これからの「営業」の話をしよう
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※業界特化型のB2Bビジネス・ソリューションを商材としている会社の、ルートセールスをメインにしてきた営業部門に対して、新商材を売り始めたけど全く売れずモチベーションが下がっていたときにプレゼンしたスライドです。一部公開できない部分は修正してます
Ahthor : Keita ENOMOTO
これからの「営業」の話をしよう
営業 ≠ 売る、営業 = お客さんの話を”ちゃんと”聞く。
どんなモノやサービスでも営業できるセールスパーソンに
2015年7月
1Ahthor : Keita ENOMOTO
タイトルは皆さんご存知のベストセラーから拝借
2Ahthor : Keita ENOMOTO
“差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。
逆のケースはない。”-Peter Thiel(ピーター・ティール)
参考:
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』Amazonリンク
推定資産22億ドル(約2360億円)。
ペイパルを創業したビリオネアの起業家。IT系スタートアップのカリスマ・ベンチャーキャピタリスト。
投資先にはフェイスブック、スペースX、大麻産業投資会社のPrivateer Holdings、パランティアなどシリコンバレーのほとんどのテクノロジー会社に投資している。
3Ahthor : Keita ENOMOTO
0. 現状、どうなってますか?
4Ahthor : Keita ENOMOTO
営業部
“売れないものを売らされてる。もし売れても不具合だらけだし、トラブルになるだけ…”
開発部
“ちゃんと営業していないだけだろうが”
営業部隊 vs. 開発部隊 みたいな構図
5Ahthor : Keita ENOMOTO
商材A、商材B、商材C、商材D、商材E、商材F…。商材が多くて全部営業するのは無茶だし、時間がない
営業を訪問頻度みたいなKPIで管理されても…次のステップに進むネタがないのに行っても“行くだけ”になるし、自分もお客さんも時間を無駄にする。全国出張する営業費用・機会費用を考えてみてほしい
既存サービスのカスタマーサポートがおろそかになって炎上している案件がある、組織変更に伴う引き継ぎで新商材を売るどころではない、売れないからなにか変えなきゃと思って長時間の営業会議…更に時間がない 榎本は偉い人に営業について詰められてストレスが溜まっています。誰か夜中に僕
をみかけたらレッドブルを差し入れしてください
営業部内にも問題はたくさんある(個人的な意見もこっそり盛り込んでます)
6Ahthor : Keita ENOMOTO
1. どうすれば改善できる?
7Ahthor : Keita ENOMOTO
営業 ≠ **(新商材)を売る
8Ahthor : Keita ENOMOTO
営業 = **(新商材)について
お客さんの話を聞く
“ちゃんと”YesなのかNoなのかを聞く。
なぜNoなのかはっきりさせる。
なぜYesなのかはっきりさせて、次に繋げる
9Ahthor : Keita ENOMOTO
Yes(売れる見込がある)のか、No(このお客さんには売れない!)なのか、話を”ちゃんと”聞けていないので中途半端な状態の案件が多いのかも
どうにも判断し辛い案件がある
特に見込みが中程度になっているこのあたり
営業案件管理シート
10Ahthor : Keita ENOMOTO
2. 具体的にどうする?
11Ahthor : Keita ENOMOTO
“ちゃんと”話を聞き、提案し、見込みを判別する方法が知りたい
12Ahthor : Keita ENOMOTO
先人・偉人の知恵を借りるのが
手っ取り早いと思います
13Ahthor : Keita ENOMOTO
3つのフレームワークをご紹介
いろいろ調べたりセミナーに参加したりして考えましたが、一番シンプルでしっくりきたものをご紹介
これが全てではないでしょうが、この3つを押さえてトレーニングすれば誰でも良いセールスパーソンになれると思います
14Ahthor : Keita ENOMOTO
1) SPIN(スピン)
15Ahthor : Keita ENOMOTO
2) FABE(ファブ)
16Ahthor : Keita ENOMOTO
3) BANT(バント)
17Ahthor : Keita ENOMOTO
もう一回
18Ahthor : Keita ENOMOTO
1)SPIN(スピン)
=話を聴く技術
19Ahthor : Keita ENOMOTO
2) FABE(ファブ)
=提案する技術
20Ahthor : Keita ENOMOTO
3) BANT(バント)
=見込みを計る技術
21Ahthor : Keita ENOMOTO
ひとつずつみていきます
22Ahthor : Keita ENOMOTO
① SPIN(スピン) = 話の聴き方
23Ahthor : Keita ENOMOTO
roblem
(問題質問)
mplication
(示唆質問)
eed-payoff
(解決質問)
ゼロックス、IBM、AT&T、富士ゼロックス、DHLジャパンなどが導入した実績のあるインタビュー技法らしい
現在の状況について聞く どんなサービス使ってましたっけ?導入してどれくらい?
お客さんの抱える問題点について指摘する **だと大変じゃないですか?そもそも**って使いにくくないですか?
お客さんが抱える問題点の与える影響、結果 **リプレイスしたらすごい金額かかるんじゃないですか?このご時世に枯れ
ていて安定性あるけどレガシーで単機能な**を使うのもったいなくないですか?
**(新商材)の価値を質問する **だとこうなるので○○できますし、こっちのほうが良くないですか?ちょ
うど**はこんなサービスで…
「質問のしかた」=「SPIN」を意識して
参考図書:『営業の「聴く技術」―SPIN「4つの質問」「3つの説明」』 Amazonリンク
ituation
(状況質問)S
P
I
N
24Ahthor : Keita ENOMOTO
端的に状況質問→問題質問に素早く移行→潜在ニーズを見つけ→示唆質問で潜在ニーズを顕在化させ→解決質問で解決策に目を向かせこれをお客さんに語ってもらう
質問しすぎるとお客さんはイライラします。聞きすぎ注意 適度に「すごいですね!」と褒めたり、「**ケーブルでは○○だと聞いた
んですけど…」等、うまく話をおりまぜながら徐々に聞き出す
小型案件だとこれで十分。だが大型案件だと問題提起だけでは不十分なことも 例)「確かに**はいいけど、○○だから今ウチはこれ使ってるし簡単にリ
プレイスはできないよ」
聞くことでお客さんの課題意識有/無がはっきりする ネガティブ面を指摘するのでお客さんを不安にさせる(不機嫌にさせる)か
も?だが大型案件だと有効になることも
内部プレゼンのトレーニングに(担当者→役員など)
解決策が受け入れられやすくなる
「SPIN」の効果/注意点
roblem
(問題質問)
mplication
(示唆質問)
eed-payoff
(解決質問)
ituation
(状況質問)S
P
I
N
参考図書:『営業の「聴く技術」―SPIN「4つの質問」「3つの説明」』 Amazonリンク
25Ahthor : Keita ENOMOTO
② FABE(ファブ) = 提案の仕方
26Ahthor : Keita ENOMOTO
dvantage
(利点)
enefit
(利益)
vidence
(証拠)
eature
(特徴)
特性・仕様・事実を明確に伝える
その特性・仕様を活かすことで得られるメリットを明確にする
競合と比べた優位点を明確にする **より安いし、**できる等
**(新商材)がお客さんの課題をどう解決する/和らげるかを伝える。そのメリットを金額で示す
その根拠を事例で示す
「提案のしかた」=FABEを意識して
参考:『「営業」で勝つ! ランチェスター戦略』Amazonリンク 、トーマツのbizCAMPUS、SSKセミナー等
セールスやプレゼンテーションに使われる一般的なフレームワーク(**(新商材)の提案書は今どんな構成でしたっけ…)
F
A
B
E
27Ahthor : Keita ENOMOTO
③ BANT(バント)
= 見込みの有/無を判断する
28Ahthor : Keita ENOMOTO
お金はあるのか? **(新商材)の様なサービスの導入予算は計上されてるのか?予算外でもいけ
るのか?行政予算ないと動かないのか?自社の予算でも動いてくれるのか?
発注権限のある人は誰か?どういう流れで決裁されるのか? 社長の鶴の一声で受注できるのか?取締役会とか経営会議を経るのか?発注
権限あっても知識ない偉い人は、誰の話を聞くのか?キーマンは?自治体が実質的な決裁権を握っているなら予算スケジュールを
個人の興味ではなく、会社として必要性が高いか? 個人的には好きだけど…は案件動かない。
導入・買ってくれる時期は決まってるか? 漠然とでも決まっていないと、いつまでたっても案件動かない
BANTで見込み顧客に優先順位をつける
参考図書:『「営業」で勝つ! ランチェスター戦略』など Amazonリンク
その昔IBMが考えた、法人営業で押さえるべき情報のフレームワークらしい。いろいろあるけどこれが簡潔。詳細はこちら等を参照してください
uthority
(権限)
eed
(利益)
imeframe
(導入時期)
udget
(予算)B
A
N
T
29Ahthor : Keita ENOMOTO
予算制で予算外のことはまったくできないのか?予算外でも良ければクロージングできるタイプか?補助金ないと動かない案件か?他の案件の予算を崩してもらえないか?
決裁権者にデモ見せてプレゼンしたのか?決裁権者が知識ない場合、実質的に新規事業にgo/no goを出している人にデモを見せたか?担当レベルの人の話だけ聞いてないか?
お客さんの課題はしっかり把握してるか?
いつ導入する計画なのか?1年以内に導入することがないなら、今年度見込みは低い
具体的に何を聞くべきか?どう聞くか?
参考図書:『「営業」で勝つ! ランチェスター戦略』など Amazonリンク
**(新商材)向けにアレンジする必要がありそう
uthority
(権限)
eed
(利益)
imeframe
(導入時期)
udget
(予算)B
A
N
T
30Ahthor : Keita ENOMOTO
BANTでYes!/No…をはっきりさせる
見込みのあるお客さんを”ちゃんと”判別して営業する。
そして売れないなら、**だから売れないとはっきり言えるようにする
31Ahthor : Keita ENOMOTO
3. もっと具体的にどうする?
32Ahthor : Keita ENOMOTO
P
I
F
お客さんのおかれた状況や背景を知るために質問する
不満・課題の影響について質問し、解決する重要性に気づいてもらう
**(新商材)が何で、何をサービスし、どう課題解決するのか説明
B 経済条件と、**(新商材)で解決される課題の効果を説明する(できれば金額で)
SPINに聞いてFABEに提案、BANTを埋めていく
S
N
A
E
お客さんが抱えている現状への不満・課題を質問に気づいてもらう質問を
どうやったら解決できるか質問→解決策の1つとして**(新商材)を提案
**(新商材)を使うメリットと競合と較べてどうすぐれているのか説明
事例を説明する
B
価格についての反応はどうか?経済条件交渉必要か?
補助金前提か?そもそもお金はあるのか?
A
発注権限持っているのは誰か?トップ判断で決まるか?経営会議に諮るのか?どんな情報必要か?
発注権限者は誰の意見を聞いて導入検討するのか?
N 今課題として考えているのは何
か?気づいてないけど課題になりそうなのは何か?
T
いつ導入決めるか?
補助金前提なら、どの名目の補助金か?今年度予算か、来年度予算か?
決算月はいつか?
“聞く”から”紹介”へ
営業しつつ必要な情報を
ヒアリングして埋めていく
33Ahthor : Keita ENOMOTO
4. もっともっと具体的にどうするか?
34Ahthor : Keita ENOMOTO
まず見込みありそうなお客さんに絞り込む
“**(新商材)”のFeatureは?
“**(新商材)”のFeatureで解決できるProblemを持つお客さんは?そのproblemを持つお客さんを判別できる軸を見つけて(2~3個)、リストを作成していく
具体的には榎本がデータ整理して追って案内します…レッドブルくれよ
35Ahthor : Keita ENOMOTO
ヒアリングシート作成
営業報告の作文レポートは負担になるならいらないんじゃないか?
空欄を埋めたBANTヒアリングシートが一番の営業成果物
36Ahthor : Keita ENOMOTO
アポイント
ターゲットリストに沿って、行きやすいお客さんではなく行くべきお客さんにアポイントをとる!(やっぱりリストは榎本がつくりますか…?)
まずはメール、必要なら電話でフォローしてアポイント
付き合いのないド新規のお客さんには売り込みのアポイントではなく、“**(新商材)に対するアドバイスが欲しい”体でメールから入ればアポイント取得しやすい
それでもSPINに聞いてFABEに提案し、BANT埋めたら見込みになるものはなる!
売り込みに行くのではなく、売れそうだと思ってアポイントをとったお客さんにBANTをヒアリングすることが第一歩
37Ahthor : Keita ENOMOTO
ヒアリングシートを改善する
話をしてみて聞きにくかったりしたら、聞き方を考える必要がある。
トークスクリプトを用意するのもひとつ
38Ahthor : Keita ENOMOTO
新しいサービスを買ってくれる人
=市場の2.5%(多くても16%)
39Ahthor : Keita ENOMOTO
なかなか売れないのはあたり前
“イノベーター理論”(Everett M. Rogers 1962)とか、“キャズム理論”(Geoffrey A.
Moore 1991)っていうもので考えたら、新しいサービスを進んで買ってくれるお客さんは9社しかいない。初期段階で買ってくれるお客さんと含めても58社。
○○業界団体会員 366(社) * 16(%) = 58.56(社)
2015年度目標:新規採用30局達成のためには、イノベーターとアーリーアダプター全てにちゃんと営業し、50%超の成約率を実現しないといけない
参考:『キャズム』Amazonリンク、『キャズム Ver.2』Amazonリンク ほか
アーリーアダプターとアーリーマジョリティでは求めるものが全く違い、サービス内容変えて売らないとダメらしい…(が、**(新商材)はまだそんな段階じゃない)
新サービスを買うお客さんは5つのタイプに分かれるらしく、最初のお客さんの層(普及率16%)を超えたら新サービスは急速に拡がっていくらしい。(58件とるま
ではしんどいということですね…)
キャズム(chasm):われめ イノベーター理論
40Ahthor : Keita ENOMOTO
イノベーターは2.5%(アーリーアダプターをあわせても16%)
新しいサービスは実績もないので売れなくてあたりまえ。営業はいくら工夫しても最後は確率論。狙いを絞ったら数撃つことはどうしても必要。
41Ahthor : Keita ENOMOTO
“この困難を乗り切るのに、
何にでも効く銀の弾丸はない。
あるのは鉛の弾丸だけだ。”
-Ben Horowitz(ベン・ホロウィッツ)
参考:
『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』Amazonリンク
Wikipedia 銀の弾丸
シリコンバレー拠点のベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者兼ゼネラルパートナー。次世代の最先端テクノロジー企業を生み出す起業家に投資している。投資先には、エア・ビー・アンド・ビー、ギットハブ、フェイスブック、ピンタレスト、ツイッターなどがある。
それ以前はネットスケープの生みの親であるマーク・アンドリーセンとオプスウェア(元ラウドクラウド)の共同創業者兼CEOとして、2007年に同社を16億ドル超でヒューレット・パッカードに売却した。