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⼤分上野丘⾼校 SGH海外(ベトナム)研修報告書
Socialist Republic of Viet Nam
2015年3⽉22⽇(⽇)〜26⽇(⽊)
【3月22日(日)】ホーチミン市内研修
朝6:00に学校を出発した一行は、予定通り8:30に福岡空港国際線ターミナルに到着。春
休みということもあり、カウンターがたいへん混雑していたのに加え、10:30出発予定の便が
10:15に出発時刻を早めていて、搭乗が間に合うのか心配されたが、無事搭乗。
空の旅は快適であった。昼食は機内で食べ、いよいよ目的地であるホーチミンのタンソンニャッ
ト国際空港に到着したのが13:40(日本時間15:40)だった。日本との時差は2時間。空
港に降り立つと、いきなり真夏の暑さで、気温は35℃であった。空港はとてもきれいに整備され
ており、発展途上国のイメージとは全く違う顔を見せていた。
空港からは貸し切りバスで移動。ここで、現地添乗員のハンさ
んが合流した。ハンさんは日本語が上手で、ベトナムからの観光
客を日本へ連れて行くこともよくあるという。現地の説明もうま
く、ホーチミン市内までの40分足らずで、私たちはすっかりハ
ンさんに魅了されていた。
ホーチミン市内では、次の4カ所の研修地を回った。
①統一会堂
ベトナム共和国の大統領府及び官邸とされ使用された建物
で、展示用の部屋を回りながらベトナムの歴史について学習。
1975年4月30日のベトナム戦争終結時に、サイゴン市内
に突入した北ベトナム軍の戦車が当時は大統領府であったこの
建物のフェンスを破り突入し、南ベトナムの首都サイゴンは陥
落したことを、ハオさんから説明され、教科書の中の記述が俄
然色彩を帯び始める感覚にとらわれた。
②戦争証跡博物館
ベトナム戦争がいかなる戦争であったかを学ぶための施設。3階建ての展示館で、敷地内にはベ
トナム戦争で使用された戦闘機や戦車の展示、コンソン島刑務
所の牢獄を再現した建物がある。
展示館の屋内には大砲や爆弾などの遺物、当時の報道写真な
どの戦争の足跡をたどる各種記録が数多く展示されている。な
かでも、アメリカ軍が散布した枯葉剤の犠牲となった人々の写
真や資料は、その悲惨さに目を覆いたくなるものばかりであっ
た。生徒も、ベトナムで繰り広げられた40年前の戦争の様子
を目の当たりにし、平和について考えることができたと思う。
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③コープ・マート
食品全般の他、生活雑貨や洋服、日用品がズラリと並ぶホーチミン最初の大型スーパー。どれも
庶民的な値段で、終日数多くの地元の人々で賑わっているスーパ
ーマーケット。現地の生活を知るには、スーパーマーケットを訪
れるのが一番と言うことを実感した。日本に比べて物価が安く、
売られているものの品質も悪くないことや、日本からどのような
製品が輸出され現地で売られているのか、様々な学習を積むこと
ができた。桁の多いドンをうまく計算できず、店員と英語を交え
ながらコミュニケーションする生徒の姿も見られた。
④ビテクスコ・フィナンシャルタワー
ビテクスコ・グループ所有の、高さ265.5メートル、地上
68階の高層ビル。2007年に建設が始まり、2010年10
月に完成。賃貸オフィスや会議場・商業施設・展望台・ヘリポー
トなどが置かれている。ベトナムの国花である蓮をデザインした
ビルで、ここから眺めるホーチミンの町はひときわ美しく見えた。
【3月23日(月)】ホーチミン研修
研修Ⅰ 双日「ロンドウック工業団地」
SGH研修Ⅰとして、東京研修でもお世話になった双日株式会社のロンドウック工業団地を訪れ
た。まずはベトナム勤務4年目になるという、鵜川真依子さんより「海外で働く」というタイトル
で、プレゼンが行われた。海外で働こうと思った理由、グローバル社会における日本人の特性と役
割、グローカルとグローバル、といった話であった。続いて、上原敦社長より工業団地の概要と、
なぜ日本企業がベトナムに進出するのかについて講義が行われた。そのわかりやすい説明に生徒も
聞き入っていた。その後、質疑応答となったが、生徒からは2年生の課題研究につながる質問が次々
と出され、たいへん有意義な研修となった。
次に、JPT(Japan Paper Technology)の工場を訪れた。ベトナム米を入れる袋等を生産して
いる工場を見学した後、現地ベトナムのスタッフに各班へ入ってもらいインタビュー形式の研修を
積んだ。生徒は準備してきた質問をベトナムスタッフに英語で行い、その答えに真剣に耳を傾けて
いた。日本企業に対する印象、
ベトナムの若者が抱く将来の
夢など、有意義な話を聞き、視
野を広げることができた様子
であった。
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研修Ⅱ「レ・ホン・フォン高校」
SGH研修Ⅱは、ホーチミンでも屈指の進学校であるレ・ホン・フォン高校を訪問した。到着す
るやいなや、高校生の手厚い歓迎を受け、その友好的な雰囲気に驚いた。一行が案内された教室で
は、高校生が企画した歓迎行事(クイズとゲーム)が催され、わずか30分で生徒間の距離は一気
に縮まった。その後、班に分かれ、本校生徒4名にレ・ホン・フォンの生徒4名が付き、校内の見
学と英語によるディスカッションを行った。今年1年間のSGH課題研究を通して考えたことを現
地の高校生に英語で語り、意見交換を行っていた。また、日本の文化や習慣を話し、ベトナムとの
違いについても発見することができた様子であった。ベトナム高校生の英語力の高さ、努力するこ
とへの貪欲さ、そして何よりもエネルギッシュなところに、本校生徒は終始圧倒されていたように
思う。日本の高校生にとって、まさにカルチャーショックを受ける研修となった。
【3月24日(火)】ハノイ市内研修
この日はホーチミン市からハノイ市への移動日であった。空港に向かう途中の道で電線事故に伴
う大渋滞に巻き込まれたが、添乗員のハオさんの機転で何とか出発時間に間に合うことができた。
ホーチミンからハノイまでは飛行機で2時間。到着すると乾期には珍しく雨が降っていた。ハノイ
はホーチミンよりも開発が遅れているという話であったが、首都ということもありインフラの整備
を積極的に進めていた。ホーチミンではバイクで道が埋め尽くされていたが、ハノイは車の割合が
高いように感じた。雨のため、市内の研修はバスの車窓から有名な建物を眺めながら、その説明を
聞く形となった。ハノイの現地添乗員はクオンさん。この方も日本語がうまく、さまざまな話を聞
かせてくれた。ホーチミン廟、文廟等を見学し、ホテルに向かった。
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【3月25日(水)】ハノイ研修
研修Ⅲ「ハノイ貿易大学」
研修Ⅲは、ベトナムの経済系単科大学として有名なハノイ貿易大学を訪問した。この大学は日本
との貿易を促進するために、日本政府と特別なリレーションシップを提携した大学で、日本語学部
が設置されている。この日本語学部の学生と英語によるグループディスカッションを行った後、大
学内や大学周辺でインタビュー活動を行うという研修を実施した。
参加してくれた大学生は、いずれも親切・丁寧で、本校生徒を上手にサポートしてくれた。イン
タビュー活動では、本校生徒が準備した質問内容をベトナム語で現地の方に伝えてくれたり、わか
りやすく回答の内容を説明してくれたりと、その活動を成功に導いてくれた。大学生との交流がも
たらす効果を確認できた研修となった。本校生徒もたいへん満足しており、短時間の研修ではあっ
たが、分かれる際にはお互いに名残を惜しむ姿が見られた。
研修Ⅳ 「JICAベトナム事務所」
研修Ⅳは、ハノイ市内にあるJICAベナム事務所を訪問した。この研修は、同じ日程でJIC
Aを訪問していた神奈川大学附属高校の生徒さんとの合同研修となった。まずは、ベトナムでのJ
ICAの活動内容についてのプレゼンを聞き、質疑応答を行った。支援するに当たって留意しなけ
ればならないこと、今後のベトナムとの関係構築はどうあるべきかなど、2年次の課題研究につな
がる質問が次々に出され、有意義な研修となった。神奈川大学附属高校の生徒さんとも短時間では
あったがお互いの活動について情報を交換することができた。
その後、JICAの事業でベトナムに青年海外協力隊員として派遣されている新関美保子さんが
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働く、ベトナム女性博物館を訪問した。そこで、新関さんがなぜ青年海外協力隊に応募したのか、
具体的にどんな仕事をしているのか、将来はどんな目標を持っているのか等、有益なお話を聞くこ
とができた。
【3月26日(木)】福岡到着・学校帰着
ハノイから再びホーチミンのタンソンニャット国際空港へと戻り、深夜の便で福岡へと出発した。
日本時間で7:10に福岡空港に到着、ロビーにて解団式を行い、帰路に着いた。さすがに、大分
へ向かうバスの中は静寂に包まれていた。この研修を通して学んだことを2年次の課題研究に生か
し、グローバルな資質の獲得に向けてさらなる飛躍を期待させる研修となった。