AllwinnerタブレットのOSを作ってみる (途中版)
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2015年:謎の蟹推しでした
体制一新:新ビルドサーバ
新ビルドサーバ
● Core i7マザーボード, Memory 12GB, 電源(あひるさん寄贈)
● 3TB HDD, 256GB SSD, ケース(しまだ)
● 家のNetwork回線が貧弱なため、ほたさん(@lindwurm) 宅に設置を委託
● おーぷんここんと、ほたさん(Android mod系のディストリビューションビルドに使用)の共同利用
その結果
● ビルド時間が大幅に短縮– ここん:6時間 → 3時間 (ベンチを基にした推計値)
– Android mod:2〜3時間 → 1時間
● 対応プラットフォームを増やすことが可能に(3 → 10以上)
ということで2016年一発目のネタ
今年のザ・旧型コンピュータは...
AllwinnerタブレットのOSを作ってみる(途中)
SHIMADA Hirofumi,@shimadah
事の発端:遅いAndroid Tablet
● 帰省中、お蔵入りしていた Android Tablet を発見– だいぶ前に、妹(スティーブ・ココンの作者↓)が購入し
た教材に付いてきたらしい– しかし、動作が大変モッサリとしていたので余り使わな
かったらしい
● 正常に動いているため、貰って何かに遊べるか調べることにした
こういうマシンです
Androidは大変モッサリなので
● なにか適当なLinux環境を作って動かせば、割と使えるようになるんじゃないか
● Allwinnerはそんなに難しくない、みたいな話を以前聞いたことがある
● タブレット版ここんみたいなのができればいいかも● ということで調べてみた
Allwinner
● 中国のチップメーカー。安価なARMプロセッサを出している
● BagleBone, ODROID, C.H.I.P., Orange Pi 等、安価な RasPi もどきのボードコンピュータに大抵搭載されている
● (最近はあまり見ないが)安価なAndroidタブレットにも搭載されている
● HDMIスティック等にも搭載されていることがある
linux-sunxi コミュニティ
● Allwinner マシン向けの Kernel, u-boot 等のメンテナンスと Upstream への反映を行っている
● Allwinner マシンのデータベースを持ち、Hack の仕方などをまとめているhttp://linux-sunxi.org/Identification_guide
● 繰り返し GPL 違反をする Allwinner に対し開示要求をしたり調査したりも行っているようだhttp://linux-sunxi.org/GPL_Violations
調査開始
● Android 4.1
● 機種名しかわからず、手がかりがない
そういうときはバラしましょう
ヒントは?
わかったこと
● Allwinner A13● 基盤にある文字:ET_Q8_V1.2
→この情報を基に、linux-sunxi サイト内を探す
調べてみると
● Q8 というフォームファクタのタブレットである
“ The 7" tablet format is a very popular case style which is/was used for the cheapest tablets from 2012 through 2014. “http://linux-sunxi.org/Format_Q8
● 外観は概ね似たような感じであるが、中身は物により、微妙にchipが異なり、しかも多くの種類があるらしい– 案の定、 ET_Q8_V1.2 という名前のタブレットが無かったもの
の、近そうなタブレットならあった
どうやってディストリを作るか?
● OpenEmbedded + meta-sunxi の組み合わせ
(meta-sunxi も Linux-sunxi コミュニティでメンテナンスされている。)
https://github.com/linux-sunxi/meta-sunxi
● (ここんとしては)慣れている OpenEmbedded でさくっとできればいいよね
● とりあえずは Kernel が動くところまで
復習:Device Treeとは?
● PCと異なり、ハードウェアの自動認識が難しく、設定ファイルを当てて認識させる必要がある
● 「ハードウェアの情報を記述するためのデータ構造」– レジスタ、割り込み、メモリ、各種パラメータ、使用するドライバ等
● Linux 3.7 よりARMで導入– PowerPC には以前からあった
● Kernel ツリーの arch/arm/boot/dts/ 以下に、 ソースとなる *.dts ファイルがある– コンパイル後は dtb ファイルができる。これを実際にブートローダ
に、Kernelとともに読み込ませる
ARMの状況:いわゆるISAバス(Cバス)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/diy9712/3/3_2/052.jpg
Sunxi の Device Tree事情
● 以前から sunxi の Linux kernel では、 FEX という独自の Device Tree + α 的な仕組みを持っている– Linux-sunxi ツリーは、 Linux 3.4 に FEX を追加搭載している。
● Device Tree との互換性はない
● 最近の Linux では Device Tree の方が推奨されているため、 Device Tree へのコンバート作業が進んでいる。
● meta-sunxi では、FEX と Device Tree の両方に対応しており、デバイスの対応状況によって Kernel などを切り替えて build することができる。
conf/machine/q8.conf
#@TYPE: Machine#@NAME: Q8 Tablet#@DESCRIPTION:
require conf/machine/include/sun5i.inc
KERNEL_DEVICETREE = "sun5i-a13-q8-tablet.dtb"UBOOT_MACHINE = "q8_a13_tablet_defconfig"SUNXI_FEX_FILE = "sys_config/a13/pov_tab_p703.fex"
conf/machine/q8.conf#@TYPE: Machine#@NAME: Q8 Tablet#@DESCRIPTION:
require conf/machine/include/sun5i.inc
KERNEL_DEVICETREE = "sun5i-a13-q8-tablet.dtb" ↑ DeviceTree (Linux)UBOOT_MACHINE = "q8_a13_tablet_defconfig" ↑ u-boot の config (Linux-sunxi, Linux共通)SUNXI_FEX_FILE = "sys_config/a13/pov_tab_p703.fex"↑ FEXファイル (Linux-sunxi)
Q8でのLinux Kernel
● Linux-sunxi では既にサポートされている
● (Upstream) Linux では 4.4 から各種対応がマージされた
buildする
$ ./oebb.sh config q8
$ . ./opencocon
$ bitbake linux u-boot
※詳しい方法はまとまり次第どこかに書きます(すんません)
Sunxi-tools
● ホスト側マシンに sunxi-tools をインストールする。
● FELモードでタブレットを起動する(このマシンの場合、USBケーブルを外して、[電源]+ [Volume +]を長押しすることでFELモードで起動する。画面は何も映らない。)
● タブレットとホスト側マシンを、データが通るmicroUSBケーブルでつなぐ● 接続確認
$ lsusb
Bus 001 Device 006: ID 1f3a:efe8 Onda (unverified) V972 tablet in flashing mode...
● テスト通信
$ sudo ./sunxi-fel version
AWUSBFEX soc=00001625(A13) 00000001 ver=0001 44 08 scratchpad=00007e00 00000000 00000000
u-bootを転送する
● Ubootだけを転送して起動する$ sudo ./sunxi-fel uboot u-boot-sunxi-with-spl.bin write
● Kernelも含めて転送する
$ sudo ./sunxi-fel -v uboot u-boot-sunxi-with-spl.bin \
write 0x42000000 uImage \
write 0x43000000 uImage-sun5i-a13-q8-tablet.dtb \
write 0x43100000 boot-q8.scr \
write 0x43300000 rootfs.cpio.lzma.uboot
u-boot : ペンギン登場
u-boot → Kernel
しかし、ここからが問題
● touchscreen等のチップが微妙に異なり、部分的に動かない可能性がある
● 既に rtc が動いていないのが気になる
● keyboardが使えるわけではないため、正しく動くことを確認するためには、まだ時間がかかりそう
● コードを反映させるにも時間がかかりそう
上周りはどうする?
● 本当はタブレット版Xfceみたいなポジションのものが望ましい
● KDE Plasma もある http://plasma-mobile.org/technology/
● Enlightment (EFL) もあるけど、実際はどうやろか?
● ほかには?
まとめ
● 安物タブレットマニアが海外に多いらしい● 俺Linuxを動かすまでは割と簡単であった
● Linux kernel への反映はまだ途上だが、緩やかに続いている
● ディストリ作ろうぜ!!