Aldo Van Eyck

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Aldo Van Eyck (1918-99) オランダ出身、活動もオラン ダ中心 TEAM X の中心的人物のひとり アムステルダム市の都市開発 課を経て独立 雑誌「 FORUM 」編集者 1966-84 年はデルフト工科大 で教授を務める 1959 CIAM 「最後の会議」 ( ランダ、ロッテルロー )

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授業で発表した奴のうちの建築思想の部分

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Aldo Van Eyck(1918-99)• オランダ出身、活動もオランダ中心

• TEAM Xの中心的人物のひとり

• アムステルダム市の都市開発課を経て独立

• 雑誌「 FORUM」編集者

• 1966-84年はデルフト工科大で教授を務める

1959年 CIAM「最後の会議」 (オランダ、ロッテルロー )

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Aldo Van Eyckの建築思想

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参考文献

• CiNiiで「アルド・ファン・アイク」で検

索される論文

• 主な研究者

–朽木順綱 (京都大学大学院助教 ):思想分析

–石田壽一 (東北大学大学院 SSD教授 ):形態

分析

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1. 言語

1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法

1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

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1. 言語

1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法

1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

Page 6: Aldo Van Eyck

「場所」「場合」 [place and occasion]

• “ 空間と時間とが何を意味しようと、場所と

”場合とはさらに多くのことを意味する。

• “ なぜなら、人のイメージのなかにある空間

は場所であり、人のイメージのなかにある時

”間は場合であるからだ。

• “ 場所と場合とは、人間的な意味において、

”お互いの実現を構成するものとなる。

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「場所」「場合」 [place and occasion]

つまり、

1.場所と場合が人間との相互作用により実現

(豊かな意味を人間が見出す )

2.(場所と場合を契機とした )人の (時間と

空間への )帰郷を助ける

3.空間が「空間」になる

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1. 言語

1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法

1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

Page 9: Aldo Van Eyck

「イマジネーション」「子供」

• アナロジー:感傷的な仮定にもとづく建築思

潮。両者の混同をともなう。直接的な比較。

• イメージ:詩的連想によって間接的に

identifyする。

• 扉の向こう (リアリティ )に、誰かの持つ鍵

で扉を開けることで近づくのではなく、経験

によって直知することがイマジネーション

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「イマジネーション」「子供」

• “ イマジネーションは、リアリティへのわ

”れわれの覚醒である

• 例えば、「都市はツリーではない」は前

提からして間違っている。

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「イマジネーション」「子供」

• 人間における「イマジネーション」の発

露が、「子供」である

• 注:成長過程のひとつの子供ではない

Page 12: Aldo Van Eyck

1. 言語

1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法

1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

Page 13: Aldo Van Eyck

「対現象」 [twin phenomena]

• 相反する多様な対義が「和合 [reconcile]」という仕方で同時実現されることをいう。各々の「対現象」において、対をなす両義が結びついているのと同様に、複数の「対現象」同士もまた、互いに結びついている。

• 中心と地平とは互いに変移しあう。中心に向かう人々は内を、地平に向かう人々は外を見つめる。

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1. 言語1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

Page 15: Aldo Van Eyck

「芸術」「建築」「都市」

• “ 建築にとって素晴らしいこととは、それが芸術であるという”ことーただそれだけである。

• “ 建築において自然であるため (be natural in architecture)には、われわれは自然から離れなければならない。芸術が自然とは異なるものであるということは、芸術の本性 (the nature of

art) ”の内にある。

• “ ”芸術の目的は完全なリアリティの運動を明らかにすること

• “(建築とは )空間へと翻訳された恒久の人間の調和 (constant

human proportions) ”を、恒久に再発見すること

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「芸術」「建築」「都市」

“ 芸術家を理解するために都市の問題から始めることで、われわれは子供の問題に直面するにいたる。それはわれわれ自身の問題である。

都市を理解するために子供の問題から始めることで、われわれは芸術家の問題に直面するにいたる。それはわれわれ自身の問題である。

子供を理解するために芸術家の問題から始めることで、われわれは都市の問題に直面するにいたる。それはわれわれ自身の問題である。 (この逆も、各々の場合で等しく真実である。 )

子供、都市、芸術家、 3つのリアリティと相互的なひとつ、すなわちイマジネーション。

これらは「イマジネーション」によって相互に感知される「3つのリアリ”ティ」であり、「われわれが時ごとに出会うわれわれ自身なのである」。

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1. 言語

1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法

1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

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「包含」と「潜在」による「布置」• 全体は要素を「包含」し、要素のうちに全体が「潜在」する

• “ ”質を伴わない量は有害である– 要素 /住居 /住宅単位 /住宅グループごとに「主題

(標準 )」が維持されつつ同・異の変容を内包させる。

– “ 人はつくられた場所 (the places made)、すなわちテーブル、扉、窓、部屋、建物、街路、広場、都市、地域、およそ環境をつくりあげるであろう意味ある人工物 (artifact)の全てに、応答する(respond) ”。

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「包含」と「潜在」による「布置」

• 「布置」によって構成される全体性とは、

「ゲシュタルト」として把捉される纏まりに

依拠している。

• 「布置」が心的現象としての「ゲシュタル

ト」に相関するのは、部分の多様性と、全体

としての同一性とが、ともに「場所」に含意

される人間の直接的な経験を契機とするから

である。

Page 20: Aldo Van Eyck

1. 言語

1. 「場所」「場合」

2. 「イマジネーション」「子供」

3. 「対現象」

2. 目指すべきもの– 「芸術」「建築」「都市」

1. 方法

1. 「包含」と「潜在」による「布置」

2. 「精神的連合」「感情的連合」

Page 21: Aldo Van Eyck

「精神的連合」「感情的連合」

• 「精神的連合」:経験と知識に意味を与え、記憶と予期を知的に関係づける。 (そしてそれは現在において対現象として保持される )

• 「感情的連合」:より無意識的に記憶と予期の影響力を強化し、イメージのカテゴリーに関わりのないバイアスを設定する。

• つまり、精神的連合が探索されるべきネットワークとなり、感情的連合によってそれに重み付けがなされ、それがリアルな経験のループによって更新され続ける。

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「精神的連合」「感情的連合」

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Aldo Van Eyckの建築思想

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Aldo Van Eyckの建築思想

• 無限の「イマジネーション」の揺らぎの

内に心の安らぎを見つけること

• そのために「建築」「都市」は「芸術」

であらねばならない

• 「未知」は「イマジネーション」によっ

て到来する

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Van Eyckと基本型

• Van Eyckは同時代のオランダ構造主義の建築家 (例えば H. Hertzbergerのセントラル・ベヒーア )と比べ、基本型の内部空間のみならず、基本型同士の距離感によって空間の特徴付けを行なっている。※

• Sculpture Pavilionの場合基本型は円と言える。

※石田壽一ほか「オランダ構造主義作品の平面構成における動線空間に関する考察」

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Aldo Van Eyckの建築思想の限界

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Aldo Van Eyckの建築思想の限界

• 全てを包含する概念を提出したところで、限

られた領域の操作しかできない [物理的制

約 ]

• 抽象と個別との隔たり =「網目の粗さ」だが

、包含と個別の隔たりも存在する =個別 (例

えば自我 )はすべてに通じていない (全ての

潜在をイメージできない )[個別的制約 ]

• これらは「フレーム問題」と言ってもよい

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Aldo Van Eyckの建築思想の限界

• フレームと「芸術」 = 爆発 の矛盾– 例えばコンクリートブロックひとつでも無限のフ

レームがとれる /包含関係も無限にとれる→設計

者は最大包含と最小フレームを意図しなければ作

ることが出来ない

– しかし「芸術」は前提を前提として自覚し、それ

を壊す力 = 爆発 であるために、設計が完了した

時点で前提とされた関係は基本的に硬直する

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Aldo Van Eyckの建築思想の限界

• したがって建築作品が「芸術」であるためには、– 言説を絶やさないこと

– アクシデント (John M Cage、 J.Pollock等 )による奇跡を待つほかない。

• Van Eyck自身はこれを自覚– 1982年において、形骸化した「場所」を「 openness」へと換言

– “ われわれが自身の領域でしなければならないこと (都市計画 )とは、市民一人一人が、かれらのためにつくられた都市において市民らしく生活することがなぜ善いことであ

”るのかを知らしめること、ただそれだけである。