 w0 w0 w0 w0
w0 w1 w2 w3 w4 w5 w6 w7
w0 w2 w4 w6 w0 w2 w4 w6
w0 w3 w6 w1 w4 w7 w2 w5
w0 w4 w0 w4 w0 w4 w0 w4
w0 w5 w2 w7 w4 w1 w6 w3
w0 w6 w4 w2 w0 w6 w4 w2
w0 w7 w6 w5 w4 w3 w2 w1
p0p1p2p3p4p5p6p7
(3.4.75)
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強制振動
非周期力による強制振動
となる.式 (3.4.75) の行列はユニタリ行列 (共役転置行列が逆行列と等しい) となる.式 (3.4.75) の右辺は,n2 回の掛け算となる.式 (3.4.75) は
p0p2p4p6
=
w0 w0 w0 w0
w0 w2 w4 w6
w0 w4 w0 w4
w0 w6 w4 w2
p0 + p4p1 + p5p2 + p6p3 + p7
, (3.4.76)
p1p3p5p7
=
w0 w1 w2 w3
w0 w3 w6 w1
w0 w5 w2 w7
w0 w7 w6 w5
p0 − p4p1 − p5p2 − p6p3 − p7
(3.4.77)
のように分割することができる.ただし,w0 = 1 と w4 = −1 を用いた.さらに,式 (3.4.76) は(
p0p4
)=
(w0 w0
w0 w4
)(p0 + p4 + p2 + p6p1 + p5 + p3 + p7
), (3.4.78)
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強制振動
非周期力による強制振動
(p2p6
)=
(w0 w2
w2 w6
)(p0 + p4 − p2 − p6p1 + p5 − p3 − p7
)(3.4.79)
のように分割することができる.式 (3.4.78) は
p0 = p0 + p4 + p2 + p6 + p1 + p5 + p3 + p7,
p4 = p0 + p4 + p2 + p6 − p1 − p5 − p3 − p7
となる.このように,n を 2 のべき乗に選べば,掛け算が不要となる性質を利用して離散 Fourier 変換をおこなうアルゴリズムを高速 Fourier 変換という.
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