爰0000尨平成26年2月 内閣府、総務省、厚生労働省 …...66 / 115...

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     女性が働きやすい環境を整え社会に活力を取り戻す-日本再興戦略における女性の活躍推進- 【H25補正・H26予算】      (平成26年2月 内閣府、総務省、厚生労働省、経済産業省、文部科学省)抜粋
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首相官邸ホームページ「日本再興戦略 中短期工程表」抜粋
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首相官邸ホームページ「規制改革実施計画」 (2013年6月14日閣議決定)抜粋
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規制改革会議第17回雇用ワーキング・グループ 資料抜粋
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第22回規制改革会議資料抜粋
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ジョブ型正社員の雇用ルール整備に関する意見

平成25年12月5日

規 制 改 革 会 議

改革の目的:個人のライフスタイルに合わせた多様な働き方やキャリア形成を

可能にし、労使双方にとってメリットを生む働き方を確立することで、安定的

な雇用創出を促進する。

1. ジョブ型正社員のルール整備を目指して

ジョブ型正社員(職務、勤務地、労働時間いずれかが限定される正社員)

は、専門性に特化したプロフェッショナルな働き方、子育てや介護との両

立、正社員への転換を望むも無限定な働き方は望まない非正社員、等の受

け皿として重要である。

ジョブ型正社員は多くの企業で既に導入されているが、その特性に沿った

雇用管理が行われていない、または、そうした雇用管理が事前に明確に設

定されている場合でも、実際の運用において徹底されていないことが多い。

したがって、ジョブ型正社員の形態・内容について労働契約や就業規則で

明示的に定めることが必要である。

その際、従来の「無限定契約」と「ジョブ型(限定)契約」との相互転換

を円滑化し、ライフスタイルやライフサイクルに合わせた多様な就労形態

の選択を可能にすること、また、両契約類型間の均衡処遇を図ることが必

要である。

規制改革会議では、本年 6 月の「規制改革会議雇用ワーキング・グループ

報告書」の内容を踏まえ、①契約締結・変更時の労働条件明示、②無限定

正社員との相互転換制度と均衡処遇、に関して意見を表明することとする。

2. 契約の締結・変更時の労働条件明示について

(1)ジョブ型正社員の雇用形態を導入する場合には、就業規則においてジョブ型

正社員の具体的な契約類型を明確に定めることを義務付ける。

参考資料

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第22回規制改革会議資料抜粋
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(2)ジョブ型正社員を採用するときは、その契約類型であることを契約条件とし

て書面で交わし明確にすることを義務付ける。

(3)労働条件明示に関する現行規定は、労働契約締結時だけを対象としていると

解されているため、ジョブ型正社員については、労働条件を変更する場合に

も、変更内容を書面で明示することを義務付ける。

(4)労働基準法施行規則第 5 条により労働者に通知することが求められる事項

の一つである「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」につき、無限

定正社員か又はジョブ型正社員かの別について明示することを義務付ける。

3.相互転換制度と均衡処遇について

(1)無限定契約とジョブ型(限定)契約について、相互転換を円滑にする方策を

法的枠組みも含めて検討する。

(2)相互転換に当たっては、労働者本人の自発的意思を前提とし、労働条件決定

を合意することに加え、労働条件変更の書面による明示を義務付ける。

(3)均衡処遇を図るために、有期労働契約について無期労働契約との不合理な労

働条件の相違を認めないとする労働契約法第20 条に類する規定(雇用形態

による不合理な労働条件の禁止)を設ける。

4.今後の議論の進め方

本意見を受けて、厚生労働省「多様な正社員の普及・拡大のための有識者

懇談会」(以下「懇談会」)において議論が深められることを強く期待する。

「懇談会」は、多様な正社員の雇用管理上の留意点とりまとめを平成26年

の夏~秋と予定しているが、規制改革実施計画で定められた「平成26年度

中周知」のためには、2~3か月程度の公表前倒しが必要であり、迅速な検

討をお願いしたい。

規制改革会議は、「懇談会」を含む厚生労働省の取り組みについて検討状況

の聴取を行いながら、必要に応じ会議の意見を示すなど引き続き積極的な

働きかけを行っていく 。

以上

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第6回労働政策審議会労働条件分科会 有期雇用特別部会(2014年2月20日)資料抜粋
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※1.「組織単位」とは、「業務のまとまりがあり、かつ、その長が業務の配分及び労務管理上

の指揮監督権限を有する単位として派遣契約上明確化したもの」をいう。以下のイメージでは、課単位と仮定

新たな期間制限の在り方(イメージ)

3年超

派遣労働者A

無期雇用派遣・・・上限なし

人事課

現在の

26業務による派遣と同様のイメージ

派遣労働者A

①個人単位・・・同一の有期雇用派遣労働者の同一の「組織単位」(※1)での派遣就労は3年が上限

3年

②派遣先単位・・有期雇用派遣労働者を同一の事業所で3年を超えて継続して受け入れる際には、過半数組合等の意見を聴取する(※2)

有期雇用派遣・・・3年

人事課

経理課

同じ課内での異動も×

3年を超えての就業は×

課を異動した場合○

派遣元は派遣労働者が

就業継続を希望するときは、

雇用安定措置*をとる

*雇用安定措置として、派遣元は、

以下のいずれかを講じる。

①派遣先への直接雇用の依頼

②新たな就業機会(派遣先)の提供

③派遣元での無期雇用

④その他安定した雇用の継続が確

実に図られると認められる措置

事業所

事業所

人事課

例3年

経理課

有 期 雇 用 派 遣 労 働 者 の 受 入 開 始

過 半 数 組 合 等 へ の 意 見 聴 取

事業所で最初に

受入を始めた時

点が起算点となる

起算点

3年

起算点

意見聴取をした結果、事

業主が、人事課における

継続的受入は×と判断

過 半 数 組 合 等 へ の 意 見 聴 取

3年

ここは起

算点では

ない

過 半 数 組 合 等 へ の 意 見 聴 取

※2.聴取時に過半数組合等が反対意見を表明した場合は、派遣先は対応方針等を説明するものとする。

また、意見聴取を行わずに受入を継続した場合は、労働契約申込みみなし制度が適用される。

参考2

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労働者派遣制度の改正について(報告書)

Ⅰ 基本的考え方

1 労働者派遣制度については、平成 24 年改正労働者派遣法の国会審議の際

の附帯決議において、その制度の在り方について検討するとともに、派遣

労働者や派遣元・派遣先企業に分かりやすい制度とすることが求められて

いる。

2 また、労働者派遣事業が労働力の需給調整において重要な役割を果たし

ていることを評価した上で、派遣労働者のキャリアアップや直接雇用の推

進を図り、雇用の安定と処遇の改善を進めていく必要がある。

3 さらに、業界全体として、労働者派遣事業の健全な育成を図るため、悪

質な事業者を退出させる仕組みを整備するとともに、優良な事業者を育成

することが必要である。

4 以上のような考え方に基づき労働者派遣法を改正し、以下のような具体

的措置を講じることが必要である。

Ⅱ 具体的措置について

1 登録型派遣・製造業務派遣について

経済活動や雇用に大きな影響が生じるおそれがあることから、禁止しな

いことが適当である。

ただし、これらの派遣労働に従事する者については、雇用が不安定にな

ることを防ぐため、後述の雇用安定措置等を講ずるものとすることが適当

である。

2 特定労働者派遣事業について

特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別を撤廃し、すべての労

働者派遣事業を許可制とすることが適当である。

その際、派遣労働者の保護に配慮した上で、小規模派遣元事業主への暫

定的な配慮措置を講ずることが適当である。

また、現在の特定労働者派遣事業の許可制への移行に際しては、経過措

置を設けることが適当である。

別添

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労働政策審議会建議-労働者派遣制度の改正について- (2014年1月26日)
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3 期間制限について

(1) 新たな期間制限の考え方

労働者派遣事業は、労働市場において、労働力の迅速・的確な需給調整

という重要な役割を果たしている。その一方で、派遣労働の雇用と使用が

分離した形態であることによる弊害を防止することが適当である。すなわ

ち、派遣労働者の雇用の安定やキャリア形成が図られにくい面があること

から、派遣労働を臨時的・一時的な働き方と位置付けることを原則とする

とともに、派遣先の常用労働者(いわゆる正社員)との代替が生じないよ

う、派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限ることを原則とすること

が適当である。

また、派遣労働への固定化及び派遣先の常用労働者との代替の防止のた

めには、後述する直接雇用や均衡待遇の推進及びキャリアアップ措置を併

せて講じることも有効である。

26 業務という区分及び業務単位での期間制限は、分かりにくい等の様々

な課題があることから撤廃し、26 業務か否かに関わりなく適用される共通

ルールを設けることとした上で、雇用の安定やキャリアアップが図られる

等の一定の条件を満たすものを除き、派遣労働者個人単位と派遣先単位の

2つの期間制限を軸とする制度に見直すことが適当である。その際、期間

制限が派遣労働者の雇用の機会やキャリア形成に悪影響を与えないよう、

必要な措置を講ずることが適当である。

また、制度見直しの時点で現に行われている 26 業務への派遣については、

新制度への移行に際して経過措置を設けることが適当である。

労働者代表委員からは、派遣労働を臨時的・一時的な働き方とする原則

の実効性を担保し、派遣先の常用労働者との代替の防止を図るため、期間

制限の在り方について、26 業務を今日的な視点から絞り込んだ上で、引き

続き業務単位による期間制限を維持すべきとの意見があった。

使用者代表委員からは、有期雇用派遣の問題点を強調し、派遣労働の利

用を臨時的・一時的なものに限ることを原則とすることは、派遣という働

き方を自ら選択している多くの派遣労働者への配慮を欠いたものであり、

労働者の多様な働き方の選択肢を狭めることになるとの意見があった。

(2) 個人単位の期間制限について

派遣先は、(5)で述べる例外を除き、同一の組織単位において3年を超え

て継続して同一の派遣労働者を受け入れてはならないものとすることが適

当である。

組織単位は、就業先を替わることによる派遣労働者のキャリアアップの

契機を確保する観点から、業務のまとまりがあり、かつ、その長が業務の

配分及び労務管理上の指揮監督権限を有する単位として派遣契約上明確に

したものとすることが適当である。

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派遣先が、同一の組織単位において3年の上限を超えて継続して同一の

派遣労働者を受け入れた場合は、労働契約申込みみなし制度の適用の対象

とすることが適当である。

(3) 派遣労働者に対する雇用安定措置について

派遣元事業主は、(2)の上限に達する派遣労働者に対し、派遣労働者が引

き続き就業することを希望する場合は、以下の措置のいずれかを講ずるも

のとすることが適当である。

① 派遣先への直接雇用の依頼

② 新たな就業機会(派遣先)の提供

③ 派遣元事業主において無期雇用

④ その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置

※ ①から④のいずれを講じることも可とする。①を講じた場合に、直接

雇用に至らなかった場合は、その後②から④のいずれかを講ずるものと

する。

1年以上継続して派遣先の同一の組織単位に派遣された派遣労働者が、

上記(2)の派遣期間の上限に達する前に当該組織単位での派遣就業を終了

する場合であって、派遣労働者が引き続き就業することを希望するときに

は、派遣元事業主は、上記①から④の措置のいずれかを講ずるよう努める

ものとすることが適当である。

派遣先は、上記(2)の派遣期間の上限に達する派遣労働者について、派遣

元事業主から①の直接雇用の依頼があった場合であって、当該派遣労働者

を受け入れていた事業所で従事させるために労働者を募集するときは、当

該情報を当該派遣労働者に周知するものとすることが適当である。

また、派遣先は、1年以上継続して同一の組織単位に派遣された派遣労

働者について、派遣元事業主から①の直接雇用の依頼があった場合であっ

て、当該派遣労働者が従事していた業務と同一の業務に従事させるため労

働者を雇用しようとするときは、当該派遣労働者に対し労働契約の申込み

をするよう努めるものとすることが適当である。

(4) 派遣先における期間制限について

ア 過半数組合等からの意見聴取

派遣先は、(5)で述べる例外を除き、同一の事業所において3年を超

えて継続して派遣労働者を受け入れてはならないものとすることが適当

である。

派遣先が、事業所における派遣労働者の受入開始から3年を経過する

ときまでに、当該事業所における過半数労働組合(過半数労働組合がな

い場合には民主的な手続により選出された過半数代表者。以下「過半数

組合等」)から意見を聴取した場合には、さらに3年間派遣労働者を受け

入れることができるものとすることが適当である。その後さらに3年が

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経過したとき以降も同様とすることが適当である。

意見聴取にあたり、派遣先は、当該事業所における派遣労働者の受入

開始時からの派遣労働者数と無期雇用労働者数の推移に関する資料等、

意見聴取の参考となる資料を過半数組合等に提供するものとすることを

指針に規定することが適当である。

イ 適正な意見聴取のための手続

過半数代表者は、管理監督者以外の者とし、投票、挙手等の民主的な

方法による手続により選出された者とすることが適当である。

過半数組合等が、常用代替の観点から問題があり、現在の状況を是正

すべきとの意見を表明した場合は、派遣先は、当該意見への対応を検討

し、一定期間内に過半数組合等に対し対応方針等を説明するものとする

ことが適当である。

派遣先は、意見聴取及び対応方針等の説明の内容についての記録を一

定期間保存するとともに、派遣先の事業所において周知するものとする

ことが適当である。

派遣先が、過半数組合等の意見を聴取せずに同一の事業所において3

年を超えて継続して派遣労働者を受け入れた場合は、労働契約申込みみ

なし制度の適用の対象とすることが適当である。

派遣先による過半数代表者への不利益取扱いを禁止することが適当

である。

使用者代表委員からは、過半数組合等への意見聴取の手続き違反とし

て、労働契約申込みみなし制度を適用することは、ペナルティーとして

重すぎるとの意見があった。

(5) 期間制限と常用代替防止措置の特例について

以下に該当する者及び業務に関する派遣について(2)から(4)の措置の対

象から除外することが適当である。

① 無期雇用の派遣労働者

② 60 歳以上の高齢者

③ 現行制度において期間制限の対象から除外されている日数限定業務、

有期プロジェクト業務、育児休業の代替要員等の業務

派遣元事業主は、無期雇用の派遣労働者を派遣契約の終了のみをもって

解雇してはならないことを指針に規定すること、また、派遣契約の終了の

みをもって解雇しないようにすることを許可基準に記載することが適当で

ある。

有期プロジェクト業務に係る派遣については、終期が明確である限り派

遣期間を制限しないことが適当である。

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4 直接雇用の推進について

派遣元事業主は、雇用する派遣労働者の希望に応じ、派遣労働者以外の

労働者として雇用されることができるように雇用の機会を確保し、これら

の機会を提供するよう努めることとすることが適当である。

5 派遣先の責任について

国は、派遣先の使用者性に関する代表的な裁判例及び中労委命令につい

て、整理を行った上で周知することが適当である。

派遣先が適切かつ迅速な処理を図るべき苦情の内容として、派遣先にお

けるセクハラ・パワハラ等を指針に例示することが適当である。また、派

遣先が苦情処理を行うに際しては、派遣先の使用者性に関する代表的な裁

判例や中労委命令に留意することを指針に規定することが適当である。

国は、派遣先責任者講習の受講を促進するための施策を講ずるものとす

ることが適当である。

6 派遣労働者の処遇について

(1) 均衡待遇の推進

ア 賃金について

派遣先は、派遣元事業主の求めに応じ、派遣元事業主に対し派遣労働

者と同種の業務に従事する労働者の賃金に係る情報提供等の適切な措置

を講ずるよう配慮するものとすることが適当である。

以下の内容について、指針に規定することが適当である。

・派遣先は、派遣料金を決定する際に、就業の実態や労働市場の状況等

を勘案し、派遣される労働者の賃金水準が派遣先の同種の業務に従事

する労働者の賃金水準と均衡が図られたものとなるよう努めるもの

とする。

・派遣先は、派遣契約を更新する際に、就業の実態や労働市場の状況の

ほか、派遣労働者が従事する業務内容や当該派遣労働者に要求する技

術水準の変化を勘案して派遣料金を決定するよう努めるものとする。

・派遣元事業主は、派遣料金が引き上げられたときは、それをできる限

り派遣労働者の賃金の引上げに反映するよう努めるものとする。

・派遣元事業主は、派遣先との派遣料金の交渉が派遣労働者の待遇改善

にとって重要であることを踏まえ、交渉にあたるよう努めるものとする。

・派遣元事業主の通常の労働者と有期雇用の派遣労働者との通勤手当の

支給に関する労働条件の相違は、労働契約法第 20 条に基づき、諸般

の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならない。

イ 教育訓練について

派遣先は、派遣先の労働者に対し業務の遂行に密接に関連した教育訓

練を実施する場合は、一定の場合を除き、派遣元事業主の求めに応じ、

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同じ業務に従事している派遣労働者にも実施するよう配慮するものとす

ることが適当である。

ウ 福利厚生施設について

派遣先は、受け入れている派遣労働者に対しても、派遣先の労働者が

利用している一定の福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)の利用

の機会を与えるよう配慮するものとすることが適当である。

エ その他

派遣元事業主は、派遣労働者の均衡を考慮した待遇の確保の際に配慮

した内容について、派遣労働者の求めに応じて説明するものとすること

が適当である。

労働者代表委員からは、派遣労働者の処遇の在り方について、諸外国

では派遣先の労働者との均等待遇を定める例が多くあること等も踏まえ、

我が国においても均等待遇を原則とすべきとの意見があった。

(2) 労働・社会保険の適用促進

派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする者に対し、労働契

約の締結の際に、労働・社会保険の加入資格の有無を明示するものとする

ことが適当である。

労働・社会保険に加入していない派遣労働者に対し、加入していない理

由を通知することを定めた派遣元指針の内容を法律等に格上げすることが

適当である。また、派遣開始後に労働・社会保険に加入させる場合につい

て、派遣元事業主は、一定期間内に派遣先に対し加入の通知を行うものと

することが適当である。

派遣元事業主は、社会保険に加入させた上で労働者を派遣する場合は派

遣の開始までに、派遣の開始後に加入させる場合には加入後速やかに、派

遣先に当該派遣労働者の被保険者証等の写しを提示すること等により、派

遣先が加入の事実を確認することができるようにすることが適当である。

7 派遣労働者のキャリアアップ措置について

(1) 派遣元事業主が講ずべき措置

派遣元事業主は、雇用する派遣労働者に対して、計画的な教育訓練を実

施するほか、希望する派遣労働者に対してはキャリア・コンサルティング

を実施するものとし、特に無期雇用の派遣労働者に対しては、長期的なキ

ャリア形成を視野に入れてこれらを実施するものとすることが適当である。

労働者派遣事業の許可・更新要件に「派遣労働者へのキャリア形成支援

制度を有すること」を追加することが適当である。キャリア形成支援の具

体的な在り方については指針に規定することが適当である。

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派遣元事業主が行うキャリアアップ措置の取組については、労働者派遣

事業報告により把握することが適当である。

キャリアアップ措置を適切に実施することを派遣元責任者の責務に追加

することが適当である。

(2) 派遣先が講ずべき措置

派遣先は、派遣元事業主の求めに応じ、受け入れている派遣労働者の職

務遂行状況や職務遂行能力の向上度合に関する情報を派遣元事業主に提供

するよう努めるものとすることが適当である。

(3) 紹介予定派遣の推進

紹介予定派遣を推進するため、派遣元事業主が職業紹介事業の許可を申

請する際の手続の簡素化等を進めることが適当である。

(4) 派遣先での正社員化の推進

派遣先は、新たに正社員の募集を行う場合は、募集を行うポストがある

事業所に1年以上受け入れている派遣労働者に対して当該募集情報を周知

するものとすることが適当である。

(5) 国及び事業主団体の責務

国及び事業主団体は、派遣労働者のキャリアアップのための必要な環境

整備を行う責務を有するものとすることが適当である。

(6) 派遣先による直接雇用への対応

関係者間でのトラブルの発生を未然に防ぐ観点から、派遣先が派遣契約

の終了直後に、受け入れていた派遣労働者を直接雇用しようとする際の取

扱いについて、派遣契約に定めるものとすることが適当である。

8 平成 24 年改正法について

平成 24 年改正法の規定については、施行状況についての情報の蓄積を図

りつつ、見直しについて引き続き当審議会において検討を行うことが適当

である。

一方、日雇派遣の原則禁止については、以下の観点に留意しつつ、法改

正を行わずに実施できる見直しについて、今回の制度全体に係る見直しと

併せて実施することを検討することが適当である。

① 労働者が日雇派遣による収入に生計を頼ることがないようにしつつ

も、現在の年収要件を見直すことにより雇用の機会を拡大すること

② 教育訓練を十分に受けていない労働者が日雇派遣に従事することに

よる労働災害の発生を防ぐこと

なお、今回の見直しによる業務単位での期間制限の撤廃後も、日雇派遣

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の原則禁止の例外であるいわゆる 17.5 業務については引き続き政令に規

定することが適当である。

使用者代表委員からは、今回の見直しにおいて、問題の多い平成 24 年

改正法について十分な検討が行えなかったことから、日雇派遣の原則禁止 、

グループ企業内派遣の8割規制、労働契約申込みみなし制度、離職後1年

以内の派遣労働者としての受入れの禁止などについて、廃止を含めた抜本

的な見直しの検討に速やかに着手すべきであるとの意見があった。

9 指導監督の強化等について

(1) 無許可事業所に対する指導監督について

無許可で労働者派遣事業を行う者に対する行政上の措置を強化すること

が適当である。

(2) 初回の更新時のチェックの強化について

労働者派遣事業の許可の取得後最初の許可更新の際に、当該更新を受け

ようとする派遣元事業主が許可基準を満たしていることを当審議会に報告

することが適当である。

(3) 優良な派遣元事業主の推奨等について

労働力の需給調整という労働者派遣事業の役割が適切に発揮されるため

にも、悪質な派遣元事業主に対する指導監督を強化するとともに、優良な

派遣元事業主を認定し推奨する事業を推進していくことが適当である。

派遣元責任者の要件として、派遣元責任者講習の受講を規定することが

適当である。

10 上記以外の事項

(1) 関係法制度の必要な整備について

この他、関係法制度について、必要な整備がなされることが適当である。

(2) 施行期日について

施行期日は、平成 27 年4月1日とすることが適当である。

労働者代表委員からは、当部会の運営について、直接の利害関係を有す

る派遣元事業主が非常に多くの発言を行う等、委員以外の構成員と委員の

発言機会のバランスに懸念があったことから、今後、許可制度をはじめと

する労働者派遣事業の規制の在り方等に関する議論を行う際には、派遣元

事業主の参画の在り方について慎重に再検討すべきとの意見があった。

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第6回労働政策審議会労働条件分科会 有期雇用特別部会(2014年2月20日)資料抜粋
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1

有期労働契約の無期転換ルールの特例等について(報告)

有期労働契約については、平成 23 年 12 月 26 日労働政策審議会建議「有期労働契約の

在り方について」に基づき、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えた場合、労働

者の申込みにより無期労働契約に転換するルール(以下「無期転換ルール」という。)の

導入等を内容とする労働契約法の改正等が行われ、平成 25 年4月から全面施行されてい

る。

無期転換ルールについては、有期労働契約の濫用的利用を抑制し、労働者の雇用の安定

を図ることを目的として導入されたものであり、企業にも積極的に対応する動きが見られ

る。一方で、労働契約法の改正や施行を契機に、契約更新の上限を新たに設ける動きも一

部に見られる。

また、国家戦略特別区域法(平成 25 年法律第 107 号)附則第2条において、産業の国

際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点形成の推進を図る観点から、高収入かつ高度

な専門的知識等を有する有期契約労働者等を対象に、無期転換申込権発生までの期間の在

り方等について検討を行い、平成 26 年の通常国会に所要の法案の提出を目指すこととさ

れているほか、定年後引き続いて雇用される有期契約労働者に対する無期転換ルールの適

用の在り方を見直すことを求める意見もある。

こうした状況を踏まえ、労働政策審議会労働条件分科会有期雇用特別部会及び職業安定

分科会高年齢者有期雇用特別部会において、平成 25 年 12 月 25 日以後、5回にわたり集

中的に検討を行った結果、下記の結論に達したので、報告する。

この報告を受けて、厚生労働省において、今通常国会における所要の法案の提出をはじ

めとする必要な措置を講ずることが適当である。

1 無期転換ルールの特例について

(1) 特例の枠組

有期労働契約の濫用的利用により、雇用の安定性が損なわれるおそれの少ない、

① 一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術又

は経験を有する有期契約労働者

② 定年後引き続いて雇用される有期契約労働者

について、その能力を十分有効に発揮できるようにするため、それぞれの特性に応

じた適切な雇用管理を実施するとともに、無期転換申込権が発生するまでの期間の

特例を設け、もって国民経済の健全な発展に資することとし、以上の趣旨を法律案

に反映させることが適当である。

ただし、いずれの場合にも、労働者保護を図りつつ、個別労働関係紛争を未然に

防止するため、労働契約が適切に行われるような措置を併せて講ずることが必要で

参考資料 No.1

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2

ある。

(2) 特例の対象となる労働者の具体的要件

① 一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識等を有す

る有期契約労働者の具体的要件

ア 一定の期間内に完了する業務については、経済のグローバル化の進展等に伴

う企業活動を取り巻く環境の変化を踏まえ、企業内の期間限定のプロジェクト

の業務のうち、高度な専門的知識等を必要とするものを含むこととするなど、

一定の範囲の業務とすることが適当である。

イ 年収及び高度の専門的知識等の要件については、1回の労働契約期間の特例

の要件として大臣告示「労働基準法第十四条第一項第一号の規定に基づき厚生

労働大臣が定める基準」(平成 15 年厚生労働省告示第 356 号)に定められてい

る内容(一定の国家資格等を有する者や、一定期間の実務経験を有する年収

1,075 万円以上の技術者、システムエンジニア、デザイナー等)を参考に定め

ることが適当である。具体的には、法案成立後改めて労働政策審議会において

検討の上、厚生労働省令等で定めることが適当である。その際、国家戦略特別

区域法において、対象者はその年収が常時雇用される一般の労働者と比較して

高い水準となることが見込まれる者に限ることとされていることに留意する

ものとする。

② 定年後引き続いて雇用される有期契約労働者の具体的要件

定年に達した後に、同一の事業主又は当該事業主と一体となって高齢者の雇用

機会を確保する特殊関係事業主に、引き続いて雇用される高齢者については、特

例の対象とすることが適当である。

なお、60 歳未満から有期労働契約を反復更新しており、高年齢者雇用安定法に

おける高年齢者雇用確保措置の対象外となる労働者については、引き続き無期転

換ルールにより雇用の安定が図られることが重要である。

また、就業規則等に一定の年齢に達した日以後は契約を更新しない旨の定めを

している場合、反復継続して契約の更新がなされているときには、期間の定めの

ない雇用とみなされ、定年の定めをしているものと解されることがあり、高年齢

者雇用安定法における高年齢者雇用確保措置の対象となることがあることに留意

するものとする。

(3) 特例の対象となる事業主の具体的要件

特例の対象労働者が、その能力を有効に発揮するためには、事業主による適切な雇

用管理(※)の実施が求められる。このため、厚生労働大臣は、対象労働者に応じた

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適切な雇用管理の実施に関する基本的な指針を策定することとした上で、当該指針に

沿った対応が取られると厚生労働大臣が認定した事業主に雇用される対象労働者に

ついては、無期転換ルールの特例の対象とする仕組みとすることが適当である。

また、認定の手続については、労働者の能力を十分有効に発揮できるようにすると

いう特例の趣旨を踏まえた上で、簡素で効率的な仕組みとすることが必要である。

なお、基本指針については、法案成立後、労働政策審議会においてその具体的な内

容を検討の上、策定することが適当である。

※ 例えば、(2)①の者については、労働者が自ら能力の維持向上を図る機会の付与、(2)②

の者については、高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえた高年齢者の配置、職務等に関する配慮

なお、特に、高年齢者については、事業主が継続雇用制度を導入し、定年後に有期

労働契約によって引き続き雇用する際は、能力など年齢以外を理由として契約を更新

しないことは認められるが、原則 65 歳までは契約更新がされるものであるとの高年

齢者雇用安定法の趣旨を没却することとならないよう適切な雇用管理がなされる必

要がある。

労働者側委員からは、民事法上のルールである無期転換ルールの特例の適用に当た

っては、行政庁の関与は最小限とすることが適当であるとの意見があった。

(4) 特例の具体的内容

(2)及び(3)の要件を満たす事業主と労働者との間の労働契約については、労働契約

法第 18 条の無期転換申込権発生までの期間について、次のような特例を設けること

が適当である。

① 高収入かつ高度の専門的知識等を有する有期契約労働者については、プロジェク

トの完了までの期間は無期転換申込権が発生しないこととするが、その期間が 10

年を超える場合には、無期転換申込権が発生するものとする。

② 定年に達した後に同一事業主又は特殊関係事業主に引き続いて雇用される高齢者

については、当該事業主に継続して雇用されている期間は、通算契約期間に算入し

ないこととする。

また、特例の対象となる労働者に応じた適切な雇用管理の実施を促進するため、国

は事業主に対して必要な援助を行うこととすることが適当である。

(5) 労働契約が適切に行われるために必要な具体的措置

有期雇用の特例の運用に当たっては、労使双方に無期転換申込権発生までの期間が

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明確になるようにすることが求められる。また、高収入かつ高度の専門的知識等を有

する有期契約労働者も、特例の対象となる業務以外の業務に従事する場合には通常の

無期転換ルールに従うものであるが、この点を運用上明確にすることが求められる。

このため、事業主は、労働契約の締結・更新時に、①特例の対象となる労働者に対

して無期転換申込権発生までの期間を書面で明示するとともに、②高収入かつ高度の

専門的知識等を有する有期契約労働者に対しては、特例の対象となる業務の具体的な

範囲も書面で明示する仕組みとするため必要な省令改正を行うことが適当である。ま

た、その際には、モデル労働条件通知書についても必要な見直しを行った上で、その

活用を図ることが適当である。

なお、これらの措置や行政窓口での相談を通じた個別労働関係紛争の未然防止が期

待されるが、それにもかかわらず個別労働関係紛争が発生した場合には、労働局のあ

っせん等の個別労働紛争解決制度の活用や労働審判、民事訴訟により、紛争の迅速な

解決が期待される。

2 改正労働契約法に基づく無期転換ルールの円滑な施行について

平成 25 年4月から施行された無期転換ルールについて、無期転換申込権が発生する

直前の雇止めについて懸念があることを踏まえ、厚生労働行政において以下の取組を積

極的に進めることが適当である。

① 無期転換ルールについて、雇用の安定がもたらす労働者の意欲や能力の向上や、企

業活動に必要な人材の確保に寄与することなどのメリットについて十分に理解が進

むよう一層の周知を図るとともに、労働契約法第 19 条に法定化された「雇止め法理」

の内容や適用範囲等についてもあわせて周知を図ること。また、有期契約労働者やそ

の雇用管理の担当者にも内容が行き届くよう、効果的な周知の方法を工夫すること。

② 有期雇用から無期雇用への転換が円滑に進むよう、無期転換の取組を行っている企

業における制度化の取組等についての好事例や、無期転換を進める際の留意点等をま

とめ、①の取組において活用すること。

③ 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(平成 15 年厚生労働省告示

第 357 号)に規定する雇止めの予告や雇止めの理由の明示など、有期労働契約に関す

る労働基準関係法令の諸規定の遵守の徹底を図ること。

④ 非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、正規雇用又は無

期転換、人材育成などの取組を行う事業主を支援する助成金の効果的な活用を積極的

に進めること。

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「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に

関する法律」の改正に向けた意見書

2013年(平成25年)11月22日

日本弁護士連合会

第1 はじめに

第2次安倍晋三内閣は,本年6月14日,いわゆるアベノミクスの第3の矢と

「 」 。 ,「 」 ,して 日本再興戦略 を閣議決定した そこでは 女性の活躍推進 を強調し

出産・育児等による女性の離職を減少させること,指導的地位の女性割合の増加

などが打ち出された。

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 以下 均( 「

等法」という )は2006年に改正されたが,附則第5条では,施行後5年を。

経過した場合に施行の状況を勘案し,必要があると認められる時には検討し,必

要な措置を講ずるものとするとしているところ,同法改正に向けて厚生労働省の

。 , ,労働政策審議会雇用均等分科会での審議が重ねられた しかし 本年9月27日

同分科会が取りまとめた「今後の男女雇用機会均等対策について」は,均等法改

正に言及せず,このことからして,均等法改正は見送ることが明らかとなった。

しかしながら,我が国の女性労働者の現状は1985年の均等法制定以後,非

正規化が進み,男女の賃金格差も縮小しないなど,改善されたとは言いがたいも

のである。

特に,2006年の均等法改正において,妊娠・出産等を理由とする不利益取

扱いの禁止規定や母性健康管理に関する事業主の義務違反等について,紛争援助

や制裁の強化が盛り込まれたにも関わらず 「マタニティ・ハラスメント」が社,

会問題化するなど,依然として妊娠・子育てをする女性が働き続けることが困難

な状況がある。

当連合会は,2005年6月16日付けで「 雇用の分野における男女の均等『

な機会及び待遇の確保等に関する法律』の改定に関する意見書 (以下「200」

5年意見書」という )等を発表してきたが,その後のこうした現状を踏まえ,。

政府に対し以下のとおり意見を述べる。

第2 2005年意見書と2006年均等法改正

当連合会が2005年意見書で述べた事項について,以下の内容は,均等法の

2006年改正に取り入れられた。

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1 男女双方に対する差別禁止法

2005年意見書では,男女双方に対する差別禁止法とし,名称を「男女雇

用平等法」とすべきと意見した。2006年には,男女双方に対する差別を禁

止する均等法改正が行われ,この点は同意見書の提案と合致している。

2 間接差別の禁止

2005年意見書では,性別による直接差別のみならず 「間接差別」につ,

いても禁止すべきとした。2006年均等法改正で,省令で定める一定の要件

について合理性がない場合を間接差別として禁止する明文が規定され,間接差

別にあたる例が狭すぎるものの,間接差別禁止規定が新設された。

3 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い差別の禁止

2005年意見書では,既にあった妊娠・出産・産前産後休業の取得を理由

とする解雇禁止規定について,解雇のみならず,その他の不利益取扱いを広く

禁止する規定とすべきこと,及び,男女格差がある場合の合理性について事業

主に立証責任を負わせることとする規定の新設を提案した。

2006年均等法改正では,妊娠,出産・産前産後休業の取得等を理由とす

る不利益取扱いの禁止を明記し,特に妊娠・出産後1年を経過しない解雇を無

効とする規定が新設された。

4 セクシュアル・ハラスメント防止の事業主の措置義務

2005年意見書では,職場におけるセクシュアル・ハラスメントについて

の事業主の防止義務,問題が発生した場合の適正対処義務の明記を提案した。

, 「 」2006年均等法改正では セクシュアル・ハラスメントの事業主の 配慮

義務規定が防止等「措置」義務に強化され,具体的な事業主の対処について指

針に明記された。

第3 均等法改正についての意見

第2で記述したように,2006年の改正均等法では,2005年意見書で指

摘した内容の一部が取り入れられた。

しかしながら,その後の女性労働者の現状は,以下に述べるとおり,多くの困

難をかかえている。こうした実情を踏まえ,2005年意見書にて記述した意見

のうち,特に改正が強く求められる点を述べる。なお,後述する「3実効性のあ

る積極的差別是正措置」及び「4(5)違反に対する制裁」は,均等法の実効性確

保のために新たに加えた意見である。

1 男女賃金格差の解消のために

《意見》

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現行均等法第6条の差別禁止に「賃金」を加えると同時に,第2項に「同一

価値労働同一賃金の原則」を明記し,均等法上も性別による賃金差別禁止を明

確にすべきである。

《理由》

均等法第6条では 「賃金」については規定されていない。これは,性別に,

よる「賃金」差別については,労働基準法第4条で禁止されていたため均等法

に規定されなかったものである。

しかしながら,男女別に賃金表を定めるなど,女性であることを理由とする

不利益取扱いであることが明白な事例については,労働基準法第4条により労

働基準監督行政の中で救済されるものの,それ以外の理由による賃金差別(コ

ース別雇用等)については救済されない。

厚生労働省「平成24年賃金構造基本統計調査」によると,2013年は女

性一般労働者( 一般労働者」とは常用労働者のうち「短時間労働者」以外の「

者をいう )の賃金が男性一般労働者の賃金の70.9%(一般労働者のうち。

正社員に限ると73.4%)と,男女間賃金格差は依然として大きい。

厚生労働省「変化する賃金・雇用制度の下における男女間賃金格差に関する

研究会報告書(平成22年 」によると,賃金格差をもたらす要因として,①)

制度設計の段階では性の要素は入っていないが,基準時が曖昧であるため性別

役割分担意識をもって運用されることが必ずしも排除されない制度,家庭責任

を持つ労働者にとって困難な働き方を前提とした制度が採用・配置等の面での

男女差を生んでいる,②賃金・雇用管理の運用の段階で,採用,配置や仕事配

分,育成方法の決定,人事評価や業務評価などの側面で,男女労働者間に偏り

が生じていると,それらが男女間の経験や能力差に,さらには管理職比率の男

女差につながっている,ということが挙げられている。

賃金差別裁判においても,コース別雇用等による賃金差別の場合,裁判所は

「女性であることを理由とした差別的取扱い」であることの主張立証責任を原

告側に要求する傾向があり,労働者である原告側が過大な主張立証責任の負担

を余儀なくされている。

このように,労働基準法第4条のみでは救済されない事案の存在,男女賃金

格差のある現状を早急に解消するためには,均等法第6条2項として「同一価

値労働に対する同一賃金の原則」を加え,性別による賃金差別禁止を明確にす

る必要がある。

, ( ),均等法では 第7条で性別以外の事由を要件とする措置 間接差別の禁止

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第8条で女性労働者に係る措置に関する特例が規定されていることから,これ

らの規定とあいまって,均等法に性別による賃金差別禁止が規定されれば,男

女差別禁止に関しては,もっぱら均等法の適用によって対応することができる

ようになる。

また,救済機関も均等法上の救済機関が男女差別禁止を専門的に取り扱うこ

ととしているため,運用もしやすい。

2 間接差別の禁止

《意見》

均等法第7条が規定している「厚生労働省令で定める」間接差別の限定列挙

を廃止すべきである。

《理由》

均等法は,間接差別を禁止しているが,同法施行規則第2条によると,以下

のとおり,3つの要件が限定列挙されている。すなわち,①労働者の募集又は

採用に関する措置であって,労働者の身長,体重又は体力に関する事由を要件

とするもの,②労働者の募集又は採用に関する措置(事業主が,その雇用する

労働者について,労働者の職種,資格等に基づき複数のコースを設定し,コー

スごとに異なる雇用管理を行う場合において,当該複数のコースのうち当該事

業主の事業の運営の基幹となる事項に関する企画立案,営業,研究開発等を行

う労働者が属するコースについて行うものに限る )であって,労働者の住居。

の移転を伴う配置転換に応じることができることを要件とするもの,③労働者

の昇進に関する措置であって,労働者が勤務する事業場と異なる事業場に配置

転換された経験があることを要件とするもの,である。

しかしながら,間接差別にあたる場合を限定列挙することは,諸外国には見

られない方法であり,立法の仕方として不適切である。

そもそも我が国の現状をみると,明らかに女性であることを理由とする差別

は見当たらなくなってきている。しかし,募集・採用や賃金等の労働条件にお

いて男女間格差の縮小が進まないのは,コース別人事制度にみられる雇用管理

区分,あるいはパートタイム等の非正規雇用形態に,圧倒的に女性が多く,そ

の結果女性が不利益を受けていることが,大きな要因となっている。

前記のとおり,均等法では,それまで広く普及していた総合職の募集・採用

における全国転勤要件は,間接差別として禁止されることとなったが 「合理,

的な理由がある」場合は間接差別とならないとされている。実際,コース別人

事管理制度を採用している企業で,総合職と一般職採用者の男女比率は以下の

とおりであり(厚生労働省平成22年度「コース別人事管理制度の実施状況・

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指導状況 ,依然として,賃金や昇進で不利な一般職には,女性が圧倒的に」)

多い。

総合職採用者の女性割合 一般職採用者の女性割合

平成21年 9.2% 91.9%

平成22年 11.5% 94.6%

平成23年 11.6% 86.0%

また,女性の非正規労働者の割合は57.5%と増加しており(総務省「平

成24年就業構造基本調査結果 ,正社員・正職員以外の女性常用労働者の」)

平均所定内賃金は,正社員・正職員の男性常用労働者の50.8%にしかなら

ないのが実態である(厚生労働省「平成24年賃金構造基本統計調査 。雇」)

用形態により賃金その他処遇に差を設けることは,事実上女性に対する間接差

別であり,こうした雇用形態による差別が解消されなければ,女性の雇用機会

の保障や均等待遇は進まない。

したがって,間接差別を一部に限定するのではなく,広く性差別として認め

られるようにすべきである。

3 実効性のある積極的差別是正措置

《意見》

(1) 均等法第14条を改定し,同条各号に定める措置については,事業主への

積極的差別是正措置の義務付け規定とすべきである。

, ,(2) 積極的差別是正の措置義務の違反については 均等法第29条の報告徴収

助言・指導及び勧告,第30条の公表,第33条の過料の制裁の対象とすべ

きである。

《理由》

① 均等法第14条は,同法第5条~第7条で禁止される直接・間接的な性

差別的措置について,積極的差別是正措置を事業主の自主的取組に委ね,

積極的差別是正に関する国の対応については,事業主が同条各号に掲げる

措置を講じ,又は講じようとする場合に,相談その他の援助を行うことが

できるとしている。

② 厚生労働省発表の「 平成23年度雇用均等基本調査』の概況」によれ『

ば 「女性の能力発揮促進のための企業の積極的取組(ポジティブ・アク,

ション 」について「今のところ取り組む予定はない」と回答する企業は)

過半数に上り(51.9% 「取り組んでいる」と回答した企業がわず),

か3割に過ぎない(31.7% 。)

ポジティブ・アクションに取り組む予定のない企業は,その主な理由と

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して「既に十分に女性が能力を発揮し,活躍しているため」と回答するが

(36.4%。その他「女性の意識が伴わない」が15.8% 「ポジテ。

ィブ・アクションの手法がわからない」が9.7% 「業績に直接反映し。

ないため」9.2% 「トップの意識が伴わない」が2.8% ,課長相。 )

当職以上の,管理職全体に占める女性割合がわずか6.8%に過ぎない現

状からすれば,職場の現状と企業の認識・評価との間に相当の乖離がある

ことは否定できない。

また 「取り組んでいる」と回答した企業についても,具体的に取り組,

んでいる事項を見ると「人事考課基準を明確に定める(性別により評価す

)」 . ,ることがないように というものが68 1%と最も多くなっているが

性別による評価をすることは当然禁止されるべきであり,このような取組

をもって積極的かつ実効的な差別是正措置とは到底評価し得ない。

経済・雇用分野における男女平等は,国を挙げて取り組むべき喫緊の重

要であるにもかかわらず,各企業の自主的な取組に委ねていては,実現は

不可能である。

③ したがって,法律によって具体的な積極的是正措置を事業主に義務付け

ることが必要である。均等法第14条各号に定める措置は,雇用に関する

状況の分析(第1号 ,計画の作成(第2号 ,計画で定めた措置の実施) )

(第3号 ,措置の実施のために必要な体制の整備(第4号 ,措置の実) )

施状況の開示(第5号)であり,企業規模にかかわらず,十分実施可能な

内容であり,むしろ雇用・経済分野における性差別を解消し,男女平等を

実現する上で,必要最低限の措置であるのだから,少なくとも同条各号に

定める措置については措置義務の内容とすべきである。

④ さらに,積極的差別是正措置の実効性を確保するためには,第14条に

関する事項を第15条の苦情の自主的解決の対象とするとともに,国が履

行状況の調査を行うなど,積極的な介入をし,違反に対して厳しい制裁を

設けるべきである。したがって,積極的差別是正措置の実施についても,

均等法第29条の報告徴収,助言・指導及び勧告,第30条の公表,第3

3条の過料の対象とすべきである。

4 禁止規定違反の効果・救済制度・制裁等

《意見》

(1) 禁止規定違反の有無に関する立証責任の明記

均等法に 「労働者の募集・採用,配置や昇進,賃金等処遇に関して男女に,

格差が存在する場合,その格差について事業主が合理性を立証できない場合

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には,性による差別取扱いがあったものと推定する 」というような規定を設。

け,統計上男女に格差が生じている場合には,事業主がそれが差別的取扱い

によるものでないことを反証する責任を負わせるべきである。

(2) 禁止規定違反の効果の明記

均等法に 「事業主が労働者に対し,性を理由として不利益取扱いをした場,

合に,それが労働契約の内容をなしている場合は,その部分についてはこれ

を無効とし,無効となった部分は,不利益取扱いされていない性の労働者と

同一基準で労働契約が締結されたものとする 」というような規定を設け,差。

別禁止規定に違反した場合の法的効果を明記すべきである。

(3) 自主的解決のための苦情処理機関の義務付け

均等法第15条について,募集及び採用に関する差別やセクシュアル・ハ

ラスメント,ポジティブ・アクションに関しても対象とするとともに,設置

が努力義務とされている苦情処理機関について,一定範囲の事業主に対して

はその設置を義務付けるべきである。また,第15条改定に伴い,第16条

も必要な改定をする。

(4) 男女雇用平等委員会による救済制度・制裁規定の新設

均等法第2章第2節(第18条以下)の調停制度を廃止し,独立した行政

委員会である男女雇用平等委員会(以下「平等委員会」という )の設置によ。

る救済制度を新設するべきである。

(5) 違反に対する制裁

,① 平等委員会による調査を拒否し若しくは虚偽の回答をした事業主に対し

企業名・違反行為の公表の他,国・地方公共団体に対する公共融資・入札

参加の停止・制限の勧告,公共職業安定所に対する一定期間の求人不受理

・紹介停止の勧告等の制裁規定を設けるべきである。

② 平等委員会による差別是正命令に違反した事業主に対しては,過料ない

し罰金の制裁規定を設けるべきである。

, , ,③ 均等法第29条第1項について 厚生労働大臣による報告の求め 指導

勧告に従わなかった場合,その旨の公表の他,過料の制裁の対象とすべき

である。

《理由》

① 差別的取扱いがあった事実についての立証責任は,民法の一般原則にお

いては差別を主張する側にあることになる。しかし,人事査定資料など差

別に関する資料は事業主側に握られており,労働者側が事業主の差別意思

やそれに基づく男女格差との因果関係等の証明は極めて困難である。

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憲法や均等法の男女平等原則の趣旨から,労働者が男女格差と性差別を

疑わせる客観的な事実の存在を証明したときには,性を理由とする差別取

扱いがあったものと推定し,事業主側にその格差の合理性を立証する責任

を負わせるべきである。

② また,差別が認定されたとしても,有効な回復措置がなく損害賠償しか

認められないのでは,差別は解消されない。差別是正を目的とする本法の

実効性担保のために,差別的取扱いが認定された場合には,差別を受けて

いない性の労働者と同一の労働条件を認める効果的な回復措置をとるべき

である。

③ 均等法では,苦情処理機関の設置を事業主の努力義務としているが,事

業主の自主的取組に任せていたのでは,設置の促進は期待できず不十分で

ある。一定規模以上の事業所に対しては,苦情処理委員会の設置を義務化

すべきである。それと同時に,第14条に関する事項を苦情申出の対象と

すべきである。

④ 厚生労働省の「平成23年度男女雇用機会均等法,育児・介護休業法,

パートタイム労働法に関する相談,紛争解決の援助及び是正指導の状況ま

とめ」によると,均等法第18条に基づく調停申請受理件数は,2009

年度は71件,2010年度は75件,2011年度は78件である。

また,2011年度における調停の実施結果を見ると,調停を開始した

88件(前年度申請受理案件を含む )のうち受諾勧告を行ったものは5。

0件で,そのうち40件が双方受諾している。調停によって解決した割合

が50%を下回っていることを見るなら,調停制度は差別是正にとって高

い機能を発揮しているとは評価できない。このことは調停には強制力がな

いことから導かれる帰結であり,また,不成立に終わっても,差別に該当

するか否かの判定機能もない。

そこで,均等法の調停制度は廃止し,新たに,独立した行政救済機関と

して平等委員会を設置し,同委員会が,救済申立の受理,調査・審問,斡

旋・調停・仲裁の試み,差別に当たるか否かの判定,事業主に対する勧告

・救済命令を行うという制度を創るべきである。

なお,平等委員会の制度内容については,2005年意見書の第2の4

(2)オに記載したとおりである。

⑤ 均等法の実効性を確保するためには,同法に違反した事業主に対する制

裁規定が不可欠である。

2006年均等法改正で,妊娠,出産・産前産後休業の取得等を理由と

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する不利益取扱いの禁止を明記したにもかかわらず,2013年5月の日

本労働組合総連合会非正規労働センター「マタニティ・ハラスメント(マ

タハラ)に関する意識調査」によると,いわゆるマタニティ・ハラスメン

トを受けたと回答した妊娠経験女性が25.6%に上った。均等法で明確

に不利益取扱いを禁止しているにもかかわらず,このような現状にあるの

は,均等法が有効に機能していないからである。

均等法施行以後,男女間の格差解消が困難であった状況を根本的に是正

するためにも,制裁規定を強化すべきである。なお,(5)については,2

005年意見書よりもさらに強力な制裁規定の新設を提案するものであ

る。

以上

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