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目 次 日本加圧トレーニング学会雑誌Vol.8No.12018 大動脈弁置換術後に “加圧トレーニング ” と BCAA の摂取を併用し良好な経過が得られた 1 例 大島 杏奈・石坂 勇人・片柳  聡・荒川 智江・髙橋 玲子・ 野澤 直広・水嶋 優太・松本 和久・豊田  茂・春山亜希子・ 澤口 達也・柴崎 郁子・小川 博永・八木  博・山口すおみ・ 植松  梓・安田 智洋・佐藤 義昭・福田 宏嗣・井上 晃男・ 中島 敏明  1 第 14 回日本加圧トレーニング学会・日本加圧医療学会学術集会をふりかえって 中島 敏明 7 [日本加圧トレーニング学会雑誌]投稿・執筆規程 11

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目 次

� 日本加圧トレーニング学会雑誌��Vol.8�No.1�2018

大動脈弁置換術後に “加圧トレーニングⓇ” と BCAAの摂取を併用し良好な経過が得られた 1例

� 大島 杏奈・�石坂 勇人・片柳  聡・荒川 智江・髙橋 玲子・

� 野澤 直広・水嶋 優太・松本 和久・豊田  茂・春山亜希子・

� 澤口 達也・柴崎 郁子・小川 博永・八木  博・山口すおみ・

� 植松  梓・安田 智洋・佐藤 義昭・福田 宏嗣・井上 晃男・

� 中島 敏明 ������� 1

第 14 回日本加圧トレーニング学会・日本加圧医療学会学術集会をふりかえって

� 中島 敏明������� 7

[日本加圧トレーニング学会雑誌]投稿・執筆規程������������������������������11

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症例報告

大動脈弁置換術後に “加圧トレーニングR” とBCAAの摂取を併用し良好な経過が得られた1例

大島 杏奈*,石坂 勇人*,片柳  聡*,荒川 智江*,髙橋 玲子*,野澤 直広*, 水嶋 優太*,松本 和久*,豊田  茂***,春山亜希子***,澤口 達也***,

柴崎 郁子****,小川 博永****,八木  博*****,山口すおみ*****, 植松  梓*******,安田 智洋******,佐藤 義昭********,

福田 宏嗣****,井上 晃男***,中島 敏明**

要   旨

【目的】大動脈弁置換術後の症例に対し,加圧トレーニングと BCAA の摂取が奏功した症例を経験したので報告する.

【方法】症例は大動脈弁置換術を実施した 43 歳男性である.手術待機中に心不全,低血圧が持続し臥床傾向となった為,

廃用性筋萎縮が進行した.術後のリハビリテーションプログラムに加えて,早期に加圧トレーニングと BCAA 摂取を

併用し,外来リハビリテーションでも継続した.加圧トレーニングは,レッグエクステンションを 2,3回/週行った.

BCAA 摂取は,リハたいむゼリー (BCAA 2.5 g) を加圧トレーニング後 30 分以内に 1 本摂取した.

【結果】約 3ヶ月後には大腿周囲径(+7.3 cm),等尺性膝伸展筋力(+20 kgf),エコーにより評価した大腿前面筋厚

(+1 cm),Inbody により測定した下肢筋肉量(+1 kg),CT scan により測定した大腿部筋肉断面積の著明な増加を認

めた.なお経過中に循環動態の悪化は認めなかった.

【結論】大動脈弁置換術後症例に対する術後早期の加圧トレーニングと BCAA の摂取の併用は,安全で効果的な筋肥大,

筋力増加が得られる手法となると思われた.

キーワード:加圧トレーニング,心臓外科手術後,筋力増強,BCAA

       * 獨協医科大学病院 心臓リハビリ室         〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880      ** 獨協医科大学病院 ハートセンター         〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880     *** 獨協医科大学 心臓・血管内科         〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880    **** 獨協医科大学 心臓・血管外科         〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880

   ***** 獨協医科大学 循環器・腎臓内科         〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880  ****** 聖隷クリストファー大学 看護部 安田智洋         〒 433-8558 静岡県浜松市北区三方原町 3453 ******* 獨協医科大学 健康スポーツ科学         〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880******** ハーバード大学医学大学院 加圧研究センター         

1大動脈弁置換術後に “加圧トレーニングR” と BCAAの摂取を併用し良好な経過が得られた 1例

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はじめに

 心疾患患者に対するリハビリテーション(以下:リハ

ビリ)では,心肺機能の改善を目的とした有酸素運動と

筋力・筋肥大効果を目的としたレジスタンストレーニン

グが基本となっている.過度な運動負荷は不整脈の出現,

心不全増悪のリスクが高まるとされ 1),嫌気性代謝閾値

(Anaerobic Threshold:以下 AT)以下の運動処方に

基づいた有酸素運動が行われる.有酸素運動の種類には,

エルゴメーターやトレッドミルを使用したものが知られ

ており,その強度は心肺運動負荷試験(Cardio Pulmo-

nary Exercise Testing:以下 CPX)により決定される.

しかし,レジスタンストレーニングでは,筋肥大に必要

とされている 1 Repetition Maximum(以下:1 RM)の

67%以上 2)より,安全を考慮し下肢では 50-60% の負荷

から開始することが推奨されている 3,4).その為,十分

な負荷がかけられずに筋肥大効果が認められないことが

多い.

 「加圧トレーニング」とは,発明者の佐藤義昭先生が

47 年以上にわたり研究を重ね生み出されたメソッドで

ある.四肢の基部に専用ベルトを装着し,適性圧を加え,

血流制限下で運動を実施するトレーニング法である.そ

の特徴は,低強度の負荷でも筋力向上,筋肥大効果が望

めることである 5-7).実際,加圧トレーニングを用いた

臨床研究もいくつか報告されている 8).

 また近年,レジスタンストレーニングに加えて分岐鎖

アミノ酸(Branched-Chain Amino Acids:BCAA)を

含む飲料物を摂取する効果が注目されている.BCAA

は,筋タンパク質の合成促進による筋肉量の増加作用 9)

と筋タンパク質の分解抑制による筋肉量の増加作用 , な

らびに遅発性筋肉痛の予防効果があるとされている 10).

 今回,大動脈弁置換術を施行した症例に対し,加圧ト

レーニングと BCAA の摂取を併用したリハビリを行い,

著明な筋力増強,筋肥大効果を認めた症例を経験したの

で報告する.

対象および方法

1.対象 対象は,近医から心不全疑いにて当院に紹介され,緊

急 入 院 と な っ た 43 歳 男 性( 173.0 cm,66.3 kg,

BMI22.2 kg/m2)である.既往歴はなく,冠危険因子は,

脂質異常症,高尿酸血症を有していた.入院時,BNP

は 2566 pg/ml であり,心臓超音波検査上,心室中隔壁

厚(Intraventricular Septal Thickness:IVST) で 7.5

mm, 左 室 後 壁 厚(Posterior LV Wall Thickness:

PWT)で 9.2 mm,左室拡張末期径(Left Ventricular

End- diastolic Diameter:LVDd)で 72.1 mm,左室収

縮 末 期 径(Left Ventricular End-systolic Diameter at

end systole:LVDs)で 57.8 mm と,心臓壁の菲薄,著

明な左室拡大を認めた.左室駆出率 (Ejection fraction :

EF) は 34%であった.重度の大動脈弁閉鎖不全症の診

断であり,薬剤加療を経て,第 7 病日より心臓リハビリ

が開始された.しかし,循環動態が不安定であり,第

16 病日に心不全の増悪を認めた.また低血圧症状が持

続し,臥床傾向となった為,全身的な廃用性筋萎縮を認

めた.第 38 病日に開胸による大動脈弁置換術を実施し,

第 42 病日(Postoperative Day 4:POD4)に術後リハ

ビリが再開された.年齢も若く,社会復帰に向けて早期

の筋力回復が望まれた.その為,第 49 病日(POD11)

から加圧トレーニングと BCAA の摂取を導入し,退院

後も外来リハビリを継続した.

 なお,本研究は,獨協医科大学病院の倫理委員会で承

認されている.

2.方法 術前評価は,低血圧とリスクを考慮して Inbody によ

る体組成分析のみ実施した.第 44 病日(POD6)に,

大腿周囲径,等尺性膝伸展筋力,体組成分析,筋エコー

による大腿前面筋厚,大腿部の CT を計測した.第 49

病日(POD11)から加圧トレーニングを開始し,退院

前の第 66 病日(POD28)に再評価を行った.退院後は

2回/週の頻度で外来リハビリを継続し,約 1 か月ごとに

評価を行った.

 加 圧 ト レ ー ニ ン グ は KAATSU NANO(KAATSU

JAPAN 株式会社)を使用し,両大腿基部に加圧カフを

装着した.装着圧は 15 〜 25 SKU とし、空気圧によっ

て徐々に圧を漸増させ、適正圧(100 〜 200 SKU)まで

加圧した.運動内容は,レッグエクステンションマシン

(OG wellness 社,GX-320)を使用し,初回は,膝伸展

運動を 1RM の 20 〜 30%の負荷× 20 回 1 set から行っ

た.段階的に回数・set 数を漸増し,30 回 3 set(セット

2 日本加圧トレーニング学会雑誌 Vol.8 No.1, 2018

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間の時間は 30 秒)まで実施した.実施頻度は,体力,

疲労を考慮し,週に 2,3 回とした.なお,加圧トレー

ニングは,加圧インストラクターの資格を持つ医師の下,

実施した.また,心血管疾患におけるリハビリテーショ

ンガイドライン 11)に準じて,血圧管理,心電図モニター

監視,自覚的強度の測定を行った.

 BCAA 摂取は,加圧トレーニング後 30 分以内にリハ

たいむゼリー(株式会社クリニコ)を摂取した.なお,

BCAA 組成(1 袋 120 g あたり)は,イソロイシン 0.63

nmol/ml (1 袋 0.6 g),ロイシン 1.44 nmol/ml (1 袋 1.4

g),バリン 0.47 nmol/ml (1 袋 0.5 g), 総 BCAA 量 2.5 g

である.

3.評価 大腿周囲径は,測定肢位を仰臥位とし,大腿長の中点

で測定した.

 等尺性膝伸展筋力は,Hand Held Dynamometer(AN-

IMA 株式会社,μTas F-1)を使用した.測定肢位は,

体幹を垂直位とした腰掛け座位にて,股関節・膝関節が

90 度屈曲位,上肢は前胸部で組んだ状態とした.セン

サー位置は下腿遠位部とし,力を入れる方向と直角にな

るように固定用ベルトを装着した.左右各 2 回計測し,

その最大値を等尺性膝伸展筋力として採用した.

 大腿前面筋厚は,超音波断層装置(GE Healthcare

Japan 株式会社,LOGIQ e Premium)を使用し,大腿

長の中点で測定した 12).また,測定肢位は仰臥位とし,

膝セッティング時に各 2 回ずつ測定し,平均値を採用し

た.

 体組成分析は,体成分分析装置(株式会社インボディ・

ジャパン,ボディーコンポジションアナライザーIn-

body S10)を使用し,仰臥位で測定した 12).左右の下

肢筋肉量を採用した.

 大腿部筋肉断面積は,320 列 CT 装置(Canon 社製,

Aquilion ONE)を使用し,大腿骨大転子上縁から,膝

蓋骨上縁までの範囲を 1.5mm スライスで再構成した画

像とし.Ziostation software を用いて計測した.画像デー

タを 3D 解析で開き,Axial 画像の大腿骨大転子上縁か

ら膝蓋骨上縁までの中点を計測点とし,右側大腿部を拡

大する形でシネ作成を行い , 再保存した.再保存した右

側大腿部画像を体脂肪測定のプロトコルで開き,大腿部

の皮下脂肪 CT 値 -150 〜 -50 HU,内臓脂肪の CT 値を

筋肉 CT 値 0 〜 80 HU に代用変更し , 計測した.不要

箇所である骨を除外し,大腿部筋肉の外周を微調節し大

腿部筋肉断面積を計測した.

 栄養評価は,血清アルブミン(Serum albumin:Alb),

総リンパ球数(Total Lymphocyte Count:TLC),ヘモ

グロビン(Hemoglobin:Hb)の 3 項目を用いた CONUT

(Controlling nutritional status)変法 13)を使用した.ま

た BCAA の測定は,朝食を摂らない状態で、リハたいむ

ゼリーを 1 本摂取した 60 分後と 120 分後に採血した.

4.結果 加圧トレーニング前と比較して加圧トレーニング後,

大腿周囲系,膝伸展筋力,大腿前面筋厚,下肢筋肉量は

徐々に増加した(表 1). トレーニング開始後 80 日では,

加圧トレーニング前と比較し , 大腿周囲径は +7.3 cm,

等尺性膝伸展筋力は左右共に約 +20 kgf,大腿前面筋厚

は約 +1 cm,下肢筋肉量は左右共に約 +1 kg の増加を

認めた(表 1).また,加圧 100 日後の大腿部 CT 画像

では,加圧トレーニング前と比較し,右 56.9 cm2,左

表1.加圧トレーニング開始前後の各評価の推移

  加圧前 7 日後 17 日後 29 日後 52 日後 80 日後 100 日後  第 44 病日 第 56 病日 第 66 病日 第 78 病日 第 101 病日 第 129 病日 第 149 病日

大腿周囲径(cm) 38.2 39.0 39.5 39.8 44.3 45.5右膝伸展筋力(kgf) 40.4 38.5 38.9 39.8 53.7 64.0左膝伸展筋力(kgf) 31.7 34.0 37.7 44.5 53.8大腿前面筋厚(cm) 2.1 2.4 2.4 2.6 2.8 3.1右下肢筋肉量(kg) 6.7 7.2 7.4 7.7 7.8 7.9左下肢筋肉量(kg) 6.7 7.1 7.3 7.7 7.7 7.9右大腿部筋肉断面積(cm) 62.2 119.1左大腿部筋肉断面積(cm) 61.6 117.5

3大動脈弁置換術後に “加圧トレーニングR” と BCAAの摂取を併用し良好な経過が得られた 1例

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55.9 cm2 の大腿部筋肉断面積の著明な増加を認めた(表

1,図 1).

 表 2 は,加圧トレーニング開始後の体重・栄養の変化

を示す.CONUT 変法より,加圧トレーニング開始時は,

3 点と低栄養状態であったが,第 29 病日には 0 点とな

り,退院後第 80 病日では,体重もほぼ平均体重まで回

復を認めた(表 2).BCAA 摂取後の血中濃度の変化を

表 3 に示す。摂取後 BCAA 濃度は,摂取前と比較して

摂取後 60 分で著明な数値の上昇を認め , 120 分後にも

高い濃度が維持されていた(表 3).

5.考察 本症例は,術後左室駆出率 34% と低心機能であった

が,訓練中に著明な不整脈等の出現は無く,早期から低

強度の加圧トレーニング,さらに,運動直後に BCAA

投与を行うことで筋力向上,筋肥大の効果が得られた.

周術期にはリハビリが介入するが,活動性の低下による

廃用症候群や手術侵襲による筋力および筋肉量の低下を

生じやすく,レジスタンストレーニングが必要となる.

しかし,心臓外科手術後の患者に対しての下肢レジスタ

ンストレーニングは,術後早期は日常生活動作レベルの

表2.加圧トレーニング開始前後の体重・栄養の変化

  加圧前 7 日後 17 日後 29 日後 52 日後 80 日後  第 44 病日 第 56 病日 第 66 病日 第 78 病日 第 101 病日 第 129 病日

体重(kg) 58.7 59.0 59.4 61.0 63.5 65.9CONUT 変法(点) 3 4 1 0Alb(g/dl) 3.3 3.1 3.5 3.9 4.3TLC(μL) 2101.6 1387.5 1929.6 1795.5 2037.6Hb(mg/dl) 10.9 10.4 11.6 13.7 13.9 14.8

Alb:serum albumin,TLC:total lymphocyte count, Hb:hemoglobin

図1.加圧トレーニング開始前と100日後の大腿CT画像の比較

表3.本症例におけるリハたいむゼリー摂取前後のBCAA濃度の推移

アミノ酸名 バリン イソロイシン ロイシン BCAA基準値(nmol/ml) 147.8 〜 307.0 43.0 〜 112.8 76.6 〜 171.3 265.8 〜 579.1

摂取前 236.9 86.5 146.9 470.360 分後 333.7 187.8 329.8 851.3120 分後 296.3 116.6 231.4 644.3

BCAA:Branched Chain Amino Acids

4 日本加圧トレーニング学会雑誌 Vol.8 No.1, 2018

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軽負荷運動から開始し,負荷を加えた運動は術後 5 週間

後からの開始が推奨されているため 14),廃用症候群の

進行が懸念される.加えて,本症例では,術前からの心

不全増悪による臥床傾向期間があり,筋力低下を認めて

いたものであった.

 今回,レジスタンストレーニングの良好な結果が得ら

れた要因として,トレーニング方法と栄養摂取への介入

が考えられる.レジスタンストレーニングの開始時期を

術後早期から開始したが,この時期は軽負荷トレーニン

グが推奨されていることもあり,加圧トレーニングを用

いて軽負荷から実施した.通常のレジスタンストレーニ

ングは,サイズの原理に従い,運動単位の小さな遅筋線

維から動員される.運動強度が上がるにつれて,運動単

位の大きな速筋線維を動員する 5).一般に 20~30% 1RM

の低強度では,速筋線維はほとんど動員されない為に筋

肥大と筋力向上を認めにくいとされている.しかし,加

圧トレーニングでは,血流制限による低酸素により,遅

筋線維の筋活動だけでなく,速筋線維の動員を促す.そ

の為,通常の高強度トレーニングと同様の筋肥大,筋力

増強が望めるとされている 5-7,15).実際,加圧トレーニ

ングを用いた臨床研究もいくつか報告されている 8).

我々は,すでに虚血性心疾患患者において加圧トレーニ

ングを実施して,良好な筋力増強ならびに筋肥大がみら

れることを報告している 8).今回,低心機能の大動脈弁

置換術後患者に加圧トレーニングを早期に実施したが ,

加圧トレーニングが軽負荷トレーニングであったために

早期から開始することが可能であった . このことが , 廃

用性筋委縮を予防できたこと,また , 著明な筋力ならび

に筋量の増加が得られたと思われる.なお,加圧トレー

ニングは,加圧インストラクターの資格を持つ医師のも

とで実施した.また,心血管疾患におけるリハビリテー

ションガイドライン 11)に準じて,血圧管理,心電図モ

ニター監視,自覚的強度の測定を行って実施している.

とくに,問題となる副作用 16)などは見られなかった.

 また、栄養面において,低栄養状態でのレジスタンス

トレーニングは,タンパク質分解が優位となり,筋肉量

の増加が困難となる 17).本症例は,加圧トレーニング

実施前には,血中アルブミン 3.3 g/dl,総リンパ球数

2101.6 μL, Hb 10.9 mg/dl,CONUT スコア 3 点と低栄

養状態であった.そこで,加圧トレーニングに BCAA

投与を併用した.介入後,著明な筋力増強ならびに筋肥

大を認めているが,運動直後に BCAA を摂取したこと

で,タンパク質合成が優位となったと考える.タンパク

質合成は運動後,1 〜 2 時間後に急激に高まるとさ

れ 18),本症例における BCAA の推移を見ると,リハた

いむゼリー摂取前と比較し,摂取後 1 時間の時点では,

約 2 倍程度まで増加し,120 分後にも高いレベルを維持

していた.そのため,レジスタンストレーニングと

BCAA の摂取時間を考慮することが効率的な筋力増強,

筋肥大に有効であったと思われる.

6.結論 本症例では,加圧トレーニングと BCAA の摂取を併

用して行うことで,低強度のレジスタンストレーニング

でも早期から筋力向上,筋肥大の効果が得られた.今後,

さらなる臨床研究が必要と思われる.また,他の心疾患

患者においても,安全で効果的な心臓リハビリの 1 手法

となるか,さらなる臨床研究を継続する必要があると思

われる .

謝辞

 本研究において,リハたいむゼリーを提供していただ

いた株式会社クリニコに感謝いたします.

文献

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5大動脈弁置換術後に “加圧トレーニングR” と BCAAの摂取を併用し良好な経過が得られた 1例

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ング」は KAATSU JAPAN 株式会社の登録商標です.

6 日本加圧トレーニング学会雑誌 Vol.8 No.1, 2018

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 2018 年 11 月 24 日(土),25 日(日)昭和大学 上條

講堂にて第 14 回日本加圧トレーニング学会・日本加圧

医療学会学術集会を大会長(副会長 平泉裕先生)とし

て開催致しました.日本加圧トレーニング学会では,会

長講演,大会長講演,特別講演 2 講演,3 名の講師によ

るシンポジウム及び実践報告 1 題,一般演題 8 題が,日

本加圧医療学会では,教育講演 2 題が発表されました.

今年も,会員,一般を含め 300 名近い参加者が出席され

る中,大変充実した集会となりました.今年は “加圧ト

レーニングで元気に・美しく・活き活きと” をテーマに

参加していただいた皆様も,大変有意義な内容となった

のではないかと思います.これも皆様方のご支援とご愛

顧によるものと,心から感謝いたしております.

1)日本加圧トレーニング学会学術集会●�会長講演「万能性を秘めた究極のメソッド(univer-

sality method)KAATSU」 ハーバード大学医学大学院 加圧研究センター会長

 佐藤 義昭 先生

 米国での加圧トレーニングの成果と研究について最近

の状況報告ならびに,今後の展開についてのご講演が行

われました.その中で,KAATSU 国際シンポジウムが

2019 年 10 月に米国シリコンバレーで開催される予定で

あることも発表されました.

●�特別講演�「女性の生理的特性を考慮したトレーニング指導」

 日本体育大学児童スポーツ教育学部 須永美歌子 先生

 今回のテーマに沿った非常に勉強になる講演でした.

今後,スポーツクラブ,地域のスポーツ施設,さらに,

加圧トレーニング施設なども利用する女性が増加するこ

とが予想され,講演内容もわかりやすく,参加者にとっ

ても勉強になったと思われます.

●�特別講演�「心を癒す音楽を求めてーピアニストの新たなる挑戦―」

 ピアニスト 佐藤 由美 氏

第 14 回日本加圧トレーニング学会・ 日本加圧医療学会学術集会をふりかえって

中島 敏明*

* 獨協医科大学病院 ハートセンター 〒 321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林 880

7第 14 回日本加圧トレーニング学会・日本加圧医療学会学術集会をふりかえって

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 いくつもの怪我を克服したピアニストであり,すばら

しいピアノ演奏も行われました.現在も,ピアノ演奏に,

加圧トレーニングを独自に取り入れて,第一線で活躍し

ています.以前,我々も,“加圧トレーニングにより筋

萎縮が改善し,復帰できたと思われるバレリーナの 1 例

(写真参考)”(Madarame H, Takano H, Iida H, Hashi-

da H, Morita T, Nakajima T. Blood Flow restricted ex-

ercise in a ballet dancer with Churg-Strauss syndrome.

Gazzetta Medica Italiana 170, 63-67, 2011)を経験して

いますが,あらためて加圧トレーニングのすばらしさを

実感できた講演内容でありました.

●�大会長講演「加圧トレーニングの5大効果について」 獨協医科大学病院 ハートセンター 中島 敏明

 加圧トレーニングの 5 大効果 1)筋力アップ:筋力

増強,筋肥大効果 2)回復力アップ 3)ダイエット効果 4)

血行促進 5)美容効果について,我々の基礎研究を含め,

紹介させていただいた.

●�実践報告「加圧サイクルRトレーニングの普及と加圧トレーナーRの育成」

  加圧ウェルネス株式会社 / 株式会社 THINK フィット

ネス 白井 啓之 氏

●シンポジウム  講演Ⅰ「加圧サイクルRトレーニングの実践と今後の

可能性」

 株式会社 THINK フィットネス 國分 苑子 先生

  講演Ⅱ「加圧サイクルRトレーニングを活かしたグ

ループセッション」

 KAATSU JAPAN 株式会社 清水 重臣 先生

  講演Ⅲ「2020 東京オリンピック 加圧でメダル奪取

~カヌースラローム代表チームの挑戦~」

 井上整形外科クリニック 井上 浩一 先生

 加圧サイクルRトレーニングの実践,今後の新しい展

開などの紹介と共に,日本においても 2020 東京オリン

ピックで金メダルを取るために加圧トレーニングが取り

入れられていることを知ることができた,興味深いシン

ポジウムでありました.去年の本学会において,猫ひろ

し氏にご講演していただきましたが,加圧トレーニン

グRで多くの金メダルが取れることを期待しています.

●一般演題 今年は 8 題の発表がありました.どれもすばらしい研

究内容だったが最優秀演題には,以下が選ばれました.

  最優秀演題「大動脈弁置換術後に加圧トレーニングと

BCAA の摂取を併用して良好な経過が得られた 1 例」

 獨協医科大学病院 リハビリテーション科

 大島 杏奈 先生

 2 日間とも非常に充実したプログラムでしたが,非常

に勉強になりました.

 また 1 日目の夜に行われた懇親会では,多くの加圧指

導者より近況などのご報告をお願いいたしました.今年

も非常に,盛り上がった楽しい懇親会でありました.

8 日本加圧トレーニング学会雑誌 Vol.8 No.1, 2018

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2)日本加圧医療学術集会●教育講演Ⅰ 「糖尿病専門医が教える食事と運動」 獨協医科大学病院 ハートセンター 澤口 達也 先生

●�教育講演Ⅱ「加圧サルコペニア治療の誕生 最先端システムを搭載した加圧医療専用機器として米国FDA�認可申請準備�に入ったKAATUS�MASTER�2.0」

 ハーバード大学医学大学院 加圧研究センター 会長

 佐藤 義昭 先生

 日本加圧トレーニング学会との同時開催で,糖尿病に

関する教育講演と新しい KAATUS MASTER 2.0 に関

する紹介がありました.今後,近未来に訪れる超高齢社

会において,加圧トレーニングは,運動療法が困難なサ

ルコペニア,フレイル対策においてもきわめて有用な方

法となると思われます.

 また急遽,佐藤会長の推薦により病気と闘う岡崎恭男

氏の特別講演がありました.岡崎氏は,以前,本学会で

特別賞が贈られたこともある加圧トレーニングの指導者

で,80 歳衝立岩ダイレクトカンテ登攀に向けて加圧ト

レーニングを日々励んでいる登山家でもあります.難病

を克服して,来年の記念大会にも,また一緒に参加でき

ることを願っております.

 なお,来年は学術集会も第 15 回を迎え新しい年号と

なる記念すべき学会となります.テーマも「KAATSUR

グローバリゼーション」に決定し日本が発祥の地である

加圧トレーニングを,さらに展開,発展させるため,一

人でも多くのご参加を期待致します.以下に,学会のホー

ムページに掲載された内容を掲載します.

第15回日本加圧トレーニング学会学術集会 (記念大会) 大会長  佐藤 義昭

(ハーバード大学医学大学院加圧研究センター会長)

 副大会長  森田 敏宏

(KAATSU INTERNATIONAL UNIVERSITY)

       今西登之彦

(極真会館メディカルマネジメント)

日 程 2019 年 11 月 30 日(土)- 12 月 1 日(日)

テーマ 「KAATSURグローバリゼーション」

場 所  日本教育会館(一ツ橋ホール)

    〒 101-0003 東京都千代田区一ツ橋 2-6-2

主 催 一般社団法人日本加圧トレーニング学会

後 援 国際空手道連盟極真会館

    株式会社 THINK フィットネス

    加圧ウェルネス株式会社

プログラム2019 年 11 月 30 日(土)

1. 大会長・会長挨拶

2. ドキュメンタリービデオ上映

※ KAATSU 国際シンポジウム(2019 年 10 月開催予定)の

様子を映像化し上映します.開催場所は米国シリコンバ

レーの Buck Institute(https://www.buckinstitute.org/)

を予定しています.

3. 加圧ポージングRの披露(ボディビルダーによる実演)

4. 加圧ヨガR/加圧ダンスRの披露(女性加圧トレー

ナーRによる実演)

5. 加圧カラテRの披露(極真空手家による実演)

6. 15 周年記念パーティ(懇親会)

※喜山倶楽部:日本教育会館内 9F

9第 14 回日本加圧トレーニング学会・日本加圧医療学会学術集会をふりかえって

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2019 年 12 月 1 日(日)

1.特別講演

2.研究報告

3.教育講演

4.シンポジウム

 平成最後の集会となりましたが,本当にご参加いただ

いた皆様どうもありがとうございました.

10 日本加圧トレーニング学会雑誌 Vol.8 No.1, 2018

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[日本加圧トレーニング学会雑誌]投稿・執筆規定

 加圧トレーニングとは発明者佐藤義昭先生が 47 年以上の歳月を費やし試行錯誤の末に生み出されたメソッドであり,

国内外には数多くの知的財産権を保有しております.「加圧トレーニング」という標章も商標登録された知的財産権の

一つです.よって「加圧トレーニング」に関する知的財産権に基づく “加圧(血流制限下におけるあらゆるメソッドを

含む)及び加圧トレーニング” に関する執筆に際しましては以下の各項目を踏まえ順守して下さい.

【知的財産権の基での順守事項】 論文・書籍(電子書籍を含む)(書籍の場合,別途 “著作物許諾契約” の締結が必要です)

1.�論文・書籍の場合,著作者 : 佐藤義昭或いは著作権者:KAATSU�JAPAN株式会社の何れかとの共著または監修・

謝辞の記載による出版が必須である.

2.申請前に作成された論文で新たに使用する際も上記に準じ,許諾の申請が必要です.

� 出版された書籍に関しても増刷・重版時に同様の申請が必要です.

3.見出しに加圧トレーニングの記載をする場合は,“加圧トレーニングⓇ”と表記する.

4.「加圧トレーニング」とは,の記載にあたり下記クレジットの表記が必須.

“「加圧トレーニング」とは,発明者佐藤義昭先生が47年以上にわたり研究を重ね生み出されたメソッドである.”

5.�本文中に「加圧トレーニング」の表示がある場合は,下記クレジットをフッターなど,その書類の何れかの箇所に

表記する.

“本文中の加圧トレーニングの表示及び「加圧トレーニング」は,KAATSUJAPAN株式会社の登録商標です.”

【投稿規定】1.投稿論文の種類① 日本加圧トレーニング学会および各種関連学会・研究会において発表された論文

② 加圧トレーニングに関する未発表原著論文および症例報告

③ 加圧トレーニングに関する論文(総説,特別寄稿,紹介,資料,学会報告など)

  その他

2.投稿者の資格 本誌への投稿は,筆頭著者は本会の正会員に限る.ただし,編集委員会が認めた場合はこの限りでない.

3.倫理的配慮 ヘルシンキ宣言に基づき対象者の保護には十分留意し,倫理的な配慮に関する記述をすること.

4.原稿の採否および掲載について 投稿原稿の採否および掲載順は編集委員会が査読結果に基づいて決定する.

 依頼原稿についても,編集委員会が必要に応じて修正,削除,加筆など原稿の訂正を求めることがある.

5.掲載料 掲載料は,規定枚数以内は無料とする.ただし,規定枚数を超過した場合は,超過分に要した費用を徴収する.カラー

掲載は実費負担とする.

6.別刷り 掲載の際は,別刷り 30 部を無料で贈呈する.それ以上の別刷りを希望の場合は,50 部単位にて申し受け,実費を徴

収する.

7.原稿送付方法 郵送投稿と電子投稿の2つの方法があるが,電子投稿がより推奨される.

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1)郵送投稿

 投稿原稿はデータを保存したCD-R またはUSBを簡易書留で郵送すること.

2)電子投稿

 執筆規定に沿って作成された原稿をMicrosoft�Word(Windows�/�Macintosh)形式で保存し,電子メールに添付して

編集委員会へ送付すること.その時,図表もすべてMicrosoft�Word に貼付すること.

 原稿送付先

 〒 100-0003 東京都千代田区一ツ橋 1-1-1�パレスサイドビル

           株式会社毎日学術フォーラム内

� 「日本加圧トレーニング学会雑誌」編集委員会

           E-mail:�[email protected]

8.著作権を含む知的財産権および出版権 本誌に掲載された論文(図表,写真を含む)の著作権および出版権は日本加圧トレーニング学会に帰属する.内容の

一部または全部を引用 ・転載する場合には事前の許諾を必要とする.

9.投稿誓約書の添付 本誌に掲載された原著,症例報告,短報が他誌への重複投稿をしておらず,投稿する論文内容について筆頭著者を含

め共著者全員の同意が得られていることを証明するにあたり,著者,共著者全員が別紙「投稿誓約および同意書」に自

筆による署名をして投稿論文に添付すること.

10.投稿原稿について 投稿原稿は,未出版かつ他紙に投稿中の原稿でないこと.他誌に投稿された論文の図表等の一部を使用する場合には,

既報の論文を引用すること.詳細については,編集委員にご相談ください.(編集委員会より日本加圧トレーニング学

会誌(日本語)に掲載された論文のうち,英文誌への投稿もお願いすることもあります)

【執筆規定】1.標題(表題)頁 論文の種類,タイトル,著者名,所属機関と連絡先(郵便番号,住所,電話およびFAX番号,E-mail�アドレス),キー

ワード(3~5語)

2.要旨:400�字以内で,「目的」,「方法」,「結果」,「結論」を書き分けて簡潔に記載する.3.論文a)原稿の長さ 図表を含めて刷り上がりページ数で以下のものを基準とする.原著論文 8ページ以内,症例報告 4ページ以内,総説

6ページ以内,特別寄稿 6ページ以内,紹介 4ページ以内.なお,刷り上がり 1ページは 400 字詰め原稿用紙約 4枚,

1600 字に相当.表,図,写真は同原稿用紙 1�枚として概算すること.

b)本文 はじめに(序論または緒言.目的を含む),対象および方法,結果,(成績),考察,結論で構成すること.

c)見出し記号 大見出しから順に,1.,2.�...,a).,b)....,1),2).. とすること.

d)度量衡単位 度量衡単位は原則として国際単位系(SI�単位)を用いること.

 長さ:mm,cm,質量:pg,mg,g,kg,時間:s,min,温度:℃,周波数:Hz�等

e)略語 略語は初出時にフルスペルで(必要に応じ和訳も)記載すること.

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f)機器名の記載法 機器名は,「一般名(会社名,製品名)」で記載すること.

g)原稿の書式 A4用紙余白上下,左右 25�mm�40 文字×30 行 12 ポイント明朝体

4.文献 引用文献のみとし,本文中の引用個所には文献番号を右肩に記入して,引用順に並べること.

 雑誌の場合は著者氏名,論文題目,雑誌名,巻,ページ,発行年(西暦)の順に書く.単行本の場合は著者名,表題,

書名,版数,編集者名,発行社名,発行地名,ページ,発行年(西暦)を記載すること.

 雑誌名の省略は,欧文雑誌にあっては “Index�Medicus” の List�of�Journal� Indexed に従い,和文雑誌は「医学中央

雑誌」の収録雑誌略名表に従うこと.

 引用文献の著者氏名が 4名以上の場合は最初の 3�名を書き,他は,他,または et�al. とすること.

〈例〉

雑誌

著者名(姓が先):論文題目.雑誌名.巻ページ,発行年(西暦)

欧文雑誌

Nakajima�T,�Iida�H,�Kurano�M�et�al.�Hemodynamic�responses�to�simulated�weightlessness�of�24-h�head-down�bed�

rest�and�KAATSU�blood�flow�restriction.�Eur�J�Appl�Physiol�104:�727-737,�2008.

和文雑誌

蔵野美葉,飯田陽子,安田智洋�他:各種急性運動における血中 PTX3 の反応について:CRPとの比較 .

日本心臓リハビリテーション 14:�98-103,�2009.

単行本

欧文

著者名(姓が先).表題.In:編集者名,editor�(s),書名.サブタイトル,版数,�発行地名,発行社名,始めの頁数-

終わりの頁数,発行年(西暦).

Ishii�N.�Factors�involved�in�the�resistance�exercise�stimulus�and�their�relations�to�muscular�hypertrophy.�In:�Nose

H�et�al.�(Eds.)�Exercise,�Nutrition�and�Environmental�Stress.�Cooper,�MI,�USA,�pp.�119-138,�2002.

和文

著者名:表題,書名,サブタイトル,版数,編集者名,発行社名 ;�発行地名,始めの頁数-終わりの頁数 ,�発行年(西暦).

飯田陽子,中島敏明,蔵野美葉:加圧トレーニング時の循環動態の変化.加圧トレーニングの理論と実践,佐藤義昭,

石井直方,中島敏明,安部孝�編集,講談社,東京,p12-22,�2007.

5.図表1)図表の作成について 図表は 400�字詰め原稿用紙 1�枚と換算する(図・表の転載は投稿前に著者の責任で転載許可をとり,許可書を提出

すること).

 各図表には,表題を付け,図には,原則として説明文を付けること.

2)図や写真の解像度について図:印刷物からスキャナで画像を取り込む場合は,横 7.8�cm を基準として 150�dpi�以上の解像度とすること.

写真:�写真は原寸印刷が可能なように,画像データのサイズは縦または横 7.8�cm 以上を基準として 150dpi�以上の解像

度とすること.

 被写体の人格権を尊重し,X�線写真などの氏名,ID�など個人を特定できる可能性のある情報は必ず塗りつぶすこと.

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投稿誓約および同意書

日本加圧トレーニング学会 殿

原稿整理番号(学会側で記入):       

論文名:

筆頭著者氏名:

この論文は下記のものが共同で執筆したもので、今までの他の雑誌に掲載されたり、他の雑誌に投稿中でないことを誓約いたします。また、その内容については筆頭著者を含め共著者全員の同意が得られていることを証明するため、著者全員の自筆署名をし、同意書としてここに提出します。

筆頭著者署名:                日付:    年   月 日共著者署名 1:                      2:                      3:                      4:                      5:                      6:                      7:                      8:                      9:                     10:                

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日本加圧トレーニング学会雑誌 Vol.8 No.1

発 行 日  2018 年 12 月 31 日

編   集  佐藤 義昭

発   行  一般社団法人日本加圧トレーニング学会

印 刷 所  勝美印刷株式会社