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ANALYST CERTIFICATION AND REQUIRED DISCLOSURES BEGIN ON PAGE 12 1 Global Economic & Strategy Research Tokyo ab UBS Investment Research Japan RMBS Research 日本の期限前償還モデル モーゲージ証券(MBS)の分析が複雑なのは、ローンの借り手が償還スケ ジュールより早く元本を返済することのできる選択権を内包している特質 のためである。ゆえに、期限前償還という選択権(元本の繰上げ返済)が モーゲージ証券の主たる特徴ということになる。この特徴がMBSと他債券 商品との違いである。したがって、どのMBSを評価するに当っても、期限 前償還の予想が重要な要素となる。本レポートは、期限前償還モデル作り の歴史を手短かに論じるとともに、UBS期限前償還モデル(日本版)の基 礎を築くものである。重要なのは、一般的な期限前償還モデルの主要構成 要素とともに、UBS期限前償還モデル(日本版)の特質を理解することで ある。同時に、期限前償還の動きを予想するに当っての限界を理解してお くのも大切なことである。 米国では、セカンダリー市場でのMBS評価を手助けするため、ウォールス トリートの証券会社各社により最初の期限前償還モデルが開発された。そ れら初期のモデルが広範囲に亘るコラテラル特有の期限前償還モデルの基 礎を築き、今日のスタティック及びオプション調整済みスプレッド (OAS)分析両方の要となった。一般に、期限前償還モデルとは、一方に 借り手とローンの特徴とのヒストリカルな関係、市場、マクロ経済状況を、 もう一方にそれらの結果としての期限前償還を置き、それらに基づいて借 り手の行動をモデル化しようとする計量経済学的モデルである。どんな計 量経済学的モデルでもそうだが、予想された期限前償還が正確になるのは、 上記要素のヒストリカルな関係が将来においても当てはまり続ける場合の みである。しかしながら、変化する状況(借り換え費用、借り手の移動の 増加)が借り手の意思決定と将来の期限前返済行動に影響を及ぼす可能性 がある。したがって、モデル作成者は、ヒストリカルな関係を使って期限 前償還をモデル化する必要性と、モデルを柔軟なものに保つ―すなわち市 場の力学が借り手の意思決定に影響を及ぼすような変化を織り込めるよう に―という欲求とを調和させなければならない。その結果、期限前償還モ デルの作成は科学と芸術が合体したものとなった。 要するに、初期の期限前償還モデルの幾つかは、期限前償還行動をモデル 化するため、純粋な統計的アプローチに頼る度合いが現在より高かったと いうことである。これらモデルはヒストリカルな期限前償還にまずまず適 合してはいたが、予想する力は強くなかった。なぜなら、統計的アプロー チを導く経済的原理がほとんどなかったからである。これに対し、より最 近のモデルは異なる方策を採用し、統計的テクニックと、より経済的“芸 術”を結合させている。これら現代的モデルはヒストリカルな関係を捉え 20066www.ubs.com/economics UBS証券 03-5208 7472

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ANALYST CERTIFICATION AND REQUIRED DISCLOSURES BEGIN ON PAGE 12 1

Global Economic & Strategy Research

Tokyo

ab

UBS Investment Research

Japan RMBS Research

日本の期限前償還モデル

モーゲージ証券(MBS)の分析が複雑なのは、ローンの借り手が償還スケ

ジュールより早く元本を返済することのできる選択権を内包している特質

のためである。ゆえに、期限前償還という選択権(元本の繰上げ返済)が

モーゲージ証券の主たる特徴ということになる。この特徴がMBSと他債券

商品との違いである。したがって、どのMBSを評価するに当っても、期限

前償還の予想が重要な要素となる。本レポートは、期限前償還モデル作り

の歴史を手短かに論じるとともに、UBS期限前償還モデル(日本版)の基

礎を築くものである。重要なのは、一般的な期限前償還モデルの主要構成

要素とともに、UBS期限前償還モデル(日本版)の特質を理解することで

ある。同時に、期限前償還の動きを予想するに当っての限界を理解してお

くのも大切なことである。

米国では、セカンダリー市場でのMBS評価を手助けするため、ウォールス

トリートの証券会社各社により 初の期限前償還モデルが開発された。そ

れら初期のモデルが広範囲に亘るコラテラル特有の期限前償還モデルの基

礎を築き、今日のスタティック及びオプション調整済みスプレッド

(OAS)分析両方の要となった。一般に、期限前償還モデルとは、一方に

借り手とローンの特徴とのヒストリカルな関係、市場、マクロ経済状況を、

もう一方にそれらの結果としての期限前償還を置き、それらに基づいて借

り手の行動をモデル化しようとする計量経済学的モデルである。どんな計

量経済学的モデルでもそうだが、予想された期限前償還が正確になるのは、

上記要素のヒストリカルな関係が将来においても当てはまり続ける場合の

みである。しかしながら、変化する状況(借り換え費用、借り手の移動の

増加)が借り手の意思決定と将来の期限前返済行動に影響を及ぼす可能性

がある。したがって、モデル作成者は、ヒストリカルな関係を使って期限

前償還をモデル化する必要性と、モデルを柔軟なものに保つ―すなわち市

場の力学が借り手の意思決定に影響を及ぼすような変化を織り込めるよう

に―という欲求とを調和させなければならない。その結果、期限前償還モ

デルの作成は科学と芸術が合体したものとなった。

要するに、初期の期限前償還モデルの幾つかは、期限前償還行動をモデル

化するため、純粋な統計的アプローチに頼る度合いが現在より高かったと

いうことである。これらモデルはヒストリカルな期限前償還にまずまず適

合してはいたが、予想する力は強くなかった。なぜなら、統計的アプロー

チを導く経済的原理がほとんどなかったからである。これに対し、より

近のモデルは異なる方策を採用し、統計的テクニックと、より経済的“芸

術”を結合させている。これら現代的モデルはヒストリカルな関係を捉え

2006年6月 www.ubs.com/economics

UBS証券 03-5208 7472

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UBS 2

てはいるが、データを“適合させ過ぎて”はいない。一般に、次の二つの原

則が我々のモデル化フレームワークを支えている。第一に、モデル化される

各々のヒストリカルな関係は経済論に基づくもので、その関係が将来も有効

であり続けると我々が信じるかどうかと釣り合わせる。第二に、モデルのフ

レームワークはシンプルで柔軟でなければならない。これにより、市場の命

ずるようにモデルの構成要素を変化させることが可能となる。また、これに

より、個々の期限前償還機能を分解したり分析したりすることも可能となる。

統計専門家が「極度に倹約したモデル」、すなわち も少ない変数で主要な

効果を捉えるモデル、と呼ぶのはこれである。ここでは、我々の予想がシン

プルで正確であることが も重要である。UBSでは、米国モーゲージ市場に

おける専有の一連の期限前償還モデルを開発するに当り、このアプローチを

採ってきた。そして日本における期限前償還モデルの開発においても、UBS

では同様のアプローチを採用している。

米国のモーゲージ商品における借り手の行動をモデル化するに当っては、豊

富なデータが入手可能である。このデータには、大きな借り換えイベントを

幾つか含む、異なる経済環境が数多く含まれている。米国と比べると、日本

市場におけるデータは貧弱である。さらに、日本と米国の文化的違いおよび

モーゲージ商品のストラクチャーや融資慣行の違いにより、借り手の期限前

返済傾向に違いが生じるのは明らかである。したがって、日本のモーゲージ

市場が発展しつつある現時点において、日本の期限前償還モデルが米国の期

限前償還モデルほど複雑になるだろうと予想するのは非現実的である。実際、

基本的な関数システム(両国のモーゲージ市場で類似)が日本の居住用モー

ゲージ市場における期限前償還の基礎となる基本的理由の幾つかを捕らえる

ことができると我々は信じている。同様に、日本では金利があまりに長いこ

と低かったため(図1)、広範囲に亘る金利と借り換え水準を把握すること

が不可能である。したがって、我々のモデル化決定では、米国モーゲージ市

場において我々がもつ豊富な経験に頼ることもある。

図1:JGB10年債利回り

0

1

2

3

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5

6

7

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01/90 01/91 01/92 01/93 01/94 01/95 01/96 01/97 01/98 01/99 01/00 01/01 01/02 01/03 01/04 01/05 01/06

JGB 10-year

出所:ブルームバーグ

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UBS 3

期限前償還が生じるのは、主に次の四つの要因による:住宅売却、借り換え、

部分繰上返済、デフォルト。天災など期限前償還に影響を与える他の要因は

一般に小さいと考えられ、計量経済的テクニックを使ってたやすくモデル化

されるものではない。したがって、本レポートでは、住宅売却、借り換え、

そして部分繰上返済が日本のRMBSにおける期限前償還全体にどのように影響

を与えるかに焦点を合わせることとする。

主たるモデル

期限前償還の合計=住宅のターンオーバー(住み替え)+住宅ローンの

借り換え

住宅のターンオーバー(住み替え)

米国の住宅市場では住宅売却が住宅のターンオーバーの主たる推進要因で、

期間短縮は一般的に基準期限前償還スピードには小さな比率しか占めないが、

日本市場においては、基準となる住宅ターンオーバー・スピードにとって部

分繰上返済が遥かに大きな貢献要因であると考えられている。単純化のため、

我々は、部分繰上返済を住宅ターンオーバー部分全体に占める一部分として

モデル化した。というのも、我々が自由に使える担保水準もしくは累計ロー

ン水準のデータを使って、それら二つを切り離すのは不可能だからである。

住宅の売却は、職場移転、高価格物件への買い替え、低価格物件への買い替

え、移動、家族の誕生、死亡、離婚など無数の要因から生じ得る。個々の要

因が期限前償還スピードに与える影響に大きな差があるのは明らかだが、全

体で見ると、時とともに住宅売却にやや安定した影響を与えている。この安

定した長期住宅売却率が期限前償還活動の基準率となる。同率は明らかに、

金利や住宅/土地価格の上昇といった他の要因、また借り手の移動性を高め

る(もしくは低下させる)ようなモーゲージ市場にとっての別な構造的変化

などにも左右され得る。しかし、長期住宅売却率は大体において、時が経て

ば、相対的に狭いレンジでの変動に収まるものである。

一般に、日本の総住宅売却率は米国よりも低い。この結論に至るには幾つか

の要因が挙げられる。第一に、住宅/土地価格が過去15年間の大半を通じて

横ばいか低下していることである。 近になってようやく幾つかの地域では

住宅/土地価格が小幅上昇しているが、それも全般的に低い水準からの話で

ある。第二に、日本では、借り手が負債を避ける傾向が米国より高く、住宅

ローンを完済することを選択し、その後住宅建て替えのために貯金を始める

傾向が強いからと考えられる。第三に、日本の借り手は隣近所や住宅に愛着

を感じる度合いが高いという事実を反映して、米国の住宅保有者に比べ、同

じ土地に建て替えまたは増築する可能性が高い。

住宅のターンオーバーにおいてもう一つ重要なのがシーズニング(経年効

果)あるいはエージング・ランプである。一般に、住宅保有者は自然なサイ

クルで期限前返済行動を起こす。すなわち、住宅保有者が 初に新しい家に

移った時には、引越しおよび/あるいは住宅建築に関連する費用を背負い込

んでいる可能性が高い。その費用には、新しい住宅ローン、引越し、住宅ロ

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ーンとは関係のない他の建築コスト、またはそれ以外の諸費用が含まれてい

る。その結果、新しい家に引っ越したばかりの借り手はすぐには転売しない

ものである。このため、シーズニング・ランプでは、期限前償還が当初は低

く、その後ある時点で“ランプ”アップしてフルにシーズニングしたスピー

ドになるというパターンが生じる。ランプ(傾斜)の長さは商品タイプ、ま

たは住宅/土地価格上昇といった他のマクロ経済要因に左右される可能性が

ある。図2は当社のベース・エージング・カーブを示したものである。

図2:ベース・ターンオーバー

0

1

2

3

4

5

6

7

1 6 11 16 21 26 31 36 41 46 51 56 61 66 71 76 81 86 91 96 101

106

111

116

W ALA

CP

R (%

)

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

米国では、公共債引受協会(現在の債券市場協会)またはPSAは、この情報

を使ってシーズニング・カーブを構築し、エージング・ランプや長期住宅売

却率に基づくピーク・スピードを織り込んだ。PSAランプとも呼ばれるエー

ジング・カーブはローンの経過月数次第で、30ヵ月かけて6.0%CPRにラン

プ・アップする(30ヵ月間に亘り月0.2%CPRで上昇)。これが100%PSAと呼

ばれる基準PSAカーブである。米国の居住用モーゲージ市場の初期には、PSA

カーブがスタティックなモーゲージ証券の評価にとって基準となった。

PSAランプが米国市場に連結していると考えられていることから、日本証券

業協会(JSDA)主導で、RMBSの評価に役立てるべく、PSJカーブを開発して

きた。その過程で二つの異なるPSJモデルが導入され、一つは“標準モデ

ル”、もう一つは“カスタマイズド・モデル”と呼ばれている。“標準”

PSJカーブもローンの経過月数に従属しているが、30ヵ月間に亘り月0.2 CPR

でランプ・アップする代りに、0ヵ月目の0 CPRから60ヵ月目のフル・シーズ

ンド率まで直線的に上昇する。このモデルでは、基準となる特定の水準

(100 PSJまたは6.0 CPRと考えられる)は定められていない。その代わり、

フル・シーズンドPSJとは、フル・シーズンドCPR水準が何であれ、tヵ月目

のCPR=min(r/60*m,r) である。ここでのrは%表示のPSJ値である。したが

って、過去60ヵ月のPSJ値はCPR値に等しい。この手法により、PSJ値を、依

然ランプを織り込み中のCPR値に転換するのが容易になる。一方、“カスタ

マイズド”PSJモデルも、PSAランプより高い柔軟度を与えてくれる。切片

CPRと60ヵ月以外のシーズニング月数を設定できるからである。たとえば、

8%PSJ 3-30と表記されるPSJ値とは、切片CPRが3で、シーズニング月数が30

ヵ月ということである。スピードは、1ヵ月目の3 CPRから30ヵ月目には8

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CPRにランプ・アップし、その後8 CPRで一定にとどまる。しかし、公庫証券

化ディールにおいてはエージング・ランプのピークが60ヵ月に極めて近いこ

とが当社の分析で示されていることから、UBSでは標準化アプローチを採用

することとする。図3は異なるPSJ水準における例を幾つか示したものである。

図3:カスタマイズド・モデルのCPRパス

出所:日本証券業協会[PSJモデル ガイドブック]

PSJシステムの構築は日本のRMBSセカンダリー市場全般にとってプラスにな

ると我々は信じている。なぜなら、一貫した手法を通じて参加ディーラー各

社が期限前償還スピードの予想を引用することができるからである。そして、

投資家はこれらランプを使って日本のRMBS、特に公庫ディールを評価する際

に役立てることが可能となる。

住宅のターンオーバーに影響を与えるその他の要因として、ロック・インと

季節要因が挙げられる。“ロック・イン”効果とは、借り手の内包オプショ

ンがアウト・オブ・ザ・マネーである時に、行動が抑制されることを指す。

ロック・イン効果の 終的な影響は、金利上昇時にアウト・オブ・ザ・マネ

ー証券のCPRまたはPSJスピードを低下させることである。その結果、金利上

昇シナリオの下で期限前償還スピードは、基準と考えられる水準より低くな

る(図4)。

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図4:ロック・イン効果を考慮したエージング・カーブ

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0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0 1 4 0W AL A

CP

R (%

)

P a r

2 0 0 b p s Ou t-o f-th e -m o n e y

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

季節要因の影響は、日本の住宅ローンの期限前償還においてはやや小さいと

考えられる。とはいえ、経過月数が長いローンは夏の数ヵ月間により速く返

済され、新しいローンはローン開始直後に大量の部分繰上返済が発生するこ

とを反映して、年の初めに期限前償還スピードが速い傾向が見受けられる。

借り手が年の初めまで待つことが多いのは、税控除が年末の住宅ローン残高

を基に計算されるからである。

借り換え

UBS期限前償還モデルにおいて期限前償還全体に影響を与えるもう一つの要

因は借り換えである。借り換え傾向を測るには、ある証券のグロス・ノー

ト・レートと現在の市場金利とを比較する。計算結果がプラスならば、借り

換えのための内包オプションはイン・ザ・マネーと言われる。しかし、借り

手が自己の住宅ローンを借り換えるインセンティブを持っていたとしても、

だからといって借り換えに踏み切るとは限らない。借り換えコストや期限前

返済のペナルティなど他の要因が借り換えを抑制する可能性もある。しかし、

十分なインセンティブと借り換え能力が与えられれば、借り手はローンを借

り換えると予想される。借り換えインセンティブ曲線は一般に、計算された

インセンティブが0に近いか“額面”の時、極めて低い価値でスタートする。

インセンティブが増加するにつれ、借り手の期限前返済傾向も増加し、借り

換えインセンティブが非常に高い水準に達すると横ばいとなる。

しかし、我々が、Japan RMBS Research「住宅金融公庫による発行増額で

RMBS市場は大きく発展」と題するレポート(2005年6月24日発行)で指摘し

たとおり、日本の現在のモーゲージ市場は、1980年代初めの米国市場になぞ

らえることができる。セカンダリー市場の影響が強く感じられるより前のこ

とである。米国では、自動化された引受の進歩やその他技術的改善、またモ

ーゲージ・ブローカーの増大によって、借り換えコストが削減されてきた。

今日、米国の借り手は小さな借り換えインセンティブにもかなりの勢いで反

応する。対照的に、日本のモーゲージ市場は、期限前返済行動の大幅増加に

つながるであろう“借り換え文化”をまだ発展させていない。しかし、ここ

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UBS 7

でもう一度指摘しておかなければならないのは、日本では住宅ローン金利が

過去数年極めて低く、市場には 近大きな借り換えチャンスが見られていな

いという点である。潜在的な市場環境に関するさまざまなデータが欠如して

いることを考えると、日本のモーゲージ借り換えモデルの限界を認識してお

くことが重要であろう。より多くのデータが入手可能になれば、我々はもち

ろん、更新された情報を織り込んでUBS期限前償還モデルを調整していくつ

もりである。しかし現在入手可能なデータを基にすると、金利変化に対する

反応は、米国RMBSより遥かに小さくなると予想される。図5に我々の基準イ

ンセンティブ関数を示した。

図5:借り換えインセンティブ関数

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0 5 0 10 0 150 20 0 2 50 30 0

借 り換 え イ ンセ ンテ ィブ (b ps )

CP

R (%

)

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

金利に対する敏感度を提供するのに加えて、基準インセンティブ関数からは、

日本の住宅ローンの「段階金利型」タイプにおいて120ヵ月目に金利が一段

階上昇する時の期限前償還の急上昇も把握することができる。ローン金利の

上昇がプラスのインセンティブとなって、期限前償還はこの時点で急伸する。

基準となる借り換えインセンティブ関数を変化させるその他の関数としては、

借り換えエージングとバーンアウト(燃え尽き)現象が挙げられる。我々の

モデルのターンオーバー部分に自然のシーズニング関数があるように、モデ

ルの借り換え部分にもシーズニング関数がある。新たに住宅ローンを組んだ

ばかりの借り手は一般的に、新ローンの初めの数ヵ月は借り換えをしない傾

向にある。ローンの経過月数が進むにつれ、この傾向は消失する。図6は、

ローンの経過月数が1ヵ月、6ヵ月、そして借り換えエージングの乗数が1.0

にセットされている16ヵ月におけるインセンティブ関数を示したものである。

この動きには幾つかの理由が考えられる。第一に、そして も重要なのは、

新たにローンを組んだばかりの、または古いローンを借り替えたばかりの借

り手は典型的に、短期的には借り換え機会を探さない。新しいモーゲージの

コストを背負い込んだばかりだからである。

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UBS 8

図6:借り換えカーブ(ローン経過月数別)

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1 0

1 2

1 4

1 6

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0

借 り 換 え イ ン セ ン テ ィ ブ (b p s )

CP

R (%

)

Ag e =1 6

Ag e =1Ag e =8

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

期限前償還モデルにおけるもう一つの広く知られた構成要素はバーンアウト

効果である。ここでバーンアウトを計算するに当たっての要因は、金利の進

路である。証券の発行からの経過月数が長くなるにつれ、担保となるローン

の借り手は借り換えの機会に幾つか遭遇することだろう。借り換えをいとわ

ず、またそうする能力がある借り手は借り換えに踏み切り、機会が訪れれば

モーゲージ債のプールを抜けるだろう。プールに残された借り手は一般に借

り換えに敏感でないものだが、これは借り換えに気が進まないか、または信

用面での制約により借り換えできないからであろう。その結果、典型的に、

経過月数が増加すればするほどプールは均質化する。したがって、同じプラ

スの借り換えインセンティブが与えられても、より新しいプールの方が経過

月数の非常に大きなプールより力強く反応する。図7は、バーンアウトの水

準ごとに借り換えインセンティブ曲線を示したものである。

図7:借り換えカーブ(バーンアウト水準別)

0

2

4

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8

1 0

1 2

1 4

1 6

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0

借 り 換 え イ ンセ ンテ ィ ブ (b p s )

CP

R (%

)

B a s e1 0 % B u rn o u t2 0 % B u rn o u t

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

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UBS 9

ヒストリカルな適合

計量経済モデルは、ある特定のディールに対し時を越えて期限前償還に対す

る少しばかりのノイズを調整することはできないが、さまざまなディールに

亘り主要な傾向を適合させることは可能である。図8と図9は住宅金融公庫

MBS第9回債と第16回債の期限前償還(ヒストリカルと予想)をそれぞれ示し

たものである。さらに、我々は全既発ディールを集計し、図10でWALAごとに

期限前償還の実際と予想を示した。図からわかるように、当社モデルは実際

の期限前償還を極めて忠実に追っている。今後、さらなる期限前償還情報が

得られれば、当社期限前償還モデルを改定し、将来に亘り、現実の期限前償

還率を忠実に追跡し続けられるようにするつもりである。表1でも、住宅金

融公庫MBS第1回~43回債とS種第1回~5回債について、PSJ手法を使った期限

前償還予想を示した。

図8:任意繰上償還率と弊社予想エージング・カーブ(第9回債)

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0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

W AL A

1-m

onth

CPR

(%)

Actua l

Pro jected

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

図9:任意繰上償還率と弊社予想エージング・カーブ (第16回債)

0

2

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8

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12

14

0 5 10 15 20 25 30 35

WALA

1-m

onth

CP

R (%

)

Actua l

Pro jected

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

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UBS 10

図10:任意繰上償還率と弊社予想エージング・カーブ(全回号)

0

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0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

W ALA

1-m

onth

CP

R (%

)

Actua l

Pro jected

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

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Deal -200 bps -100 bps -50 bps +0 bps +50 bps +100 bps +200 bps +300 bps1回債 10.83 7.44 6.61 6.32 5.80 5.37 4.63 4.002回債 10.35 7.14 6.50 6.16 5.67 5.26 4.54 3.913回債 10.66 7.30 6.56 6.25 5.74 5.32 4.58 3.964回債 10.63 7.27 6.54 6.23 5.72 5.30 4.57 3.955回債 11.31 7.75 6.73 6.36 5.90 5.45 4.70 4.056回債 10.89 7.41 6.60 6.29 5.78 5.35 4.61 3.987回債 10.63 7.24 6.54 6.21 5.71 5.29 4.56 3.948回債 10.06 6.98 6.46 6.06 5.59 5.18 4.47 3.869回債 9.34 6.75 6.40 5.90 5.45 5.06 4.37 3.7710回債 9.28 6.74 6.41 5.89 5.45 5.05 4.36 3.7611回債 8.10 6.58 6.12 5.62 5.21 4.84 4.17 3.6012回債 9.49 6.82 6.49 5.96 5.50 5.10 4.40 3.8013回債 7.85 6.54 6.04 5.57 5.16 4.79 4.13 3.5714回債 8.75 6.68 6.31 5.78 5.35 4.96 4.28 3.7015回債 8.38 6.63 6.21 5.70 5.28 4.90 4.23 3.6516回債 8.38 6.63 6.21 5.70 5.28 4.90 4.23 3.6517回債 8.10 6.59 6.12 5.63 5.22 4.84 4.18 3.6118回債 7.80 6.53 6.03 5.56 5.15 4.78 4.13 3.5619回債 7.84 6.54 6.04 5.57 5.16 4.79 4.13 3.5720回債 11.45 7.73 6.78 6.46 5.92 5.48 4.72 4.0721回債 11.10 7.47 6.81 6.39 5.85 5.41 4.66 4.0222回債 10.77 7.30 6.75 6.30 5.78 5.35 4.61 3.9823回債 11.83 7.97 6.91 6.54 6.03 5.57 4.80 4.1424回債 12.69 9.04 7.40 6.69 6.33 5.82 5.00 4.3225回債 11.98 8.04 6.95 6.58 6.06 5.60 4.82 4.1626回債 11.82 7.97 6.90 6.54 6.02 5.57 4.79 4.1427回債 11.66 7.78 6.97 6.55 5.98 5.53 4.77 4.1128回債 11.90 7.97 6.93 6.58 6.04 5.58 4.81 4.1529回債 11.67 7.77 6.98 6.56 5.99 5.53 4.77 4.1230回債 11.38 7.59 6.93 6.47 5.92 5.48 4.72 4.0731回債 11.37 7.58 6.93 6.47 5.92 5.48 4.72 4.0732回債 11.08 7.43 6.87 6.39 5.86 5.42 4.67 4.0333回債 11.18 7.47 6.89 6.41 5.88 5.44 4.69 4.0534回債 11.92 7.90 7.10 6.63 6.03 5.57 4.80 4.1435回債 11.76 7.78 7.04 6.57 5.99 5.53 4.77 4.1136回債 11.17 7.47 6.89 6.41 5.87 5.44 4.69 4.0437回債 12.29 8.17 6.99 6.63 6.08 5.60 4.82 4.1638回債 12.37 8.23 7.01 6.63 6.09 5.61 4.83 4.1739回債 12.13 8.01 6.93 6.59 6.02 5.55 4.78 4.1240回債 12.51 8.35 7.06 6.65 6.12 5.63 4.85 4.1841回債 12.55 8.38 7.09 6.68 6.15 5.66 4.87 4.2042回債 13.45 9.86 7.80 7.01 6.52 5.94 5.08 4.3943回債 13.48 9.89 7.83 7.02 6.53 5.94 5.09 4.40

S種1回債 11.46 8.30 6.99 6.45 6.10 5.63 4.84 4.18S種2回債 11.68 8.61 7.15 6.50 6.19 5.70 4.90 4.23S種3回債 11.97 7.90 6.71 6.33 5.81 5.35 4.60 3.97S種4回債 11.91 7.83 6.67 6.31 5.78 5.32 4.58 3.95S種5回債 11.71 7.64 6.57 6.24 5.69 5.25 4.52 3.90

出所:住宅金融公庫のデータに基づきUBSが作成

表1: PSJ手法によるUBS期限前償還予想

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