新入社員研修

チームワークを心がけよう指導用マニュアル

このマニュアルはインストラクター（講師）が研修を実施する際に、手元において活用

するために作られたものです。マニュアルは基本的な研修の流れ、シートには内容の

アウトライン（概要）を記載しております。�

マニュアルやシート、ワークシートは、利用権のある方 が々、研修ニーズや状況に合わ

せて、手順や内容を加筆、修正して活用しても構いません。むしろ研修効果を挙げるた

めに内容を加筆、修正して実施する方が望ましいかもしれません。またインストラク

ターによっては、研修を展開するパターンが異なりますので、自己のパターンにあわせ

大幅に修正し、活用することも必要になると思います。

このマニュアルとシートを参考に、新しいレッスンプランを作成して、効果的な研修の

実施にお役立ください。

このマニュアルについて

マニュアル等にご不明な点、利用上で気になる点などございましたら、下記までお問

い合わせください。

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マネジメントアドバイスセンター（以下当社）が販売する研修用マニュアル、ゲームマ

ニュアル等の著作権は当社が所有いたします。したがって購入者の皆さんには、利用

権の譲渡になります。研修ごとに利用料などは一切発生いたしません。

購入者は、マニュアル、シート、ワークシートを社内研修などで、自由にコピーなどして

利用できます。また活用しやすいように、編集、アレンジ、修正して使うこともできます。�

ただしマニュアル、シート、ワークシート等を第三者に譲渡、インターネット上などでの

配布、レンタル、販売および著作物の制作に使用すること、雑誌等に無断で転用する

ことは禁止させていただきます。

マニュアル、シート、ワークシートの使用上の注意点

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株式会社マネジメントアドバイスセンター

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チームワークを心がけよう 概要

目的

チームワークの大切さについて学びます。

チームメンバーの役割を学びます。

チームワークの基本原則を習得します。

対象

新入社員

所要時間

９０分

教材

シート① チームワークを心がけよう

シート② チームメンバーの役割と力

シート③ チームワークの５原則

インストラクター用資料① チーム活動と組織の３要素

インストラクター用資料② メンバーシップとマージナル・マン

時間配分

項目 分

はじめに ５分

チームワークを心がけよう ３０分

リーダーとメンバーの役割 ２５分

チームワークの５原則 ２５分

まとめ ５分

合計 ９０分

研修用マニュアル

このマニュアルには基本的な研修の流れが記載されております。

研修ニーズや状況にあわせて、手順や内容を加筆、修正して活用して下さい

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研修の内容と進め方

項目（時間） ツール 内容と進め方

はじめに

（５分）

主題の板書

この会合では、チームワークについて学んでいきます。

私たちの働く職場は、組織で仕事していかなければなりま

せんので、チームワークが大変重要になります。

チームワークで思い浮かぶのが、サッカーや野球あるい

はバレーボールといった集団で行なうスポーツの世界で

す。

集団で行なうこれらの競技を見ると、それぞれ能力のあ

る選手が個々人でプレイしているようですが、常にお互い

同士で連携をとっています。

これは言うまでもなく、チームワークが悪くお互い同士

の連携がとれないままゲームを進めては、どんなに優れた

能力を持った選手が集まっても相手チームに負けてしま

うからです。

私たちの職場もこのスポーツの集団と同じで、どんなに

優秀な社員を集めても職場のチームワークがとれていな

い会社は、必ず競争相手に負けてしまいます。

なぜなら会社の仕事が常に組織で進められているため、

個々人がどんなに優秀な能力を持っていても、それがバラ

バラでは組織集団としての力が発揮できないからです。

チームワークの大切さは、個人の力を結集して組織の力

として発揮する点にあり、１人ではできないことをみんな

で協力してやり遂げていくことにあります。

そのためには、チームを構成する１人１人がチームで活

動する際の自分の役割や行動の起こし方を、よく理解して

おかなければなりません。

また、チームで活動するにはチームが目指す目標や計画

などについても知っておくことが必要になります。

3

項目（時間） ツール 内容と進め方

そこで、どのような状態がチームワークのとれている状

態なのか、チームワークを高めるためにはどうしたらよい

かを考えてみましょう。

チームワーク

を心がけよう

（３０分）

シート① みなさんは「あの職場はチームワークがよい」「あのチー

ムは選手同士のチームワークがとれている」という言葉を

聞いて、どのようなイメージが思い浮かべるでしょうか。

多分それは、職場の人たちが和気あいあいと仕事をして

いる姿や、選手がお互いに助け合ってプレイをする強いチ

ームの光景だと思います。

その一方で、「あの職場は個人プレイが多すぎる」「あの

チームは選手があまり他の人のことを考えない」といった

言葉を聞くと、まとまりのない集団だなと思うはずです。

確かに、バラバラでチームワークがとれていない集団は、

人間関係にもまとまりがなく、決して良い雰囲気があると

はいえません。

では、チームワークとはどういうものなのでしょうか。

それをまず説明しましょう。

チームワークとは、チームを構成する人たちがそれぞれ

自分の行動を起こしながらも、チームとして統制のとれた

共同動作をとっていることをいいます。

皆が同じ方向に向かって協力し合いながら動いている状

態といってよいでしょう。

個人プレイは、あくまで自分１人で物事をすることです

から、みんなと協力して共同で作業を行うということはあ

りません。

ですから、集団の中で個人プレイが多すぎたり、個人プ

レイに走りすぎるというのは、目立ちたがり屋あるいは個

人主義者と受け取られ、周りから良い目で見られません。

職場は複数の人たちが集まり、互いに協力して仕事して

いくところですから、常にこのチームワークを心がけて行

4

項目（時間） ツール 内容と進め方

動しなければなりません。

チームワークが大切なのは、そこにいる人たちの人間関

係を単に良くするためではなく、個人の能力や力では達成

が困難なことでも、チームならやり遂げられるといったこ

とにあります。

チームや集団の力は計りしれないものがあります。

なぜなら個人の単位はあくまで１ですが、その個人が１

人、２人と集まり、お互いに力を合わせると１＋１は２で

はなく、３にも４にもなるような力を発揮するからです。

そこにさらに１人別の人が加わり、３人で仕事をすると、

１＋１＋１は３ではなく、５人前６人前の仕事をやり遂げ

てしまうのです。

このような集団の力をチーム力、組織力といいます。し

たがってチームワークとは、チームを構成する人たちが互

いに助け合い補い合って、１＋１が３にも４にもなるよう

な力を出す集団活動というわけです。

この集団活動を効果的に行なうには、チームのまとめ役

であるリーダーとメンバー、またメンバー同士の信頼関係

ができていなければなりません。

時には、リーダーの指示やチームで行なうことが自分の

考えと異なることがあるかもしれません。そのような時は

自分の意見を言うことはもちろん必要でしょう。

しかし、必要以上に我（が）を張ったり、自分の意見に

こだわることは避けなければなりません。これを忘れて自

己主張だけにこだわると、チームの和はいっぺんに崩れて

しまいます。

チーム活動では、常にチーム全体のことを考えて行動す

ることが大事です。このことを忘れないでください。

ではチームワークを高めるためのきっかけとなるものは

5

項目（時間） ツール 内容と進め方

声かけの大切さ

何でしょうか。それは声かけです。

チームワークをうまく行なっていくには、チームのお互

い同士の声かけが大変に大事です。

声かけには日頃のあいさつや仕事の報告、連絡や何かあ

った場合の相談などで行われます。チームワークの良い職

場は、このような声かけがお互い同士で活発に行なわれて

います。

チーム活動では、自分の役割に責任を持って果たすこと

は言うまでもありませんが、常に自分から上司や他メンバ

ーに声かけをして他の人の仕事にも積極的に協力してい

くように心がけてください。

リーダーとメ

ンバーの役割

（２５分）

シート② チーム活動では、チームのまとめ役であるリーダーと、

実際の活動の担い手であるメンバーには、それぞれの役割

があります。その役割をよく理解しておきましょう。

リーダーの役割は、チームが目指す目標をチームメンバ

ー全員に明示し、各メンバーが行う仕事の役割分担を決め

ます。

しかし、いくらリーダーが明確な目標を示しても、活動

の担い手であるメンバーの積極的な参画意識がなければ、

チーム活動はうまく行きません。

その意味ではチームワークを高める最終的な決め手は、

メンバー１人１人の参画意識と協力意識にかかっている

といってよいでしょう。

メンバーは、リーダーから示された目標をよく理解し、

自分に与えられた役割を責任持ってやり遂げる強い信念

と行動力が求められますし、チームに貢献しようとする強

い協力意識が求められます。

チームで活動するのはちょうど何人かで山登りをするの

と同じです。どの山をどのようなルートをたどっていくの

かの目標と方向を、リーダーが決め、メンバーはそれに従

シート

研修で受講者に配布するシートです。

人数分コピーして受講生に配布して下さい。

シート①　チームワークを心がけよう

シート②　チームメンバーの役割と力

シート③　チームワークの５原則

シート①

チームワークを心がけよう

チームワークの重要性

職場は組織の目標を達成するために集まった人達で構成されています。１人１人にはそ

の人が責任を持って行なう仕事が決められていますが、そのうえでみんなが互いに協力し、

チームで目標を達成していくことで組織が成り立っています。

それはちょうど、集団で競技するスポーツと同じで、各選手には自分の守備範囲と役割

が決められていますが、それだけではなく互いに連携してプレイすることが求められてい

ます。たとえば、ある選手がボールを取れなかったときは他の選手がこれをバックアップ

してフォローします。その時に自分の守備範囲でないから自分には関係ないなどとはいい

ません。互いに助け合ってチームが目指す勝利という目標に向かって行動します。

チームワークの大切さは、一人では困難とされることでもそこにいる人達が力を合わせ

れば、やり遂げられることです。そしてチームワークがとれている組織は人間関係も必然

的に良くなります。反対に、チームワークがうまくいかない人の集まりは人間関係もなん

となくしらけ、ギスギスしたものとなります。こうなるとチームワークを心がけて仕事を

することがいかに大事なのかが分かるでしょう。

チームワークに欠かせないのが、チームのまとめ役であるリーダーとメンバーとの信頼

関係そしてメンバー同士の日頃からの信頼関係です。監督と選手あるいは選手同士がお互

いに信頼してないのではチームは成り立ちません。職場で言えば、上司と部下また部下同

士が相手を非難したり、反目し合うのでは仕事どころか職場の雰囲気そのものが暗くなり

ます。スポーツの世界もそうですが、仕事の場では時に厳しいことを言われることもあり

ます。しかし、それは個人を責めているのではなくチーム全体の活動がダメになったり、

停滞することを防ぐための措置であり指導なのです。

仮に、自分が何かミスをして上司や先輩から、叱られたり注意を受けたときは、自分１

人が責められていると思わずに、チームの人達に迷惑をかけたと受け止めて素直に謝り、

同じミスを繰り返さないように、どこを改めていけばよいのか反省していくことが必要で

す。これができて上司や先輩、仲間たちの信頼を得ることができるのです。

声かけの大切さ

また、チームワークにはお互い同士の声かけが常に必要とされます。声かけには日頃の

あいさつ、仕事の報告、連絡や何かあった場合の相談などです。チームワークの良い職場

は、そこにいる人達の間で声かけが活発に行なわれています。そこで仕事をするときには、

自分に任された仕事に責任を持って行ないながらも、いつも自分から声かけをして他の人

の仕事にも積極的に協力していく、その心がけが必要なのです。

インストラクター用参考資料

インストラクター用の参考資料です。

研修の補足、講義の参考資料としてお役立て下さい。

①　チーム活動と組織の３要素

②　メンバーシップとマージナル・マン

インストラクター用参考資料①

参考資料① チーム活動と組織の３要素

新入社員にチームワークの話をする場合は、サッカーや野球といった集団で行なうスポ

ーツの例示が受け入れやすく理解しやすいところから、話材としておすすめします。

チームワークの理論的な裏づけとしては、組織論で有名なＣ．Ｉバーナード（アメリカ

電信電話会社会長）が提唱する「組織の３要素」（共通目標、伝達、貢献意欲）がチーム活

動には欠かせないところから、「組織の３要素」についての説明を加味すると話に厚みが出

てさらに効果的です。ちなみにチームワークと個人プレイの違いは、下図のようにして表

せます。

チームワークと個人プレイの違い

チームワークには３要素がある

① 共通目標

（理念、方針、目標など）

チームプレイ

②コミュニ ③貢献意欲

ケーション （役割意識と役割行動）

（報告・連絡・相談）

個人プレイには３要素がない

個人プレイ

組 織

？

・リーダーのもとでのチーム

活動（協力・協調）

組織力：１＋１＝２＋∝

・リーダー不在、メンバーの単独行動

組織力：１＋１＝２、または１－１＝０

チーム