ファシリテーター技能講習コンピューター科学者、デザイナー、エンジニアのチーム が、乳幼児の視覚発達や映像刺激を注意深く研究し、乳幼
周辺視野への視覚刺激提示が時間評価に及ぼす影響
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周辺視野への視覚刺激提示が時間評価に及ぼす影響
松井 啓司(中村聡史研究室)
2017.01.28 卒業論文発表会
概要
楽しいを長くつらいを短く
背景 - 時間の感じ方 -
あれ?もうこんな時間??
さっきから全然時間が進まない…
背景 - 時間の感じ方 -
時間評価
背景 - 時間の感じ方 -
憂鬱な時間を短くしたい!
背景 - 時間変化の要因 -
• 個人の年齢• 感情の状態• 身体の代謝• 時間への注意• 物体の運動速度
時間評価を変化させる要因
• 大人の時間はなぜ短いのか[ 一川 2008]
• 運動パターンを見ている時の持続時間の知覚 [ 田山 2007]
参考文献
背景 - 時間変化の要因 -
• 個人の年齢• 感情の状態• 身体の代謝• 時間への注意• 物体の運動速度
時間評価を変化させる要因
背景 - 時間変化の要因 -
• 個人の年齢• 感情の状態• 身体の代謝• 時間への注意• 物体の運動速度
時間評価を変化させる要因
周辺視野を活用
背景 - 周辺視野の特性 -
15°
•周辺視野の特徴◯ 物体の動作など,大まかな情報認識が得意◯ 無意識的に視覚情報を処理
背景 - 周辺視野の特性 -
15°
•周辺視野の特徴◯ 物体の動作など,大まかな情報認識が得意◯ 無意識的に視覚情報を処理
周辺視野で物体の運動速度を知覚
無意識的に時間の感じ方が変化
目的
周辺視野を活用することで時間評価に変化を!
• 周辺視野を用いるメリット◯ 物体の運動速度を無意識的に知覚◯ 一般的に視覚情報を提示しても影響が軽微
• つらい時間を短くしたい!!
提案手法
プレ実験
実験目的
周辺視野への視覚刺激提示が時間評価にどのような影響を及ぼすのか調査
• 中心視野で見た時との比較◯ 提示速度が遅い:時間を短く感じる◯ 提示速度が速い:時間を長く感じる
• 実際に憂鬱なタスクを実施した時に,• a
時間評価がどう変化するかを検証
プレ実験 - 実験手順 -
• 実験協力者 4 名• 産出法
◯ 1 分を主観で計測するよう指示
• 視線固定も兼ねてタイピングタスクを実施◯ 日本人によくある名字 100 個をピックアップ◯ ほぼ同じ内容のタスクを 30 回◯ 約 180 文字 × 30 回 = 約5400 文字
• 周辺視野へ視覚刺激を提示• 5 つの速度条件による影響を調査
プレ実験 - 提示速度について -
• 速度自体との相関は無し
• 試行ごとの提示速度に着目◯ 加速:時間を短く感じる◯ 減速:時間を長く感じる
中心視野への提示とは反対の効果
提示速度の変化
産出時間産出時間の差分
62 秒
加速 55 秒 -7
減速 72 秒 +17
加速 59 秒 -13
速度ではなく速度の変化と相関がある可能性
実験
実験目的
視覚刺激を提示する速度の変化が時間評価にどのような影響を及ぼすのか調査
• プレ実験によって立てられた仮説の検証◯ 速度の変化と時間評価の関係について
実験 - 実験手順 -
• 実験協力者 15 名• マグニチュード推定法 [ 田山 2007 など ]
◯ 6 つの時間条件によってタスクは自動終了
• タイピングタスクを実施◯ 最大 160 秒間継続してタイピング◯ 約 250 文字 × 30 回 = 7500 文字
• 周辺視野へ視覚刺激を提示• 4 つの速度条件による影響を調査
加速 減速0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
実験 - 全体としての分析 -
• 加速:時間を短く感じる減速:時間を長く感じる
◯ プレ実験の結果と同様
• 個人によって異なる傾向◯ 個人差の要因を検討
速度の変化量と相関
( 実時間の比率 )
時間評価値の平均ユーザ 加速 減速
A 1.15 1.15B 1.64 1.05C 1.08 1.04D 1.56 0.91E 0.96 1.30F 0.99 1.09G 1.22 0.92H 0.90 1.20I 1.03 1.01J 1.15 1.17K 1.30 1.01L 1.13 1.12M 1.24 1.06N 1.12 1.07O 1.40 1.03
実験 - 個人ごとの分析 -
• 加速:時間を短く感じる減速:時間を長く感じる
◯ プレ実験の結果と同様
• 個人によって異なる傾向◯ 青は中心視野への効果と類似◯ 個人差の原因を検討
• ユーザによって異なる効果?• 再実験により検証
( 1.0 以上は時間を短く感じる)
再実験 - 個人差の原因について -
•強い傾向の見られた 5 人で再実験◯ 加速するほど時間を短く感じるグループに遷移◯ 視線の位置がずれたために反対の効果が発生?
時間評価値の平均
ユーザ 加速 減速
B 1.64 1.05
D 1.56 0.91
E 0.96 1.30
G 1.22 0.92
H 0.90 1.20
時間評価値の平均
ユーザ 加速 減速
B 1.16 1.05
D 1.31 0.90
E 1.29 1.06
G 1.30 1.05
H 1.06 1.04
再実験 - 個人差の原因について -
•強い傾向の見られた 5 人で再実験◯ 加速するほど時間を短く感じるグループに遷移◯ 視線の位置がずれたために反対の効果が発生?
時間評価値の平均
ユーザ 加速 減速
B 1.64 1.05
D 1.56 0.91
E 0.96 1.30
G 1.22 0.92
H 0.90 1.20
時間評価値の平均
ユーザ 加速 減速
B 1.16 1.05
D 1.31 0.90
E 1.29 1.06
G 1.30 1.05
H 1.06 1.04
視線データの分析が必要
考察 - 実験時の視線分析 -
•新たな実験協力者 5 名◯ 視線検出装置によって実験中の視線情報を取得
• 赤グループ• 視線は画面中央のタスクに向けられていた
ユーザ 時間評価値の平均 タスク注視率
加速 減速 提示なし 提示あり
K 1.30 1.01 0.91 0.93L 1.13 1.12 0.91 0.95M 1.24 1.06 0.95 0.96N 1.12 1.07 0.90 0.89O 1.40 1.03 0.95 0.96
考察 - 実験時の視線分析 -
•新たな実験協力者 5 名◯ 視線検出装置によって実験中の視線情報を取得
• 赤グループ• 視線は画面中央のタスクに向けられていた
ユーザ 時間評価値の平均 タスク注視率
加速 減速 提示なし 提示あり
K 1.30 1.01 0.91 0.93L 1.13 1.12 0.91 0.95M 1.24 1.06 0.95 0.96N 1.12 1.07 0.90 0.89O 1.40 1.03 0.95 0.96
青グループは視線の位置がずれていた可能性
まとめ
• 周辺視野へ提示された視覚刺激によって,無意識的に時間評価が変化する手法を提案• 加速するほど時間を短く感じ,
減速するほど時間を長く感じる傾向◯ 中心視野の効果と反対の結果
今後の展望• より日常的に使えるシステム
◯ webサービス◯ ウェアラブルデバイス
• 時間評価の変化に特化したシステム